JP2014181846A - エネルギーネットワークの運転制御方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱源機器の消費エネルギーをさらに低減するため、快適性を考慮して設定した空調温度範囲内で需要家の空調熱需要を低減しつつ、熱源機器の運転台数を低減、または運転効率を向上させるように、需要家の空調温度を変化させるエネルギーネットワークの運転制御方法および装置を提供する。
【解決手段】複数の熱源機器を備える熱供給プラントと、複数の空調設備を備えた複数の熱需要家から構成されるエネルギーネットワークの運転制御方法であって、複数の熱需要家側では空調設備の設定温度を、熱供給プラントの熱源機器の消費エネルギーを低減する観点で可変に設定し、熱供給プラント側では複数の熱源機器の運転台数を制御することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、熱供給プラントとビル等の熱需要家から構成されるエネルギーネットワークにおいて、熱源機器の最適運転を実施する方法および装置に関するものである。
近年、地球温暖化防止が喫緊の課題となっており、エネルギー起源のCO排出を削減することが求められている。この点に関し製造業では、石油ショックを契機に、製造プロセスの改変、高効率省エネ機器の導入、燃料転換等による省エネ化が積極的に進められ、エネルギー消費はほぼ横ばいで推移している。
しかし、製造業のエネルギー消費量は国内の約40%と依然として高い割合を占めている。また、住宅、業務部門では、快適さや利便性を求めるライフスタイルの普及を背景にエネルギー消費は年々増加している。
今後、より一層の省エネ・CO排出削減を実現するためには、再生可能エネルギーの積極的な活用や、電気や熱の相互融通によりエネルギーを有効利用することや、需要家のエネルギー消費を制御するこが求められている。
これらの課題を実現すべき具体的な適用事例として、熱供給プラントとビル等の熱需要家から構成されるエネルギーネットワークがある。係るエネルギーネットワークの、需要家に熱を供給する熱供給プラント側における省エネ・CO削減を行う従来技術としては、例えば特許文献1に示すように、熱源機器を最適に台数運転する運転制御装置が知られている。
特許第4173973号
図5に従来の一般的なエネルギーネットワーク構成の一例を示している。エネルギーネットワークは、熱供給プラント1とビル等の複数の熱需要家15から構成されている。熱供給プラントは、冷房暖房いずれであってもよいがここでは熱媒体に水を使用し、冷水を供給する事例で説明する。
このうち、熱を供給する側の熱供給プラント1内には複数の冷凍機2と送水ポンプ3などの熱源機器が設置されており、それぞれの冷凍機2で冷却した冷水10を複数の熱需要家15側に供給する。熱供給プラント1が供給する冷水の制御のために、熱源機器運転制御装置13が設置されており、熱源機器運転制御装置13は温度検出器6、7から冷水送水温度、冷水戻り温度などを取り込み、冷凍機2、送水ポンプ3などの熱源機器の台数運転制御を行っている。なお熱需要家15はビルなどであり、一般には熱供給プラントから熱が複数のビルに供給されて地域冷暖房システムなどを構成する。
需要家15には、熱供給プラント1から送水されてきた冷水10から冷熱を受入れる熱交換器4が設置され、熱交換器4から各空調設備5に送水ポンプ8を介して冷水11が送水され、各需要家15は各部屋の空調設定温度9を任意に設定し、空調設備5で熱交換された空気12を各部屋に供給して冷房を行う。
需要家15には、温度制御のための空調制御装置14が設置されている。空調制御装置14は、一般にはビル全体(あるいはビルの各階)の空調を制御する部分と、各部屋の空調を制御する部分を備えており、図5にはこのうち後者の各部屋の空調設定温度9を任意に設定する装置部分を示している。なお、各部屋の空調は壁などに設けられた室内温度調整回路で実施され、居住者による温度設定が手動にて行われるものが一般的である。
需要家15での熱交換器4により暖められた冷水10は熱供給プラント1に戻され、再度冷却されて需要家15と熱供給プラント1の間で循環利用される。
ここで、図5に示す従来技術の一例では、熱供給プラント1から供給される熱エネルギーを受け入れる需要家15の受入設備の方式は、熱交換器4を介する間接接続方式である。また、他の方式としては2種類の直接接続方式があり、ひとつは、供給される熱媒(冷水、温水、蒸気)をそのまま空調設備5で使用する直結接続方式であり、もうひとつは、供給される往き熱媒(冷水、温水)と空調設備5からの返り熱媒を混合するブリードイン方式である。図5では間接接続方式の例を示しているが、直接接続方式の場合であってもよい。
特許文献1に開示された熱供給プラント1では、熱源機器で消費する電力や燃料を低減して省エネ・CO排出低減を行うため、複数の熱源機器を需要側の熱需要に合わせて台数運転を行っている。具体的には、熱源機器の台数運転を、熱源機器の熱媒体の送水温度、戻り温度および送水流量に基づく熱量から決定している。
特許文献1の熱供給プラント1では、全ての需要家15で必要とされる熱需要を満たすように冷凍機2を運転する。必要な供給熱量Q(W)は、熱供給プラント1から送水される冷水10の送水温度Ts(℃)、戻り温度Tr(℃)、全冷凍機2からの送水流量W(m/s)、冷水10の密度ρ(kg/m)および比熱CPw(J/kg/℃)を用いて(1)式で算出される。
[数1]
Q=ρPw W(TsTr) (1)
ここで、冷水の場合、(1)式より供給熱量Qは負の値となるため、冷熱量は(−Q)で表す。
冷凍機は、送水温度Tsが一定になるように制御される。送水流量Wが一定に制御されている場合、空調冷熱量に応じて熱交換器4で戻り温度Trが変化する。また、戻り温度Trを一定に制御する場合には、熱交換器4の流量調節弁で流量制御され、送水流量Wが変化する。したがって、冷凍機から供給される冷熱量(−Q)は、需要家で必要な空調冷熱量に一致するように自動で制御される。
この場合の冷凍機の台数運転方法の一例を図6に示す。図6は、上から需要家の空調設定温度Td、空調冷熱量(−Q)、熱源機器(冷凍機)の総合成績係数(総合COP:coefficient of performance)、熱源機器(冷凍機)の消費エネルギーを示している。なお、横軸は一日の時間を示している。また外気温度は、例えば正午(図6では時刻T6)をピークに上昇し、以後低下するものとする。
これらの諸量のうち、最上段の需要家の室内温度Tdは一般には一定(例えば26度)とされている。また冷水送水温度Tsは例えば7度を維持するように運転されるものとする。
需要家の総熱需要(空調冷熱量)は、主に外気温度に連動して変化することが知られている。先にも述べたように、外気温度は正午をピークに上昇し、以後低下する。この場合の温度上昇に伴う冷凍機2の台数運転制御は、以下の方法で行われる。
まず図6上から2段目の空調冷熱量(−Q)の時系列変化において、実線は基準温度における空調冷熱量であり、これが外気温度変化の増減により変動する。薄墨された部分は、冷凍機の供給可能冷熱量を示している。
この事例では、時刻T1から外気温度の上昇により空調冷熱量が増大し、時刻T2で空調冷熱量が冷凍機1台の最大供給熱量に一致し、かつその後も外気温が上昇する。時刻T2以降は冷凍機1台では冷却不足状態であり、冷水送水温度または戻り温度等の上昇を検知、あるいは、空調冷熱量と起動している冷凍機の最大供給熱量を比較することにより、2台目の冷凍機が起動される。同様の冷却不足状態は時刻T5でも生じ、3台目の冷凍機が起動される。
これに対し、外気温度が低下し始める時刻T6(12時)以後は、空調冷熱量が減少する。そして時刻T7では、実線の基準温度における空調冷熱量が冷凍機2台運転で与える最大冷熱量と同じ程度まで減少してくるので3台目の冷凍機を停止させる。時刻T10では、実線の基準温度における空調冷熱量が冷凍機1台運転で与える最大冷熱量と同じ程度まで減少してくるので2台目の冷凍機を停止させる。なお、時刻T2とT5の冷凍機の増段直前、時刻T7とT10の冷凍機の減段直後は、冷凍機はほぼ定格運転の状態となるが、それ以外の時間帯は部分負荷運転となる。
ターボ冷凍機の負荷率(定格供給熱量に対する供給熱量の割合)と冷凍機の効率(COP:成績係数)の一例を図4に示す。図4は横軸に負荷率、縦軸にターボ冷凍機1台の成績係数COPを示した熱源機器のエネルギー消費特性の一例である。これによれば負荷率が100%のときのCOPを6としたとき、負荷率が66.7%になるとCOPは5.4程度、負荷率が50%になるとCOPは4.7程度に低下する傾向を示す。
図6の3段目の図で示す総合COPは、上記の運転制御を実施した時の結果を示しており、時刻T2の冷凍機増段直後および時刻T10の冷凍機減段直前では、冷凍機1台分の負荷率は50%となり、総合COPは約4.7となる。また、時刻T5の冷凍機増段直後および時刻T7の冷凍機減段直前では、冷凍機1台分の負荷率は66.7%となり、総合COPは約5.4となる。
ここで、図4および図6では、ターボ冷凍機の例を示しているが、吸収式冷凍機およびヒートポンプなどの他の熱源機器の場合も同様の傾向を示す。
一般に熱源機器は負荷率によってエネルギー消費効率は変化する。そのため、従来の熱源機器の台数運転では、熱需要に合わせて運転している熱源機器で熱需要を分担して供給するため、各熱源機器は最高効率条件での運転にはならず、特に低負荷率で運転する場合には運転効率が低下するため、高効率で運転した場合に比べて省エネ、CO排出削減効果が小さいという課題がある。
また、従来の熱源機器の運転制御は、需要家で必要となる熱需要に対して、熱源機器の最適運転を行うことにより省エネおよびCO排出削減を実施していたが、今後、更なる省エネおよびCO排出削減を実現するためには、需要家の熱需要制御と熱供給側の熱源機器の最適運転を連携して行うことが必要となる。
本発明は上述したような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、熱源機器の消費エネルギーをさらに低減するため、設定した空調温度範囲内で需要家の空調熱需要を低減しつつ、熱源機器の運転台数を低減、または運転効率を向上させるように、需要家の空調温度を変化させるエネルギーネットワークの運転制御方法および装置を提供する。
以上のことから本発明は、複数の熱源機器を備える熱供給プラントと、複数の空調設備を備えた複数の熱需要家から構成されるエネルギーネットワークの運転制御方法であって、複数の熱需要家側では空調設備の設定温度を、熱供給プラントの熱源機器の消費エネルギーを低減する観点で可変に設定し、熱供給プラント側では複数の熱源機器の運転台数を制御することを特徴とする。
以上のことから本発明は、複数の熱源機器を備える熱供給プラントと、複数の空調設備を備えた複数の熱需要家から構成されるエネルギーネットワークの運転制御装置であって、
複数の熱需要家側での制御のために複数の熱需要家の空調計測データ入力部、室温上限・下限値決定部、空調運転制御計画部および空調運転指令部を備えて、空調設備の設定温度を、熱供給プラントの熱源機器の消費エネルギーを低減する観点で可変に設定し、
熱供給プラント側での制御のために熱供給プラントの熱源機器計測データ入力部、供給熱量算出部、運転台数決定部、熱源機器運転制御計画部および熱源機器運転指令部を備えて複数の熱源機器の運転台数制御を行うことを特徴とする。
設定した空調温度範囲内で需要家の空調熱需要を低減しつつ、熱源機器の消費エネルギーを低減させるように需要家の空調温度を変化させることにより、エネルギーネットワーク全体の省エネ・CO削減を実現する熱源機器の台数および負荷率を制御する方法および装置を提供できる。
本実施例に係るエネルギーネットワークの構成を示す図。 本実施例における制御装置の具体的な装置構成を示す図。 本発明の一実施例の運転を実施した時の各部状態を示す図。 熱源機器のエネルギー消費特性の一例を示す図。 一般的なエネルギーネットワーク構成の一例を示す図。 一般的なエネルギーネットワークにおける冷凍機の運転方法の一例を示す図。 ビルなどの需要家における熱負荷モデルを示す図。 従来の快適性指標PMVの概要を示す図。 本発明の一実施例の運転を実施した時の各部状態を示す図。
以下本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1に本発明の一実施例に係るエネルギーネットワークの構成を示している。図1を図5の従来のエネルギーネットワークと比較すると、熱供給システム1および需要家15の構成には変わるところがない。
この場合にも熱供給プラント1内には複数の冷凍機2が設置されており、それぞれの冷凍機で生成された冷水10はそれぞれの送水ポンプ3で各需要家15に送られる。需要家15には、熱供給プラントから送水されてきた冷水10から冷熱を受入れる熱交換器4が設置され、熱交換器4から各空調設備5に冷水11が送水され、空調設備5で熱交換された空気12を各部屋に供給して冷房を行う。
ここで、図1に示す本発明の一実施例では、熱供給プラント1から供給される熱エネルギーを受け入れる需要家15の受入設備の方式は、熱交換器4を介する間接接続方式である。また、他の方式としては2種類の直接接続方式があり、ひとつは、供給される熱媒(冷水、温水、蒸気)をそのまま空調設備5で使用する直結接続方式であり、もうひとつは、供給される往き熱媒(冷水、温水)と空調設備5からの返り熱媒を混合するブリードイン方式である。図1では間接接続方式の例を示しているが、直接接続方式の場合であってもよい。
本実施例では、熱供給システム1および需要家15を制御する制御装置構成が相違している。熱供給システム1を制御する熱源機器運転制御装置13と需要家15を制御する空調制御装置14を関連付けて制御する空調―熱源機器連携制御装置20を備える。本実施例では、熱源機器運転制御装置13と空調制御装置14と空調―熱源機器連携制御装置20は、情報ネットワーク16で接続され情報を共有している。
本実施例における具体的な制御装置構成を図2に示す。図2において、空調−熱源機器連携制御装置20は、空調−熱源機器連携制御計画部21、熱源機器運転制御計画部221、空調運転制御計画部231を含み、空調−熱源機器連携制御計画部21は、熱源機器運転制御計画部221と空調運転制御計画部231を連携して制御する。
熱源機器運転制御計画部221側において、熱源機器計測データ入力部222では、熱供給プラント1の熱源機器2および送水ポンプ3等の運転状態に関する計測データを取得する。実際に取得するのは、熱供給プラントから送水される冷水10の供給温度(冷水送水温度)Ts、戻り温度Tr、全冷凍機からの送水流量W、熱源機器2の起動停止状態などである。
熱源機器運転制御計画部221側の供給熱量算出部223では、熱供給プラント1から送水される冷水10の送水温度Ts、戻り温度Tr、全冷凍機からの送水流量Wに基づき、前記(1)式で総冷熱需要(空調冷熱量)(−Q)を算出する。
熱源機器運転制御計画部221側の運転台数決定部224では、総冷熱需要(−Q)に基づき熱源機器の運転台数を決定する。この前提として、各冷凍機の定格容量などから熱源機器ごとの最大冷熱量が知られているので、現在の運転熱源機器による合計の最大冷熱量と、(1)式で求めた総冷熱需要(−Q)の比較により需給バランスを求め、次に運転開始し、あるいは運転停止する熱源機器を決定し、運転台数を設定する。
これらの情報をもとに、熱源機器運転制御計画部221では、送水温度Ts等の変化、または熱源機器の最大冷熱量と総冷熱需要(−Q)の比較により需給バランスから判断して、熱源機器の増段の時刻を決定する。なお、熱源機器の減段の時刻は、減段した場合の運転熱源機器による合計の最大冷熱量と、予測した総冷熱需要(−Q)の比較により求める。
熱源機器運転制御計画部221での処理結果を受けて熱源機器運転指令部225では、熱源機器制御計画部221で増段および減段することを判断した熱源機器に対して起動、停止の指令を出す。
他方、空調運転制御計画部231側の空調計測データ入力部232では、自己が管理する需要家の各空調設備5の全てから空調設備5の運転情報および室温データを取得する。
基準温度、許容上限温度、許容下限温度決定部233では、各部屋の仕様および状況を考量して基準温度、許容上限温度、および許容下限温度を設定する。
空調運転制御計画部231は、各熱源設備の運転データを取得し、空調計測データも考慮して各部屋の室温を制御する。
空調運転指令部234では、空調運転制御計画部231で決定した空調運転条件を各空調制御装置14へ指令する。
本発明の空調―熱源機器連携制御装置20では、空調―熱源機器連携制御計画部21が与える指令信号に応じて熱源機器運転制御計画部221と空調運転制御計画部231の協調動作をおこなわせる。
本発明で追加された空調―熱源機器連携制御装置20内の空調―熱源機器連携制御計画部21による熱源機器運転制御計画部221と空調運転制御計画部231の協調動作の考え方について図7を用いて説明する。
図7は、ビルなどの需要家15における熱負荷モデルを示している。この図に示すようにビルの部屋17には多くの形態の熱が加えられる。ビルの部屋17に加えられる熱の一部は外部からのものであり、例えば換気によりビル内に侵入する換気侵入熱q、窓からの日射による窓面通過日射熱q、壁が大気に接することで生じる壁体貫流熱qなどがある。またビルの内部で発生するものとして、照明やパソコンなどの機器が発する機器発熱q、居住者自身が発する人体発熱qなどがある。
これに対して、ビルなどの需要家15から供給される熱がある。これが空調熱負荷qであり、空調設備5により供給されることでビルの部屋17の空調を行っている。図7のビル熱負荷モデルでは、加えられた熱の和Σ(=q+q+q+q+q)と、供給された熱qの間に(2)式が成立する。
[数2]
ρCV(dT/dt)=q+q+q+q+q+q=Σ+q (2)
(2)式で左辺のρCV(dT/dt)は、ビルの部屋17の熱量変化率であり、ρは空気密度(kg/m)、Cは空気の比熱(J/kg/℃)、Vは部屋の容積(m)、dT/dtは単位時間当たりの温度変化を表している。また、qの値が正の場合は暖房、負の場合は冷房を意味する。
本実施例では、計算機を用いた処理を実行するので、(2)式の変形により(3)式を得る。
[数3]
=T +(Σki +qAi )Δt/ρC (3)
この式において、記号iは任意の部屋、*はΔt前の値を意味している。ここで、複数の需要家の全部屋の空調熱負荷qAiを足し合わせたものが、熱源プラントで供給する熱量Qとなる。尚、(3)式ではΣkiおよびqAiは、Δt前の値を使用したが、Δt後の値を用いて計算してもよい。
[数4]
Q=ΣAi (4)
ここで、qAiの大きさは、一例として、各部屋の容積V、または、部屋の熱負荷の合計Σに比例して配分する。
(3)、(4)式の関係を用いて、設定した空調温度範囲内で需要家の空調冷熱量を低減しつつ、熱源機器の消費エネルギーを低減させるように冷水熱量(−Q)を設定し、需要家の空調温度を変化させることにより、エネルギーネットワークの省エネ・CO削減を実現する。
図3に本発明の運転を実施した時の各部状態を示しているが、上記の考え方が顕著に表れている。なお図3の各部状態は、上部から順に、空調設定温度Td、空調冷熱量(−Q)、総合成績係数COP、熱源設備の消費エネルギーを示している。この図では、理解を容易にするため、全ての部屋の空調設備および運転方法を同一とした。
本実施例では、基準温度および許容下限温度を26℃、許容上限温度を28℃として、冷凍機の消費エネルギーを低減するように、この温度範囲内で空調設定温度を制御する。
図3を用いて、本実施例である方式Aに関して、運用における時系列的な処理の変遷とその時の各部状態量について説明する。
まず、時刻T1から各部屋の空調機および冷凍機1台が起動し、空調設定温度は基準温度(26℃)である。時間が経過すると外気温の上昇に伴い空調冷熱量は増大し、時刻T2になると空調冷熱量は冷凍機1台の最大冷熱量に達する。従来方式では、時刻T2で冷凍機を2台に増段するのに対して、本実施例である方式Aでは、空調冷熱量を冷凍機1台の最大冷熱量に維持して冷凍機の増段を抑制するため、空調設定温度を増加させる。
時刻T3で空調設定温度が許容上限温度(28℃)に達するため、冷凍機を2台に増段させる。時刻T3〜T4では、空調冷熱量を冷凍機2台の最大冷熱量に維持して空調設定温度を基準温度まで低下させる。時刻T4〜T5では空調設定温度を基準温度に維持し、時刻T5になると空調冷熱量は冷凍機2台の最大冷熱量に達する。時刻T5〜T7では、空調冷熱量を冷凍機2台の最大冷熱量に維持して冷凍機の増段を抑制するため、空調設定温度を増加させる。
次に時刻T6を境に外気温は低下し、空調冷熱量も低下し始める。時刻T7〜T8では、空調冷熱量を冷凍機2台の最大冷熱量に維持して空調設定温度を基準温度まで低下させる。時刻T8から室温を基準温度に維持する。ここで、冷凍機を2台から1台に減段した場合、空調冷熱量を冷凍機1台の最大冷熱量に維持して、空調設定温度を許容上限温度以下にすることが可能な時刻T9を予測し、時刻T9で冷凍機を2台から1台に減段する。
時刻T9〜T10では、空調冷熱量を冷凍機1台の最大冷熱量に維持して空調設定温度を増加させる。時刻T10〜T11では、空調冷熱量を冷凍機1台の最大冷熱量に維持して空調設定温度を低下させる。時刻T11〜T12では、空調設定温度を基準温度に維持すると空調冷熱量は時間の経過と共に減少し、時刻T12で空調機および冷凍機の運転を停止する。
上記運転によれば、時刻T1〜T2、T4〜T5、T8〜T9、T11〜T12の各時間帯では、空調設定温度は基準温度であるため、空調冷熱量は起動している冷凍機の最大冷熱量より小さく、冷凍機は部分負荷運転の状態となる。したがって、総合COPは最大COP(6)に比べて小さくなる。一方、時刻T2〜T4、T5〜T8、T9〜T11の各時間帯では、冷凍機は定格運転のため、総合COPは最大COP(6)になる。
図3の熱源機器消費エネルギーに関して、方式Aでは、時刻T2〜T3で空調設定温度を増加して冷凍機の増段を抑制しているため、従来方式に比べて冷凍機の消費エネルギーが減少している。一方、時刻T3〜T4では、方式Aでは冷凍機の定格負荷で運転しているため、従来方式に比べて冷凍機の消費エネルギーが増大している。しかしながら、時刻T2〜T4では、方式Aの方が従来方式に比べて、空調設定温度が高いため必要な空調冷熱量は小さく、さらに、冷凍機の総合COPが高いため、時刻T2〜T4の冷凍機の全消費エネルギーが小さくなる。同様に、時刻T5〜T8、および時刻T9〜T11においても、方式Aの方が従来方式に比べて冷凍機の全消費エネルギーが小さくなる。
なお、図3に示した運用を実行するにあたり、以下のようにするのが良い。但し、熱源機器としては、冷水を生成する熱源機器と、蒸気または温水を生成する熱源機器がある。ここまでの実施例の説明は、前者の冷水を生成する熱源機器を念頭に置いて説明を行ってきた。また図3もその前提で図示をしている。
従って以下の説明においては、図3を参照して冷水を生成する熱源機器を運転する場合と、温水を生成する熱源機器の場合の対策についてケースを分けながら、かつ状態が相違することを明確にしながら説明する。
まず、図3の時刻T2において、従来方式では1台から2台に熱源機器を増段すべきところを、本発明では、所定の上下限温度の範囲内で室温Tdを制御することにより、稼動中の熱源機器の増段を抑制することができる。
冷水を生成する熱源機器を使用して増段する場合、稼動中の熱源機器の最大冷熱供給量以下になるように室温を上限温度以下で制御することにより、増段を抑制することができる。他方、減段することを想定すると、冷水を生成する熱源機器を使用して減段する場合には、図3の時刻T9において減段した後の熱源機器の最大冷熱供給量以下になるように室温を上限温度以下で制御することにより減段を促進することができる。
これに対し、蒸気または温水を生成する熱源機器を使用して増段する場合、稼動中の熱源機器の最大熱供給量以下になるように室温を下限温度以上で制御することにより増段を抑制することができる。また蒸気または温水を生成する熱源機器を使用して減段する場合、減段した後の熱源機器の最大熱供給量以下になるように室温を下限温度以上で制御することにより減段を促進することができる。
さらに図3の特性によれば、本発明のエネルギーネットワークの運転制御装置における制御の考え方が示されている。まず、図3の時刻T3において各部屋の設定温度Tdが上限温度に達すると冷水を生成する熱源機器を増段し、時刻T3〜T4において稼動中の熱源機器の最大冷熱供給量以下になるように各部屋の設定温度Tdを基準温度まで低下させる。
これに対し、蒸気または温水を生成する熱源機器を使用する場合では、図3の時刻T3の場面では各部屋の設定温度Tdが下限温度に達することになるので熱源機器を増段し、その後の時刻T3〜T4に対応する時間帯において稼動中の熱源機器の最大熱供給量以下になるように各部屋の設定温度Tdを基準温度まで上昇させる。
また、図3の時刻T10において各部屋の設定温度Tdが上限温度に達すると、時刻T10〜T11において稼動中の冷水を生成する熱源機器の最大冷熱供給量以下になるように各部屋の設定温度Tdを基準温度まで低下させる。
これに対し、蒸気または温水を生成する熱源機器を使用する場合、図3の時刻T10の場面では各部屋の設定温度Tdが下限温度に達することになるのでその後の時刻T10〜T11に対応する時間帯において稼動中の熱源機器の最大熱供給量以下になるように各部屋の設定温度Tdを基準温度まで上昇させる。
このように熱源機器の増段または減段を行う可能性がある場合、空調設定温度を許容温度範囲で変更することにより、空調熱負荷を低減し、熱源機器の増段抑制および減段促進により熱源機器の運転台数を極力少なくして消費エネルギーを低減することができる。
さらに図9の特性によれば、空調の基準温度、上限および下限温度は、快適性指標に基づいて決定されている。
以上のように、各空調設定温度を可変に制御することにより、熱源機器で消費するエネルギーを削減し、省エネ・CO排出削減を実現することができる。
なお、例えば地域冷暖房システムでは、1つの熱供給プラントに対して、ビルなどの熱需要家は複数であることが多い。またビル自体を取り上げてみても複数の空調設備を備えているのが通例である。
これらの熱需要家の中には、病院など一定温度維持が必要不可欠な設備もある。本発明では係る事情のものも含めて可変に温度設定することを推奨したものではない。
このため熱需要家側では、熱供給量の配分を考える必要がある。配分の中では、病院など特殊事情のものに優先的に必要熱量を供給(負荷配分)し、残余の設備で熱需要に応じた可変の設定を実行すればよい。
本発明の他の実施例として、図2の基準温度、許容上限温度および許容下限温度決定部233において、快適性指標の一例としてPMVを用いる方法を示す。
PMV(Predicted Mean Vote:予測平均温冷感申告)は、下記文献のISO−7730で採用されている快適性指標である。
ISO7730:2005,Ergonomics of the thermal environment −− Analytical determination and interpretation of thermal comfort using calculation of the PMV and PPD indices and local thermal comfort criteria
図8に快適性指標PMVの概要を示す。まずPMVを評価する際の入力データとしては、部屋17内の以下の諸量を検知、解析あるいは設定により得る。
これらは、室温ta、湿度rh、放射温度tr、室内の風速vs、代謝量M、着衣量Iclである。このうち室内の風速vs、代謝量M、着衣量Iclについては、通常、一定値が設定入力される。室温ta、湿度rhは、計測値が用いられる。放射温度trは、グローブ温度計の計測値に基づいて評価されるが、室内の空調温度解析を用いて評価する方法もある。
これらの情報は、(5)式に示すFangerの快適方程式に入力され、PMVの値に変換される。PMVの値は−3〜+3で与えられ、PMV=0のとき、在籍者の95%が快適と感じると報告されている。また、ISO7730では、−0.5〜+0.5を快適範囲としている。
PMVの評価式を(5)式に示す。
[数5]
PMV=L(0.303exp(−0.036M)+0.028) (5)
但し、L=(MW)EdEsEreCreR−C
ここで、Mは代謝量、Wは機械的仕事量、Edは不感蒸せつ量、Esは発汗による蒸発熱損失量、Ereは呼吸による潜熱損失量、Creは呼吸による顕熱損失量、Rは放射熱損失量、Cは対流熱損失量を示す。
以下に本発明の一実施例であるPMVを用いた空調−熱源機器連携制御である方式Bについて説明する。方式Bの基本的な制御方法は、図3に示す方式Aと同様であるが、基準温度、許容上限温度、許容下限温度を評価する際に、PMVを用いて評価し、基準温度、許容上限温度、許容下限温度が条件により時間的に変化する。
図9を用いて本実施例である方式Bに関して、運用における時系列的な処理の変遷とその時の各部状態量について説明する。まず、時刻T1から各部屋の空調機および冷凍機1台が起動し、空調設定温度は、例えば、PMV=0に基づく基準温度に設定する。時間が経過すると外気温の上昇に伴い空調冷熱量は増大し、時刻T2になると空調冷熱量は冷凍機1台の最大冷熱量に達する。
PMV=0に基づく基準温度に制御する方式Cでは、時刻T2で冷凍機を2台に増段するのに対して、本実施例である方式Bでは、空調冷熱量を冷凍機1台の最大冷熱量に維持して冷凍機の増段を抑制するため、空調設定温度を増加させる。
時刻T3で空調設定温度が、例えばPMV=0.5に基づく許容上限温度に達するため、冷凍機を2台に増段させる。時刻T3〜T4では、空調冷熱量を冷凍機2台の最大冷熱量に維持して空調設定温度を基準温度まで低下させる。時刻T4〜T5では空調設定温度を基準温度に維持し、時刻T5になると空調冷熱量は冷凍機2台の最大冷熱量に達する。時刻T5〜T7では、空調冷熱量を冷凍機2台の最大冷熱量に維持して冷凍機の増段を抑制するため、空調設定温度を増加させる。
ここで、時刻T6を境に外気温は低下し、空調冷熱量も低下し始める。時刻T7〜T8では、空調冷熱量を冷凍機2台の最大冷熱量に維持して空調設定温度を基準温度まで低下させる。時刻T8から室温を基準温度に維持する。
ここで、冷凍機を2台から1台に減段した場合、空調冷熱量を冷凍機1台の最大冷熱量に維持して、空調設定温度を許容上限温度以下にすることが可能な時刻T9を予測し、時刻T9で冷凍機を2台から1台に減段する。
時刻T9〜T10では、空調冷熱量を冷凍機1台の最大冷熱量に維持して空調設定温度を増加させる。時刻T10〜T11では、空調冷熱量を冷凍機1台の最大冷熱量に維持して空調設定温度を低下させる。時刻T11〜T12では、空調設定温度を基準温度に維持すると空調冷熱量は時間の経過と共に減少し、時刻T12で空調機および冷凍機の運転を停止する。
時刻T1〜T2、T4〜T5、T8〜T9、T11〜T12の各時間帯では、空調設定温度は基準温度であるため、空調冷熱量は起動している冷凍機の最大冷熱量より小さく、冷凍機は部分負荷運転の状態となる。したがって、総合COPは最大COP(6)に比べて小さくなる。一方、時刻T2〜T4、T5〜T8、T9〜T11の各時間帯では、冷凍機は定格運転のため、総合COPは最大COP(6)になる。
図9の熱源機消費エネルギーに関して、方式Bでは、時刻T2〜T3で空調設定温度を増加して冷凍機の増段を抑制しているため、方式Cに比べて冷凍機の消費エネルギーが減少している。一方、時刻T3〜T4では、方式Bでは冷凍機の定格負荷で運転しているため、方式Cに比べて冷凍機の消費エネルギーが増大している。しかしながら、時刻T2〜T4では、方式Bの方が方式Cに比べて、空調設定温度が高いため必要な空調冷熱量は小さく、さらに、冷凍機の総合COPが高いため、時刻T2〜T4の冷凍機の全消費エネルギーが小さくなる。同様に、時刻T5〜T8、および時刻T9〜T11においても、方式Bの方が方式Cに比べて冷凍機の全消費エネルギーが小さくなる。
さらに、従来の冷房の空調運転では、図9の空調設定温度の図に示すように室温を一定値で制御するため、必要以上に部屋を冷やし過ぎ、エネルギー消費が大きくなる傾向にあった。方式Bおよび方式Cでは、快適性指標PMVを用いて、時刻毎に基準温度を算出しているため、適切な空調設定温度となり、従来手法に比べて平均温度は高くなるため、冷凍機の消費エネルギーを低減することができる。
以上により、空調設定温度を快適性指標PMVに基づく基準温度および許容上限温度の範囲内で変化させると、従来手法に比べて更なる省エネ・CO排出削減が可能となる。
本発明の実施形態では、熱源機器計測データ入力部、供給熱量算出部、運転台数決定部および熱源機器運転指令部を備えた熱源機器運転制御計画部と、熱需要家の空調計測データ入力部、基準温度・許容上限温度・許容下限温度決定部および空調運転指令部を備えた空調制御計画部と、これらを連携する空調−熱源機器連携制御計画部から成る空調−熱源機器連携制御装置で、熱供給プラントの熱源機器の運転状態の情報を取り込み、各熱源機器の消費エネルギーを低減させるように、各部屋の設定温度を制御する。
以上の方法により、消費エネルギーおよびCO排出量を最小化する熱供給プラントの最適運転制御方法および装置を提供することができる。
熱供給プラントとエネルギー需要家から構成される地域内や複数の製造工場が立地する工業団地で使用される電力や熱を相互融通しあうエネルギーネットワークにおいて、需要家空調温度を制御することにより、省エネ、CO排出低減を実現する熱供給設備の最適運転方法および装置を提供できる。
1…熱供給プラント、2…冷凍機、3…冷凍機の送水ポンプ、4…需要家の熱交換器、5…需要家の空調設備、6…冷水送水温度、7…冷水戻り温度、8…熱交換器の送水ポンプ、9…空調設定温度、10…熱源機器からの冷水、11…熱交換器の冷水、12…空調設備からの空気、13…熱源機器運転制御装置、14…空調制御装置、15…需要家、16…情報ネットワーク、17…部屋

Claims (14)

  1. 複数の熱源機器を備える熱供給プラントと、複数の空調設備を備えた複数の熱需要家から構成されるエネルギーネットワークの運転制御方法であって、
    前記複数の熱需要家側では前記空調設備の設定温度を、前記熱供給プラントの熱源機器の消費エネルギーを低減する観点で可変に設定し、
    前記熱供給プラント側では複数の熱源機器の運転台数を制御することを特徴とするエネルギーネットワークの運転制御方法。
  2. 請求項1に記載のエネルギーネットワークの運転制御方法であって、
    前記熱需要家側における前記空調設備の設定温度は、所定の温度の範囲内で可変に設定されることを特徴とするエネルギーネットワークの運転制御方法。
  3. 請求項2記載のエネルギーネットワークの運転制御方法であって、
    前記熱源機器を増段する場合、所定の温度の範囲内で室温を制御することにより、稼動中の熱源機器の増段を抑制することを特徴とするエネルギーネットワークの運転制御方法。
  4. 請求項2記載のエネルギーネットワークの運転制御方法であって、
    前記熱源機器を減段する場合、所定の温度の範囲内で室温を制御することにより、稼動中の熱源機器の減段を促進することを特徴とするエネルギーネットワークの運転制御方法。
  5. 請求項3記載のエネルギーネットワークの運転制御方法であって、
    前記熱源機器のうち冷水を生成する熱源機器を増段する場合、熱源機器の冷熱供給量が稼動中の熱源機器の最大冷熱供給量以下になるように室温を許容上限温度以下かつ基準温度以上の範囲で制御することにより増段を抑制することを特徴とするエネルギーネットワークの運転制御方法。
  6. 請求項3のエネルギーネットワークの運転制御方法であって、
    前記熱源機器のうち蒸気または温水を生成する熱源機器を増段する場合、熱源機器の熱供給量が稼動中の熱源機器の最大熱供給量以下になるように室温を許容下限温度以上かつ基準温度以下の範囲で制御することにより増段を抑制することを特徴とするエネルギーネットワークの運転制御方法。
  7. 請求項4記載のエネルギーネットワークの運転制御方法であって、
    前記熱源機器のうち冷水を生成する熱源機器を減段する場合、熱源機器の冷熱供給量が減段した後の熱源機器の最大冷熱供給量以下になるように室温を許容上限温度以下かつ基準温度以上の範囲で制御することにより減段を促進することを特徴とするエネルギーネットワークの運転制御方法。
  8. 請求項4記載のエネルギーネットワークの運転制御方法であって、
    前記熱源機器のうち蒸気または温水を生成する熱源機器を減段する場合、熱源機器の熱供給量が減段した後の熱源機器の最大熱供給量以下になるように室温を許容下限温度以上かつ基準温度以下の範囲で制御することにより減段を促進することを特徴とするエネルギーネットワークの運転制御方法。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のエネルギーネットワークの運転制御方法であって、
    前記空調の設定温度は、快適性指標に基づいて決定することを特徴とするエネルギーネットワークの運転制御方法。
  10. 請求項9項に記載のエネルギーネットワークの運転制御方法であって、
    前記快適性指標は、PMV(Predicted Mean Vote:予測平均温冷感申告)を用いることを特徴とするエネルギーネットワークの運転制御方法。
  11. 複数の熱源機器を備える熱供給プラントと、複数の空調設備を備えた複数の熱需要家から構成されるエネルギーネットワークの運転制御装置であって、
    前記複数の熱需要家側では前記空調設備の設定温度を、前記熱供給プラントの熱源機器の消費エネルギーを低減する観点で可変に設定し、
    前記熱供給プラント側では複数の熱源機器の運転台数を制御することを特徴とするエネルギーネットワークの運転制御装置。
  12. 複数の熱源機器を備える熱供給プラントと、複数の空調設備を備えた複数の熱需要家から構成されるエネルギーネットワークの運転制御装置であって、
    前記複数の熱需要家側での制御のために複数の熱需要家の空調計測データ入力部、許容上限温度・許容下限温度決定部、空調運転制御計画部および空調運転指令部を備えて、前記空調設備の設定温度を、前記熱供給プラントの熱源機器の消費エネルギーを低減する観点で可変に設定し、
    前記熱供給プラント側での制御のために前記熱供給プラントの熱源機器計測データ入力部、供給熱量算出部、運転台数決定部、熱源機器運転制御計画部および熱源機器運転指令部を備えて前記複数の熱源機器の運転台数制御を行うことを特徴とするエネルギーネットワークの運転制御装置。
  13. 請求項11または請求項12に記載のエネルギーネットワークの運転制御装置であって、
    前記熱需要家側における前記空調設備の設定温度は、所定の温度の範囲内で可変に設定され、
    前記熱源機器を増減段する場合、所定の温度の範囲内で室温を制御することにより、稼動中の熱源機器の増段を抑制しまたは減段を促進することを特徴とするエネルギーネットワークの運転制御装置。
  14. 請求項11から請求項13のいずれか1項に記載のエネルギーネットワークの運転制御装置において、
    空調の設定温度は、許容上限温度と許容下限温度と、これ等の間に設定される基準温度をふくみ、快適性指標に基づいて決定されることを特徴とするエネルギーネットワークの運転制御装置。
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