JP2006291084A - 光学素子及びそれを用いた光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、光学素子及びこの光学素子を適用した光ピックアップ装置に関するものである。
従来、MO、CD、DVDといった光情報記録媒体(以下、単に媒体ともいう)に対して、情報の読み取りや記録を行なうプレーヤー、レコーダー、ドライブといった記録機器には、光ピックアップ装置が備えられている。光ピックアップ装置は、光源から発した所定波長の光を媒体に照射し、反射した光を受光素子で受光する光学素子ユニットを備えており、光素子ユニットはこれらの光を媒体の反射層や受光素子で集光させるためのレンズ等の光学素子を有している。
光ピックアップ装置の光学素子は、射出成形等の手段により安価に作製できる等の点で、プラスチックを材料として適用することが好ましい。光学素子の適用可能なプラスチックとしては、環状オレフィンとα−オレフィンの共重合体(例えば、特許文献1参照。)等が知られている。
ところで、例えば、CD/DVDプレーヤーのような複数種の媒体に対して情報の読み書きが可能な情報機器の場合、光ピックアップ装置は、両者の媒体の形状や適用する光の波長の違いに対応した構成とする必要がある。この場合、光学素子ユニットはいずれの媒体に対しても共通することがコストやピックアップ特性の観点から好ましい。
また、近年、CDやDVDよりも高い密度で情報を記録できる媒体として、CD(λ=780nm)やDVD(λ=635、650nm)で用いるよりも短い波長で情報の記録、再生を行なうBlu−ray Disk等の媒体やこれらの媒体で情報の読み書きを行なう情報機器の開発が新たに行なわれている。
特開2002−105131号公報 (第4頁)
しかしながら、Blu−ray Disk等のいわゆる次世代DVDでは、情報の記録、再生には波長400nm付近の光を用いるため、特許文献1に記載のプラスチックを適用した光学素子を用いた場合では、光学素子がこのような短波長の光照射を受け、当該光学素子の白濁、屈折率の変動や光学面の変形などの光学特性の劣化が生じて、光学素子の交換が必要になる場合があった。
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、光安定性を向上させ、かつその特性を長時間に亘って維持することができる光学素子と、それを用いた良好なピックアップ特性を有する光ピックアップ装置を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
下記一般式(1)で表される含フッ素アクリレート類と、スチレン類、α−オレフィン類及び環状オレフィン類から選ばれる少なくとも1種のビニルモノマーとをラジカル重合開始剤の存在下で共重合させることにより得られる下記一般式(2)で表される重合体を含む樹脂組成物を成型してなることを特徴とする光学素子。
下記一般式(1)で表される含フッ素アクリレート類と、スチレン類、α−オレフィン類及び環状オレフィン類から選ばれる少なくとも1種のビニルモノマーとをラジカル重合開始剤の存在下で共重合させることにより得られる下記一般式(2)で表される重合体を含む樹脂組成物を成型してなることを特徴とする光学素子。
〔式中、R1、R2はそれぞれ水素原子または炭素原子数1以上、10以下の1価の基を表す。〕
〔式中、x、y、zはそれぞれ共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5、5/95≦z/x≦95/5を満たす実数であり、nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の整数である。また、R1、R2はそれぞれ水素原子または炭素原子数1以上、10以下の1価の基であり、R3は炭素数2〜20の炭化水素基群から選ばれる2+n価の基であり、R4は水素原子、または炭素、水素からなり炭素数1以上、10以下の1価の基であり、R5は炭素数2〜20の炭化水素基群から選ばれる2価の基であり、QはCOOR6(R6は水素原子または炭化水素からなり、炭素数1以上、10以下の1価の基である。)で表される構造群から選ばれる2価の基である。〕
(請求項2)
前記重合体が、ビニルモノマーとしてスチレン類を用い、前記含フッ素アクリレート類と共重合させた後に水素添加処理することによって得られることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
(請求項2)
前記重合体が、ビニルモノマーとしてスチレン類を用い、前記含フッ素アクリレート類と共重合させた後に水素添加処理することによって得られることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
(請求項3)
前記樹脂組成物が、フェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、リン系安定剤及びイオウ系安定剤から選ばれる少なくとも1種の安定剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子。
前記樹脂組成物が、フェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、リン系安定剤及びイオウ系安定剤から選ばれる少なくとも1種の安定剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子。
(請求項4)
温度260℃、荷重2.16kgの条件で測定されるメルトインデックス(MI)値が、20<MI(g/10分)<60の範囲にあり、かつ少なくとも一方の光学面に所定の微細構造が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学素子。
温度260℃、荷重2.16kgの条件で測定されるメルトインデックス(MI)値が、20<MI(g/10分)<60の範囲にあり、かつ少なくとも一方の光学面に所定の微細構造が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学素子。
(請求項5)
集光機能を有する集光装置に用いられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学素子。
集光機能を有する集光装置に用いられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学素子。
(請求項6)
前記樹脂組成物を用いて成型された厚さ3mmの成型体の波長400nmにおける光線透過率が、85%以上であることを特徴とする請求項5に記載の光学素子。
前記樹脂組成物を用いて成型された厚さ3mmの成型体の波長400nmにおける光線透過率が、85%以上であることを特徴とする請求項5に記載の光学素子。
(請求項7)
光情報記録媒体に対し、情報の再生または記録を行う光ピックアップ装置であって、
光を出射する光源と、該光源から出射された光の該光情報記録媒体への照射または該光情報記録媒体で反射される光の集光を行なう光学素子ユニットとを備え、
該光学素子ユニットは、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学素子を備えていることを特徴とする光ピックアップ装置。
光情報記録媒体に対し、情報の再生または記録を行う光ピックアップ装置であって、
光を出射する光源と、該光源から出射された光の該光情報記録媒体への照射または該光情報記録媒体で反射される光の集光を行なう光学素子ユニットとを備え、
該光学素子ユニットは、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学素子を備えていることを特徴とする光ピックアップ装置。
(請求項8)
前記光源は、波長390nm以上、420nm以下の光を出射することを特徴とする請求項7記載の光ピックアップ装置。
前記光源は、波長390nm以上、420nm以下の光を出射することを特徴とする請求項7記載の光ピックアップ装置。
本発明によれば、光安定性を向上させ、かつその特性を長時間に亘って維持することができる光学素子と、それを用いた良好なピックアップ特性を有する光ピックアップ装置を提供することができる。
すなわち、請求項1、2に係る光学素子によれば、光学素子に適用される脂環式炭化水素系樹脂組成物は、前記一般式(1)で表される含フッ素アクリレート類と、ビニルモノマーとをラジカル重合開始剤の存在下において共重合させることにより得られる、前記一般式(2)で表される重合体を含むが、この重合体を含む樹脂組成物を用いて製造された光学素子は光照射に対する安定化効果が高く、例えば、400nm付近の短波長の光の照射を継続的に受けても、白濁や屈折率の変動が抑えられ、また、光学面の変形を抑制できることが判明した。つまり、光学素子の光安定性を向上させることができ、当該特性を長時間に亘って維持することが可能な素子を製造することができる。
更に、請求項3に係る光学素子は、フェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、リン系安定剤及びイオウ系安定剤から選ばれる少なくとも1種の安定剤を含有することにより、成形される光学素子の光学特性の変動をより効果的に抑制することができる。
更に、請求項4に係る光学素子によれば、請求項1〜3に記載の発明と同様の効果が得られるが、特に、温度260℃、荷重2.16kgの条件で測定される前記樹脂組成物のメルトインデックス(MI)値が、20<MI(g/10分)<60の範囲にあり、少なくとも1つの光学面に所定の微細構造が設けられている。即ち、メルトインデックスが射出成形等の成形法に適した範囲にあることから、溶融した樹脂組成物が適度な流動性を有するので、例えば、射出成形等により光学素子を成形する場合に、溶融した樹脂組成物が微細構造に対応する部分の先端まで到達することができ、こうして成形された光学素子には高い精度で形成された微細構造が具備されることとなる。更に、光学素子は高い形状安定性を有していることから、微細構造に変形を生じるといったことを適正に抑制することができる。
更に、請求項5に係る光学素子によれば、請求項1〜4に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、集光機能を有する集光装置に光学素子を用いても、当該光学素子は高い形状安定性を有しているので、光学素子の光学特性を低下させるといったことがなくなる。即ち、光学素子に対して集光により高いエネルギーが付与されても、当該光学素子の有する高い形状安定性によって、光学素子の変形を長時間に亘って抑制することが可能となり、光学素子の光学特性の低下を防止することができる。
更に、請求項6に係る光学素子によれば、この樹脂組成物を用いて成形された厚さ3mmの成形体は、高い形状安定性を有し、高エネルギーの波長400nm付近の光を透過させても当該成形体に白濁、屈折率の変動や変形等が生じるのを抑えることができ、これにより、波長400nm付近における光線透過率は85%以上とすることができる。
従って、例えば、Blu−ray Discのような高い情報密度を有する光情報記録媒体に対する光学素子として好適に用いることができる。
請求項7に係る光ピックアップ装置は、光学素子に適用される脂環式炭化水素系樹脂組成物は、前記一般式(1)で表される含フッ素アクリレート類と、ビニルモノマーとをラジカル重合開始剤の存在下において共重合させることにより得られる、前記一般式(2)で表される重合体を含むため、光照射に対する安定化効果が高く、例えば、400nm付近の短波長の光の照射を継続的に受けても、白濁や屈折率の変動が抑えられ、また、光学面の変形を抑制することができる。つまり、光学素子の光安定性を向上させることができ、当該特性を長時間に亘って維持することができる。
従って、例えば、Blu−ray Discのような高い情報密度を有する光情報記録媒体に対して、長期間に亘って良好なピックアップ特性で情報の読み書きを行うことができ、光ピックアップ装置として信頼性の高いものを得ることができる。
更に、請求項8に係る光ピックアップ装置は、光源から出射される光の波長は390nm〜420nmである。即ち、例えば、Blu−ray Discのような高い情報密度を有する光情報記録媒体に対応した390〜420nmという範囲の光を透過する場合でも、光学素子に適用される樹脂組成物は、前記一般式(1)で表される含フッ素アクリレート類と、ビニルモノマーとをラジカル重合開始剤の存在下において共重合させることにより得られる、前記一般式(2)で表される重合体を含むため、白濁や、屈折率の変動といった光学素子の劣化を防止することができる。これにより、光学素子の寿命を延ばして、光ピックアップ装置として信頼性の高いものを得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明の光学素子は、前記一般式(1)で表される含フッ素アクリレート類と、スチレン類、α−オレフィン類及び環状オレフィン類から選ばれる少なくとも1種のビニルモノマーとをラジカル重合開始剤の存在下で共重合させることにより得られる前記一般式(2)で表される重合体を含む樹脂組成物を成型してなることを特徴とし、更には、厚さ3mmの成形体で測定したASTM D1003準拠による400nmにおける光線透過率が85%以上の重合体であるとともに、温度260℃、荷重2.16kgにおけるASTM D1238準拠によるメルトインデックスが20〜60g/10minであることが好ましい。
はじめに、本発明に係る樹脂組成物について説明する。
本発明の光学素子を構成する樹脂組成物の形成に用いる前記一般式(2)で表される重合体において、x、y、zはそれぞれ共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5、5/95≦z/x≦95/5を満たす実数であり、nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の整数である。また、R1、R2はそれぞれ水素原子または炭素原子数1以上、10以下の1価の基であり、R3は炭素数2〜20の炭化水素基群から選ばれる2+n価の基であり、R4は水素原子、または炭素、水素からなり炭素数1以上、10以下の1価の基であり、R5は炭素数2〜20の炭化水素基群から選ばれる2価の基であり、QはCOOR6(R6は水素原子または炭化水素からなり、炭素数1以上、10以下の1価の基である。)で表される構造群から選ばれる2価の基である。
前記一般式(2)において、R1、R2、R4としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基等が挙げられるが、好ましくは、水素原子またはメチル基であり、最も好ましくは水素原子である。R3は、好ましくは炭素数2〜12の炭化水素基群から選ばれる2価の基であり、より好ましくは下記一般式(3)で表される2価の基である。
上記一般式(3)において、pは0〜2の整数を表す。
更に好ましくは、上記一般式(3)において、pが0または1である2価の基である。R5の例としては、この基を含む構造単位の好ましい例として、n=0の場合、例えば、下記に示す(a)、(b)、(c)等が挙げられる。
式中、R3は炭素数2〜20の炭化水素基群から選ばれる2+n価の基であり、nは好ましくは0である。
R6の例としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基等が挙げられるが、好ましくはメチル基である。
次いで、前記一般式(2)で表される重合体の形成に用いられる前記一般式(1)で表される含フッ素アクリレート類と、スチレン類、α−オレフィン類及び環状オレフィン類から選ばれる少なくとも1種のビニルモノマーとについて説明する。
はじめに、本発明に係る前記一般式(1)で表される含フッ素アクリレート類について説明する。
本発明に係る前記一般式(1)で表される化合物の代表的な例としては、2−メチル−2−アダマンチル=α−トリフルオロメチルアクリレート、2−エチル−2−アダマンチル=α−トリフルオロメチルアクリレート、2−プロピル−2−アダマンチル=α−トリフルオロメチルアクリレート、2−ブチル−2−アダマンチル−α−トリフルオロメチルアクリレート、1−アダマンチル=α−トリフルオロメチルアクリレート等が挙げられる。
本発明に係るビニルモノマーとは、分子内に重合活性な二重結合を有する化合物をいい、スチレン類、α−オレフィン類、環状オレフィン類を挙げることができる。
本発明において用いられるスチレン類とは、下記一般式(4)で表される化合物群をいう。
上記一般式(4)において、R7は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、アセチル基、または炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基を表す。
前記一般式(1)で表される含フッ素アクリレート類をスチレン類と共重合させる場合、より高い透明性を得る観点からは、共重合させた後に水素添加処理することが好ましい。
本発明において用いられるα−オレフィンは、直鎖状でも分岐状でもよく、エチレン、プロピレン、ブタ−1−エン、ペンタ−1−エン、ヘキサ−1−エン、オクタ−1−エン、デカ−1−エン、ドデカ−1−エン、テトラデカ−1−エン、ヘキサデカ−1−エン、オクタデカ−1−エン、エイコサ−1−エンなどの炭素原子数が2〜20の直鎖状α−オレフィン;3−メチルブタ−1−エン、3−メチルペンタ−1−エン、3−エチルペンタ−1−エン、4−メチルペンタ−1−エン、4−メチルヘキサ−1−エン、4,4−ジメチルヘキサ−1−エン、4,4−ジメチルペンタ−1−エン、4−エチルヘキサ−1−エン、3−エチルヘキサ−1−エンなどの炭素原子数が4〜20の分岐状α−オレフィンなどが挙げられる。このような直鎖状又は分岐状のα−オレフィンは、1種単独で又は2種以上組合わせて用いることができる。
本発明で用いられる環状オレフィン類は、下記一般式(5)で表される。
上記一般式(5)において、nは0又は1であり、mは0又は1以上の整数であり、qは0又は1である。なお、qが1の場合には、RaおよびRbは、それぞれ独立に、下記に示す原子又は炭化水素基であり、qが0の場合には、Ra、Rbの結合はなくなり、両側の炭素原子が結合して5員環を形成する。
R8〜R25ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子又は炭化水素基である。ここでハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
また、炭化水素基としては、それぞれ独立に、通常、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基が挙げられる。より具体的には、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基が挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基が例示される。これらの炭化水素基は、その水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。
更に、一般式(5)において、R22〜R25がそれぞれ結合して(互いに共同して)単環又は多環を形成していてもよく、しかも、このようにして形成された単環又は多環は二重結合を有していてもよい。以下に、形成される単環構造又は多環構造の具体例を示す。
上記例示した構造において、1又は2の番号が付された炭素原子は、前記一般式(5)において、それぞれR21(R22)又はR23(R24)が結合している炭素原子を示している。またR22とR23とで、又はR24とR25とでアルキリデン基を形成していてもよい。このようなアルキリデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキリデン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例としては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプロピリデン基を挙げることができる。
上記一般式(5)で示される環状オレフィンを、より具体的に次に例示すると、
で示されるビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(別名ノルボルネン。上記式中において、1〜7の数字は炭素の位置番号を示す。)およびこの化合物に炭化水素基が置換した誘導体が挙げられる。この置換炭化水素基として、5−メチル、5,6−ジメチル、1−メチル、5−エチル、5−n−ブチル、5−イソブチル、7−メチル、5−フェニル、5−メチル−5−フェニル、5−ベンジル、5−トリル、5−(エチルフェニル)、5−(イソプロピルフェニル)、5−(ビフェニル)、5−(β−ナフチル)、5−(α−ナフチル)、5−(アントラセニル)、5,6−ジフェニルを例示することができる。
更に他の誘導体として、シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンなどのビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン誘導体を例示することができる。
この他、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、2−メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、5−メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エンなどのトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン誘導体、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、10−メチルトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エンなどのトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン誘導体、
で示されるテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(上記式中、1〜12の数字は炭素の位置番号を示す。)、およびこれに炭化水素基が置換した誘導体が挙げられる。その置換基の炭化水素基としては、8−メチル、8−エチル、8−プロピル、8−ブチル、8−イソブチル、8−ヘキシル、8−シクロヘキシル、8−ステアリル、5,10−ジメチル、2,10−ジメチル、8,9−ジメチル、8−エチル−9−メチル、11,12−ジメチル、2,7,9−トリメチル、2,7−ジメチル−9−エチル、9−イソブチル−2,7−ジメチル、9,11,12−トリメチル、9−エチル−11,12−ジメチル、9−イソブチル−11,12−ジメチル、5,8,9,10−テトラメチル、8−エチリデン、8−エチリデン−9−メチル、8−エチリデン−9−エチル、8−エチリデン−9−イソプロピル、8−エチリデン−9−ブチル、8−n−プロピリデン、8−n−プロピリデン−9−メチル、8−n−プロピリデン−9−エチル、8−n−プロピリデン−9−イソプロピル、8−n−プロピリデン−9−ブチル、8−イソプロピリデン、8−イソプロピリデン−9−メチル、8−イソプロピリデン−9−エチル、8−イソプロピリデン−9−イソプロピル、8−イソプロピリデン−9−ブチル、8−クロロ、8−ブロモ、8−フルオロ、8,9−ジクロロ、8−フェニル、8−メチル−8−フェニル、8−ベンジル、8−トリル、8−(エチルフェニル)、8−(イソプロピルフェニル)、8,9−ジフェニル、8−(ビフェニル)、8−(β−ナフチル)、8−(α−ナフチル)、8−(アントラセニル)、5,6−ジフェニルを例示することができる。
これらの環状オレフィンは、単独でも、あるいは2種以上組み合わせても用いることができる。
本発明において使用されるラジカル重合開始剤は、特に限定はされないが、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾ系化合物、過酸化−ジ−t−ブチル、過酸化ベンゾイル等の過酸化物系化合物、トリエチルボロン−過酸化物、トリイソブチルボロン−過酸化物等のボロン系化合物、過酸化水素−金属塩、過硫酸カリウム−金属塩等のレドクッス系化合物が挙げられる。重合開始剤の使用量については特に限定されないが、通常、含フッ素アクリレート類及びビニルモノマーの合計使用量に対し、0.1モル%〜20モル%程度の使用量が選ばれる。
重合における反応温度は、重合の形態により異なり、特に限定するものではないが、通常は0℃〜200℃の範囲で実施され、好ましくは50〜150℃の範囲で実施される。
また、重合は溶媒の存在下において行なうことができ、重合溶媒としては、重合を阻害するものでなければ特に限定はされない。用いられる溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン等に代表される脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等に代表される芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルイソブチルケトン等に代表されるケトン系溶媒、ジエチルエーテル、THF等に代表されるエーテル系溶媒、エタノール、プロパノール、ブタノール等に代表されるアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒が挙げられる。
本発明に係る共重合体は、DSCで測定(昇温速度10℃/min)したガラス転移温度(Tg)が、60〜230℃であることが好ましく、さらには、70〜210℃であることが好ましい。
軟化点は、サーモメカニカルアナライザーで測定した軟化点 (TMA)として、通常30℃以上であり、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、さらに好ましくは90〜250℃、特に好ましくは100〜200℃である。ここで、軟化点の測定は、デュポン社製 Thermo Mechanical Analyzerを用いて、厚さ1mmのシートの熱変形挙動により行った。すなわちシート上に荷重49gをかけた石英製針を乗せ、5℃/minの速度で昇温し、針がシート中に0.635mm侵入した温度を軟化点(TMA)とした。
(安定剤)
本発明に係る樹脂組成物では、フェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、リン系安定剤及びイオウ系安定剤から選ばれた少なくとも1種の安定剤を添加することが好ましい。これらの安定剤を適宜選択し、脂環式炭化水素系共重合体に添加することで、例えば、400nmといった短波長の光を継続的に照射した場合の白濁や、屈折率の変動等の光学特性変動をより高度に抑制することができる。
本発明に係る樹脂組成物では、フェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、リン系安定剤及びイオウ系安定剤から選ばれた少なくとも1種の安定剤を添加することが好ましい。これらの安定剤を適宜選択し、脂環式炭化水素系共重合体に添加することで、例えば、400nmといった短波長の光を継続的に照射した場合の白濁や、屈折率の変動等の光学特性変動をより高度に抑制することができる。
好ましいフェノール系安定剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレートなどの特開昭63−179953号公報や特開平1−168643号公報に記載されるアクリレート系化合物;オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニルプロピオネート))メタン[すなわち、ペンタエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート))]、トリエチレングリコールビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)などのアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジンなどのトリアジン基含有フェノール系化合物;などが挙げられる。
また、好ましいヒンダードアミン系安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1−アクロイル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)デカンジオエート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−1−[2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられる。
また、好ましいリン系安定剤としては、一般の樹脂工業で通常使用される物であれば格別な限定はなく、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドなどのモノホスファイト系化合物;4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4′イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)などのジホスファイト系化合物などが挙げられる。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどが特に好ましい。
また、好ましいイオウ系安定剤としては、例えば、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3′−チオジプロピピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ)−プロピオネート、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。
これらの各安定剤の配合量は、本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択されるが、脂環式炭化水素系共重合体100質量部に対して通常0.01〜2質量部、好ましくは0.01〜1質量部である。
(界面活性剤)
界面活性剤は、同一分子中に親水基と疎水基とを有する化合物である。界面活性剤は樹脂表面への水分の付着や上記表面からの水分の蒸発の速度を調節することで、樹脂組成物の白濁を防止する。
界面活性剤は、同一分子中に親水基と疎水基とを有する化合物である。界面活性剤は樹脂表面への水分の付着や上記表面からの水分の蒸発の速度を調節することで、樹脂組成物の白濁を防止する。
界面活性剤の親水基としては、具体的には、ヒドロキシ基、炭素数1以上のヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、カルボニル基、エステル基、アミノ基、アミド基、アンモニウム塩、チオール、スルホン酸塩、リン酸塩、ポリアルキレングリコール基などが挙げらる。ここで、アミノ基は1級、2級、3級のいずれであってもよい。界面活性剤の疎水基としては、具体的に炭素数6以上のアルキル基、炭素数6以上のアルキル基を有するシリル基、炭素数6以上のフルオロアルキル基などが挙げられる。ここで、炭素数6以上のアルキル基は置換基として芳香環を有していてもよい。アルキル基としては、具体的にヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデセニル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ミリスチル、ステアリル、ラウリル、パルミチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。芳香環としてはフェニル基などが挙げられる。この界面活性剤は、上記のような親水基と疎水基とをそれぞれ同一分子中に少なくとも1個ずつ有していればよく、各基を2個以上有していてもよい。
このような界面活性剤としては、より具体的には、例えば、ミリスチルジエタノールアミン、2−ヒドロキシエチル−2−ヒドロキシドデシルアミン、2−ヒドロキシエチル−2−ヒドロキシトリデシルアミン、2−ヒドロキシエチル−2−ヒドロキシテトラデシルアミン、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ジ−2−ヒドロキシエチル−2−ヒドロキシドデシルアミン、アルキル(炭素数8〜18)ベンジルジメチルアンモニウムクロライド、エチレンビスアルキル(炭素数8〜18)アミド、ステアリルジエタノールアミド、ラウリルジエタノールアミド、ミリスチルジエタノールアミド、パルミチルジエタノールアミド、などが挙げられる。これらのうちでも、ヒドロキシアルキル基を有するアミン化合物またはアミド化合物が好ましく用いられる。本発明では、これら化合物を2種以上組合わせて用いてもよい。
界面活性剤は、脂環式炭化水素系重合体100質量部に対して0.01〜10質量部添加される。界面活性剤の添加量が0.01質量部を下回る場合、温度、湿度の変動に伴なう成形物の白濁を効果的に抑えることができない。一方、添加量が10質量部を超える場合、成形物の光透過率が低くなり、光ピックアップ装置への適用が困難となる。界面活性剤の添加量は脂環式炭化水素系重合体100質量部に対して0.05〜5質量部とすることが好ましく、0.3〜3質量部とすることが更に好ましい。
(可塑剤)
可塑剤は共重合体のメルトインデックスを調節するため、必要に応じて添加される。
可塑剤は共重合体のメルトインデックスを調節するため、必要に応じて添加される。
可塑剤としては、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ビス(2−ブトキシエチル)、アゼライン酸ビス(2−エチルヘキシル)、ジプロピレングリコールジベンゾエート、クエン酸トリ−n−ブチル、クエン酸トリ−n−ブチルアセチル、エポキシ化大豆油、2−エチルヘキシルエポキシ化トール油、塩素化パラフィン、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、リン酸−t−ブチルフェニル、リン酸トリ−2−エチルヘキシルジフェニル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソヘキシル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジシクロヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、Santicizer 278、Paraplex G40、Drapex 334F、Plastolein 9720、Mesamoll、DNODP−610、HB−40等の公知のものが適用可能である。可塑剤の選定及び添加量の決定は、共重合体の透過性や環境変化に対する耐性を損なわないことを条件に適宜行なわれる。
本発明に係る共重合体系樹脂は、同一分子中に親水基と疎水基とを有する界面活性剤とを特定割合で含有させることで、高温や高湿度といった環境から常温常湿度へと環境変化した場合などにおいても優れた透明性を保持することができる。
本発明においては、共重合体系重合体に更に他の樹脂を配合した樹脂組成物を必要に応じて添加することもできる。他の樹脂は、本発明の目的を損なわない範囲内で添加される。
ここで、共重合体系重合体に添加し得る他の樹脂を以下に例示する。
(1)1個または2個の不飽和結合を有する炭化水素から誘導される重合体で、具体的には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルブタ−1−エン、ポリ4−メチルペンタ−1−エン、ポリブタ−1−エン及びポリスチレンなどのポリオレフィンが挙げられる。なおこれらのポリオレフィンは架橋構造を有していてもよい。
(2)ハロゲン含有ビニル重合体で、具体的にはポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリクロロプレン、塩素化ゴムなどが挙げられる。
(3)α,β−不飽和酸とその誘導体から誘導された重合体で、具体的にはポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、または前記の重合体を構成するモノマーとの共重合体、たとえばアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン・アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。
(4)不飽和アルコール及びアミン、または不飽和アルコールのアシル誘導体またはアセタールから誘導される重合体で、具体的にはポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレイン酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート、ポリアリルメラミン、または前記重合体を構成するモノマーとの共重合体、たとえばエチレン・酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
(5)エポキシドから誘導される重合体で、具体的にはポリエチレンオキシドまたはビスグリシジルエーテルから誘導された重合体などが挙げられる。
(6)ポリアセタール類で、具体的にはポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、コモノマーとしてエチレンオキシドを含むようなポリオキシメチレンなどが挙げられる。
(7)ポリフェニレンオキシド(8)ポリカーボネート(9)Sポリスルフォン(10)ポリウレタン及び尿素樹脂。
(11)ジアミン及びジカルボン酸及び/またはアミノカルボン酸、または相応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミドで、具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などが挙げられる。
(12)ジカルボン酸及びジアルコール及び/またはオキシカルボン酸、または相応するラクトンから誘導されたポリエステルで、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ1,4−ジメチロール・シクロヘキサンテレフタレートなどが挙げられる。
(13)アルデヒドとフェノール、尿素またはメラミンから誘導された架橋構造を有した重合体で、具体的には、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。
(14)アルキッド樹脂で、具体的にはグリセリン・フタル酸樹脂などが挙げられる。
(15)飽和及び不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとのコポリエステルから誘導され、架橋剤としてビニル化合物を使用して得られる不飽和ポリエステル樹脂ならびにハロゲン含有改質樹脂。
(16)天然重合体で、具体的にはセルロース、ゴム、蛋白質、あるいはそれらの誘導体、例えば、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースエーテルなどが挙げられる。
(17)軟質重合体、例えば、共重合体成分を含む軟質重合体、α−オレフィン系共重合体、α−オレフィン・ジエン系共重合体、芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン系軟質共重合体、イソブチレンまたはイソブチレン・共役ジエンからなる軟質重合体または共重合体等が挙げられる。
本発明に係る共重合体と、他の樹脂成分や添加剤等との混合方法としては、それ自体公知の方法が適用できる。例えば、各成分を同時に混合する方法などである。
上述の様にして調製された共重合体は、温度260℃、荷重2.16kgで測定したメルトインデックス(MI)が20〜60g/10minであることが好ましい。ここで、MIの測定方法は、ASTM D1238に準拠する。MIは、更に好ましくは40〜60g/10minである。
ここで、上記MIは、例えば、モノマーの組成比の選定による結晶化度の制御、重合方法や重合条件の選定による分子量の制御や、可塑剤の添加といった公知の方法により、調節することができる。
共重合体樹脂のMIが上述の範囲内にあることで、射出成形等の方法で光学素子を成形する際、溶融した共重合体樹脂は金型の後述する輪帯状レンズ面、回折輪帯、輪帯状凹部、輪帯状凸部に対応した部位の先端まで行き渡るので、高い精度で上記部位を形成することができる。よって、高い信頼性で媒体に光を照射したり媒体で反射した光を集光したりできる光学素子を作製することができる。
(光ピックアップ装置)
次に、本発明のプラスチック製光学素子及び光ピックアップ装置について図1及び図2を参照して説明する。
次に、本発明のプラスチック製光学素子及び光ピックアップ装置について図1及び図2を参照して説明する。
本発明の光ピックアップ装置1は、波長650nmの光を適用する現行のDVD(以下、現行DVDと表記)、波長405nmの光を適用するいわゆる次世代のDVD(以下、次世代DVDと表記)の2種類の光情報記録媒体5について情報の再生、記録を行なう装置である。
光ピックアップ装置1は、光源2から出射されるレーザ光(光)を、コリメータレンズ3、後述する微細構造を有する対物レンズ(プラスチック製光学素子)10といった単玉光学素子を通過させて、光軸4上で光情報記録媒体5の情報記録面6に集めて集光スポットを形成し、情報記録面6からの反射光を、偏向ビームスプリッタ7で取り込み、検出器8の受光面に再びビームスポットを形成するものである。
光源2は、レーザーダイオードを有して構成されており、公知の切り換え方法により、650nm、405nmという2種類の波長の光を選択して出射できる構成となっている。
コリメータレンズ3、対物レンズ(プラスチック製光学素子)10、偏向ビームスプリッタ7は、光学素子ユニットを構成する。
本発明に係る対物レンズ10は、微細構造を有する光学素子であって、上述の環状オレフィン樹脂を射出成形で成形することにより作成される。対物レンズ10は図2に示すように、両面非球面の単玉光学素子であり、その一方(光源側)の光学面11上に、該光学面11を通過する所定の光に対して予め定められた光路差を付与する光路差付与構造20(微細構造)を有している。
光路差付与構造20は、光学面11が光軸4を中心とした3つの輪帯状レンズ面(以下、内側から順に第1輪帯状レンズ面21、第2輪帯状レンズ面22、第3輪帯状レンズ面23と言う)により構成され、該3つの輪帯状レンズ面21〜23のうち隣り合う輪帯状レンズ面21〜23は異なる屈折力を有している。
第1輪帯状レンズ面21と第3輪帯状レンズ面23とは、同一の光学面11上にあり、第2輪帯状レンズ面22は、光学面11から平行移動した面となっている。
第1輪帯状レンズ面21は、波長650nm、405nm両方の光を通過させ、第2輪帯状レンズ面22は、現行DVDに対応した波長650nmの光を通過させ、第3輪帯状レンズ面23は、次世代DVDに対応した波長405nmの光を通過させる。そして、各輪帯状レンズ面21〜23を通過した光は、情報記録面6の同じ位置に集光されるようになっている。
なお、図2では、第1輪帯状レンズ面21と第3輪帯状レンズ面23とは同一光学面11上に設けられているが、これら第1及び第3輪帯状レンズ面21、23とは同一光学面上に設けなくても良く、また、第2輪帯状レンズ面22は、光学面11から平行移動した面となっているが、特に平行移動した面でなくても良い。また、3つの輪帯状レンズ面21〜23は5つであっても良く、少なくとも3つ以上であれば良い。
対物レンズ10は、上述の環状オレフィン樹脂を適用しているので、溶融して金型に射出して成形する際、金型の第1輪帯状レンズ面21、第2輪帯状レンズ面22、第3輪帯状レンズ面23の境界部分に対応する部分に確実に樹脂が行き渡っている。そのため、対物レンズ10は光路差付与構造20が高い精度で付与されている。
こうして形成された光路差付与構造20の作用により、対物レンズ10は現行DVD、次世代DVDといった複数種の光情報記録媒体5に対して、光源2で出射した光の情報記録面6への集光と、情報記録面6で反射した光の検出器8へ向けての集光を高い信頼性で行なうことができる。また、対物レンズ10をなす環状オレフィン樹脂は85%以上という高い光透過率を有しているため、上記集光は高い効率で行なうことができる。よって、光源2の消費電力を小さくすることができるので、光ピックアップ装置1全体の消費電力を軽減できる。
なお、本発明に係る対物レンズ10は、上記光路差付与構造20を有するものに限らず、例えば図3〜図7に示す光路差付与構造20a〜20dを有する対物レンズ10a〜10eとしても良い。
図3における光路差付与構造20aは、光軸4を中心とした複数の回折輪帯21aからなり、複数の回折輪帯21aの断面が鋸歯状であり、かつ、各回折輪帯21aの光学面11aが不連続面となっている。また、複数の回折輪帯21aは、光軸4から離れるにしたがって厚みが増すように形成されている。図3に示す対物レンズ10aは、いわゆる回折レンズである。
図4における光路差付与構造20bは、光軸4を中心とした位相差を生じる複数の輪帯状凹部21bを同心円状に有している。輪帯状凹部21bは、光学面11bのうちの光軸4を中心とした一方の面(図4における光軸4を中心に上下の光学面)に5つずつ形成されている。また、隣り合う輪帯状凹部21bどうしは、連続して一体になっており、各輪帯状凹部21b全体としての断面が階段状となっている。また、各輪帯状凹部21bを形成する光学面22bは、光学面11bに対して平行移動した面となっている。図4に示す対物レンズ10bはいわゆる位相差レンズである。
なお、図4では、隣り合う輪帯状凹部21bどうしが連続して一体になっていて、全体の断面が階段状のものであるとしたが、単に光学面11bに輪帯状凹部21bを個々に設けたものとしても良い(この場合、例えば図2に示した対物レンズ10と同様の構造となる)。また、図4では輪帯状凹部21bを同心円状に有しているとしたが、図5に示すように、図2の第3輪帯状レンズ面23上に輪帯状凸部23bを有した対物レンズ10cとしても良い(図5中、図2と同様の構成部分については同様の符号を付した)。
図6における光路差付与構造20dは、光軸4を中心とした複数の回折輪帯21dからなり、複数の回折輪帯21dの断面が鋸歯状であり、かつ、各回折輪帯21dの光学面11dが不連続面である。そして、各回折輪帯21dの断面が光軸方向に沿った3段22dの階段状であり、各段22dの光学面12dが不連続面で、光軸4に対して直交する面となっている。
なお、図6に示すレンズ10dは、例えば、図7に示すように図6と同様の光路差付与構造20dを有するホログラム光学素子(HOE)10eと対物レンズ10fとで別体の構成としても良い。この場合、ホログラム光学素子10eは、平板状の光学素子を使用して、該光学素子の対物レンズ10fの面に光路差付与構造20dを設ける。
なお、本発明に係る光ピックアップ装置1は、例えばCD、現行DVD、次世代DVDの3種の光情報記録媒体5について情報の再生、記録を行なうこととしてもよい。光ピックアップ装置1で情報の再生、記録を行なう光情報記録媒体5の組み合わせは設計事項であり、適宜設定される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《樹脂成型品の作製》
(樹脂成型品1の作製:本発明)
窒素ガスで置換した50mlフラスコに、2−メチル−2−アダマンチル=α−トリフルオロメチルアクリレートを3.60g(12.5mmol)、スチレンを1.30g(12.5mmol)、アゾビスイソブチロニトリルを0.16g(1.0mmol)、キシレンを10.0g添加し、溶液を窒素ガスで30分バブリングした。その後、60℃に加熱し、窒素雰囲気下で16時間反応した。反応終了後、反応液を攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒としてシリカ−アルミナ担持型ニッケル触媒(日揮化学工業社製;E22U、ニッケル担持量60%)10質量部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換して、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度を160℃に設定した後、圧力4.5MPaにて8時間水素化反応を行なった。反応終了後、反応溶液をろ過して水素化触媒を除去し、該反応溶液を3500質量部のイソプロパノール中に注いで共重合体を析出させた。次に、この共重合体を濾取し、80℃にて48時間減圧乾燥させて2−メチル−2−アダマンチル=α−トリフルオロメチルアクリレートとスチレンの共重合体を得た。得られた共重合体のMwは77,400、Mw/Mnは1.28、主鎖および芳香環の水素化率は99.9%、Tgは127.2℃であった。
《樹脂成型品の作製》
(樹脂成型品1の作製:本発明)
窒素ガスで置換した50mlフラスコに、2−メチル−2−アダマンチル=α−トリフルオロメチルアクリレートを3.60g(12.5mmol)、スチレンを1.30g(12.5mmol)、アゾビスイソブチロニトリルを0.16g(1.0mmol)、キシレンを10.0g添加し、溶液を窒素ガスで30分バブリングした。その後、60℃に加熱し、窒素雰囲気下で16時間反応した。反応終了後、反応液を攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒としてシリカ−アルミナ担持型ニッケル触媒(日揮化学工業社製;E22U、ニッケル担持量60%)10質量部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換して、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度を160℃に設定した後、圧力4.5MPaにて8時間水素化反応を行なった。反応終了後、反応溶液をろ過して水素化触媒を除去し、該反応溶液を3500質量部のイソプロパノール中に注いで共重合体を析出させた。次に、この共重合体を濾取し、80℃にて48時間減圧乾燥させて2−メチル−2−アダマンチル=α−トリフルオロメチルアクリレートとスチレンの共重合体を得た。得られた共重合体のMwは77,400、Mw/Mnは1.28、主鎖および芳香環の水素化率は99.9%、Tgは127.2℃であった。
この共重合体100質量部に対し、界面活性剤としてペンタエリスリトールジステアレートの0.5質量部を添加して、二軸混練機(東芝機械社製、TEM−35B、スクリュー径37mm、L/D=32、スクリュー回転数150rpm、樹脂温度240℃、フィードレート10kg/時間)に添加、混練した後、ペレット化した。得られたペレットを、空気を流通させた熱風乾燥器を用いて70℃で2時間乾燥して水分を除去した後、射出成形機(ファナック社製AUTOSHOT MODEL 30A)により、シリンダー温度280℃、金型温度80℃、一次射出圧力98.1MPa、二次射出圧力78.4MPaにて射出成形し、Φ30mm、厚さ3mmの樹脂成型品1を得た。
(樹脂成型品2の作製:本発明)
上記樹脂成型品1の作製において、共重合体を得た後、ペレット化する際に、この共重合体100質量部に対し、界面活性剤としてペンタエリスリトールジステアレート0.5質量部と共にフェノール系安定剤としてテトラキス(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニルプロピオネート))メタンの0.1質量部を併せて添加した以外は同様にして、樹脂成型品2を作製した。
上記樹脂成型品1の作製において、共重合体を得た後、ペレット化する際に、この共重合体100質量部に対し、界面活性剤としてペンタエリスリトールジステアレート0.5質量部と共にフェノール系安定剤としてテトラキス(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニルプロピオネート))メタンの0.1質量部を併せて添加した以外は同様にして、樹脂成型品2を作製した。
(樹脂成型品3の作製:本発明)
上記樹脂成型品2の作製において、フェノール系安定剤に代えて、ヒンダードアミン系安定剤であるテトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートの0.1質量部を用いた以外は同様にして、樹脂成型品3を作製した。
上記樹脂成型品2の作製において、フェノール系安定剤に代えて、ヒンダードアミン系安定剤であるテトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートの0.1質量部を用いた以外は同様にして、樹脂成型品3を作製した。
(樹脂成型品4の作製:比較例)
窒素ガスで置換した50mlフラスコに、スチレンを2.60g(25.0mmol)、アゾビスイソブチロニトリルを0.16g(1.0mmol)、キシレンを10.0g添加し、この溶液を窒素ガスで30分バブリングした。その後、60℃に加熱し、窒素雰囲気下で16時間反応した。反応終了後、反応液を攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として、シリカ−アルミナ担持型ニッケル触媒(日揮化学工業社製;E22U、ニッケル担持量60%)10質量部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換して、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度を160℃に設定した後、圧力4.5MPaにて8時間水素化反応を行なった。反応終了後、反応溶液をろ過して水素化触媒を除去し、該反応溶液を3500質量部のイソプロパノール中に注いで共重合体を析出させた。次に、この重合体を濾取し、80℃にて48時間減圧乾燥させて重合体を得た。
窒素ガスで置換した50mlフラスコに、スチレンを2.60g(25.0mmol)、アゾビスイソブチロニトリルを0.16g(1.0mmol)、キシレンを10.0g添加し、この溶液を窒素ガスで30分バブリングした。その後、60℃に加熱し、窒素雰囲気下で16時間反応した。反応終了後、反応液を攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として、シリカ−アルミナ担持型ニッケル触媒(日揮化学工業社製;E22U、ニッケル担持量60%)10質量部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換して、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度を160℃に設定した後、圧力4.5MPaにて8時間水素化反応を行なった。反応終了後、反応溶液をろ過して水素化触媒を除去し、該反応溶液を3500質量部のイソプロパノール中に注いで共重合体を析出させた。次に、この重合体を濾取し、80℃にて48時間減圧乾燥させて重合体を得た。
得られた重合体のMwは67,400、Mw/Mnは1.25、主鎖および芳香環の水素化率は99.9%、Tgは122.4℃であった。
この重合体100質量部に対し、界面活性剤としてペンタエリスリトールジステアレートの0.5質量部を添加し、二軸混練機(東芝機械社製、TEM−35B、スクリュー径37mm、L/D=32、スクリュー回転数150rpm、樹脂温度240℃、フィードレート10kg/時間)に添加、混練した後、ペレット化した。得られたペレットを、空気を流通させた熱風乾燥器を用いて70℃で2時間乾燥して水分を除去した後、射出成形機(ファナック社製AUTOSHOT MODEL 30A)により、シリンダー温度280℃、金型温度80℃、一次射出圧力98.1MPa、二次射出圧力78.4MPaにて射出成形し、Φ30mm、厚さ3mmの樹脂成型品4を得た。
(樹脂成型品5の作製:比較例)
上記樹脂成型品4の作製において、共重合体を得た後、ペレット化する際に、この共重合体100質量部に対し、界面活性剤としてペンタエリスリトールジステアレート0.5質量部と共にフェノール系安定剤としてテトラキス(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニルプロピオネート))メタンの0.1質量部を併せて添加した以外は同様にして、樹脂成型品5を作製した。
上記樹脂成型品4の作製において、共重合体を得た後、ペレット化する際に、この共重合体100質量部に対し、界面活性剤としてペンタエリスリトールジステアレート0.5質量部と共にフェノール系安定剤としてテトラキス(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニルプロピオネート))メタンの0.1質量部を併せて添加した以外は同様にして、樹脂成型品5を作製した。
(樹脂成型品6の作製:本発明)
上記樹脂成型品5の作製において、フェノール系安定剤に代えて、ヒンダードアミン系安定剤であるテトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートの0.1質量部を用いた以外は同様にして、樹脂成型品6を作製した。
上記樹脂成型品5の作製において、フェノール系安定剤に代えて、ヒンダードアミン系安定剤であるテトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートの0.1質量部を用いた以外は同様にして、樹脂成型品6を作製した。
《樹脂成型品の評価》
〔メルトインデックスの測定〕
各樹脂成型品について、温度260℃、荷重2.16kgにおけるメルトインデックスをASTM D1238で規定された方法に従って測定した。
〔メルトインデックスの測定〕
各樹脂成型品について、温度260℃、荷重2.16kgにおけるメルトインデックスをASTM D1238で規定された方法に従って測定した。
〔樹脂成型品の着色性及び透明性の評価〕
上記各樹脂成型品について、波長400nmによる光線透過率の測定と、透過光を介しての色調を目視観察し、下記基準に従って、着色性及び透明性の評価を行った。
上記各樹脂成型品について、波長400nmによる光線透過率の測定と、透過光を介しての色調を目視観察し、下記基準に従って、着色性及び透明性の評価を行った。
その結果、各樹脂成形品とも光線透過率が90%以上で、高い透過率を示した。
〔光耐久性の評価〕
80℃、55%RHの恒温恒湿槽内で、図1に記載の光ピックアップ装置を用い、各樹脂成型品上に光源2のレーザーダイオードから405nmの波長の光を直径1mmの円形スポット光として250時間に亘り連続照射を施した後、そのレーザー照射箇所を目視観察し、下記の基準に従って、白濁による透明性(着色度)及び形状安定性について評価した。
80℃、55%RHの恒温恒湿槽内で、図1に記載の光ピックアップ装置を用い、各樹脂成型品上に光源2のレーザーダイオードから405nmの波長の光を直径1mmの円形スポット光として250時間に亘り連続照射を施した後、そのレーザー照射箇所を目視観察し、下記の基準に従って、白濁による透明性(着色度)及び形状安定性について評価した。
(着色度の評価)
◎:連続照射後、レーザー照射箇所に白濁は全く認められない
○:連続照射後、レーザー照射箇所に極僅かな濁りが認められるが、実用上全く問題のない品質である
△:連続照射後、レーザー照射箇所に僅かな濁りが認められるが、実用上許容の範囲にある
×:連続照射後、レーザー照射箇所に白濁現象が認められ、実用上問題がある
(形状安定性の評価)
◎:連続照射後、レーザー照射箇所に変形は全く認められない
○:連続照射後、レーザー照射箇所に極僅かな変形が認められるが、実用上全く問題のない品質である
△:連続照射後、レーザー照射箇所に僅かな変形が認められるが、実用上許容の範囲にある
×:連続照射後、レーザー照射箇所に変形が認められ、実用上問題がある
以上により得られた結果を、表1に示す。
◎:連続照射後、レーザー照射箇所に白濁は全く認められない
○:連続照射後、レーザー照射箇所に極僅かな濁りが認められるが、実用上全く問題のない品質である
△:連続照射後、レーザー照射箇所に僅かな濁りが認められるが、実用上許容の範囲にある
×:連続照射後、レーザー照射箇所に白濁現象が認められ、実用上問題がある
(形状安定性の評価)
◎:連続照射後、レーザー照射箇所に変形は全く認められない
○:連続照射後、レーザー照射箇所に極僅かな変形が認められるが、実用上全く問題のない品質である
△:連続照射後、レーザー照射箇所に僅かな変形が認められるが、実用上許容の範囲にある
×:連続照射後、レーザー照射箇所に変形が認められ、実用上問題がある
以上により得られた結果を、表1に示す。
表1に記載の結果より明らかなように、本発明に係る樹脂組成物を用いて成型された樹脂成型品は、比較例に対し、短波長の光を長時間連続照射しても着色や白濁を生じず、更に、変形が生じず高い形状安定性を維持することができることを確認することができた。
実施例2
《プラスチック製光学素子の作製》
実施例1に記載の樹脂成型品1〜5と同様の組成で、射出成形により図2〜図7に記載の構成からなるプラスチック製光学素子(対物レンズ)1〜6を作製した。
《プラスチック製光学素子の作製》
実施例1に記載の樹脂成型品1〜5と同様の組成で、射出成形により図2〜図7に記載の構成からなるプラスチック製光学素子(対物レンズ)1〜6を作製した。
《プラスチック製光学素子の評価》
上記作製した各プラスチック製光学素子を、図1に記載の構成からなる各光ピックアップ装置の光学素子として組み込んだ。次いで、各光ピックアップ装置を用いて、レーザーダイオードによる405nmの波長の光を用いて、DVDへの記録及び再生を行なった。
上記作製した各プラスチック製光学素子を、図1に記載の構成からなる各光ピックアップ装置の光学素子として組み込んだ。次いで、各光ピックアップ装置を用いて、レーザーダイオードによる405nmの波長の光を用いて、DVDへの記録及び再生を行なった。
上記評価を行った結果、本発明のプラスチック製光学素子1〜3を用いた光ピックアップ装置は、長時間連続照射しても、いずれも変形等が認められず良好なピックアップ特性を示した。一方、比較のプラスチック製光学素子4〜6は、その光学面がより微細(複雑)に形成されている構造を有するほど変形が生じ、ピックアップ特性の低下が認められた。
1 光ピックアップ装置
2 光源
3 コリメータレンズ
4 光軸
5 光情報記録媒体
6 情報記録面
7 偏光ビームスプリッタ
8 検出器
10、10a、10b、10c、10d、10f 対物レンズ(プラスチック製光学素子、対物光学素子)
11、11a、11d、12d、22b 光学面
20、20a、20b、20c、20d 光路差付与構造
21 第1輪帯状レンズ面(輪帯状レンズ面)
21a、21d 回折輪帯
21b 輪帯状凹部
22 第2輪帯状レンズ面(輪帯状レンズ面)
23 第3輪帯状レンズ面(輪帯状レンズ面)
23b 輪帯状凸部
2 光源
3 コリメータレンズ
4 光軸
5 光情報記録媒体
6 情報記録面
7 偏光ビームスプリッタ
8 検出器
10、10a、10b、10c、10d、10f 対物レンズ(プラスチック製光学素子、対物光学素子)
11、11a、11d、12d、22b 光学面
20、20a、20b、20c、20d 光路差付与構造
21 第1輪帯状レンズ面(輪帯状レンズ面)
21a、21d 回折輪帯
21b 輪帯状凹部
22 第2輪帯状レンズ面(輪帯状レンズ面)
23 第3輪帯状レンズ面(輪帯状レンズ面)
23b 輪帯状凸部
Claims (8)
- 下記一般式(1)で表される含フッ素アクリレート類と、スチレン類、α−オレフィン類及び環状オレフィン類から選ばれる少なくとも1種のビニルモノマーとをラジカル重合開始剤の存在下で共重合させることにより得られる下記一般式(2)で表される重合体を含む樹脂組成物を成型してなることを特徴とする光学素子。
- 前記重合体が、ビニルモノマーとしてスチレン類を用い、前記含フッ素アクリレート類と共重合させた後に水素添加処理することによって得られることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
- 前記樹脂組成物が、フェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、リン系安定剤及びイオウ系安定剤から選ばれる少なくとも1種の安定剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子。
- 温度260℃、荷重2.16kgの条件で測定されるメルトインデックス(MI)値が、20<MI(g/10分)<60の範囲にあり、かつ少なくとも一方の光学面に所定の微細構造が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学素子。
- 集光機能を有する集光装置に用いられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学素子。
- 前記樹脂組成物を用いて成型された厚さ3mmの成型体の波長400nmにおける光線透過率が、85%以上であることを特徴とする請求項5に記載の光学素子。
- 光情報記録媒体に対し、情報の再生または記録を行う光ピックアップ装置であって、
光を出射する光源と、該光源から出射された光の該光情報記録媒体への照射または該光情報記録媒体で反射される光の集光を行なう光学素子ユニットとを備え、
該光学素子ユニットは、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学素子を備えていることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記光源は、波長390nm以上、420nm以下の光を出射することを特徴とする請求項7記載の光ピックアップ装置。
Priority Applications (1)
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JP2005115421A JP2006291084A (ja) | 2005-04-13 | 2005-04-13 | 光学素子及びそれを用いた光ピックアップ装置 |
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003138078A (ja) * | 2001-11-06 | 2003-05-14 | Teijin Ltd | 水素化スチレン系重合体樹脂組成物及びその製造方法 |
JP2004144951A (ja) * | 2002-10-23 | 2004-05-20 | Konica Minolta Holdings Inc | プラスチック製光学素子及び光ピックアップ装置 |
JP2004168929A (ja) * | 2002-11-21 | 2004-06-17 | Tosoh Corp | 含フッ素アクリレート系共重合体の製造方法 |
-
2005
- 2005-04-13 JP JP2005115421A patent/JP2006291084A/ja active Pending
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