JP2003133730A - 配線板製造用シート材及び多層板 - Google Patents

配線板製造用シート材及び多層板

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JP2003133730A JP2001329937A JP2001329937A JP2003133730A JP 2003133730 A JP2003133730 A JP 2003133730A JP 2001329937 A JP2001329937 A JP 2001329937A JP 2001329937 A JP2001329937 A JP 2001329937A JP 2003133730 A JP2003133730 A JP 2003133730A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層板の作製に使用することによって、一括
成形にて多層化を行うことにより複数の各層における成
形時の熱履歴の相違を解消することができ、併せて導体
回路の微細化・高密度化による小型化と、信頼性の向上
とを達成することができる配線板製造用シート材を提供
する。 【解決手段】 導電性材料2が充填された貫通孔3を有
するBステージ状態の樹脂層4の一面又は両面に、表面
に導体回路5が設けられた転写用基材6を導体回路5と
樹脂層4とが対向するように積層すると共に、導体回路
5を樹脂層4に埋設する。転写用基材6を樹脂層4から
剥離すると共に導体回路5を樹脂層4側に残存させて導
体回路5を樹脂層4に転写して成形する。樹脂層の外面
と導体回路5の露出面とを面一に形成する。成形後の樹
脂層4はBステージ状態に維持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層の配線板の製
造のために用いられる配線板製造用シート材及びこれに
より製造される多層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の高機能化、小型薄型化
の要求に伴い、半導体の高集積化、配線距離の短縮化、
プリント配線板の小型化等を図るために、ビルドアップ
工法によるプリント配線板の製造が盛んに行われてい
る。
【0003】このようなビルドアップ工法によるプリン
ト配線板の製造は、例えば樹脂付銅箔に代表されるよう
にコア導体回路板に樹脂付銅箔を積層成形後、レーザー
加工と表面のパターニングを行い、このコア導体回路板
に更に樹脂付銅箔等を積層成形して絶縁層を形成すると
共に外面の銅箔に導体回路形成を施し、この工程を繰り
返し行うことにより多層板を作製する方法が一般的であ
った。また、絶縁性樹脂からなるシート材料にレーザー
加工にて貫通孔を形成し、これに導電性ペーストを充填
した後に銅箔と成形一体化してシート状材料の硬化物に
て絶縁層を形成すると共に外面の銅箔に導体回路形成を
行う工程を繰り返し行い、多層板を製造する方法も行わ
れていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来工法では、絶縁層の形成と導体回路形成とを繰
り返し行うことが必要となって、多層板の製造に非常に
煩雑な手間と時間を要するものであった。また絶縁層と
導体回路とを一層ずつ形成するごとに、絶縁層の硬化成
形等のための加熱が必要となり、このため形成される各
層の導体回路はそれぞれ異なる熱履歴を有することとな
って、各導体回路パターンの収縮率が異なるものとな
り、その補正が必要となるものであった。また、導体回
路パターン上に絶縁層を形成する際には、絶縁層の成形
時に絶縁性樹脂が溶融した後に硬化することによって導
体回路が絶縁層に埋め込まれることになるものだが、配
線板が多層化するほど絶縁層への導体回路の埋設時に発
生する凹凸が増幅して、絶縁層の形成時に導体回路の凹
凸を吸収しきれなくなり、絶縁層に厚みが過剰に薄くな
る箇所が形成されるなどして絶縁信頼性が低下するおそ
れがあった。
【0005】更に、このような従来工法ではパットオン
ビアやビアオンビア等の接続構造を形成することができ
ず、導体回路の高密度化に限界があって基板面積の小型
化に限界があり、信号経路の短縮ができないという問題
もあった。
【0006】また、従来、絶縁性のシート状材料とリー
ドフレーム等の導体回路用材料とを一括して積層成形す
ることも行われており、これによれば各層の導体回路の
熱履歴の相違は解消されるが、リードフレームを用いて
いるために、薄型化や導体回路の微細化に限界があっ
た。
【0007】また、PETフィルム等からなる転写用基
材に転写用の導体回路を形成し、絶縁樹脂からなるシー
ト状材料とこの転写用基材を重ねた状態でシート状材料
を硬化させた後に、導体回路を絶縁層に残存させた状態
で転写用基材を剥離するという、導体回路の転写形成が
行われており、この場合には絶縁層に導体回路が埋め込
まれて表面がフラットな基板が得られるが、このような
工法では、絶縁層の両面に導体回路を同時に転写するこ
とにより両面板を得ることができるだけであり、更に多
層化する場合には両面板に対してシート状材料の積層と
導体回路の転写とを繰り返し行わなければならず、多層
化に煩雑な手間と時間がかかると共に、各層の導体回路
の熱履歴の相違は解消されないものであった。
【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、多層板の作製に使用することによって、一括成形
にて多層化を行うことにより複数の各層における成形時
の熱履歴の相違を解消することができ、併せて導体回路
の微細化・高密度化による小型化と、信頼性の向上とを
達成することができる配線板製造用シート材及びこれに
より製造される多層板を提供することを目的とするもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
配線板製造用シート材は、導電性材料2が充填された貫
通孔3を有するBステージ状態の樹脂層4の一面又は両
面に、表面に導体回路5が設けられた転写用基材6を導
体回路5と樹脂層4とが対向するように積層すると共に
導体回路5を樹脂層4に埋設し、転写用基材6を樹脂層
4から剥離すると共に導体回路5を樹脂層4側に残存さ
せて導体回路5を樹脂層4に転写して樹脂層4の外面と
導体回路5の露出面とを面一に形成し、成形後の樹脂層
4がBステージ状態に維持されていることを特徴とする
ものである。
【0010】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、キャリア基材7の一面に、熱硬化性樹脂組成物から
なるBステージ状態の樹脂層4を形成し、樹脂層4とキ
ャリア基材7とを貫通する貫通孔3を形成し、キャリア
基材7の外面側から導電性ペースト8を塗布することに
より貫通孔3内に導電性ペースト8を充填した後に樹脂
層4からキャリア基材7を剥離して貫通孔3から導電性
ペースト8が外方に突出するように形成し、この樹脂層
4に対して導体回路5を転写して樹脂層4の外面と導体
回路5の露出面とを面一に形成して成ることを特徴とす
るものである。
【0011】また請求項3の発明は、請求項2におい
て、キャリア基材7が、樹脂層4が形成される面が鏡面
状に形成された金属箔であることを特徴とするものであ
る。
【0012】また請求項4に係る配線板製造用シート材
は、金属箔9の一面にBステージ状態の樹脂層4を形成
し、この樹脂層4の一面に、表面に導体回路5が設けら
れた転写用基材6を導体回路5と樹脂層4とが対向する
ように積層すると共に導体回路5を樹脂層4に埋設し、
転写用基材6を樹脂層4から剥離すると共に導体回路5
を樹脂層4側に残存させて導体回路5を樹脂層4に転写
して樹脂層4の外面と導体回路5の露出面とを面一に形
成し、成形後の樹脂層4がBステージ状態に維持されて
いることを特徴とするものである。
【0013】また請求項5の発明は、請求項4におい
て、導体回路5の形成に先だって、樹脂層4の一面に保
護フィルム12を積層し、樹脂層4と保護フィルム12
とを貫通する貫通孔3を形成し、保護フィルム12の外
面側から導電性ペースト8を塗布することにより貫通孔
3内に導電性ペースト8を充填した後に、樹脂層4から
保護フィルム12を剥離して貫通孔3から導電性ペース
ト8が外方に突出するように形成し、次いでこの樹脂層
4に導体回路5を転写して樹脂層4の外面と導体回路5
の露出面とを面一に形成して成ることを特徴とするもの
である。
【0014】また請求項6の発明は、請求項1乃至5の
いずれかにおいて、導体回路5としてグランド層5aを
形成すると共にこのグランド層5aを網目状に形成して
成ることを特徴とするものである。
【0015】また請求項7の発明は、請求項1乃至6の
いずれかにおいて、転写用基材6として、厚み50〜1
50μmであり、且つ導体回路5が形成される面の表面
粗度Raが2μm以下となるように表面粗化処理が施さ
れたステンレス基材を用いて成ることを特徴とするもの
である。
【0016】また請求項8の発明は、請求項1乃至7の
いずれかにおいて、樹脂層4を、シリカ、アルミナ、窒
化アルミニウム、窒化ホウ素及び酸化マグネシウムから
選ばれる少なくとも一種の無機フィラーを含有すると共
にこの無機フィラーの最大粒径が10μm以下である樹
脂組成物にて形成して成ることを特徴とするものであ
る。
【0017】また請求項9の発明は、請求項1乃至8の
いずれかにおいて、樹脂層4を、無機フィラーの含有量
が70〜95重量%であり、かつカップリング剤及び分
散剤のうちの少なくとも一方が含有された樹脂組成物に
て形成して成ることを特徴とするものである。
【0018】また請求項10に係る多層板は、請求項1
乃至9のいずれかに記載の複数の配線板製造用シート材
1を積層した状態で各樹脂層4を硬化させることにより
一括成形して成ることを特徴とするものである。
【0019】また請求項11に係る多層板は、請求項1
乃至9のいずれかに記載の一枚の配線板製造用シート材
1又は複数枚の配線板製造用シート材1を積層して配置
したものの外面側に、導電性材料2が充填された貫通孔
3を有するBステージ状態の樹脂層4の一面に金属箔1
0を積層した金属箔付きシート材13を積層して配置
し、この状態で各樹脂層4を硬化させることにより一括
成形して成ることを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0021】多層板11の製造に用いる配線板製造用シ
ート材1は、次に示すような片面回路付きシート材1
a、両面回路付きシート材1b、金属箔・回路付きシー
ト材1cが用いられ、また更に金属箔付きシート材13
も用いられる。
【0022】配線板製造用シート材1は、導電性材料2
が充填された貫通孔3を有する樹脂層4に、転写用基材
6に設けられた導体回路5を転写することにより作製さ
れる。
【0023】図7に、転写用基材6の一面に導体回路5
を設けた様子を示す。導体回路5を転写用基材6に形成
する方法は特に限定されず、転写用基材6に銅箔等の金
属箔を貼着した後にエッチング処理を施して導体回路5
を形成することもできるが、特に導体回路5の形成を電
解銅めっきなどによるパターンめっきにより行うと、微
細な導体回路5を容易に形成することができ、また両面
が平滑な導体回路5を容易に形成することができて、最
終的に得られる多層板11の高周波損失を低減し、高周
波信頼性を向上することができる。このように導体回路
5をめっき処理により形成する場合には、後述する導体
回路5の転写時における樹脂層4や絶縁層14と導体回
路5との密着性を向上するために、高周波特性を損なわ
ない程度に表面処理を施すことが好ましい。このような
表面処理としては、例えば黒化処理、アルマイト処理等
による粗面化処理を挙げることができる。
【0024】また、転写用基材6としては、金属基材、
特にステンレス基材を用いることが好ましく、SUS3
04、SUS301が好ましいが、特にSUS301が
めっき密着性の点から優れている。ステンレス基材を用
いる場合には、厚みは50〜200μmであることが好
ましく、特に100μm程度であると取扱性が良好であ
る。
【0025】上記の導体回路5は、転写用基材6と導体
回路5との間の密着強度(剥離強度)が好ましくは0.
098〜1.96mN/cm(10〜200gf/c
m)、更に好ましくは0.294〜0.882mN/c
m(30〜90gf/cm)となるように形成するもの
であり、このようにすると、転写用基材6と導体回路5
との間に充分に密着性が得られると共に、樹脂層4や絶
縁層14に導体回路5を転写する際における、導体回路
5からの転写用基材6の剥離性が高められる。この密着
強度が小さすぎると、導体回路5と転写用基材6との間
の密着性が不充分となり、またこの密着強度が大きすぎ
ると転写用基材6から樹脂層4に導体回路5を転写する
際に導体回路5と転写用基材6とを完全に剥離すること
ができなくなるおそれがある。
【0026】このとき転写用基材6として、特に上記の
ようなステンレス基材を用いると、ステンレスは銅など
の金属からなる導体回路5や、樹脂層4との密着性が低
いことから、導体回路5の転写時における樹脂層4及び
導体回路5からの剥離性が高くなり、導体回路5を樹脂
層4に容易に転写することができる。
【0027】このようなステンレス基材を用いる場合に
は、めっき処理などによる転写用基材6への導体回路5
の形成時における転写用基材6と導体回路5との密着性
をある程度確保して転写用基材6から導体回路5が不用
意に剥離しないようにすると共に、導体回路5の転写時
には転写用基材6を樹脂層4から剥離する際には転写回
路から導体回路5を剥離させて導体回路5を樹脂層4側
に確実に残存させるために、転写用基材6に対して、導
体回路5が形成される面に、硝酸とフッ酸との混酸や、
あるいは塩化第二鉄溶液等のエッチング液によりソフト
エッチング処理を施すなどの化学研磨による粗化処理を
施して転写用基材6と導体回路5との間の密着強度を調
整することが好ましく、このような処理により、好まし
くは転写用基材6の表面粗度Raを2μm以下、特に好
ましくは表面粗度Raを0.1〜0.5μmに形成する
ものである。
【0028】また転写用基材6としてステンレス基材を
用いる場合には、導体回路5形成時等に表面が汚れた場
合でも、導体回路5形成後に容易に洗浄ができて、樹脂
層4に汚れが転写されないようにして信頼性の低下を防
ぐことができる。
【0029】ここで、給電用又は接地用の導体回路5を
形成する場合には、転写用基材6に対して導体回路5を
面状に形成しても良いが、より好ましくは導体回路5を
網目状に形成するものであり、このようにすると、ステ
ンレス基材等からなる転写用基材6と銅等からなる導体
回路5の熱膨張率が相違していても、熱による負荷を受
けた際の熱応力が緩和されて、転写用基材6から導体回
路5が不用意に剥離することを防止することができる。
【0030】図8は、転写用基材6に、網目状のグラン
ド層5aを設けた様子を示すものであり、図示の例で
は、導体回路5として、網目状のグランド層5aと、通
常の回路5bとが併設されている。
【0031】一方、樹脂層4の形成用の樹脂組成物は、
樹脂成分と無機フィラーとを含有するものであり、樹脂
成分としては熱硬化性樹脂を含有すると共に、必要に応
じて硬化剤、硬化促進剤等が配合される。また粘度調整
のために溶剤を配合することもできる。
【0032】熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、シアネート樹脂等が挙げられるものであ
り、これらのうち一種又は二種以上を用いることができ
る。また、難燃性を付与するためには、熱硬化性樹脂と
は別に添加型の難燃剤を加えても良いが、特に熱硬化性
樹脂の一部又は全部として臭素化されたものや、リン変
性されたものを用いると、充分な耐熱性や機械的強度を
維持しつつ、難燃性の向上が図れる。
【0033】硬化剤や硬化促進剤を配合する場合は、特
に制限されるものではなく、使用する熱硬化性樹脂に応
じた適宜のものが、適当量配合される。例えば熱硬化性
樹脂としてエポキシ樹脂を配合する場合には、硬化剤と
してフェノールノボラック樹脂やジシアンジアミド等の
ような公知のエポキシ樹脂の硬化剤を配合することがで
き、また硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミ
ダゾールやトリフェニルホスフィン等のような公知の硬
化促進剤を配合することができる。
【0034】また溶剤は低沸点のものを使用することが
好ましく、この場合、樹脂組成物に混合される混合溶剤
として使用することにより、樹脂組成物から形成される
乾燥後の樹脂層4の表面形状が良好となる。このような
溶剤としては、特にメチルエチルケトン、アセトン等を
使用することが好ましい。高沸点溶剤を用いる場合に
は、乾燥時に充分揮発せず残留する可能性が高く、樹脂
層4を硬化して形成される絶縁層14の電気絶縁性や機
械的強度の低下の原因となるおそれがある。
【0035】無機フィラーは樹脂組成物中に高充填する
ことにより、樹脂組成物にて形成される樹脂層4、及び
この樹脂層4を硬化成形して得られる絶縁層14の熱膨
張率を低減し、多層板11の積層成形時における導体回
路5を構成する金属との熱膨張係数の整合性を向上する
ことが好ましい。このとき無機充填剤の配合量は、好ま
しくは組成物の溶剤を除く全量に対して80〜95質量
%とするものであり、このようにすれば、絶縁層14の
熱膨張係数が20ppm/℃以下となって良好な低熱膨
張性を有し、導体回路5を構成する金属との熱膨張係数
の整合性が一層良好なものとなる。
【0036】無機フィラーとしては、酸化アルミニウム
(Al23)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ
素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、シリカ(S
iO 2)等を用いることができ、これらのものを一種単
独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることがで
きる。これらの無機フィラーは熱伝導性、誘電率、粒度
分布、色調の自由度が高いことから、所望の機能を選択
的に発揮させる場合に適宜粒度設計を行って、容易に高
充填化を行うことができ、特に無機フィラーとして最大
粒径が10μm以下のものを用いると、貫通孔3の形成
のためのレーザー加工、ドリル加工時の孔形状や磨耗を
良好に保つことができる。また、樹脂層4を50μm以
下の薄膜とする場合にも良好な外観を得ることができ
る。
【0037】また、組成物中における無機フィラーの分
散性を向上させるために、エポキシシラン系カップリン
グ剤、チタネート系カップリング剤等の適宜のカップリ
ング剤や、りん酸エステル系分散剤、エーテルアミン系
分散剤等の適宜の分散剤等を添加することが好ましい。
【0038】また、流動性を調整したり、樹脂層4やそ
の硬化物である絶縁層14の割れ防止のために、フェノ
キシ樹脂等の熱可塑性樹脂を配合することもできる。
【0039】樹脂層4を形成するためのキャリア基材7
としては、PETフィルム等の合成樹脂フィルムを用い
ることができ、また金属箔を用いることもできる。金属
箔を用いる場合には、キャリア基材7を樹脂層4から剥
離する際の剥離性を向上するために、樹脂層4が形成さ
れる面を鏡面状に形成することが好ましい。このような
金属箔としては、レーザ加工時に貫通孔3を形成可能な
材質が選択され、圧延銅箔、電解銅箔、アルミニウム
箔、金属合金箔、金属クラッド箔等を用いることが好ま
しい。
【0040】樹脂層4を形成するにあたっては、まず図
9(a)に示すように、キャリア基材7の一面に上記の
樹脂組成物を塗布し、加熱乾燥することにより半硬化状
態(Bステージ状態)として、キャリア基材7の一面に
樹脂層4を形成する。このときの加熱乾燥条件は、樹脂
組成物の組成にもよるが、130〜170℃で2〜10
分間加熱することが好ましい。また、樹脂層4の厚みは
50μm〜300μmに形成することが好ましい。
【0041】このように形成された樹脂層4は、キャリ
ア基材7に支持された状態のままで、YAGレーザや炭
酸ガスレーザ等のレーザ光の照射によるレーザ加工を施
すことにより、図9(b)に示すように所定のビアホー
ル15の形成位置に貫通孔3の形成がなされる。この貫
通孔3は、樹脂層4とキャリア基材7とを同時に貫通す
るように形成されるものであり、このときレーザ光をキ
ャリア基材7側から照射すると、キャリア基材7と樹脂
層4とが剥離しないで貫通孔3を形成することができ
る。
【0042】貫通孔3の形成後は、図9(c)に示すよ
うにキャリア基材7の外面側から貫通孔3内に導電性材
料2を充填する。この導電性材料2としては、導電性ペ
ースト8を用いることができ、例えば銀粉や銅粉等の導
電性粉体を熱硬化性樹脂組成物中に混合したものが用い
られる。導電性ペースト8の充填は、キャリア基材7の
外面に導電性ペースト8を塗布することによって、貫通
孔3の開口から貫通孔3内に導電性ペースト8が充填さ
れるようにする。このときキャリア基材7によって樹脂
層4の外面には導電性ペースト8が付着されないように
保護されるものであり、次いで導電性ペースト8の充填
後に、図9(d)に示すように外面に導電性ペースト8
が付着したキャリア基材7を樹脂層4から剥離すること
により、樹脂層4は貫通孔3内に導電性ペースト8が充
填されると共に外面には導電性ペースト8が付着されて
いない状態となる。またキャリア基材7の貫通孔3に充
填されていた導電性ペースト8が残存することから、キ
ャリア基材7が貼着されていた側の面では樹脂層4の貫
通孔3から導電性ペースト8が外方に突出するように形
成される。
【0043】上記のような、導電性材料2が充填された
貫通孔3を有する樹脂層4と、表面に転写用の導体回路
5が形成された転写用基材6とを用いて、導体回路5を
転写用基材6から樹脂層4に転写することにより、片面
に導体回路5が形成された回路付きシート材(片面回路
付きシート材1a)が得られる。
【0044】図1に片面回路付きシート材1aの製造工
程の一例を示す。ここでは、まず図1(a)(b)に示
すように、導電性材料2が充填された貫通孔3を有する
樹脂層4の一面に、導体回路5形成がなされた転写用基
材6を、貫通孔3と導体回路5とを位置合わせした状態
で、導体回路5を形成した面が樹脂層4と対向するよう
に積層配置して熱加圧成形を行うことにより一体化す
る。このとき貫通孔3の開口位置に導体回路5の所定箇
所が配置されるように、導体回路5と貫通孔3とが位置
合わせされる。この加熱加圧成形は、成形後の樹脂層4
がBステージ状態に維持される条件で行うものであり、
また好ましくは貫通孔3に充填された導電性ペースト8
もBステージ状態に維持される条件とする。
【0045】この成形過程においては、樹脂層4が溶融
軟化することにより流動して、転写用基材6に形成され
た導体回路5が樹脂層4中に埋設される。また、このと
き導体回路5の所定箇所が貫通孔3の形成位置において
樹脂層4中に埋設されることにより、貫通孔3内に充填
された導電性ペースト8と電気的に接続される。また導
電性ペースト8は、加圧によって貫通孔3から突出した
部分が貫通孔3内に押し込まれると共に、貫通孔3の配
置位置において導体回路5の所定箇所が樹脂層4に埋設
されることにより更に押し込まれ、貫通孔3内に更に密
に充填され、これにより導電性ペースト8にて形成され
る貫通孔3内の導電層の導電性が向上し、多層板11の
製造時のビアホール15による導体回路5間の接続信頼
性が向上する。
【0046】上記の片面回路付きシート材1aの加熱加
圧成形は、減圧下又は真空下において行うことが好まし
く、この場合は内部にボイドが混入しにくくなり、信頼
性が向上する。またこの加熱加圧成形は、成形後の樹脂
層4及び貫通孔3内の導電性ペースト8がBステージ状
態に維持されるように、樹脂層4及び導電性ペースト8
の硬化反応が進行しない条件で行うものであり、この条
件は樹脂層4を構成する樹脂組成物の組成及び導電性ペ
ースト8の組成にもよるが、100〜140℃の温度で
2〜10分間程度、加熱することが好ましい。また成形
時の圧力は、溶融軟化時の樹脂層4の流動性に応じて設
定する必要があるが、例えばこの溶融軟化時の流動性が
高い場合には、真空ラミネータにより容易に成形可能で
あり、また溶融軟化時の流動性が小さい場合には、2.
94MPa(30kgf/cm2)程度まで加圧して成
形することができる。
【0047】次いで、図1(c)に示すように、転写用
基材6を樹脂層4から剥離すると共に、導体回路5を樹
脂層4に残存させるものであり、これにより片面回路付
きシート材1aが得られる。この片面回路付きシート材
1aは、導電性材料2が充填された貫通孔3を有するB
ステージ状態の樹脂層4の片側の表層に、導体回路5が
樹脂層4の表面に露出するように埋設されて形成されて
おり、その表面は凹凸なく平坦に形成される。
【0048】転写用基材6の剥離は、転写用基材6を撓
らせながら樹脂層4の端部から引き剥がすことにより行
うことができる。このとき、厚み50〜200μm、特
に厚み100μmのステンレス基材を用いている場合に
は、転写用基材6は高い靱性を有すると共に適度な撓り
やすさを有し、転写用基材6を撓らせながら、樹脂層4
が湾曲することなく、転写用基材6を容易に剥離するこ
とができて、取扱性が良好なものである。この剥離後の
転写用基材6は、洗浄後に、再び導体回路5を形成し
て、片面回路付きシート材1aの作製に利用できる。
【0049】また、上記のような、導電性材料2が充填
された貫通孔3を有する樹脂層4と、表面に転写用の導
体回路5が形成された転写用基材6とを用いて、導体回
路5を転写用基材6から樹脂層4に転写することによ
り、両面に導体回路5が形成された回路付きシート材
(両面回路付きシート材1b)を得ることもできる。
【0050】両面回路付きシート材の製造工程の一例を
図2に示す。ここでは、まず図2(a)(b)に示すよ
うに、導電性材料2が充填された貫通孔3を有する樹脂
層4の両面に、上記のような導体回路5形成がなされた
転写用基材6を、貫通孔3と導体回路5とを位置合わせ
した状態で、導体回路5を形成した面が樹脂層4と対向
するようにそれぞれ積層配置して、上記の片面回路付き
シート材1aの製造時と同様の条件にて加熱加圧成形を
行うことにより一体化するものであり、このとき貫通孔
3の開口位置に導体回路5の所定箇所が配置されるよう
に、導体回路5と貫通孔3とが位置合わせされる。この
加熱加圧成形は、成形後の樹脂層4がBステージ状態に
維持される条件で行うものであり、また好ましくは貫通
孔3内の導電性ペースト8もBステージ状態に維持され
る条件で行う。
【0051】この成形過程においては、樹脂層4が溶融
軟化することにより流動して、転写用基材6に形成され
た導体回路5が樹脂層4中に埋設される。また、このと
き導体回路5の所定箇所が貫通孔3の形成位置において
樹脂層4中に埋設されることにより、貫通孔3内に充填
された導電性ペースト8と電気的に接続される。また導
電性ペースト8は、加圧によって貫通孔3から突出した
部分が貫通孔3内に押し込まれると共に、貫通孔3の配
置位置において、貫通孔3の両側から導体回路5の所定
箇所が樹脂層4に埋設されることにより更に押し込まれ
て貫通孔3内に更に密に充填され、これにより導電性ペ
ースト8にて形成される貫通孔3内の導電層の導電性が
向上し、多層板11の製造時のビアホール15による導
体回路5間の接続信頼性が向上する。
【0052】次いで、図2(c)に示すように、転写用
基材6を樹脂層4から剥離すると共に、導体回路5を樹
脂層4に残存させるものであり、これにより、両面回路
付きシート材1bが得られる。この両面回路付きシート
材1bは、導電性材料2が充填された貫通孔3を有する
Bステージ状態の樹脂層4の両側の表層に、導体回路5
が樹脂層4の表面に露出するように埋設されて形成され
ており、その表面は凹凸なく平坦に形成される。
【0053】また金属箔・回路付きシート材1cは、金
属箔9の一面にBステージ状態の樹脂層4を形成し、こ
の樹脂層4に更に導体回路5を転写して形成される。
【0054】金属箔9としては、圧延銅箔、電解銅箔、
アルミニウム箔、金属合金箔、金属クラッド箔等を用い
ることが好ましく、この金属箔9には、樹脂層4が形成
される面に、樹脂層4との密着性を向上するための表面
処理を施すことが好ましい。この表面処理としては、例
えば黒化処理、アルマイト処理等による粗面化処理を挙
げることができる。また、この金属箔9は、厚み10〜
150μmのものを使用することが好ましい。
【0055】金属箔・回路付きシート材1cの製造工程
の一例を、図4に示す。
【0056】ここでは、まず金属箔9の表面にBステー
ジ状態の樹脂層4を形成する。この樹脂層4は、上記の
片面回路付きシート材1a及び両面回路付きシート材1
bにおける樹脂層4を形成するためのものと同様の樹脂
組成物を金属箔9に塗布し、加熱乾燥することにより形
成される。この樹脂層4の厚みは50〜300μmとす
ることが好ましい。
【0057】次に、既述のような表面に転写用の導体回
路5が形成された転写用基材6を用いて、導体回路5を
転写用基材6から樹脂層4に転写する。このとき、図4
(a)(b)に示すように、樹脂層4の一面(金属箔9
が設けられていない側の面)に、導体回路5が形成され
た転写用基材6を、導体回路5を形成した面が樹脂層4
と対向するようにそれぞれ積層配置して、加熱加圧成形
を行うことにより一体化する。この加熱加圧成形は、成
形後の樹脂層4がBステージ状態に維持される条件で行
う。
【0058】この成形過程においては、樹脂層4が溶融
軟化することにより流動して、転写用基材6に形成され
た導体回路5が樹脂層4中に埋設される。
【0059】次いで、図4(c)に示すように、転写用
基材6を樹脂層4から剥離すると共に、導体回路5を樹
脂層4に残存させるものであり、これにより、金属箔・
回路付きシート材1cが得られる。この金属箔・回路付
きシート材1cは、Bステージ状態の樹脂層4の表層
に、導体回路5が樹脂層4の表面に露出するように埋設
されて形成されており、その表面は凹凸なく平坦に形成
される。
【0060】図5,6に、金属箔・回路付きシート材1
cの製造工程の他例を示す。ここでは、まず、上記の場
合と同様にして金属箔9の表面に樹脂層4を形成した
後、導体回路5を形成する前に、図5(b)に示すよう
に、金属箔9が配置されている面とは反対側の面におい
て、樹脂層4の表面に保護フィルム12を配置する。保
護フィルム12としてはPETフィルム等の合成樹脂フ
ィルムを用いることができ、また金属箔を用いることも
できる。金属箔を用いる場合には、保護フィルム12を
樹脂層4から剥離する際の剥離性を向上するために、樹
脂層4が形成される面を鏡面状に形成することが好まし
い。このような金属箔としては、レーザ加工時に貫通孔
3が形成可能な材質が選択され、圧延銅箔、電解銅箔、
アルミニウム箔、金属合金箔、金属クラッド箔等を用い
ることが好ましい。
【0061】次いで、図5(c)に示すように、レーザ
加工により樹脂層4の所定のビアホール15の形成位置
に貫通孔3の形成がなされる。この貫通孔3は、樹脂層
4と保護フィルム12とを同時に貫通するように形成さ
れるものであり、このときレーザ光を保護フィルム12
側から照射することにより、樹脂層4に直接レーザ光が
照射されないようにして、レーザ光によるキャリア基材
7と樹脂層4とが剥離しないで貫通孔3を形成すること
ができる。またレーザ光は金属箔9には開口が形成され
ない条件で照射される。
【0062】貫通孔3の形成後は、図5(d)に示すよ
うに、保護フィルム12の外面側から貫通孔3内に導電
性材料2を充填する。この導電性材料2としては、上記
の場合と同様の導電性ペースト8を用いることができ
る。導電性ペースト8の充填は、保護フィルム12の外
面に導電性ペースト8を塗布することによって、貫通孔
3の開口から貫通孔3内に導電性ペースト8が充填され
るようにする。このとき保護フィルム12によって樹脂
層4の外面には導電性ペースト8が付着されないように
保護される。
【0063】次いで、導電性ペースト8の充填後に、図
5(d)に示すように、外面に導電性ペースト8が付着
した保護フィルム12を樹脂層4から剥離することによ
り、樹脂層4は貫通孔3内に導電性ペースト8が充填さ
れると共に外面には導電性ペースト8が付着されていな
い状態となる。また保護フィルム12の貫通孔3に充填
されていた導電性ペースト8が残存することから、保護
フィルム12が貼着されていた側の面では樹脂層4の貫
通孔3から導電性ペースト8が外方に突出するように形
成される。
【0064】次いで、図6に示すように、既述のような
表面に転写用の導体回路5が形成された転写用基材6を
用いて、導体回路5を転写用基材6から樹脂層4に転写
する。このとき、図6(a)(b)に示すように、導電
性材料2が充填された貫通孔3を有する樹脂層4の一面
(金属箔9が設けられていない側の面)に、上記のよう
な導体回路5形成がなされた転写用基材6を、貫通孔3
と導体回路5とを位置合わせした状態で、導体回路5を
形成した面が樹脂層4と対向するようにそれぞれ積層配
置して、上記の場合と同様の条件にて加熱加圧成形を行
うことにより一体化するものであり、このとき貫通孔3
の開口位置に導体回路5の所定箇所が配置されるよう
に、導体回路5と貫通孔3とが位置合わせされる。この
加熱加圧成形は、成形後の樹脂層4がBステージ状態に
維持される条件で行うものであり、また好ましくは貫通
孔3内の導電性ペースト8もBステージ状態に維持され
る条件で行う。
【0065】この成形過程においては、樹脂層4が溶融
軟化することにより流動して、転写用基材6に形成され
た導体回路5が樹脂層4中に埋設される。また、このと
き導体回路5の所定箇所が貫通孔3の形成位置において
樹脂層4中に埋設されることにより、貫通孔3内に充填
された導電性ペースト8と電気的に接続される。また導
電性ペースト8は、加圧によって貫通孔3から突出した
部分が貫通孔3内に押し込まれると共に、貫通孔3の配
置位置において導体回路5の所定箇所が樹脂層4に埋設
されることにより更に押し込まれて貫通孔3内に更に密
に充填され、これにより導電性ペースト8にて形成され
る貫通孔3内の導電層の導電性が向上し、多層板11の
製造時のビアホール15による導体回路5間の接続信頼
性が向上する。
【0066】次いで、図6(c)に示すように、転写用
基材6を樹脂層4から剥離すると共に、導体回路5を樹
脂層4に残存させるものであり、これにより、金属箔・
回路付きシート材1cが得られる。この金属箔・回路付
きシート材1cは、導電性材料2が充填された貫通孔3
を有するBステージ状態の樹脂層4の表層に、導体回路
5が樹脂層4の表面に露出するように埋設されて形成さ
れており、その表面は凹凸なく平坦に形成される。
【0067】また、上記のような、導電性材料2が充填
された貫通孔3を有する樹脂層4と、金属箔10とを用
いて、樹脂層4の片面に金属箔10が設けられた金属箔
付きシート材13を得ることもできる。
【0068】金属箔10としては、圧延銅箔、電解銅
箔、アルミニウム箔、金属合金箔、金属クラッド箔等を
用いることが好ましく、その厚みは10〜150μmの
ものが好ましい。またこの金属箔10には、樹脂層4が
形成される面に、樹脂層4との密着性を向上するための
表面処理を施すことが好ましい。この表面処理として
は、例えば黒化処理、アルマイト処理等による粗面化処
理を挙げることができる。
【0069】図3に、金属箔付きシート材13の製造工
程の一例を示す。ここでは、導電性材料2が充填された
貫通孔3を有する樹脂層4の片面に、上記のような金属
箔10を、粗面が樹脂層4と対向するように積層配置し
て、上記の場合と同様の条件にて加熱加圧成形を行うこ
とにより一体化する。この加熱加圧成形は、成形後の樹
脂層4がBステージ状態に維持される条件で行うもので
あり、また好ましくは貫通孔3内の導電性ペースト8も
Bステージ状態に維持される条件で行う。
【0070】この成形過程においては、金属箔10が貫
通孔3内に充填された導電性ペースト8と電気的に接続
される。また導電性ペースト8は、加圧によって貫通孔
3から突出した部分が貫通孔3内に押し込まれて貫通孔
3内に密に充填され、これにより導電性ペースト8にて
形成される貫通孔3内の導電層の導電性が向上し、多層
板11の製造時のビアホール15による導体回路5間の
接続信頼性が向上する。
【0071】上記のようにして得られる配線板製造用シ
ート材1及び金属箔付きシート材13からは、複数枚を
適宜組み合わせて積層一体化することにより、多層板1
1が得られる。
【0072】図10に示す例では、図1に示される片面
回路付きシート材1aと、図2に示される両面回路付き
シート材1bとを組み合わせて多層板11を作製するも
のである。
【0073】図示の例では、一枚の両面回路付きシート
材1bと、二枚の片面回路付きシート材1aにて多層板
11を作製しているものであり、まず両面回路付きシー
ト材1bの両面に、それぞれ片面回路付きシート材1a
を積層配置する。このとき各片面回路付きシート材1a
は、導体回路5が外面側に配置されるものであり、また
片面回路付きシート材1aと両面回路付きシート材1b
との対向面において各片面回路付きシート材1aの貫通
孔3の開口位置に、両面回路付きシート材1bの導体回
路5の所定箇所が配置されるように位置合わせされる。
【0074】この状態で、加熱加圧成形を行うことによ
り、一枚の両面回路付きシート材1bと二枚の片面回路
付きシート材1aとが一括して積層成形される。
【0075】この成形過程においては、Bステージ状態
の樹脂層4が溶融した後硬化することにより、両面回路
付きシート材1bと片面回路付きシート材1aとの界面
が接合して積層一体化されると共に各樹脂層4の硬化物
にて絶縁層14が形成される。また各シート材における
導電性ペースト8を充填した貫通孔3では、導電性ペー
スト8が硬化されて導体層が形成され、これにより導体
回路5間を導通するビアホール15が形成されるもので
ある。このとき両面回路付きシート材1bの貫通孔3内
に充填された導電性ペースト8は既に述べたように予め
導体回路5間を接続しており、この状態で導電性ペース
ト8が硬化して導体層が形成されて、ビアホール15が
形成される。また片面回路付きシート材1aと両面回路
付きシート材1bの界面においては、上記の一体成形時
に両面回路付きシート材1bの導体回路5の所定箇所が
片面回路付きシート材1aの貫通孔3に充填された導電
性ペースト8と接続されることによりこの導電性ペース
ト8が導体回路5間を接続し、この状態で導電性ペース
ト8が硬化して導体層が形成されて、ビアホール15が
形成される。
【0076】この加熱加圧成形は、Bステージ状態の樹
脂層4の硬化反応が進行する条件で行われるものであ
り、その条件は樹脂層4を構成する樹脂組成物の組成に
もよるが、加熱温度160〜180℃、加圧力0.3〜
5MPaの条件で60〜90分間成形を行うことが好ま
しい。
【0077】このようにして多層板11を作製すると、
表面が平坦であり、かつ導体回路5が埋設された樹脂層
4からなるシート材の部材を積層していることから、成
形過程において導体回路5が形成されている箇所におけ
る絶縁層14の変形が生じず、絶縁層14における絶縁
信頼性が高いものである。しかも複数のシート状の部材
を一括して積層成形することから、従来のビルドアップ
工法と比べて成形工程の簡略化が可能であって成形に煩
雑な手間や時間がかからないようになり、且つ成形時に
各層の導体回路5に熱履歴の相違が生じなくなり、熱履
歴の相違による導体回路5の収縮率に基づく補正が不要
となる。
【0078】また、ビアホール15が形成された絶縁層
14に対して任意の箇所に導体回路5を形成することが
できて配線設計の自由度が高く、ビアオンビア構造やパ
ッドオンビア構造を容易に形成することができ、回路の
微細化・高密度化が容易なものとなって配線板の小型
化、薄型化を達成することができ、また信号経路の短縮
化もできる。
【0079】尚、上記の例では三枚のシート状材料を用
いることにより四層の導体回路5を有する多層板11を
作製したが、使用するシート状材料の枚数は特に限定さ
れず、例えば図示の例において外層に更に片面回路付き
シート材1aを積層して一括成形することにより、多層
板11の更なる多層化が可能である。
【0080】図11に示す例では、図1に示される片面
回路付きシート材1aと、片面回路付きシート材1aの
作製に用いられる図7,8に示される導体回路5を設け
た転写用基材6とを用いて多層板11を作製するもので
ある。
【0081】図示の例では、三枚の片面回路付きシート
材1aを積層配置すると共に片側の外層に導体回路5を
設けた転写用基材6を積層配置する。このとき片面回路
付きシート材1a同士の対向面においては、一方の片面
回路付きシート材1aにおける導体回路5が設けられて
いない面と、他方の片面回路付きシート材1aにおける
導体回路5が設けられている面とが対向するように配置
され、またその対向面において一方の片面回路付きシー
ト材1aの貫通孔3の開口位置に、他方の片面回路付き
シート材1aの導体回路5の所定箇所が配置されるよう
に位置合わせされる。また、転写用基材6は導体回路5
が形成されていない面が外側に配置されている片面回路
付きシート材1aの更に外側に、この片面回路付きシー
ト材1aに転写用基材6の導体回路5が対向するように
配置され、その対向面において、片面回路付きシート材
1aの貫通孔3の開口位置に、転写用基材6の導体回路
5の所定箇所が配置されるように位置合わせされる。
【0082】この状態で、上記の場合と同様にBステー
ジ状態の樹脂層4の硬化反応が進行する条件で加熱加圧
成形を行うことにより、転写用基材6に設けられた導体
回路5と二枚の片面回路付きシート材1aとが一括して
積層成形される。
【0083】この成形過程においては、Bステージ状態
の樹脂層4が溶融した後硬化することにより、片面回路
付きシート材1a同士の対向面においては、この片面回
路付きシート材1a同士の界面が接合すると共に各樹脂
層4の硬化物にて絶縁層14が形成される。また各片面
回路付きシート材1aにおける導電性ペースト8を充填
した貫通孔3では、導電性ペースト8が硬化されて導体
層が形成され、これにより導体回路5間を導通するビア
ホール15が形成されるものである。このとき片面回路
付きシート材1a同士の界面においては、一方の片面回
路付きシート材1aの導体回路5の所定箇所が他方の片
面回路付きシート材1aの貫通孔3内に充填された導電
性ペースト8に接続されることによりこの導電性ペース
ト8が導体回路5間を接続し、この状態で導電性ペース
ト8が硬化して導体層が形成されて、ビアホール15が
形成される。また、片面回路付きシート材1aと転写用
基材6との対向面においては、片面回路付きシート材1
aの樹脂層4が溶融軟化することにより流動して、転写
用基材6に形成された導体回路5が樹脂層4中に埋設さ
れ、またこれに伴って導体回路5が貫通孔3内に充填さ
れた導電性ペースト8に接続されることによりこの導電
性ペースト8が導体回路5間を接続し、この状態で導電
性ペースト8が硬化して導体層が形成されて、ビアホー
ル15が形成される。
【0084】次いで、転写用基材6を対向する片面回路
付きシート材1aに形成される絶縁層14から剥離する
と共に転写用基材6に設けられていた導体回路5を絶縁
層14に残存させて、多層板11を得る。
【0085】このようにして多層板11を作製すると、
表面が平坦であり、かつ導体回路5が埋設された樹脂層
4からなるシート材の部材を積層していることから、成
形過程において導体回路5が形成されている箇所におけ
る絶縁層14の変形が生じず、絶縁層14における絶縁
信頼性が高いものである。ここで、成形時には導体回路
5が設けられた転写用基材6を用いており、この転写用
基材6の導体回路5と片面回路付きシート材1aとの接
合時には絶縁層14の成形時に変形が生じるが、このよ
うな変形は最外層のみにおいて生じるものであって、内
層側では絶縁層14の変形は生じることはなく、このた
め多層板11全体においては絶縁層14の変形が増幅さ
れることがなくなって、絶縁層14における高い絶縁信
頼性が得られるものである。しかも複数のシート状の部
材を一括して積層成形することから、従来のビルドアッ
プ工法に対して、成形工程の簡略化が可能であって成形
に煩雑な手間や時間がかからないようになり、また成形
時に各層の導体回路5に熱履歴の相違が生じなくなり、
熱履歴の相違による導体回路5の収縮率に基づく補正が
不要となる。
【0086】また、ビアホール15が形成された絶縁層
14に対して任意の箇所に導体回路5を形成することが
できて配線設計の自由度が高く、ビアオンビア構造やパ
ッドオンビア構造を容易に形成することができ、回路の
微細化・高密度化が容易なものとなって配線板の小型
化、薄型化を達成することができ、また信号経路の短縮
化もできる。
【0087】尚、上記の例では三枚のシート状材料を用
いることにより四層の導体回路5を有する多層板11を
作製したが、使用するシート状材料の枚数は特に限定さ
れず、例えば図示の例において更に片面回路付きシート
材1a等を積層して一括成形することにより、多層板1
1の更なる多層化が可能である。
【0088】図12に示す例では、図2に示される両面
回路付きシート材1bと、図3に示される金属箔付きシ
ート材13とを用いて多層板11を作製するものであ
る。
【0089】図示の例では、一枚の両面回路付きシート
材1bと、二枚の金属箔付きシート材13にて多層板1
1を作製しているものであり、図12(a)(b)に示
すように、まず両面回路付きシート材1bの両面に、そ
れぞれ金属箔付きシート材13を積層配置する。このと
き各金属箔付きシート材13は、金属箔10が外面側に
配置されるものであり、また金属箔付きシート材13と
両面回路付きシート材1bとの対向面において各金属箔
付きシート材13の貫通孔3の開口位置に、両面回路付
きシート材1bの導体回路5の所定箇所が配置されるよ
うに位置合わせされる。
【0090】この状態で、上記の場合と同様にBステー
ジ状態の樹脂層4の硬化反応が進行する条件で加熱加圧
成形を行うことにより、一枚の両面回路付きシート材1
bと二枚の金属箔付きシート材13とが一括して積層成
形される。
【0091】この成形過程においては、Bステージ状態
の樹脂層4が溶融した後硬化することにより、両面回路
付きシート材1bと金属箔付きシート材13との界面が
接合すると共に各樹脂層4の硬化物にて絶縁層14が形
成される。また両面回路付きシート材1b及び金属箔付
きシート材13における導電性ペースト8を充填した貫
通孔3では、導電性ペースト8が硬化されて導体層が形
成され、これにより導体回路5間を導通するビアホール
15が形成される。このとき両面回路付きシート材1b
の貫通孔3内に充填された導電性ペースト8は既に述べ
たように予め導体回路5間を接続しており、この状態で
導電性ペースト8が硬化して導体層が形成されて、ビア
ホール15が形成される。また金属箔付きシート材13
と両面回路付きシート材1bとの界面においては、上記
の一体成形時に両面回路付きシート材1bの導体回路5
の所定箇所が金属箔付きシート材13の貫通孔3に充填
された導電性ペースト8と接続されることによりこの導
電性ペースト8が金属箔10と導体回路5とを接続し、
この状態で導電性ペースト8が硬化して導体層が形成さ
れて、ビアホール15が形成される。
【0092】次いで、両側の最外層の金属箔10に対し
て、エッチング処理を施すなどして回路形成を行い、図
12(c)に示すように導体回路5を形成する。このと
き、この導体回路5の所定箇所が、下層の絶縁層14に
形成されたビアホール15と合致する位置に形成される
ようにして、この導体回路5と、更に下層の導体回路5
とがビアホール15にて電気的に接続されるようにす
る。
【0093】このようにして多層板11を作製すると、
表面が平坦であり、かつ導体回路5が埋設された樹脂層
4からなるシート状の部材を積層していることから、成
形過程において導体回路5が形成されている箇所におけ
る絶縁層14の変形が生じず、絶縁層14における絶縁
信頼性が高いものである。しかも複数のシート状の部材
を一括して積層成形することから、従来のビルドアップ
工法に対して、成形工程の簡略化が可能であって成形に
煩雑な手間や時間がかからないようになり、また成形時
に各層の導体回路5に熱履歴の相違が生じなくなり、熱
履歴の相違による導体回路5の収縮率に基づく補正が不
要となる。
【0094】また、ビアホール15が形成された絶縁層
14に対して任意の箇所に導体回路5を形成することが
できて配線設計の自由度が高く、ビアオンビア構造やパ
ッドオンビア構造を容易に形成することができ、回路の
微細化・高密度化が容易なものとなって配線板の小型
化、薄型化を達成することができ、また信号経路の短縮
化もできる。
【0095】尚、上記の例では三枚のシート状材料を用
いることにより四層の導体回路5を有する多層板11を
作製したが、使用するシート状材料の枚数は特に限定さ
れず、例えば図示の例における両面回路付きシート材1
bと金属箔付きシート材13との間に更に一又は複数の
片面回路付きシート材1a等を積層して一括成形するこ
とにより、多層板11の更なる多層化が可能である。
【0096】図13に示す例では、図1に示される片面
回路付きシート材1aと、図6に示される金属箔・回路
付きシート材1cとを用いて多層板11を作製するもの
である。
【0097】図示の例では、図13(a)(b)に示す
ように、二枚の片面回路付きシート材1aを積層配置す
ると共に片側の外層に金属箔・回路付きシート材1cを
積層配置する。このとき一方の片面回路付きシート材1
aにおける導体回路5が設けられていない面と、他方の
片面回路付きシート材1aにおける導体回路5が設けら
れている面とが対向するように配置され、またその対向
面において一方の片面回路付きシート材1aの貫通孔3
の開口位置に、他方の片面回路付きシート材1aの導体
回路5の所定箇所が配置されるように位置合わせされ
る。また、金属箔・回路付きシート材1cは導体回路5
が形成されていない面が外側に配置されている片面回路
付きシート材1aの更に外側に、この片面回路付きシー
ト材1aに金属箔・回路付きシート材1cの導体回路5
が対向するように配置され、その対向面において、片面
回路付きシート材1aの貫通孔3の開口位置に、金属箔
・回路付きシート材1cの導体回路5の所定箇所が配置
されるように位置合わせされる。
【0098】この状態で、上記の場合と同様にBステー
ジ状態の樹脂層4の硬化反応が進行する条件で加熱加圧
成形を行うことにより、一枚の金属箔・回路付きシート
材1cと二枚の片面回路付きシート材1aとが一括して
積層成形される。
【0099】この成形過程においては、Bステージ状態
の樹脂層4が溶融した後硬化することにより、片面回路
付きシート材1a同士の対向面においては、この片面回
路付きシート材1a同士の界面が接合すると共に各樹脂
層4の硬化物にて絶縁層14が形成される。また各片面
回路付きシート材1aにおける導電性ペースト8を充填
した貫通孔3では、導電性ペースト8が硬化されて導体
層が形成され、これにより導体回路5間を導通するビア
ホール15が形成される。このとき片面回路付きシート
材1a同士の界面においては、一方の片面回路付きシー
ト材1aの導体回路5の所定箇所が他方の片面回路付き
シート材1aの貫通孔3内に充填された導電性ペースト
8に接続されることによりこの導電性ペースト8にて導
体回路5間が接続され、この状態で導電性ペースト8が
硬化して導体層が形成されて、ビアホール15が形成さ
れる。また、片面回路付きシート材1aと金属箔・回路
付きシート材1cとの界面においては、金属箔・回路付
きシート材1cの導体回路5の所定箇所が片面回路付き
シート材1aの貫通孔3内に充填された導電性ペースト
8に接続されることによりこの導電性ペースト8が導体
回路5間を接続し、この状態で導電性ペースト8が硬化
して導体回路5が形成されて、ビアホール15が形成さ
れる。また金属箔・回路付きシート材1cの貫通孔3内
に充填された導電性ペースト8は既に述べたように予め
導体回路5と金属箔10間を接続しており、この状態で
導電性ペースト8が硬化して導体層が形成されて、ビア
ホール15が形成される。
【0100】次いで、最外層の金属箔10に対して、エ
ッチング処理を施すなどして回路形成を行い、図13
(c)に示すように最外層に導体回路5を形成する。こ
のとき、この導体回路5の所定箇所が、下層の絶縁層1
4に形成されたビアホール15と合致する位置に形成さ
れるようにして、この導体回路5と、更に下層の導体回
路5とがビアホール15にて電気的に接続されるように
する。
【0101】このようにして多層板11を作製すると、
表面が平坦であり、かつ導体回路5が埋設された樹脂層
4からなるシート状の部材を積層していることから、成
形過程において導体回路5が形成されている箇所におけ
る絶縁層14の変形が生じず、絶縁層14における絶縁
信頼性が高いものである。しかも複数のシート状の部材
を一括して積層成形することから、従来のビルドアップ
工法に対して、成形工程の簡略化が可能であって成形に
煩雑な手間や時間がかからないようになり、また成形時
に各層の導体回路5に熱履歴の相違が生じなくなり、熱
履歴の相違による導体回路5の収縮率に基づく補正が不
要となる。
【0102】また、ビアホール15が形成された絶縁層
14に対して任意の箇所に導体回路5を形成することが
できて配線設計の自由度が高く、ビアオンビア構造やパ
ッドオンビア構造を容易に形成することができ、回路の
微細化・高密度化が容易なものとなって配線板の小型
化、薄型化を達成することができ、また信号経路の短縮
化もできる。
【0103】尚、上記の例では三枚のシート状材料を用
いることにより四層の導体回路5を有する多層板11を
作製したが、使用するシート状材料の枚数は特に限定さ
れず、例えば図示の例において更に片面回路付きシート
材1a等を積層して一括成形するなどして、多層板11
の更なる多層化が可能である。
【0104】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳述する。
【0105】(実施例1)表1に示す各成分を含有する
スラリーをプラネタリーミキサーにて混練し、溶剤の配
合量により粘度を3000cPに調整して樹脂組成物を
得た。
【0106】この樹脂組成物を、厚み75μmのポリエ
チレンテレフタレート製フィルムからなるキャリア基材
7に塗布し、130℃で8分間加熱乾燥することによ
り、キャリア基材7の一面に厚み100μmのBステー
ジ状態の樹脂層4を形成した。
【0107】次いで、キャリア基材7側から炭酸ガスレ
ーザを7.1mJ、100Hz、1ショット、パルス幅
35μsの条件で照射することにより、キャリア基材7
と樹脂層4を貫通する内径200μmの貫通孔3を形成
した。
【0108】次に、導電性ペースト8(タツタ電線株式
会社製、品番「AE1244」)をヘラを用いてキャリ
ア基材7の外面に塗布すると共にこの導電性ペースト8
を貫通孔3内に充填した後、樹脂層4からキャリア基材
7を剥離した。
【0109】一方、厚み100μmのSUS304から
なるステンレス基材に対して、表面に塩化第二鉄溶液に
てソフトエッチング処理を施して、その表面粗度をRa
0.3μmとした転写用基材6を得た。この転写用基材
6の表面にめっきレジストを形成し、電解銅めっき処理
を施した後にめっきレジストを剥離して、厚み10μm
の導体回路5を形成した。
【0110】この転写用基材6と上記の樹脂層4を、導
体回路5と樹脂層4とが対向すると共に貫通孔3と導体
回路5とを位置合わせして積層配置し、真空中で加熱温
度130℃、加圧力2.94MPaで10分間、加熱加
圧成形を行った後、転写用基材6を導体回路5が樹脂層
4に残存した状態で剥離し、樹脂層4及び導電性ペース
ト8がBステージ状態に維持された、二種類の片面回路
付きシート材1aを得た。
【0111】また、上記と同様にして導体回路5を設け
た転写用基材6と、導電性ペースト8が充填された貫通
孔3を有する樹脂層4を形成し、樹脂層4の両面に転写
用基材6を、導体回路5と樹脂層4とが対向すると共に
貫通孔3と導体回路5とを位置合わせして積層配置し、
真空中で加熱温度130℃、加圧力2.94MPaで1
0分間、加熱加圧成形を行った後、転写用基材6を導体
回路5が樹脂層4に残存した状態で剥離し、樹脂層4及
び導電性ペースト8がBステージ状態に維持された両面
回路付きシート材1bを得た。
【0112】そして、図10に示すものと同様に両面回
路付きシート材1bの両側に、片面回路付きシート材1
aをその導体回路5が外側に配置されるように対向させ
ると共に片面回路付きシート材1aの貫通孔3と両面回
路付きシート材1bの導体回路5とを位置合わせして積
層配置し、真空中で加熱温度175℃、加圧力2.94
MPaで90分間、加熱加圧成形して積層一体化し、多
層板11を得た。
【0113】(実施例2)表1に示す各成分を含有する
スラリーをプラネタリーミキサーにて混練し、溶剤の配
合量により粘度を3000cPに調整して樹脂組成物を
得た。
【0114】この樹脂組成物を、厚み75μmのポリエ
チレンテレフタレート製フィルムからなるキャリア基材
7に塗布し、130℃で8分間加熱乾燥することによ
り、キャリア基材7の一面に厚み100μmのBステー
ジ状態の樹脂層4を形成した。
【0115】次いで、キャリア基材7側から炭酸ガスレ
ーザ(7.1mJ、100Hz、1ショット、パルス幅
35μs)を照射することにより、キャリア基材7と樹
脂層4を貫通する内径200μmの貫通孔3を形成し
た。
【0116】次に、導電性ペースト8(タツタ電線株式
会社製、品番「AE1244」)をヘラを用いてキャリ
ア基材7の外面に塗布すると共にこの導電性ペースト8
を貫通孔3内に充填した後、樹脂層4からキャリア基材
7を剥離した。
【0117】この樹脂層4の一面に電解銅箔(三井金属
株式会社製、厚み18μm)を積層配置し、真空中で加
熱温度130℃、加圧力2.94MPaで10分間、加
熱加圧成形を行って、樹脂層4及び導電性ペースト8が
Bステージ状態に維持された、二種類の金属箔付きシー
ト材13を得た。
【0118】また、樹脂組成物の組成が表1のように変
更され、更にキャリア基材7の材質をSUS301とし
た以外は実施例1と同様の手法によって、両面回路付き
シート材1bを得た。
【0119】そして、図12に示すものと同様に両面回
路付きシート材1bの両側に、金属箔付きシート材13
をその金属箔10(電解銅箔)が外側に配置されるよう
に対向させると共に金属箔付きシート材13の貫通孔3
と両面回路付きシート材1bの導体回路5とを位置合わ
せして積層配置し、真空中で加熱温度175℃、加圧力
2.94MPaで90分間、加熱加圧成形して積層一体
化した。
【0120】更に、両面の電解銅箔に対してエッチング
処理を施すことにより導体回路5を形成し、多層板11
を得た。
【0121】(実施例3)表1に示す各成分を含有する
スラリーをプラネタリーミキサーにて混練し、溶剤の配
合量により粘度を3000cPに調整して樹脂組成物を
得た。
【0122】この樹脂組成物を圧延銅箔からなる厚み5
0μmのキャリア基材7に塗布し、140℃で5分間加
熱乾燥することにより、キャリア基材7の一面に厚み1
00μmのBステージ状態の樹脂層4を形成した。
【0123】次いで、キャリア基材7側からYAGレー
ザを15KHz、1W、15ショットの条件で照射する
ことにより、キャリア基材7と樹脂層4を貫通する内径
300μmの貫通孔3を形成した。
【0124】次に、導電性ペースト8(タツタ電線株式
会社製、品番「AE1244」)をヘラを用いてキャリ
ア基材7の外面に塗布すると共にこの導電性ペースト8
を貫通孔3内に充填した後、樹脂層4からキャリア基材
7を剥離した。
【0125】一方、厚み100μmのSUS304から
なるステンレス基材に対して、表面に塩化第二鉄溶液に
てソフトエッチング処理を施して、その表面粗度をRa
0.4μmとした転写用基材6を得た。この転写用基材
6の表面にめっきレジストを形成し、電解銅めっき処理
を施した後にめっきレジストを剥離して、厚み15μm
の導体回路5を形成した。
【0126】この転写用基材6と上記の樹脂層4を、導
体回路5と樹脂層4とが対向すると共に貫通孔3と導体
回路5とを位置合わせして積層配置し、真空中で加熱温
度130℃、加圧力2.94MPaで10分間、加熱加
圧成形を行った後、転写用基材6を導体回路5が樹脂層
4に残存した状態で剥離し、樹脂層4及び導電性ペース
ト8がBステージ状態に維持された、三種類の片面回路
付きシート材1aを得た。
【0127】また、片面回路付きシート材1aを形成す
る場合と同様にして、導体回路5を設けた転写用基材6
を得た。
【0128】そして、図11に示すものと同様に三枚の
片面回路付きシート材1aを、片面回路付きシート材1
a同士の対向面において一方の片面回路付きシート材1
aにおける導体回路5が設けられていない面と、他方の
片面回路付きシート材1aにおける導体回路5が設けら
れている面とが対向すると共に一方の片面回路付きシー
ト材1aの貫通孔3と他方の片面回路付きシート材1a
の導体回路5とを位置合わせして積層配置し、更に導体
回路5が形成されていない面が外側に配置されている片
面回路付きシート材1aの更に外側に、導体回路5が設
けられた転写用基材6を、片面回路付きシート材1aに
転写用基材6の導体回路5を対向させると共に片面回路
付きシート材1aの貫通孔3と転写用基材6の導体回路
5とを位置合わせして積層配置し、真空中で加熱温度1
75℃、加圧力2.94MPaで90分間、加熱加圧成
形して積層一体化した。
【0129】次いで、転写用基材6を絶縁層14から剥
離すると共に転写用基材6に設けられていた導体回路5
を絶縁層14に残存させて、多層板11を得た。
【0130】(実施例4)表1に示す各成分を含有する
スラリーをプラネタリーミキサーにて混練し、溶剤の配
合量により粘度を5000cPに調整して樹脂組成物を
得た。この樹脂組成物を用い、キャリア基材7の材質を
アルミニウム箔とした以外は実施例1と同様の手法によ
って、片面回路付きシート材1aを得た。
【0131】また、上記と同一の樹脂組成物を、クロメ
ート処理による表面処理を施した厚み50μmのアルミ
ニウム箔の表面に塗布し、140℃で5分間加熱乾燥す
ることにより、金属箔9の一面に厚み100μmのBス
テージ状態の樹脂層4を形成した。
【0132】この樹脂層4の表面に、保護フィルム12
として厚み100μmのPETフィルムを配置し、この
保護フィルム12側から炭酸ガスレーザを7.1mJ、
100Hz、1ショット、パルス幅35μsの条件で照
射することにより、保護フィルム12と樹脂層4を貫通
する内径100μmの貫通孔3を形成した。
【0133】次に、導電性ペースト8(タツタ電線株式
会社製、品番「AE1244」)をヘラを用いて保護フ
ィルム12の外面に塗布すると共にこの導電性ペースト
8を貫通孔3内に充填した後、樹脂層4から保護フィル
ム12を剥離した。
【0134】この樹脂層4の一面に、片面回路付きシー
ト材1aの作製に用いたものと同様の、導体回路5を設
けた転写用基材6を、導体回路5が樹脂層4と対向する
ように積層配置し、真空中で加熱温度130℃、加圧力
2.94MPaで10分間、加熱加圧成形を行った後、
転写用基材6を導体回路5が樹脂層4に残存した状態で
剥離し、樹脂層4及び導電性ペースト8がBステージ状
態に維持された金属箔・回路付きシート材1cを得た。
【0135】そして、図13に示すものと同様に二枚の
片面回路付きシート材1aを、片面回路付きシート材1
a同士の対向面において一方の片面回路付きシート材1
aにおける導体回路5が設けられていない面と、他方の
片面回路付きシート材1aにおける導体回路5が設けら
れている面とが対向すると共に一方の片面回路付きシー
ト材1aの貫通孔3と他方の片面回路付きシート材1a
の導体回路5とを位置合わせして積層配置し、更に導体
回路5が形成されていない面が外側に配置されている片
面回路付きシート材1aの更に外側に、金属箔・回路付
きシート材1cを、片面回路付きシート材1aに金属箔
・回路付きシート状基材の導体回路5を対向させると共
に片面回路付きシート材1aの貫通孔3と金属箔・回路
付きシート材1cの導体回路5とを位置合わせして積層
配置し、真空中で加熱温度175℃、加圧力2.94M
Paで90分間、加熱加圧成形して積層一体化した。
【0136】更に、外層の金属箔10に対してアルミニ
ウムを選択的にエッチング処理を施すことにより導体回
路5を形成し、多層板11を得た。
【0137】
【表1】
【0138】表中の各成分の詳細は次の通りである ・クレゾールノボラック型エポキシ樹脂:住友化学工業
株式会社製の品番「ESCN195XL4」 ・多官能ビスフェノールA型エポキシ樹脂:三井化学株
式会社製の品番「VG301」 ・ビスフェノールA型エポキシ樹脂:油化シェルエポキ
シ株式会社製の品番「エピコート828」 ・ビスフェノールF型エポキシ樹脂:東都化成工業株式
会社製の品番「YDF8170」 ・フェノキシ樹脂:東都化成製の品番「YPP50」 ・臭素化エポキシ樹脂:住友化学工業株式会社製の品番
「ESB400T」 ・フェノールノボラック樹脂:群栄化学製の品番「タマ
ノール752」 ・2E4MZ:2−メチル−4−メチルイミダゾール ・アルミナ:平均粒径12μm、最大粒径50μm ・窒化アルミニウム:平均粒径2μm、最大粒径15μ
m ・窒化ホウ素:平均粒径1.5μm、最大粒径10μm ・シリカ:平均粒径2μm、最大粒径10μm ・エポキシシラン:日本ユニカー製の品番「A−18
7」 ・M208F:第一工業製薬株式会社製の品番「M20
8F」、化合物名ポリオキシアルキレンアルキルエーテ
ルリン酸エステルモノエタノールアミン塩
【0139】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る配
線板製造用シート材は、導電性材料が充填された貫通孔
を有するBステージ状態の樹脂層の一面又は両面に、表
面に導体回路が設けられた転写用基材を導体回路と樹脂
層とが対向するように積層すると共に導体回路を樹脂層
に埋設し、転写用基材を樹脂層から剥離すると共に導体
回路を樹脂層側に残存させて導体回路を樹脂層に転写し
て樹脂層の外面と導体回路の露出面とを面一に形成し、
成形後の樹脂層がBステージ状態に維持されているた
め、表面が平坦に形成され、且つBステージ状態の樹脂
層と導体回路とが一体となっていることから、この配線
板製造用シート材を、必要に応じてBステージ状態の樹
脂層と導体回路(あるいは金属箔)とを一体に形成した
他の配線板製造用シート材と共に、複数枚積層して一括
成形することにより多層板を作製することができるもの
であり、このとき成形過程において導体回路が形成され
ている箇所における絶縁層の変形が生じず、絶縁層にお
ける絶縁信頼性を向上することができる。しかも複数の
シート状の部材を一括して積層成形することができるこ
とから、多層板の作製時の成形工程の簡略化が可能であ
って成形に煩雑な手間や時間がかからないようになり、
また成形時に各層の導体回路に熱履歴の相違が生じなく
なり、熱履歴の相違による導体回路の収縮率に基づく補
正を不要なものにすることができるものである。また、
絶縁材料が充填された貫通孔にてビアホールを形成する
ことができると共に、このビアホールが形成された絶縁
層に対して任意の箇所に導体回路を形成することができ
て、配線設計の自由度が高く、ビアオンビア構造やパッ
ドオンビア構造を容易に形成することができ、回路の微
細化・高密度化が容易なものとなって配線板の小型化、
薄型化を達成することができ、また信号経路の短縮化も
できるものである。
【0140】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、キャリア基材の一面に、熱硬化性樹脂組成物からな
るBステージ状態の樹脂層を形成し、樹脂層とキャリア
基材とを貫通する貫通孔を形成し、キャリア基材の外面
側から導電性ペーストを塗布することにより貫通孔内に
導電性ペーストを充填した後に樹脂層からキャリア基材
を剥離し、この樹脂層に対して導体回路を転写して樹脂
層の外面と導体回路の露出面とを面一に形成するため、
貫通孔に導電材料である導電性ペーストを充填する際
に、導電性ペーストが樹脂層の表面に残存することを防
止して、多層板製造時の絶縁性の絶縁信頼性を向上する
ことができ、またこのとき導電性ペーストは、キャリア
基材の貫通孔に充填されてたものが、キャリア基材の剥
離時に樹脂層の貫通孔から突出するように形成され、配
線板製造用シート材の作製時にこの導電性ペーストの突
出部分が貫通孔内に押し込まれて貫通孔内に導電性ペー
ストが密に充填され、多層板の作製時にこの導電性ペー
ストが充填された貫通孔にて形成されるビアホールによ
り導体回路間の導通信頼性を向上することができるもの
である。
【0141】また請求項3の発明は、請求項2におい
て、キャリア基材が、樹脂層が形成される面が鏡面状に
形成された金属箔であるため、樹脂層からキャリア基材
を剥離する際の剥離性が高く、配線板製造用シート材の
作製時における作業性を向上することができるものであ
る。
【0142】また請求項4に係る配線板製造用シート材
は、金属箔の一面にBステージ状態の樹脂層を形成し、
この樹脂層の一面に、表面に導体回路が設けられた転写
用基材を導体回路と樹脂層とが対向するように積層する
と共に導体回路を樹脂層に埋設し、転写用基材を樹脂層
から剥離すると共に導体回路を樹脂層側に残存させて導
体回路を樹脂層に転写して樹脂層の外面と導体回路の露
出面とを面一に形成し、成形後の樹脂層がBステージ状
態に維持されているため、表面が平坦に形成され、且つ
Bステージ状態の樹脂層と導体回路及び金属箔とが一体
となっていることから、この配線板製造用シート材を、
必要に応じてBステージ状態の樹脂層と導体回路(ある
いは金属箔)とを一体に形成した他の配線板製造用シー
ト材と共に、複数枚積層して一括成形し、更に必要に応
じて金属箔に対して回路形成を施すことにより、多層板
を作製することができるものであり、このとき成形過程
において導体回路が形成されている箇所における絶縁層
の変形が生じず、絶縁層における絶縁信頼性を向上する
ことができる。しかも複数のシート状の部材を一括して
積層成形することができることから、多層板の作製時の
成形工程の簡略化が可能であって成形に煩雑な手間や時
間がかからないようになり、また成形時に各層の導体回
路に熱履歴の相違が生じなくなり、熱履歴の相違による
導体回路の収縮率に基づく補正を不要なものにすること
ができるものである。
【0143】また請求項5の発明は、請求項4におい
て、導体回路の形成に先だって、樹脂層の一面に保護フ
ィルムを積層し、樹脂層と保護フィルムとを貫通する貫
通孔を形成し、保護フィルムの外面側から導電性ペース
トを塗布することにより貫通孔内に導電性ペーストを充
填した後に、樹脂層から保護フィルムを剥離し、次いで
この樹脂層に導体回路を転写して樹脂層の外面と導体回
路の露出面とを面一に形成するため、多層板の作製時
に、絶縁材料が充填された貫通孔にてビアホールを形成
することができると共に、このビアホールが形成された
絶縁層に対して任意の箇所に導体回路を形成することが
できて、配線設計の自由度が高く、ビアオンビア構造や
パッドオンビア構造を容易に形成することができ、回路
の微細化・高密度化が容易なものとなって配線板の小型
化、薄型化を達成することができ、また信号経路の短縮
化もできるものである。
【0144】また請求項6の発明は、請求項1乃至5の
いずれかにおいて、導体回路としてグランド層を形成す
ると共にこのグランド層を網目状に形成するため、配線
板製造用シート材の作製時に、転写用基材と導体回路の
熱膨張率が相違していても、熱による負荷を受けた際の
熱応力が緩和されて、転写用基材から導体回路が不用意
に剥離することを防止することができるものである。
【0145】また請求項7の発明は、請求項1乃至6の
いずれかにおいて、転写用基材として、厚み50〜15
0μmであり、且つ導体回路が形成される面の表面粗度
Raが2μm以下となるように表面粗化処理が施された
ステンレス基材を用いるため、配線板製造用シート材の
作製時に、導体回路を転写する際、転写用基材を撓らせ
ながら樹脂層から容易に剥離することができるものであ
り、更に表面粗化処理によって転写用基材と導体回路と
の密着力を調整して、転写用基材から導体回路が不用意
に剥離しないようにすることができると共に、導体回路
の転写時には転写用基材を樹脂層から剥離する際には転
写回路から導体回路を剥離させて導体回路を樹脂層側に
確実に残存させることができるものである。
【0146】また請求項8の発明は、請求項1乃至7の
いずれかにおいて、樹脂層を、シリカ、アルミナ、窒化
アルミニウム、窒化ホウ素及び酸化マグネシウムから選
ばれる少なくとも一種の無機フィラーを含有すると共に
この無機フィラーの最大粒径が10μm以下である樹脂
組成物にて形成するため、これらの無機フィラーは熱伝
導性、誘電率、粒度分布、色調の自由度が高いことか
ら、所望の機能を選択的に発揮させる場合に適宜粒度設
計を行って、容易に高充填化を行うことができ、樹脂
層、あるいはこの樹脂層から形成される絶縁層の熱膨張
率を低減して、導体回路を構成する金属との熱膨張率の
差を小さくし、多層板の作製時や作製された多層板が熱
負荷を受けた加熱された場合などにおける、反り等の変
形の発生を防止することができるものである。
【0147】また請求項9の発明は、請求項1乃至8の
いずれかにおいて、樹脂層を、無機フィラーの含有量が
70〜95重量%であり、かつカップリング剤及び分散
剤のうちの少なくとも一方が含有された樹脂組成物にて
形成するため、無機フィラーを高充填すると共にその分
散性を向上して、樹脂層、あるいはこの樹脂層から形成
される絶縁層の熱膨張率を低減し、導体回路を構成する
金属との熱膨張率の差を小さくして、多層板の作製時や
作製された多層板が熱負荷を受けた加熱された場合など
における、反り等の変形の発生を防止することができる
ものである。
【0148】また請求項10に係る多層板は、請求項1
乃至9のいずれかに記載の複数の配線板製造用シート材
を積層した状態で各樹脂層を硬化させることにより一括
成形するため、表面が平坦に形成され、且つBステージ
状態の樹脂層と導体回路とが一体となったシート状の部
材を一括成形することから、成形過程において導体回路
が形成されている箇所における絶縁層の変形が生じず、
絶縁層における絶縁信頼性を向上することができるもの
であり、また多層板の作製時の成形工程の簡略化が可能
であって成形に煩雑な手間や時間がかからないようにな
り、また成形時に各層の導体回路に熱履歴の相違が生じ
なくなり、熱履歴の相違による導体回路の収縮率に基づ
く補正を不要なものにすることができるものである。ま
た、絶縁材料が充填された貫通孔にてビアホールを形成
することができると共に、このビアホールが形成された
絶縁層に対して任意の箇所に導体回路を形成することが
できて、配線設計の自由度が高く、ビアオンビア構造や
パッドオンビア構造を容易に形成することができ、回路
の微細化・高密度化が容易なものとなって配線板の小型
化、薄型化を達成することができ、また信号経路の短縮
化もできるものである。
【0149】また請求項11に係る多層板は、請求項1
乃至9のいずれかに記載の一枚の配線板製造用シート材
又は複数枚の配線板製造用シート材を積層して配置した
ものの外面側に、導電性材料が充填された貫通孔を有す
るBステージ状態の樹脂層の一面に金属箔を積層した金
属箔付きシート材を積層して配置し、この状態で各樹脂
層を硬化させることにより一括成形するため、表面が平
坦に形成され、且つBステージ状態の樹脂層と導体回路
とが一体となったシート状の部材を一括成形することか
ら、成形過程において導体回路が形成されている箇所に
おける絶縁層の変形が生じず、絶縁層における絶縁信頼
性を向上することができるものであり、また多層板の作
製時の成形工程の簡略化が可能であって成形に煩雑な手
間や時間がかからないようになり、また成形時に各層の
導体回路に熱履歴の相違が生じなくなり、熱履歴の相違
による導体回路の収縮率に基づく補正を不要なものにす
ることができるものである。また、絶縁材料が充填され
た貫通孔にてビアホールを形成することができると共
に、このビアホールが形成された絶縁層に対して任意の
箇所に導体回路を形成することができて、配線設計の自
由度が高く、ビアオンビア構造やパッドオンビア構造を
容易に形成することができ、回路の微細化・高密度化が
容易なものとなって配線板の小型化、薄型化を達成する
ことができ、また信号経路の短縮化もできるものであ
る。また、最外面に配置される金属箔には必要に応じて
回路形成を施すことにより、更に任意の形状の導体回路
を形成することができるものである。最外層には部品が
実装されたり、さらにマザーボード上に実装される場合
があるが、この場合でも回路の引っ張り強度を向上させ
ることができる、つまり、メッキ箔は粗度が小さいので
密着性を向上させるために表面処理を施す必要がある
が、電解銅箔等を使用すれば非常に高い密着性を容易に
確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)乃至(c)は、配線板製造用シート材の
製造工程の一例を示す断面図である。
【図2】(a)乃至(c)は、配線板製造用シート材の
製造工程の他例を示す断面図である。
【図3】(a)及び(b)は、金属箔付きシート材の製
造工程の一例を示す断面図である。
【図4】(a)乃至(c)は、配線板製造用シート材の
製造工程の他例を示す断面図である。
【図5】(a)乃至(e)は、配線板製造用シート材の
製造工程の他例を示す断面図である。
【図6】(a)乃至(c)は、図5に示される工程に続
く工程を示す断面図である。
【図7】導体回路を設けた転写用基材6の一例を示す断
面図である。
【図8】導体回路を設けた転写用基材6の他例を示すも
のであり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図9】(a)乃至(d)は、導電性材料が充填された
貫通孔を有する樹脂層の成形工程を示す断面図である。
【図10】(a)及び(b)は、多層板の製造工程の一
例を示す断面図である。
【図11】(a)及び(b)は、多層板の製造工程の他
例を示す断面図である。
【図12】(a)乃至(c)は、多層板の製造工程の更
に他例を示す断面図である。
【図13】(a)乃至(c)は、多層板の製造工程の更
に他例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 配線板製造用シート材 2 導電性材料 3 貫通孔 4 樹脂層 5 導体回路 6 転写用基材 7 キャリア基材 8 導電性ペースト 9 金属箔 10 金属箔 11 多層板 12 保護フィルム 13 金属箔付きシート材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/11 H05K 3/20 A 3/20 3/40 K 3/40 H01L 23/12 N (72)発明者 平林 辰雄 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 5E317 AA24 BB01 BB02 BB11 CC22 CC25 CD21 CD32 GG14 GG16 5E343 AA02 AA12 AA13 AA17 BB02 BB15 BB22 BB66 DD56 DD62 ER50 ER52 GG11 5E346 AA05 AA06 AA12 AA15 AA35 AA38 AA43 BB03 BB04 CC02 CC08 CC09 CC16 CC31 DD02 DD33 EE02 EE06 EE07 EE08 FF18 FF35 FF36 GG02 GG15 GG19 GG28 HH07 HH22 HH32

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性材料が充填された貫通孔を有する
    Bステージ状態の樹脂層の一面又は両面に、表面に導体
    回路が設けられた転写用基材を導体回路と樹脂層とが対
    向するように積層すると共に導体回路を樹脂層に埋設
    し、転写用基材を樹脂層から剥離すると共に導体回路を
    樹脂層側に残存させて導体回路を樹脂層に転写して樹脂
    層の外面と導体回路の露出面とを面一に形成し、成形後
    の樹脂層がBステージ状態に維持されていることを特徴
    とする配線板製造用シート材。
  2. 【請求項2】 キャリア基材の一面に、熱硬化性樹脂組
    成物からなるBステージ状態の樹脂層を形成し、樹脂層
    とキャリア基材とを貫通する貫通孔を形成し、キャリア
    基材の外面側から導電性ペーストを塗布することにより
    貫通孔内に導電性ペーストを充填した後に樹脂層からキ
    ャリア基材を剥離して貫通孔から導電性ペーストが外方
    に突出するように形成し、この樹脂層に対して導体回路
    を転写して樹脂層の外面と導体回路の露出面とを面一に
    形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の配線板
    製造用シート材。
  3. 【請求項3】 キャリア基材が、樹脂層が形成される面
    が鏡面状に形成された金属箔であることを特徴とする請
    求項2に記載の配線板製造用シート材。
  4. 【請求項4】 金属箔の一面にBステージ状態の樹脂層
    を形成し、この樹脂層の一面に、表面に導体回路が設け
    られた転写用基材を導体回路と樹脂層とが対向するよう
    に積層すると共に導体回路を樹脂層に埋設し、転写用基
    材を樹脂層から剥離すると共に導体回路を樹脂層側に残
    存させて導体回路を樹脂層に転写して樹脂層の外面と導
    体回路の露出面とを面一に形成し、成形後の樹脂層がB
    ステージ状態に維持されていることを特徴とする配線板
    製造用シート材。
  5. 【請求項5】 導体回路の形成に先だって、樹脂層の一
    面に保護フィルムを積層し、樹脂層と保護フィルムとを
    貫通する貫通孔を形成し、保護フィルムの外面側から導
    電性ペーストを塗布することにより貫通孔内に導電性ペ
    ーストを充填した後に、樹脂層から保護フィルムを剥離
    して貫通孔から導電性ペーストが外方に突出するように
    形成し、次いでこの樹脂層に導体回路を転写して樹脂層
    の外面と導体回路の露出面とを面一に形成して成ること
    を特徴とする請求項4に記載の配線板製造用シート材。
  6. 【請求項6】 導体回路としてグランド層を形成すると
    共にこのグランド層を網目状に形成して成ることを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれかに記載の配線板製造用
    シート材。
  7. 【請求項7】 転写用基材として、厚み50〜150μ
    mであり、且つ導体回路が形成される面の表面粗度Ra
    が2μm以下となるように表面粗化処理が施されたステ
    ンレス基材を用いて成ることを特徴とする請求項1乃至
    6のいずれかに記載の配線板製造用シート材。
  8. 【請求項8】 樹脂層を、シリカ、アルミナ、窒化アル
    ミニウム、窒化ホウ素及び酸化マグネシウムから選ばれ
    る少なくとも一種の無機フィラーを含有すると共にこの
    無機フィラーの最大粒径が10μm以下である樹脂組成
    物にて形成して成ることを特徴とする請求項1乃至7の
    いずれかに記載の配線板製造用シート材。
  9. 【請求項9】 樹脂層を、無機フィラーの含有量が70
    〜95重量%であり、かつカップリング剤及び分散剤の
    うちの少なくとも一方が含有された樹脂組成物にて形成
    して成ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに
    記載の配線板製造用シート材。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載の複
    数の配線板製造用シート材を積層した状態で各樹脂層を
    硬化させることにより一括成形して成ることを特徴とす
    る多層板。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至9のいずれかに記載の一
    枚の配線板製造用シート材又は複数枚の配線板製造用シ
    ート材を積層して配置したものの外面側に、導電性材料
    が充填された貫通孔を有するBステージ状態の樹脂層の
    一面に金属箔を積層した金属箔付きシート材を積層して
    配置し、この状態で各樹脂層を硬化させることにより一
    括成形して成ることを特徴とする多層板。
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