JP2003138483A - よもぎ抽出液含有生分解性繊維 - Google Patents

よもぎ抽出液含有生分解性繊維

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woven
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Tomio Kojima
富夫 小嶋
Toshiki Shimizu
俊樹 清水
Fumio Ikeda
文男 池田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌、防カビ作用、防腐作用、消臭作用だけ
でなく、ダニやゴキブリの忌避作用も有し、人体や食品
への密着度が高い製品にも使用可能な繊維であり、か
つ、実用的な速度での生分解性を有し、環境に考慮した
用途にも使用することができる、よもぎ抽出液含有生分
解性繊維及びこの繊維から得られる織編物、不織布、紙
を提供する。 【解決手段】 数平均分子量が3万〜13万、光学純度
85.0〜99.5%のポリ−L−乳酸からなり、よも
ぎ抽出液を含有するよもぎ抽出液含有生分解性繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、実用的な速度での
生分解性を有するポリ乳酸繊維であって、繊維中によも
ぎ抽出液を含有し、害虫忌避作用、抗菌、防カビ作用、
防腐作用、防臭、消臭作用などに優れたよもぎ抽出液含
有生分解性繊維及びこの繊維から得られる織編物、不織
布、紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物の環境に対する汚染を防ぐ目
的として、生分解性(微生物分解性又は自然分解性)の
素材を用いることが考えられ、脂肪族ポリエステルから
なる生分解性繊維が注目されている。その代表的な例と
しては、特公平7-81204号公報、特開平7-305227号公報
に記載されるようなポリ乳酸繊維がある。
【0003】また、従来から、害虫忌避作用、抗菌作
用、防カビ作用、防腐作用、消臭作用などを有する植物
エキス配合組成物は各種存在していた。このような作用
を有する繊維は、織編物や不織布等に加工することによ
り、農業用や食品用、衣料用等の各種用途に用いること
ができる。
【0004】しかしながら、上記のような従来の植物エ
キス配合組成物は、抗菌作用、防カビ作用、防腐作用、
消臭作用などの効果を一応発揮するものの、効果の持続
性が十分ではなかった。しかも、刺激臭を有するものも
あり、人体や食品への密着度が高い製品には使用できな
かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決するものであり、抗菌、防カビ作用、防
腐作用、消臭作用だけでなく、ダニやゴキブリの忌避作
用も有し、人体や食品への密着度が高い製品にも使用可
能な繊維であり、かつ、実用的な速度での生分解性を有
し、環境に考慮した用途にも使用することができる、よ
もぎ抽出液含有生分解性繊維及びこの繊維から得られる
織編物、不織布、紙を提供することを課題とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために検討を行った結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、数平均分子量が3万〜13
万、光学純度85.0〜99.5%のポリ−L−乳酸か
らなり、よもぎ抽出液を含有することを特徴とするよも
ぎ抽出液含有生分解性繊維を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の繊維を構成するポリ乳酸は、L−乳酸と
D−乳酸の光学異性体の共重合体を主成分とし、このう
ち、L−乳酸の光学純度が85.0〜99.5%である
ことが必要である。このL体とD体の比率は、耐熱性と
生分解性に影響する要因である。一般にL体の比率が低
いと結晶性が低下し、融点が低下すると同時に生分解速
度は速くなる。しかし、L体の純度がこの範囲より低い
と、融点が低く、耐熱性の劣った繊維となり、製糸性も
悪化し、熱延伸がし難くなる。また、L体の純度がこの
範囲より高いと、結晶化が高いため分解速度が遅く、生
分解性に劣った繊維となる。
【0008】また、ポリ乳酸の数平均分子量は、溶融吐
出時に3万〜13万の範囲にあることが必要である。数
平均分子量がこの範囲にあるものは、実用的に十分な強
度と生分解性を有する繊維となる。数平均分子量がこの
範囲より低いと、十分な強度の繊維を得ることができ
ず、数平均分子量がこの範囲より高いと、高速で紡糸を
行う際、糸切れが起こりやすく、また、分解速度も低下
するため好ましくない。なお、本発明においては、各成
分それぞれの基本特性を損なわない範囲内で、少量の無
機物や他の熱可塑性生分解性成分等を添加することがで
きる。
【0009】そして、ポリ乳酸繊維は、繊維表面に存在
する乳酸モノマーが菌に対して影響するため、抗菌性を
有している。繊維の表面積を大きくすると抗菌性が向上
し、同時に生分解性能も向上するため、繊維表面積を大
きくすることが好ましく、具体的には、異形断面形状や
中空形状の繊維とすることが好ましい。
【0010】本発明の繊維は、このようなポリ乳酸繊維
によもぎ抽出液を含有しているものである。繊維中によ
もぎ抽出液を含有するとは、よもぎ抽出液が繊維表面に
付着(コーティング)あるいは繊維内部に保持されてい
るものをいう。繊維表面によもぎ抽出液を噴霧させる方
法や塗布、含浸させる方法があるが、繊維表面と内部と
もによもぎ抽出液が含有されるので、塗布や含浸により
付着、保持させたものが好ましい。
【0011】さらに、本発明の繊維は、よもぎ抽出液が
樹脂を介して、繊維に塗布又は含浸されていることが好
ましい。これにより皮膜が形成され、よもぎ抽出液の含
有量を高くすることができ、かつ、よもぎ抽出液が一気
に揮発することがなくなるので、効果の持続性が向上す
る。
【0012】用いることができる樹脂としては、ポリビ
ニルアルコール系、シリコン系、ウレタン系、酢酸ビニ
ル系、アクリル系、ポリエステル系、フェノール系、塩
化ビニル系の樹脂、澱粉等の糊剤等を挙げることがで
き、いずれの樹脂を用いてもかわまない。中でも耐久性
の点から、ゴム状皮膜を形成するポリビニルアルコール
系、シリコン系、ウレタン系、アクリル系、酢酸ビニル
系の樹脂を用いることが好ましい。
【0013】固着させる方法としては、よもぎ抽出液を
含有(好ましくは塗布、含浸)させた後、樹脂のみを後
から塗布や含浸させる方法や、よもぎ抽出液中に上記の
樹脂を含有させておく方法が挙げられる。中でも樹脂と
してポリビニルアルコールを用い、よもぎ抽出液中にポ
リビニルアルコールを5〜15質量%含有させたものを
ポリ乳酸繊維に塗布又は含浸させることが好ましい。
【0014】本発明におけるよもぎ抽出液とは、よもぎ
エキスを抽出した水溶液であり、よもぎを水で煮出す湯
煎やアルコールなどの溶剤やその水溶液での浸漬抽出
法、水蒸気蒸留法、ソックスレー抽出器を用いたソック
スレー抽出法等を挙げることができる。
【0015】中でも乾燥よもぎを用いて自然抽出する方
法が好ましく、例えば、乾燥よもぎ(3〜5kg)を加
熱した後、室温の精製水(10〜20リットル)に約3
日間浸して抽出する方法が挙げられる。
【0016】そして、よもぎ抽出液中には、水やアルコ
ール成分のほか、抗菌や害虫忌避効果をより高めること
ができるような成分を含んでいてもよい。例えば、消臭
促進効果を有する有機酸塩(クエン酸ナトリウム、DL
リンゴ酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム等)や、抗菌
や消臭効果を有する天然物からの抽出成分、例えば緑茶
エキス等を含むことが好ましい。
【0017】中でもよもぎ抽出液中にはアルコール成分
を含むことが好ましく、特にエタノールが好ましく、ア
ルコール成分のよもぎ抽出液中の割合は10〜20質量
%とすることが好ましい。このようにアルコール成分を
含むことで、揮発性が向上し、よもぎエキスの持つ各種
効果の即効性が期待できる。
【0018】また、本発明において、よもぎとしては、
アルテミシア・アブロタヌム(Artemisia abrotanum
L.)、ニガヨモギ(Artemisia absinthium L.)、クソニン
ジン(バカニンジン)(Artemisia annua L.)、アルテミシ
ア・アノマラ(Artemisia anomala S.Moore)、カワラニ
ンジン(ニンジン)(Artemisia apiacea Hance)、カワラ
ヨモギ(ネズミヨモギ、カトリグサ)(Artemisia capilla
ris Thunb.)、セメンシナ(Artemisia cina Berg.)、オ
トコヨモギ(Artemisia japonica Thunb.)、ヨモギナ(ar
temisia lactiflora Wall.)、オオヨモギ(ヤマヨモギ、
エゾヨモギ)(Artemisia montana(Nakai)Pampan.)、ミブ
ヨモギ(Artemisia maritima L.)、ヨモギ(カズザキヨモ
ギ、モチグサ)(Artemisia princeps Pampan.)、ハマヨ
モギ(Artemisia scoparia Waldst.et kit.)などが挙げ
られる。
【0019】また、本発明のよもぎ抽出液含有生分解性
繊維は、マルチフィラメント、モノフィラメントのどち
らであってもよく、さらには長繊維、短繊維のどちらで
もよい。
【0020】以上のように、本発明のよもぎ抽出液含有
生分解性繊維は、ポリ乳酸に由来する抗菌性を有し、か
つよもぎ抽出液に由来する害虫忌避、抗菌、防カビ、防
腐、防臭、消臭効果を有するので、両者の相乗効果が期
待でき、各種の用途に使用することが可能となる。さら
に、繊維自体は自然分解性であるため、環境問題に考慮
して使用することができ、より多くの用途に使用するこ
とができる。
【0021】次に、本発明の織編物は、上記した本発明
のよもぎ抽出液含有生分解性繊維を製編織したものであ
る。このような織編物は、衣料用のみならず、農業用の
寒冷紗、食品用カバー等に用いることができる。織編物
の構成は特に限定されるものではなく、用いる用途に応
じて密度や組織を種々変更すればよい。
【0022】また、本発明の不織布は、上記した本発明
のよもぎ抽出液含有生分解性繊維を開繊して不織布とし
たものである。このような不織布も、農業用、食品用、
衣料用等に用いることができる。不織布の構成は特に限
定されるものではなく、用いる用途に応じて目付けや繊
度等を種々変更すればよい。
【0023】さらに、本発明の紙は、上記した本発明の
よもぎ抽出液含有生分解性繊維を短繊維とし、水中に分
散させて抄紙する、湿式抄紙法等により得られたもので
ある。このような紙は、農業用、食品用、衣料用等に用
いることができる。そして、用いる用途に応じて秤量や
繊度等を種々変更すればよい。
【0024】なお、本発明の織編物、不織布、紙におい
ては、本発明の繊維のみを用いて得られたものとするこ
とが好ましいが、本発明の繊維の各種の効果を奏するこ
とができる範囲であれば、織編物、不織布、紙の一部に
他の繊維を用いたものでもよい。
【0025】また、本発明の織編物や不織布、紙におい
ては、よもぎ抽出液を含有しないポリ乳酸繊維を織編物
や不織布、紙にし、その後、よもぎ抽出液を塗布や含浸
により含有させて、本発明の繊維からなる織編物や不織
布、紙としたものでもよい。
【0026】次に、本発明のよもぎ抽出液含有生分解性
繊維の製造方法について説明する。ポリ乳酸繊維は、基
本的には通常の紡糸方法によって製造することができ
る。表面積を大きくするため、繊維断面を異形にした
り、中空断面とする場合には、用いる口金を特殊なもの
とする。そして、紡糸、延伸を行ってポリ乳酸繊維を得
る。ポリ乳酸繊維によもぎ抽出液を含有させる方法は前
記のとおりである。
【0027】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例中の各性能の評価は以下のよう
に行った。 (1)害虫忌避 1.コナヒヒョウダニに対する試験 得られた織物、不織布、紙を試料とし、一辺3cmの正
方形に切り取り、プラスチック製シャーレ(直径9c
m、高さ2cm、透明)を準備し、シャーレの底部に試
料をほぼ中央に置いた。試料の上にダニ用餌を置き、そ
の上にダニ30頭を放飼し、シャーレの蓋(直径9cm、
高さ1cm、透明)ををした。実験用容器(15cm×20
cm×10cm)に架台に置き、その上にシャーレを設置
し、実験用容器の底部にはダニ逃亡防止と水分補給のた
めに、水道水200mlを入れた。そして、実験用容器
の上部は通気可能なネットで覆いをした。実験条件を2
5±2℃、60〜70%RHとし、ダニを放飼した時点
から3日後に試料及びサンプルに潜伏するダニの数を実
体顕微鏡を用いてカウントした。この試験を4回繰り返
し、平均値とした。 2.アブラムシに対する試験 1.と同様の試料を用意し、試料の上に餌としてキャベツ
を置き、その上にアブラムシ30頭を放飼した以外は1.と
同様の条件で試験を行なった。 (2)抗菌性 得られた織物、不織布、紙を用い、繊維製品新機能評価
協議会(SEK)が定める繊維製品の定量的抗菌性試験
方法(統一試験法)マニュアルに準じ、試験菌として黄
色ブドウ状球菌と肺炎桿菌を用いて静菌活性値を測定し
た。このとき、1回目の測定から1週間後に再び同様の
測定を行い、効果の持続性を評価した。 (3)防カビ 得られた織物、不織布、紙を試料とし、一辺6cmの正
方形に切り取り、150mlのPDA培地(ポテトデキストロー
ス寒天培地)のほぼ中央に置いた。試料のほぼ中央に予
め培養した8mmのコルクポーラで打ち抜いた病原菌
(カンキツ緑カビ病菌、灰色カビ病菌)を置床し、20
℃、4日間培養した。菌の生育直径を計測し、菌糸生育
阻止率を求めた。 (4)生分解性 試料片を土中に埋設し、1年、2年及び3年経過後に取
り出して試料片の形態を観察し、以下の3段階で評価し
た。 ○:試料片が埋設後2年経過するまでは形態を保持し、
3年経過時点で崩壊していた。 △:試料片が埋設後2年経過するまでに形態を崩壊させ
ていた。 ×:試料片が埋設後3年経過しても形態を保持してい
た。
【0028】〔よもぎ抽出液と塗布方法〕よもぎ抽出液
として、よもぎエキス水溶液68.0質量%、緑茶エキス水
溶液12.0質量%、エタノール15.0質量%、クエン酸ナト
リウム等のナトリウム類4.5質量%、その他成分0.5質量
%からなる、アフピリンAF-1012(AFTY CO' LTD製)を
用いた。 塗布1:よもぎ抽出液5質量%、水95質量%とからなる
溶液中に、得られた織物又は不織布を浸漬させ、全体に
塗布させた後、乾燥熱処理を行った。 塗布2:よもぎ抽出液5質量%、水85質量%とポリビニ
ルアルコール(ユニチカケミカル社製、水溶性ポバー
ル)10質量%とからなる溶液中に、得られた織物又は不
織布を浸漬させ、全体に塗布させた後、乾燥熱処理を行
った。 塗布3:よもぎ抽出液5質量%、水95質量%とからなる
溶液を、得られた紙に噴霧器で塗布し、乾燥させた後、
ポリビニルアルコールを塗布した。
【0029】実施例1 通常用いられる単成分用溶融紡糸機台を用い、数平均分
子量が64000のポリ−L−乳酸(カーギル社製Eco-PLA、
D体/L体=1.0/99.0)を使用して、紡糸温度
220℃にて溶融紡糸を行った。その際、半未延伸糸(P
OY)を紡糸速度3500m/分で製糸した。この半未延伸糸
を延伸し、伸度28%、強度4.4g/dの延伸糸を得た。この
延伸糸を用いて製織し、経糸密度、緯糸密度ともに22
本/2.54cmの平組織のメッシュシートを得た。このシー
トに塗布1の方法でよもぎ抽出液を塗布した。
【0030】実施例2 実施例1と同様にしてメッシュシートを得、このシート
に塗布2の方法でよもぎ抽出液を塗布した。
【0031】実施例3 数平均分子量が59000、MFR値(メルトフローレ
ート値)が40g/10分のポリ乳酸(D体/L体=
1.3/98.7)チツプと、このチツプに対して酸化
チタンを含有させたマスターバツチを用い、ポリ乳酸に
対する酸化チタン含有率が0.5重量%となる如く計量
配合して溶融した後、溶融紡出した。紡出糸条を冷却装
置にて冷却した後、引き続いて紡糸口金の下方に設けた
エアーサツカにて牽引速度5100m/分で牽引細化
し、公知の開繊機を用いて開繊し、移動するメツシユス
クリーンコンベア上にウエブとして捕集堆積させた。次
いで、このウエブを温度123℃に加熱されたエンボス
ロールと表面平滑な金属ロールとからなる部分熱圧着装
置に通して部分的熱圧着処理を施して、単糸繊度が3.
0デニールの長繊維からなる目付けが50g/m2 の長
繊維不織布により構成されるシートを得た。このシート
に塗布1の方法でよもぎ抽出液を塗布した。
【0032】実施例4 実施例3と同様にしてシートを得、このシートに塗布2
の方法でよもぎ抽出液を塗布した。
【0033】実施例5 通常用いられる単成分用溶融紡糸機台を用い、数平均分
子量64000のポリ−L−乳酸(カーギル社製Eco-PLA、D
体/L体=1.0/99.0)を使用して、紡糸温度 2
20℃にて溶融紡糸を行い、未延伸糸を巻き取った。得ら
れた未延伸糸を集束し、延伸を行い、押し込み式捲縮付
与装置にて捲縮を付与し、5mmの繊維長に切断して、
3.0デニールのポリ乳酸短繊維を得た。叩解したパル
プ(LBKP)を9.4g採取し、これを水750ml
中で十分に離解した。これに上記のポリ乳酸短繊維7.
2gを加え、パルプとポリ乳酸繊維を含む水分散液を形
成させ、JIS法(JIS P8209)に準じて抄造
した。得られた紙の目付は521g/m2 であった。こ
の紙に塗布3の方法でよもぎ抽出液を塗布した。
【0034】比較例1〜3 それぞれ、実施例1、3、5と同様にして織物、不織
布、紙を得、よもぎ抽出液を塗布しなかった以外は実施
例1、3、5と同様に行なった。
【0035】比較例4 ポリエチレンテレフタレートを常法により紡糸・延伸し
て1.5デニール×51mmのポリエステル繊維を得、一
方バインダー成分としてテレフタル酸とイソフタル酸の
モル比を60:40としたエチレングリコールとの共重
合低融点ポリエステル(融点110℃)を鞘部に配し,
芯部にポリエチレンテレフタレートを配して,芯鞘比率
を50:50として複合紡糸し延伸した2デニール×5
1mmのバインダー繊維を得, これらの混紡率を50:5
0(バインダー成分比率15%)として通常の2吋方式
により混紡して30番手の混紡糸を得た。この混紡糸を
用いて製織し、経糸密度、緯糸密度ともに22本/2.54
cmの平組織のメッシュシートとし、温度180℃、40
秒の熱処理を行った。
【0036】比較例5 比較例4と同様にして得られたシートに塗布1の方法で
よもぎ抽出液を塗布した。
【0037】実施例1〜5、比較例1〜5で得られた織
物、不織布、紙の害虫忌避試験、抗菌、防カビ、生分解
性の評価結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、実施例1〜5で
得られた本発明の繊維からなるシート類は、害虫忌避、
抗菌、防カビ効果に優れ、生分解性能にも優れていた。
一方、比較例1〜3で得られたシート類は、よもぎ抽出
液を含有しない繊維からなるものであったので、害虫忌
避、抗菌、防カビ効果ともに劣っていた。比較例4、5
で得られたシートは、通常のポリエステル繊維からなる
ものであったため、生分解性を有していなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明の繊維は、抗菌、防カビ作用、防
腐作用、消臭作用だけでなく、ダニやゴキブリの忌避作
用も有し、人体や食品への密着度が高い製品にも使用可
能であり、かつ、実用的な速度での生分解性を有し、環
境に考慮した用途にも使用することができる。そして、
本発明の繊維から得られる織編物、不織布、紙は様々な
用途に使用することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 13/24 D21H 13/24 17/02 17/02 Fターム(参考) 4L033 AB05 AB06 AB07 AC10 CA01 CA29 DA06 4L047 AA21 AB03 AB10 BA23 BA24 CB10 4L048 AA20 AA46 AA47 AA48 AA49 AA56 BA01 BA02 BA06 CA00 CA15 EB00 4L055 AA03 AC06 AF33 AF44 AF47 AG43 AG64 AH21 AH37 AH50 AJ02 BE08 EA29 EA30 EA32 FA20 FA30 GA27

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量が3万〜13万、光学純度
    85.0〜99.5%のポリ−L−乳酸からなり、よも
    ぎ抽出液を含有することを特徴とするよもぎ抽出液含有
    生分解性繊維。
  2. 【請求項2】 よもぎ抽出液が繊維に塗布又は含浸され
    てなる、請求項1記載のよもぎ抽出液含有生分解性繊
    維。
  3. 【請求項3】 よもぎ抽出液が樹脂を介して固着されて
    いる、請求項1又は2記載のよもぎ抽出液含有生分解性
    繊維。
  4. 【請求項4】 ポリビニルアルコールを5〜15質量%
    を含有するよもぎ抽出液が繊維に塗布又は含浸されてな
    る、請求項1、2又は3記載のよもぎ抽出液含有生分解
    性繊維。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のよもぎ
    抽出液含有生分解性繊維からなる織編物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載のよもぎ
    抽出液含有生分解性繊維からなる不織布。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載のよもぎ
    抽出液含有生分解性繊維からなる紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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