JP2003137606A - 情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置及び化学強化処理方法 - Google Patents

情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置及び化学強化処理方法

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JP2003137606A
JP2003137606A JP2001335196A JP2001335196A JP2003137606A JP 2003137606 A JP2003137606 A JP 2003137606A JP 2001335196 A JP2001335196 A JP 2001335196A JP 2001335196 A JP2001335196 A JP 2001335196A JP 2003137606 A JP2003137606 A JP 2003137606A
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Japan
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chemical strengthening
tank
glass substrate
salt
chemical tempering
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JP2001335196A
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English (en)
Inventor
Junichi Hashimoto
潤一 橋本
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学強化槽を収容する収容室内の雰囲気を清
浄にし、ガラス基板表面の汚染を抑制するとともに、化
学強化処理における生産効率を向上させることができる
情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置及び化学
強化処理方法を提供する。 【解決手段】 複数の化学強化槽12a〜12dは有底
四角筒状に形成され、硝酸カリウムを含む化学強化塩の
溶融液18が収容されている。その中にはホルダーに保
持され、そのホルダーがケージ30に収容された状態で
浸漬され、ガラス基板の化学強化が行われる。化学強化
塩溶融槽13は化学強化塩を予め溶融する。化学強化槽
12a〜12dは第2収容室15に収容され、化学強化
塩溶融槽13はそれとは別個の第1収容室14に収容さ
れている。化学強化槽12a〜12dから排出される廃
液を溜める廃液槽42も第1収容室14に収容されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスク等
の磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク等として
使用される情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装
置及び化学強化処理方法に関するものである。さらに詳
しくは、ガラス基板の化学強化工程において、ガラス基
板表面の清浄度を向上させることができるとともに、製
造効率を高めることができる情報記録媒体用ガラス基板
の化学強化処理装置及び化学強化処理方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、情報技術(IT)の進歩は著し
く、磁気ディスク等の各種情報記録媒体の開発が盛んに
行われている。そして、例えばハードディスク(HD
D)用のガラス基板においては、電子製品の機能向上に
伴って高い表面平滑性と強い強度が要求されている。そ
のような要求を満たすために、ガラス基板表面に化学強
化処理を施すことが行われている。この化学強化処理
は、ガラス中に含まれるイオンをそれより大きなイオン
半径を有するイオンに置換することにより、ガラス基板
の表面に圧縮応力層を形成して強化するものである。
【0003】その後、精密研磨工程、水洗工程、乾燥工
程等を経て目的とする磁気記録媒体等に用いられるガラ
ス基板が製造される。このような化学強化処理工程、精
密研磨工程、水洗工程及び乾燥工程を経てガラス基板が
製造される過程でガラス基板表面が汚染される。そこ
で、特開平10−194785号公報においては、その
ような工程でガラス基板表面を清浄に維持する方法が開
示されている。
【0004】すなわち、ガラス基板の化学強化処理工
程、最終の研磨工程以後の洗浄工程、乾燥工程等の中の
少なくとも一工程を、ガラス基板にパーティクルが付着
しないように濾過された清浄な空気を循環した雰囲気下
で行うものである。又は、0.3〜100ミクロンの大
きさのパーティクルが1000個/立方フィート・メー
トル以下の清浄度の空気を循環した雰囲気下で行うもの
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、化学強化処
理工程において使用される化学強化処理装置の化学強化
槽は、硝酸カリウムを含む化学強化塩によりガラス基板
の化学強化を行うとともに、化学強化塩を予め溶融する
ようになっている。
【0006】ところが、化学強化塩は粉末状であり、化
学強化槽への投入時に化学強化塩の粉末が飛散したり、
化学強化塩の溶融後に化学強化槽の壁面に付着した溶融
塩が乾燥して飛散したりする場合がある。そのような場
合、化学強化処理装置を収容する収容室内の雰囲気の清
浄度が低下し、ガラス基板表面が汚染されるという問題
があった。
【0007】しかも、化学強化槽において必要な化学強
化塩が溶融され、その後溶融塩中にガラス基板が浸漬さ
れてガラス基板の化学強化処理が行われる。そのため、
化学強化塩の溶融が完了するまでは化学強化処理を行う
ことができず、化学強化処理における生産効率が悪いと
いう問題があった。
【0008】この発明は、このような従来技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、化学強化槽を収容する収容室内の雰囲気を
清浄にし、ガラス基板表面の汚染を抑制するとともに、
化学強化処理における生産効率を向上させることができ
る情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置及び化
学強化処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明の情報記録媒体用ガラス基
板の化学強化処理装置は、硝酸カリウムを含む化学強化
塩によりガラス基板の化学強化処理を行うための化学強
化槽と、該化学強化槽で用いられる化学強化塩を予め溶
融する化学強化塩溶融槽とを備え、これら化学強化槽と
化学強化塩溶融槽とを別個の収容室に収容したことを特
徴とするものである。
【0010】請求項2に記載の発明の情報記録媒体用ガ
ラス基板の化学強化処理装置は、請求項1に記載の発明
において、前記化学強化槽から排出される廃液を排出管
を介して化学強化槽の外部に設けられた廃液槽で受ける
ように構成したものである。
【0011】請求項3に記載の発明の情報記録媒体用ガ
ラス基板の化学強化処理装置は、請求項1又は請求項2
に記載の発明において、前記化学強化槽を収容する収容
室は、その雰囲気中の1立方フィート(0.028立方
メートル)当たり0.3μm以上の微粒子が1万個以下
のクリーンルームであるものである。
【0012】請求項4に記載の発明の情報記録媒体用ガ
ラス基板の化学強化処理装置は、請求項1から請求項3
のいずれか一項に記載の発明において、前記化学強化塩
溶融槽は加熱装置を備え、その加熱装置による加熱温度
を化学強化槽の加熱温度より高く設定して化学強化塩を
溶融するように構成したものである。
【0013】請求項5に記載の発明の情報記録媒体用ガ
ラス基板の化学強化処理方法は、請求項1に記載の情報
記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置を使用し、化
学強化塩溶融槽で化学強化塩を溶融した後、化学強化槽
で化学強化処理を行うことを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施形
態について図面に従って詳細に説明する。まず、磁気記
録媒体等の情報記録媒体用ガラス基板の製造装置は、表
面研磨処理装置、化学強化処理装置及び水洗処理装置等
を備えている。そして、これらの装置を用い、シート状
に形成されたガラス素板の表面研磨処理、化学強化処理
及び水洗処理等を施すことにより情報記録媒体用のガラ
ス基板が得られる。
【0015】ガラス素板はシート状のガラスであれば、
どのような製造方法によって製造されたものであっても
よい。例えば、酸化スズ等の溶融金属上で所定の厚みに
成形されるフロート法によって製造されたガラス、重力
を利用したダウンドロー法によって製造されたガラス、
インゴットガラスをリドロー法でシート状にしたガラ
ス、金型上に落されたガラスをプレスして成形されたガ
ラス等であってもよい。
【0016】ガラス素板としては、二酸化珪素(SiO
2)、酸化ナトリウム(Na2O)及び酸化カルシウム
(CaO)を主成分としたソーダライムガラス、二酸化
珪素、アルミナ(Al23)、酸化ナトリウム及び酸化
リチウム(Li2O)を主成分としたアルミノシリケー
トガラス、その他ボロシリケートガラス、酸化リチウム
−二酸化珪素系ガラス、酸化リチウム−アルミナ−二酸
化珪素系ガラス等のガラスが使用される。また、その他
の成分として酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタ
ン(TiO2)、酸化ストロンチウム(SrO)等を含
有する化学強化用ガラスも使用される。ガラス素板は超
硬合金又はダイヤモンドを用いて円盤状(ドーナツ状)
に切断される。その大きさは、情報記録用のディスクと
して2インチ、2.5インチ、3インチなどの大きさに
対応して設定される。
【0017】表面研磨処理はガラス基板の周面の研磨、
記録面のラッピング研磨、精密研磨などから構成され
る。精密研磨は通常複数回に分けて順に研磨精度を高め
るように行われる。水洗処理は複数回行われ、加熱水を
使用したり、超音波を照射したりして行われる。
【0018】図1に示すように、化学強化処理装置11
は、ガラス基板の化学強化処理を行うための複数の化学
強化槽12a〜12dと、その化学強化槽12a〜12
dで用いられる化学強化塩を予め溶融する化学強化塩溶
融槽13とよりなっている。
【0019】化学強化塩溶融槽13は第1収容室14に
収容され、複数の化学強化槽12a〜12dは第1収容
室14とは別個の第2収容室15に収容されている。化
学強化塩溶融槽13の斜め上方位置には、粉末状の化学
強化塩16を化学強化塩溶融槽13に投入するための投
入用容器17が配設されている。化学強化塩溶融槽13
の側壁には加熱装置44が配設され、化学強化塩溶融槽
13内に投入された粉末状の化学強化塩16を加熱溶融
して溶融液18を形成するようになっている。また、化
学強化塩溶融槽13には化学強化塩16の溶融時に溶融
液18が飛散しないように蓋板19が備えられている。
【0020】そして、投入用容器17から化学強化塩溶
融槽13に投入された化学強化塩16は加熱されて溶融
されるとともに、エージングされて溶融液18となる。
この溶融液18が長時間加熱されることにより、内部の
気泡が除去され、ガラス基板表面に付着する気泡が減少
して局部的に化学強化処理が不充分なスポットを生ずる
のを抑制するようになっている。しかも、ガラス基板表
面を荒らす亜硝酸塩〔亜硝酸カリウム(KNO2)な
ど〕を分解して除去し、化学強化後のガラス基板表面を
平滑なものにするようになっている。化学強化塩溶融槽
13における化学強化塩16の加熱温度は380〜43
0℃であり、後述する化学強化槽12a〜12dの加熱
温度より30〜60℃程度高く設定することが望まし
い。化学強化塩16の加熱温度をこのように高く設定す
ることにより、亜硝酸塩を充分に分解して除去し、化学
強化槽12a〜12dでの亜硝酸塩の存在量を低減させ
ることができる。
【0021】第1収容室14に収容される化学強化塩溶
融槽13の1槽当たり、第2収容室15に収容される化
学強化槽12a〜12dは2〜10槽であることが、化
学強化における生産効率を向上させるために望ましい。
【0022】化学強化槽12は有底四角箱状をなし、第
1から第4化学強化槽12a〜12dの4槽よりなる
が、図中二点鎖線で示す第4化学強化槽12dは必要に
応じて配設されるものである。また、この実施形態では
第1化学強化槽12a及び第2化学強化槽12bの2槽
を使用し、第3化学強化槽12cはしない。各化学強化
槽12a〜12dの側壁及び底壁には、加熱装置として
のシーズヒータ45が設けられている。また、各化学強
化槽12a〜12dには化学強化処理時に内部の加熱状
態を保持するための蓋体20が備えられている。
【0023】ここで、円盤状をなす多数枚のガラス基板
を保持する化学強化用のホルダーについて説明する。図
2に示すように、ホルダー21のホルダー本体22は、
左右一対の側板25が複数の連結板26で連結されてい
る。両側板25にはそれぞれ複数のスリット27が互い
に対向するように設けられ、それらスリット27にはガ
ラス基板28を支持する板状の支持部材29の両端が挿
入係止されている。
【0024】この支持部材29はガラス基板28の中心
を通る水平線上の前後に一対及び底部に1個の合計3箇
所に配置され、そのような構成が前後に2列設けられて
いる。また、支持部材29は長さ方向に波状に形成され
るとともに、幅方向に湾曲形成され、その膨出部がガラ
ス基板を支持する側に向いている。そして、多数のガラ
ス基板28は支持部材29の波状に形成されたそれらの
溝部に支持されるようになっている。例えば、1列に5
0枚のガラス基板28を収容すると、化学強化用のホル
ダー21が1個で100枚のガラス基板28が保持され
る。
【0025】続いて、化学強化用のホルダー21を収容
するケージについて説明する。図3に示すように、ケー
ジ30を構成するケージ本体31は枠体32によって四
角枠状に形成され、水平方向に延びる支持枠33が上下
方向に複数段にわたって支持されている。そして、前記
ホルダー21が上下左右に並べて収容されるようになっ
ている。従って、例えば1個のケージ30に48個のホ
ルダー21が収容されると、ケージ30が1個で480
0枚のガラス基板28が収容される。
【0026】図1に示すように、ケージ本体31を吊り
下げ、化学強化槽12a内の化学強化塩16の溶融液1
8中に降ろして浸漬させるようになっている。この場
合、ケージ本体31を予熱してから化学強化槽12a内
の溶融液18中に降ろして浸漬させるようにしてもよ
い。その後、蓋体20を閉めて化学強化塩16の溶融液
18を加熱することにより、ホルダー21に保持された
多数のガラス基板28表面が化学強化処理される。
【0027】すなわち、化学強化塩16は硝酸カリウム
と硝酸ナトリウムとの混合物よりなり、投入用容器17
中では粉末状の形態をなしている。この化学強化塩16
は化学強化塩溶融槽13で加熱溶融され、第1及び第2
化学強化槽12a,12bに貯留される。そして、ガラ
ス基板28が各化学強化槽12a,12b中の溶融液1
8中に浸漬され、ガラス中のナトリウムイオン(N
+)及びリチウムイオン(Li+)がそれらよりイオン
半径の大きいカリウムイオン(K+)又はナトリウムイ
オン(Na+)に置き換えられる(イオン交換され
る)。これにより、ガラス基板28表面に圧縮応力層が
形成され、ガラス表面が強化されるようになっている。
【0028】表面に化学強化処理が施されたガラス基板
28は、ガラス基板28の取扱い時の機械的な衝撃やガ
ラス基板28表面に磁性膜を形成する際に受ける熱衝撃
に耐えることができ、ハードディスクドライブに組み込
まれた後の長期間の使用での信頼性も高めることができ
る。
【0029】化学強化塩溶融槽13の底部から供給管3
6が延設され、その供給管36から枝分かれした複数の
供給用分岐管37が各化学強化槽12a〜12dに接続
されている。化学強化塩溶融槽13の近傍に位置する供
給管36には元バルブ38が設けられ、各供給用分岐管
37には、化学強化塩溶融槽13で溶融された化学強化
塩16の溶融液18を化学強化槽12に供給するための
供給用バルブ39が設けられている。
【0030】各化学強化槽12a〜12dは、第2収容
室15内において同一の高さに設置され、前記化学強化
塩溶融槽13は各化学強化槽12a〜12dより高い位
置に設置されている。そして、化学強化塩溶融槽13で
溶融された溶融液18が重力によって供給管36及び各
供給用分岐管37を介して各化学強化槽12a〜12d
に供給されるようになっている。この場合、ポンプを用
いて溶融液18を供給しないので、ポンプから微量漏れ
る溶融液18による発塵を防止することができるように
構成されている。
【0031】各化学強化槽12a〜12dの底部には排
出用分岐管40の一端が接続され、それら排出用分岐管
40の他端はそれぞれ排出管41に接続されている。排
出管41の先端部は、第1収容室14に設けられた廃液
槽42に達している。各排出管41には、排出用バルブ
43が設けられ、溶融液18を繰り返し使用した後に排
出するようになっている。そして、各化学強化槽12a
〜12dから排出される溶融液18が排出用分岐管40
及び排出管41を経て廃液槽42に排出されるようにな
っている。
【0032】前記第2収容室15はクリーンルーム、す
なわちその雰囲気中に1立方フィート(0.028立方
メートル)当たり0.3μm以上の粒径を有する微粒子
が好ましくは1万個以下、さらに好ましくは1000個
以下の清浄度を有する部屋である。第2収容室15は空
気清浄装置により、常に上記清浄度に維持されるように
なっている。この雰囲気中の清浄度が1万個を越える場
合、ガラス基板28表面が汚染されやすくなって好まし
くない。なお、微粒子の粒径の上限については特に規定
されないが、通常は100μm程度である。
【0033】前記化学強化槽12a〜12dは耐火物
(セラミックス)で形成され、化学強化塩溶融槽13、
供給管36、各供給用分岐管37、排出用分岐管40、
排出管41等はステンレス鋼で形成されている。
【0034】このようにして化学強化処理されたガラス
基板28は、精密研磨処理、水洗処理、さらに乾燥処理
が施される。その後、ガラス基板28の記録面に下地
膜、磁性膜、保護膜、潤滑膜等が形成され、情報記録媒
体用のガラス基板28が製造される。
【0035】次に、上述したガラス基板の化学強化処理
装置を用いた化学強化処理方法について説明する。さ
て、図1に示すように、化学強化塩溶融槽13の蓋板1
9を開いた状態で、投入用容器17から化学強化塩溶融
槽13内に粉末状の化学強化塩16が投入される。化学
強化塩溶融槽13では加熱により化学強化塩16が溶融
されて溶融液18が形成される。一方、化学強化槽12
a〜12d側では、排出用バルブ43を閉じ、元バルブ
38及び供給用バルブ39を開くことにより、溶融液1
8が供給管36及び各供給用分岐管37を介して第1化
学強化槽12a及び第2化学強化槽12bに供給され
る。その後、元バルブ38及び供給用バルブ39が閉じ
られる。
【0036】続いて、多数枚のガラス基板28が保持さ
れた複数のホルダー21がケージ30に収容された状態
(図1の実線)で吊り下げられ、第1化学強化槽12a
内に浸漬される(図1の二点鎖線)。図示しないが、第
2化学強化槽12b内にもホルダー21が収容されたケ
ージ30が浸漬される。そして、各化学強化槽12a〜
12dに蓋体20が被せられた後、溶融液18がガラス
の歪点より50〜150℃低い温度、好ましくは溶融液
18自体の温度が350〜400℃になるように加熱さ
れる。その状態で数時間、例えば3〜5時間保持される
ことにより、ガラス基板28中のナトリウムイオン及び
リチウムイオンがそれらよりイオン半径の大きいカリウ
ムイオン又はナトリウムイオンに置き換えられる。この
ため、ガラス基板28表面に100〜200μm程度の
深さで圧縮応力層が形成され、ガラス基板28表面が化
学強化される。
【0037】ガラス基板28に対する化学強化処理が行
われた後、ホルダー21を収容したケージ30が引き上
げられ、冷却される。各化学強化槽12a,12bで
は、このような化学強化処理が新たなガラス基板28に
ついて所定回数繰返して行われる。その後、排出用バル
ブ43が開かれることによって、化学強化槽12a,1
2b内の溶融液18が排出用分岐管40から排出管41
を経て廃液槽42へ流入される。
【0038】上記のように、第1収容室14には化学強
化塩溶融槽13と廃液槽42とが設けられ、第2収容室
15には化学強化槽12a,12bのみが設けられてい
る。そのため、第2収容室15においては、化学強化塩
16の粉末が舞い上がったり、化学強化塩溶融槽13や
廃液槽42に付着した溶融液18が乾燥して舞い上がっ
たりするおそれがない。従って、第2収容室15内の雰
囲気の清浄度を良好に維持することができる。
【0039】しかも、化学強化塩溶融槽13を、化学強
化槽12a,12bが収容されている第2収容室15と
は別個の第1収容室14に設け、化学強化処理とは関係
なく独立して化学強化塩16の溶融及びエージングを行
うことができる。従って、化学強化処理における作業能
率が良い。
【0040】以上の実施形態により発揮される効果を以
下にまとめて説明する。 ・ 実施形態で説明した情報記録媒体用ガラス基板の化
学強化処理装置11では、化学強化塩16によりガラス
基板28の化学強化処理を行う第1及び第2化学強化槽
12a,12bと、各化学強化槽12a,12bで用いら
れる化学強化塩16を予め溶融する化学強化塩溶融槽1
3とを、第2収容室15と第1収容室14に別個に収容
した。このため、各化学強化槽12a,12bが収容さ
れた第2収容室15内においては、化学強化塩溶融槽1
3で発生する汚染を防止でき、第2収容室15内の雰囲
気を清浄にすることができる。その結果、ガラス基板2
8表面の汚染を抑制することができる。
【0041】・ また、第1収容室14に収容された化
学強化塩溶融槽13にて化学強化槽12a,12bでの
化学強化処理とは関係なく、化学強化塩16の溶融を行
うことができる。すなわち、化学強化槽12a,12b
での化学強化処理と、化学強化塩16の溶融とを同時に
併行して行うことが可能である。従って、化学強化処理
における生産効率を向上させることができる。
【0042】・ 各化学強化槽12a,12bから排出
される廃液を排出管41を介して化学強化塩溶融槽13
を収容する第1収容室14に収容された廃液槽42で受
けるように構成した。このため、各化学強化槽12a,
12bから排出される廃液に基づく汚染を防止して第2
収容室15内の雰囲気をより清浄にし、ガラス基板28
表面の汚染をさらに抑制することができる。
【0043】・ 化学強化槽12a,12bを収容する
第2収容室15を、その雰囲気に0.3μm以上の微粒
子が1万個以下となるクリーンルームとした。従って、
化学強化槽12a,12bを収容する第2収容室15の
清浄度を高めることができる。
【0044】・ 化学強化塩16のエージングを化学強
化槽12a,12bを収容する第2収容室15とは異な
る第1収容室14の化学強化塩溶融槽13にて行うよう
にしたので、生産効率を一層向上させることができる。
【0045】・ 実施形態における情報記録媒体用ガラ
ス基板の化学強化処理方法によれば、上記製造装置の発
明の効果に加え、ガラス基板28の化学強化を簡単な操
作で円滑に行うことができる。
【0046】なお、本実施形態は、次のように変更して
具体化することも可能である。 ・ 耐火物により形成された各化学強化槽12a〜12
dをステンレス鋼などの容器で覆うように構成してもよ
い。このように構成した場合、耐火物よりなる化学強化
槽12a〜12dからの発塵を抑制することができる。
【0047】・ 第2収容室15を、第1〜第4化学強
化槽12a〜12d毎に区画壁を設けて4つの部屋に分
けてもよい。この構成によれば、例えば第1化学強化槽
12aについて、その他の第2化学強化槽12b等の化
学強化塩16に基づく汚染を防止することができる。
【0048】・ 第1収容室14を、化学強化塩溶融槽
13を有する部屋と廃液槽42を有する部屋に分けても
よい。この場合、化学強化塩溶融槽13を有する部屋の
雰囲気が廃液槽42の廃液に基づく発塵により汚染され
るのを防止することができる。
【0049】・ 化学強化塩溶融槽13における化学強
化塩16の溶融を撹拌機で強制的に撹拌して行うように
構成してもよい。 ・ ホルダー21の各側板25にU字状又はV字状の切
欠きを設けたり、複数の孔をあけたりしてもよい。或い
は、各側板25を格子状に構成することにより、各側板
25に孔を設けてもよい。このように構成した場合、化
学強化塩16の溶融液18が各側板25側から流通し、
ガラス基板28の化学強化を一層効率良く行うことがで
きる。
【0050】次に上記実施形態から把握できる技術的思
想について以下に追記する。 (1) 前記化学強化塩溶融槽1槽当たり、化学強化槽
が2〜10槽である請求項1から請求項4のいずれか一
項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装
置。このように構成した場合、化学強化処理における生
産効率を向上させることができる。 (2) 前記化学強化槽と化学強化塩溶融槽とを化学強
化塩が溶融された溶融液を供給する供給管で接続すると
ともに、化学強化塩溶融槽を化学強化槽より高い位置に
設置し、溶融液を化学強化塩溶融槽から化学強化槽へ供
給管を介して重力により供給するように構成した請求項
1から請求項4のいずれか一項に記載の情報記録媒体用
ガラス基板の化学強化処理装置。このように構成した場
合、溶融液の供給をポンプを用いることなく行うことが
でき、ポンプから漏洩する溶融液による収容室の汚染を
防止することができる。 (3) 表面研磨処理装置、化学強化処理装置及び水洗
処理装置を用い、シート状に形成されたガラス素板の表
面研磨処理、化学強化処理及び水洗処理を施して情報記
録媒体用ガラス基板を製造する情報記録媒体用ガラス基
板の製造装置であって、化学強化処理装置は、硝酸カリ
ウムを含む化学強化塩によりガラス基板の化学強化処理
を行うための化学強化槽と、前記化学強化槽で用いられ
る化学強化塩を予め溶融する化学強化塩溶融槽とを備
え、これら各槽を別個の収容室に収容したことを特徴と
する情報記録媒体用ガラス基板の製造装置。
【0051】このように構成した場合、化学強化槽を収
容する収容室内の雰囲気を清浄にし、ガラス基板表面の
汚染を抑制できると同時に、化学強化処理における生産
効率を向上させることができる。 (4) 上記(3)に記載の情報記録媒体用ガラス基板
の製造装置を使用し、化学強化塩溶融槽で化学強化塩を
溶融した後、化学強化槽で化学強化処理を行うことを特
徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
【0052】この製造方法によれば、化学強化槽を収容
する収容室内の雰囲気を清浄にし、ガラス基板表面の汚
染を抑制するとともに、化学強化処理における生産効率
を向上させることができる。 (5) 前記廃液槽は化学強化塩溶融槽を収容する収容
室に設けられている請求項2に記載の情報記録媒体用ガ
ラス基板の化学強化処理装置。このように構成した場
合、化学強化塩溶融槽を収容する収容室において、化学
強化塩の溶融と化学強化槽から排出される廃液の処理を
行うことができる。
【0053】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているた
め、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明の
情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置によれ
ば、化学強化槽を収容する収容室内の雰囲気を清浄に
し、ガラス基板表面の汚染を抑制することができるとと
もに、化学強化処理における生産効率を向上させること
ができる。
【0054】請求項2に記載の発明の情報記録媒体用ガ
ラス基板の化学強化処理装置によれば、請求項1に記載
の発明の効果に加え、化学強化槽から排出される廃液に
基づく汚染を防止して収容室内の雰囲気をより清浄に
し、ガラス基板表面の汚染をさらに抑制することができ
る。
【0055】請求項3に記載の発明の情報記録媒体用ガ
ラス基板の化学強化処理装置によれば、請求項1又は請
求項2に記載の発明の効果に加え、化学強化槽を収容す
る収容室をクリーンルームにすることにより、その収容
室の清浄度を高めることができる。
【0056】請求項4に記載の発明の情報記録媒体用ガ
ラス基板の化学強化処理装置によれば、請求項1から請
求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、化学
強化後のガラス基板表面を平滑なものにすることができ
る。
【0057】請求項5に記載の発明の情報記録媒体用ガ
ラス基板の化学強化処理方法によれば、化学強化槽を収
容する収容室内の雰囲気を清浄にし、ガラス基板表面の
汚染を抑制することができるとともに、化学強化におけ
る生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態における情報記録媒体用ガラス基板
の化学強化装置を示す概略説明図。
【図2】 ガラス基板のホルダーを示す斜視図。
【図3】 ホルダーを収容したケージを示す正面図。
【符号の説明】
12…化学強化槽、12a…第1化学強化槽、12b…
第2化学強化槽、12c…第3化学強化槽、12d…第
4化学強化槽、13…化学強化塩溶融槽、14…第1収
容室、15…第2収容室、16…化学強化塩、28…ガ
ラス基板、41…排出管、42…廃液槽、44…加熱装
置。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硝酸カリウムを含む化学強化塩によりガ
    ラス基板の化学強化処理を行うための化学強化槽と、該
    化学強化槽で用いられる化学強化塩を予め溶融する化学
    強化塩溶融槽とを備え、これら化学強化槽と化学強化塩
    溶融槽とを別個の収容室に収容したことを特徴とする情
    報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置。
  2. 【請求項2】 前記化学強化槽から排出される廃液を排
    出管を介して化学強化槽の外部に設けられた廃液槽で受
    けるように構成した請求項1に記載の情報記録媒体用ガ
    ラス基板の化学強化処理装置。
  3. 【請求項3】 前記化学強化槽を収容する収容室は、そ
    の雰囲気中の1立方フィート(0.028立方メート
    ル)当たり0.3μm以上の微粒子が1万個以下のクリ
    ーンルームである請求項1又は請求項2に記載の情報記
    録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置。
  4. 【請求項4】 前記化学強化塩溶融槽は加熱装置を備
    え、その加熱装置による加熱温度を化学強化槽の加熱温
    度より高く設定して化学強化塩を溶融するように構成し
    た請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報記
    録媒体用ガラス基板の化学強化処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の情報記録媒体用ガラス
    基板の化学強化処理装置を使用し、化学強化塩溶融槽で
    化学強化塩を溶融した後、化学強化槽で化学強化処理を
    行うことを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の化学
    強化処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008204521A (ja) * 2007-02-19 2008-09-04 Hoya Corp 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法および化学強化装置
CN102344241A (zh) * 2011-06-14 2012-02-08 胡伟 一种玻璃化学强化炉系统及其进行玻璃化学强化的方法

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