JP2003131201A - サーモトロピック液晶高分子マイクロカプセル及びこの製造方法、並びにこのマイクロカプセルを含有する化粧料組成物 - Google Patents

サーモトロピック液晶高分子マイクロカプセル及びこの製造方法、並びにこのマイクロカプセルを含有する化粧料組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サーモトロヒ゜ック液晶高分子マイクロカフ゜セル及びこの製造
方法、並びに液晶高分子マイクロカフ゜セルを含有する化粧料組
成物に関し、より詳しくは、高分子と液晶の相分離によ
って高分子相内でサーモトロヒ゜ック液晶の相挙動を示すことが
でき、ひいては、液晶の視覚的効果を直接目視で確認す
ることができるので、化粧品組成において可視的な効果
を示す添加剤として使用できると共に、液晶内に他の機
能性活性成分を含有させて活性成分の安定化を図ること
ができる液晶高分子マイクロカフ゜セル及びこの製造方法に関す
る。 【解決手段】 (1)サーモトロヒ゜ック液晶と単量体を溶媒に溶解
させた後、開始剤を添加する段階と、(2)(1)段階の溶液
を分散安定化剤の存在下に水相で乳化させる段階と、
(3)(2)段階のエマルシ゛ョンを重合抑制剤の存在下に懸濁重合
させて、サーモトロヒ゜ック液晶高分子カフ゜セルを得る段階とを含む
サーモトロヒ゜ック液晶高分子カフ゜セルの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーモトロピック
液晶高分子マイクロカプセル及びこの製造方法、並びに
この液晶高分子マイクロカプセルを含有する化粧料組成
物に関する。より詳細には、高分子と液晶の相分離によ
って高分子相内でサーモトロピック液晶の相挙動を示す
ことができ、化粧品組成において可視的な効果を示す添
加剤として使われることができると共に、液晶内に他の
機能性活性成分を含有して活性性分の安定化を図ること
ができる液晶高分子マイクロカプセル及びこの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶は、電場による配列の変化を用い
て、プロジェクタやコンピュータ、テレビのような電子
材料のディスプレイ等に多く用いられている。また、液
晶を化粧料に含有させれば、皮膚角質層の防御機能が増
加し、皮膚保湿及び柔軟効果が増加する。一部液晶の場
合には、構造的に一定の規則性を示すため、光を散乱さ
せて色相を表すので、外観が特異な製品を提供できる。
このため、化粧品分野において幅広く使われている。
【0003】従来、このような液晶は、汚染、酸化及び
放射線などから保護するために、かつ、新しい機能を持
つ液晶材料を提供するために、液晶を高分子でカプセル
化して使用しており、さらにカプセル化と関連して多く
の研究がなされている。
【0004】例えば、日本国特開昭61−502128
号には、液晶と熱硬化性樹脂とを混合し、混合物の樹脂
を液晶から分離するために硬化させて、液晶粒子を形成
させる方法が開示されている。また、米国特許第428
5720号、第4155741号及び第4046741
号には、中間体としてのポリイソシアネートの界面重合
によりポリユリアカプセルを製造する方法が開示されて
いる。
【0005】しかしながら、これらの従来の方法は、液
晶が高分子相と分離せずに、高分子に分散されている形
態であるため、液晶が持つ固有の挙動、すなわち液晶の
配向性を観察出来ないという問題点がある。
【0006】しかも、液晶のうち、温度のような環境の
変化により液晶の挙動が変化するから、外部環境に反応
するスマートなシステムに応用できるサーモトロピック
液晶の場合には、液晶の挙動が溶媒の添加や疎水性相へ
の移動による希釈により消えるため、カプセル化が困難
であるという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これより、本発明者ら
は、サーモトロピック液晶高分子内において液晶の挙動
を示すことができる液晶のカプセル化方法を研究し、そ
の結果、コレステロール系サーモトロピック液晶を単量
体と一緒に懸濁重合させる方法を用いてカプセルを製造
する場合、重合が進行しながら液晶物質と高分子相間の
相溶性の低下に起因して高分子相内において液晶物質の
相分離現象を生じ、高分子がサーモトロピック液晶を囲
んでいるカプセル形態の粒子を得ることができ、液晶の
挙動が高分子相内においてそのまま現れることができる
ことを知見し、本発明を完成するに至った。
【0008】ひいては、本発明のサーモトロピック液晶
高分子カプセルは、液晶相内に他の機能性活性成分を含
有させることができるため、有用性活性成分の安定化製
剤として使われることができる。この場合、上記の懸濁
重合時に、架橋可能な官能基を有する共重合体をさらに
添加する場合、液晶を囲んでいる高分子を架橋させるこ
とができ、液晶内の活性成分を外部刺激から完全に遮断
できることを知見した。
【0009】したがって、本発明の目的は、液晶の挙動
を示すことができるサーモトロピック液晶高分子カプセ
ルを提供することである。
【0010】本発明の他の目的は、有用性活性成分を完
璧に安定化させることができるサーモトロピック液晶架
橋高分子カプセルを提供することである。
【0011】本発明のさらに他の目的は、前記カプセル
を製造する方法を提供することである。
【0012】本発明のさらに他の目的は、前記カプセル
を用いた活性成分の安定化方法を提供することである。
【0013】本発明のさらに他の目的は、前記カプセル
を含有する化粧料組成物を提供することである。ひいて
は、本発明の他の目的は、前記液晶架橋高分子カプセル
を含有することによって、活性成分の効能を長期間保有
できる化粧料組成物を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明に係るサーモトロピック液晶高分子カプセル
は、サーモトロピック液晶を単量体と一緒に懸濁重合し
て製造したものであることを特徴とする。具体的に、本
発明に係るサーモトロピック液晶高分子カプセルの製造
方法は、(1)サーモトロピック液晶と単量体を溶媒に
溶解させた後、開始剤を添加する段階と、(2)(1)
段階の溶液を分散安定化剤の存在下に水相で乳化させる
段階と、(3)(2)段階のエマルジョンを重合抑制剤
の存在下に懸濁重合させて、サーモトロピック液晶高分
子カプセルを得る段階とを含むことを特徴とする。
【0015】本発明の製造方法によれば、重合が進行し
ながら液晶物質と高分子相間の相溶性の低下に起因して
相分離を生じ、高分子が液晶を囲んでいるカプセル形態
の粒子が得られる。このような相分離により、高分子相
内において液晶の挙動、すなわち液晶の配向性を示すこ
とができ、可視的な効果を得ることができる。 したが
って、本発明のサーモトロピック液晶高分子カプセル
は、化粧品組成において可視的な効果を示す添加剤とし
て使われることができる。
【0016】また、本発明のサーモトロピック液晶高分
子カプセルは、温度によって液晶の挙動が発揮するた
め、温度依存性を持つスマート薬物システムに適用する
ことができる。すなわち、高温では液晶の挙動が発揮せ
ず、流動性が強化されるので、薬物が速く放出されるこ
とができるのに対して、低温では液晶により薬物の放出
が遅延されることができるので、薬物システムに適用が
可能である。
【0017】また、本発明の液晶高分子カプセルは、液
晶内に不安定な活性成分を捕集させる場合、液晶及び高
分子により活性成分が二重に安定化するため、安定化製
剤としても使用されることができる。すなわち、液晶の
分子配列時に活性成分を固定化して液晶内で一次的に安
定化させ、この液晶を高分子で囲むことによって二重的
に安定化させる効果を得ることができる。この際、活性
成分の安定性を一層向上させるために、前記製造方法の
(1)段階において、架橋可能な官能基を有する共重合
体(以下、「架橋能を持つ共重合体」という)をさらに
添加することができる。本発明の架橋能を持つ共重合体
は、液晶を囲んでいる高分子を架橋させることによっ
て、液晶内の活性成分を外部刺激から完全に遮断するこ
とができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明のサーモトロピック
液晶高分子カプセルを製造する方法を各段階別に具体的
に説明する。
【0019】(1)サーモトロピック液晶と単量体を溶
媒に溶解させた後、開始剤を添加する段階:本発明に使
われる液晶は、サーモトロピック液晶で、コレステロー
ル系液晶を使用する。コレステロール系液晶は、コレス
テロール液晶またはコレステリル誘導体であり、具体的
には、オクタン酸コレステリル、ノナン酸コレステリ
ル、コレステリルオレイルカーボネート、コレステリル
イソステアリルカーボネートなどを挙げることができ
る。このコレステロール液晶は、温度や光の角度によっ
て多様な色相を表すことができ、人体に無害であるた
め、化粧品原料として有用である。液晶の使用量は、全
体カプセル粒子に対して0.1〜50重量%の量で添加
することが好ましい。液晶を0.1重量%未満で添加す
る場合、液晶の挙動を観察できず、50重量%を超過す
れば、カプセルが形成せず、好ましくない。
【0020】本発明に使われる単量体は、ラジカル重合
が可能なものならばその種類が特に限定されない。具体
的には、スチレン、p−またはm−メチルスチレン、p
−またはm−エチルスチレン、p−またはm−クロロス
チレン、p−またはm−クロロメチルスチレン、スチレ
ンスルホン酸、p−またはm−t−ブトキシスチレン、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、
t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレ
ート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチアミノ
エチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ビニルアセテート、プロピオン
酸ビニル、ビニルブチレート、ビニルエーテル、アリル
ブチルエーテル、アリルグリシジルエーテル、(メタ)
アクリル酸、マレイン酸、アルキル(メタ)アクリルア
ミド、(メタ)アクリロニトリルなどを1種以上組み合
わせて使用することができる。
【0021】単量体の使用量は、全体カプセル粒子に対
して50〜99.9重量%の量で添加する。単量体を5
0重量%未満で添加すれば、カプセルを形成することが
不可能であり、99.9重量%を超過すれば、相対的に
液晶の含量が少ないため、液晶の挙動を観察することが
できない。
【0022】後架橋の場合、架橋官能基を持つ共重合体
の使用量は、架橋官能基が単量体の総量に対して0.1
〜50重量%の量で含有されたものを使用することが好
ましい。架橋官能基が0.1重量%未満である場合、架
橋効果を観察することができない。また、50重量%を
超過すれば、粒子表面の親水性官能基が活性成分の捕集
を妨害する。
【0023】後架橋システムに適用されることができる
架橋官能基を持つ単量体としては、シラン基を有し且つ
ラジカル重合が可能なものが好ましい。具体的に、トリ
クロロビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリ
エトキシビニルシラン、ビニルトリイソプロポキシシラ
ン、ビニルトリ−t−ブトキシシラン、ビニルトリフェ
ノキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルト
リ(イソブトキシ)シラン、ビニルトリ(2−メトキシ
エトキシ)シラン、8−オクト−1−エニルトリクロロ
シラン〔SiCl3−(CH2)6−CH=CH2〕、8−オ
クト−1−エニルトリメトキシシラン〔Si(OCH3)3
−(CH2)6−CH=CH2〕、8−オクト−1−エニル
トリエトキシシラン〔Si(OC25)3−(CH2)6−C
H=CH2〕、6−ヘックス−1−エニルトリクロロシ
ラン〔SiCl3−(CH2)4−CH=CH2〕、6−ヘッ
クス−1−エニルトリエトキシシラン〔Si(OC25)
3−(CH2)4−CH=CH2〕などを1種以上組み合わせ
て使用することができる。
【0024】前記架橋能を持つ共重合体は、好ましく
は、前記ラジカル重合が可能な単量体と、前記架橋官能
基を持つ単量体とを、分散重合法を用いて共重合させて
得る。この共重合体は、カプセル製造時、ラジカル重合
をし、カプセル製造後、後架橋過程を経て架橋網を形成
する特性を有する。高分子架橋網の形成については後述
する。
【0025】また、高分子を架橋させる他の方法とし
て、この段階で架橋剤をさらに添加することができる。
架橋剤は、ラジカル重合が可能なものならば、その種類
が特に限定されないが、具体的には、ジビニルベンゼ
ン、1,4−ジビニルオキシブタン、ジビニルスルホン
(divinylsulfone)、ジアリルフタラート(diallylphth
alate)、ジアリルアクリルアミド、トリアリル(イソ)
シアヌレート(triallyl(iso)cyanurate)、トリアリトリ
メリテート(triallyltrimellitate)、(ポリ)エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アク
リレートなどを使用することができる。
【0026】後述する試験例から明らかなように、高分
子架橋網によりカプセルの構造安定性を大きく向上させ
ることができ、内相に位置するコレステロール相の外相
流出を防止できるため、適切な架橋が必要である。しか
しながら、過度な架橋度は、液晶/高分子液滴の変形を
引き起こし、カプセルを活性成分の安定化製剤として使
用する場合、形成された高分子架橋網が活性成分のカプ
セル内への導入を制限することもできる。したがって、
本発明では、架橋剤の使用量を単量体の総量に対して
0.1〜0.3重量%の範囲に制限している。
【0027】溶媒は、前記液晶と単量体を溶解させるこ
とができるもので、水とほとんど混じらなく、沸点がそ
れほど高くない特性を持つものを使用する。具体的に
は、クロロメタン、ジクロロメタン、クロロホルム、テ
トラクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロアルカン
類、エチルアセテート、ジエチルエーテル、シクロヘキ
サン、ベンゼン、トルエンなどを使用することができ
る。前記液晶と単量体を溶媒に均一に溶解させるため
に、超音波を照射して溶解させることができる。
【0028】一方、重合反応を進行させるために、溶液
に開始剤を添加する。本発明に使われる開始剤には、ベ
ンゾイルペルオキシド、ラウリルペルオキシド、o−ク
ロロベンゾイルペルオキシド、o−メトキシベンゾイル
ペルオキシド、t−ブチルペルオキシ−2−ヘキサン酸
エチル、t−ブチルペルオキシイソブチレート、1,1,
3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−ヘキサン
酸エチル、ジオクタノイルペルオキシド、ジデカノイル
ペルオキシド等のようなペルオキシド系と;2,2−ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−メ
チルブチロニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)などのアゾ化合物を使用すること
ができる。
【0029】開始剤の使用量は、有効開始効率を考慮す
る時、全体単量体に対して1〜2重量%が好ましい。す
なわち1重量%未満の濃度では、重合は可能であるが、
90%以上の重合度を得るためには、長時間がかかり、
2重量%を超過する濃度では、重合速度が急激に増加し
て、球形液晶を破壊するおそれがあり、低分子量の高分
子を形成させるおそれがある。
【0030】(2)(1)段階の溶液を分散安定化剤の
存在下に水相で乳化させる段階:この段階に使われる分
散安定化剤は、水溶性高分子であり、具体的には、ゼラ
チン、澱粉、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
アルキルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリジメチ
ルシロキサン/ポリスチレンブロック共重合体などを含
むことができる。使用量は、分散重合過程で生成された
高分子カプセルが重力による沈積や粒子間凝集を抑制で
きる程度で、全体反応物に対して1〜5重量%が望まし
い。1重量%未満ならば、安定化能が急激に低下し、5
重量%を超過する場合、系の粘度が増加するだけでな
く、安定化能が平衡状態となり、安定化能に寄与しない
という問題点があった。
【0031】(3)(2)段階のエマルジョンを重合抑
制剤の存在下に懸濁重合させて、サーモトロピック液晶
高分子カプセルを得る段階:懸濁重合は、エマルジョン
内のみでなされるべきであるが、この段階で、エマルジ
ョン粒子は、水相に分散される。このため、重合反応が
水相で開始されると、カプセル粒子が效率的に形成され
ないだけでなく、得られたカプセル粒子のサイズも非常
に小さい。したがって、水相での重合を防止するため
に、重合抑制剤を使用する。
【0032】本発明に使われる重合抑制剤は、水相で溶
解されるものならば、その種類が特に限定されないが、
具体的には、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、硝酸ナ
トリウム、硝酸カリウムなどの無機物、ヒドロキノン、
ヒドロキノンモノメチルエーテル、ピロカテコールなど
の有機物などがある。使用量は、全体反応物に対して
0.01重量%以下が望ましい。0.01重量%以上で
は、開始効率が低下し、懸濁重合が全く進まないからで
ある。懸濁重合は、この分野における通常の方法で行
う。
【0033】一方、前記方法により製造されたカプセル
は、疎水性を呈し、水溶液で水和されないため、水溶性
化粧品に使用する場合、液晶の挙動を観察できないこと
がある。この場合、高分子カプセルを水和させて使用す
ることが望ましい。
【0034】カプセルを水和させる方法として、陽イオ
ン性単量体、陰イオン性単量体または親水性単量体を添
加する方法がある。具体的には、陽イオン性単量体とし
ては、アミノアルキル(メタ)アクリレートなどを使用
することができ、陰イオン性単量体としては、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、スルホン酸などを使用することができる。これらイ
オン性単量体は、単量体の総量に対して10〜30重量
%の量で使用することができる。
【0035】また、親水性単量体としては、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタク
リルアミドなどを使用することができ、単量体の総量に
対して10〜50重量%の量で添加することができる。
【0036】以上の製造方法により得られる本発明のサ
ーモトロピック液晶高分子カプセルは、液晶物質が高分
子に囲まれている形態を有し、液晶の挙動を示すことが
でき、可視的な効果を得ることができる。したがって、
本発明の液晶高分子カプセルは、化粧品組成において可
視的な効果を示す添加剤として使われることができる。
本発明のカプセルを含有する化粧料は、柔軟化粧水、栄
養化粧水、マッサージクリーム、栄養クリーム、パッ
ク、ゼル(jells)、エッセンス、リップスティック、
メイカップベース(make-up bases)、ファウンデーシ
ョン(foundation)、ローション、軟膏、ゲル、クリー
ム、パッチまたは噴霧剤の剤型を有することができる。
また、液晶の挙動が温度によるので、本発明の液晶高分
子カプセルは、温度依存性を持つスマート薬物システム
に適用することができる。
【0037】(4)液晶高分子カプセルに有用性活性成
分を捕集する段階:また、本発明の液晶高分子カプセル
は、液晶相内に他の機能性活性成分を含有させることが
できるため、有用性活性成分の安定化製剤として使用す
ることができる。すなわち、大部分の有用性活性成分の
場合、光、熱又は水のような外部環境に露出されると、
効能が急激に低下する。特に、化粧品剤型に機能性を附
与する活性成分の場合、剤型内に存在する界面活性剤、
水、オイル成分などにより変性が生じるから、上記の多
様な刺激を遮断しなければならない。本発明のカプセル
内に活性成分を捕集させると、構造的にコレステロール
が球形液晶を形成していて、その外側が高分子で2次的
に取り囲まれているので、二重の安定化効果を得ること
ができる。すなわち、液晶の分子配列時に活性成分を固
定化して液晶内で一次的に安定化させ、この液晶を高分
子で囲むことによって、二重に安定化させることができ
る。
【0038】この場合、前記製造方法の(1)段階にお
いて架橋能を持つ共重合体をさらに添加する場合、液晶
を囲んでいる高分子を架橋させることによって、液晶内
の活性成分を外部刺激から完全に遮断することができ、
活性成分の安定性をより一層向上させることができる。
【0039】本発明の液晶高分子カプセルに捕集させる
機能性活性物質には、レチノール、レチニルアセテー
ト、レチニルパルミテート、トコフェロール、トコフェ
リルアセテート、トコフェリルリノレート、トコフェリ
ルニコチネート、リノール酸、コエンチームQ10、レス
ベラトロル(resveratrol)、植物抽出エッセンシャルオ
イルなどがある。
【0040】活性成分の捕集方法としては、韓国特許出
願第2000−58991号に開示された溶質共拡散法
を利用することができる。具体的に、溶質共拡散法は、
(4−1)(3)段階のカプセルを膨らませる適量の溶
媒に活性成分を溶解させた後、水溶液で乳化させる段階
と、(4−2)(3)段階のカプセルを、適切な濃度の
界面活性剤が溶けている水溶液に分散させる段階と、
(4−3)(4−1)段階のエマルジョン粒子を、(4
−2)段階の分散液に加え、カプセル粒子中に活性成分
を捕集させる段階とを含む。
【0041】(5)液晶高分子カプセルを架橋させる段
階:(4)段階で捕集された活性成分の安定性を向上さ
せるために、前記製造方法の(1)段階において架橋能
を持つ共重合体を添加する場合、この段階で、共重合体
のシラン基を用いて架橋網を形成する。
【0042】液晶高分子カプセルの架橋網は、上述した
ように、カプセル製造時に適切な架橋剤を添加すること
で形成することができるが、この場合、高分子架橋網に
より液晶/高分子液滴の変形を生ずることができ、活性
成分のカプセル内への導入が制限されることができるた
め、その使用量が極めて制限される。したがって、シラ
ン基を用いた後架橋過程により架橋網を形成することが
より一層望ましい。シラン架橋反応は、有機溶媒を使用
しない室温の水溶液で行われるので、高温反応による活
性成分の力価減少を防止することができ、活性成分が捕
集された状態にあるカプセルの架橋に望ましい。シラン
架橋反応を促進するために、酢酸、スルホン酸、リン酸
などの酸、又はアンモニアなどの塩基を添加することが
できる。
【0043】(実施例)以下、実施例及び比較例に基づ
いて本発明をより詳しく説明するが、本発明がこれらの
実施例に限定されるものではない。
【0044】<実施例1>ノナン酸コレステリル30重
量%及びメチルメタクリレート単量体70重量%をメチ
レンクロライド20mlに超音波を照射しながら均一に
溶解させた。この際、単量体に対して1重量%の2,2
´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を開始剤と
して添加した。次に、得られた溶液を、鹸化価87〜8
9%のポリビニルアルコール1.5%が溶けている水溶
液に添加した後、5,000rpmのせん断応力で5分
間乳化させた。このエマルジョンを60℃に加熱した反
応器に入れ、0.01重量%の硝酸ナトリウムを添加し
た後、4時間重合した。重合が終わると、残存する有機
溶媒を減圧し蒸発させ、ろ過した後、水洗する過程を数
回繰り返し、次いで、真空オーブンで乾燥させて、粉末
形態のコレステロール液晶高分子カプセルを得た。
【0045】<実施例2>架橋剤として、単量体に対し
て0.3重量%のエチレングリコールジメチルエーテル
をメチレンクロライドに溶解させることを除いて、実施
例1と同様の方法で実施して、コレステロール液晶高分
子カプセルを得た。
【0046】<比較例1>ノナン酸コレステリル液晶を
使用しないことを除いて、実施例2と同様の方法で実施
して、高分子カプセルを得た。
【0047】<比較例2>架橋剤を単量体に対して1.
0重量%の量で使用することを除いて、実施例2と同様
の方法で実施して、コレステロール液晶高分子カプセル
を得た。
【0048】<実施例3>重合時にメチルメタクリレー
ト単量体に15重量%のメタクリル酸を添加することを
除いて、実施例2と同様の方法で実施して、コレステロ
ール液晶高分子カプセルを得た。
【0049】<実施例4>重合時にメチルメタクリレー
ト単量体に20重量%のビニルアセテートを添加するこ
とを除いて、前記実施例2と同様の方法で実施して、コ
レステロール液晶高分子カプセルを得た。
【0050】<実施例5>重合時にメチルメタクリレー
ト単量体に30重量%のアクリロニトリルを添加するこ
とを除いて、前記実施例2と同様の方法で製造して、コ
レステロール液晶高分子カプセルを得た。
【0051】<実施例6>実施例2で製造したコレステ
ロール液晶高分子カプセルにレチノールを溶質共拡散法
で捕集させた。具体的には、活性成分として、レチノー
ル0.5gを20mlのメチレンクロライドに完全に溶
かした後、0.25重量%ラウリル硫酸ナトリウムが溶
けている水とエタノールとの混合液80mlに添加した
後、25,000rpmのせん断応力で5分間乳化させ
て、懸濁液を製造した。
【0052】次いで、実施例2で製造した液晶高分子カ
プセル9gを、0.25重量%ラウリル硫酸ナトリウム
が溶けている水とエタノールとの混合液100mlに分
散させた後、ポリビニルアルコール分散安定剤を、全体
重量に対して1%の量で添加した。液晶高分子カプセル
が分散された溶液に、レチノール懸濁液を添加し、室温
で4時間反応させた。残存する有機溶媒を減圧し蒸発さ
せ、ろ過した後、水洗する過程を数回繰り返し、次い
で、真空オーブンで乾燥させてカプセルを粉末形態で得
た。
【0053】<実施例7>カプセルの全体重量に対して
10%のコエンチームQ10を活性成分として使用するこ
とを除いて、実施例6と同様の方法でカプセルを製造し
た。
【0054】<実施例8>カプセルの全体重量に対して
10%のトコフェロールを活性成分として使用すること
を除いて、実施例6と同様の方法でカプセルを製造し
た。
【0055】<実施例9>実施例1の液晶高分子カプセ
ルの製造において(1)段階に架橋能を持つ共重合体を
さらに添加することを除いて、実施例1と同様の方法で
カプセルを製造し、実施例6と同様の方法でレチノール
を捕集した後、後架橋過程を経て粉末形態のコレステロ
ール液晶架橋高分子カプセルを得た。架橋能を持つ共重
合体は、下記の方法で製造するが、各段階別に整理すれ
ば、次の通りである。
【0056】(9−1)架橋能を持つ共重合体の製造:
まず、メチルメタクリレート9g、ビニルシラン単量体
1g、脂溶性開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル
0.15g、及びポリビニルピロリドンK−30(分子
量40,000g/mol)分散安定化剤4gを、メタ
ノール100mlに完全に溶解させた。次に、窒素雰囲
気の45〜65℃の温度で24時間40rpmの速度で
攪拌させて、重合を行った。前記反応物を、遠心分離器
を用いて未反応物と分散安定剤を除去した後、真空オー
ブンで24時間乾燥させて、シラン共重合体として粉末
形態のポリメチルメタクリレートビニルシラン共重合体
(poly(methylmethacrylate-co-vinyl silane))7.5g
を得た。
【0057】(9−2)液晶高分子カプセルの製造:上
記で製造したシラン共重合体7.2g、ノナン酸コレス
テリル8g及びメチルメタクリレート単量体72gを、
20mlのメチレンクロライドで超音波を照射しながら
均一に溶解させた後、実施例1と同様の方法で粉末形態
のコレステロール液晶高分子カプセル80gを得た。
【0058】(9−3)レチノールの捕集:実施例6の
レチノールの捕集過程でレチノールを1g使用すること
を除いて、実施例6と同様の方法でレチノールを捕集し
た。
【0059】(9−4)高分子架橋網の形成:上記の捕
集反応後、高分子架橋網の形成を促進するために、少量
(0.05g)のアンモニアを添加した後、1時間さら
に反応させ、残存する有機溶媒を減圧し蒸発させた。次
いで、ろ過した後、水洗する過程を数回繰り返し、真空
オーブンで乾燥させて、カプセルを粉末形態で得た。
【0060】<実施例10>活性成分として、レチノー
ルの代わりにコエンチームQ101gを使用することを除
いて、実施例9と同様の方法でカプセルを製造した。
【0061】<実施例11>活性成分として、レチノー
ルの代わりにトコフェロール2.5gを使用することを
除いて、実施例9と同様の方法でカプセルを製造した。
【0062】<比較例3>実施例9で、コレステロール
液晶及びシラン基を用いることなく、メチルメタクリレ
ート単量体のみを使用して高分子粒子を製造することを
除いて、実施例9と同様の方法でカプセルを製造した。
【0063】<試験例1> カプセルの形態観察 実施例1〜2及び比較例2で製造した粒子の形態(morph
ology)を光学顕微鏡で観察した。また、液晶の相挙動
は、偏光顕微鏡で観察した。その結果を図1乃至図3に
示す。
【0064】一方、図1乃至図3から、粒子の形態が架
橋度によって大きく変わることが分かる。すなわち、高
分子相の架橋により架橋鎖間の弾性力が誘導され、液晶
/高分子液滴の収縮が発生し、よって、初期の球形を維
持せず、液滴の変形を生ずる。しかし、液滴の変形によ
って完全な球形のカプセルは形成されないが、架橋され
た高分子相は、製造されたカプセルの構造安定性を大き
く向上させ、内相に位置したコレステロール相の外相流
出を防止する。従って、適切な架橋が必要で、本発明で
は、単量体の総量に対して0.1〜0.3重量%の架橋
剤を使用する。
【0065】<試験例2>実施例9でシラン基を持つ単
量体の量を異ならせてシラン共重合体を製造した後、ゲ
ル透過クロマトグラフィーと示差走査熱量計を用いて分
析した。その結果、共重合体は、40,000〜50,
000g/molの分子量を有し、ガラス転移温度は、
130〜110℃の範囲にある。シラン基の使用量が増
加するにつれて、ガラス転移温度は低下する傾向があ
る。その結果を下記の表1に示す。試験結果によると、
本発明では、単量体の総量に対して10重量%のシラン
単量体が使用された共重合体を選択して利用した。
【0066】
【表1】
【0067】実施例9で製造した液晶架橋高分子カプセ
ルの粒子内のレチノール分布を確認するために、共焦点
レーザー走査顕微鏡(con-focal laser scanning micros
cope)で観察した。図4から明らかなように、自体蛍光
を呈するレチノールが粒子内部によく均一に分布されて
いることを確認した。レチノールは、カプセル内部の液
晶物質であるノナン酸コレステリルと類似の分子構造を
有する。これにより、液晶と混合されているレチノール
は、液晶の分子配列に参加し、液晶間に固定化されて、
安定化される。図4の写真で、すべての粒子がレチノー
ルの蛍光を示すものではない。これは、粒子の焦点が互
いに異なるからである。この観察結果により、レチノー
ルが高分子粒子内部の液晶相によく分布していることを
確認することができた。
【0068】<試験例3>前記実施例2〜5のカプセル
を下記剤型例に各々添加し、液晶の挙動を観察した。
【0069】剤型例1〜4:透明ゲル形態の可溶化剤型 下記表2の組成を有する透明ゲル形態の可溶化剤型を製
造した。剤型の粘度は、約3,000cpsである。一
方、粘度は、Brookfield(LVDVII+)を用いて3
0℃の温度で12rpmで測定した。
【0070】
【表2】
【0071】剤型例5〜8:懸濁乳化剤型のローション 下記表3の組成において、各々の油相と水相は、70℃
で完全溶解させ、7,000rpmで5分間乳化させ
て、不透明ゲル形態のローションを製造した。ローショ
ンの粘度は、約2,000cpsである。
【0072】
【表3】
【0073】実施例2で製造したコレステロール液晶ポ
リメチルメタクリレートカプセルは、コレステロール液
晶を囲んでいるポリメチルメタクリレートの疎水性によ
り水溶液で水和されず、これにより、高分子粒子内の液
晶の挙動を目視により確認することができなかった。
【0074】しかし、実施例3〜5で製造した各々のコ
レステロール液晶高分子マイクロカプセルは、各々の化
粧品組成において液晶挙動が観察された。このような液
晶の可視的な効果は、化粧品組成に特異性を附与し、製
品の外観をはでやかにして、商品価値をより一層高める
ことができると予想される。
【0075】<試験例4>前記実施例6〜11及び比較
例3で製造した液晶高分子カプセル内に捕集された活性
成分の安定性を確認するために、下記表4の組成でクリ
ームを製造した。
【0076】
【表4】
【0077】カプセル化しないレチノールは、市販の商
業的に利用可能な50C(BASF社)を使用した。製
造されたそれぞれの試料を25℃と40℃オーブンで保
管した後、一定期間後、液状クロマトグラフィーを用い
て試料の残余活性成分の量を測定した。その結果を下記
表5に示す。
【0078】
【表5】
【0079】表5から明らかなように、本発明の液晶高
分子カプセル内に存在するレチノール、コエンチームQ
10、トコフェロールは、長期間保管後にも、化粧品剤型
内で優秀な安定度を示すことを確認することができた。
このような結果は、有用性活性成分が根本的に液晶成分
と高い混合性を持っていて、液晶の結晶性分と類似した
分子配列特性を持っているので、液晶形成過程で固定化
されることによって、非常に高い安定度を示すと解析す
ることができる。さらに、カプセルの外皮を形成するポ
リメチルメタクリレート高分子自体が外部刺激に対する
一次的な遮断性を持っているため、安定度がさらに向上
する。
【0080】これに対して、比較例3の単純な高分子粒
子内のレチノールは、内部液晶による固定化効果が得ら
れなく、特に剤型内の水分やオイル、界面活性剤などに
より高分子粒子が膨潤されることで、外部環境と容易に
接触することになり、不安定な安定度を示すことが分か
る。このような高分子粒子の膨潤は、高分子を架橋させ
ることによって顕著に減少させることができ、より效果
的に外部刺激を遮断することができる。特に、実施例9
の液晶架橋高分子カプセルの場合、実施例6の架橋剤添
加による高分子架橋網より、レチノールの安定化効果が
優れていることが分かる。
【0081】<試験例5>架橋能を持つ共重合体の添加
による前記試験例4の結果を、他の剤型で確認するため
に、下記表6の組成を有する透明ゲル形態の可溶化剤
型、及び下記表7の組成を有する懸濁乳化剤型のローシ
ョンを製造し、試験例4と同様の方法で試験した。
【0082】
【表6】
【0083】
【表7】
【0084】その結果を表8に示す。
【0085】
【表8】
【0086】表8の結果から明らかなように、本発明の
液晶架橋高分子カプセル内に存在するレチノールは、ゲ
ルタイプ剤型又は懸濁乳化剤型においても優秀な安定性
を持つことが分かる。
【0087】本発明は、本発明の技術的思想から逸脱す
ることなく、他の種々の形態で実施することができる。
前述の実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明ら
かにするものであって、そのような具体例のみに限定し
て狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と
特許請求の範囲内で、いろいろと変更して実施すること
ができるものである。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るサー
モトロピック液晶高分子カプセルは、化粧品組成におい
て優秀な添加剤の役割をすることができると期待され
る。特に、液晶物質が高分子で囲まれた形態で液晶の挙
動を示すことができるため、液晶の視覚的な効果だけで
なく、温度依存性を持つスマート薬物伝達システムに適
用が可能であり、活性成分の安定化製剤としての適用も
期待することができる。また、高分子相による外部刺激
遮断特性、及び一般有機物との優秀な相溶性を活用し
て、サーモトロピック液晶の固有挙動を用いた電子材
料、塗料産業、製紙産業などに多様に応用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明の実施例1で製造したカプ
セルの光学顕微鏡写真である(×500)。(b)は、
本発明の実施例1で製造したカプセルの偏光顕微鏡写真
である(×500)。
【図2】 (a)は、本発明の実施例2で製造したカプ
セルの光学顕微鏡写真である(×500)。(b)は、
本発明の実施例2で製造したカプセルの偏光顕微鏡写真
である(×500)。
【図3】 (a)は、比較例2で製造したカプセルの光
学顕微鏡写真である(×500)。(b)は、比較例2
で製造したカプセルの偏光顕微鏡写真である(×50
0)。
【図4】 本発明の実施例9で製造した液晶架橋高分子
カプセル内のレチノール分布を示す共焦点レーザー走査
顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/00 A61K 7/00 K M N R S U V 7/025 7/025 7/035 7/035 7/48 7/48 B01J 13/14 G02F 1/13 102 G02F 1/13 102 505 505 B01J 13/02 B (72)発明者 韓 相 勳 大韓民国 京畿道 水原市 長安區 栗田 洞 276−3 天鹿 アパート 2棟 203 号 (72)発明者 張 利 燮 大韓民国 京畿道 龍仁市 水枝邑 豊▲ 徳▼川里 703番地 東寶 アパート 102 棟 1104号 (72)発明者 金 漢 坤 大韓民国 京畿道 水原市 八達區 牛滿 洞 住公 アパート 203棟 902号 (72)発明者 姜 鶴 煕 大韓民国 京畿道 城南市 盆唐區 九美 洞 大林 アパート 111棟 2501号 (72)発明者 李 玉 燮 大韓民国 京畿道 安養市 滿安區 石水 −2−洞 ラッキー アパート 8棟 1002号 Fターム(参考) 2H088 EA49 EA57 EA65 GA03 GA10 GA17 JA23 MA20 2H089 HA06 KA09 QA16 RA15 UA09 4C083 AA111 AC022 AC072 AC122 AC182 AC251 AC252 AC342 AC491 AC492 AC532 AC792 AD011 AD092 AD112 AD151 AD152 AD491 AD492 AD512 AD621 AD622 AD661 AD662 CC03 CC04 CC05 CC07 CC12 CC13 DD08 DD23 DD27 DD31 DD41 DD44 EE07 FF04 4G005 AA01 AB14 BA02 BB01 BB06 BB08 BB11 DB30X DC17X DC32X DC58Y DD03Z DD04Z DD08Z DD12Z DD15Z DD24Z DD46Z DD58Z DD63Z DD66Z DD70Z DD75Z DE01Z DE04Z DE05Z EA03

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)サーモトロピック液晶と単量体を
    溶媒に溶解させた後、開始剤を添加する段階と、 (2)(1)段階の溶液を分散安定化剤の存在下に水相
    で乳化させる段階と、 (3)(2)段階のエマルジョンを重合抑制剤の存在下
    に懸濁重合させて、サーモトロピック液晶高分子カプセ
    ルを得る段階とを含むことを特徴とするサーモトロピッ
    ク液晶高分子カプセルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記(1)段階において、架橋能を持つ
    共重合体をさらに添加することを特徴とする請求項1に
    記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記架橋能を持つ共重合体は、前記
    (1)段階の単量体と、架橋官能基を持つ単量体とを共
    重合させて得られるものであることを特徴とする請求項
    2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記架橋官能基を持つ単量体は、トリク
    ロロビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエ
    トキシビニルシラン、ビニルトリイソプロポキシシラ
    ン、ビニルトリ−t−ブトキシシラン、ビニルトリフェ
    ノキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルト
    リ(イソブトキシ)シラン、ビニルトリ(2−メトキシ
    エトキシ)シラン、8−オクト−1−エニルトリクロロ
    シラン、8−オクト−1−エニルトリメトキシシラン、
    8−オクト−1−エニルトリエトキシシラン、6−ヘッ
    クス−1−エニルトリクロロシラン及び6−ヘックス−
    1−エニルトリエトキシシランよりなる群から選ばれる
    ものであることを特徴とする請求項3に記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記架橋官能基を持つ単量体は、単量体
    の総量に対して0.1〜50重量%の量で使われること
    を特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記(1)段階において、架橋剤を単量
    体の総量に対して0.1〜0.3重量%の量でさらに添
    加することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記(1)段階において、陽イオン性単
    量体、陰イオン性単量体または親水性単量体をさらに添
    加して、水和されたカプセルを得ることを特徴とする請
    求項1に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記サーモトロピック液晶は、コレステ
    ロールまたはコレステリル誘導体であり、全体カプセル
    粒子の総量に対して0.1〜50重量%の量で使われる
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 前記コレステリル誘導体は、オクタン酸
    コレステリル、ノナン酸コレステリル、コレステリルオ
    レイルカーボネート及びコレステリルイソステアリルカ
    ーボネートよりなる群から選ばれるものであることを特
    徴とする請求項8に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記単量体は、スチレン、p−または
    m−メチルスチレン、p−またはm−エチルスチレン、
    p−またはm−クロロスチレン、p−またはm−クロロ
    メチルスチレン、スチレンスルホン酸、p−またはm−
    t−ブトキシスチレン、メチル(メタ)アクリレート、
    エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリ
    レート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
    (メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレー
    ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オ
    クチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリ
    レート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
    キシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
    ール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリ
    コール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アク
    リレート、ジメチアミノエチル(メタ)アクリレート、
    ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルア
    セテート、プロピオン酸ビニル、ビニルブチレート、ビ
    ニルエーテル、アリルブチルエーテル、アリルグリシジ
    ルエーテル、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、アルキ
    ル(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリロニトリ
    ルよりなる群から選ばれる1種以上であることを特徴と
    する請求項1乃至9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項7の製造方法により製造された
    サーモトロピック液晶高分子カプセルを含有する化粧料
    組成物。
  12. 【請求項12】 前記化粧料は、柔軟化粧水、栄養化粧
    水、マッサージクリーム、栄養クリーム、パック、ゼル
    (jells)、エッセンス、リップスティック、メイカップ
    ベース、ファウンデーション、ローション、軟膏、ゲ
    ル、クリーム、パッチ及び噴霧剤よりなる群から選ばれ
    る剤型を有することを特徴とする請求項11に記載の化
    粧料組成物。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至10のいずれかに記載の
    製造方法により製造された液晶高分子カプセルに活性成
    分を捕集させて、活性成分を安定化させる方法。
  14. 【請求項14】 前記活性成分は、レチノール、レチニ
    ルアセテート、レチニルパルミテート、トコフェロー
    ル、トコフェリルアセテート、トコフェリルリノレー
    ト、トコフェリルニコチネート、リノール酸、コエンチ
    ームQ10、レスベラトロル(resveratrol)及び植物抽出
    エッセンシャルオイルよりなる群から選ばれるものであ
    ることを特徴とする請求項13に記載の方法。
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