JP2003133072A - 有機エレクトロルミネッセンス発光素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス発光素子

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JP2003133072A
JP2003133072A JP2001327275A JP2001327275A JP2003133072A JP 2003133072 A JP2003133072 A JP 2003133072A JP 2001327275 A JP2001327275 A JP 2001327275A JP 2001327275 A JP2001327275 A JP 2001327275A JP 2003133072 A JP2003133072 A JP 2003133072A
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Shuntaro Mataga
駿太郎 又賀
Thies Thiemann
ティース ティーマン
Yasuhiko Soeda
康彦 添田
Shinichiro Kaneko
信一郎 金子
Ryuichi Yatsunami
竜一 八浪
Takahiro Komatsu
隆宏 小松
Megumi Sakagami
恵 坂上
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、単一の材料のため低コストで作製
できて、高い発光輝度で長時間安定して連続発光が可能
な有機エレクトロルミネッセンス発光素子の提供を目的
とする。 【解決手段】 本発明の有機エレクトロルミネッセンス
発光素子は、2つの電極間に、発光領域を有する有機発
光層が設けられ、有機発光層が下記一般式(I)で表さ
れる化合物を含有する。 【化1】 (式中、A、Bは、置換基を有していてもよい芳香族炭
化水素基を示し、AとBは同じでも異なっていてもよ
い。Yは、置換基を有していてもよい炭素原子を示
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の表示装置や
表示装置の光源またはバックライト、もしくは光通信機
器に使用される発光素子等に用いられる有機エレクトロ
ルミネッセンス発光素子(以下、有機EL発光素子と略
記することもある。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エレクトロルミネッセンス発光素子と
は、固体蛍光性物質の電界発光を利用した発光デバイス
であり、現在無機形材料を発光体として用いた無機エレ
クトロルミネッセンス発光素子が実用化され、液晶ディ
スプレイのバックライトやフラットディスプレイ等への
応用展開が一部で図られている。しかし、無機エレクト
ロルミネッセンス発光素子は発光させるために必要な電
圧が100V以上と高く、しかも青色発光が難しいた
め、RGBの3原色によるフルカラー化が困難である。
【0003】一方、有機材料を用いたエレクトロルミネ
ッセン発光素子に関する研究も古くから注目され、様々
な検討が行われてきたが、発光効率が非常に悪いことか
ら本格的な実用化研究へは進展しなかった。
【0004】しかし、1987年にコダック社のC.
W.Tangらにより、有機材料を正孔輸送層と発光層
の2層に分けた機能分離型の積層構造を有する有機エレ
クトロルミネッセンス発光素子が提案され、10V以下
の低電圧にもかかわらず1000cd/m2以上の緑色
発光が得られることが明らかとなった〔C.W.Tan
g and S.A.Vanslyke:Appl.P
hys.Lett,51(1987)913等参照〕。
【0005】しかしながら、発光の色相は自由に選択す
ることが出来ず、発光の輝度にも限界があった。この発
表を機に有機エレクトロルミネッセンス発光素子は多く
の研究者によって、研究・開発されていく。しかしRG
B3色を得るための青色発光材料の研究開発がもっとも
困難を極めていた。たとえば特開平4−275268に
記載されているように、Yellow Greenの発
光材料が開発されている。これによると緑色で高輝度が
達成できているが,青色発光材料についての言及がな
い。また特開平4−332787に記載されているよう
に、青色及び青緑色で発光する材料が開発されている。
これによれば、高効率な青色発光材料が作製できている
が寿命に関する記載がない。
【0006】ここで、従来の有機EL発光素子について
説明すると、従来の有機EL発光素子は、ガラス等の基
板と、基板上にスパッタリング法や抵抗加熱蒸着法等に
より形成されたITO等の透明な導電性膜からなる陽極
と、陽極上に抵抗加熱蒸着法等により形成されたN,
N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニ
ル)−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(以
下、TPDと略称する。)等からなる正孔輸送層と、正
孔輸送層上に抵抗加熱蒸着法等により形成された4,
4’−ビス(2,2‘−ジフェニルビニル)ビフェニル
(以下、DPVBiと略称する。)等からなる発光層
と、発光層上に抵抗加熱蒸着法等により形成された10
0nm〜300nmの膜厚の金属膜からなる陰極とを備
えている。
【0007】上記構成を有する有機EL発光素子の陽極
と陰極間に直流電流を流すことにより、陽極から正孔輸
送層を介して発光層に正孔が注入され、陰極から発光層
に電子が注入される。発光層では正孔と電子の再結合が
生じ、これに伴って励起子が発生し、この励起子が基底
状態に落ちるときにそのエネルギーを光として放出する
と言う原理に基づいている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の青色発光の高効
率な有機EL発光素子では、定電圧又は定電流を印加し
て連続的に発光させると発光輝度が経時的に減衰し、連
続発光時間が短い、及び色味の経時変化が生じるという
課題を有していた。また、白色を得ようとする場合は青
色、緑色、赤色等に発光する発光材料を組み合わせる
か、青色、黄色に発光する材料の組み合わせ、または、
青色発光材料からの青色発光を蛍光物質を通すことによ
って色変換する等の方法が知られているが、各種発光材
料を組み合わせる方法は劣化とともに発光色が変化する
という課題があった。また色変換する方法は、変換効率
が悪いために消費電力が大きくなるあるいは製造コスト
が上昇する等の問題があった。
【0009】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、青色発光及び単一発光材料での白色発光が可能な
高効率な有機エレクトロルミネッセンス発光素子であ
り、単一の材料のため低コストで作製できて、高い発光
輝度で長時間安定して連続発光が可能な有機エレクトロ
ルミネッセンス発光素子の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の有機エレクトロルミネッセンス発光素子
は、2つの電極間に、発光領域を有する有機発光層が設
けられた有機エレクトロルミネッセンス発光素子であっ
て、有機発光層が下記一般式(I)で表される化合物を
含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセン
ス発光素子としたものであり、
【0011】
【化3】
【0012】(式中、A、Bは、置換基を有していても
よい芳香族炭化水素基を示し、AとBは同じでも異なっ
ていてもよい。Yは、置換基を有していてもよい炭素原
子を示す。) 驚くべきことに一般式(I)で表される化合物のEL発
光は青色及び白色が得られた。この構成により、青色発
光及び白色発光の高効率な有機EL発光素子が、単一の
発光材料により低コストで作成できて、高い発光輝度で
長時間安定して連続発光が可能であり、色味の経時変化
がないという作用を有することができる。
【0013】更に、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス発光素子は、2つの電極間に、発光領域を有する有
機発光層が設けられた有機エレクトロルミネッセンス発
光素子であって、有機発光層が下記一般式(II)で表
される化合物を含有することを特徴とする有機エレクト
ロルミネッセンス発光素子としたものであり、
【0014】
【化4】
【0015】(式中、C、Dは、置換基を有していても
よい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい
複素環基または置換基を有していてもよいヘテロ原子を
環内に含む芳香族基を示し、CとDは同じでも異なって
いてもよい。Yは、置換基を有していてもよい炭素原子
を示す。) 驚くべきことに一般式(II)で表される化合物のEL
発光は青色及び白色が得られ、一般式(I)で表される
化合物に比べて、更に高い効率と長寿命のELデバイス
が得られている。この構成により、青色発光及び白色発
光の高効率な有機EL発光素子が、単一の発光材料によ
り低コストで作成できて、高い発光輝度で長時間安定し
て連続発光が可能であり、色味の経時変化がないという
作用を有することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、2つの
電極間に、発光領域を有する有機発光層が設けられた有
機エレクトロルミネッセンス発光素子であって、有機発
光層が下記一般式(I)で表される化合物を含有するこ
とを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光素子
であって、
【0017】
【化5】
【0018】(式中、A、Bは、置換基を有していても
よい芳香族炭化水素基を示し、AとBは同じでも異なっ
ていてもよい。Yは、置換基を有していてもよい炭素原
子を示す。) この構成により、青色発光及び白色発光の高効率な有機
EL発光素子が、単一の発光材料により低コストで作成
できて、高い発光輝度で長時間安定して連続発光が可能
であり、色味の経時変化がないという作用を有すること
ができる。
【0019】請求項2に記載の発明は、2つの電極間
に、発光領域を有する有機発光層が設けられた有機エレ
クトロルミネッセンス発光素子であって、有機発光層が
下記一般式(II)で表される化合物を含有することを
特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光素子であ
って、
【0020】
【化6】
【0021】(式中、C、Dは、置換基を有していても
よい芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい
複素環基または置換基を有していてもよいヘテロ原子を
環内に含む芳香族基を示し、CとDは同じでも異なって
いてもよい。Yは、置換基を有していてもよい炭素原子
を示す。) この構成により、青色発光及び白色発光の非常に高効率
な有機EL素子が、単一の発光材料により低コストで作
成できて、高い発光輝度で長時間安定して連続発光が可
能であり、色味の経時変化がないという作用を有するこ
とができる。
【0022】以下、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス発光素子について詳細に説明する。
【0023】(実施の形態)図1は、本発明の一実施の
形態における有機エレクトロルミネッセンス発光素子の
要部断面図であり、図1において、1は基板、2は陽
極、3は正孔輸送層、4は発光層、5は陰極である。
【0024】そして、本発明の有機EL発光素子は、2
つの電極(陽極2と陰極5)間に直流電流を流すことに
より、陽極2から正孔輸送層3を介して発光層4に正孔
が注入され、陰極5から発光層4に電子が注入される。
発光層4では正孔と電子の再結合が生じ、これに伴って
励起子が発生し、この励起子が基底状態に落ちるときに
そのエネルギーを光として放出すると言う原理に基づ
く。
【0025】次に、本発明の有機EL発光素子の各構成
について説明する。
【0026】まず、基板1について説明する。有機EL
発光素子の基板1としては、透明あるいは半透明基板を
用いることができる。なお、本発明において、透明また
は半透明なる定義は、有機EL発光素子による発光の視
認を妨げない程度の透明性を示すものである。
【0027】基板材料としては、透明または半透明のソ
ーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラ
ス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラ
ス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英ガラス等の無機酸
化物ガラス、無機フッ化物ガラス等の無機ガラス、ある
いは、透明または半透明のポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポ
リエーテルスルフォン、ポリフッ化ビニル、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、ポリアクリレート、非晶質ポリオ
レフィン、フッ素系樹脂等の高分子フィルム等、あるい
は、透明または半透明のAs23、As4010、S40
10等のカルコゲノイドガラス、ZnO、Nb25、T
25、SiO、Si34、HfO2、TiO2等の金属
酸化物および窒化物等の材料から適宜選択して用いるこ
とができ、複数の基板材料を積層した積層基板を用いる
こともできる。なお、有機EL発光素子の光の取り出し
を基板1側から取り出さない場合、即ち、図1において
陰極5側から取り出す場合には、基板1は不透明であっ
てもよい。更に、この基板1の表面あるいは基板内部に
は、有機EL発光素子を駆動するためのトランジスタ、
ダイオード、抵抗・コンデンサ・インダクタ等からなる
回路を形成していても良い。
【0028】次に、陽極2について説明する。陽極2
は、正孔を注入する電極であり、正孔を効率良く発光層
4或いは正孔輸送層3に注入することが必要である。陽
極2としては、透明電極を用いることができる。透明電
極の材料としては、インジウムスズ酸化物(ITO)、
酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)等の金属酸
化物、あるいは、SnO:Sb(アンチモン)、Zn
O:Al(アルミニウム)といった混合物からなる透明
導電膜や、あるいは、透明度を損なわない程度の厚さの
Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Ti(チタン)、
Ag(銀)といった金属薄膜や、これら金属の混合薄
膜、積層薄膜といった金属薄膜や、あるいは、ポリピロ
ール等の導電性高分子等を用いる事ができる。また、複
数の前述透明電極材料を積層することで透明電極とする
ことも可能であり、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、ス
パッタ法または電界重合法等の各種の重合法等により形
成する。導電性高分子として金属酸化物微粒子、導電性
樹脂微粉末等を用いる場合には、適当なバインダー樹脂
溶液に分散し、基板上に塗布することにより形成するこ
ともできる。さらに、導電性樹脂の場合は電界重合によ
り直接基板上に薄膜を形成することもできる。また、透
明電極は、十分な導電性を持たせるため、または、基板
表面の凹凸による不均一発光を防ぐために、1nm以上
の厚さにすることが望ましい。また、十分な透明性を持
たせるために500nm以下の厚さにすることが望まし
い。更に、陽極2は、必要とする透明性により異なる
が、透明性が必要とされる場合は、可視光または発光波
長領域に対しての透過率が60%以上、好ましくは80
%以上透過することが望ましい。この場合、厚みは50
〜10000Å、好ましくは100〜5000Å程度で
ある。不透明でよい場合は陽極2は基板1と同一でよ
い。
【0029】更に、陽極2としては、前記透明電極以外
にも、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、Cu
(銅)、Sn(錫)、W(タングステン)、Au
(金)、Pt(白金)等の仕事関数の大きな金属、ある
いはその合金、酸化物等を用いることができ、これら陽
極材料を用いた複数の材料による積層構造も用いること
ができる。なお、陽極2として透明電極を用いない場合
には、陰極5が透明電極であればよい。この場合、陽極
2は光を反射する材料で形成することが好ましい。
【0030】また、陽極2に非晶質炭素膜を設けても良
い。この場合には、共に正孔注入電極としての機能を有
する。即ち、陽極2から非晶質炭素膜を介して発光層4
或いは正孔輸送層3に正孔が注入される。また、非晶質
炭素膜は、陽極2と発光層4或いは正孔輸送層3との間
にスパッタ法により形成されてなる。スパッタリングに
よるカーボンターゲットとしては、等方性グラファイ
ト、異方性グラファイト、ガラス状カーボン等があり、
特に限定するものではないが、純度の高い等方性グラフ
ァイトが適している。非晶質炭素膜が優れている点を具
体的に示すと、理研計器製の表面分析装置AC−1を使
って、非晶質炭素膜の仕事関数を測定すると、非晶質炭
素膜の仕事関数は、Wc=5.40eVである。ここ
で、一般に陽極としてよく用いられているITOの仕事
関数は、WITO=5.05eVであるので、非晶質炭素
膜を用いた方が発光層或いは正孔輸送層3に効率よく正
孔を注入できる。また、非晶質炭素膜をスパッタリング
法にて形成する際、非晶質炭素膜の電気抵抗値を制御す
るために、窒素あるいは水素とアルゴンの混合ガス雰囲
気下、もしくは窒素ガス雰囲気下で反応性スパッタリン
グする。さらに、スパッタリング法などによる薄膜形成
技術では、材料により若干異なるが、おおよそ膜厚を5
nm以下にすると膜が島状構造となり均質な膜が得られ
ない。そのため、非晶質炭素膜の膜厚が5nm以下で
は、効率の良い発光が得られにくく、非晶質炭素膜の効
果が顕著でないこともある。また、非晶質炭素膜の膜厚
を200nm以上とすると、膜の色が黒味を帯び、有機
発光層からの発光が十分に透過しなくなる。
【0031】次に、正孔輸送層3について説明する。正
孔輸送層3としては、正孔移動度が高く、透明で成膜性
の良いものが好ましい。また、正孔輸送層3は、電界を
与えられた電極間においてアノードからの正孔を効率良
く発光層4の方向に輸送することができる化合物より形
成される。正孔注入輸送化合物としては陽極2からの正
孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率良く輸
送することができる化合物であることが必要であり、そ
のためにはイオン化ポテンシャルが陽極2よりも大き
く、しかも正孔移動度が大きく、更に安定性に優れトラ
ップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくい化合
物であることが好ましい。また発光層4で生成した励起
子の電子注入層または電子輸送材料への移動を防止し、
かつ薄膜形成能の優れた化合物が挙げられる。具体的に
は、TPDの他、ポルフィン、テトラフェニルポルフィ
ン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウム
フタロシアニンオキサイド等のポリフィリン化合物や、
1,1−ビス{4−(ジ−P−トリルアミノ)フェニ
ル}シクロヘキサン、4,4’,4’’−トリメチルト
リフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラキス
(P−トリル)−P−フェニレンジアミン、1−(N,
N−ジ−P−トリルアミノ)ナフタレン、4,4’−ビ
ス(ジメチルアミノ)−2−2’−ジメチルトリフェニ
ルメタン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,
4’−ジアミノビフェニル、N,N’−ジフェニル−
N,N’−ジ−m−トリル−4,N,N−ジフェニル−
N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−
4,4’−ジアミン、4’−ジアミノビフェニル、N−
フェニルカルバゾ−ル等の芳香族第三級アミンや、4−
ジ−P−トリルアミノスチルベン、4−(ジ−P−トリ
ルアミノ)−4’−〔4−(ジ−P−トリルアミノ)ス
チリル〕スチルベン等のスチルベン化合物や、トリアゾ
ール誘導体や、オキサジザゾール誘導体や、イミダゾー
ル誘導体や、ポリアリールアルカン誘導体や、ピラゾリ
ン誘導体や、ピラゾロン誘導体や、フェニレンジアミン
誘導体や、アニールアミン誘導体や、アミノ置換カルコ
ン誘導体や、オキサゾール誘導体や、スチリルアントラ
セン誘導体や、フルオレノン誘導体や、ヒドラゾン誘導
体や、シラザン誘導体や、ポリシラン系アニリン系共重
合体や、高分子オリゴマーや、スチリルアミン化合物
や、芳香族ジメチリディン系化合物や、ポリ3−メチル
チオフェン等の有機材料が用いられる。また、ポリカー
ボネート等の高分子中に低分子の正孔輸送層用の有機材
料を分散させた、高分子分散系の正孔輸送層も用いられ
る。
【0032】正孔輸送層3の膜厚としては、一般には5
0〜3000Å、好ましくは300〜1000Åであ
り、その形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリン
グ法が用いられる。
【0033】次に、発光層4について簡単に説明する
が、発光層4に含有される本発明の特徴である化合物に
ついての詳細は後述する。発光層4は少なくともその層
内に発光領域を備えた有機発光層である。図1に示すよ
うに、発光層4は正孔輸送層3の上に積層されるが、正
孔輸送層3を設けない場合には、陽極2に積層される。
この発光層4は陰極5からの電子を正孔輸送層3の方向
へ輸送する役割と正孔と電子の再結合の際に発光をもた
らす役割を同時に兼ねている。
【0034】更に、陰極5について説明する。陰極5
は、電子を注入する電極であり、電子を効率良く発光層
4或いは電子輸送層に注入することが必要であり、仕事
関数の小さいAl(アルミニウム)、In(インジウ
ム)、Mg(マグネシウム)、Ti(チタン)、Ag
(銀)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)
等の金属、あるいは、これらの金属の酸化物やフッ化物
およびその合金、積層体等が一般に用いられる。そし
て、陽極2として透明電極を用いる場合には、陰極5は
光を反射する材料で形成することが好ましい。
【0035】また、陰極5としては、発光層4或いは電
子輸送層と接する界面に、仕事関数の小さい金属を用い
た光透過性の高い超薄膜を形成し、その上部に透明電極
を積層することで、透明陰極を形成することも可能であ
る。特に仕事関数の小さなMg、Mg−Ag合金、特開
平5−121172号公報記載のAl−Li合金やSr
−Mg合金あるいはAl−Sr合金、Al−Ba合金等
あるいはLiO2/AlやLiF/Al等の積層構造は
陰極材料として好適である。
【0036】更に、これら陰極5の成膜方法としては抵
抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタ法が用いられ
る。
【0037】なお、陽極2及び陰極5は少なくとも一方
が透明電極であればよい。更に、共に透明電極であって
もよいが、光の取り出し効率を向上させるためには、一
方が透明電極であれば、他方が光を反射する材料で形成
することが好ましい。
【0038】また、発光層4のみの単層構造の他に、正
孔輸送層3と発光層4又は発光層4と電子輸送層の2層
構造や、正孔輸送層3と発光層4と電子輸送層の3層構
造のいずれの構造でもよい。但し、このような2層構造
又は3層構造の場合には、正孔輸送層3と陽極2が、又
は電子輸送層と陰極5が接するように積層して形成され
る。
【0039】なお、電子輸送層としては、1,3−ビス
(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサ
ジアゾリル)フェニレン(OXD−7)等のオキサジア
ゾール誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニ
ルキノン誘導体等が用いられる。
【0040】更に、有機EL発光素子を外気から遮断
し、長時間安定性を保証するために必要に応じて、陰極
5の上に保護膜を形成し、陽極2〜陰極5の積層体を基
板1上で包み込むように保護してもよい。保護膜の材料
としては、SiON、SiO、SiN、SiO2、Al2
3、LiF等の無機酸化物、無機窒化物、無機フッ化
物からなる薄膜、更に、無機酸化物、無機窒化物、無機
フッ化物等或いはそれらの混合物等からなるガラス膜、
あるいは、熱硬化性、光硬化性の樹脂や封止効果のある
シラン系の高分子材料等が挙げられ蒸着やスパッタリン
グ等もしくは塗布法により形成される。
【0041】また、本発明の有機EL発光素子は図1の
層構成が逆転している構造、すなわち基板1上に陰極
5、発光層4、正孔輸送層3、陽極2の順に積層するこ
とも可能であり、少なくとも一方が透明性の高い2枚の
基板の間に本発明の有機EL発光素子を設けることも可
能である。
【0042】本発明の有機EL発光素子の各層は、真空
蒸着、CVD、スパッタリング等の乾式成膜法、或い
は、スピンコーティング、ディッピング等の湿式成膜法
いずれの方法を用いてもよい。各層の膜厚は特に限定さ
れるものではないが、各層は最適な膜厚に設定する必要
がある。膜厚が厚すぎると、一定の光出力を得るために
大きな印加電圧が必要になり効率が悪くなり、膜厚が薄
すぎるとピンホール等が発生し、ショートして十分な発
光が得られない場合がある。各層の種類によってかなり
膜厚は違うが、通常の膜厚は概ね10Å〜1000Åの
範囲で用いられる。
【0043】なお、湿式成膜法の場合、各層を形成する
材料を、クロロホルム、テトラヒドロフラン、トルエ
ン、キシレン、ジオキサン等の溶媒に溶解または分散し
て薄膜を形成するが、その溶媒は特に限定されるもので
はない。また、何れの薄膜においても、成膜性向上、膜
のピンホール防止等のため適切な樹脂や添加剤を使用す
ることが好ましい。このような樹脂としては、ポリスチ
レン、ポリカーポネート、ポリアリレート、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリ
メチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セル
ロース等の絶縁性樹脂、ポリ−N−ビニルカルバソー
ル、ポリシラン等の光導電性樹脂、ポリチオフェン、ポ
リピロール等の導電性樹脂を挙げることができる。
【0044】また、本発明の有機EL発光素子は、例え
ば、画像を表示する表示装置として用いることができ、
これら表示装置は、携帯電話、PHS、PDA等の携帯
情報端末のディスプレイ、テレビジョン、パーソナルコ
ンピュータ、カーナビゲーション等のディスプレイ、ス
テレオ、ラジオ等のAV機器のディスプレイ等に用いる
ことができる。更に、レーザプリンタ、スキャナ等の光
源としての照明装置に用いることができる。或いは、室
内灯、ライトスタンド等の照明器具のような単なる光源
としての照明装置として用いることもできる。
【0045】これらの中でも、有機エレクトロルミネッ
センス素子の低消費電力、軽量薄型化が容易、応答速度
が速い等の優位性を考慮すれば、様々な電子機器におい
て画像を表示するディスプレイとしての表示装置や、レ
ーザプリンタ、スキャナ等の光源としての照明装置に用
いることが好ましい。
【0046】以上、本発明の実施の形態における有機エ
レクトロルミネッセンス発光素子の各構成について説明
したが、ここで、発光層4に含有される本発明の特徴的
な化合物について詳細に説明する。
【0047】まず、本発明の有機EL発光素子の発光層
4に含有される下記一般式(I)で表される本発明の第
1の化合物について説明する。
【0048】本発明の有機EL発光素子は、発光層4が
下記一般式(I)で表される化合物を含有することを特
徴とするものである。
【0049】
【化7】
【0050】一般式(I)において、A、Bは、置換基
を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し、フェニル
基、ナフチル基、フェナンスレン基等から選ばれ、置換
基としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロ
ゲン原子、メチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアル
キル基、;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6の
アルコキシ基;メトキシカルボニル基等の炭素数1〜6
のアルコキシ基を有するアルコキシカルボニル基;メト
キシスルホニル基、エトキシスルホニル基等の炭素数1
〜6のアルコキシスルホニル基;シアノ基、アミノ基、
ジメチルアミノ基、ニトロ基等があげられる。
【0051】また、Yは、置換基を有していてもよい炭
素原子で、置換基としては水素原子、シアノ基、或い
は、次式で表されるアミド基:−CONH2、−CON
HR、−CORR’(式中、R、R’はフェニル基等の
芳香族炭化水素基または置換されても良いアルキル基を
示す。)、或いは、次式で表されるエステル基:−CO
OR(式中Rは、フェニル基等の芳香族炭化水素基また
は置換されても良いアルキル基を示す。)、或いは、1
〜28個の炭素原子を有するアルキル基、カルボキシル
基、置換されてもよいフェニル基、ナフチル基、フェナ
ントリル基等の芳香族炭化水素基;置換されてもよいチ
エニル基、ピロリル基、チアゾリル基、フリル基、オキ
サゾリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、イ
ンドリル基、ピリジル基等の芳香族複素環基等があげら
れる。
【0052】これら一般式(I)で表される化合物の具
体例として、化合物(1)〜(11)の構造式を以下に
例示する。
【0053】
【化8】
【0054】
【化9】
【0055】
【化10】
【0056】
【化11】
【0057】これらの化合物(1)〜(11)はいずれ
も強い蛍光性を示し、発光層4の化合物として好適であ
る。発光層4の膜厚は通常100〜2000Å、好まし
くは300〜1000Åである。発光層4も正孔注入輸
送層3と同様の方法で形成することができるが、通常は
真空蒸着法が用いられる。真空蒸着法で形成した有機薄
膜は長期間の放置の後に凝集して劣化することが良く見
られるが本発明における有機発光化合物はこの点におい
て優れている。
【0058】次に、本発明の有機EL発光素子の発光層
4に含有される下記一般式(II)で表される本発明の
第2の化合物について説明する。
【0059】本発明の有機EL発光素子は、発光層4が
下記一般式(II)で表される化合物を含有することを
特徴とするものである。
【0060】
【化12】
【0061】一般式(II)において、C、Dは、置換
基を有していてもよい芳香族炭化水素基または置換基を
有していてもよい複素環基または置換基を有していても
よいヘテロ原子を環内に含む芳香族基を示し、芳香族炭
化水素基は、フェニル基、ナフチル基、フェナンスレン
基等から選ばれ、複素環基またはヘテロ原子を環内に含
む芳香族基は、ベンゾチオフェン基、インドール基、ベ
ンゾフラン基等から選ばれ、これらの置換基としては、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メ
チル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、;メ
トキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ
基;メトキシカルボニル基等の炭素数1〜6のアルコキ
シ基を有するアルコキシカルボニル基;メトキシスルホ
ニル基、エトキシスルホニル基等の炭素数1〜6のアル
コキシスルホニル基;シアノ基、アミノ基、ジメチルア
ミノ基、ニトロ基等があげられる。
【0062】Yは、置換基を有していてもよい炭素原子
で、置換基としては水素原子、シアノ基、或いは、次式
で表されるアミド基:−CONH2、−CONHR、−
CORR’(式中、R、R’はフェニル基等の芳香族炭
化水素基または置換されても良いアルキル基を示
す。)、或いは、次式で表されるエステル基:−COO
R(式中Rは、フェニル基等の芳香族炭化水素基または
置換されても良いアルキル基を示す。)、或いは、1〜
28個の炭素原子を有するアルキル基、カルボキシル
基、置換されてもよいフェニル基、ナフチル基、フェナ
ントリル基等の芳香族炭化水素基;置換されてもよいチ
エニル基、ピロリル基、チアゾリル基、フリル基、オキ
サゾリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、イ
ンドリル基、ピリジル基等の芳香族複素環基等があげら
れる。
【0063】これら一般式(II)で表される化合物の
具体例として、化合物(12)〜(23)の構造式を以
下に例示する。
【0064】
【化13】
【0065】
【化14】
【0066】
【化15】
【0067】
【化16】
【0068】これらの化合物(12)〜(23)は、い
ずれも強い蛍光性を示し、発光層4の化合物として好適
である。発光層4の膜厚は通常100〜2000Å、好
ましくは300〜1000Åである。発光層4も正孔注
入輸送層3と同様の方法で形成することができるが、通
常は真空蒸着法が用いられる。真空蒸着法で形成した有
機薄膜は長期間の放置の後に凝集して劣化することが良
く見られるが本発明における有機発光化合物はこの点に
おいて優れており、かつ、単一の白色発光材料により低
コストで作成できて、色味の経時変化がないという作用
を有する。
【0069】よって、高効率で高い発光輝度で長時間安
定して連続発光可能な、白色発光の有機エレクトロルミ
ネッセンス発光素子が、単一の白色発光材料により低コ
ストで作成できて、色味の経時変化がない。
【0070】次に、本発明の化合物の合成例を説明す
る。
【0071】(合成例)化合物(1)〜(11)、化合
物(12)〜(23)の合成例を示すにあたり、ここで
は代表して化合物(23)の合成方法の具体例を示す。
【0072】N−オキシド体の合成:100mlの酢
酸に溶解させた4−ブロモアセトフェノン(49.7
g、0.25mol)に100ml酢酸と90mlの硝
酸の混合溶液を加えた。亜硝酸ナトリウム(150m
g)を室温で24時間攪拌後、水にあけ結晶化するまで
攪拌した。吸引濾過し、残渣をCHCl3に溶かし、飽
和NaHCO3水溶液で洗い、MgSO4で乾燥後、減圧
下で溶媒を留去した。CHCl3で再結晶化して、N−
オキシド体(46.3g、82%)を得た。
【0073】ここで、得られたN−オキシド体(24)
の構造式及び特性値を示す。
【0074】
【化17】
【0075】Colorless Prisms;mp
136−139℃(lit.127−128℃) IR(KBr)cm-1 1685,1654,161
9,1582,1470,1323 EI−MS(M+) 450,452,454 1H−NMR(CDCl3,ppm) σ=7.69−
7.74(m、6H)、8.10(d、2H) オキサジアゾール体の合成:400mlのCH3CN
に溶解させたN−オキシド体(20g、0.05mo
l)に酢酸(7.0ml)、無水酢酸(20.0ml)
を加え、10分間攪拌後、12.0gのZnを温度が4
0℃以上にならないように7回に分けて加えた。3時間
後TLCで原料の消失を確認し、Zn(OAc)2を濾
別した。濾液を留去し、残渣をCHCl3に溶解させ1
0%HCl水溶液、飽和NaHCO3、飽和NaCl水
溶液で洗い、MgSO4で乾燥後、溶媒を留去した。C
HCl3で再結晶化後、目的とするオキサジアゾール体
(12.5g、65%)を得た。
【0076】ここで、得られたオキサジアゾール体(2
5)の構造式及び特性値を示す。
【0077】
【化18】
【0078】Colorless Prisms;mp
111−114℃(lit.108−109℃) IR(KBr)cm−1 1687,1656,158
2,1582,1297,1067 EI−MS(M+) 434,436,438 1H−NMR(CDCl3,ppm) σ=7.71
(d、4H、J=8.6Hz)、7.99(d、4H、
J=8.6Hz) 閉環反応(反応後の構造):200mlのn−BuO
Hに溶解させたオキサジアゾール体(10.0g、0.
02mol)にベンジルアミン(4.28ml、0.0
4mol)を加えた。130℃で48時間加熱還流し
た。反応終了後、一旦n−BuOHを減圧下で留去し、
残渣をCHCl3に溶解させ10%HCl水溶液、飽和
NaHCO3、飽和NaCl水溶液で洗い、MgSO4
乾燥後、溶媒を留去した。CHCl3で再結晶化後、蛍
光を有する閉環体(6.3g、62%)を得た。
【0079】ここで、得られた閉環体(26)の構造式
及び特性値を示す。
【0080】
【化19】
【0081】Orange needles;mp16
0−163℃ IR(KBr)cm−1 1562,1537,151
0,1480,1440,1417,1397,136
9 EI−MS(M+) 505,507,509 1H−NMR(CDCl3,ppm) σ=7.32−
7.42(m、5H)、7.49−7.56(m、4
H)、7.73(d、2H)、8.64(d、2H) ジアミン体(化32)の合成:30mlのEtOHに
懸濁させた閉環体(1.0g、0.002mol)に還
流下でNaBH4(373ml、0.01mol)を加
えた。30分後、TLCより原料の消失を確認し、反応
液を水にあけた。30分間攪拌後、析出してきた結晶を
濾別し、水で3回洗った。減圧下で乾燥後、EtOHで
再結晶し、ほぼ定量的に目的とするジアミン体(840
mg、86%)を得た。
【0082】ここで、得られたジアミン体(27)の構
造式及び特性値を示す。
【0083】
【化20】
【0084】Colorless Prisms;mp
220−224℃ IR(KBr)cm−1 3438,3364,305
2,1426,1157 EI−MS(M+) 493,495,497 1H−NMR(DMSO−dβ,ppm) σ=4.0
1(br、2H)、5.06(br、2H)、7.06
−7.14(m、7H)、7.52(d、2H)、7.
63−7.71(m、4H) イミダゾール体の合成:10mlのギ酸に溶解させた
ジアミン体(200mg、0.40mol)に触媒量の
濃塩酸(0.1ml)を加え、24時間加熱還流した。
反応終了後、反応液を100mlの水にあけアンモニア
水で塩基性にし、析出してきた結晶を濾別した。減圧下
で乾燥後、THFで再結晶して、イミダゾール体(14
2mg、70%)を得た。
【0085】ここで、得られたイミダゾール体(28)
の構造式及び特性値を示す。
【0086】
【化21】
【0087】Colorless Prisms;mp
242−245℃ IR(KBr)cm−1 3084,1589,149
5,1453,1401,1010 EI−MS(M+) 503,505,507 1H−NMR(DMSO−dβ,ppm) σ=7.2
7−7.38(m、7H)、7.60(d、2H)、
7.76(d、2H)、8.46(s、1H) カップリング反応:Ar気流下、15mlのベンゼン
に溶解させたイミダゾール体(300mg,0.594
mmol)に2M7mlのNa2Co3水溶液、Pd(p
ph34(77mg)を加え、続いて7mlのEtOH
に溶解させた2−ベンゾ「b」チエニルボロン酸(22
0mg、1.48mmol)を加えた。加熱還流下で2
4時間反応後TLCにて原料の消失を確認し、反応液を
水にあけた。析出した結晶を識別して、減圧下で乾燥
後、THFにて再結晶して目的とするカップリング体
(250mg、69%)である化合物(23)を得た。
【0088】ここで、化合物(23)の構造式を今一度
示すと共に特性値を示す。
【0089】
【化22】
【0090】Colorless Prisms;mp
>400℃:FAB−MS(MH+)612 IR(KBr)cm−1 3398,3090,148
1,1435,1187,1098 なお、化合物(1)〜(11)、化合物(12)〜(2
2)についても同様な方法を用いることで合成は可能で
あり、ここでは特に記さない。
【0091】次に、本発明の実施例を説明する。
【0092】
【実施例】(実施例1)本発明の実施例1として、ガラ
ス基板上にITOを150nmスパッタ法で成膜した基
板を、中性洗剤、流水、アセトン、イソプロピルアルコ
ールで超音波洗浄した後、正孔注入層として以下に構造
式を示すTPD(29)を真空蒸着法により50nmの
膜厚で成膜した。蒸着時の真空度は3×10-6Torr
であった。
【0093】
【化23】
【0094】次に有機発光層として、例示化合物(1)
を0.1〜0.2nm/secの蒸着速度で50nm蒸
着し、以後Al−Liを真空中で連続して蒸着し素子を
作製した。
【0095】Al−LiはLiの濃度15at%のAl
−Li合金をタングステン製のボードより0.5nm/
secの蒸着速度により200nmの膜厚で形成し有機
エクトロルミネッセンス素子を完成した。このとき初期
輝度100cd/m2に対する変換効率は1.5lm/
Wであった。次に完成した有機エクトロルミネッセンス
素子は乾燥窒素中定電流駆動を行い、素子の連続駆動試
験を行った。駆動条件は11.5mA/cm2の定電流
駆動で初期輝度500cd/m2、駆動電圧9.8Vで
あった。輝度の測定はトプコン社製のBM−8ルミネセ
ントメーターにより測定した。また浜松フォトニクス社
製のマルチチャンネルアナライザで発光スペクトルを測
定し、メインの発光ピークが470nm付近にあること
を確認した。発光色は青色であった。素子の輝度は78
0時間連続駆動後に半減した。
【0096】(実施例2)本発明の実施例2として、ガ
ラス基板上にITOが成膜された基板を、中性洗剤、流
水、アセトン、イソプロピルアルコールで超音波洗浄し
た。ITO付の基板は旭硝子(株)社製のITOガラス
(抵抗値=10Ω/sq,膜厚220nm)を使用し
た。正孔注入層としてTPD(29)を真空蒸着法によ
り50nmの膜厚で成膜した。蒸着時の真空度は3×1
-6Torrであった。
【0097】次に有機発光層として、例示化合物(1
1)を0.1〜0.2nm/secの蒸着速度で50n
m蒸着し、以後Al−Liを真空中で連続して蒸着し素
子を作製した。Al−LiはLiの濃度15at%のA
l−Li合金をタングステン製のボードより0.5nm
/secの蒸着速度により200nmの膜厚で形成し有
機エクトロルミネッセンス素子を完成した。このとき初
期輝度100cd/m2に対する変換効率は1.7lm
/Wであった。次に完成した有機エクトロルミネッセン
ス素子は乾燥窒素中定電流駆動を行い、素子の連続駆動
試験を行った。駆動条件は10.2mA/cm2の定電
流駆動で初期輝度500cd/m2、初期駆動電圧は
8.2Vであった。輝度の測定はトプコン社製のBM−
8ルミネセントメーターにより測定した。また浜松フォ
トニクス社製のマルチチャンネルアナライザで発光スペ
クトルを測定し、メインの発光ピークが460nmと6
00nm付近にあることを確認した。発光色は白色であ
った。素子の輝度は830時間連続駆動後に半減した。
このときメインの発光ピークのピーク位置、相対強度共
に変化がなかった。
【0098】(実施例3)本発明の実施例3として、ガ
ラス基板上にITOが成膜された基板を、中性洗剤、流
水、アセトン、イソプロピルアルコールで超音波洗浄し
た。ITO付の基板は旭硝子(株)社製のITOガラス
(抵抗値=10Ω/sq,膜厚220nm)を使用し
た。正孔注入層としてTPD(29)を真空蒸着法によ
り50nmの膜厚で成膜した。蒸着時の真空度は3×1
-6Torrであった。
【0099】次に有機発光層として、例示化合物(1
5)を0.1〜0.2nm/secの蒸着速度で50n
m蒸着し、以後Al−Liを真空中で連続して蒸着し素
子を作製した。Al−LiはLiの濃度15at%のA
l−Li合金をタングステン製のボードより0.5nm
/secの蒸着速度により200nmの膜厚で形成し有
機エクトロルミネッセンス素子を完成した。このとき初
期輝度100cd/m2に対する変換効率は1.8lm
/Wであった。次に完成した有機エクトロルミネッセン
ス素子は定電流駆動を行い、素子の連続駆動試験を行っ
た。駆動条件は9.5mA/cm2の定電流駆動で初期
輝度500cd/m2、初期駆動電圧は8.6Vであっ
た。輝度の測定はトプコン社製のBM−8ルミネセント
メーターにより測定した。また浜松フォトニクス社製の
マルチチャンネルアナライザで発光スペクトルを測定
し、メインの発光ピークが430nmと560nm付近
にあることを確認した。発光色は白色であった。素子の
輝度は880時間連続駆動後に半減した。このときメイ
ンの発光ピークのピーク位置、相対強度共に変化がなか
った。
【0100】(比較例1)ガラス基板上にITOが成膜
された基板を、中性洗剤、流水、アセトン、イソプロピ
ルアルコールで超音波洗浄した後、正孔注入層としてT
PD(29)を真空蒸着法により50nmの膜厚で成膜
した。蒸着時の真空度は3×10-6Torrであった。
発光層として以下に構造式を示しているBPVBi(3
0)、カソードはAl−Liの順に真空中で連続して素
子を作製した。
【0101】
【化24】
【0102】ITO付の基板は旭硝子(株)社製のIT
Oガラス(抵抗値=10Ω/sq,膜厚220nm)を
使用した。TPDはトリケミカル研究所より、BPVB
iは出光興産より購入したものを使用した。TPD、B
PVBiは0.1〜0.2nm/secの蒸着速度によ
りタンタル製の蒸着ボードより蒸着し、それぞれ50n
m,40nmの膜厚を順に積層した。Al−LiはLi
の濃度15at%のAl−Li合金をタングステン製の
ボードより0.5nm/secの蒸着速度により200
nmの膜厚で形成し有機エクトロルミネッセンス素子を
完成した。このとき初期輝度100cd/m2に対する
変換効率は1.1lm/Wであった。発光色は青色であ
った。次に完成した有機エクトロルミネッセンス素子は
定電流駆動を行い、素子の連続駆動試験を行った。駆動
条件は10.5mA/cm2の定電流駆動で初期輝度5
00cd/m2、初期駆動電圧は9.1Vであった。輝
度の測定はトプコン社製のBM−8ルミネセントメータ
ーにより測定した。連続駆動試験を行うと、素子の輝度
は539時間連続駆動後に半減した。
【0103】(比較例2)ガラス基板上にITOが成膜
された基板を、中性洗剤、流水、アセトン、イソプロピ
ルアルコールで超音波洗浄した後、正孔注入層としてT
PD(29)を真空蒸着法により50nmの膜厚で成膜
した。蒸着時の真空度は3×10-6Torrであった。
発光層として以下に構造式を示しているDPVBi(3
1),カソードはAl−Liの順に真空中で連続して素
子を作製した。
【0104】
【化25】
【0105】ITO付の基板は旭硝子(株)社製のIT
Oガラス(抵抗値=10Ω/sq,膜厚220nm)を
使用した。TPDはトリケミカル研究所より、DPVB
iは出光興産より購入したものを使用した。TPD、D
PVBiは0.1〜0.2nm/secの蒸着速度によ
りタンタル製の蒸着ボードより蒸着し、それぞれ40n
m,75nmの膜厚を順に積層した。Al−LiはLi
の濃度15at%のAl−Li合金をタングステン製の
ボードより0.5nm/secの蒸着速度により200
nmの膜厚で形成し有機エクトロルミネッセンス発光素
子を完成した。このとき初期輝度100cd/m2に対
する変換効率は0.8lm/Wであった。発光色は青色
であった。次に完成した有機エクトロルミネッセンス素
子は定電流駆動を行い、素子の連続駆動試験を行った。
駆動条件は10.8mA/cm2の定電流駆動で初期輝
度500cd/m2、初期駆動電圧は10.1Vであっ
た。輝度の測定はトプコン社製のBM−8ルミネセント
メーターにより測定した。連続駆動試験を行うと、素子
の輝度は625時間連続駆動後に半減した。また発光の
色味が緑味に変化していた。
【0106】
【発明の効果】以上のように本発明によれば青色及び白
色発光の高効率な有機エクトロルミネッセンス発光素子
が得られ、かつその連続駆動安定性が大幅に向上し、初
期輝度の減衰が長時間にわたって緩和されるという有利
な効果が得られる。
【0107】また、単一材料で青色発光及び白色発光が
得られ、その色味の経時変化がないという効果を有す
る。
【0108】そして、青色発光や単一発光材料での白色
発光が可能な高効率な有機エレクトロルミネッセンス発
光素子であり、単一の材料のため低コストで作製でき
て、高い発光輝度で長時間安定して連続発光が可能な有
機エレクトロルミネッセンス発光素子を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における有機エレクトロ
ルミネッセンス発光素子の要部断面図
【符号の説明】
1 基板 2 陽極 3 正孔輸送層 4 発光層 5 陰極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 501415590 添田 康彦 福岡県筑紫郡那珂川町片縄605−34 (72)発明者 又賀 駿太郎 福岡県大野城市大池2丁目17番5号 (72)発明者 ティーマン ティース 福岡県春日市春日公園2の10春日公園住宅 26の103 (72)発明者 添田 康彦 福岡県筑紫郡那珂川町片縄605−34 (72)発明者 金子 信一郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 八浪 竜一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小松 隆宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 坂上 恵 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB02 AB03 AB04 AB11 DB03 4C065 AA05 BB06 CC01 DD03 EE02 HH04 HH08 KK01 LL01 PP03 PP06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つの電極間に、発光領域を有する有機発
    光層が設けられた有機エレクトロルミネッセンス発光素
    子であって、 前記有機発光層が下記一般式(I)で表される化合物を
    含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセン
    ス発光素子。 【化1】 (式中、A、Bは、置換基を有していてもよい芳香族炭
    化水素基を示し、AとBは同じでも異なっていてもよ
    い。Yは、置換基を有していてもよい炭素原子を示
    す。)
  2. 【請求項2】2つの電極間に、発光領域を有する有機発
    光層が設けられた有機エレクトロルミネッセンス発光素
    子であって、 前記有機発光層が下記一般式(II)で表される化合物
    を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセ
    ンス発光素子。 【化2】 (式中、C、Dは、置換基を有していてもよい芳香族炭
    化水素基または置換基を有していてもよい複素環基また
    は置換基を有していてもよいヘテロ原子を環内に含む芳
    香族基を示し、CとDは同じでも異なっていてもよい。
    Yは、置換基を有していてもよい炭素原子を示す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8048536B2 (en) 2003-12-24 2011-11-01 Mitsubishi Heavy Industries Ltd. Single-layer organic EL device

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