JP2003138063A - 耐水性澱粉組成物およびその発泡体 - Google Patents

耐水性澱粉組成物およびその発泡体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 澱粉本来の優れた生分解性を保持し、加熱に
より耐水性硬化物を生成し得る澱粉組成物および耐水性
の澱粉発泡体を提供する。 【解決手段】 (a)澱粉、(b)式(1) 【化1】 で表されるアルケニル無水コハク酸、(c)ワックス、
および(d)天然樹脂、炭化水素樹脂、天然油脂、セル
ロース類および食物繊維からなる群から選ばれる耐水化
助剤、とを含む均一混合物からなる、加熱により耐水性
硬化物を形成し得る澱粉組成物。耐水化助剤が天然樹
脂、天然油脂、セルロース類および食物繊維からなる群
から選ばれる上記澱粉組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐水性澱粉発泡体
および加熱により耐水性澱粉発泡体を形成し得る澱粉組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】半世紀にわたって広く使われてきたプラ
スチックスも、近年は社会環境および資源保護の立場か
らその技術の重点は、その便利さよりもむしろリサイク
ル性、および生分解性に移ってきている。生分解性プラ
スチックスとしては、脂肪族系ポリエステルやポリカプ
ロラクトン等の合成樹脂とともに、澱粉、セルロース、
ポリ乳酸等の天然物質をベースとしたものが開発されて
いる。澱粉をベースとしたものは生分解性が特に優れて
いるため、これをベースとした生分解性プラスチックス
は有望なものであり、例えば水分を含有させた澱粉を1
50℃、50kg/cm程度で押出機にかけて押し出し、澱
粉に含まれた水蒸気の圧力で発泡させることにより、バ
ラ状緩衝材が得られることが研究されている。しかし、
この発泡体は機械的強度は満足できるものの耐水性に問
題がある。
【0003】これを改良するものとして、澱粉をエステ
ル化等の化学修飾により耐水化する方法が研究されてい
るが、この方法は高価なものとなり澱粉の安価という利
点が失われてしまう。また澱粉発泡体の表面をポリプロ
ピレンやポリエチレン等でサンドイッチコーティングす
る方法も提案されており、これにより比較的安価に澱粉
発泡体を耐水化することはできるが、一方で澱粉の最大
の特徴である生分解性が極端に低下してしまう。また澱
粉発泡体の表面にシェラックをコーティングして耐水性
を得ているものもあるが、複雑な形状物にはコーティン
グが困難であり、またこの破断面は耐水性を有しない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、澱粉
本来の優れた生分解性を保持し、加熱により耐水性硬化
物を生成し得る澱粉組成物および耐水性の澱粉発泡体を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)澱粉、
(b)式(I)
【化2】 〔式中、Rは炭素数5〜30のアルケニル基またはアル
キル基を表す〕で表されるアルケニル無水コハク酸、
(c)ワックス、および(d)天然樹脂、炭化水素樹
脂、天然油脂、セルロース類および食物繊維からなる群
から選ばれる耐水化助剤とを含む均一混合物からなる、
加熱により耐水性硬化物を形成し得る澱粉組成物に関す
る。特に、本発明は、耐水化助剤が天然樹脂、天然油
脂、セルロース類および食物繊維からなる群から選ばれ
る上記の澱粉組成物に関する。詳しくは、本発明は、
(a)澱粉100重量部に対し、(b)式(I)のアル
ケニル無水コハク酸を0.1〜20重量部、(c)ワッ
クスを0.1〜20重量部、(d)耐水化助剤を0.1〜
20重量部含む上記いずれかに記載の澱粉組成物に関す
る。また、本発明は、上記いずれかに記載の澱粉組成物
に発泡剤を添加発泡して得られる、加熱により耐水性発
泡硬化体を形成し得る発泡性澱粉組成物に関する。さら
に、本発明は、上記発泡性澱粉組成物を加熱することに
より得られる耐水性澱粉発泡体に関する。なお、本明細
書において、アルケニル無水コハク酸とは式(I)で表
すように、アルキル無水コハク酸を含んだ表現であり、
アルケニル無水コハク酸またはアルキル無水コハク酸を
意味する。
【0006】本発明の澱粉組成物および耐水性澱粉発泡
体は、澱粉本来の優れた生分解性を保持してその欠点で
あった耐水性が改良され、しかも安価に得ることができ
る。また、本発明の澱粉組成物は、澱粉と特定のアルケ
ニル無水コハク酸、ワックス、および耐水化助剤との均
一混合物からなり、これは加熱により耐水性を有する硬
化体となり得る。したがって本発明の澱粉組成物は、加
熱硬化に当たって発泡剤を添加しておくことにより発泡
して耐水性に優れた発泡硬化体を形成することができる
という特徴を備えている。
【0007】また、耐水化助剤を、天然樹脂、天然油
脂、セルロース類および食物繊維からなる群から選ぶこ
とにより、本発明の耐水性澱粉発泡体は生分解性を有
し、且つ食器等の食品に直接接する製品として使用する
ことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の加熱により耐水性硬化物
を形成し得る澱粉組成物は、澱粉に式(I)のアルケニ
ル無水コハク酸、ワックスおよび耐水化助剤を均一混合
することによって得られる。また本発明の澱粉組成物
は、水を配合することにより水をそのまま発泡剤とし
て、または更にこれに発泡剤を配合して加熱することに
より耐水性発泡体を成形することができる。
【0009】本発明で使用するアルケニル無水コハク酸
は、一般式(I)で示す構造
【化3】 を持ち、特に限定されないが、アルケニル基またはアル
キル基Rが炭素数5〜30のものが好ましく、特に炭素
数14〜22のものが特に好ましい。アルケニル無水コ
ハク酸は紙用サイズ剤として市販されているものを使用
することもできる。アルケニル無水コハク酸の配合量は
澱粉100重量部に対して0.1〜20重量部、好まし
くは0.5〜10重量部である。20重量部より多く配
合しても、もはやより高い耐水性は得られず、澱粉の生
分解性の障害になる。一方0.1重量部より少ない配合
量では耐水性は不十分である。
【0010】本発明で使用するワックスとは、一般に天
然ワックスと呼ばれるものが好ましい。本発明で使用す
ることのできる天然ワックスとしてはキャンデリラワッ
クス、カルナバワックス、ライスワックス、木ろう、ホ
ホバ油等の植物系天然ワックス;蜜蝋、ラノリン、鯨ろ
う等の動物系天然ワックス;モンタンワックス、オゾケ
ライト、セレシン等の鉱物系天然ワックスが挙げられ
る。また、硬化体に生分解性を要求しない場合には、ワ
ックスとして合成ワックスや石油ワックスも使用でき
る。ワックスは、澱粉100重量部に対して0.1〜2
0重量部、好ましくは0.5〜10重量部配合される。
20重量部より多く配合してもそれ以上の耐水性の向上
は見られず、一方0.1重量部より少ない配合量では耐
水性は不十分である。
【0011】本発明の澱粉組成物では、更に耐水性を向
上させるために、耐水化助剤を配合する。耐水化助剤と
しては天然樹脂、天然油脂、セルロース類または食物繊
維を用いることができる。これらは2種以上を併用して
用いてもよい。天然樹脂の例としては、ロジン、コーパ
ル、ダンマー、シェラック、または水添ロジンやエステ
ル類のような誘導体を挙げることができる。また天然油
脂の例としては、脂肪油およびその誘導体を挙げること
ができる。セルロースとしては、結晶化セルロース、粉
砕セルロース等を挙げることができる。また、多糖類と
してはグルコマンナン等を例示できる。
【0012】硬化体とした場合に食品用途への使用が要
求されない場合には、耐水化助剤として炭化水素樹脂を
用いてもよい。このような炭化水素樹脂の例としては、
「クイントン」(日本ゼオン社製)、「エスコレッツ」
(エッソ社製)、「アルコン」(荒川化学社製)やテル
ペン樹脂例えば「クリアロン」(ヤスハラケミカル社
製)等を挙げることができる。
【0013】耐水化助剤は、配合する場合は、澱粉10
0重量部に対して1〜20重量部、好ましくは1〜10
重量部の範囲で添加する。1重量部より少ない場合は、
耐水化助剤を加えることによる効果が十分に得られず、
20重量部より多いと発泡体の顕著な発泡率低下を起こ
し、生分解速度の低下も見られ、いずれも好ましくな
い。
【0014】本発明に使用できる澱粉は特に限定され
ず、例えば馬鈴薯、タピオカ、トウモロコシ、小麦、大
麦、米などの澱粉および穀粉、ならびに酸化澱粉、アセ
チル化澱粉、リン酸澱粉、エーテル化澱粉などの加工澱
粉、更にそれらが種皮、果皮あるいは殻を含んだものが
例示される。
【0015】水を配合する場合、水以外の成分を均一混
合したのちに水を混合して、スラリーまたはペースト状
にしてもよいし、澱粉を水に溶解または分散したのち他
の粉体成分を混合してもよい。配合する水の量は、成形
条件や目的とする成形体の気泡構造、特性や大きさ等に
よって任意に選ぶことができ、特に制限されない。例え
ば水を発泡剤として利用して発泡体を製造する場合は、
好ましい水の量は固体成分100重量部に対して例えば
20〜200重量部である。
【0016】本発明の耐水性澱粉発泡体は、上記本発明
の耐水性澱粉組成物に発泡剤を添加して得られる。使用
できる発泡剤は、熱により分解して気体を放出するタイ
プのものでもよいし、熱により気化して体積膨張して気
泡を形成することができるものでもよいが、80〜15
0℃、好ましくは95〜120℃で気体を発生するか気
化するものでなくてはならない。前者の分解型の発泡剤
としては、通常のプラスチックの発泡体形成に使用され
るものが使用できる。この例としてはアゾ系発泡剤、ヒ
ドラジン系発泡剤、セミカルバジド系発泡剤、トリアゾ
ール系発泡剤、N-ニトロソ系発泡剤、重炭酸ソーダ等
を挙げることができる。また後者の気化タイプのものと
しては、水、メタノール、エタノール等、またはこれら
の混合物を使用することができる。好ましい発泡体は水
である。これら発泡剤は、他の固形原料の合計100重
量部に対して、0.01〜50重量部、好ましくは0.1
〜5重量部を配合する。
【0017】本発明の優れた耐水性を有する耐水性澱粉
組成物を得るには、(a)澱粉、(b)アルケニル無水
コハク酸、(c)ワックス、および耐水化助剤、それに
必要に応じてその他の配合剤を単に混合するだけよい。
例えば通常の粉体混合機である高速ミルやヘンシェルミ
キサーを用いて混合することによって十分に本発明の澱
粉組成物が得られる。水を配合する場合は、上記粉体混
合物に水を混合してもよいし、一部の成分を混合した段
階で水と混合し、その後残りの成分を混合してもよい。
【0018】本発明の耐水性澱粉発泡体は、上記澱粉組
成物の原料に更に発泡剤を加えて撹拌、好ましくは高速
撹拌を行ってから、発泡成形を行ってもよいし、発泡剤
として水などの液体を使用する場合は、予め均一組成物
として得た澱粉組成物に発泡剤を加えて発泡成型にかけ
てもよい。
【0019】発泡成型は、発泡剤を含む均一原料混合物
を押出機から押し出すか、圧力下に加熱して急激に開放
するか、気化性発泡剤の場合は発泡剤の沸点以上の温度
で加熱することにより得られる。この時ポリスチレン等
の発泡成形に使用される気泡調節剤を使用してもよい。
発泡成型における加熱温度は発泡剤の種類、澱粉の配合
比、耐水化助剤の種類と量に応じて選ばれるが、好まし
くは85〜250℃、より好ましくは100〜180℃
である。この発泡工程での加熱により、本発明の澱粉組
成物は変性して、水が蒸発除去された後、固化して硬質
の成形体となる。得られた耐水性澱粉発泡体は内部まで
均一に耐水性が付与されている。
【0020】本発明の耐水性澱粉組成物は、耐水性発泡
体、糊剤に限定されることなく種々の形で利用が可能で
ある。
【0021】
【実施例】以下実施例により本発明をより具体的に説明
する。実施例における澱粉発泡体の耐水性は次の方法に
よって評価した。 〔澱粉発泡体の耐水性評価法〕図1の型枠を用いて、図
3のような上部中央に直径約90mm、深さ30mmの
窪みのある椀状の発泡成形体を成形し、この窪みに約3
0gの熱湯を入れる。24時間後の発泡体への水の浸透
状態および発泡体の形状変化によって耐水性を評価し
た。
【0022】実施例 1 コーンスターチ粉末830gにロジンエステル30g
(荒川化学社製;商品名「エステルガムAA−G」)、
カルナバワックス47gおよび結晶性セルロース(旭化
成社製;商品名「アビセルFD-101」)59gを配
合し、10リットル容のヘンシェルミキサー(三井三池
製作所製)中で、タービン型羽根を用いて回転速度1,
450rpmで5分間撹拌混合した。得られた澱粉組成
物粉体を5.47リットルの水に分散して15重量%の
分散液を調製した。この分散液に更にアルケニル無水コ
ハク酸(荒川化学社製;商品名「サイズパインSA-8
62」)35gを加えて混合した。この分散液を、図1
に示す直径90mm、深さ30mmの窪みを有する金属
製の皿状型枠(下型)の窪み部に、36g注入し、上型
を載せて、180℃の熱プレス中で2分間加熱して発泡
させた。加熱後組成物粉体は発泡して型枠の空間一杯に
発泡体を形成した。得られた発泡体は均一な気泡を有
し、発泡倍率は15倍であった。得られた発泡体の窪み
部に水を注いで24時間放置しても発泡体の形態にまっ
たく変化は認められなかった。この発泡体を土中に埋没
して生分解性を評価した。その結果3カ月で完全に分解
して形態を留めていなかった。
【0023】実施例 2 コーンスターチ粉末823gに、ロジンエステル30g
(荒川化学社製;商品名「エステルガムAA−G」)、
キャンデリラワックス47g、グルコマンナン6gおよ
び結晶化セルロース(旭化成社製;商品名「アビセル
FD-101」)59gを配合し、10リットル容のヘ
ンシェミキサー(三井三池製作所製)中で、タービン型
羽根を用いて回転速度1,450rpmで5分間撹拌混
合した。この澱粉組成物粉体を同量の熱湯に分散して団
子状の混合物を得た。ここに、アルケニル無水コハク酸
(荒川化学社製;商品名「サイズパインSA-86
2」)35gを加えてさらに混合した。これを実施例1
と同様に型枠内で加熱成形して耐水性澱粉発泡体を調製
した。得られた発泡体は発泡倍率12倍で、実施例1と
同様の方法で耐水性を評価したところ、優れた耐水性が
確認できた。
【0024】実施例 3 馬鈴薯澱粉粉末818gにアルケニル無水コハク酸(荒
川化学社製;商品名「サイズパインSA-862」)を
35g配合し、10リットル容のヘンシェルミキサー
(三井三池製作所製)中で、タービン型羽根を用いて回
転速度1,450rpmで5分間撹拌混合した。これに
ロジンエステル(荒川化学社製;商品名「エステルガム
AA−G」)30gとキャンデリラワックス47gを添
加し、回転速度1,450rpmで更に5分間撹拌混合
した。得られた澱粉組成物粉体を8.37リットルの水
に分散して10重量%の分散液を調製した。この分散液
に結晶化セルロース(旭化成社製;商品名「アビセル
FD-101」)70gを加えて混合した。この分散液
中では粉体は水に溶解も膨潤もせず、粉体同士の凝集は
なく、撹拌を止めると粉末形態のまま沈降した。この混
合分散液を用いて、実施例1と同様にして発泡倍率15
倍の均一な気泡を有する発泡体を作成した。得られた発
泡体は実施例1の発泡体と同様優れた耐水性を示した。
またこの発泡体を土中に埋めて生分解性を評価したとこ
ろ、3ヵ月で完全に分解して形態を留めていなかった。
【0025】実施例 4 コーンスターチ粉末150gを3Lの水に入れて95℃
で加熱分散撹拌して、溶解したところで冷却し、更にコ
ーンスターチ粉末850gとアルケニル無水コハク酸
(荒川化学社製;商品名「サイズパインSA-86
2」)30gを加え、固形分濃度20重量%の澱粉糊剤
を調製した。これにカルナバワックス20gとロジンエ
ステル(荒川化学社製;商品名「エステルガムAA−
G」)20gを混合して耐水性澱粉組成物の糊剤を作成
した。この糊剤を用いて2枚の厚紙を接着した。糊の乾
燥後、80℃の温水に浸漬しておいたが、3時間後も剥
離は認められず、この糊剤が優れた耐水性を有している
ことが確認された。
【0026】比較例 1 カルナバワックスを添加しない以外は実施例1と同様に
して澱粉発泡体を得た。得られた発泡体の発泡倍率は1
6倍であった。この発泡体を実施例と同様にして耐水性
を評価したところ、24時間後には発泡体の水との接触
部の表面が膨潤していた。
【0027】比較例 2 アルケニル無水コハク酸とカルナバワックスを添加しな
い以外は実施例4と同様にして糊剤を得た。この糊剤
は、実施例4の糊剤と同等の接着力を示したが、80℃
の温水に浸漬すると、すぐに剥離した。
【0028】
【発明の効果】澱粉を主成分とする本発明の澱粉発泡体
は優れた耐水性を備えている。加えて耐水化助剤として
天然物質を選んで組成物を構成した場合は、澱粉本来の
生分解性を有しつつ、優れた耐水性が付与されており、
従来の発泡ポリスチレンや発泡ポリウレタンに比べて環
境問題で卓越しており、これらに代わって広い用途が期
待できる。しかも無毒性であり、例えば発泡成形体は食
器等にも安心して使用することもできる。また水を含む
形態の耐水性澱粉組成物は耐水性を有する糊剤としても
有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 耐水性発泡体を成形するための型枠の外観
図。
【図2】 耐水性発泡体を成形するための型枠の側面断
面図。
【図3】 耐水性評価用の発泡成形体の外観図。
【符号の説明】
1:上型、 2:椀状型枠(下型)、 3:耐水性評価用発泡成形体、 4:発泡成形体の窪み部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA02 AA03 AA54 AD09 AD19 AD20 BA34 CA23 CC04Y DA02 DA34 4J002 AB013 AB041 AE003 AE032 AF003 BA013 BK003 DE027 EL136 FD327 GG01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)澱粉、(b)式(I) 【化1】 〔式中、Rは炭素数5〜30のアルケニル基またはアル
    キル基を表す〕で表されるアルケニル無水コハク酸、
    (c)ワックス、および(d)天然樹脂、炭化水素樹
    脂、天然油脂、セルロース類および食物繊維からなる群
    から選ばれる耐水化助剤とを含む均一混合物からなる、
    加熱により耐水性硬化物を形成し得る澱粉組成物。
  2. 【請求項2】 耐水化助剤が天然樹脂、天然油脂、セル
    ロース類および食物繊維からなる群から選ばれる請求項
    1に記載の澱粉組成物。
  3. 【請求項3】 更に水を含む請求項1または2に記載の
    澱粉組成物。
  4. 【請求項4】 (a)澱粉100重量部に対し、(b)
    式(1)のアルケニル無水コハク酸を0.1〜20重量
    部、(c)ワックスを0.1〜20重量部、(d)耐水
    化助剤を0.1〜20重量部含む請求項1〜3のいずれ
    かに記載の澱粉組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の澱粉組
    成物に発泡剤を添加発泡して得られる、加熱により耐水
    性発泡硬化体を形成し得る発泡性澱粉組成物。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の発泡性澱粉組成物を加
    熱することにより得られる耐水性澱粉発泡体。
  7. 【請求項7】 発泡剤が水である請求項6に記載の耐水
    性澱粉発泡体。
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