JP2003138387A - 耐熱ほうろう被覆ステンレス加熱調理器及びその製造方法 - Google Patents
耐熱ほうろう被覆ステンレス加熱調理器及びその製造方法Info
- Publication number
- JP2003138387A JP2003138387A JP2002239167A JP2002239167A JP2003138387A JP 2003138387 A JP2003138387 A JP 2003138387A JP 2002239167 A JP2002239167 A JP 2002239167A JP 2002239167 A JP2002239167 A JP 2002239167A JP 2003138387 A JP2003138387 A JP 2003138387A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stainless steel
- enamel
- heat
- base material
- resistant
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Baking, Grill, Roasting (AREA)
- Cookers (AREA)
Abstract
を直接加熱して肉や魚等の食材を焼くのに洗浄容易にし
て亀裂や剥離の発生し難い耐久性ある耐熱ほうろう被覆
ステンレス加熱調理器及びその製造方法を実現する。 【解決手段】素地金属がSUS430からなる網状、線
状3もしくは板状8の基材表面を粗面化してから、基材
表面にシリカ、アルミナ及びクロムを必須成分として含
みアルカリ成分を含まぬ高温用ほうろう釉薬を塗布、焼
成して、表面に高温用ほうろう層11を被覆した焼網も
しくは焼板からなる耐熱ほうろう被覆ステンレス加熱調
理器を製造する。
Description
ステンレス加熱調理器及びその製造方法に係り、特にガ
スや炭火等の加熱媒体で焼網もしくは焼板を直接加熱し
て肉や魚等の脂肪分を含む食材を焼くのに好適な耐熱ほ
うろう被覆ステンレス加熱調理器及びその製造方法に関
する。
富むことから台所製品に広く利用されている。そして鍋
やフライパンや焼網等の加熱調理器では、食材を焦げ付
かせないために、また、使用後の洗浄時において汚染物
が離脱し易いように種々の離型性を有する例えばフッ素
樹脂等の耐熱性樹脂被膜をその内壁に形成している(例
えば特開昭63−5717号公報及び特開平6−284
977号公報など)。
フッ素樹脂等の耐熱性樹脂被膜が450℃以上に加熱さ
れ熱分解するのを防止するために、底部外面側にほうろ
う層を形成し、底部の熱分散及び断熱効果を発揮して、
耐熱性樹脂被膜が異常に過熱されないように保護してい
る(例えば特開昭58−92329号公報)。
鋼の汚れ防止、また、素地金属の錆防止を目的として、
従来からステンレス鋼のほうろう掛けが種々検討されて
きた。例えば、ステンレスSUS304に、鉄ほうろう
用チタン乳白フリットを使用して得た釉薬を、最初はご
く薄く、2度目は通常の厚さでの2段階で塗布、焼成
し、ステンレス鋼に対するほうろうの密着性を高めたス
テンレス鋼ほうろうが提案されている(例えば特開平6
−200383号公報)。
や炭火等の加熱媒体で焼網もしくは焼板を直接加熱して
肉や魚等の脂肪分を含む食材を焼く加熱調理器において
は、加熱温度が少なくとも700℃に達することもあ
り、ステンレス鋼の保護膜もしくは離型性膜として従来
から使用されてきたフッ素樹脂の如き耐熱性樹脂被膜で
は、耐熱温度が高々450℃程度であることから適用で
きない。
鋼を用いた調理器においては、例えば食品を保管する容
器のように加熱を必要としないか、加熱するにしても鍋
のように空焚きせずに食品を煮る程度の温度であれば問
題ないが、肉や魚を焼く焼網や焼板においては使用条件
が厳しく、700℃以上の温度に加熱される場合が多
く、このような高温では、ほうろう被膜が軟化もしくは
溶解してしまい最早、表面保護膜として機能しない。
題点を解消することにあり、特にガス炎や炭火等の加熱
媒体で焼網もしくは焼板を直接加熱して肉や魚等の脂肪
分の多い食材を焼くのに洗浄容易にして亀裂や剥離の発
生し難い耐久性のある耐熱ほうろう被覆ステンレス加熱
調理器及びその製造方法を提供することにある。
は、700℃以上の炎にも耐えられる(耐熱性のあ
る)、700℃から室温にまで急冷しても、ほうろうに
亀裂が発生しない(耐熱熱衝撃性のある)、そして焼肉
器や魚焼器で生肉、生魚や油ものを焼き、常温に冷却後
に洗浄水に浸漬後、スポンジ束子などで簡単に擦った程
度で汚れが取れる(耐汚染性のある)耐熱ほうろう被覆
ステンレス加熱調理器を実現することにある。
に、本発明者等は、ステンレス素地金属とほうろうとに
ついて種々実験検討したところ、各種ほうろうの中でも
特に原料となるフリットとミル添加物成分中にナトリウ
ムやカリウムと云ったアルカリ成分及び鉛などの人体に
有害な成分を含まず、シリカ、アルミナ及びクロムを必
須成分として含む高温用ほうろうが好ましく、ガス炎で
700〜800℃に加熱し、室温へ急冷するサイクルを
多数回(少なくとも500回)繰り返してもステンレス
素地金属からほうろう層が剥離することなく長期にわた
り安定して使用可能な優れたステンレス加熱調理器が得
られると言う知見を得た。
なされたものであり、上記目的は、素地金属がステンレ
ス鋼からなる枠体に、素地金属がステンレス鋼からなる
線材を縦横に編んだ網状構造体もしくは前記線材を所定
の間隔で一方向に配列した線状構造体の端部を溶接した
網状もしくは線状基材、または素地金属がステンレス鋼
からなる板状基材の表面に耐熱ほうろう被覆したステン
レス製調理器であって、前記網状、線状もしくは板状基
材の表面は粗面化されており、前記耐熱ほうろう被覆は
シリカ、アルミナ及びクロムを必須成分として含みアル
カリ成分を含まない高温用ほうろうからなることを特徴
とする耐熱ほうろう被覆ステンレス加熱調理器により、
達成される。
上記の通りシリカ、アルミナ及びクロムを必須成分とし
て含みアルカリ成分を含まない高温用ほうろうである
が、ナトリウムやカリ等のアルカリ成分は原料成分中
(例えば粘土)に不純物として混入してくる場合があ
る。
られない不純物としてのアルカリ成分量は、一般に0.
2Wt%以下であり、この程度の含有量であれば全く含
まないものより多少特性は劣るが実用に供せるものであ
り許容される。
被覆ステンレス加熱調理器の好適な実施形態について説
明する。はじめに本発明に係る耐熱ほうろう被覆したス
テンレス製調理器を構成する素地金属と高温用ほうろう
を形成するための釉薬とについて説明する。
用ほうろう釉薬の特徴について以下に説明する。 (1)高耐熱性:700〜800℃に耐える、火にも強
い。 (2)耐汚染性:洗剤で軽く擦ると取れる(平滑性を保
つことも大切)。 (3)硬度:モース硬度で4以上と硬く傷がつかない。 (4)安全性:原料となるフリットにアルカリ成分や鉛
などの人体に有害な成分を含まない、天然無機物質が良
い。空気中の酸素をほうろう中へ拡散しにくくし、素地
金属の酸化を防止する役割を果たす。 (5)溶剤:水(化学薬品を使用しない)。 (6)製造:浸漬もしくはスプレイで容易に塗布でき
る。
う釉薬の例としては、重量比でシリカ(SiO2)20〜6
0%、アルミナ(Al2O3)1〜12%、その他残部が酸
化ホウ素(B2O3)、酸化バリウム(BaO)、酸化亜鉛(Z
nO)、酸化カルシウム(CaO)、及び酸化ジルコニウム
(ZrO2)などの無機物質を含むフリット成分に、粘土や
顔料として例えば、蛙目粘土4〜10%、酸化クロム
(Cr2O3)3〜35%、ミル添加物及び水40〜70%
を加えてボールミルでよくかき混ぜたものが挙げられ
る。
は焼板の基材は、耐熱性と耐食性とを有するステンレス
鋼が好ましい。本発明で言う耐熱性とは、900℃に加
熱しても形状変形が比較的少なく焼網として十分に機能
する性質を有しているものであり、例えばSUS430な
どは焼成後のほうろう層との密着性が良く好ましいステ
ンレス鋼であるが、その他の例えばSUS304、SU
S316、SUS310S、SUS320などのステン
レス鋼も使用できる。
硬度で少なくとも4以上はあり、金属ブラシで擦った程
度では全く傷がつくこともない。また、この高温用ほう
ろう層の組成比(フリットの組成比)を選べば体膨張率
βは257×10-7/℃であり、特にSUS430の体膨
張率βは321×10-7/℃であることから、ほうろう
膜厚20〜100μmに渡って、これら両者の体膨張率
の差は64×10-7/℃と互いに接近している。そのた
め、例えば700℃から室温へ急冷するサイクルを50
0回繰り返しても亀裂やそれに伴って剥離するといった
問題は起こらず耐久性に極めて優れていることが確認さ
れた。
は、フリットの組成比を変えて体膨張率を大きくし、さ
らに好ましいほうろう膜厚の範囲が15〜60μmとSU
S430の場合よりも狭くはなるが、SUS430の場合と
同様に500回の加熱急冷サイクルでも亀裂や剥離が生
じることがなく実用に供し得るものができた。
線状もしくは板状基材表面に、上記ほうろうを被覆する
に際しては、素地金属との密着性を高めるために基材の
表面を中心線平均粗さRaで0.5〜10μm程度に粗
面化することが望ましい。表面粗さの調整には、例えば
アルミナ粉末を吹き付けるショットブラスト等の機械的
な前処理が有効である。中心線平均粗さRaが0.5μ
m未満ではステンレス基材の粗面化が不十分で、ほうろ
う被覆層の密着性が低下する。また、中心線平均粗さR
aが10μmを超える表面粗さでは、ほうろうの膜厚の
均一性を得ることが難しくなるからである。
下、好ましくは20〜80μmである。ほうろう被覆層
の厚さ調整は、ステンレス素地金属に、ほうろう釉薬を
塗布する塗膜の厚さで行う。塗布は、1回でも複数回に
分けて行ってもよい。好ましくは、はじめに、ほうろう
釉薬をごく薄く下塗りしてから焼成し、次いで所定の膜
厚となるように2回に分けて塗布焼成するのがよい。
すなわち、例えば窒素ガス、アルゴンガス等の中性雰囲
気もしくは酸素を含む酸化性雰囲気で行うのがよく、通
常は大気中、900〜1150℃程度の温度範囲で行
う。特に高温ほうろう焼成において、窒素やアルゴンガ
スなどの濃度の高い非還元性ガス雰囲気がステンレス素
地金属の酸化を防止し、高温ほうろうとステンレス素地
間の密着性を向上する。高温ほうろう被覆は金属酸化物
からなるセラミックスであることから、組成を安定化す
るために一酸化炭素(CO)や水素(H2)ガスを含む
還元性雰囲気は避けるべきである。
発明のさらに具体的な構成上の特徴点について説明す
る。 (1)上記基材を、ステンレス素地金属の線材を所定間
隔で縦横に格子状に編んだ網状構造体もしくは線材を編
まずに所定間隔で一方向に配列した線状構造体からなる
主要部と、この網状もしくは線状構造体の周縁端部をス
テンレス素地金属製の枠体に溶接した縁部とを有する網
状基材で構成したことを特徴とする。
ほうろう焼網であり、予めステンレス素地金属の線材を
所定間隔で縦横に格子状に編んだ網状構造体もしくは編
まずに所定間隔で一方向に配列した線状構造体の周縁端
部を、例えば網状もしくは線状構造体と同一組成の線材
で線径がより太い枠体に溶接した基材を準備しておき、
この基材に上記の高温用ほうろう釉薬を塗布し焼成する
ことにより得ることができる。基材をほうろう被覆する
に際しては、基材の表面を粗面化しておくことは云うま
でもない。 (2)上記基材を、ステンレス素地金属の平板状基材で
構成したことを特徴とする。この発明は、いわゆる、肉
や魚を焼く耐熱ほうろう焼板であり、予めステンレス素
地金属の平板状基材を粗面化しておき、この基材に上記
の高温用ほうろう釉薬を塗布し焼成することにより得る
ことができる。この平板状基材には、予め所定の間隔で
所定形状の孔を複数個設けておくことができる。孔を設
けることによって火の通りをよくし焼網同様に肉や魚の
余分な脂肪分を燃焼させることができる。 (3)上記本発明の耐熱ほうろう被覆ステンレス加熱調
理器の製造方法であって、素地金属がステンレス鋼から
なる網状、線状もしくは板状基材の表面を例えばショッ
トブラストにて粗面化する工程と、アルカリ成分を含ま
ない高温用ほうろう釉薬に、前記表面が粗面化された基
材を浸漬することにより、もしくはスプレーにより前記
基材表面にほうろう釉薬を塗布する工程と、前記ほうろ
う釉薬が塗布された基材を焼成し基材表面に高温用ほう
ろう層を被覆する工程とを有することを特徴とする。
れた基材を焼成し基材表面に高温用ほうろう層を被覆す
る工程においては、非還元性雰囲気中、900〜115
0℃で焼成することを特徴とする。
釉薬の調製例について説明すると、はじめに、重量比で
シリカ(SiO2)20〜60%、アルミナ(Al2O3)1〜
12%、その他残部が酸化ホウ素(B2O3)5〜20%、
酸化バリウム(BaO)10〜45%、酸化亜鉛(ZnO)3
〜10%、酸化カルシウム(CaO)1〜15%、及び酸
化ジルコニウム(ZrO2)1〜20%などの無機物質を含
むフリットを作成する。
し、粘土(蛙目粘土)4〜10重量部、顔料として酸化
クロム(Cr2O3)3〜35重量部、必要に応じてミル添
加物0.5〜5重量部、及び水40〜70重量部を加
え、ボールミルにてこれら無機物質を十分に粉砕混合し
て水によく分散させ釉薬とする。
レス加熱調理器の具体的な実施例につき、添付図面を参
照しながら以下詳細に説明する。
被覆ステンレス加熱調理器を焼網6で構成した実施例の
概略図で、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)にお
ける網状構造体3の部分拡大図、図1(c)は図1(b)の
A−A′切断面図をそれぞれ示している。
に編まれて焼網6の主要部となる網状構造体3を形成し
ている素地金属がステンレス鋼製の線材、4は網状構造
体3を保持する枠体、5は網状構造体3の周縁端部を溶
接により枠体4に固定している溶接部、11は網状構造
体3、枠体4及び溶接部5の全表面に被覆された高温用
ほうろう層を、それぞれ示している。
金属がステンレス鋼製の線材1及び2で格子状(280
mm×280mm)に編み焼網6の主要部となる網状構造体
3を形成する。これを直径280cmの円形に切断し、
この網状構造体3の周縁端部を太さ6mmの素地金属が
ステンレス鋼製の線材で形成した枠体4にスポット溶接
する。なお、本実施例ではステンレス鋼として線材1、
2及び枠体4ともにSUS430を代表例として使用し
た。
ほうろう釉薬として、重量比でシリカ(SiO2)47%、
アルミナ(Al2O3)8%、その他残部が酸化ホウ素(B2
O3)6%、酸化バリウム(BaO)12%、酸化亜鉛(Zn
O)5%、酸化カルシウム(CaO)9%、及び酸化ジルコ
ニウム(ZrO2)13%を含むフリットを作成し、このフ
リット100重量部に対し、粘土(蛙目粘土)6重量
部、酸化クロム(Cr2O3)6重量部、及び水40重量部
を加え、ボールミルにてこれら無機物質を十分に粉砕混
合して水によく分散させ釉薬を調製した。
の形成:先ず、前処理として焼網基材を脱脂及び洗浄処
理し、表面をホワイトアランダム(Al2O3 粉末60#)
にてショットブラスト処理し、中心線平均粗さRa0.
5〜5μmに粗面化した後、表面に付着した粉末や汚れ
を脱脂及び洗浄で除去した。
理された焼網基材を浸漬し、引き上げ、乾燥後、大気中
1050℃で10分間焼成した。その結果、焼網基材の
表面に厚さ50μmの高温用ほうろう層11を形成する
ことができた。
で、硬度がモース硬度4以上の硬質膜であり、洗浄に際
しナイロン束子や金属束子で擦っても全く傷がつかなか
った。
を載せ、ガス炎で焼肉を調理すると云う通常の方法で使
用してから室温まで放冷し、中性洗剤に3時間浸漬し表
面に付着した油等の付着物を洗浄除去(耐汚染性テス
ト)し、乾燥させてから再度使用すると云うサイクルを
繰り返す寿命試験を行った。その結果、100回繰り返
しても、ほうろう層に何らの変化も認められず耐久性の
ある焼網であることがわかった。
れを室温に急冷すると云う強制試験を行った。このサイ
クルを500回繰り返したが、ほうろう層に亀裂や剥離
は全く生じなかった。
(蛙目粘土6重量部)が産地により不純物として含まれ
る場合があり、蛙目粘土のアルカリ成分であるNa2O
とK2Oが、ほうろう中に併せて産地によって0〜0.
6Wt%含まれることがある。
するものを用いて実施例1と同様のほうろう被覆焼網を
製造し、性能を比較した。その結果、耐汚染性が実施例
1より多少劣ったが十分に実用に供し得るものであるこ
とが確認できた。
して線材1、2及び枠体4ともにSUS304を使用し
て、実施例1と同様にして高温用ほうろう層11を焼網
基材に被覆した。ただし、本実施例では釉薬のフリット
の中でB2O35%、ZnO3%、BaO13%、CaO
12%、Zr2O312%とし、水の量をフリット100
重量部に対し70重量部とした。その結果、焼網基材の
表面に厚さ30μmの高温用ほうろう層11を形成する
ことができた。実施例1と同様の方法で、ほうろう層の
評価試験を行ったところ、ほぼ実施例1と同様の結果が
得られた。
を示した焼網6の平面図である。なお、この焼網6は実
施例1の円形状の代わりに四角にしたところが異なるだ
けで、その他の構成は実施例1と同様である。実施例1
と同様に耐久性ある優れた焼網であることが確認され
た。
被覆ステンレス加熱調理器を焼板7で構成した実施例の
平面図である。同図において、8は厚さ3mm、縦横2
00mm×330mmのSUS430製の焼板用平板で
あり、9は把持部、11は高温用ほうろう層である。高
温用ほうろう層11の被覆は、実施例1と同様のほうろ
う釉薬を用い、同様の塗布及び焼成により膜厚30μm
形成した。焼板7の特性評価を実施例1の焼網の場合と
同様に行ったところ、焼網とほぼ同様の結果が得られ
た。
する他の実施例を示した平面図である。なお、この焼板
7の材質及び大きさは実施例4と同じであるが、この例
では焼板用平板8に、6×120mmの孔(スリット)
10が略10mmの間隔で多数個設けられている。焼板
7の特性評価を実施例4と同様に行ったところ、同様の
結果が得られた。
被覆ステンレス加熱調理器を焼網6で構成した実施例の
概略図で、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)にお
けるA−A′切断面図をそれぞれ示している。
体):図5に示したように、焼網6の基材は、実施例1
の図1に示した網状構造体4の代わりに、網状に編むこ
となく、線材1を単に一方向に平行に複数本配列した線
状構造体(丸型一方向構造体と称する)としたものであ
り、線材の端部は枠体4にスポット溶接されている。線
材1、枠体4の材質は実施例1と同じものであるが、線
径が線材1は4mmであり、枠体4は6mmである。
の特徴は、実施例1に比べてシリカ(SiO2)及びアルミ
ナ(Al2O3)重量を落とし、酸化クロム(Cr2O3)を増
量したものである。
カ(SiO2)34%、アルミナ(Al2O3)2%、その他残
部が酸化ホウ素(B2O3)12%、酸化バリウム(BaO)
38%、酸化亜鉛(ZnO)7%、酸化カルシウム(CaO)
3%、及び酸化ジルコニウム(ZrO2)4%を含むフリッ
トを作成し、このフリット100重量部に対し、ミル添
加物として粘土(蛙目粘土)6重量部、酸化クロム(Cr
2O3)32重量部、及び水40重量部を加え、ボールミ
ルにてこれら無機物質を十分に粉砕混合して水によく分
散させ釉薬を調製した。
の形成:先ず、前処理として焼網基材(丸型一方向構造
体)を脱脂及び洗浄処理し、表面をホワイトアランダム
(Al2O3 粉末60#)にてショットブラスト処理し、中
心線平均粗さRa2〜3μmに粗面化した後、表面に付
着した粉末や汚れを脱脂及び洗浄で除去した。
理された焼網基材(丸型一方向構造体)を浸漬し、引き
上げ、乾燥後、大気中1000℃で15分間焼成した。
その結果、焼網基材の表面に厚さ50μmの高温用ほう
ろう層11を形成することができた。
験として、硬さ、耐汚染テスト及び温度サイクル・強制
試験について実施例1と同一の評価を行ったところ、硬
度、膜質、油等の付着物の取れ易さ、耐久性等は実施例
1と同様の結果が得られた。
組成の釉薬にミル添加物として酸化鉄(Fe2O3)5重
量%を添加した釉薬を調製し、これを用いて上記実施例
1と同様の方法で焼網表面に高温用ほうろう層を形成
し、実施例7と同様の評価試験を行った。
が、膜表面のつやがなくなり、油等の付着物が取れ難く
実用にならないものであった。高温用ほうろう釉薬に
は、酸化鉄は有害な酸化物である。蛙目粘土に含まれる
酸化鉄の量は1重量%程度であり、これくらいの量であ
れば実用に供されるものであり許容される。2〜3重量
%以下が望ましい。くた。
被覆ステンレス加熱調理器を焼網6で構成した実施例の
概略平面図を示している。
体):図6に示したように、焼網6の基材は、実施例1
の図1に示した網状構造体4の代わりに、網状に編むこ
となく、実施例7と同様に線材1を単に一方向に平行に
複数本配列した線状構造体(ただし、四角型一方向構造
体と称する)としたものであり、線材の端部は枠体4に
スポット溶接されている。線材1、枠体4の材質は実施
例1と同じものである。
の特徴は、実施例7に比べてシリカ(SiO2)及びアルミ
ナ(Al2O3)重量を落とし、酸化クロム(Cr2O3)も減
らし、蛙目粘土を増やした。
カ(SiO2)29%、アルミナ(Al2O3)1%、その他残
部が酸化ホウ素(B2O3)18%、酸化バリウム(BaO)
36%、酸化亜鉛(ZnO)6%、酸化カルシウム(CaO)
3%、及び酸化ジルコニウム(ZrO2)7%を含むフリッ
トを作成し、このフリット100重量部に対し、ミル添
加物として粘土(蛙目粘土)8重量部、酸化クロム(Cr
2O3)27重量部、及び水40重量部を加え、ボールミ
ルにてこれら無機物質を十分に粉砕混合して水によく分
散させ釉薬を調製した。
の形成:実施例7と同様の方法で焼網基材6の表面に厚
さ50μmの高温用ほうろう層11を形成することがで
きた。
験として、実施例1と同様の評価試験を行った。その結
果、実施例1と同様の結果が得られた。
同様の四角型一方向構造体を作成した。
の特徴は、実施例7、8に比べてシリカ(SiO2)及びア
ルミナ(Al2O3)重量を増し、酸化カルシウム(CaO)
を減らし、ミル添加物の水を増やした。
カ(SiO2)40%、アルミナ(Al2O3)2%、その他残
部が酸化ホウ素(B2O3)8%、酸化バリウム(BaO)4
2%、酸化亜鉛(ZnO)4%、酸化カルシウム(CaO)1
%、及び酸化ジルコニウム(ZrO2)3%を含むフリット
を作成し、このフリット100重量部に対し、ミル添加
物として粘土(蛙目粘土)6重量部、酸化クロム(Cr2O
3)32重量部、及び水50重量部を加え、ボールミル
にてこれら無機物質を十分に粉砕混合して水によく分散
させ釉薬を調製した。
の形成:実施例7と同様の方法で焼網基材6の表面に厚
さ40μmの高温用ほうろう層11を形成することがで
きた。ただし、焼成時のアルゴンガスでの焼成温度を実
施例7よりも高くした。
(四角型一方向構造体)を脱脂及び洗浄処理し、表面を
ホワイトアランダム(Al2O3 粉末60#)にてショット
ブラスト処理し、中心線平均粗さRa5〜6μmに粗面
化した後、表面に付着した粉末や汚れを脱脂及び洗浄で
除去した。
理された焼網基材(四角型一方向構造体)を浸漬し、引
き上げ、乾燥後、アルゴンガス中1080℃で5分間焼
成した。その結果、焼網基材の表面に厚さ40μmの高
温用ほうろう層11を形成することができた。
験として、硬さ、耐汚染テスト及び温度サイクル・強制
試験について実施例1と同一の評価を行ったところ、硬
度、膜質、油等の付着物の取れ易さ、耐久性等は実施例
1と同様の結果が得られた。
レス鋼としてSUS430及びSUS304を代表例と
して示したが、その他の例えば、SUS316、SUS
310S、SUS320、インコネル(Inconel)600
及びハステロイ(Hastelloy)N−155などのステンレス
鋼でも同様に使用できることは言うまでもない。
O3、ZnO、BaO、CaO、蛙目粘土などに変えて
長石類、珪石類、亜鉛華、炭酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、木節粘土、カオリン、陶石、ろう石、セリサイトな
ど自然物の原料も同様に使用できることは言うまでもな
い。
ス炎や炭火等の加熱媒体で焼網もしくは焼板を直接加熱
して肉や魚等の脂肪分の多い食材を焼くのに、洗浄容易
にして、ほうろう層の亀裂や剥離の発生し難い耐久性の
ある耐熱ほうろう被覆ステンレス加熱調理器及びその製
造方法を提供すると云う所期の目的を達成することがで
きた。
の炎にも耐えられる(耐熱性のある)、700℃から室
温にまで急冷しても、ほうろうに亀裂が発生しない(耐
熱熱衝撃性のある)、そして焼肉器や魚焼器で生肉、生
魚や油ものを焼き、常温に冷却後に洗浄水に浸漬後、ス
ポンジ束子などで簡単に擦った程度で汚れが取れる(耐
汚染性のある)耐熱ほうろう被覆ステンレス加熱調理器
を実現することができた。
器を焼網に適用した場合の実施例を示した概略図で、図
1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)の部分拡大図、図
1(c)は図1(b)の一部断面図。
器を焼板に適用した場合の実施例を示した概略図。
造体)の概略図。
構造体)の概略図。
Claims (10)
- 【請求項1】素地金属がステンレス鋼からなる枠体に、
素地金属がステンレス鋼からなる線材を縦横に編んだ網
状構造体もしくは前記線材を所定の間隔で一方向に配列
した線状構造体の端部を溶接した網状もしくは線状基
材、または素地金属がステンレス鋼からなる板状基材の
表面に耐熱ほうろう被覆したステンレス製調理器であっ
て、前記網状もしくは線状、または板状基材の表面は粗
面化されており、前記耐熱ほうろう被覆はアルカリ成分
を含まない高温用ほうろうからなることを特徴とする耐
熱ほうろう被覆ステンレス加熱調理器。 - 【請求項2】上記基材の表面は中心線平均粗さRa0.
5〜10μmに粗面化され、前記耐熱ほうろう被覆はシ
リカ、アルミナ及びクロムを主成分としアルカリ成分を
含まない膜厚15〜100μmの高温用ほうろうからな
ることを特徴とする請求項1記載の耐熱ほうろう被覆ス
テンレス加熱調理器。 - 【請求項3】上記基材は、ステンレス素地金属からなる
線材を所定間隔で縦横に格子状に編んだ網状構造体から
なる主要部と、前記網状構造体の周縁端部をステンレス
素地金属製の枠体に溶接した縁部とを有する基材で構成
したことを特徴とする請求項1もしくは2記載の耐熱ほ
うろう被覆ステンレス加熱調理器。 - 【請求項4】上記基材は、ステンレス素地金属からなる
線材を所定間隔で直線状に配列した線状構造体からなる
主要部と、前記線状構造体の周縁端部をステンレス素地
金属製の枠体に溶接した縁部とを有する基材で構成した
ことを特徴とする請求項1もしくは2記載の耐熱ほうろ
う被覆ステンレス加熱調理器。 - 【請求項5】上記基材は、ステンレス素地金属からなる
平板状基材で構成したことを特徴とする請求項1もしく
は2に記載の耐熱ほうろう被覆ステンレス加熱調理器。 - 【請求項6】上記平板状基材には、所定の間隔で所定形
状の孔が複数個設けられていることを特徴とする請求項
5に記載の耐熱ほうろう被覆ステンレス加熱調理器。 - 【請求項7】請求項1乃至4のいずれか一つに記載の耐
熱性ほうろう被覆ステンレス加熱調理器が耐熱ほうろう
焼網であることを特徴とする耐熱性ほうろう被覆ステン
レス加熱調理器。 - 【請求項8】請求項1、2もしくは5記載の耐熱性ほう
ろう被覆ステンレス加熱調理器が耐熱ほうろう焼板であ
ることを特徴とする耐熱性ほうろう被覆ステンレス加熱
調理器。 - 【請求項9】素地金属がステンレス鋼からなる網状、線
状もしくは板状基材の表面をショットブラストにて粗面
化する工程と、アルカリ成分を含まない高温用ほうろう
釉薬に、前記表面が粗面化された基材表面にほうろう釉
薬を塗布する工程と、前記ほうろう釉薬が塗布された基
材を焼成し基材表面に高温用ほうろう層を被覆する工程
とを有することを特徴とする耐熱ほうろう被覆ステンレ
ス加熱調理器の製造方法。 - 【請求項10】前記ほうろう釉薬が塗布された基材を焼
成し基材表面に高温用ほうろう層を被覆する工程におい
ては、非還元性雰囲気中、900〜1150℃で焼成す
ることを特徴とする請求項9記載の耐熱ほうろう被覆ス
テンレス加熱調理器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002239167A JP2003138387A (ja) | 2001-08-21 | 2002-08-20 | 耐熱ほうろう被覆ステンレス加熱調理器及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001250280 | 2001-08-21 | ||
JP2001-250280 | 2001-08-21 | ||
JP2002239167A JP2003138387A (ja) | 2001-08-21 | 2002-08-20 | 耐熱ほうろう被覆ステンレス加熱調理器及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003138387A true JP2003138387A (ja) | 2003-05-14 |
Family
ID=26620723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002239167A Pending JP2003138387A (ja) | 2001-08-21 | 2002-08-20 | 耐熱ほうろう被覆ステンレス加熱調理器及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003138387A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011117060A (ja) * | 2009-12-01 | 2011-06-16 | Aiko Hirota | トレース・エマーユ |
JP2013092361A (ja) * | 2012-12-28 | 2013-05-16 | Mitsubishi Electric Corp | 加熱調理器、および加熱調理器の製造方法 |
JP2021127482A (ja) * | 2020-02-12 | 2021-09-02 | 日本碍子株式会社 | グラスライニング製品及びその製造方法 |
KR102401462B1 (ko) * | 2021-12-08 | 2022-05-24 | 주식회사 신근식푸드 | 구이용 불판 |
-
2002
- 2002-08-20 JP JP2002239167A patent/JP2003138387A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011117060A (ja) * | 2009-12-01 | 2011-06-16 | Aiko Hirota | トレース・エマーユ |
JP2013092361A (ja) * | 2012-12-28 | 2013-05-16 | Mitsubishi Electric Corp | 加熱調理器、および加熱調理器の製造方法 |
JP2021127482A (ja) * | 2020-02-12 | 2021-09-02 | 日本碍子株式会社 | グラスライニング製品及びその製造方法 |
KR102401462B1 (ko) * | 2021-12-08 | 2022-05-24 | 주식회사 신근식푸드 | 구이용 불판 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4500807B2 (ja) | 耐変色性セラミックコーティングを有する食物用器具およびその製法 | |
JP2001218684A (ja) | 調理器具用部材及び調理器具 | |
KR20130126441A (ko) | 고기 구이판 | |
JP2003138387A (ja) | 耐熱ほうろう被覆ステンレス加熱調理器及びその製造方法 | |
WO2006047154A1 (en) | Stick resistant cooking utensils and methods for their production | |
JP2005321108A (ja) | 加熱調理器具及びその製造方法、並びにその使用方法 | |
JP3148424U (ja) | 内底面に粗面が形成された金属製調理器 | |
JP2011139834A (ja) | 電磁誘導加熱調理器用の容器およびその製造方法 | |
RU2325835C2 (ru) | Варочная поверхность, легко поддающаяся очистке | |
JP6168168B2 (ja) | 調理器具 | |
JP5300557B2 (ja) | ほうろう用フリット | |
US4359039A (en) | Self-cleaning plate | |
KR100648864B1 (ko) | 숯 코팅제 조성물을 이용한 주방 조리 용기의 코팅 방법 | |
JP2012249966A (ja) | 調理器具および加熱調理器 | |
KR101328510B1 (ko) | 고기 구이판의 제조방법 | |
KR101213264B1 (ko) | 고기 구이판 | |
KR200297924Y1 (ko) | 조리용 용기 | |
KR101185774B1 (ko) | 주방용기 코팅방법 | |
KR100620426B1 (ko) | 금 코팅 가열 조리기 및 그 제조방법 | |
JPH0351015A (ja) | 有機物固着防止処理法および加熱調理用器具 | |
JP2010063526A (ja) | 加熱調理器および電磁誘導加熱式調理器 | |
CN209018391U (zh) | 一种结构改良的复合锅具 | |
KR200361692Y1 (ko) | 금 코팅 가열 조리기 | |
JPH02198526A (ja) | 石英ガラス製調理器具 | |
KR101264145B1 (ko) | 주방용기 코팅방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050720 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20050804 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20050804 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080415 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080805 |