JP2003146706A - 情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理方法及び化学強化処理装置 - Google Patents
情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理方法及び化学強化処理装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 化学強化処理後のガラス基板の強度を確保す
ることができ、かつ平坦度を維持することができ、化学
強化処理を効率良く行うことができる情報記録媒体用ガ
ラス基板の化学強化処理方法及び化学強化処理装置を提
供する。 【解決手段】 化学強化槽内の加熱溶融した化学強化処
理液14中に、複数のガラス基板23をホルダーの支持
部材22に支持された状態で浸漬する。これにより、ガ
ラス基板23中の表面近傍に存在するリチウムイオン及
びナトリウムイオンと、化学強化処理液14中のリチウ
ムイオン及びナトリウムイオンよりもイオン半径の大き
いカリウムイオンとがイオン交換されて化学強化処理が
行われる。このとき、対向するガラス基板23間に存在
する化学強化処理液14の量は、ガラス基板23の表面
積に対して1.4〜71g/cm2に設定されている。
対向するガラス基板23の間隔は0.3〜1.3cmで
あることが望ましい。
ることができ、かつ平坦度を維持することができ、化学
強化処理を効率良く行うことができる情報記録媒体用ガ
ラス基板の化学強化処理方法及び化学強化処理装置を提
供する。 【解決手段】 化学強化槽内の加熱溶融した化学強化処
理液14中に、複数のガラス基板23をホルダーの支持
部材22に支持された状態で浸漬する。これにより、ガ
ラス基板23中の表面近傍に存在するリチウムイオン及
びナトリウムイオンと、化学強化処理液14中のリチウ
ムイオン及びナトリウムイオンよりもイオン半径の大き
いカリウムイオンとがイオン交換されて化学強化処理が
行われる。このとき、対向するガラス基板23間に存在
する化学強化処理液14の量は、ガラス基板23の表面
積に対して1.4〜71g/cm2に設定されている。
対向するガラス基板23の間隔は0.3〜1.3cmで
あることが望ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク、光
磁気ディスク、光ディスク等の情報記録媒体に用いられ
るガラス基板の化学強化処理方法及び化学強化処理装置
に関するものである。さらに詳しくは、化学強化処理後
のガラス基板の強度を維持することができるとともに、
安定した品質のガラス基板が得られる情報記録媒体用ガ
ラス基板の化学強化処理方法及び化学強化処理装置に関
するものである。
磁気ディスク、光ディスク等の情報記録媒体に用いられ
るガラス基板の化学強化処理方法及び化学強化処理装置
に関するものである。さらに詳しくは、化学強化処理後
のガラス基板の強度を維持することができるとともに、
安定した品質のガラス基板が得られる情報記録媒体用ガ
ラス基板の化学強化処理方法及び化学強化処理装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のガラス基板は中心に円孔
を有する円盤状に形成され、基板として所望される強度
を得るために、化学強化槽内に貯留された化学強化処理
液中に浸漬されることによってその表面が化学強化処理
されている。化学強化処理液としては、硝酸カリウム
(KNO3)等の溶融塩を加熱溶融して得られた溶融液
が用いられる。この場合、ガラス基板は複数枚が縦に並
行して並べられた状態で化学強化用のホルダーに収容さ
れ、そのホルダーが化学強化槽内の化学強化処理液中に
浸漬される。そして、ガラス基板中の表面近傍に存在す
るリチウムイオン(Li+)やナトリウムイオン(N
a+)をこれらよりイオン半径の大きいカリウムイオン
(K+)にイオン交換することにより行われる。このた
め、化学強化処理されたガラス基板の表面には、圧縮応
力層が形成されることにより化学強化される。
を有する円盤状に形成され、基板として所望される強度
を得るために、化学強化槽内に貯留された化学強化処理
液中に浸漬されることによってその表面が化学強化処理
されている。化学強化処理液としては、硝酸カリウム
(KNO3)等の溶融塩を加熱溶融して得られた溶融液
が用いられる。この場合、ガラス基板は複数枚が縦に並
行して並べられた状態で化学強化用のホルダーに収容さ
れ、そのホルダーが化学強化槽内の化学強化処理液中に
浸漬される。そして、ガラス基板中の表面近傍に存在す
るリチウムイオン(Li+)やナトリウムイオン(N
a+)をこれらよりイオン半径の大きいカリウムイオン
(K+)にイオン交換することにより行われる。このた
め、化学強化処理されたガラス基板の表面には、圧縮応
力層が形成されることにより化学強化される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ガラス基板
の化学強化は主としてガラス基板の表裏面で行われるた
め、ガラス基板の表裏面の付近には化学強化処理液中の
カリウムイオン(K+)が充分に存在している必要があ
る。すなわち、ホルダー内で並列に並べられたガラス基
板間に存在する化学強化処理液が充分に確保されている
必要がある。
の化学強化は主としてガラス基板の表裏面で行われるた
め、ガラス基板の表裏面の付近には化学強化処理液中の
カリウムイオン(K+)が充分に存在している必要があ
る。すなわち、ホルダー内で並列に並べられたガラス基
板間に存在する化学強化処理液が充分に確保されている
必要がある。
【0004】従って、各ガラス基板間に存在する化学強
化処理液が不充分なときには、ガラス基板表面の化学強
化に必要なカリウムイオン(K+)が不足し、化学強化
が均一かつ充分に行われない。その結果、得られるガラ
ス基板の強度を確保することができなくなるうえに、平
坦度が悪くなる。一方、各ガラス基板間に存在する化学
強化処理液が多過ぎるときには、化学強化処理液の量に
対するガラス基板の割合が少なく化学強化処理の効率が
極めて悪くなる。
化処理液が不充分なときには、ガラス基板表面の化学強
化に必要なカリウムイオン(K+)が不足し、化学強化
が均一かつ充分に行われない。その結果、得られるガラ
ス基板の強度を確保することができなくなるうえに、平
坦度が悪くなる。一方、各ガラス基板間に存在する化学
強化処理液が多過ぎるときには、化学強化処理液の量に
対するガラス基板の割合が少なく化学強化処理の効率が
極めて悪くなる。
【0005】本発明は、上記のような従来技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、化学強化処理後のガラス基板の強度を確保
することができ、かつ平坦度を維持することができると
ともに、化学強化処理を効率良く行うことができる情報
記録媒体用ガラス基板の化学強化処理方法及び化学強化
処理装置を提供することにある。
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、化学強化処理後のガラス基板の強度を確保
することができ、かつ平坦度を維持することができると
ともに、化学強化処理を効率良く行うことができる情報
記録媒体用ガラス基板の化学強化処理方法及び化学強化
処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明の情報記録媒体用ガラス基
板の化学強化処理方法は、溶融塩を加熱溶融した化学強
化処理液中に複数のガラス基板を並べて浸漬し、ガラス
基板中の表面近傍に存在する一価の金属イオンと、化学
強化処理液に含有され、前記一価の金属イオンよりもイ
オン半径の大きい一価の金属イオンとをイオン交換して
ガラス基板を化学強化処理する情報記録媒体用ガラス基
板の化学強化処理方法であって、対向するガラス基板間
に存在する化学強化処理液の量は、ガラス基板の表面積
に対して1.4〜71g/cm2の範囲に設定されてい
ることを特徴とするものである。
めに、請求項1に記載の発明の情報記録媒体用ガラス基
板の化学強化処理方法は、溶融塩を加熱溶融した化学強
化処理液中に複数のガラス基板を並べて浸漬し、ガラス
基板中の表面近傍に存在する一価の金属イオンと、化学
強化処理液に含有され、前記一価の金属イオンよりもイ
オン半径の大きい一価の金属イオンとをイオン交換して
ガラス基板を化学強化処理する情報記録媒体用ガラス基
板の化学強化処理方法であって、対向するガラス基板間
に存在する化学強化処理液の量は、ガラス基板の表面積
に対して1.4〜71g/cm2の範囲に設定されてい
ることを特徴とするものである。
【0007】請求項2に記載の発明の情報記録媒体用ガ
ラス基板の化学強化処理方法は、請求項1に記載の発明
において、前記対向するガラス基板の間隔が0.3〜
1.3cmの範囲に設定されているものである。
ラス基板の化学強化処理方法は、請求項1に記載の発明
において、前記対向するガラス基板の間隔が0.3〜
1.3cmの範囲に設定されているものである。
【0008】請求項3に記載の発明の情報記録媒体用ガ
ラス基板の化学強化処理装置は、請求項1に記載の情報
記録媒体用ガラス基板の化学強化処理方法に用いられる
化学強化処理装置であって、溶融塩を加熱溶融した化学
強化処理液を収容する化学強化槽と、複数のガラス基板
を並べて化学強化液中に浸漬するための化学強化用ホル
ダーとを備え、対向するガラス基板間に存在する化学強
化処理液の量が、ガラス基板の表面積に対して1.4〜
71g/cm2の範囲に設定されていることを特徴とす
るものである。
ラス基板の化学強化処理装置は、請求項1に記載の情報
記録媒体用ガラス基板の化学強化処理方法に用いられる
化学強化処理装置であって、溶融塩を加熱溶融した化学
強化処理液を収容する化学強化槽と、複数のガラス基板
を並べて化学強化液中に浸漬するための化学強化用ホル
ダーとを備え、対向するガラス基板間に存在する化学強
化処理液の量が、ガラス基板の表面積に対して1.4〜
71g/cm2の範囲に設定されていることを特徴とす
るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。図3及び図4に示すように、
化学強化処理装置11を構成する化学強化槽12は有底
長四角箱状をなし、その四隅に設けられた支持脚13に
よって支持されている。化学強化槽12内の下部には、
溶融塩が加熱溶融された化学強化処理液14が収容され
るようになっている。溶融塩の具体例としては、KNO
3、NaNO3、硝酸銀(AgNO3)等が挙げられ、そ
れらの溶融塩がそれぞれ単独又は2種以上混合して使用
される。本実施形態では化学強化処理液14は、KNO
3とNaNO3とを加熱溶融した溶融液から構成されてい
る。
基づいて詳細に説明する。図3及び図4に示すように、
化学強化処理装置11を構成する化学強化槽12は有底
長四角箱状をなし、その四隅に設けられた支持脚13に
よって支持されている。化学強化槽12内の下部には、
溶融塩が加熱溶融された化学強化処理液14が収容され
るようになっている。溶融塩の具体例としては、KNO
3、NaNO3、硝酸銀(AgNO3)等が挙げられ、そ
れらの溶融塩がそれぞれ単独又は2種以上混合して使用
される。本実施形態では化学強化処理液14は、KNO
3とNaNO3とを加熱溶融した溶融液から構成されてい
る。
【0010】化学強化槽12内の底壁12b近傍位置に
は両端が側壁12aに支持された支持枠15が配置さ
れ、後述するケージ16が載置されるように構成されて
いる。このケージ16には複数枚のガラス基板が保持さ
れた化学強化用ホルダーが複数個収容されている。化学
強化槽12の底壁12a中央部には使用済みの化学強化
処理液14を排出するための排出管17が取付けられて
いる。
は両端が側壁12aに支持された支持枠15が配置さ
れ、後述するケージ16が載置されるように構成されて
いる。このケージ16には複数枚のガラス基板が保持さ
れた化学強化用ホルダーが複数個収容されている。化学
強化槽12の底壁12a中央部には使用済みの化学強化
処理液14を排出するための排出管17が取付けられて
いる。
【0011】ここで、図5に従い化学強化用ホルダー
(以下、単にホルダーともいう)18について説明す
る。一対の側板19は複数の連結板20によって連結さ
れ、両側板19が一定の間隔になるように保持されてい
る。各側板19の中央部の左右位置及び下部位置には、
上下又は左右に延びるスリット21が互いに対向するよ
うに複数透設されている。各対向位置にあるスリット2
1には板状をなす支持部材22の両端が挿通支持されて
いる。この支持部材22は幅方向に湾曲形成されるとと
もに、長さ方向に波状に形成されている。波状に形成さ
れた部分の溝22aにはガラス基板23の外周縁が係止
されるようになっている。
(以下、単にホルダーともいう)18について説明す
る。一対の側板19は複数の連結板20によって連結さ
れ、両側板19が一定の間隔になるように保持されてい
る。各側板19の中央部の左右位置及び下部位置には、
上下又は左右に延びるスリット21が互いに対向するよ
うに複数透設されている。各対向位置にあるスリット2
1には板状をなす支持部材22の両端が挿通支持されて
いる。この支持部材22は幅方向に湾曲形成されるとと
もに、長さ方向に波状に形成されている。波状に形成さ
れた部分の溝22aにはガラス基板23の外周縁が係止
されるようになっている。
【0012】この実施形態では、図2に示すように、ガ
ラス基板23の中心を通る水平方向の左右位置及びガラ
ス基板の最下部位置に支持部材22が設けられ、それら
の膨出部22bの外面に形成された溝22aに複数のガ
ラス基板23が一定間隔をおいて保持されている。ガラ
ス基板23の中心を通る水平方向の左右位置にある両支
持部材22の溝22aの中央部とガラス基板23の中心
を結ぶ線の下側のなす角度θは160度を越え180度
以下であることが好ましい。この角度θが160度以下
の場合にはガラス基板23の支持が不安定になりやす
く、180度を越える場合にはガラス基板23の支持部
材22間への挿入がしずらくなって好ましくない。さら
に、支持部材22の同様の構成が隣接位置に設けられ、
ガラス基板23は1つのホルダー18に2列に並ぶよう
に構成されている。
ラス基板23の中心を通る水平方向の左右位置及びガラ
ス基板の最下部位置に支持部材22が設けられ、それら
の膨出部22bの外面に形成された溝22aに複数のガ
ラス基板23が一定間隔をおいて保持されている。ガラ
ス基板23の中心を通る水平方向の左右位置にある両支
持部材22の溝22aの中央部とガラス基板23の中心
を結ぶ線の下側のなす角度θは160度を越え180度
以下であることが好ましい。この角度θが160度以下
の場合にはガラス基板23の支持が不安定になりやす
く、180度を越える場合にはガラス基板23の支持部
材22間への挿入がしずらくなって好ましくない。さら
に、支持部材22の同様の構成が隣接位置に設けられ、
ガラス基板23は1つのホルダー18に2列に並ぶよう
に構成されている。
【0013】各ガラス基板23は、中央に円孔23aを
有したドーナツ板状をなし、磁気ディスク、光磁気ディ
スク、光ディスク等の情報記録媒体の基板として使用さ
れる。ガラス基板23を形成するガラス材料としては、
二酸化ケイ素(SiO2)、酸化ナトリウム(Na
2O)、酸化カルシウム(CaO)を主成分としたソー
ダライムガラス、SiO2、酸化アルミニウム(Al2O
3)、R2O(R=カリウム(K)、ナトリウム(N
a)、リチウム(Li))を主成分としたアルミノシリ
ケートガラス、ボロシリケートガラス、酸化リチウム
(Li2O)−SiO2系ガラス、Li2O−Al2O3−
SiO2系ガラス、R’O−Al2O3−SiO2系ガラス
(R’=マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、
ストロンチウム(Sr)又はバリウム(Ba))を使用
することができ、これらガラス材料に酸化ジルコニウム
(ZrO2)や酸化チタン(TiO2)等を添加した化学
強化用ガラスであれば特に限定されない。そして、ガラ
ス基板23は、例えば外径が89mm(3.5イン
チ)、76mm(3.0インチ)又は64mm(2.5
インチ)等に形成されるとともに、その厚みは0.63
mm等に形成される。
有したドーナツ板状をなし、磁気ディスク、光磁気ディ
スク、光ディスク等の情報記録媒体の基板として使用さ
れる。ガラス基板23を形成するガラス材料としては、
二酸化ケイ素(SiO2)、酸化ナトリウム(Na
2O)、酸化カルシウム(CaO)を主成分としたソー
ダライムガラス、SiO2、酸化アルミニウム(Al2O
3)、R2O(R=カリウム(K)、ナトリウム(N
a)、リチウム(Li))を主成分としたアルミノシリ
ケートガラス、ボロシリケートガラス、酸化リチウム
(Li2O)−SiO2系ガラス、Li2O−Al2O3−
SiO2系ガラス、R’O−Al2O3−SiO2系ガラス
(R’=マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、
ストロンチウム(Sr)又はバリウム(Ba))を使用
することができ、これらガラス材料に酸化ジルコニウム
(ZrO2)や酸化チタン(TiO2)等を添加した化学
強化用ガラスであれば特に限定されない。そして、ガラ
ス基板23は、例えば外径が89mm(3.5イン
チ)、76mm(3.0インチ)又は64mm(2.5
インチ)等に形成されるとともに、その厚みは0.63
mm等に形成される。
【0014】次に、前記ケージ16について説明する。
図6に示すように、ケージ16は縦枠24及び横枠25
よりなる複数の保持枠26がそれぞれ両端部で連結され
ることによって横長四角枠体として構成されている。こ
の横長四角枠体内には図示しない架設枠が横方向に延び
るように保持枠26に架設され、その架設枠には複数の
ホルダー18が載置されるようになっている。
図6に示すように、ケージ16は縦枠24及び横枠25
よりなる複数の保持枠26がそれぞれ両端部で連結され
ることによって横長四角枠体として構成されている。こ
の横長四角枠体内には図示しない架設枠が横方向に延び
るように保持枠26に架設され、その架設枠には複数の
ホルダー18が載置されるようになっている。
【0015】図4に示すように、化学強化槽12の側壁
12a及び底壁12bには加熱手段としてのシーズヒー
タ27が設けられ(底壁のシーズヒータは図示略)、化
学強化処理液14を加熱して一定温度に保持している。
このときの化学強化処理液14の温度は、ガラス基板2
3を形成するガラス材料の歪点よりも好ましくは50〜
150℃程度低い温度であり、より好ましくは化学強化
処理液自体の温度が350〜400℃程度である。ガラ
ス材料の歪点よりも150℃程度低い温度未満では、ガ
ラス基板を充分に化学強化処理することができない。一
方、ガラス材料の歪点よりも50℃程度低い温度を越え
ると、ガラス基板23を化学強化処理するときに、ガラ
ス基板23に歪みが発生しやすい。
12a及び底壁12bには加熱手段としてのシーズヒー
タ27が設けられ(底壁のシーズヒータは図示略)、化
学強化処理液14を加熱して一定温度に保持している。
このときの化学強化処理液14の温度は、ガラス基板2
3を形成するガラス材料の歪点よりも好ましくは50〜
150℃程度低い温度であり、より好ましくは化学強化
処理液自体の温度が350〜400℃程度である。ガラ
ス材料の歪点よりも150℃程度低い温度未満では、ガ
ラス基板を充分に化学強化処理することができない。一
方、ガラス材料の歪点よりも50℃程度低い温度を越え
ると、ガラス基板23を化学強化処理するときに、ガラ
ス基板23に歪みが発生しやすい。
【0016】図1に示すように、ケージ16が化学強化
槽12内の化学強化処理液14中に浸漬されると、各ガ
ラス基板23中の表面近傍に存在する一価の金属イオン
であるLi+は化学強化処理液14中の一価の金属イオ
ンであるNa+やK+にイオン交換される。また、Na+
は化学強化処理液14中のK+にイオン交換される。イ
オン交換においては、イオン半径の小さい一価の金属イ
オンから、イオン半径の大きい一価の金属イオンへと変
換され、圧縮応力層が形成されて化学強化が行われる。
このため、化学強化処理液14中にはLi+やNa+が放
出され、特にLi +が増大する。
槽12内の化学強化処理液14中に浸漬されると、各ガ
ラス基板23中の表面近傍に存在する一価の金属イオン
であるLi+は化学強化処理液14中の一価の金属イオ
ンであるNa+やK+にイオン交換される。また、Na+
は化学強化処理液14中のK+にイオン交換される。イ
オン交換においては、イオン半径の小さい一価の金属イ
オンから、イオン半径の大きい一価の金属イオンへと変
換され、圧縮応力層が形成されて化学強化が行われる。
このため、化学強化処理液14中にはLi+やNa+が放
出され、特にLi +が増大する。
【0017】このように、化学強化処理はガラス基板2
3表面付近で行われることから、ガラス基板23間には
K+やNa+を含む化学強化処理液14が化学強化処理を
円滑に継続するに足る量だけ存在している必要がある。
そのような条件下に化学強化処理が円滑に行われ、ガラ
ス基板23全体の強度及び平坦度を確保することができ
る。
3表面付近で行われることから、ガラス基板23間には
K+やNa+を含む化学強化処理液14が化学強化処理を
円滑に継続するに足る量だけ存在している必要がある。
そのような条件下に化学強化処理が円滑に行われ、ガラ
ス基板23全体の強度及び平坦度を確保することができ
る。
【0018】そこで、対向するガラス基板23間におい
て、ガラス基板23の表面積に対する化学強化処理液1
4の量A(g/cm2)は、対向するガラス基板23間
の間隔B(cm)と化学強化処理液14の密度C(g/
cm3)とから下記式(1)により求められる。
て、ガラス基板23の表面積に対する化学強化処理液1
4の量A(g/cm2)は、対向するガラス基板23間
の間隔B(cm)と化学強化処理液14の密度C(g/
cm3)とから下記式(1)により求められる。
【0019】A=B×C …(1)
この値Aは1.4〜71(g/cm2)、好ましくは
2.0〜50(g/cm2)、さらに好ましくは3〜1
0(g/cm2)である。例えば、距離Bが0.7(c
m)に設定されるとともに、密度Cが2.2(g/cm
3)となるようにKNO3〔密度2.1(g/cm3)〕
及びNaNO3〔密度2.3(g/cm3)〕が混合され
て化学強化処理液14が構成されるときには、上記式
(1)より値Aは1.54(g/cm2)となる。
2.0〜50(g/cm2)、さらに好ましくは3〜1
0(g/cm2)である。例えば、距離Bが0.7(c
m)に設定されるとともに、密度Cが2.2(g/cm
3)となるようにKNO3〔密度2.1(g/cm3)〕
及びNaNO3〔密度2.3(g/cm3)〕が混合され
て化学強化処理液14が構成されるときには、上記式
(1)より値Aは1.54(g/cm2)となる。
【0020】値Aが1.4(g/cm2)未満では、対
向するガラス基板23間に存在する化学強化処理液14
の量が不足するために、ガラス基板23の全面を均一か
つ充分に化学強化処理することができない。一方、71
(g/cm2)を越えると、ガラス基板23間の距離B
が大きくなるために、化学強化用ホルダー18に保持さ
れるガラス基板23の枚数が少なくなる。このため、一
度に化学強化処理することができるガラス基板23の枚
数が減少して化学強化の処理効率が低下するとともに、
化学強化処理に要するコストが増大する。
向するガラス基板23間に存在する化学強化処理液14
の量が不足するために、ガラス基板23の全面を均一か
つ充分に化学強化処理することができない。一方、71
(g/cm2)を越えると、ガラス基板23間の距離B
が大きくなるために、化学強化用ホルダー18に保持さ
れるガラス基板23の枚数が少なくなる。このため、一
度に化学強化処理することができるガラス基板23の枚
数が減少して化学強化の処理効率が低下するとともに、
化学強化処理に要するコストが増大する。
【0021】また、対向するガラス基板23の間隔Bが
0.3〜1.3(cm)の範囲に設定されることが望ま
しい。対向するガラス基板23の間隔Bをこのような範
囲に設定することにより、対向するガラス基板23間に
存在する化学強化処理液14の量を適正に維持すること
ができる。この間隔Bが0.3(cm)未満の場合、対
向するガラス基板23の間隔Bが狭くなり過ぎてそこに
存在する化学強化処理液14の流動が不足しやすくな
り、ガラス基板11の全面を均一かつ充分に化学強化処
理しにくい傾向となる。一方、1.3(cm)を越える
場合、ガラス基板23の間隔Bが広くなり過ぎて、一度
に化学強化処理可能なガラス基板23の枚数が減少して
化学強化の処理効率が低下し、化学強化処理に要するコ
ストの増大を招きやすい。
0.3〜1.3(cm)の範囲に設定されることが望ま
しい。対向するガラス基板23の間隔Bをこのような範
囲に設定することにより、対向するガラス基板23間に
存在する化学強化処理液14の量を適正に維持すること
ができる。この間隔Bが0.3(cm)未満の場合、対
向するガラス基板23の間隔Bが狭くなり過ぎてそこに
存在する化学強化処理液14の流動が不足しやすくな
り、ガラス基板11の全面を均一かつ充分に化学強化処
理しにくい傾向となる。一方、1.3(cm)を越える
場合、ガラス基板23の間隔Bが広くなり過ぎて、一度
に化学強化処理可能なガラス基板23の枚数が減少して
化学強化の処理効率が低下し、化学強化処理に要するコ
ストの増大を招きやすい。
【0022】さらに、化学強化槽12において、ガラス
基板23の表面積に対する化学強化処理液14の量D
(g/cm2)は、化学強化槽12内の化学強化処理液
14の量E(g)と、一枚のガラス基板23の表面積F
(cm2)と、一度に化学強化処理されるガラス基板2
3の枚数G(枚)とから下記式(2)により求められ
る。
基板23の表面積に対する化学強化処理液14の量D
(g/cm2)は、化学強化槽12内の化学強化処理液
14の量E(g)と、一枚のガラス基板23の表面積F
(cm2)と、一度に化学強化処理されるガラス基板2
3の枚数G(枚)とから下記式(2)により求められ
る。
【0023】D=E/(F×G) …(2)
上記式(2)により算出される値Dは、化学強化処理液
14の寿命又は化学強化処理を行うために必要な化学強
化槽12の大きさを示している。この値Dは、化学強化
槽12の大きさ、その化学強化槽12内に収容される化
学強化処理液14の量、ガラス基板23の大きさ、ガラ
ス基板23の間隔などによって変動する。値Dは好まし
くは3〜8(g/cm2)である。例えば、外径64
(mm)、厚み0.63(mm)に形成されたガラス基
板23〔表面積Fは101.13(cm2)〕が化学強
化処理されるときに、化学強化処理液14の量Eを86
8(kg)とするとともに、枚数Gを2000枚と設定
したときには、上記式(2)より算出される値Dは4.
29(g/cm2)となる。
14の寿命又は化学強化処理を行うために必要な化学強
化槽12の大きさを示している。この値Dは、化学強化
槽12の大きさ、その化学強化槽12内に収容される化
学強化処理液14の量、ガラス基板23の大きさ、ガラ
ス基板23の間隔などによって変動する。値Dは好まし
くは3〜8(g/cm2)である。例えば、外径64
(mm)、厚み0.63(mm)に形成されたガラス基
板23〔表面積Fは101.13(cm2)〕が化学強
化処理されるときに、化学強化処理液14の量Eを86
8(kg)とするとともに、枚数Gを2000枚と設定
したときには、上記式(2)より算出される値Dは4.
29(g/cm2)となる。
【0024】値Dが3(g/cm2)未満の場合、ガラ
ス基板23の表面積に対する化学強化処理液14の量が
不足するために、化学強化処理液14の寿命が短くなる
とともに、ガラス基板23の全面をむらなく化学強化す
ることができなくなる。一方、8(g/cm2)越える
場合、ガラス基板23間以外の部分における化学強化処
理液14の量が増加し、ガラス基板23の化学強化処理
に寄与することが難しくなる。さらに、化学強化処理液
14の量が多くなるために化学強化槽12を大きくする
必要があり、化学強化処理に要するコストが増加しやす
い。
ス基板23の表面積に対する化学強化処理液14の量が
不足するために、化学強化処理液14の寿命が短くなる
とともに、ガラス基板23の全面をむらなく化学強化す
ることができなくなる。一方、8(g/cm2)越える
場合、ガラス基板23間以外の部分における化学強化処
理液14の量が増加し、ガラス基板23の化学強化処理
に寄与することが難しくなる。さらに、化学強化処理液
14の量が多くなるために化学強化槽12を大きくする
必要があり、化学強化処理に要するコストが増加しやす
い。
【0025】ガラス基板23は、このようなイオン交換
によりその表面に100〜200μmの厚さで圧縮応力
層が形成されて強度が高められることによって、情報記
録媒体として使用されるときに、高速回転による破損を
防止することができる。
によりその表面に100〜200μmの厚さで圧縮応力
層が形成されて強度が高められることによって、情報記
録媒体として使用されるときに、高速回転による破損を
防止することができる。
【0026】次に、このガラス基板23の化学強化処理
方法について説明する。さて、ガラス基板23を化学強
化処理するときには、まず複数枚のガラス基板23を2
列に並ぶように化学強化用ホルダー18内に保持した後
に、それら複数個の化学強化用ホルダー18をケージ1
6内に収容する。そのケージ16を、化学強化槽12内
のKNO3とNaNO3との加熱溶融液からなる化学強化
処理液14中に投入して、ガラス基板23を化学強化処
理液14中に数時間浸漬する。
方法について説明する。さて、ガラス基板23を化学強
化処理するときには、まず複数枚のガラス基板23を2
列に並ぶように化学強化用ホルダー18内に保持した後
に、それら複数個の化学強化用ホルダー18をケージ1
6内に収容する。そのケージ16を、化学強化槽12内
のKNO3とNaNO3との加熱溶融液からなる化学強化
処理液14中に投入して、ガラス基板23を化学強化処
理液14中に数時間浸漬する。
【0027】これにより、ガラス基板23中の表面近傍
に存在するLi+は化学強化処理液14中のNa+やK+
にイオン交換される。また、ガラス基板23中の表面近
傍に存在するNa+は化学強化処理液14中のK+にイオ
ン交換される。このため、化学強化処理されたガラス基
板23の枚数が増加するに伴い、化学強化処理液14中
のK+濃度は減少するとともにLi+濃度は増加する。ま
た、ガラス基板23と化学強化処理液14との間でNa
+の入替えが行われるために、化学強化処理液14中の
Na+濃度は変動する。係るイオン交換によりガラス基
板23が化学強化処理され、その表面付近に圧縮応力層
が形成される。
に存在するLi+は化学強化処理液14中のNa+やK+
にイオン交換される。また、ガラス基板23中の表面近
傍に存在するNa+は化学強化処理液14中のK+にイオ
ン交換される。このため、化学強化処理されたガラス基
板23の枚数が増加するに伴い、化学強化処理液14中
のK+濃度は減少するとともにLi+濃度は増加する。ま
た、ガラス基板23と化学強化処理液14との間でNa
+の入替えが行われるために、化学強化処理液14中の
Na+濃度は変動する。係るイオン交換によりガラス基
板23が化学強化処理され、その表面付近に圧縮応力層
が形成される。
【0028】このとき、前記式(1)で表される値Aが
1.4〜71(g/cm2)に設定され、対向するガラ
ス基板23の間隔Bが0.3〜1.3(cm)に設定さ
れ、かつ式(2)で表される値Dが3〜8(g/c
m2)に設定される。このため、対向するガラス基板2
3間には化学強化処理液14が化学強化処理に足る量だ
け存在すると同時に、化学強化槽12内には化学強化処
理液14が充足されている。従って、ガラス基板23の
化学強化処理が円滑に、しかも長時間にわたって安定し
た状態で連続的に行われる加えて、ガラス基板23間に
存在する化学強化処理液14は、主として化学強化槽1
2の底壁12bに設けられたシーズヒータ27の加熱に
よって緩やかな上昇流が生じ、その上昇流は層流になっ
て下方から上方へ流れる。このため、イオン交換によっ
てガラス基板23から出たLi+やNa+は上昇し、その
代りに新たな化学強化処理液14が下から上がってきて
その中に存在するK+がイオン交換に寄与することとな
る。なお、化学強化槽12の側壁12aに設けられたシ
ーズヒータ27により、その近傍に存在する化学強化処
理液14が加熱されて上昇流が生じて対流が起きてい
る。
1.4〜71(g/cm2)に設定され、対向するガラ
ス基板23の間隔Bが0.3〜1.3(cm)に設定さ
れ、かつ式(2)で表される値Dが3〜8(g/c
m2)に設定される。このため、対向するガラス基板2
3間には化学強化処理液14が化学強化処理に足る量だ
け存在すると同時に、化学強化槽12内には化学強化処
理液14が充足されている。従って、ガラス基板23の
化学強化処理が円滑に、しかも長時間にわたって安定し
た状態で連続的に行われる加えて、ガラス基板23間に
存在する化学強化処理液14は、主として化学強化槽1
2の底壁12bに設けられたシーズヒータ27の加熱に
よって緩やかな上昇流が生じ、その上昇流は層流になっ
て下方から上方へ流れる。このため、イオン交換によっ
てガラス基板23から出たLi+やNa+は上昇し、その
代りに新たな化学強化処理液14が下から上がってきて
その中に存在するK+がイオン交換に寄与することとな
る。なお、化学強化槽12の側壁12aに設けられたシ
ーズヒータ27により、その近傍に存在する化学強化処
理液14が加熱されて上昇流が生じて対流が起きてい
る。
【0029】その後、各ガラス基板23の化学強化処理
後にケージ16を化学強化槽12から引き上げて所定時
間徐冷するとともに、複数枚の新たなガラス基板23を
保持した化学強化用ホルダー18を保持したケージ16
を化学強化槽12内に投入し、新たなガラス基板23を
化学強化処理する。
後にケージ16を化学強化槽12から引き上げて所定時
間徐冷するとともに、複数枚の新たなガラス基板23を
保持した化学強化用ホルダー18を保持したケージ16
を化学強化槽12内に投入し、新たなガラス基板23を
化学強化処理する。
【0030】以上詳述した本実施形態によれば、次のよ
うな効果が発揮される。 ・ 本実施形態の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化
処理方法又は化学強化処理装置によれば、対向するガラ
ス基板23間に存在する化学強化処理液14の量が、ガ
ラス基板23の表面積に対して1.4〜71g/cm2
の範囲に設定されている。このため、化学強化処理がガ
ラス基板全体に均一かつ充分に行われ、化学強化処理後
のガラス基板23の強度を確保することができ、かつ平
坦度を維持することができる。しかも、化学強化処理に
不足を来たす事態を招くおそれが少なく、化学強化処理
を安定した状態で効率良く行うことができる。
うな効果が発揮される。 ・ 本実施形態の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化
処理方法又は化学強化処理装置によれば、対向するガラ
ス基板23間に存在する化学強化処理液14の量が、ガ
ラス基板23の表面積に対して1.4〜71g/cm2
の範囲に設定されている。このため、化学強化処理がガ
ラス基板全体に均一かつ充分に行われ、化学強化処理後
のガラス基板23の強度を確保することができ、かつ平
坦度を維持することができる。しかも、化学強化処理に
不足を来たす事態を招くおそれが少なく、化学強化処理
を安定した状態で効率良く行うことができる。
【0031】・ さらに、対向するガラス基板23の間
隔が好ましくは0.3〜1.3cmの範囲に設定される
ことから、ガラス基板23間に存在する化学強化処理液
14の流動性を確保することができる。
隔が好ましくは0.3〜1.3cmの範囲に設定される
ことから、ガラス基板23間に存在する化学強化処理液
14の流動性を確保することができる。
【0032】・ また、ガラス基板23が化学強化処理
液14に浸漬された状態において、前述の式(2)より
求められる値Dは好ましくは3〜8g/cm2であるた
め、ガラス基板23の化学強化処理に必要な化学強化処
理液14の量が確保でき、化学強化処理をより安定して
行うことができる。
液14に浸漬された状態において、前述の式(2)より
求められる値Dは好ましくは3〜8g/cm2であるた
め、ガラス基板23の化学強化処理に必要な化学強化処
理液14の量が確保でき、化学強化処理をより安定して
行うことができる。
【0033】・ 加えて、ガラス基板23間の化学強化
処理液14は層流によって上昇するように構成されてい
る。このため、ガラス基板23間に存在する化学強化処
理液14の各イオン濃度を均一にすることができる。よ
って、化学強化処理液14の寿命を延ばすことができ
る。さらに、化学強化処理液14中に気泡が発生するの
を抑制するとともに、化学強化処理液14の温度を均一
にすることができる。その結果、ガラス基板23に化学
強化処理のむらや歪みが発生するのを抑制することがで
きる。
処理液14は層流によって上昇するように構成されてい
る。このため、ガラス基板23間に存在する化学強化処
理液14の各イオン濃度を均一にすることができる。よ
って、化学強化処理液14の寿命を延ばすことができ
る。さらに、化学強化処理液14中に気泡が発生するの
を抑制するとともに、化学強化処理液14の温度を均一
にすることができる。その結果、ガラス基板23に化学
強化処理のむらや歪みが発生するのを抑制することがで
きる。
【0034】なお、前記実施形態を次のように変更して
構成することも可能である。 ・ 式(1)により算出される値Aを1.4〜71(g
/cm2)に設定し、ガラス基板の間隔Bを0.3〜
1.3(cm)の範囲外とし、かつ式(2)により算出
される値Dを3〜8(g/cm2)の範囲外としてもよ
い。又は、間隔B及び値Dの少なくとも一方を満たすよ
うに設定してもよい。
構成することも可能である。 ・ 式(1)により算出される値Aを1.4〜71(g
/cm2)に設定し、ガラス基板の間隔Bを0.3〜
1.3(cm)の範囲外とし、かつ式(2)により算出
される値Dを3〜8(g/cm2)の範囲外としてもよ
い。又は、間隔B及び値Dの少なくとも一方を満たすよ
うに設定してもよい。
【0035】・ 前記化学強化槽12中の化学強化処理
液14の交換を通常よりも早目に交換したり、化学強化
処理時間を例えば1時間長くしたり、化学強化処理液1
4の加熱温度を例えば10℃高くしてもよい。このよう
に構成した場合には、ガラス基板23の化学強化処理を
より安定した状態で行うことができ、得られるガラス基
板23の強度を確保することができる。
液14の交換を通常よりも早目に交換したり、化学強化
処理時間を例えば1時間長くしたり、化学強化処理液1
4の加熱温度を例えば10℃高くしてもよい。このよう
に構成した場合には、ガラス基板23の化学強化処理を
より安定した状態で行うことができ、得られるガラス基
板23の強度を確保することができる。
【0036】・ 前記化学強化処理液14を、KNO3
又はNaNO3のみから構成してもよい。また、60重
量%のKNO3及び40重量%のNaNO3等の比率でK
NO3とNaNO3とを混合して化学強化処理液14を構
成してもよい。
又はNaNO3のみから構成してもよい。また、60重
量%のKNO3及び40重量%のNaNO3等の比率でK
NO3とNaNO3とを混合して化学強化処理液14を構
成してもよい。
【0037】・ 化学強化用ホルダー18の側板19に
V字状又はU字状の切り欠きを設けたり、適宜の大きさ
の貫通孔を設けてもよい。この場合、ガラス基板23に
対する化学強化液14の接触を良好なものにすることが
できる。
V字状又はU字状の切り欠きを設けたり、適宜の大きさ
の貫通孔を設けてもよい。この場合、ガラス基板23に
対する化学強化液14の接触を良好なものにすることが
できる。
【0038】次に、前記実施形態から把握できる技術的
思想について以下に記載する。 (1) 前記化学強化処理液は化学強化槽内に貯留さ
れ、ガラス基板が化学強化処理液中に浸漬された状態に
おいて、化学強化槽内の化学強化処理液の量E(g)
と、ガラス基板一枚の表面積F(cm2)と、一度に化
学強化処理されるガラス基板の枚数G(枚)とから下記
式(2)により算出されるガラス基板の表面積に対する
化学強化処理液の量D(g/cm2)は、3〜8g/c
m2の範囲に設定されている請求項1又は請求項2に記
載の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理方法。こ
の方法によれば、ガラス基板の化学強化処理をより安定
して行うことができる。
思想について以下に記載する。 (1) 前記化学強化処理液は化学強化槽内に貯留さ
れ、ガラス基板が化学強化処理液中に浸漬された状態に
おいて、化学強化槽内の化学強化処理液の量E(g)
と、ガラス基板一枚の表面積F(cm2)と、一度に化
学強化処理されるガラス基板の枚数G(枚)とから下記
式(2)により算出されるガラス基板の表面積に対する
化学強化処理液の量D(g/cm2)は、3〜8g/c
m2の範囲に設定されている請求項1又は請求項2に記
載の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理方法。こ
の方法によれば、ガラス基板の化学強化処理をより安定
して行うことができる。
【0039】D=E/(F×G) …(2)
(2) 前記対向するガラス基板間に存在する化学強化
処理液は、層流によって流動するように構成されている
請求項1、請求項2又は上記(1)に記載の情報記録媒
体用ガラス基板の化学強化処理方法。この方法によれ
ば、化学強化処理液の寿命を延ばすことができるととも
に、ガラス基板に化学強化処理むらや歪みが発生するの
を抑制することができる。
処理液は、層流によって流動するように構成されている
請求項1、請求項2又は上記(1)に記載の情報記録媒
体用ガラス基板の化学強化処理方法。この方法によれ
ば、化学強化処理液の寿命を延ばすことができるととも
に、ガラス基板に化学強化処理むらや歪みが発生するの
を抑制することができる。
【0040】(3) 対向するガラス基板間に存在する
化学強化処理液が層流にて流れるように化学強化槽の少
なくとも底壁に加熱手段を設けた請求項3に記載の化学
強化処理装置。このように構成した場合、化学強化処理
を安定した状態で連続的に行うことができる。
化学強化処理液が層流にて流れるように化学強化槽の少
なくとも底壁に加熱手段を設けた請求項3に記載の化学
強化処理装置。このように構成した場合、化学強化処理
を安定した状態で連続的に行うことができる。
【0041】(4) 前記化学強化用ホルダーは、化学
強化用のケージ内に複数収容されている請求項3又は上
記(3)に記載の化学強化処理装置。このように構成し
た場合、一度に多数のガラス基板を化学強化処理するこ
とができ、効率良く化学強化処理を行うことができる。
強化用のケージ内に複数収容されている請求項3又は上
記(3)に記載の化学強化処理装置。このように構成し
た場合、一度に多数のガラス基板を化学強化処理するこ
とができ、効率良く化学強化処理を行うことができる。
【0042】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明
の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理方法又は請
求項3に記載の発明の化学強化処理装置によれば、化学
強化処理後のガラス基板の強度を確保することができ、
かつ平坦度を維持することができるとともに、化学強化
処理を効率良く行うことができる。
ため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明
の情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理方法又は請
求項3に記載の発明の化学強化処理装置によれば、化学
強化処理後のガラス基板の強度を確保することができ、
かつ平坦度を維持することができるとともに、化学強化
処理を効率良く行うことができる。
【0043】請求項2に記載の発明の情報記録媒体用ガ
ラス基板の化学強化処理方法によれば、請求項1に記載
の発明の効果をより向上させることができるとともに、
ガラス基板間の化学強化処理液の流動を良好に維持する
ことができる。
ラス基板の化学強化処理方法によれば、請求項1に記載
の発明の効果をより向上させることができるとともに、
ガラス基板間の化学強化処理液の流動を良好に維持する
ことができる。
【図1】 実施形態のガラス基板が支持部材によって支
持された状態を示す要部拡大断面図。
持された状態を示す要部拡大断面図。
【図2】 ガラス基板が支持部材によって支持された状
態を示す側断面図。
態を示す側断面図。
【図3】 化学強化槽を示す縦断面図。
【図4】 化学強化槽を示す斜視図。
【図5】 化学強化用ホルダーを示す斜視図。
【図6】 化学強化用のケージを示す斜視図。
11…化学強化処理装置、12…化学強化槽、14…化
学強化処理液、18…化学強化用ホルダー、23…ガラ
ス基板。
学強化処理液、18…化学強化用ホルダー、23…ガラ
ス基板。
Claims (3)
- 【請求項1】 溶融塩を加熱溶融した化学強化処理液中
に複数のガラス基板を並べて浸漬し、ガラス基板中の表
面近傍に存在する一価の金属イオンと、化学強化処理液
に含有され、前記一価の金属イオンよりもイオン半径の
大きい一価の金属イオンとをイオン交換してガラス基板
を化学強化処理する情報記録媒体用ガラス基板の化学強
化処理方法であって、対向するガラス基板間に存在する
化学強化処理液の量は、ガラス基板の表面積に対して
1.4〜71g/cm2の範囲に設定されていることを
特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理方
法。 - 【請求項2】 前記対向するガラス基板の間隔が0.3
〜1.3cmの範囲に設定されている請求項1に記載の
情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の情報記録媒体用ガラス
基板の化学強化処理方法に用いられる化学強化処理装置
であって、溶融塩を加熱溶融した化学強化処理液を収容
する化学強化槽と、複数のガラス基板を並べて化学強化
液中に浸漬するための化学強化用ホルダーとを備え、対
向するガラス基板間に存在する化学強化処理液の量が、
ガラス基板の表面積に対して1.4〜71g/cm2の
範囲に設定されていることを特徴とする化学強化処理装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001353577A JP2003146706A (ja) | 2001-11-19 | 2001-11-19 | 情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理方法及び化学強化処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001353577A JP2003146706A (ja) | 2001-11-19 | 2001-11-19 | 情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理方法及び化学強化処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003146706A true JP2003146706A (ja) | 2003-05-21 |
Family
ID=19165573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001353577A Pending JP2003146706A (ja) | 2001-11-19 | 2001-11-19 | 情報記録媒体用ガラス基板の化学強化処理方法及び化学強化処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003146706A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100864956B1 (ko) | 2008-07-29 | 2008-10-22 | (주)한소닉에이스 | 강화유리 제조장치 및 이를 이용한 강화유리 제조방법 |
KR100914629B1 (ko) * | 2009-06-23 | 2009-09-02 | (주)한소닉에이스 | 드레인 기능이 구비된 강화유리 제조 장치 |
CN113772964A (zh) * | 2021-09-22 | 2021-12-10 | 万津实业(赤壁)有限公司 | 玻璃钢化方法 |
-
2001
- 2001-11-19 JP JP2001353577A patent/JP2003146706A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100864956B1 (ko) | 2008-07-29 | 2008-10-22 | (주)한소닉에이스 | 강화유리 제조장치 및 이를 이용한 강화유리 제조방법 |
KR100914629B1 (ko) * | 2009-06-23 | 2009-09-02 | (주)한소닉에이스 | 드레인 기능이 구비된 강화유리 제조 장치 |
CN113772964A (zh) * | 2021-09-22 | 2021-12-10 | 万津实业(赤壁)有限公司 | 玻璃钢化方法 |
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