JP2003139372A - 空調・熱源設備最適抑制制御システム - Google Patents
空調・熱源設備最適抑制制御システムInfo
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Abstract
の予測値が増段設定値を超える場合に、需要側空調設備
の空調目標設定値を快適域内で熱負荷低減側に自動的に
更新することで総熱負荷の増大を規制し、もって熱供給
機器の複数台運転機会を抑制して、空調設備システムの
熱効率の向上と省エネルギー化とを図る。 【構成】 複数の空調ゾーン毎に設けられた需要側空調
設備4の各種機器類の制御ユニット36と、供給側熱源
設備6の複数の熱供給機器16a,16bの運転台数を
制御する増段運転制御ユニット50aとが設けられてい
る空調設備システム60において、各需要側空調制御手
段36と増段運転制御ユニット50aとを信号線62で
相互に通信可能に繋ぐ。熱源運転制御ユニット50に、
各空調ゾーン毎の空調目標値とその消費熱量実績値の推
移とに基づいて熱負荷変動予測を行う熱負荷予測手段5
2aと、予測した総熱負荷が前記増段設定値を超える場
合に、前記空調目標値を快適域内で熱負荷低減側に設定
変更して総熱負荷が増段設定値を超えないように制限す
る目標値変更手段52bとを付加する。
Description
における空調管理制御のオープンネットワーク技術に関
する。
空調設備の概略構成を示すものである。図示するよう
に、空調・熱源設備2は、各フロア毎等のように所定の
範囲をカバーして複数に区画されている各空調ゾーンに
それぞれ独立して設けられる需要側の空調設備4と、こ
れらの各空調設備4のそれぞれに熱媒を循環供給する供
給側熱源設備6とからなる。
需要側空調設備4に供給する供給配管10、並びに回収
する戻り配管12、供給配管10に設けられたポンプ1
4、熱媒に熱を供給する2台の熱供給機器16a,16
b等を備える。
戻り配管12とを繋いで熱媒流路を形成する熱媒配管2
6と、この熱媒配管26の途中に設けられた熱交換器2
8及び熱媒の流量調整弁30、並びに空調ゾーンの空気
を熱交換器28を通過させて循環させる送風機32等の
機器からなる。各空調設備4には、各々の空調ゾーン毎
に個別に設定される温度や湿度等の各種空調目標値に実
測値が収束するように当該各需要側空調設備4の空調機
器の作動を制御する空調機器制御ユニット34が設けら
れている。
コンピュータ等を用いた制御ユニット36で構成され、
この制御ユニット36には室内温度センサ38、室内湿
度センサ40、吹出温度センサ42、熱媒入口温度セン
サ44、熱媒出口温度センサ46、空調目標値の設定入
力をするリモコン48が接続されており、これらのセン
サーやリモコンから入力されるデータに基づいて、送風
機32の作動や流量調整弁30の開度、また図示してい
ない外気導入量調節フラップの開度等を制御して、室内
温度と湿度とをリモコンから入力された目標値に収束さ
せるようになっている。ここで、各空調ゾーンはその使
用用途により、それぞれ快適域には違いがあり、事務室
の空気環境の場合では、17℃以上 で28℃以下の範
囲にあり、しかも外気温との差は 7℃以内で、湿度は
40%以上70%以下とするよう定められており、在室
者の快適さを優先するならば26℃,50%前後を空調
目標値として設定するのが一般的となっている。
は温水)を循環させるポンプ14と熱供給機器16a,
16b等の作動を制御する、やはりマイクロコンピュー
タ等を用いた制御ユニット52で構成された熱源の運転
制御ユニット50が設けられている。この熱源運転制御
ユニット50は、供給配管10に送り出される熱媒の流
出温度を検知する流出温度センサ54と、戻り配管12
を通じて戻ってくる熱媒の流入温度を検知する流入温度
センサ56とを備えており、これら流出・入温度センサ
54,56からの信号とポンプ14の吐出流量とから需
要側の総熱負荷を算出し、これが予め定められた増段設
定値を超えたときに熱供給機器16a,16bの運転台
数を段階的に増やしていく制御を行うようになってい
る。つまり、熱源運転制御ユニット50は熱供給機器1
6a,16bの増段運転制御機能を有し、また熱供給機
器16は常時運転されるプライマリー側の第1熱供給機
器16aと総熱負荷が増段設定値を超えたときに運転さ
れるセカンダリー側の第2熱供給機器16bとからなっ
ている。
2では、各空調ゾーンに設けられたそれぞれの需要側空
調設備4,4,…の送風機32や流量調整弁30等の空
調機器は、各々の空調ゾーン毎に個別に設定されている
室内温度と湿度等の空調目標値に、センサーで実測した
温度や湿度が収束して保持されるように、また必要な外
気取り入れ量が確保されるように、予め決められたアル
ゴリズムによって制御され、当該空調制御は供給側熱源
設備6の熱供給機器16a,16bの運転状況とは独立
されて行われていて、それら個々の空調ゾーンでの消費
熱量が反映された結果の需要側全体の総消費熱量に基づ
いて、熱源設備6の熱供給機器16a,16bの運転台
数制御が実行されるようになっている。
チングを防止するために、運転台数を増やす増段設定値
と運転台数を減らす減段設定値とには制御ディファレン
シャルが与えられていて、冷房運転を例にすると、この
制御ディファレンシャルは図10と図11とに示すよう
に、減段設定値は増段設定値よりも低く定められ、
また増段設定値は1台の熱供給機器による最大供給可
能熱量に対して十分な余裕を持たせて低めに定められ
ている。
に従来では、需要側の総消費(要求)熱量に応じて、そ
の増大変化に追従して熱源設備6における熱供給機器1
6a,16bの運転台数を増やしていく増段運転制御を
行い、当該増段運転制御をするにあたっては、その消費
熱量の増大に対して余裕を持って対応できるように、熱
源設備6の熱供給機器16a,16bの増段設定値を
決定しているが、このような従来の制御方法であると、
次のような不具合点があった。
費熱量が一台目の第1熱供給機器16aによる最大熱供
給可能量を超えることがない範囲で推移する様な場合で
あっても、増段設定値は余裕を持たせて低めに設定し
てあるため、当該増段設定値を超えてしまえば、その
時点で2台目の第2熱供給機器16bが起動されて、総
消費(要求)熱量が減段設定値を下回るまでは2台運
転が継続されることになり、このため、総消費熱量が第
1熱供給機器16aの最大熱供給可能量以下の状態にあ
るにも拘わらず増段制御が働いてしまい、システム効率
の悪い運転が行われているケースが多かった。
であり、その目的は、需要側空調設備の総消費熱量の推
移と現状の空調目標値とから、当該総消費熱量の今後の
変動を予測して、この予測値が増段設定値を超える場合
に、各需要側空調設備毎に設定されている空調目標設定
値を、その快適範囲内で熱負荷が低減する側に自動的に
変更することによって熱負荷の増大を規制し、これによ
り2台目の熱供給機器の運転機会を可及的に抑制して、
空調設備のシステム効率の向上と省エネルギー化とが図
れるようにした空調設備システムを提供することにあ
る。
めに本発明にあっては、複数の空調ゾーン毎に設けられ
た需要側空調設備と、該各需要側空調設備のそれぞれに
付設されて、各空調ゾーン毎に設定された温度や湿度等
の各種空調目標値に実測値が収束するように該各需要側
空調設備の空調機器の作動を制御する空調機器制御ユニ
ットと、各需要側空調設備のそれぞれに熱媒を循環供給
する供給側熱源設備とを備え、該供給側熱源設備には熱
媒に熱を供給する複数の熱供給機器と、需要側の総熱負
荷が予め定められた増段設定値を超えたときに該熱供給
機器の運転台数を段階的に増やしていく増段運転制御ユ
ニットとが設けられている空調設備システムにおいて、
前記各需要側の空調制御手段と前記供給側の増段運転制
御ユニットとを相互に通信可能に繋ぐとともに、各空調
ゾーン毎の空調目標値とその消費熱量実績値の推移とに
基づいて行われる予測結果とその結果に基づく設定値変
更後の熱負荷変動の予測を行う熱負荷予測手段と、該熱
負荷予測手段で予測した総熱負荷が前記増段設定値を超
える場合に、前記空調目標値を快適範囲内で熱負荷低減
側に設定変更して総熱負荷が増段設定値を超えないよう
に制限する目標値変更手段とを付加したことを特徴とす
る。
ステムにあっては、前記空調目標値の設定変更後の総熱
負荷予測値が前記増段設定値を上回る場合に、該増段設
定値を現在の運転台数での最大供給可能熱量に近づけて
設定変更させる機能を前記目標値変更手段に付加させた
ことを特徴とする。
例を添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明
に係る空調設備システムの一実施例を示すものであり、
その主たる構成は前述した図9の従来例と同様であり、
よって同一部材には同一の符号を付してその詳しい説明
は省略する。
ステム60は、図9の従来例と同様に、各空調ゾーン毎
にそれぞれ設けられた需要側空調設備4には、その各空
調ゾーン毎に設定された温度や湿度等の各種空調目標値
に実測値が収束するように、各需要側空調設備4の熱媒
流量調整弁30や送風機32等の空調機器の作動を制御
する空調機器制御ユニット34が付設されていて、これ
らの空調機器はリモコン48から設定入力される空調目
標値と、室内温度センサ38、室内湿度センサ40、吹
出温度センサ42、熱媒入口温度センサ44、熱媒出口
温度センサ46等から入力される各種データに基づいて
その作動が制御される。
媒を循環供給する供給側熱源設備6も従来例と同様に、
熱媒(冷水又は温水)に熱を供給する複数(本実施形態
例では2台)の熱供給機器16a,16b、並びに熱媒
を循環送給するポンプ14とを有し、これら熱供給機器
16a,16bとポンプ14とにはその作動を制御する
熱源運転制御ユニット50が付設されていて、この熱源
運転制御ユニット50のマイコン等から成る制御ユニッ
ト52は熱媒の流出温度センサ54と流入温度センサ5
6から入力されるデータ及びポンプ14の吐出流量デー
タ等に基づいて需要側の配管熱損失や機器効率等も踏ま
えた総供給熱量(即ち、総熱負荷)を算出して、これが
予め定められた増段設定値を超えると熱供給機器16
a,16bの運転台数を段階的に増やす制御を行うよう
になっていて、熱供給機器16a,16bの増段運転制
御ユニット50aの機能を有している。また、算出され
た上記総供給熱量は、供給側熱源設備6の実績総供給熱
量データとしてその推移が把握できるように逐次記録さ
れていく。
にあっては、熱源運転制御ユニット50の制御ユニット
52と各需要側空調設備4における空調機器制御ユニッ
ト34の制御ユニット36とは、信号線62によって相
互に通信可能に繋がれているとともに、各空調ゾーンの
空調目標値とその消費熱量実績値の推移とに基づいて熱
負荷変動の予測を行う熱負荷予測手段52aと、この熱
負荷予測手段52aで予測した総熱負荷が前記増段設定
値を超える場合に、前記空調目標値を快適範囲内で熱負
荷低減側に設定変更して総熱負荷が増段設定値を超えな
いように制限する目標値変更手段52bとが付加されて
いて、本実施形態ではそれら熱負荷予測手段52aと目
標値変更手段52bとはともに制御ユニット52内に組
み込まれている。
ユニット34の個々の制御ユニット36から信号線62
を介して、それぞれの空調目標値や室内温度、室内湿
度、吹出温度、熱媒入口温度、熱媒出口温度、熱媒流量
(流量調整弁開度)等の各種データを取得し、各空調設
備4毎の熱媒入口温度、熱媒出口温度、熱媒流量とから
現状の熱負荷を算定する。そして、その熱負荷値を消費
熱量実績値として適宜なメモリーデバイスに逐次記憶す
る。また、熱源運転制御ユニット50の制御ユニット5
2には外気温度センサ64、外気湿度センサ66、日射
量センサ68が接続されており、熱負荷予測手段52a
はこれらのセンサーから入力される外気温、外気湿度、
日射量等の気象データと、前記消費熱量実績値の推移、
既設定の空調目標値等を考慮して、今後の各空調設備4
における熱負荷の変動を十数分後の短期予測で、及び数
時間後の長期予測で算出して、それら空調設備側全体の
予測総消費熱量を算出する。さらに、これと同時に熱負
荷予測手段52aは、空調目標値を快適範囲内で種々に
変更した仮空調目標値を設定し、各仮目標値に設定変更
した場合の熱負荷変動も同様に予測して、推移データと
して逐次保存する。
6での実績総供給熱量の推移データと、外気温度・外気
湿度・日射量等の気象データの推移データ、及び空調設
備側の既設の空調目標値とを基にして、熱源設備6側で
の総供給熱量変動の予測を上記と同様に短期と長期で行
い、当該総供給熱量変動の予測値を逐次に推移データと
して保存する。さらに同時に、空調目標値を快適範囲内
で種々に変更した仮空調目標値での総供給熱量変動も上
記と同様に予測して、推移データとして逐次保存する。
に表にしてまとめて示してあるように、フィジカルモデ
ル法、ARIMAモデル法、TCBM法、回帰法、GM
DH法、カルマンフィルター法、ニューラルネットワー
ク法、ファジーニューロ法、ファジー法等があり、これ
らのいずれか、またはこれらを組み合わせて採用するこ
とができる(蓄熱式空調システムの異常診断・適正制御
の研究 社団法人空気調和・衛生工学会 蓄熱最適化委
員会報告書 1996.3〜1998.3参照)。
ように、現状の空調目標値で算出した短期及び長期の熱
負荷予測値Q2が1台目の最大供給可能熱量以下で増
段設定値を超えている場合には、その実際の熱負荷を
増段設定値未満のQ3になし得るようなエネルギー削
減目標値*Aを算出設定して、このエネルギー削減目標
値*Aを達成し得る空調目標値*Bを、予測した種々の
仮空調目標値の中から算出・選定する。そして、各空調
設備4の制御ユニット36にアクセスして既設の空調目
標値を当該算出・選定した空調目標値*Bに更新する。
ように、既設の現状の空調目標値で算出した短期及び長
期の熱負荷予測値Q2が1台目の最大供給可能熱量を
超えている場合には、その実際の熱負荷を当該最大供給
可能熱量未満のQ3になし得るようなエネルギー削減
目標値*Aを算出設定し、このエネルギー削減目標値*
Aを達成し得る空調目標値*Bを、予測した種々の仮空
調目標値の中から算出・選定する。そして、各空調設備
4の制御ユニット36にアクセスして既設の空調目標値
を当該算出・選定した空調目標値*Bに更新するととも
に、増段設定値を更新する。即ち、更新後の空調目標
値*Bで予測した、目標と成す総消費熱量値Q3以上
で、1台目の最大供給可能熱量に対して若干低くて余
裕のある熱量値を、増段設定値の変更目標値*Cとし
て算定し、当該増段設定値をから’に変更する。
る運転制御フローの一例を概略的に示すフローチャート
である。即ち、空調設備システム60が稼働されると、
先ず、S10で熱供給機器16a,16bの運転状況の
把握が行われて、その運転台数と供給エネルギー量とが
検知される。次ぎに、S20で各空調ゾーン別に空調設
備機器の運転状況の把握が行われ、機器の発停状態と各
空調ゾーン別の消費熱量、各空調ゾーン別の空調目標値
(温度、湿度、外気導入量等)が検知され、各空調ゾー
ン毎の消費熱量のデータとそれらを総合した総消費熱量
のデータとが実績消費熱量として記録蓄積される。
測が行われ、現状の空調目標値設定での推移と、空調目
標値を種々に変更した場合の各種仮空調目標値設定での
推移とが算出されて、これらは15分〜数時間後の短期
から長期に亘る予測データとして蓄積され、かつ各空調
設備4での予測熱負荷を総合した総熱負荷値も算出され
て同様に予測データとして蓄積される。また、これらの
予測データには外気温や外気湿度、日射量等の気象デー
タの推移も付帯される。
量(総熱負荷)予測がおこなわれる。この総供給熱量予
測は、前術のように実績供給熱量の推移データ、空調設
備側の既設の空調目標値とを基にして、熱源設備6側で
の総供給熱量予測が短期と長期とで行なわれて、当該予
測値は逐次に推移データとして蓄積される。また、同時
に空調目標値変更時の総供給熱量予測が15分〜数時間
後の短期と長期とで行なわれて、当該予測値は逐次に推
移データとして蓄積される。
要否条件が算定される。即ち、現状設定の空調目標値と
各種仮設定の仮目標値との各条件下における増段の要否
状況の分析が、空調設備側若しくは熱源設備側優先で行
われるとともに、現状空調目標値での推移並びに各種仮
空調目標値での推移による熱量削減目標値*Aが算定さ
れ、かつ増段設定値の変更目標値*Cの算定が行われ
る。
る空調目標値の調整変更の要否が判定され、この判定は
算定されたエネルギー量削減目標値*Aが0でない、つ
まり*A>0であるか否かで判定され、*A>0であれ
ば要と判定される。
み、空調目標値の調整変更値の算定が行われる。つま
り、予め記憶されている室内温度、室内湿度、外気取り
入れ量の制御因子の各空調ゾーンでの快適範囲を読み込
んで、これらの許容制御幅(許容変更幅)を算定し、当
該快適範囲内でエネルギ削減目標値*Aを達成できる空
調目標値*Bを、各種仮空調目標値で予測した推移デー
タのなかから選定する。
御の実施が行われる。つまり、制御ユニット36に対し
てアクセスして、既設の空調目標値(室内温度、室内湿
度、外気取り入れ量)を選定された空調目標値*Bに更
新する。例えば、既設の目標室内温度が26℃であった
のを27.5℃に、更には既設の目標室内湿度が50%
であったのを65%にする等の更新が行われる。
bの運転台数を増やす増段設定値の変更条件の判定が行
われる。つまり、更新後の、若しくは未更新のままの現
状設定での空調目標値による予測総熱負荷が、初期設定
されている増段設定値を超えていて、かつ1台目の最
大供給可能熱量は超えていない場合に、増段設定値
の変更が要と判定される。
制御が行われる。つまり既に算定されている変更目標値
*Cが読み込まれて、当該変更目標値*Cに更新され
る。
値の変更が不要である場合には、S90にジャンプさ
れ、また、S90での判定が否で増段設定値の変更が不
要の場合には、S100がジャンプされる。そして、S
10〜S100の制御フローが逐次繰り返される。
本実施形態例の空調設備システム60の作用効果につい
て説明する。なお、各空調ゾーン毎に設置された空調設
備4はそれぞれの該空調ゾーン毎に設定された空調目標
値に実際の実測値が収束して一定に保持されるように、
その空調設備機器類の作動が制御されるのであるが、こ
こでは説明の便宜上、各空調ゾーンはすべて同一の空調
目標値に設定されているものとして述べる。
空調目標値が、例えば室内温度目標値26℃、室内湿度
目標値50%他であったとすると、それらの空調目標値
に実測値(室内温度、室内湿度、外気導入量等)が収束
して一定に保たれるように各空調設備4の空調設備機器
類が制御ユニット36によって作動制御され、同時に熱
源運転制御ユニット50の制御ユニット52は、現状設
定による空調目標値での熱負荷推移を実績値として記録
保存し、かつ、今後の推移を予測算出して記録保存して
いく。ここで、この実績推移と予測推移とは、各空調ゾ
ーンに設置された空調設備4ごとに行われて、その各空
調設備4で予測された熱負荷を総和した予測総熱負荷が
算出される。
ば現時刻t1における現状空調目標値設定での空調設備
4全体の実績総熱負荷がQ1(Q1<増段設定値)で
あって、当該現状の空調目標値の設定のままで予測した
熱負荷の最大値が、時刻t2でQ2(1台の最大供給可
能熱量<Q2<増段設定値)に達すると算出された
場合にあっては、熱源運転制御ユニット50の制御ユニ
ット52は時刻t2における予測総熱負荷が増段設定値
に満たない熱量Q3になるような空調目標値*Bをそ
の快適域内で算出して、例えば室内温度目標値が27.
5℃で室内湿度が60%といった空調目標値を選定し
て、各空調設備4の制御ユニット4に記憶されている空
調目標値を更新してこれを設定変更し、この更新以後は
空調設備4の制御ユニット36は当該設定変更された新
たな各種の空調目標値に基づいて各空調設備機器類を制
御するとともに、当該新たな空調目標値に基づいて熱負
荷予測を行う。そして、当該空調目標値の算出・選定及
び更新が逐次繰り返し行われていく。
ー側の第1熱供給機器16aによる最大供給可能熱量
を超えることがないような場合において、総熱負荷を可
及的に増段設定値未満に抑制できるようになり、もっ
てセカンダリー側の第2熱供給機器16bが不必要に運
転されてしまうのを防止して、熱源効率を高く維持して
省エネルギー化を達成できるようになる。
1における現状空調目標値設定での空調設備4全体の実
績総熱負荷がQ1(Q1<増段設定値)であって、当
該現状の空調目標値の設定のままで予測した熱負荷の最
大値が、時刻t2でQ2(Q2>1台の最大供給可能熱
量)に達すると算出された場合にあっては、熱源運転
制御ユニット50の制御ユニット52は時刻t2におけ
る予測総熱負荷が増段設定値に満たない熱量Q3にな
るような空調目標値*Bをその快適域内で算出して、例
えば室内温度目標値が27.5℃で室内湿度が65%と
いった空調目標値を選定して、各空調設備4の制御ユニ
ット4に記憶されている空調目標値を更新してこれを設
定変更し、この更新以後は空調設備の制御ユニット36
は当該設定変更された新たな空調目標値に基づいて各空
調設備機器類を制御するとともに、当該新たな空調目標
値に基づいて熱負荷予測を行う。さらに、制御ユニット
52は、その更新した空調目標値*Bに基づいて予測さ
れた最大熱負荷Q3を上回り、かつ1台の最大供給可能
熱量を下回る熱量値*Cを算出して、この熱量値*C
を増段設定値の変更目標値*Cとなして、既設の増段
設定値を新たな増段設定値’に更新していく。そし
て、当該空調目標値*Bの算出選定及び更新、並びに新
たな増段設定値’の算出・更新が逐次に繰り返して行
われていく。
ー側の第1熱供給機器16aによる最大供給可能熱量
を超えてしまうような場合においても、快適域を逸脱し
ない範囲で総熱負荷を可及的に1台の最大供給可能熱量
未満に抑制し得るのみならず、更新した増段設定値
’未満に抑制できるようになり、もってセカンダリー
側の第2熱供給機器16bが不必要に運転されてしまう
のを可及的に防止して、熱源効率を高く維持して省エネ
ルギー化を達成できるようになる。ここで、増段設定値
の更新はせずに、空調目標値*Bの更新だけをして熱
負荷の抑制を行うようにするだけであっても、プライマ
リー側の第2熱供給機器16bの運転開始時期を遅らせ
ることができるので、熱源効率の向上並びに省エネルギ
ー化とを達成できるようになる。
更するだけでは、総熱負荷を最大供給可能熱量を下回
るようにすることができない場合にあっては、当該空調
目標値は快適域の上限(つまり、室内温度28℃、室内
湿度70%)に設定変更する。そして、このように空調
目標値を快適域の上限に設定変更して総熱負荷の増大を
抑制しておけば、熱負荷が増段設定値に達する迄の時
間を大きく取れるようになって、2台目の第2熱供給機
器の運転開始時期を遅らせることができるようになる。
ゾーンにおいて空調目標値がすべて同一に設定される場
合を示してあるが、実際には、各空調ゾーン毎の使用用
途によって快適域は異なるものになるので、空調目標値
は各空調ゾーン毎に個別に設定して更新設定していくよ
うにする。さらに、更新設定をするに当たっては、その
空調ゾーンが南西向きであるか、または北西向きである
か等の環境も考慮して、各空調ゾーン間でその更新設定
の優先順位を定めておき、複数の空調ゾーンの空調目標
値を段階的に変更していくようにすることもできる。
定値は設定変更しないようになっているが、当該減段設
定値を増段設定値の変更に合わせて制御ディファレンシ
ャルを同一に保ったまま一緒に変更するようにして、減
段運転の時期を早めるようにすることもできる。
本発明に係る空調設備システムによれば、供給側熱源設
備に複数の熱供給機器が備えられて、需要側の総熱負荷
が予め定められた増段設定値を超えたときに該複数の熱
供給機器の運転台数を段階的に増やしていく空調設備シ
ステムにおいて、需要側空調設備の熱負荷変動を逐次予
測して、その予測総熱負荷が増段設定値を超えてしまう
ような場合には、空調目標値を快適域の範囲内で総熱負
荷が低減される側に適宜設定変更して、総熱負荷の増大
を抑制するようにしたので、快適域を維持しながら熱源
側熱供給機器の運転台数の増加機会を可及的に抑制する
ことができるようになり、もって空調設備システムの熱
源効率の向上と省エネルギー化とを可及的に図れるよう
になる。
テムの一実施例を示す概略構成図である。
一覧表示した図である。
熱供給機器の運転台数制御の各種設定値を説明する図で
ある。
を説明する図である。
での熱供給機器の運転台数制御の各種設定値を説明する
図である。
を説明する図である。
機器の増段・減段運転の制御ディファレンシャルを説明
する図である。
テムで行われる、制御ロジックフローの一例を概略的に
示すフローチャートである。
ある。
種設定値を説明する図である。
運転の制御ディファレンシャルを説明する図である。
容を説明する図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 複数の空調ゾーン毎に設けられた需要側
空調設備と、該各需要側空調設備のそれぞれに付設され
て、各空調ゾーン毎に設定された温度や湿度等の各種空
調目標値に実測値が収束するように該各需要側空調設備
の空調機器の作動を制御する空調機器制御ユニットと、
各需要側空調設備のそれぞれに熱媒を循環供給する供給
側熱源設備とを備え、 該供給側熱源設備には熱媒に熱を供給する複数の熱供給
機器と、需要側の総熱負荷が予め定められた増段設定値
を超えたときに該複数の熱供給機器の運転台数を段階的
に増やしていく増段運転制御ユニットとが設けられてい
る空調設備システムにおいて、 前記各需要側の空調機器制御ユニットと前記供給側の増
段運転制御ユニットとを相互に通信可能に繋ぐととも
に、各空調ゾーン毎の空調目標値とその消費熱量実績値
の推移とに基づいて行われる予測結果とその予測結果に
基づく設定値変更後の熱負荷変動の予測を行う熱負荷予
測手段と、該熱負荷予測手段で予測した総熱負荷が前記
増段設定値を超える場合に、前記空調目標値を快適範囲
内で熱負荷低減側に設定変更して総熱負荷が増段設定値
を超えないように制限する目標値変更手段とを付加した
ことを特徴とする空調・熱源設備最適抑制制御システ
ム。 - 【請求項2】 前記空調目標値の設定変更後の総熱負荷
予測値が前記増段設定値を上回る場合に、該増段設定値
を現在の運転台数での最大供給可能熱量に近づけて設定
変更させる機能を前記目標値変更手段に付加させたこと
を特徴とする請求項1記載の空調・熱源設備最適抑制制
御システム。
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