JP2003136179A - ニードルローラ圧縮装置、ニードルローラ圧縮方法 - Google Patents

ニードルローラ圧縮装置、ニードルローラ圧縮方法

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JP2003136179A
JP2003136179A JP2001332295A JP2001332295A JP2003136179A JP 2003136179 A JP2003136179 A JP 2003136179A JP 2001332295 A JP2001332295 A JP 2001332295A JP 2001332295 A JP2001332295 A JP 2001332295A JP 2003136179 A JP2003136179 A JP 2003136179A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ニードルローラを軸方向に圧縮して、その端部
に傾斜面を形成するに際して、ニードルローラに座屈を
生じさせないようにする。 【解決手段】ニードルローラ4を軸方向に圧縮すること
によってニードルローラ4の端部40と側面部42の境
界外周部分に傾斜面を形成するようにしたものにおい
て、そのニードルローラ4を嵌め込んで圧縮するための
凹部25、35の底面部21、31と側面部22、32
における境界部分に、その嵌め込まれたニードルローラ
4の軸方向に対して45度を越えない範囲のテーパ面2
6、36を設け、そのテーパ面26、36の範囲内にお
いて凹部25.35に嵌め込まれたニードルローラ4を
軸方向に圧縮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベアリングなどに
使用されるニードルローラの製造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、ベアリングなどに使用されている
ニードルローラは、円滑な回転を許容するために断面を
真円形状に構成しており、また、そのニードルローラが
スキュー回転した時の端部の接触抵抗などを低減させる
ために、その端部に曲率を持たせた傾斜面を形成するよ
うにしている。
【0003】このようなニードルローラは、一般的に、
次のような工程で製造されている。
【0004】まず、図4に示すように、あらかじめヘッ
ダ装置5における対向するパンチ6とダイス7に凹部6
5、75を設け、また、それぞれの凹部65、75の底
面部61、71と側面部62、72の境界外周部分に一
定の曲率を有する湾曲した傾斜面66、76を形成して
おく。そして、そのパンチ6とダイス7の凹部65、7
5にニードルローラ4を取り付け、ニードルローラ4を
軸方向に圧縮することによって、図5の想像線に示すよ
うに、ニードルローラ4の端部40に傾斜面40aを成
形する。そして、その後、パンチ6とダイス7を離間さ
せ、左右の貫通孔63、73からピン64、74を突出
させてニードルローラ4を取り出すとともに、その取り
出されたニードルローラ4の中央部分のワッパ43をト
リミング加工で削ぎ取り、研磨によって断面を真円柱状
にする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
ニードルローラ4を圧縮してその端部40に傾斜面40
aを形成する場合、図5に示すように、凹部75におけ
る側面部72から湾曲する傾斜面76のA点、すなわ
ち、側面部72から内側に向けての傾斜角度θが45度
までの点にかけては、ニードルローラ4の端部40に傾
斜面40aを形成する方向に圧縮力が作用するが、その
A点を越える部分、すなわち、側面部72から内側に向
けての傾斜角度θが45度を越える部分については、ニ
ードルローラ4を軸方向に座屈させる圧縮力が作用し、
図6に示すように、ニードルローラ4の端部中央部分に
窪み40cや非対称な湾曲部分40a、40bを生じさ
せてしまうことになる。
【0006】また、このようにニードルローラ4の軸方
向に高い圧縮力が作用した場合は、そのニードルローラ
4の中央部分に生じるワッパ43が大きくなり、材料に
対する完成品の使用効率が悪くなる。更に、トリミング
加工でワッパ43を削ぎ取る場合、図6のa−a線で示
すような切断面で削ぎ取って研磨量を少なくするのが好
ましいが、そのワッパ43の基端部分で削ぎ取ろうとし
た場合、切刃8が湾曲した部分から滑り逃げてしまい、
その結果、ワッパ43全体をエグリ取って窪み部分44
を生じさせてしまうことになる。
【0007】そこで、本発明はこのような課題に着目し
てなされたもので、座屈などを生じさせることなくニー
ドルローラの端部に傾斜面を形成できるようなものを提
供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、上
記課題を解決するために、ニードルローラを軸方向に圧
縮することによってニードルローラの端部と側面部の境
界外周部分に傾斜面を形成するようにしたものにおい
て、そのニードルローラを嵌め込んで圧縮するための凹
部の底面部と側面部における境界部分に、その嵌め込ま
れたニードルローラの軸方向に対して45度を越えない
範囲の傾斜面を設け、その傾斜面の範囲内において凹部
に嵌め込まれたニードルローラを軸方向に圧縮するよう
にしたものである。
【0009】このように、軸方向に対して45度を越え
ない範囲内においてニードルローラを圧縮するようにし
たので、軸方向に対する過度な圧縮を低減して座屈を防
止することができ、端部に窪みや非対称な湾曲部分を生
じさせることもなく、また、ワッパの大きなはみ出しな
どを防止することができるようになる。
【0010】また、このような傾斜面を、側面部から底
面部にかけて直線状に傾斜したテーパ面で構成する。
【0011】このようなものであると、直線状のテーパ
面にニードルローラの端部を接触させることによって、
凹部とニードルローラの外径寸法差に関係なく、均一に
その端部境界部分に傾斜面を構成することができるよう
になる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、本発明のニードル
ローラ圧縮装置であるヘッダ装置1のパンチ2およびダ
イス3部分における要部断面図を示したものであり、図
2は、ダイス3における凹部35の拡大図を示したもの
である。また、図3は、パンチ2およびダイス3に取り
付けられたニードルローラ4の圧縮工程を示したもので
ある。
【0013】このヘッダ装置1は、ニードルローラ4の
両端部40に傾斜面41を形成するためのパンチ2およ
びダイス3と、このパンチ2およびダイス3に嵌め込ま
れたニードルローラ4をその軸方向に沿って圧縮するた
めの図示しない圧縮機構とを備えたものである。このパ
ンチ2およびダイス3は、押出成形されたニードルロー
ラ4の直径と略同等の内径を有する凹部25、35を備
えたものであり、そのパンチ2に設けられた凹部25と
ダイス3に設けられた凹部35を同一軸線上に設けてそ
れぞれの開口部26、36を対向させている。また、パ
ンチ2およびダイス3の底面部21、31には、ピン2
4、34を凹部25、35側に突出できるようにした貫
通孔23、33を設けており、圧縮されたニードルロー
ラ4を取り出す際に、そのニードルローラ4が付着して
いる側のパンチ2もしくはダイス3の貫通孔23、33
からピン24、34を突出させてニードルローラ4を取
り外せるようにしている。一方、圧縮機構は、駆動モー
タなどの駆動手段によってパンチ2側を駆動し、パンチ
2もしくはダイス3に嵌め込まれたニードルローラ4を
軸方向に圧縮できるようにしたものである。
【0014】このように構成したものにおいて、本実施
の形態では、パンチ2およびダイス3における底面部2
1、31および側面部22、32の境界部分に直線状に
傾斜したテーパ面26、36を設けている。
【0015】このテーパ面26、36は、底面部21、
31と側面部22、32の境界部分の全周にわたって設
けられたものであり、凹部25、35の軸方向に沿って
略45度以下の傾斜角度、好ましくは、30度から40
度の傾斜角を設け、底面部21、31に向かってそれぞ
れ対向するテーパ面26、36の間隔が漸次狭くなるよ
うにしている。このテーパ面26、36の軸方向に対す
る長さは、最圧縮時におけるパンチ2およびダイス3の
底面部21、31の間隔に対応して決められ、パンチ2
を最もダイス3側まで移動させた際に、そのニードルロ
ーラ4の両端部40がそれぞれのテーパ面26、36上
に位置するような長さに設定している。
【0016】一方、圧縮機構は、パンチ2とダイス3の
外側壁面27、37を離間させた状態で圧縮工程が完了
するようにパンチ2側を駆動するようにしており、最圧
縮時に、両端部40に傾斜面41を形成し、かつ、パン
チ2およびダイス3の底面部21、31からニードルロ
ーラ4に対して座屈を生じさせない程度の圧縮力を加え
られるようにしている。
【0017】次に、このように構成されたヘッダ装置1
を用いてニードルローラ4の端部40に傾斜面41を形
成する工程について説明する。
【0018】まず、押出成形によって円柱状に成形され
たニードルローラ4を、ヘッダ装置1のダイス3に形成
された凹部35に嵌め込み(図3(a))、図示しない
スイッチを操作することによって圧縮機構を駆動し、パ
ンチ2をダイス3側に移動させる。そして、この移動に
伴って、ダイス3側から突出するニードルローラ4の他
端部40をパンチ2の凹部25側にも嵌め込み、更に圧
縮を加えることによって、凹部25、35のテーパ面2
6、36にニードルローラ4の両端部40と側面部42
との境界部分を押し付けて塑性変形させる(図3
(b))。
【0019】この塑性変形によって、ニードルローラ4
の両端部40と側面部42との境界部分がテーパ面2
6、36に沿って傾斜面41を形成するが、凹部25、
35のテーパ面26、36から加わる軸方向への圧縮力
や底面部21、31からの圧縮力によって外側壁面2
7、37間にワッパ43が発生する。このワッパ43を
取り除くべく、図示しないスイッチを操作することによ
ってパンチ2とダイス3を離間させ、ニードルローラ4
が付着している側の貫通孔23、33からピン24、3
4を突出させてニードルローラ4を取り出すとともに、
この膨出したワッパ43を研磨などによって取り除く
(図3(c))。
【0020】なお、実験では、直径2.0mm、軸方向
の距離が6.9mmのスチール製ニードルローラをヘッ
ダ装置1で6.7mmまで圧縮した場合、この外側壁面
27、37間に形成されるワッパ43は僅かに膨出する
のみとなり、このワッパ43を切刃で削ぎ取ることなく
研磨によって断面を真円形状にすることができるように
なった。
【0021】このように上記実施の形態においては、ニ
ードルローラ4を軸方向に圧縮することによりニードル
ローラ4の端部40と側面部42の境界部分に傾斜面4
1を形成するようにしたものにおいて、そのニードルロ
ーラ4を嵌め込むための凹部25、35の底面部21、
31と側面部22、32における境界部分に、ニードル
ローラ4もしくは凹部25、35の軸方向に対して45
度を越えない傾斜を設け、その傾斜の範囲内においてニ
ードルローラ4を軸方向に圧縮するようにしたので、座
屈を防止することができ、また、ワッパ43の大きなは
み出しなどを防止することができるようになる。
【0022】また、その傾斜を、側面部22、32から
底面部21、31にかけて直線状に傾斜したテーパ面2
6、36で構成したので、仮にニードルローラ4と凹部
25、35における径寸法が異なる場合であっても、ニ
ードルローラ4の傾斜角度を均一にさせることができる
ようになる。
【0023】なお、各部の具体的な構成は、上述した実
施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を
逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0024】例えば、上記実施の形態においては、凹部
25、35の傾斜部分をテーパ面26、36で構成する
ようにしたが、これに限らず、最圧縮時にニードルロー
ラ4の端部40が軸方向に沿って45度を越えない範囲
で湾曲させれば良く、例えば、この傾斜を最大傾斜角4
5度以下の湾曲した傾斜面で構成するようにしても良
い。
【0025】
【発明の効果】本発明では、ニードルローラを軸方向に
圧縮することによりニードルローラの端部と側面部の境
界部分に傾斜面を形成するようにしたものにおいて、そ
のニードルローラを嵌め込むための凹部の底面部と側面
部における境界部分に、ニードルローラもしくは凹部の
軸方向に対して45度を越えない傾斜面を設け、その傾
斜面の範囲内において凹部に嵌め込まれたニードルロー
ラを軸方向に圧縮するようにしたので、軸方向に対する
座屈を防止することができ、また、ワッパの大きなはみ
出しなどを防止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すヘッダ装置の要部
断面図。
【図2】同形態における底面部近傍の拡大図。
【図3】同形態におけるニードルローラの圧縮工程を示
す図。
【図4】従来例におけるヘッダ装置の要部断面図。
【図5】従来例におけるヘッダ装置の底面部近傍の拡大
図。
【図6】従来例におけるニードルローラの圧縮工程を示
す図。
【符号の説明】
1・・・ニードルローラ圧縮装置(ヘッダ装置) 4・・・ニードルローラ 21、31・・・底面部 22、32・・・即面部 25、35・・・凹部 26、36・・・傾斜面(テーパ面) 40・・・端部 42・・・側面部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニードルローラの端部を嵌め込むための凹
    部と、当該凹部に嵌め込まれたニードルローラを軸方向
    に圧縮する圧縮機構とを具備してなるニードルローラ圧
    縮装置において、 前記凹部の底面部と側面部の境界部分に、凹部の軸方向
    に対して45度を越えない傾斜面を設け、当該傾斜面の
    範囲内において前記凹部に嵌め込まれたニードルローラ
    を軸方向に圧縮してニードルローラの端部と側面部の境
    界外周部分に傾斜面を形成することを特徴とするニード
    ルローラ圧縮装置。
  2. 【請求項2】前記傾斜面が、側面部から直線的に傾斜す
    るテーパ面である請求項1記載のニードルローラ圧縮装
    置。
  3. 【請求項3】ニードルローラの端部を嵌め込むための凹
    部と、当該凹部に嵌め込まれたニードルローラを軸方向
    に圧縮する圧縮機構とを具備してなり、前記凹部に嵌め
    込まれたニードルローラを前記圧縮機構を用いて軸方向
    に圧縮することによりニードルローラの端部と側面部の
    境界外周部分に傾斜面を形成するニードルローラ圧縮方
    法において、 前記凹部の底面部と側面部の境界部分に、凹部の軸方向
    に対して45度を越えない傾斜面を設け、当該傾斜面の
    範囲内において前記凹部に嵌め込まれたニードルローラ
    を軸方向に圧縮することを特徴とするニードルローラ圧
    縮方法。
  4. 【請求項4】前記傾斜面が、側面部から直線状に傾斜す
    るテーパ面である請求項3記載のニードルローラ圧縮方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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