JP2003132761A - 車両用ドアスイッチ - Google Patents

車両用ドアスイッチ

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政史 西本
Shigeo Shigeyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車のドアの開閉を検出する車両用ドアス
イッチに関し、外力が加わった場合でも構成部品に破損
がなく、動作の安定したものを提供することを目的とす
る。 【解決手段】 ケース1内に上下動可能に収納された摺
動体13の上端に、ケース1の開口部から突出した操作
体14の下端を、前後左右に揺動可能に連結して車両用
ドアスイッチを構成することによって、外力が加わった
場合でも構成部品に破損がなく、動作の安定した車両用
ドアスイッチを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として自動車な
どにおけるドアの開閉を検出する車両用ドアスイッチに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車のドア部の本体側に車両用
ドアスイッチを装着して、これによってドアの開閉を検
出し、車室内の照明の点灯や消灯、ドアロック等をコン
トロールすることが一般に行われている。
【0003】図10は従来の車両用ドアスイッチを示
す。この車両用ドアスイッチは、取付板6と固定電極2
との間の電気的導通を接触片4を介してオン/オフする
ように構成されており、この図10に示した状態は接触
片4がコイルばね5によって押し上げられたオン状態で
ある。
【0004】詳しくは、取付板6は鋼板製で、取付孔6
Aと摺動体3の操作軸3Aが挿通する貫通孔6Eが形成
されている。取付板6にケース1が係止されている。ケ
ース1は、上面が開口した箱型の絶縁樹脂製で、内側壁
には前記固定電極2が取り付けられ、固定電極2の端部
が外方に引き出されている。このケース1の内側には上
下動可能に摺動体3が収納されており、摺動体3の上端
の操作部3Aがケース1の開口部から突出している。前
記接触片4は摺動体3の下面に装着されている。ケース
1の底部と摺動体3の下面との間には、コイルばね5が
やや撓んだ状態で装着され、摺動体3を上方へ付勢して
いる。
【0005】さらに、取付板6の上面とケース1の前記
開口を覆うように、ゴムや熱可塑性エラストマ等で成形
された防水カバー7が取り付けられている。このように
構成された車両用ドアスイッチは、ネジ(図示せず)に
よって取付板6の取付孔6Aが、ドア端部と対向する車
両本体側のシャーシに装着される。取付板6やケース1
から外方に突出した固定電極2の端部が、自動車の電子
回路(図示せず)を介して室内灯等に接続されている。
【0006】ドアが閉じられると、防水カバー7に覆わ
れた操作部3Aが押圧され、摺動体3と接触片4は、コ
イルばね5の付勢に抗してケース1の奥へ押し込まれ、
接触片4が取付板6のアース接点6Bから離れるため、
室内灯は消灯となる。
【0007】また、ドアを開いた場合には、操作部3A
の前記押圧が解除され、コイルばね5に付勢された摺動
体3と接触片4が上方に移動して、接触片4がアース接
点6Bに弾接するため、室内灯が点灯する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の車両用ドアスイッチにおいては、ドアが開いた状態
では、操作部3Aが車両本体から15〜25mm程度突
出した状態となっているため、乗降時に乗員の身体の一
部や荷物が当たったり、特にステップ位置に取付けられ
て足で踏みつけられたりした場合、PBT(ポリブチレ
ンテレフタレート)などで成形されている操作部3Aの
折れや破損、防水カバー7の破れ等が生じ、スイッチの
動作不良が発生し易いという課題がある。
【0009】本発明は、このような従来の課題を解決す
るものであり、外力が加わった場合でも構成部品の破損
が少なく、動作の安定した車両用ドアスイッチを提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の車両用ドアスイッチは、上面が開口したケースと、こ
のケース内に上下動可能に収納され上下動によって電気
的接離を行なう摺動体と、上端が上記ケースの開口部か
ら突出し下端が上記摺動体の上端に前後左右に揺動可能
に連結された操作体とからなり、車両本体側のシャーシ
装着時に突出する前記操作体が、前後左右に揺動可能に
接合され自在継手となっているため、外力が加わった場
合でも構成部品の破損がなく、動作の安定した車両用ド
アスイッチを得ることができる。
【0011】本発明の請求項2に記載の車両用ドアスイ
ッチは、請求項1において、操作体の下端と摺動体の上
端を、上下端を密着巻きしたコイルばねを介して連結し
たため、操作体と摺動体を接合するためのピン等が不要
になると共に、密着巻きしたコイルばねによって操作体
の復帰動作を確実に行なうことができる。
【0012】本発明の請求項3に記載の車両用ドアスイ
ッチは、請求項2において、操作体に代えて、前記コイ
ルばねの上端を渦巻き状に密着巻きして構成したため、
構成部品数を減らし、車両用ドアスイッチを安価にでき
る。
【0013】本発明の請求項4に記載の車両用ドアスイ
ッチは、請求項1において、前記操作体と前記摺動体と
を連結して感知レバーを構成するのに代わって、操作体
と摺動体を弾性樹脂で一体に成形して感知レバーを構成
したため、構成部品数が少なく製作も容易で、安価な車
両用ドアスイッチが得られる。
【0014】本発明の請求項5に記載の車両用ドアスイ
ッチは、請求項4において、前記感知レバーの中間部に
スリットまたは貫通孔を設けたため、弾性を高め、確実
な復帰動作を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の車両用ドアスイッ
チを図1〜図9に示す各実施の形態に基づいて説明す
る。
【0016】なお、従来の技術の項で説明した構成と同
一構成の部分には同一符号を付けて説明する。 (実施の形態1)図1〜図5は本発明の(実施の形態
1)を示す。
【0017】図1は本発明の(実施の形態1)による車
両用ドアスイッチの断面図、図2は同分解斜視図を示
す。外力が作用して接触片4をケース1の奥側へ押し込
む感知レバーは、従来では操作軸3Aを摺動体3の上端
に一体に成形して構成していたが、この(実施の形態
1)の感知レバー27Aは、摺動体13と操作体14と
ピン15,16およびコイルばね17とによって組み立
てられている。その他は従来と同様である。
【0018】摺動体13はケース1の内側に上下動可能
に収納されており、この下面に接触片4が装着されてい
る。摺動体13の上部には、二つの係止孔13Aが設け
られている。操作体14の下端には二つの係止孔14A
が設けられている。
【0019】摺動体13と操作体14とを連結する自在
継手は、図3に示すように構成されている。摺動体13
の前記係止孔13Aに挿入されるピン15の中間部の側
面は、操作体14の下端の幅W1よりも広い幅W2で切
り欠いて平面15Bに加工されており、その中央にピン
16が差し込まれる貫通孔15Aが穿設されている。組
み立て工程は、摺動体13の係止孔13Aにピン15を
挿入し、ピン15の前記平面15Bを二つの係止孔14
Aで挟むようにして係止孔14Aからピン15の貫通孔
15Aにピン16を挿入して、操作体14をピン15の
軸心回りとピン16の軸心回りとに回動可能に枢支し、
操作体14を摺動体13の前後左右に揺動可能に連結し
ている。なお、ピン16の挿入に際しては、操作体14
と摺動体13の間にコイルばね17がやや撓んだ状態で
介装し、連結完了後の操作体14を上方へ付勢してい
る。
【0020】このように組み立てられた感知レバー27
Aは、上面開口の箱型の絶縁樹脂製のケース1の内側に
上下動可能に収納される。ここで、ケース1に固定電極
2が取り付けられている点、ケース1が鋼鉄製の取付板
6に取り付けられている点、取付板6の上面とケース1
の前記開口を覆うように防水カバー7が取り付けられて
いる点などは従来と同様である。
【0021】ケース1の内側に上下動可能に収納された
摺動体13とケース1の底部との間には、コイルばね5
がやや撓んだ状態で装着され、摺動体13を上方へ付勢
している。摺動体13の下面には接触片4が装着されて
いる。
【0022】このように構成された車両用ドアスイッチ
は、ネジ(図示せず)によって取付板6の取付孔6A
が、図4に示すようにドア端部と対向する車両本体側の
シャーシ20に装着される。また、取付板6や外方に突
出した固定接点2の端部が、自動車の電子回路(図示せ
ず)を介して室内灯等に接続される。
【0023】そして、ドアが閉じられると、図4に示す
ように、ドア端部21によって防水カバー7に覆われた
操作体14が押圧され、この操作体14に接合した摺動
体13がコイルバネ5を撓めながら下方に移動して、摺
動体13に装着された接触片4がアース接点6Bから離
れるため、室内灯が消灯となることは従来の技術の場合
と同様である。
【0024】また、ドアを開いた場合には、ドア端部2
1が操作体14から離れ、コイルばね5に付勢された摺
動体13が上方に移動して、接触片4がアース接点6B
に弾接するため、室内灯が点灯することも従来の技術の
場合と同様である。
【0025】しかし、乗員の身体や荷物等が当たって突
出した操作体14に側方から外力が加わった場合には、
図5に示すように、摺動体13の上端に前後左右に揺動
可能に連結された操作体14が倒れて外力を逃がし、外
力が取り除かれると、コイルばね17の付勢力によって
元の状態に復帰するので、従来のような操作部の折れや
破損、防水カバー7の破れ等が発生しにくく、長期間に
わたって安定したスイッチの動作を期待できる。
【0026】(実施の形態2)図6(a)(b)は本発
明の(実施の形態2)による車両用ドアスイッチの要部
側面図を示す。この感知レバー27Bは、(実施の形態
1)の感知レバー27Aに代わって車両用ドアスイッチ
に使用される。
【0027】外力が作用して接触片4をケース1の奥側
へ押し込む感知レバー27Bは、摺動体13に相当する
摺動体23と、操作体14に相当する操作体24と、上
下端を密着巻きしたコイルばね25とで構成されてい
る。その他は(実施の形態1)と同様である。摺動体2
3と操作体24はコイルばね25の両端に圧入嵌合して
接合されて一体に組み立てられている。
【0028】このように構成したため、突出した操作体
24に側方から乗員の身体や荷物等が当たって外力が加
わった場合には、図6(b)に示すように、コイルばね
25が前後左右に曲がって外力を逃がし、外力が取り除
かれると、コイルばね25の弾性力によって操作体24
が元の状態に確実に復帰するので、従来のような操作部
の折れや破損、防水カバー7の破れ等が発生しにくく、
長期間にわたって安定したスイッチの動作を期待でき
る。
【0029】また、(実施の形態1)において必要であ
ったピン15,16等が不要になるため、部品点数の削
減ならびに価格の低廉化に寄与できる。 (実施の形態3)図7(a)(b)は本発明の(実施の
形態3)による車両用ドアスイッチの要部側面図を示
す。この感知レバー27Cは、(実施の形態1)の感知
レバー27Aに代わって車両用ドアスイッチに使用され
る。
【0030】外力が作用して接触片4をケース1の奥側
へ押し込む感知レバー27Cは、摺動体13に相当する
摺動体23と、上端の座巻部26Aを渦巻き状に密着巻
きしたコイルばね26とで構成されている。その他は
(実施の形態1)と同様である。摺動体23はコイルば
ね26に圧入嵌合して接合されて一体に組み立てられて
いる。
【0031】このように構成したため、コイルばね26
の上端に側方から乗員の身体や荷物等が当たって外力が
加わった場合には、図7(b)に示すように、コイルば
ね26が前後左右に曲がって外力を逃がし、外力が取り
除かれると、コイルばね26の弾性力によって元の状態
に確実に復帰するので、従来のような操作部の折れや破
損、防水カバー7の破れ等が発生しにくく、長期間にわ
たって安定したスイッチの動作を期待できる。
【0032】また、(実施の形態1)において必要であ
ったピン15,16等が不要になるため、部品点数の削
減ならびに価格の低廉化に寄与できる。 (実施の形態4)図8(a)(b)は本発明の(実施の
形態4)による車両用ドアスイッチの要部側面図を示
す。この感知レバー27Dは、(実施の形態1)の感知
レバー27Aに代わって車両用ドアスイッチに使用され
る。
【0033】外力が作用して接触片4をケース1の奥側
へ押し込む感知レバー27Dは、操作体と摺動体を、シ
リコンゴムやポリエステル系の熱可塑性エラストマ等の
弾性樹脂で一体に成形して構成されている。その他は
(実施の形態1)と同様である。
【0034】このように構成したため、感知レバー27
Dの上端に側方から乗員の身体や荷物等が当たって外力
が加わった場合には、図8(b)に示すように、弾性樹
脂の感知レバー27Dが前後左右に曲がって外力を逃が
し、外力が取り除かれると、弾性力によって元の状態に
確実に復帰するので、従来のような操作部の折れや破
損、防水カバー7の破れ等が発生しにくく、長期間にわ
たって安定したスイッチの動作を期待できる。
【0035】また、(実施の形態2)(実施の形態3)
よりも部品点数の削減ならびに価格の低廉化に寄与でき
る。さらに、材料の種類や硬度等を選択することによ
り、外力に対する曲がり量を容易に調整できる。
【0036】(実施の形態5)図9は本発明の(実施の
形態5)による車両用ドアスイッチの要部側面図を示
し、(実施の形態4)とは感知レバー27Dの構成が異
なっている。この(実施の形態5)の感知レバー27E
は、シリコンゴムやポリエステル系の熱可塑性エラスト
マ等の弾性樹脂で一体に成形する際に、中間部にスリッ
ト28Aや貫通孔29Aを設けることによって、弾性を
高め、確実な復帰動作を得ることができる。その他は
(実施の形態4)と同様である。
【0037】このように構成したため、材質が同じであ
っても、スリット28Aや貫通孔29Aの形状を選択す
ることによって外力に対する曲がり量を容易に調整でき
る。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、外力が加
わった場合でも構成部品に破損がなく、動作の安定した
車両用ドアスイッチを得ることができるという有利な効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の(実施の形態1)による車両用ドアス
イッチの断面図
【図2】同実施の形態の分解斜視図
【図3】図2の要部の拡大図
【図4】同実施の形態の押圧操作時の断面図
【図5】同実施の形態の外力印加時の断面図
【図6】本発明の(実施の形態2)による車両用ドアス
イッチの要部側面図
【図7】本発明の(実施の形態3)による車両用ドアス
イッチの要部側面図
【図8】本発明の(実施の形態4)による車両用ドアス
イッチの要部側面図
【図9】本発明の(実施の形態5)による車両用ドアス
イッチの要部側面図
【図10】従来の車両用ドアスイッチの断面図
【符号の説明】
1 ケース 2 固定電極 4 接触片 5 コイルばね 6 取付板 6A 取付孔 6B アース接点 6E 貫通孔 7 防水カバー 13,23 摺動体 14,24 操作体 15,16 ピン 25,26 コイルばね 27A,27B,27C,27D 感知レバー 28A スリット 29A 貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西本 政史 神奈川県横須賀市田浦港町無番地 関東自 動車工業株式会社内 (72)発明者 重山 成生 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 5G006 AA03 AB03 AC08 BA01 BB01 BC07 CD01 DB04 LG02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上面が開口したケースと、 このケース内に上下動可能に収納され上下動によって電
    気的接離を行なう摺動体と、 上端が上記ケースの開口部から突出し下端が上記摺動体
    の上端に前後左右に揺動可能に連結された操作体とから
    なる車両用ドアスイッチ。
  2. 【請求項2】操作体の下端と摺動体の上端を、上下端を
    密着巻きしたコイルばねを介して連結した請求項1記載
    の車両用ドアスイッチ。
  3. 【請求項3】操作体に代えて、前記コイルばねの上端を
    渦巻き状に密着巻きした請求項2記載の車両用ドアスイ
    ッチ。
  4. 【請求項4】前記操作体と前記摺動体とを連結して感知
    レバーを構成するのに代わって、操作体と摺動体を弾性
    樹脂で一体に成形して感知レバーを構成した請求項1記
    載の車両用ドアスイッチ。
  5. 【請求項5】前記感知レバーの中間部にスリットまたは
    貫通孔を設けた請求項4記載の車両用ドアスイッチ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6930261B2 (en) 2003-08-05 2005-08-16 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Switch for vehicle
US7279649B2 (en) 2005-08-25 2007-10-09 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Switch for vehicles
KR101098330B1 (ko) 2010-07-05 2011-12-26 유철상 자동차 도어 스위치 하우징 제조방법 및 스위치 하우징

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