JP2003136933A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2003136933A
JP2003136933A JP2001333029A JP2001333029A JP2003136933A JP 2003136933 A JP2003136933 A JP 2003136933A JP 2001333029 A JP2001333029 A JP 2001333029A JP 2001333029 A JP2001333029 A JP 2001333029A JP 2003136933 A JP2003136933 A JP 2003136933A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 個人差のある顔の火照り易さや環境条件を制
御に反映して防曇性と快適性を向上する。 【解決手段】 エアコンECU10は防曇制御に関する
制御として、ウインドウへの空調風の吹出風量または吹
出温度または配風割合または吹出風速の上限値を乗員の
操作によって可変可能な設定手段を設けた。これによ
り、その時々の環境条件に応じてデフロスタ能力の上限
を調節できると共に、各人の顔に感じる温風に対しての
好みや暖房能力とデフロスタ能力とのバランスに対する
好み等に対応してデフロスタ能力の上限を調節できるこ
とより快適性を向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車室内に吹き出す
空調風の風量や温度等の空調能力を自動制御可能な車両
用空調装置に関し、特に車両のウインドウを防曇する防
曇制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用空調装置は、吹き出す
空調風の風量や温度等を制御することにより車室内を快
適な環境にすると共に、ウインドウの曇りを防止し、あ
るいはウインドウの曇りの除去を行って、運転者の視界
を確保し、安全で快適な運転を可能にすることを目的と
する。
【0003】ここで、実用新案登録第2509856号
公報の記載においては、車室内の暖房とウインドウの曇
り晴らしとを行うヒート/デフモード時の制御として、
ヒート吹出口からの風量とデフロスタ吹出口からの風量
との風量割合を経時的に繰り返し変更して暖房と曇り晴
らしとを行いつつ、その変更タイミングを手動操作によ
り可変して暖房と曇り晴らしとのバランスを変えること
のできる自動車の空気調和装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
制御では、個人差のあるデフロスタ吹出口からの温風に
よる顔の火照り易さやその時々の環境条件に関係なくデ
フロスタからの風量や吹出温度が変化するため、乗員に
違和感を与えるという問題がある。また、ヒートドア及
びデフロスタドアの開度をアクチュエータで何度も変更
するため、その作動音で乗員に煩わしさを与えるという
問題もある。
【0005】本発明は、上記従来の問題に鑑みて成され
たものであり、その目的は、個人差のある顔の火照り易
さや環境条件を制御に反映して防曇性と快適性を向上す
ることのできる車両用空調装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では以下の技術的手段を採用する。
【0007】請求項1記載の発明では、空調制御手段
(10)は防曇制御に関する制御として、ウインドウへ
の空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合また
は吹出風速の上限値を乗員の操作によって可変可能な設
定手段(57)を設けたことを特徴とする。
【0008】これにより、その時々の環境条件に応じて
デフロスタ能力の上限を調節できると共に、各人の顔に
感じる温風に対しての好みや暖房能力とデフロスタ能力
とのバランスに対する好み等に対応してデフロスタ能力
の上限を調節できることより快適性を向上することがで
きる。
【0009】請求項2記載の発明では、空調制御手段
(10)は防曇制御に関する制御として、第1の吹出モ
ードから第2の吹出モードへ移行してウインドウへの空
調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹
出風速を増加させる場合、その吹出風量または吹出温度
または配風割合または吹出風速の増加量の上限を乗員の
操作によって可変可能な設定手段(57)を設けたこと
を特徴とする。
【0010】これによっても、その時々の環境条件に応
じてデフロスタ能力の上限を調節できると共に、各人の
顔に感じる温風に対しての好みや暖房能力とデフロスタ
能力とのバランスに対する好み等に対応してデフロスタ
能力の上限を調節できることより快適性を向上すること
ができる。
【0011】請求項3記載の発明では、空調制御手段
(10)は、ウインドウへの空調風の吹出風量または配
風割合または吹出風速の増加を自動で行うオート制御モ
ードの時、ウインドウの曇りに影響する環境条件に応じ
て、ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度ま
たは配風割合または吹出風速の上限値または増加量の上
限を可変することを特徴とする。
【0012】これにより、環境条件からウインドウでの
曇りの発生し易さに対応してデフロスタ能力を調節する
防曇制御となり、曇り難い環境条件時には自動でデフロ
スタ能力が下がり、より顔の火照りを回避した快適性優
先の制御となる。
【0013】請求項4記載の発明では、車両用空調装置
は複数の空調ゾーンを互いに独立して空調制御する機能
を備え、空調制御手段(10)は、複数の空調ゾーン毎
にウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度また
は配風割合または吹出風速の上限値または増加量の上限
を可変可能な設定手段(57)を設けたことを特徴とす
る。これにより、左右独立コントロール車等で、左右の
各人の好みに対応することが可能となる。
【0014】請求項5記載の発明では、空調制御手段
(10)は、オート吹出口制御モードの時、ウインドウ
への空調風の吹出風量または配風割合または吹出風速を
増加させる吹出モードへ移行する条件を乗員の操作によ
って可変可能な設定手段(57)を設けたことを特徴と
する。
【0015】これは、各人の好みに対応して、顔の火照
りに影響するデフロスタ吹出口からも空調風を吹き出す
ヒート/デフモードへの切り替わり条件を可変するもの
であり、例えば通常の自動制御でヒート/デフモードへ
と切り替わる温度条件を可変することにより、ヒート/
デフモードになり易くなったり、なり難くなったりさせ
ることができる。
【0016】請求項6記載の発明では、車両用空調装置
は外気導入から内気循環までを選択して空調用空気を取
り込み車室内へ送風する内外気送風手段(3、4)、ま
たは空気冷却手段(41)の冷凍サイクル中に冷媒圧縮
機、または車両ウインドウの曇りを晴らすためのウイン
ドウ加熱手段(43)を備え、空調制御手段(10)
は、ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度ま
たは配風割合または吹出風速の上限値または増加量の上
限が所定値以下に設定された時、防曇性能増加手段とし
て内外気送風手段(3、4)での外気導入率または冷媒
圧縮機の稼動率またはウインドウ加熱手段(43)の稼
動率を増加させることを特徴とする。
【0017】これにより、デフロスタ能力を抑える設定
に対応して、顔の火照りに関係しない手段で防曇性を補
って確保することができる。因みに、上記各手段の括弧
内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との
対応関係を示す一例である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
に基づき説明する。
【0019】(第1実施形態)図1ないし図6は本発明
の第1実施形態を示したもので、図1はオートエアコン
システムの全体構成を示したものである。また、図2は
インストルメントパネルを示した図で、図3はエアコン
操作パネルを示した図である。
【0020】本実施形態の車両用空調装置、いわゆるカ
ーエアコンは、走行用に水冷エンジンを搭載する自動車
等の車両の、車室内を空調する空調ユニット1における
各空調手段(アクチュエータ)を、空調制御手段(以下
エアコンECUという)10によって制御するように構
成されたオートエアコンシステムである。
【0021】その空調ユニット1は、車室内の運転席側
(運転席後方の後部座席を含む)空調ゾーンと、助手席
側(助手席後方の後部座席を含む)空調ゾーンとの温度
調節及び吹出口モードの変更等を、互いに独立して行う
ことが可能なエアコンユニットである。
【0022】空調ユニット1は、車両の車室内の前方に
配置された空調ダクト2を備えている。この空調ダクト
2の上流側には、内外気切替ドア3及びブロワ4とが設
けられていて内外気送風手段としての送風機ユニットと
なっている。内外気切替ドア3は、サーボモータ5等の
アクチュエータにより駆動されて内気吸込口6と外気吸
込口7との開度(いわゆる吸込口モード)を変更する吸
込口切替手段である。
【0023】ブロワ4は、ブロワ駆動回路8によって制
御されるブロワモータ(送風ファン駆動手段)9により
回転駆動されて空調ダクト2内において車室内に向かう
空気流を発生させる遠心式送風機である。尚、ブロワ4
は、後述する運転席側、助手席側の各吹出口から車室内
の運転席側、助手席側空調ゾーン(特に運転席側、助手
席側フロントウインドウの内側)に向けてそれぞれ吹き
出される空調風の吹出風量または吹出風速を変更する吹
出風量可変手段または吹出風速可変手段を構成する。
【0024】空調ダクト2の中央部には、空調ダクト2
を通過する空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポ
レータ(冷却用熱交換器)41が設けられている。ま
た、そのエバポレータ41の空気下流側には、第1、第
2空気通路11、12を通過する空気をエンジンの冷却
水と熱交換して加熱するヒータコア(加熱用熱交換器)
42が設けられている。尚、第1、第2空気通路11、
12は、仕切板14により区画されている。また、例え
ば電力を用いて走行する車両に用いられた車両用空調装
置では、エバポレータをペルチェ素子に変更しても良
い。
【0025】そのヒータコア42の空気上流側には、車
室内の運転席側空調ゾーンと助手席側空調ゾーンとの温
度調節を互いに独立して行うための運転席側、助手席側
エアミックス(A/M)ドア15、16が設けられてい
る。そして、運転席側、助手席側A/Mドア15、16
は、サーボモータ17、18等のアクチュエータにより
駆動されて、後述する運転席側、助手席側の各吹出口か
ら車室内の運転席側、助手席側空調ゾーン(特に運転席
側、助手席側フロントウインドウの内側)に向けてそれ
ぞれ吹き出される空調風の吹出温度を変更する運転席
側、助手席側吹出温度可変手段を構成する。
【0026】ここで、本実施形態のエバポレータ41
は、冷凍サイクルの一構成部品を成すものである。冷凍
サイクルは、車両のエンジンルーム内に搭載された車両
走行用のエンジンの出力軸にベルト駆動されて、冷媒を
圧縮して吐出する冷媒圧縮機(コンプレッサ)と、この
コンプレッサより吐出された冷媒を凝縮液化させる冷媒
凝縮器(コンデンサ)と、このコンデンサより流入した
液冷媒を気液分離する受液器(レシーバ)と、このレシ
ーバより流入した液冷媒を断熱膨張させる膨張弁(エキ
スパンション・バルブ)と、このエキスパンション・バ
ルブより流入した気液二相状態の冷媒を蒸発気化させる
上記のエバポレータ(冷媒蒸発器)とから構成されてい
る。
【0027】これらの内コンプレッサは、エアコンEC
U10により制御される電磁クラッチによって、エンジ
ンからの回転力が断続される。そして、電磁クラッチが
ONされてコンプレッサが起動することによってエバポ
レータ41が空調ダクト2内を通過する空気を冷却し除
湿することで、車室内温度が下がり、フロントウインド
ウを含むウインドウの内側が曇り難くなる。
【0028】本実施形態では、エバ後温度センサ74の
検出値であるエバ後温度(TE)と目標エバ後温度(T
EO)との比較結果に応じて出力される制御信号に基づ
き容量可変制御を行う電磁式容量可変制御弁を有する容
量可変コンプレッサが用いられている。
【0029】そして、第1空気通路11の空気下流側に
連通する各吹出ダクトの空気下流端では、図1及び図2
に示したように、運転席側デフロスタ(DEF)吹出口
20、運転席側センタフェイス(FACE)吹出口2
1、運転席側サイドフェイス(FACE)吹出口22及
び運転席側フット(FOOT)吹出口23が開口してい
る。
【0030】また、第2空気通路12の空気下流側に連
通する各吹出ダクトの空気下流端では、図1及び図2に
示したように、助手席側デフロスタ(DEF)吹出口3
0、助手席側センタフェイス(FACE)吹出口31、
助手席側サイドフェイス(FACE)吹出口32及び助
手席側フット(FOOT)吹出口33が開口している。
【0031】尚、運転席側、助手席側DEF吹出口2
0、30は、フロントウインドウへ空調風(主に温風)
を吹き出すための吹出口を構成し、運転席側、助手席側
サイドFACE吹出口22、32は、サイドウインドウ
へ空調風(主に温風)を吹き出すための吹出口を構成す
る。
【0032】そして、第1、第2空気通路11、12内
には、車室内の運転席側と助手席側との吹出口モードの
設定を互いに独立して行う運転席側、助手席側吹出口切
替ドア24〜26、34〜36が設けられている。そし
て、運転席側、助手席側吹出口切替ドア24〜26、3
4〜36は、サーボモータ28、29、38、39等の
アクチュエータにより駆動されて運転席側、助手席側の
吹出口モードをそれぞれ切り替えるモード切替ドアで、
風量割合調節手段を構成する。
【0033】ここで、運転席側、助手席側の吹出口モー
ドとしては、FACEモード、B/Lモード、FOOT
モード、FOOT/DEFモード、DEFモード等があ
る。尚、運転席側、助手席側吹出口切替ドア24、34
は、運転席側、助手席側DEF吹出口20、30を互い
に独立して開閉することが可能な運転席側、助手席側デ
フロスタドアで、それを駆動するサーボモータ28、3
8は、窓曇りまたは霜付きの防止、或いは窓曇りまたは
霜の除去に効果のある制御を行う防曇手段のアクチュエ
ータを構成する。
【0034】エアコンECU10は、本発明の空調制御
手段に相当するもので、エンジンの始動及び停止を司る
イグニッションスイッチが投入(IG・ON)された時
に、車両に搭載された車載電源であるバッテリー(図示
せず)から直流電源が供給されると演算処理や制御処理
を開始するように構成されている。エアコンECU10
には、図1及び図2に示したように、インストルメント
パネル50に一体的に設置されたエアコン操作パネル5
1上の各種操作スイッチから各スイッチ信号が入力され
るように構成されている。
【0035】そして、エアコン操作パネル51には、液
晶表示装置(LCD:液晶ディスプレイ)52、内外気
切替スイッチ53、フロントデフロスタスイッチ(以下
DEFスイッチと言う)54、リヤデフロスタ(デフォ
ッガ)スイッチ55、DUALイスッチ56、吹出口モ
ード(MODE)切替スイッチ57、ブロワ風量切替ス
イッチ58、A/Cスイッチ59、AUTOスイッチ6
0、OFFスイッチ61、運転席(DRIVER)側温
度設定スイッチ62、助手席(PASSENGER)側
温度設定スイッチ63及び低燃費向上スイッチ64等が
設置されている。
【0036】上記の内のDUALイスッチ56は、運転
席側空調ゾーン内の温度調節と助手席側空調ゾーン内の
温度調節とを互いに独立して行う左右独立温度コントロ
ールを指令する左右独立制御指令手段である。また、D
EFスイッチ54は、フロントウインドウの防曇の能力
を上げるか否かを指令する空調スイッチに相当するもの
で、吹出口モード(MODE)をDEFモードに固定
(設定)するように要求するDEFモード要求手段であ
る。
【0037】MODE切替スイッチ57は、本発明の設
定手段に相当するもので、フロントウインドウの防曇の
能力を上げるか否かを指令する空調スイッチに相当し、
ユーザーのマニュアル操作に応じて、吹出口モード(M
ODE)を、FACEモードまたはB/Lモードまたは
F/DモードまたはFOOTモードのいずれかに固定
(設定)するように要求するF/Dモード要求手段であ
る。
【0038】液晶ディスプレイ52には、運転席側、助
手席側空調ゾーンの設定温度を視覚表示する設定温度表
示部、吹出口モードを視覚表示する吹出口モード表示部
(吹出モード表示手段)、及びブロワ風量を視覚表示す
る風量表示部等が設けられている。尚、液晶ディスプレ
イ52に外気温表示部、吸込口モード表示部、時刻表示
部、を設けても良い。また、エアコン操作パネル51上
の各種の操作スイッチは、液晶ディスプレイ52に設け
られていても良い。
【0039】A/Cスイッチ59は、冷凍サイクルのコ
ンプレッサの起動または停止を指令する空調操作スイッ
チである。一般に、A/Cスイッチ59は、コンプレッ
サをOFFしてエンジンの回転負荷を減らすことで燃費
効率を高めるために設けられている。
【0040】運転席側温度設定スイッチ62は、運転席
側空調ゾーン内の温度を所望の温度に設定するための運
転席側温度設定手段で、アップスイッチ62aとダウン
スイッチ62bよりなる。また、助手側温度設定スイッ
チ63は、助手席側空調ゾーン内の温度を所望の温度に
設定するための運転席側温度設定手段で、アップスイッ
チ63aとダウンスイッチ63bよりなる。
【0041】更に、低燃費向上スイッチ64は、冷凍サ
イクルのコンプレッサの稼働率を下げて、低燃費及び省
動力を考慮した経済的な空調制御を行うか否かを指令す
るエコノミー(ECON)スイッチである。
【0042】また、エアコンECU10の内部には、演
算処理や制御処理を行う中央演算装置(CPU)、メモ
リ(ROMまたはEEOROM、RAM)、及びI/O
ポート(入力/出力回路)等の機能を含んで構成される
周知のマイクロコンピュータが設けられ、各種センサー
からのセンサ信号がI/OポートまたはA/D変換回路
によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータ
に入力されるように構成されている。
【0043】即ち、エアコンECU10には、車室内温
度(内気温)を検出する内気温検出手段としての内気温
センサ71、車室外温度(外気温)を検出する外気温検
出手段としての外気温センサ72、及び日射検出手段と
しての日射センサ73が接続されている。
【0044】また、エバポレータ41を通過した直後の
空気温度(以下エバ後温度TEという)を検出するエバ
後温度検出手段としてのエバ後温度センサ74、車両の
エンジン冷却水温を検出する冷却水温検出手段としての
冷却水温センサ75、車室内の相対湿度を検出する湿度
検出手段としての湿度センサ76、及び冷凍サイクルの
高圧側のレシーバとエキスパンション・バルブとの間に
取り付けられ、高圧側圧力を検出する冷媒圧力センサ7
7等が接続されている。
【0045】ここで、湿度センサ76は、内気温センサ
71と共に、運転席近傍のインストルメントパネル50
の前面に形成された凹所内に収容されている。尚、凹所
は通気口が形成された蓋体50aによって塞がれてい
る。
【0046】これらのうち内気温センサ71、外気温セ
ンサ72、エバ後温度センサ74、及び冷却水温センサ
75は、例えばサーミスタ等の感温素子が使用されてい
る。また、日射センサ73は、運転席側空調ゾーン内に
照射される日射量(日射強度)TS(Dr)を検知する
運転席側日射強度検知手段(例えばフォトダイオード)
と、助手席側空調ゾーン内に照射される日射量(日射強
度)TS(Pa)を検知する助手席側日射強度検知手段
(例えばフォトダイオード)とを有している。
【0047】次に、エアコンECU10による制御方法
を図4に基づいて説明する。ここで図4は、エアコンE
CU10の制御プログラムの一例を示したフローチャー
トである。
【0048】まず、イグニッションスイッチがONされ
てエアコンECU10に直流電源が供給されると、予め
ROMに記憶されている制御プログラム(図4のルーチ
ン)の実行が開始される。この時に、エアコンECU1
0内部のマイクロコンピュータに内蔵されたデータ処理
用メモリ(RAM)の記憶内容等の初期化を行う(ステ
ップS1)。
【0049】次に、各種データをデータ処理用メモリ
(RAM)に読み込む。即ち、エアコン操作パネル51
上の各種操作スイッチからのスイッチ信号や各種センサ
からのセンサ信号を入力する(ステップS2)。
【0050】特に、内気温センサ71の検出値である車
室内温度に対応した出力信号TR、外気温センサ72の
検出値である外気温に対応した出力信号TAM、日射セ
ンサ73の検出値である日射量に対応した出力信号TS
(Dr)、TS(Pa)、エバ後センサ74の検出値で
あるエバ後温度に対応した出力信号TE、冷却水温セン
サ75の検出値である冷却水温に対応した出力信号TW
を入力する。
【0051】次に、上記のような記憶データ及び記憶し
ている演算式に基づいて、運転席側の目標吹出温度TA
O(Dr)、及び助手席側の目標吹出温度TAO(P
a)を演算する(ステップS3)。次に、上記のステッ
プS3で求めた運転席側、助手席側の目標吹出温度TA
O(Dr)、TAO(Pa)に基づいてブロワ風量{ブ
ロワモータ9に印加するブロワ制御電圧VA(Dr)、
VA(Pa)}を演算する(ステップS4)。
【0052】実際には、上記のブロワ制御電圧VAは、
運転席側、助手席側の目標吹出温度TAO(Dr)、T
AO(Pa)にそれぞれ適合したブロワ制御電圧VA
(Dr)、VA(Pa)を予め定めた特性パターンに基
づいて求めると共に、それらのブロワ制御電圧VA(D
r)、VA(Pa)を平均化処理することにより得てい
る。
【0053】次に、上記のような記憶データ及び記憶し
ている演算式に基づいて、運転席側A/Mドア15のA
/M開度SW(Dr)(%)及び助手席側A/Mドア1
6のA/M開度SW(Pa)(%)を演算する(ステッ
プS5)。運転席側、助手席側の目標吹出温度TAO
(Dr)、TAO(Pa)は上記のステップS3で求め
たものに基づく。
【0054】次に、後述する図5のルーチンが起動し
て、ウインドウ防曇制御を行う(ステップS6)。次
に、上記ステップで決定した目標エバ後温度(TEO)
とエバ後センサ74の検出値である実際のエバ後温度
(TE)とが一致するように、フィードバック制御(P
I制御)にてコンプレッサの目標吐出量を決定する(ス
テップS7)。具体的には、コンプレッサに付設された
電磁式容量制御弁の電磁ソレノイドに供給する制御電流
の目標値となるソレノイド電流(制御電流:In)を記
憶している演算式に基づいて演算する。
【0055】次に、ステップS4で決定されたブロワ制
御電流VA(Dr)、VA(Pa)となるようにブロワ
駆動回路8に制御信号を出力する(ステップS8)。次
に、ステップS5で決定されたA/M開度SW(D
r)、SW(Pa)となるようにサーボモータ17、1
8に制御信号を出力する(ステップS9)。
【0056】次に、ステップS6で決定された吹出口モ
ードとなるようにサーボモータ28、29、38、39
に制御信号を出力する(ステップS10)。次に、ステ
ップS7で決定されたソレノイド電流(制御電流:I
n)をコンプレッサに付設された電磁式容量制御弁の電
磁ソレノイドに出力する(ステップS11)。その後に
ステップS2の制御処理に戻る。
【0057】次に、エアコンECU10によるウインド
ウ防曇制御に関する制御を図1ないし図7に基づいて説
明する。まず、図5は防曇制御に関する制御を示したフ
ローチャートであり、ウインドウへの吹出風量の上限を
可変するものとしてDEFドア開度の上限を可変した例
である。尚、これらの制御は運転席側と助手席側とで互
いに独立して行われるため、以降の説明は運転席側で説
明する。
【0058】まず、図5のルーチンが起動すると、ステ
ップS21で吹出口モードがF/D(FOOT/DE
F)モードであるか否かを判定する。そして、その判定
結果がNOの場合にはリターンして当ステップS21の
判定を繰り返す。そして、F/Dモードが選択されてス
テップS21の判定結果がYESとなった場合にはステ
ップS22へ進み、乗員が手動操作によって入力設定し
た環境の好みデータを読み込む。
【0059】この乗員の好みを入力し設定する手段とし
て、例えば乗員がエアコン操作パネル51のMODE切
替スイッチ57でF/Dモードを選択した後、運転席側
または助手席側のアップスイッチ62a、63aまたは
ダウンスイッチ62b、63bで好みを選択できるよう
にしても良い。
【0060】次にステップS23で、読み込んだ好みデ
ータから上限値が高・中・低のどのレベルに分類される
かを判断する。そして、その結果、ステップS33で上
限値が高に分類される場合はステップS24へ進みDE
Fドア開度の上限を30度とする。同じく、ステップS
33で上限値が中または入力無しに分類される場合はス
テップS25へ進みDEFドア開度の上限を25度とす
る。同じく、ステップS33で上限値が低に分類される
場合はステップS26へ進みDEFドア開度の上限を2
0度とするものである。
【0061】図6は、そのDEFドア開度の変化を示し
た特性図である。(a)はFOOTモードからF/Dモ
ードへ切り替わった場合で、FOOTモードでは5〜1
2.5度の範囲で開いていたDEFドアが、F/Dモー
ドでは12.5〜30度(高)または12.5〜25度
(中)または12.5〜20度(低)へと開度範囲と上
限値を変えることとなる。
【0062】また、(b)はDEFモードからF/Dモ
ードへ切り替わった場合で、DEFモードでは42.5
〜55度の範囲で開いていたDEFドアが、F/Dモー
ドでは(a)と同じく12.5〜30度(高)または1
2.5〜25度(中)または12.5〜20度(低)へ
と開度範囲と上限値を変えることとなる。
【0063】図7は防曇制御に関する制御を示したフロ
ーチャートであり、ウインドウへの吹出温度の上限を可
変するものとしてエバ後目標温度TAOの上限を可変し
た例である。図7のルーチンが起動すると、ステップS
31で吹出口モードがF/Dモードであるか否かを判定
する。そして、その判定結果がNOの場合にはリターン
して当ステップS31の判定を繰り返す。そして、F/
Dモードが選択されてステップS31の判定結果がYE
Sとなった場合にはステップS32へ進み、乗員が手動
操作によって入力設定した環境の好みデータを読み込
む。
【0064】次にステップS33で、読み込んだ好みデ
ータから上限値が高・中・低のどのレベルに分類される
かを判断する。そして、その結果、上限値が高に分類さ
れる場合はステップS34へ進み、エバ後目標温度TA
Oが60度より高くなっていないかをチェックする。そ
して、エバ後目標温度TAOが60度より高くなった場
合にはステップS35へ進んでそのエバ後目標温度TA
Oを60度に変更してそれを上限とする。
【0065】同じく、ステップS33で上限値が中また
は入力無しに分類される場合はステップS36へ進み、
エバ後目標温度TAOが50度より高くなっていないか
をチェックする。そして、エバ後目標温度TAOが50
度より高くなった場合にはステップS37へ進んでその
エバ後目標温度TAOを50度に変更してそれを上限と
する。
【0066】同じく、ステップS33で上限値が低に分
類される場合はステップS38へ進み、エバ後目標温度
TAOが40度より高くなっていないかをチェックす
る。そして、エバ後目標温度TAOが40度より高くな
った場合にはステップS39へ進んでそのエバ後目標温
度TAOを40度に変更してそれを上限とするものであ
る。尚、防曇能力の上限を可変するものであれば吹出風
速または配風割合を可変しても良い。
【0067】次に、本実施形態の特徴を述べる。エアコ
ンECU10は防曇制御に関する制御として、ウインド
ウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合
または吹出風速の上限値を乗員の操作によって可変可能
な設定手段としてMODE切替スイッチ57等を用いて
いる。
【0068】これにより、その時々の環境条件に応じて
デフロスタ能力の上限を調節できると共に、各人の顔に
感じる温風に対しての好みや暖房能力とデフロスタ能力
とのバランスに対する好み等に対応してデフロスタ能力
の上限を調節できることより快適性を向上することがで
きる。
【0069】(第2実施形態)図8は本発明の第2実施
形態での防曇制御に関する制御を示したフローチャート
である。第1実施形態(図5)と同じ形のフローチャー
トで、ステップS41でF/Dモードが選択され、ステ
ップS42で好みデータを読み込んだ後、ステップS4
3で読み込んだ好みデータから上限値が高・中・低のど
のレベルに分類されるかを判断し、その結果の処置内容
のみ異なる。
【0070】その処置内容として、ステップS43で上
限値が高に分類される場合はステップS44へ進みDE
Fドア開度の増加量の上限を20度とする。同じく、ス
テップS43で上限値が中または入力無しに分類される
場合はステップS25へ進みDEFドア開度の増加量の
上限を15度とする。同じく、ステップS43で上限値
が低に分類される場合はステップS26へ進みDEFド
ア開度の増加量の上限を10度とするものである。
【0071】図9は、そのDEFドア開度の増加量の変
化を示した特性図であり、FOOTモードからF/Dモ
ードへ切り替わった例で、FOOTモード時のDEFド
ア開度に対して、F/Dモード時には+20度(高)ま
たは+15度(中)または+10度(低)と増加量の上
限値を変えることとなる。
【0072】図10は防曇制御に関する制御を示したフ
ローチャートであり、オート温度コントロール時のウイ
ンドウへの吹出温度の増加量を可変した例である。図8
と同じ形のフローチャートで、ステップS51でF/D
モードが選択され、ステップS52で好みデータを読み
込んだ後、ステップS53で読み込んだ好みデータから
上限値が高・中・低のどのレベルに分類されるかを判断
し、その結果の処置内容のみ異なる。
【0073】その処置内容として、ステップS53で上
限値が高に分類される場合はステップS54へ進みオー
トでの温度上限設定に対して+5℃とする。同じく、ス
テップS53で上限値が中または入力無しに分類される
場合はステップS55へ進みオートでの温度上限設定は
そのままとする。同じく、ステップS53で上限値が低
に分類される場合はステップS56へ進みオートでの温
度上限設定に対して−5℃とするものである。
【0074】図11は、その温度上限設定の変化を示し
た特性図であり、F/Dモードへ切り替わった時に、今
までのオートでの温度上限設定に対して+5℃(高)ま
たは±0℃(中)または−5℃(低)と温度上限値を変
えることとなる。
【0075】このような本実施形態の特徴として、エア
コンECU10は防曇制御に関する制御として、第1の
吹出モードから第2の吹出モードへ移行してウインドウ
への空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合ま
たは吹出風速を増加させる場合、その吹出風量または吹
出温度または配風割合または吹出風速の増加量の上限を
乗員の操作によって可変可能な設定手段としてMODE
切替スイッチ57等を用いている。
【0076】これによっても、その時々の環境条件に応
じてデフロスタ能力の上限を調節できると共に、各人の
顔に感じる温風に対しての好みや暖房能力とデフロスタ
能力とのバランスに対する好み等に対応してデフロスタ
能力の上限を調節できることより快適性を向上すること
ができる。
【0077】(第3実施形態)図12は本発明の第3実
施形態での防曇制御に関する制御を示したフローチャー
トである。図12のルーチンが起動すると、ステップS
61で吹出口モードがF/D(FOOT/DEF)モー
ドであるか否かを判定する。そして、その判定結果がN
Oの場合にはリターンして当ステップS61の判定を繰
り返す。そして、F/Dモードが選択されてステップS
61の判定結果がYESとなった場合にはステップS6
2へ進み、乗員が手動操作によって入力設定した環境の
好みデータを読み込む。
【0078】次にステップS63で、外気温センサ72
で検知される外気温TAMが0℃より低い状況であるか
を判定する。外気温TAMが0℃より高い場合にはリタ
ーンしてステップS61の判定から繰り返し、外気温T
AMが0℃より低い状況であればステップS64へ進
む。
【0079】次にステップS64で、更に外気温TAM
が−5℃より低い状況であるかを判定する。そして、外
気温TAMが−5℃よりは高い場合にはステップS65
へ進み、先に読み込んだ好みデータから上限値が高・中
・低のどのレベルに分類されるかを判断する。
【0080】その結果、ステップS65で上限値が高に
分類される場合はステップS66へ進みDEFドア開度
の上限を25度とする。同じく、ステップS65で上限
値が中または入力無しに分類される場合はステップS6
7へ進みDEFドア開度の上限を20度とする。同じ
く、ステップS65で上限値が低に分類される場合はス
テップS68へ進みDEFドア開度の上限を15度とす
るものである。
【0081】図13は、そのDEFドア開度の変化を示
した特性図である。(a)はFOOTモードからF/D
モードへ切り替わった場合で、FOOTモードでは5〜
12.5度の範囲で開いていたDEFドアが、F/Dモ
ードでは12.5〜25度(高)または12.5〜20
度(中)または12.5〜15度(低)へと開度範囲と
上限値を変えることとなる。
【0082】また、(b)はDEFモードからF/Dモ
ードへ切り替わった場合で、DEFモードでは42.5
〜55度の範囲で開いていたDEFドアが、F/Dモー
ドでは(a)と同じく12.5〜25度(高)または1
2.5〜20度(中)または12.5〜15度(低)へ
と開度範囲と上限値を変えることとなる。
【0083】また、ステップS64の判定で外気温TA
Mが−5℃よりも低い場合にはステップS69へ進み、
先に読み込んだ好みデータから上限値が高・中・低のど
のレベルに分類されるかを判断する。
【0084】その結果、ステップS69で上限値が高に
分類される場合はステップS70へ進みDEFドア開度
の上限を30度とする。同じく、ステップS69で上限
値が中または入力無しに分類される場合はステップS7
1へ進みDEFドア開度の上限を25度とする。同じ
く、ステップS69で上限値が低に分類される場合はス
テップS72へ進みDEFドア開度の上限を20度とす
るものである。
【0085】図14は、そのDEFドア開度の変化を示
した特性図である。(a)はFOOTモードからF/D
モードへ切り替わった場合で、FOOTモードでは5〜
12.5度の範囲で開いていたDEFドアが、F/Dモ
ードでは12.5〜30度(高)または12.5〜25
度(中)または12.5〜20度(低)へと開度範囲と
上限値を変えることとなる。
【0086】また、(b)はDEFモードからF/Dモ
ードへ切り替わった場合で、DEFモードでは42.5
〜55度の範囲で開いていたDEFドアが、F/Dモー
ドでは(a)と同じく12.5〜30度(高)または1
2.5〜25度(中)または12.5〜20度(低)へ
と開度範囲と上限値を変えることとなる。
【0087】この様に、外気温TAMが0〜−5℃の範
囲で、窓の曇る度合が少ない環境条件の場合にはステッ
プS65〜S68の防曇能力の上限を下げて快適性を優
先させた弱防曇制御を実施し、外気温TAMが−5℃以
下で、窓が曇り易い環境条件の場合にはステップS69
〜S72の防曇能力の上限を上げて防曇性を優先させた
強防曇制御を実施するものである。
【0088】但し、先のステップS63、S64の目的
は、ウインドウが曇り易い環境条件か否かの判定である
ため、外気温TAMに限らず、例えば日射量TSまたは
車室内温度TRまたは湿度またはガラス温度等で曇り易
い・曇り難いの条件を判定しても良い。
【0089】このような本実施形態の特徴として、エア
コンECU10は、ウインドウへの空調風の吹出風量ま
たは配風割合または吹出風速の増加を自動で行うオート
制御モードの時、ウインドウの曇りに影響する環境条件
に応じて、ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出
温度または配風割合または吹出風速の上限値または増加
量の上限を可変している。
【0090】これにより、環境条件からウインドウでの
曇りの発生し易さに対応してデフロスタ能力を調節する
防曇制御となり、曇り難い環境条件時には自動でデフロ
スタ能力が下がり、より顔の火照りを回避した快適性優
先の制御となる。
【0091】(第4実施形態)本実施形態の車両は左右
独立コントロール車で、車両用空調装置は左右複数の空
調ゾーンを互いに独立して空調制御する機能を備えてい
る。図15は本発明の第4実施形態での右側空調ゾーン
の防曇制御に関する制御を示したフローチャートである
が、第1実施形態(図5)と同じ内容のフローチャート
で、同様の制御が左右複数の空調ゾーンで互いに独立し
て行われるものである。
【0092】ステップS81で右側空調ゾーンにおいて
F/Dモードが選択されると、ステップS82で右側乗
員の好みデータを読み込み、ステップS83で読み込ん
だ好みデータから上限値が高・中・低のどのレベルに分
類されるかを判断する。
【0093】その結果、ステップS83で上限値が高に
分類される場合はステップS84へ進みDEFドア開度
の上限を30度とし、ステップS83で上限値が中また
は入力無しに分類される場合はステップS85へ進みD
EFドア開度の上限を25度とし、ステップS83で上
限値が低に分類される場合はステップS86へ進みDE
Fドア開度の上限を20度とするものである。
【0094】このような本実施形態の特徴として、車両
用空調装置は複数の空調ゾーンを互いに独立して空調制
御する機能を備え、エアコンECU10は、複数の空調
ゾーン毎にウインドウへの空調風の吹出風量または吹出
温度または配風割合または吹出風速の上限値または増加
量の上限を可変可能な設定手段としてMODE切替スイ
ッチ57等を用いている。これにより、左右独立コント
ロール車等で、左右の各人の好みに対応することが可能
となる。
【0095】(第5実施形態)図16は本発明の第5実
施形態を示したもので、防曇制御に関する制御を示した
フローチャートである。概略、吹出口モードの変更を自
動で行うオート吹出口制御モードの時、F/Dモードへ
の切り替わり条件を可変した例である。
【0096】図16のルーチンが起動すると、まず、ス
テップS91で乗員の好みデータを読み込む。次に、ス
テップS92で読み込んだ好みデータから上限値が高・
中・低のどのレベルに分類されるかを判断する。そし
て、ステップS92で上限値が高に分類される場合はス
テップS93へ進み、通常のオートでF/Dモードへ切
り替わる条件に対して−5℃F/Dモードへ切り替わる
条件を低くする。同じく、ステップS92で上限値が中
または入力無しに分類される場合はステップS94へ進
み通常のオートでF/Dモードへ切り替わる条件はその
ままとする。同じく、ステップS92で上限値が低に分
類される場合はステップS95へ進み、通常のオートで
F/Dモードへ切り替わる条件に対して+5℃F/Dモ
ードへ切り替わる条件を高くするものである。
【0097】このような本実施形態の特徴として、エア
コンECU10は、オート吹出口制御モードの時、ウイ
ンドウへの空調風の吹出風量または配風割合または吹出
風速を増加させる吹出モードへ移行する条件を乗員の操
作によって可変可能な設定手段としてMODE切替スイ
ッチ57等を用いている。
【0098】これは、各人の好みに対応して、顔の火照
りに影響するデフロスタ吹出口からも空調風を吹き出す
ヒート/デフモードへの切り替わり条件を可変するもの
であり、例えば通常の自動制御でヒート/デフモードへ
と切り替わる温度条件を上記のように可変することによ
り、ヒート/デフモードになり易くなったり、なり難く
なったりさせることができる。
【0099】(第6実施形態)本実施形態の車両用空調
装置は外気導入から内気循環までを選択して空調用空気
を取り込み車室内へ送風する送風機ユニット3、4を備
えているか、または、空気冷却手段としてエバポレータ
41の冷凍サイクル中にコンプレッサを備えている。そ
して、送風機ユニット3、4またはコンプレッサはエア
コンECU10で制御されている。
【0100】または車両に、ウインドウの曇りを晴らす
ためのウインドウ加熱手段として熱線43を備えてお
り、通常は操作パネル51のDEFスイッチ54が乗員
の選択により押された場合、熱線43に通電加熱されウ
インドウに付いた霜を除去したり曇りを晴らしたりする
と同時に、吹出口モードをDEFモードに設定して空調
風によるウインドウの防曇能力が上げられる。
【0101】図17は本発明の第6実施形態を示したも
ので、防曇制御に関する制御を示したフローチャートで
ある。概略、デフロスタ能力を抑える設定になった場
合、顔の火照りに関係しない防曇手段で防曇能力を補う
ものである。
【0102】ステップS101でF/Dモードが選択さ
れると、ステップS102で乗員の好みデータを読み込
み、ステップS103で読み込んだ好みデータから上限
値が高・中・低のどのレベルに分類されるかを判断す
る。
【0103】その結果、ステップS103で上限値が高
に分類される場合はステップS104へ進みDEFドア
開度の上限を30度とする。また、ステップS103で
上限値が中または入力無しに分類される場合はステップ
S105へ進みDEFドア開度の上限を25度とする。
また、ステップS103で上限値が低に分類される場合
はステップS106へ進みDEFドア開度の上限を20
度とするものである。
【0104】但し、ステップS106のように防曇能力
の上限を低く抑えた場合、次のステップS107の防曇
能力処置で防曇能力を補う。具体的には、送風機ユニッ
ト3、4を備えた車両用空調装置では送風機ユニット
3、4での外気導入率を増加させる。または、コンプレ
ッサを備えた車両用空調装置ではコンプレッサの稼動率
を増加させる。または、熱線43を備えた車両では熱線
43の稼動率を増加させる。または、これらの手段を複
合して行っても良い。
【0105】このような本実施形態の特徴として、車両
用空調装置は外気導入から内気循環までを選択して空調
用空気を取り込み車室内へ送風する送風機ユニット3、
4、またはエバポレータ41の冷凍サイクル中にコンプ
レッサ、または車両ウインドウの曇りを晴らすための熱
線43を備え、エアコンECU10は、ウインドウへの
空調風の吹出風量または吹出温度または配風割合または
吹出風速の上限値または増加量の上限が所定値以下に設
定された時、防曇性能増加手段として送風機ユニット
3、4での外気導入率またはコンプレッサの稼動率また
は熱線43の稼動率を増加させている。これにより、デ
フロスタ能力を抑える設定に対応して、顔の火照りに関
係しない手段で防曇性を補って確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】オートエアコンシステムの全体構成を示した構
成図である。
【図2】車両のインストルメントパネルを示した正面図
である。
【図3】エアコン操作パネルを示した正面図である。
【図4】エアコンECUの制御プログラムを示したフロ
ーチャートである。
【図5】防曇制御に関する制御を示したフローチャート
である(第1実施形態)。
【図6】(a)、(b)ともドア開度の変化を示した特
性図である(第1実施形態)。
【図7】防曇制御に関する制御を示したフローチャート
である(第2実施形態)。
【図8】防曇制御に関する制御を示したフローチャート
である(第3実施形態)。
【図9】ドア開度増加量の変化を示した特性図である
(第3実施形態)。
【図10】防曇制御に関する制御を示したフローチャー
トである(第4実施形態)。
【図11】吹出温度の変化を示した特性図である(第4
実施形態)。
【図12】防曇制御に関する制御を示したフローチャー
トである(第5実施形態)。
【図13】(a)、(b)ともドア開度の変化を示した
特性図である(第5実施形態)。
【図14】(a)、(b)ともドア開度の変化を示した
特性図である(第5実施形態)。
【図15】防曇制御に関する制御を示したフローチャー
トである(第6実施形態)。
【図16】防曇制御に関する制御を示したフローチャー
トである(第7実施形態)。
【図17】防曇制御に関する制御を示したフローチャー
トである(第8実施形態)。
【符号の説明】
3、4 送風機ユニット(内外気送風手段) 10 エアコンECU(空調制御手段) 41 エバポータ(空気冷却手段) 43 熱線(ウインドウ加熱手段) 57 MODE切替スイッチ(設定手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両ウインドウへの空調風の吹出風量ま
    たは吹出温度または配風割合または吹出風速を調節可能
    な空調機器と、この空調機器を制御する空調制御手段
    (10)とを備え、この空調制御手段(10)の制御に
    より前記ウインドウを防曇する車両用空調装置におい
    て、 前記空調制御手段(10)は防曇制御に関する制御とし
    て、前記ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温
    度または配風割合または吹出風速の上限値を乗員の操作
    によって可変可能な設定手段(57)を設けたことを特
    徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 車両ウインドウへの空調風の吹出風量ま
    たは吹出温度または配風割合または吹出風速を調節可能
    な空調機器と、この空調機器を制御する空調制御手段
    (10)を備え、この空調制御手段(10)の制御によ
    り車両のウインドウを防曇する車両用空調装置におい
    て、 前記空調制御手段(10)は防曇制御に関する制御とし
    て、第1の吹出モードから第2の吹出モードへ移行して
    前記ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度ま
    たは配風割合または吹出風速を増加させる場合、その吹
    出風量または吹出温度または配風割合または吹出風速の
    増加量の上限を乗員の操作によって可変可能な設定手段
    (57)を設けたことを特徴とする車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記空調制御手段(10)は、前記ウイ
    ンドウへの空調風の吹出風量または配風割合または吹出
    風速の増加を自動で行うオート制御モードの時、前記ウ
    インドウの曇りに影響する環境条件に応じて、前記ウイ
    ンドウへの空調風の吹出風量または吹出温度または配風
    割合または吹出風速の上限値または増加量の上限を可変
    することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 車両用空調装置は複数の空調ゾーンを互
    いに独立して空調制御する機能を備え、 前記空調制御手段(10)は、前記複数の空調ゾーン毎
    に前記ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出温度
    または配風割合または吹出風速の上限値または増加量の
    上限を可変可能な設定手段(57)を設けたことを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装
    置。
  5. 【請求項5】 前記空調制御手段(10)は、前記オー
    ト吹出口制御モードの時、前記ウインドウへの空調風の
    吹出風量または配風割合または吹出風速を増加させる吹
    出モードへ移行する条件を乗員の操作によって可変可能
    な設定手段(57)を設けたことを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 車両用空調装置は外気導入から内気循環
    までを選択して空調用空気を取り込み車室内へ送風する
    内外気送風手段(3、4)、または空気冷却手段(4
    1)の冷凍サイクル中に冷媒圧縮機、または車両ウイン
    ドウの曇りを晴らすためのウインドウ加熱手段(43)
    を備え、 前記空調制御手段(10)は、前記ウインドウへの空調
    風の吹出風量または吹出温度または配風割合または吹出
    風速の上限値または増加量の上限が所定値以下に設定さ
    れた時、防曇性能増加手段として前記内外気送風手段
    (3、4)での外気導入率または前記冷媒圧縮機の稼動
    率または前記ウインドウ加熱手段(43)の稼動率を増
    加させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のい
    ずれかに記載の車両用空調装置。
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