JP2003138078A - 水素化スチレン系重合体樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

水素化スチレン系重合体樹脂組成物及びその製造方法

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JP2003138078A
JP2003138078A JP2001340366A JP2001340366A JP2003138078A JP 2003138078 A JP2003138078 A JP 2003138078A JP 2001340366 A JP2001340366 A JP 2001340366A JP 2001340366 A JP2001340366 A JP 2001340366A JP 2003138078 A JP2003138078 A JP 2003138078A
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styrene
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JP2001340366A
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Nobuaki Kido
伸明 城戸
Shunichi Matsumura
俊一 松村
Masaki Takeuchi
正基 竹内
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温での成形時にも耐熱安定性に優れ、しか
も光線透過率の優れた水素化スチレン系重合体樹脂組成
物を提供する。 【解決手段】 (A)有機リチウム化合物を開始剤とし
てアニオン重合されたスチレン系重合体を水素添加する
ことにより製造される水素化スチレン系重合体と、該水
素化スチレン系重合体100重量部に対して、(B)リ
チウム元素1×10-7重量部以上、2×10-5重量部以
下、および(C)フェノール系水酸基を有する安定剤
0.01重量部以上、1重量部以下を含有する水素化ス
チレン系重合体樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素化スチレン系
重合体の樹脂組成物に関する。更に詳しくは射出成形、
射出圧縮成形時の離型性に優れる水素化スチレン系重合
体の樹脂組成物に関する。
【0002】更に本発明は、透明性に優れ、光ディスク
などの光学用途にも好適に利用可能な、透明性、耐熱
性、成形時の離型性に優れる水素化スチレン系重合体の
樹脂組成物に関する。
【0003】
【従来の技術】水素化スチレン系重合体は、一般に、ス
チレン系重合体を水素添加することにより製造すること
が可能であり、その光学的特徴を生かして、コンパクト
ディスク(CD)やデジタル多用途ディスク(DVD)
といった光ディスク用途への提案が多数なされている。
例えば、特公平7−114030号公報においては、ビ
ニルシクロヘキサン含有率80重量%以上の水素化ポリ
スチレン系樹脂からなる基板を有することを特徴とする
光ディスクが開示されている。該樹脂は光線透過率が高
く、ポリカーボネート樹脂と比較して複屈折や吸水率が
非常に小さいという特徴を有しており、光ディスク素材
として好ましい特性を有していることが記載されてい
る。
【0004】さらに、かかる樹脂の有する欠点の改善を
目指したものとして、スチレンにイソプレンやブタジエ
ンといった共役ジエンをブロック共重合させてゴム成分
を導入したスチレン−共役ジエンブロック共重合体の水
素化物を、光ディスク基板をはじめとする光学用途に用
いることが、これまで開示されている。例えば特許26
68945号公報においては、光ディスクへの加工時の
耐熱性を満たすための分子量や軟化温度の条件に関して
記載されている。特許2730053号公報において
は、耐溶剤性を改善させることを目的とした水素化ポリ
スチレン系樹脂の共重合に関して記載されている。ま
た、特許2725402号公報においては、記録膜との
密着性を改善させるために、水素化スチレン系共重合
体、それとは異なる水素化スチレン重合体、飽和炭化水
素系樹脂からなる組成物が開示されている。
【0005】光ディスク以外の用途としては、例えば、
特開平6−199950号公報において、低分子量成分
の少ない水素化スチレン系重合体と、その医療用器材、
電気絶縁材料、電子部品処理器材への利用について記載
されている。しかしながら、水素化スチレン系重合体は
耐熱安定性に乏しく、例えば、ディスク基板の射出圧縮
成形などのように、樹脂材料が高温にさらされる場合に
は、重合度の低下が顕著となるため、安定性の改善が必
要である。熱安定性の改善方法としては、例えば、WO
01/36539号において、付加型安定剤を使用する
と熱開裂で生じるラジカル末端を安定化することによ
り、その後の連鎖反応による熱劣化を抑制できることが
記載されている。しかしながら、このような付加型安定
剤は、共役構造を分子中に有しているために、高温で成
形した際には着色の原因となりやすい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、水素化ス
チレン系重合体は光学特性、吸水性の点で優れた樹脂材
料であるため、光ディスク用途をはじめ、様々な用途へ
の応用が試みられている。しかしながら、高温成形時の
熱劣化や安定剤の着色といった課題が完全に解決された
わけではない。本発明の目的は、高温での成形時にも耐
熱安定性に優れ、しかも光線透過率の優れた水素化スチ
レン系重合体樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
は、特定濃度のLi元素と特定の熱安定剤とを含有する
水素化スチレン系重合体樹脂組成物により、解決できる
ことを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、
(A)有機リチウム化合物を開始剤としてアニオン重合
されたスチレン系重合体を水素添加することにより製造
される水素化スチレン系重合体と、該水素化スチレン系
重合体100重量部に対して、(B)リチウム元素1×
10-7重量部以上、2×10-5重量部以下、および
(C)フェノール系水酸基を有する安定剤0.01重量
部以上、1重量部以下を含有する水素化スチレン系樹脂
組成物である。
【0008】さらに本発明は、この樹脂組成物を成形し
てなる、400nmにおける光線透過率が87%以上で
ある光学用成形体、および有機リチウム化合物を開始剤
としてアニオン重合されたスチレン系重合体中のリチウ
ム元素含有量を該スチレン系重合体100重量部に対し
5×10-3重量部以下とし、次いで該スチレン系重合体
を水素添加反応に付して製造される水素化スチレン系重
合体を使用する上記樹脂組成物の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂組成物は、有機リチ
ウム化合物を開始剤としてアニオン重合されたスチレン
系重合体を水素添加することにより製造される水素化ス
チレン系重合体を含有する。かかるスチレン系重合体
は、スチレン;p−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、o-メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレ
ン、3,5−ジメチルスチレン、p−tert-ブチルスチ
レンなどのアルキルスチレン(好ましくは炭素数1〜1
0のアルキル基を有するアルキルスチレン);αーメチ
ルスチレン、αーエチルスチレン、αープロピルスチレ
ン、αーイソプロピルスチレン、α-tert-ブチルスチレ
ンなどのαーアルキルスチレン類(好ましくは炭素1〜
10のアルキル類をα位に有するスチレン類)等のスチ
レン系単量体の1種または2種以上をアニオン重合して
得ることができる。
【0010】本発明で使用する水素化スチレン系重合体
は、こうした単量体由来の重合単位が水素化後の重合体
全体の80重量%以上を構成するものであるのが好まし
い。これらの単量体の中でも高温環境での安定性向上と
価格の面からスチレン、αーメチルスチレンが好まし
く、スチレンがさらに好ましい。本発明で使用する水素
化スチレン系重合体の製造に使用されるスチレン系重合
体を構成する他の成分としては、例えば、イソプレン、
1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタ
ジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン
等の共役ジエンといったスチレン系単量体とアニオン重
合可能な単量体が挙げられる。これらのなかでも重合活
性、経済性の面からイソプレン、1,3−ブタジエンが
好ましい。これらは単独で用いても良いし、2種類以上
併用して用いても良い。水素化スチレン系重合体への共
重合量としては、水素添加後の共役ジエンの重量分率が
20重量%以下であるのが好ましい。
【0011】共重合量が20重量%を超えると、耐熱性
が低下しがちであったり、剛性が低下しがちであったり
するため好ましくない。更に好ましくは水素添加後の重
量分率が15重量%以下である。水素添加に使用するス
チレン系重合体は、上述の単量体を使用したアニオン重
合により製造されるが、このアニオン重合に使用される
アニオン重合開始剤としては、従来公知の有機リチウム
化合物が用いられ、具体的にはエチルリチウム、n−プ
ロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリ
チウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリ
チウム等が挙げられる。これらのなかでも入手の容易
さ、重合反応の開始能力等から、n−ブチルリチウムあ
るいはsec−ブチルリチウムが好ましく用いられる。
【0012】重合温度としては、通常−20℃〜120
℃、好ましくは10℃〜100℃の範囲である。重合は
触媒および重合途中の重合体の活性末端が失活しないよ
う、窒素やアルゴン等の不活性雰囲気下で行う必要があ
る。重合反応は用いる開始剤の濃度および種類による
が、通常は数分〜数時間で終了する。かかる重合反応は
通常、炭化水素系溶媒を使用して行われる。具体的には
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の
脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メ
チルシクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環族炭化水
素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
を挙げることができる。炭化水素系溶剤のなかでも、溶
解性、反応性の点でシクロヘキサンあるいはメチルシク
ロヘキサンが好ましく使用される。
【0013】さらに、上記炭化水素系溶媒に加えて、重
合反応の制御、共役ジエンの反応位置の制御といった目
的で極性溶媒を用いても良い。かかる極性溶媒として
は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエ
チルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル等のエ
ーテル類;トリエチルアミン、テトラエチルエチレンジ
アミン等のアミン類;ホスフィン類等が挙げられる。本
発明で使用するスチレン系重合体の構造は、使用目的に
応じて様々な構造のものがアニオン重合により製造可能
である。特に水素化スチレン共重合体を製造する場合に
は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等の各種の構
造のものが使用目的に応じて製造される。
【0014】ランダム共重合体としては、例えば、スチ
レンとαーメチルスチレンといった複数のスチレン系単
量体からなるもの、スチレンとイソプレンの組み合わせ
といったスチレン系単量体と共役ジエンからなるものが
例示できる。いずれの場合にも、アニオン重合の反応
性、反応性比は単量体の種類や組み合わせによってブロ
ック共重合体となりやすい場合と、単に反応させるだけ
でもランダム共重合体を生成する場合があり、単量体の
組み合わせにおいて反応方法を変更する必要がある。
【0015】従って、ブロック共重合体となりやすい場
合には、使用する単量体を反応開始後に供給し続け、単
量体濃度が一方に偏らないよう制御するとか、一方の濃
度を常に高く保っておくといったことが必要となる。さ
らに、共役ジエンをランダム共重合する際には、耐熱性
の点で共役ジエンの共重合量は、少ない方が好ましい。
具体的には、水素化スチレン系重合体への共重合量は、
水素添加後の水素化スチレン系重合体の5重量%以下で
あり、より好ましくは3重量%以下であり、さらに好ま
しくは1重量%以下である。
【0016】ブロック共重合体としては、典型的なもの
としては、スチレン系重合体単位から主としてなるブロ
ック(S)、共役ジエン重合体単位から主としてなるブ
ロック(D)から構成されるものが挙げられる。これら
のブロックは、S−D構造のジブロック体、S−D−S
構造のトリブロック体、S−D−S−D構造のテトラブ
ロック体、S−D−S−D−S構造のペンタブロック体
等を形成した共重合体である。さらに、S−D−Sのト
リブロック構造に関しては、D成分が3から6本程度の
星状の分岐を有しているラジアル構造を有しているもの
も例示することができる。こうした構造制御は、使用す
る単量体の反応性、反応性比などを勘案して、アニオン
重合される。
【0017】ブロック共重合体の構造としては、それぞ
れのブロックに関して、他方の成分を全く含有しない場
合、少量の他成分をランダムに含有する場合および他ブ
ロックの近傍で他ブロックの構成単位が濃度勾配を有し
て共重合されて境界が不明瞭な場合がありうる。例え
ば、Sブロックの構造としては、共役ジエン重合体単位
を全く含有しない場合、少量の共役ジエン重合体単位が
ランダムに共重合された場合、Dブロックの近傍で共役
ジエン重合体単位が濃度勾配を有して共重合され、Sブ
ロックとDブロックとの境界が不明瞭な場合がある。
【0018】典型的な場合、Sブロックへの共役ジエン
重合単位の共重合量は、Sブロックにおいて5重量%を
超えないこと、好ましくは3重量%、より好ましく2重
量%、さらに好ましくは1重量%を超えないことが熱変
形温度などの耐熱性を維持する上で好ましい。
【0019】また、Dブロックの構造としても、典型的
なブロック重合体の場合には、スチレン系重合体単位を
全く含有しない場合、少量の水素化されたスチレン系重
合体単位をランダムに含有する場合、Sブロックの近傍
でスチレン系重合体単位が濃度勾配を有して共重合さ
れ、境界が不明瞭な場合がある。Dブロックへのスチレ
ン系重合体単位の共重合量は、典型的な場合、Dブロッ
クにおいて10重量%を超えないこと、好ましくは8重
量%、より好ましく7重量%、さらに好ましくは5重量
%を超えない重合体である。
【0020】本発明で使用するスチレン系重合体は、バ
ッチ式あるいは連続式の重合反応設備により製造するこ
とが好ましい。以下、S−D−Sのトリブロック構造を
例にとって製造方法の好ましい態様について記載する
が、他のブロック構造においても構造に応じて同様に製
造が可能であり、S−D−S構造に限定された製造方法
が記載されているわけではない。
【0021】バッチ式の重合反応設備で重合反応を行う
場合には、開始剤を用いてSブロックの重合を開始す
る。この際、所望の構造の共重合体を得るために単量体
の添加方法は異なる。Sブロックの構造が、共役ジエン
重合体単位を全く含有せず境界が明瞭な場合には、スチ
レン系単量体のみにより重合が開始されSブロックが形
成される。Sブロックが少量の共役ジエン重合体単位を
ランダムに含有する場合、およびDブロックの近傍で共
役ジエン重合体単位が濃度勾配を有して共重合され境界
が不明瞭な場合には、ランダム重合体と同様にして、S
ブロックの形成反応を制御する必要がある。
【0022】次にDブロックが形成されるが、Dブロッ
クに関してもスチレン系重合体単位を全く含有せず境界
が明瞭な場合には、共役ジエンのみにより重合反応が行
われる。また、少量のスチレン系重合体単位をランダム
に含有する場合、およびSブロックの近傍でスチレン系
重合体単位が濃度勾配を有して共重合され境界が不明瞭
な場合には、所望の共重合量に応じて、スチレン系重合
体単位と共役ジエン重合体単位とにより重合反応が行わ
れることとなる。アニオン重合の反応性や反応性比につ
いても、所望の構造に応じた反応方法が採用され得る。
【0023】次に第2のSブロックが形成されることに
なるが、この重合反応は第1のSブロックの重合反応と
同様にして実施される。一方、連続式の重合反応設備で
重合反応を行う場合としては、例えばカスケード型の反
応器を直列に配置した重合設備等が使用可能である。こ
の場合には、開始剤を連続的に供給して重合反応を開始
した後、スチレン系単量体および共役ジエン系単量体を
所定の割合で連続的に添加しながら重合反応を行い、所
望の重合体を得ることが好ましい。
【0024】この際、重合反応槽は3つ以上を準備し、
第1、第3の重合層においてはSブロックの重合、第2
の重合層においてはDブロックの重合を実施することが
好ましい。各重合槽での添加する単量体の種類として
は、先述のバッチ式の重合に準じて決定することができ
る。単量体の反応性や重合条件にもよるが、この反応方
式の場合にはバッチ方式に比べて、第2ブッロク以後の
ブロックには、それ以前の重合層において未反応であっ
た単量体が残留して共重合される可能性は高くなる。
【0025】こうした重合反応は用いる開始剤の濃度お
よび種類によるが、重合反応させるべき単量体を全て添
加した後、通常は数分〜数時間で終了する。重合反応後
は、従来公知のように、メチルアルコール、エチルアル
コール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類や
水などにより重合活性末端を失活させることが好まし
い。
【0026】この時点で、アニオン重合の開始剤として
使用された有機リチウム化合物は、そのほとんどが、失
活に使用した試薬と反応して系内に残留していることと
なる。本発明においては、この有機リチウム化合物の含
有量をリチウム元素含有量として換算した場合に、リチ
ウム元素含有量をスチレン系重合体100重量部に対し
て、5×10-3重量部以下とした後、該スチレン系重合
体を水素添加反応に付して水素化スチレン系重合体を製
造することが好ましい。リチウム元素含有量を5×10
-3重量部以下とする際には、重合体が溶液の状態で実施
されるのが好ましい。重合体を溶解する溶媒は、先述の
アニオン重合に使用された溶媒をそのまま使用してもよ
いし、後述の水素添加反応に使用する溶媒を使用しても
良い。
【0027】リチウム元素の含有量を5×10-3重量部
以下とする方法としては、スチレン系重合体溶液と非相
溶の溶媒とを接触させる方法および/または吸着剤を使
用する方法が挙げられる。非相溶の溶媒と接触すること
によりリチウム元素の含有量を5×10-3重量部以下と
する場合、非相溶の溶媒としては、水、あるいはメタノ
ール等のアルコール系溶媒が例示できる。この場合に
は、非相溶の溶媒とスチレン系重合体溶液は、充分攪拌
されてリチウム元素が非相溶の溶媒側へと移動した後、
液相分離される。
【0028】また、吸着剤を使用するる場合、残留する
リチウム元素を吸着しやすく、実質的にスチレン系重合
体溶液に溶解しない粉体、粒状体を使用することが可能
である。かかる場合に好適に使用できる吸着剤として
は、珪藻土、ケイ酸、粘土鉱物、金属水酸化物、金属酸
素水和物、金属塩、セルロ−ス、パ−ライト、ベントナ
イト、ゼオライト、アルミナ、シリカ、シリカ・アルミ
ナ、珪藻土、イオン交換樹脂、カーボン等を例示でき
る。これらの内、リチウム元素の吸着効率の点から、単
位重量あたりの表面積(比表面積)の大きなものを使用
することが好ましい。
【0029】比表面積は大きいほど好ましく、また、リ
チウムは塩基性物質として残留しているため、中性ある
いは酸性を示すものが吸着効率の点で好ましい。この点
では、中性あるいは酸性で、比表面積が10m2/g以上
のアルミナ、シリカ、および/またはシリカ・アルミナ
を使用することが好ましい。比表面積は好ましくは30
2/g以上であり、より好ましくは50m2/g以上で
あり、さらに好ましくは100m2/g以上である。ま
た比表面積は実用的な吸着剤という点から、好ましくは
1000m2/g以下であり、より好ましくは800m2
/g以下であり、さらに好ましくは600m2/g以下
である。
【0030】吸着剤の使用量としては、吸着しようとす
るリチウム元素の総含有量、溶液濃度、吸着剤の吸着能
力、吸着時間、さらに、溶媒からのリチウム元素の吸着
をバッチ方式で行うか、吸着剤を充填した塔の内部を連
続的に流通させる方式で行うかにも依存する。バッチ方
式で実施する場合には重合体100重量部に対して、
0.1重量部以上50重量部以下程度を使用することが
好ましい。0.1重量部未満の場合にはリチウム元素の
吸着を充分に行うことが困難であるとか、吸着に時間が
かかりすぎるといった問題がある。
【0031】吸着剤は、リチウム元素の吸着を効率的に
行うためには、重合体100重量部に対して、0.3重
量部以上使用することがより好ましく、0.5重量部以
上使用することがさらに好ましく、1重量部以上使用す
ることがさらに好ましい。逆に、吸着剤の使用量が、重
合体100重量部に対して、50重量部を超える場合に
は吸着剤の使用効率が悪いとか、重合体溶液の使用効率
が悪いといった問題があり好ましくない。
【0032】そのため、吸着剤の使用量としては、重合
体100重量部に対して、30重量部以下とすることが
より好ましく、20重量部以下とすることがさらに好ま
しく、10重量部以下とすることがさらに好ましい。連
続的に流通させる場合には、重合体全体の重量および吸
着塔内での滞留時間から前記バッチ式に準じて吸着剤の
使用量は算出される。リチウム元素の吸着に要する時間
としては、1分から数十時間であるが、これは吸着する
方式、使用する設備、吸着剤の使用量にも依存するとこ
ろが大きい。
【0033】本発明の水素化スチレン系重合体は、上述
のように重合体に対するリチウム元素の含有量を重合体
100重量部に対して、5×10-3重量部以下とした
後、なかでも前記の吸着剤による操作によりこの量以下
とした後に更に水素添加反応を行って水素化スチレン系
重合体を製造することが好ましい。水素添加反応の際、
重合体100重量部に対して、リチウム元素が5×10
-3重量部を超えて残留している場合には、後述する水素
化触媒にリチウム元素が吸着される場合があり、水素化
触媒寿命の短縮の原因ともなる可能性があり好ましくな
い。
【0034】リチウム元素濃度は低い方が、水素化触媒
の繰り返し使用可能な回数あるいは使用時間の点で好ま
しく、この点では、重合体100重量部に対して、リチ
ウム元素含有量3×10-3重量部以下であることがより
好ましく、1×10-3重量部以下であることがさらに好
ましい。逆に、リチウム元素濃度は、重合体100重量
部に対して、リチウム元素1×10-7重量部以上とする
方が、水素添加前のスチレン系重合体、特に共役ジエン
が共重合された重合体の安定性を維持する上で好まし
い。1×10-7重量部未満とする場合には、そのような
濃度まで吸着させる工程に時間がかかりすぎるため、他
の不純物が混入するとか、共役ジエンが共重合されてい
る場合には、残留する炭素−炭素2重結合の一部が反応
する可能性があるため好ましくない。リチウム元素の含
有量としては、1×10-6重量部以上とすることがより
好ましく、1×10-5重量部以上程度とすることがさら
に好ましい。
【0035】この時点で残存するリチウム元素は後述す
る水素添加反応触媒によりさらに吸着される場合があ
る。特に、親水性の高いリチウム化合物が重合反応後に
生成している場合には、リチウム元素は吸着されやす
く、残存するリチウム元素量はさらに多くても構わない
可能性がある。最終的にはリチウム除去のコストと、水
素添加触媒の繰り返し使用が可能なコストの両面で勘案
されるべきである。
【0036】本発明で使用する水素化スチレン系重合体
は、上述のスチレン系重合体を水素添加して得られる。
なかでも、芳香族環の水素添加率が90モル%以上のも
のが好ましい。水素添加率が90モル%未満であると、
得られる重合体のガラス転移温度、耐熱安定性の低下の
問題がありがちで好ましくない。さらに、光学用途に使
用する場合には、透明性の低下、成形物の複屈折率の増
大がありがちで好ましくない。水素添加(水添)率は高
い方が望ましいが、実際には得られる水素化スチレン系
重合体の物性と、該水添率を達成するために要求される
水素化工程の設備面、運転面も含めた経済性とを勘案し
て決定される。水添率は好ましくは95モル%以上、よ
り好ましくは98モル%以上、さらに好ましくは99モ
ル%以上である。なお、水添反応では一般に、芳香族環
よりも炭素−炭素環の2重結合の方が水素添加されやす
いので、芳香族環が水添される条件下では実質的にほと
んどの炭素−炭素環の2重結合が水添されているとみな
しうる。
【0037】水添反応の方法としては、従来公知の水添
触媒を使用して実施可能である。水添に使用する触媒は
特に限定されず、芳香族環及び2重結合を水添すること
が可能な公知の触媒を使用することができる。具体的に
はニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ルテニウ
ム、ロジウム等の貴金属またはその酸化物、塩、錯体等
の化合物をカーボン、アルミナ、シリカ、シリカ・アル
ミナ珪藻土等の多孔性担体に担持した固体触媒が挙げら
れる。これらのなかでもニッケル、パラジウム、白金を
アルミナ、シリカ、シリカ・アルミナ珪藻土に担持した
ものが反応性が高く好ましく用いられる。こうした水添
触媒は、繰り返し再利用することが生産コストの点で好
ましいが、リチウム化合物は触媒に一部吸着される場合
があるため、触媒の再利用の観点からも、上述の水添前
のスチレン系重合体においてリチウム元素含有量を5×
10-3重量部とすることは好ましい。
【0038】かかる水添触媒は、その触媒活性による
が、スチレン系重合体に対して0.5重量%以上、15
重量%以下の範囲で使用することが好ましい。触媒の使
用量が0.5重量%に満たない場合には、水添反応に時
間がかかりすぎるために分子鎖切断等の劣化の原因とな
るとか、水添反応されない分子鎖が残存しやすくなるた
め水添率の低下の原因となり好ましくない。水添触媒の
使用量は、1重量%以上であることがさらに好ましく、
2重量%以上であることがより好ましい。また、触媒の
使用量が15重量%を超える場合には、水添反応時の重
合体濃度にも依存するが、触媒の使用効率が低下するた
め好ましくない。水添触媒の使用量は、13重量%以下
であることがさらに好ましく、10重量%以下であるこ
とがより好ましい。
【0039】水添反応条件は、通常水素圧30〜250
kgf/cm2(3.1MPa〜25.5MPa)、反応
温度70〜250℃の範囲内で行われる。反応温度が低
すぎると反応が進行しにくく、反応温度が高すぎると分
子鎖の切断による分子量の低下が起りやすくなる。分子
鎖の切断による分子量低下を防ぎかつ円滑に反応を進行
させるには、用いる触媒の種類および濃度、共重合体の
溶液濃度、分子量等により適宜決定される適切な温度、
水素圧により水添反応を行うことが好ましい。
【0040】水添反応の際に用いられる溶媒は、水添触
媒の触媒毒とならない溶媒を選ぶことが好ましく、重合
反応時の溶媒として用いられるシクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素を好適に挙げる
ことができる。その他に反応の活性を高める、あるいは
分子鎖の切断による分子量の低下を抑制する目的で、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、メチル−t−ブチルエ
ーテル等のエーテル類、エステル類、アルコール類等の
極性溶媒を、共重合体の溶解性を妨げない範囲内で上記
溶媒に加えても良い。
【0041】水添反応では、反応に使用するスチレン系
重合体の濃度が3〜50重量%の範囲内で水素化反応を
行うことが好ましい。重合体の濃度が3重量%未満で
は、生産性、経済性の面から好ましくなく、50重量%
を超えると溶液粘度が上がりすぎ取り扱い面、また反応
性の面からも好ましくない。
【0042】水添反応終了後は、遠心、濾過などの公知
の後処理方法により触媒の除去を行うことができる。本
発明の樹脂は溶融成形で使用するため、樹脂内の残留触
媒金属成分はできる限り少なくする必要があり、かかる
残留触媒金属量が10ppm以下が好ましく、より好ま
しくは1ppm以下である。水添反応後の時点で、リチ
ウム元素の含有量は、重合体100重量部に対して、リ
チウム元素として1×10-7重量部以上、2×10-5
量部以下である必要がある。リチウム元素として1×1
-7重量部未満の場合には、先述したように、水添反応
前のリチウム元素含有量を上記量とする工程に時間がか
かりすぎるため、他の不純物が混入するとか、共役ジエ
ンが共重合されている場合には、残留する炭素−炭素2
重結合の一部が反応する可能性があるため好ましくな
い。リチウム元素の含有量としては、2×10-7重量部
以上とすることがより好ましく、3×10-7重量部以上
程度とすることがさらに好ましい。
【0043】逆に、重合体100重量部に対して、リチ
ウム元素含有量として2×10-5重量部を超えて含有す
る場合には、後述するフェノール系水酸基を有する安定
剤と残留するリチウム化合物が反応するため好ましくな
い。フェノール系水酸基は、リチウム化合物と反応して
着色の原因となり、光線透過率、特に短波長域での光線
透過率の減少につながるためである。この点で、残留す
るリチウム化合物は、リチウム元素として1.5×10
-5重量部以下であることが好ましく、1×10 -5重量部
以下であることがより好ましく、8×10-6重量部以下
であることがさらに好ましい。
【0044】水素添加反応後の重合体溶液が、こうした
リチウム元素の上限の含有量を超える場合には、例え
ば、水素化スチレン系重合体溶液と非相溶の溶媒と接触
させる方法、吸着剤を使用する方法、を使用して上述の
リチウム元素として1×10-7重量部以上、2×10-5
重量部以下の範囲内とすることが必要である。このよう
に、本発明では、有機リチウム化合物の含有量をスチレ
ン系重合体100重量部に対し、特に吸着剤(シリカな
ど)により前記特定量とし、加えて上記の水添時に上記
特定量とする2段階以上のLiの吸着を行なう安定剤の
劣化防止方法も好適な発明として挙げられる。
【0045】このようにして得られた水素化スチレン系
重合体溶液から溶媒を除去してペレット化する方法とし
ては、1)重合体溶液から溶媒を連続的に除去して濃縮
溶液とし、溶融状態で押し出すことによりペレット化す
る方法、2)重合体溶液から溶媒を蒸発させて塊状物を
得た後ペレット化する方法、3)重合体溶液を貧溶媒に
加える、あるいは、重合体溶液に貧溶媒を加えて沈殿さ
せた後ペレット化する方法、4)熱水と接触させること
により塊状物を得た後ペレット化する方法等の従来公知
の方法を例示することができる。
【0046】上述の溶媒除去方法においては、1)、
2)の方法のように重合体溶液で200℃以上に加熱さ
れうる場合には、後述する熱安定剤を溶液状態において
混合しておくことが好ましい。水素化スチレン系重合体
は高温では熱劣化を受けやすく、溶剤除去プロセス自体
で重合度低下といった熱劣化を起こす原因となるためで
ある。また、3)、4)のように一度重合体の塊状物を
取り出す場合には、塊状物をペレット化する際に後述す
る安定剤を溶融混合することが、安定剤を途中で喪失し
ないためには好ましい。
【0047】このようにして得られる、本発明で使用す
る水素化スチレン系重合体の重量平均分子量(Mw)は
30,000g/mol以上300,000g/mol
以下であることが好ましい。ここでMwとはテトラヒド
ロフランを展開溶媒として使用したゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレ
ン換算の重量平均分子量のことを表す。このMwが3
0,000g/molよりも低いと、靭性が不足し、良
好な基板を製造することが困難である。
【0048】この点から、Mwとしては、40,000
g/mol以上がより好ましく、45,000g/mo
l以上がさらに好ましい。また、Mwが300,000
g/molよりも高い場合には、流動性が低下するた
め、良好なディスク基板を射出成形で製造することが困
難である。この点から、Mwとしては、250,000
g/mol以下がより好ましく、200,000g/m
ol以下がさらに好ましい。さらに、共重合体等で靭性
が向上する場合には、Mwをさらに低くして流動性を向
上させることが好ましく、150,000g/mol以
下がより好ましく、120,000g/mol以下がさ
らに好ましく、100,000g/mol以下がさらに
好ましい。
【0049】本発明に使用する水素化スチレン系重合体
は、耐熱性の点から120℃以上のガラス転移温度を有
することが好ましい。このガラス転移温度は、主に水素
化スチレン系重合体成分に由来するものである。ガラス
転移温度が120℃より低い場合には耐熱性が十分でな
く、射出成形後の金型からの取り出し時のひずみの原因
となったり、光ディスクとして使用する場合には耐熱性
が不足することがあるので好ましくない。そのために
は、先述のように共役ジエンの水素化物との共重合体の
場合には、その含有量は20重量%以下とすることが好
ましい。光ディスクとして使用する場合はガラス転移温
度が高いほど好ましく、130℃以上が好ましく、14
0℃以上が更に好ましい。
【0050】本発明の樹脂組成物は、上記水素化スチレ
ン系重合体100重量部に対して、さらにフェノール系
水酸基を有する安定剤0.01重量部以上、1重量部以
下を含有する。フェノール系水酸基を有する安定剤とし
ては、N−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネー
ト、テトラキス{メチレン−3−(3’,5’−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}
メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ジステアリル
(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルベンジ
ル)マロネート、トリエチレングリコール−ビス{3−
(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート}、1,6−ヘキサンジオール−ビ
ス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート}、2,4−ビス−(N−オク
チルチオ)−6−(4−ヒドロキシフェニル「3,5−
ジ−t−ブチル−アニリノ−1,3,5−トリアジン、
ペンタエリスリチル−テトラキス{3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト}、2,2−チオジエチレンビス{3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト}、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミ
ド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ルフォスフォネートジエチルエステル、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルスルホン酸
エチル)カルシウム、トリス(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、2,
4−ビス{(オクチルチオ)メチル}−O−クレゾー
ル、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,5,7,
8−テトラメチル−2(4’,8’,12’−トリメチ
ルトリデシル)クロマン−6−オール、N,N’−ビス
{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルヒドラジン、4−ヒドロキシメチル
−2,6−ジ−t−ブチルフェノール等のフェノール系
安定剤、また、下記式(1)で示されるヒンダードフェ
ノール基を含有するアクリレート系化合物を挙げること
ができる。
【0051】
【化2】
【0052】(式中、R1〜R5は、同一または相異な
り、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であ
り、R6は水素原子またはメチル基である。) 上記式(1)において、R1〜R5の炭素数1〜10のア
ルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−
ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、1,1
−ジメチルプロピル基等が挙げられる。特にR1及びR2
としては、イソプロピル基、sec−ブチル基、ter
t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基のような立
体障害の大きな嵩高いアルキル基が安定化効果や製造の
容易さの点で好ましい。R3及びR4としては、水素引き
抜きを伴うキノイド型構造の生成反応の防止を考慮する
と、好ましいのは、tert−ブチル基、1,1−ジメ
チルプロピル基である。R5としては、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、n−ブチル基が好ましい。
【0053】以上のようなフェノール系水酸基を有する
安定剤のうち、溶融成形時の安定性の点からは、上記式
(1)で示されるヒンダードフェノール基を含有するア
クリレート系化合物を使用することが好ましい。なかで
も上記式(1)において、R 1とR2がtert−ブチル
基、R3とR4がメチル基、R5とR6が水素原子であるス
ミライザーGMや、R1〜R4がtert−ペンチル基、
5がメチル基、R6が水素原子であるスミライザーGS
が好ましい。
【0054】こうした安定剤の添加量としては、水素化
スチレン系重合体100重量部に対して、0.01重量
部以上、1重量部以下である。添加量が0.01重量部
に満たない場合には、高温での溶融時の水素化スチレン
系重合体の重合度低下が顕著であり、所望の物性の成形
品を得ることが困難である。添加量としては、0.05
重量部以上であることがより好ましく、0.1重量部以
上であることがさらに好ましい。また、添加量が1重量
部を超える場合には、安定剤自体が短波長域での透過率
の減少の原因になるとか、成形時の金型汚れや成形品の
着色の原因となりやすいため好ましくない。従って、添
加量としては、0.7重量部以下であることがより好ま
しく、0.5重量部以下であることがさらに好ましく、
0.45重量部以下であることがさらに好ましい。
【0055】このように、本発明の水素化スチレン系重
合体樹脂組成物は、有機リチウム化合物を開始剤として
アニオン重合されたスチレン系重合体を水素添加するこ
とにより製造される水素化スチレン系重合体を、例えば
該水素化スチレン系重合体溶液と非相溶の溶媒と接触さ
せるか、吸着剤を使用して水素化スチレン系重合体に含
有される該有機リチウム化合物量をリチウム元素として
1×10-7重量部以上、2×10-5重量部以下の範囲内
とし、さらにかかる水素化スチレン系重合体にフェノー
ル系水酸基を有する安定剤0.01重量部以上、1重量
部以下を含有せしめるという方法により製造することが
できる。
【0056】この製造方法において、スチレン系重合体
として、例えばスチレン系重合体溶液と非相溶の溶媒と
接触させるか、吸着剤を使用してスチレン系重合体中の
リチウム元素含有量を該スチレン系重合体100重量部
に対し5×10-3重量部以下としたものを使用するの
が、更に好ましい。また、この製造方法または好適な上
記製造方法との組み合わせにおいて、水素化触媒を複数
回繰り返し使用する方法が、更に好ましい。
【0057】かくして、本発明の水素化スチレン系重合
体樹脂組成物を得ることができる。本発明の樹脂組成物
にはさらに所望により、HP136(チバガイギー社
製)等のベンゾフラノン系安定剤、イルガフォス168
(チバガイギー社製)等のホスファイト系等に代表され
る安定剤、ベンゾトリアゾール系光安定剤、ベンゾフェ
ノン系光安定剤、シアノアクリレート系光安定剤、第4
級アンモニウム塩系帯電防止剤剤、アルキルホスフェー
ト系の帯電防止剤等を使用しても良い。
【0058】さらに、本発明の樹脂組成物は、射出成形
時の離型性を改善する目的で、脂肪族エステル、、特に
多価アルコールの脂肪酸エステルなかでも長鎖脂肪酸エ
ステルから主としてなる離型剤を、重合体100重量部
に対して0.005重量部以上、1重量部以下添加する
ことが好ましい。
【0059】多価アルコールとしては、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ネオ
ペンチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペン
タエリスリトール等を挙げることができる。
【0060】また、脂肪酸の具体例としては、ペンタン
酸、ヘキサン酸、オレイン酸、デカン酸、ラウリン酸、
ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン
酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラトリアコンタン酸
などの飽和脂肪族カルボン酸;グルタル酸、アジピン
酸、アゼライン酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸等を挙
げることができる。これらのなかでも、C10〜C18
の飽和脂肪族カルボン酸が長鎖脂肪酸として好ましい。
【0061】多価アルコールの長鎖脂肪酸エステルの具
体例としては、例えば、エチレングリコールモノステア
レート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジス
テアレート、トリメチロールプロパンモノステアレー
ト、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエ
リスリトールモノラウレート、ペンタエリスリトールジ
ステアレート、グリセロールジラウレート、トリメチロ
ールプロパンジステアレート、ペンタエリスリトールト
リステアレート、トリメチロールプロパンジオレート等
の多価アルコールの長鎖脂肪酸部分エステル化物、グリ
セリントリステアレート、グリセロールトリベヘネー
ト、トリメチロールプロパントリステアレート、ペンタ
エリスリトールテトラステアレート等の多価アルコール
の長鎖脂肪酸エステル化物を例示することができる。中
でも離型剤としては、グリセリンと長鎖脂肪酸、なかで
もステアリン酸とのモノエステル化物を使用することが
好ましい。
【0062】離型剤の含有量としては重合体100重量
部に対して0.005重量部以上、1重量部以下含有し
ていることが好ましい。含有量としては0.005重量
部未満の場合には、離型効果が充分ではなく、添加した
効果が期待できない。離型剤含有量が1重量部を超える
場合には、成形時に揮発物が生じたり、金型を汚す原因
となるため好ましくない。離型効果の点では、含有量は
0.01重量部以上であることがより好ましく、0.0
2重量部以上であることがさらに好ましい。また、金型
汚れを防止する点では、含有量は0.5重量部以下であ
ることがより好ましく、0.2重量部以下であることが
さらに好ましく、0.1重量部以下であることがさらに
好ましい。
【0063】本発明の水素化スチレン系重合体樹脂組成
物は、従来公知の射出成形機、射出圧縮成形機により成
形が可能である。一般的な成形条件としては、使用する
樹脂材料の重合度にもよるところが大きいが、成形時の
溶融温度を280℃以上、360℃以下とするのが好ま
しい。280℃より溶融温度が低い場合には、樹脂の溶
融粘度が高すぎるため、厚み斑が生じるなど良好な成形
品を得ることが困難となる。また、360℃以上の樹脂
温度で成形する場合には、溶融時の熱劣化が激しいた
め、靭性が不足し、金型からの取出し時に破損する恐れ
があり好ましくない。また、射出成形時の金型温度は、
70℃以上、(ガラス転移温度-10℃)以下の範囲が
好ましい。金型温度が70℃より低い場合には、樹脂の
充填が不十分となりやすく、好ましくない。
【0064】光学用途、特に光ディスク基板を製造する
場合には、本発明の樹脂組成物は、基板の厚み1.2mm
以下の幅広い光ディスク分野に用いることができる。デ
ィスク基板の射出圧縮成形法では、成形条件は、基板厚
みや記録密度に大きく依存し、使用する材料特性にあわ
せて最適化する必要がある。一般的な成形条件として
は、使用する樹脂材料の重合度にもよるところが大きい
が、成形時の溶融温度を280℃以上、360℃以下と
するのが好ましい。280℃より溶融温度が低い場合に
は、樹脂の溶融粘度が高すぎるため、厚み斑が生じた
り、転写性の良好なディスク基板を得ることが困難とな
る。また、360℃以上の樹脂温度で成形する場合に
は、溶融時の熱劣化が激しいため、靭性が不足し、金型
からの取出し時に破損する恐れがあり好ましくない。成
形時の溶融温度はより好ましくは、300℃以上350
℃以下である。
【0065】また、射出成形時の金型温度は、70℃以
上、(ガラス転移温度-10℃)以下の範囲が好まし
い。金型温度が70℃より低い場合には、樹脂の充填が
不十分となったり、高密度のスタンパーでの良好な転写
を実現することができない。この点から、金型温度は9
0℃以上がより好ましく、100℃以上がさらに好まし
く、105℃以上がさらに好ましい。金型温度が、(ガ
ラス転移温度-10℃)より高い場合には、転写性自体
は向上するものの、ポリマーのガラス転移温度と近すぎ
るため、金型からの取り出し時に変形を受け、好ましく
ない。この点から、金型温度は(ガラス転移温度−15
℃)以上がより好ましく、(ガラス転移温度−20℃)
以上がさらに好ましい。
【0066】本発明の成形体は、400nmにおける厚
さ2mmでの光線透過率が87%以上である光学用成形
体である。光線透過率は高いほど好ましく、88%以上
がより好ましく、89%以上がさらに好ましい。光線透
過率の上限としては、界面の屈折率差により生ずる表面
反射での損失を考慮すると、92%程度である。
【0067】
【発明の効果】本発明の水素化スチレン系重合体樹脂組
成物は、耐熱安定性や透明性に優れるため、光ディスク
基板やピックアップレンズを始めとする光学用部品、部
材として好ましく使用することができる。
【0068】
【実施例】以下、実施例により本発明の実施の形態を説
明するが、これらは本発明を限定するものではない。シ
クロヘキサン、メチルt−ブチルエーテル(溶媒)、ス
チレン、イソプレンは、すべて蒸留精製を行い充分に乾
燥したものを用いた。n−ブチルリチウムは関東化学
(株)より濃度1.57M、1.00Mのn−ヘキサン
溶液を購入し、そのまま用いた。吸着剤は、和光純薬工
業(株)製シリカゲル(C−200、比表面積450m
2/g)を使用した。ニッケル/シリカ・アルミナ触媒
(Ni担持率65重量%)はAldrichより購入し
て用いた。
【0069】実施例で行った各種物性測定は以下の方法
で行ったものである。
【0070】重量平均分子量:ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(昭和電工(株)製GPC、Shod
ex System−11)により、THFを溶媒とし
て測定し、ポリスチレン換算の分子量を求めた。 ガラス転移温度(Tg):TAInstruments
製 2920型DSCを使用し、昇温速度は20℃/分
で測定した。 共重合率および水素添加率: JEOL JNM-A-4
00型核磁気共鳴吸収装置を用い、1H-NMR測定によ
り定量した。 リチウム含有量:ポリマーを灰化した後、水に溶解し原
子吸光法により測定した。 光線透過率:樹脂温度300℃、金型温度70℃で射出
成形を行って、直径35mm、2mm厚の円盤を成形
し、日立U−3200SPECTROPHOTOMETERを使用して、
400nmでの透過率を測定した。
【0071】[実施例1]十分に乾燥し、窒素置換した
撹拌機付き金属製オートクレーブにスチレン375g、
シクロヘキサン1830gからなる乾燥した溶液を仕込
み40℃まで加熱した後、1.6Mのn−ブチルリチウ
ム−シクロヘキサン溶液7.9mLを加え1.5時間反
応させた。続いてイソプレン112g、シクロヘキサン
500gからなるモレキュラーシーブ4Aを用いて乾燥
した溶液を加えて1.5時間反応させた後、さらに続い
てスチレン375g、シクロヘキサン1830gからな
る塩基性アルミナカラムを用いて乾燥した溶液を加えて
1.5時間反応させた。反応終了後2−プロパノール
1.6gを加えて重合末端を安定化させ、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体を得た。GPCか
ら求めた重量平均分子量は80,000g/molであ
り、1H−NMRから求めたスチレン−イソプレンの重
量比は88/12であった。この溶液を、吸着剤22g
を使用して2時間吸着処理を行ったところ、残留リチウ
ム濃度は重合体に対して、1.2ppmであった。
【0072】得られた溶液を、ニッケル/シリカアルミ
ナ80g、シクロヘキサン200gからなるスラリーお
よびメチル−t−ブチルエーテル650gを加え、水素
圧10MPa、温度180℃で4時間水素化反応を行っ
た。反応液を常温まで冷却しオートクレーブから取り出
した後、0.1μのメンブレンフィルターを用い0.4
MPaの窒素圧をかけて水素化触媒を除去した。
【0073】得られた溶液中の水素化スチレン系重合体
100重量部に対して、スミライザーGS(住友化学社
製)が、0.4重量部となるように添加した後、溶液を
徐々に昇温と減圧を行い、最終的に260℃、1mmH
gとして、溶媒を除去した。
【0074】得られた樹脂組成物のガラス転移温度は1
33℃であった。GPCから求めた重量平均分子量は7
0,000g/molであり、1H−NMRから求めた
水素化率は99%以上であった。また、リチウム元素の
含有量は、3.6ppbであった。得られた樹脂組成物
を用いて、射出成形により厚み2mmの円盤を製造し
た。円盤は無色透明であり、光線透過率は、91%であ
った。
【0075】[実施例2]実施例1と同様にして得られ
たスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を
重合した溶液を製造し、実施例1と同様に吸着剤 gを
用いて吸着を行ったところ、残留リチウム濃度は重合体
に対して、2.2ppmであった。実施例1で使用した
ニッケル/シリカアルミナ触媒を繰り返し使用して、水
素添加反応を行った。0.1μのメンブレンフィルター
を用い0.4MPaの窒素圧をかけて水素化触媒を除去
した。
【0076】得られた溶液中の水素化スチレン系重合体
100重量部に対して、スミライザーGS(住友化学社
製)が、0.4重量部となるように添加した後、実施例
1と同様に溶媒を除去した。得られた樹脂組成物のガラ
ス転移温度は133℃であった。GPCから求めた重量
平均分子量は73000g/molであり、1H−NM
Rから求めた水素化率は99%以上であった。また、リ
チウム元素の含有量は、5.2ppbであった。得られ
た樹脂組成物を用いて、射出成形により厚み2mmの円
盤を製造した。円盤は無色透明であり、光線透過率は、
90%であった。
【0077】[実施例3]実施例1において、n−ブチ
ルリチウムを9.2ml加えた以外は同様にして、スチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を重合し
た。この溶液を吸着剤34gを使用して30分吸着処理
を行ったところ、残留リチウム濃度は重合体に対して、
10ppmであった。ニッケル/シリカアルミナ60
g、シクロヘキサン200gからなるスラリーおよびメ
チル−t−ブチルエーテル650gを加え、水素圧10
MPa、温度180℃で4時間水素化反応を行った。反
応液を常温まで冷却しオートクレーブから取り出した
後、ニッケル/シリカアルミナ触媒を繰り返し使用し
て、水素添加反応を行った。0.1μのメンブレンフィ
ルターを用い0.4MPaの窒素圧をかけて水素化触媒
を除去した。
【0078】得られた溶液中の水素化スチレン系重合体
100重量部に対して、スミライザーGS(住友化学社
製)が、0.4重量部となるように添加した後、実施例
1と同様に溶媒を除去した。得られた樹脂組成物のガラ
ス転移温度は133℃であった。GPCから求めた重量
平均分子量は67000g/molであり、1H−NM
Rから求めた水素化率は99%以上であった。また、リ
チウム元素の含有量は、34ppbであった。
【0079】さらに、この樹脂組成物にグリセリンモノ
ステアレートを500ppm混合した後、射出成形によ
り厚み2mmの円盤を製造した。円盤は無色透明であ
り、光線透過率は、90%であった。
【0080】[実施例4]実施例3と同様にしてスチレ
ン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を得て、さ
らに実施例3と同様にして吸着剤を用いて10分間吸着
を行ったところ、残留リチウム濃度は重合体に対して9
0ppmであった。実施例1で使用したニッケル/シリ
カアルミナ触媒を繰り返し使用して、水素添加反応を行
った。0.1μのメンブレンフィルターを用い0.4M
Paの窒素圧をかけて水素化触媒を除去した。得られた
溶液中の水素化スチレン系重合体100重量部に対し
て、スミライザーGS(住友化学社製)が、0.4重量
部となるように添加した後、実施例1と同様に溶媒を除
去した。
【0081】得られた樹脂組成物のガラス転移温度は1
33℃であった。GPCから求めた重量平均分子量は6
6,000g/molであり、1H−NMRから求めた
水素化率は99%以上であった。また、リチウム元素の
含有量は、150ppbであった。この樹脂組成物を用
いて、射出成形により厚み2mmの円盤を製造した。円
盤は透明であり、光線透過率は、89%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 531 G11B 7/24 531Z (72)発明者 竹内 正基 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4F071 AA22 AA78 AC11 AF30 AH19 BA01 BB05 BC03 4J002 BC021 BC031 BC051 BP011 EJ016 EJ026 EJ036 EJ046 EJ066 EQ026 EU196 EV236 EW126 FD036 FD16 GP00 GP01 GS02 4J100 AA02Q AA03Q AA20P AB02P AS02Q AS03Q AS04Q CA01 CA04 CA31 HA04 HA05 HB02 HD22 HE14 HE35 HE41 JA36 5D029 KA13 KC04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)有機リチウム化合物を開始剤とし
    てアニオン重合されたスチレン系重合体を水素添加する
    ことにより製造される水素化スチレン系重合体と、該水
    素化スチレン系重合体100重量部に対して、(B)リ
    チウム元素1×10-7重量部以上、2×10-5重量部以
    下、および(C)フェノール系水酸基を有する安定剤
    0.01重量部以上、1重量部以下を含有する水素化ス
    チレン系重合体樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 該安定剤が、下記式(1)で示されるヒ
    ンダードフェノール基を含有するアクリレート系化合物
    である請求項1記載の樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1〜R5は、同一または相異なり、水素原子ま
    たは炭素数1〜10のアルキル基であり、R6は水素原
    子またはメチル基である。)
  3. 【請求項3】 請求項1記載の樹脂組成物を成形してな
    る、400nmにおける光線透過率が87%以上である
    光学用成形体。
  4. 【請求項4】 有機リチウム化合物を開始剤としてアニ
    オン重合されたスチレン系重合体中のリチウム元素含有
    量を該スチレン系重合体100重量部に対し5×10-3
    重量部以下とし、次いで該スチレン系重合体を水素添加
    反応に付して製造される水素化スチレン系重合体を使用
    する請求項1記載の樹脂組成物の製造方法。
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