JP2003131103A - レンズ装置、撮影装置および撮影システム - Google Patents

レンズ装置、撮影装置および撮影システム

Info

Publication number
JP2003131103A
JP2003131103A JP2001326377A JP2001326377A JP2003131103A JP 2003131103 A JP2003131103 A JP 2003131103A JP 2001326377 A JP2001326377 A JP 2001326377A JP 2001326377 A JP2001326377 A JP 2001326377A JP 2003131103 A JP2003131103 A JP 2003131103A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
lens device
back focus
adjustment
focus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001326377A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiya Ota
盛也 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001326377A priority Critical patent/JP2003131103A/ja
Publication of JP2003131103A publication Critical patent/JP2003131103A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lens Barrels (AREA)
  • Structure And Mechanism Of Cameras (AREA)
  • Studio Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 交換レンズシステムにおけるカメラとレンズ
の組み合わせや温度によるピントずれ、指標ずれ、バッ
クフォーカス調整作業の煩雑さにより、レンズ装置およ
び撮影装置のピント精度、携帯機動性、生産性が阻害さ
れている。 【解決手段】 撮影装置K00に着脱可能なレンズ装置
L00において、バックフォーカスを調整するために移
動可能なバックフォーカス調整レンズ105と、このバ
ックフォーカス調整レンズを駆動するアクチュエータ5
04と、このレンズ装置が組立調整時に装着された撮影
装置のフランジバック情報とこのレンズ装置が装着され
ている撮影装置のフランジバック情報との差分に基づい
てアクチュエータを駆動する制御手段514とを設け
る。また、このレンズ装置の組立調整時における温度情
報と使用しているときの温度情報との差分に基づいてア
クチュエータを駆動する制御手段514を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ装置と、こ
のレンズ装置が着脱可能に装着される撮影装置本体とか
ら構成されるビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の
撮像システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】リアフォーカス方式の交換レンズ装置に
おけるバックフォーカス調整は、特開昭53−1732
9号公報にて提案されているように、手動により行われ
るものが一般的である。
【0003】一方、フロントフォーカス式交換レンズ装
置では、基本的にズーミングによるピント面の移動が生
じないため、バックフォーカス調整機構は本来不要であ
る。但し、フロントフォーカス式交換レンズ装置におい
ても、レンズ装置内の温度やこのレンズ装置が装着され
るカメラ本体内の温度によってピント面の移動が生じ得
るので、この温度によるバックフォーカス値の変動を補
正するために、バックフォーカス調整機構が設けられる
場合がある。
【0004】図8には、フロントフォーカス式交換レン
ズ装置に手動のバックフォーカス調整機構を設けた場合
の構成を示している。
【0005】この図において、1は焦点調節のための第
1群レンズ、2は変倍のための第2群レンズ、3は変倍
補正のための第3群レンズ、4は固定の第4群レンズ、
5は5aと5bから構成されるバックフォーカス調整用
の第5群レンズ、6は保護防塵のための固定の第6群レ
ンズである。
【0006】また、11は第1群レンズ1を保持する第
1レンズ枠で、回転することでこれに一体に設けられた
ヘリコイドの作用により光軸方向に進退する。
【0007】12は第2群レンズ2を保持する第2レン
ズ枠、13は第3群レンズ3を保持する第3レンズ枠、
14は第4群レンズ4を保持する第4レンズ枠、15は
第5群レンズ5a,5bを保持する第5レンズ枠、16
は第6群レンズ6を固定保持する第6レンズ枠である。
【0008】21は第1レンズ枠11とヘリコイド嵌合
する固定筒で、22は固定筒21の内周に回転可能に嵌
合するカム筒である。23は第2レンズ枠12と第3レ
ンズ枠13を光軸方向にガイドするVCバーであり、2
4は第2レンズ枠12と第3レンズ枠13がVCバー2
2を中心として回転することを阻止するUバーである。
【0009】25は第5レンズ枠15の外周に嵌合して
これを保持する後群枠、26は固定筒21の外周に回転
可能に嵌合しているズーム操作環、27は後群枠25の
外周に嵌合する5群調整環である。
【0010】28は第4レンズ枠14の内周に嵌合して
保持される絞りユニット、31は第1レンズ枠11の外
周に、弾性変形した状態で取り付けられるズームゴム、
32は5群調整環27が光軸方向に抜け落ちることを防
止する抜け止めピン、33は5群調整環27を任意の位
置に固定するよう径方向外側から後群枠25を押して5
群調整環27に圧力をかけるための調整ロックピンであ
る。
【0011】34は不図示のカメラから絞りユニット2
8の電源と駆動信号とを取り込むための接点ユニット、
35は不図示のカメラに装着するためのレンズバヨネッ
トマウントである。
【0012】このように構成されたレンズ装置では、ズ
ーム操作環26が回転操作されると、カム筒22が連動
回転し、このカム筒2によって第2レンズ枠12と第3
レンズ枠13とが光軸方向に相対移動する。これによ
り、ズーミングが行われる。これは、一般的なカム環の
カム溝を利用したバリエータとコンペンセータの相対位
置制御によるズーミングである。
【0013】また、第1レンズ枠11が回転操作される
と、この第1レンズ枠11が固定筒21とのヘリコイド
作用によって光軸方向に微小移動する。これにより、フ
ォーカシングが行われる。
【0014】絞りユニット28は第4レンズ枠14の外
周に操作リングを別途設けて手動操作を行うものもある
が、本例では不図示のカメラからの信号によって自動調
節される。
【0015】また、バックフォーカス調整時には、ユー
ザーは対物距離のわかる被写体を撮影しながらワイド状
態にする。次に、調整ロックピン33のネジを回して緩
め、5群調整環27を回転調節可能な状態とする。そし
て、ユーザーは高感度モニタなどを見て5群調節環27
を合焦位置まで回し、調整ロックピン33のネジを回し
てロックする。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、高精度での調整をユーザーが高感度モニタ等
を観察しながらバックフォーカス調整をしなくてはなら
ないため、ユーザーのカメラの携帯機動性が阻害されて
いた。また、携帯機動性を高めるために、モノカラーの
高感度ファインダーによりバックフォーカス調整をする
ことも考えられるが、合焦精度と色確認のためにファイ
ンダー交換という煩雑な作業が付きまとうという欠点が
あり生産性やコスト上問題がある。
【0017】さらに、昨今のイメージサイズの小型化お
よび高画素化に伴い、ビデオカメラやデジタルスチルカ
メラ等において、ズーム、フォーカス、絞りの自動調節
が主流となりつつあり、バックフォーカスについても自
動調整機能が要請されている。
【0018】但し、バックフォーカス調整機構の有無に
限らず、交換レンズとカメラとの組み合わせや温度によ
るカメラやレンズのバックフォーカス位置の変動によ
り、例えば、レンズのフォーカスの距離指標が2mを示
しているにもかかわらず、実際のピント位置は1mであ
ったり、無限であったりしてしまう。また、至近端や無
限端においてはピントが合うところがなくなってしまう
などということも生じ得る。
【0019】このため、従来のカメラではバックフォー
カス位置は厳密な調整されている。したがって、生産に
おける所要時間や材質、管理などコスト的な負担が小さ
くない。また、カメラとレンズによる組み合わせや温度
によるピント変化に対するバックフォーカスの位置の変
動に対して、レンズには予め無限に対して超無限余裕を
多く持たせるなどの対策を講じている。
【0020】さらに、オートフォーカス機能を有するレ
ンズにおいても、ベストピント位置がずれてしまった
り、検出できなかったり、あるいは前述した超無限余裕
を持たざるを得ないために合焦に時間がかかったりする
などの問題も生じてしまう。
【0021】また、ピントを固定した状態で放置した状
態で撮影を行うような場合は、温度などの環境変化によ
るバックフォーカス位置のずれからピントずれが生じて
しまう。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本願第1の発明では、撮影装置に着脱可能なレンズ
装置において、バックフォーカスを調整するために移動
可能なバックフォーカス調整レンズと、このバックフォ
ーカス調整レンズを駆動するアクチュエータと、このレ
ンズ装置が組立調整時に装着された撮影装置のフランジ
バック情報とこのレンズ装置が装着されている撮影装置
のフランジバック情報との差分に基づいてアクチュエー
タを駆動する制御手段とを設けている。
【0023】また、本願第2の発明のレンズ装置(例え
ば、撮影装置と一体型のレンズ装置)では、バックフォ
ーカスを調整するために移動可能なバックフォーカス調
整レンズと、このバックフォーカス調整レンズを駆動す
るアクチュエータと、このレンズ装置の組立調整時にお
ける温度情報と使用しているときの温度情報との差分に
基づいてアクチュエータを駆動する制御手段とを設けて
いる。
【0024】また、本願第3の発明では、撮影装置に着
脱可能なレンズ装置において、バックフォーカスを調整
するために移動可能なバックフォーカス調整レンズと、
このバックフォーカス調整レンズを駆動するアクチュエ
ータと、このレンズ装置の組立調整時における温度情報
と使用しているときの温度情報との差分に基づいてアク
チュエータを駆動する制御手段とを設けている。
【0025】また、本願第4の発明では、撮影装置に着
脱可能なレンズ装置において、バックフォーカスを調整
するために移動可能なバックフォーカス調整レンズと、
このバックフォーカス調整レンズを駆動するアクチュエ
ータと、このレンズ装置が組立調整時に装着された撮影
装置のフランジバック情報とこのレンズ装置が装着され
ている撮影装置のフランジバック情報との差分およびこ
のレンズ装置の組立調整時における温度情報と使用して
いるときの温度情報との差分(例えば、両差分の和)に
基づいてアクチュエータを駆動する制御手段とを設けて
いる。
【0026】これら第1から第4の発明のように、レン
ズ装置の組立調整時に装着された撮影装置のフランジバ
ック情報とこのレンズ装置が(現在)装着されている撮
影装置のフランジバック情報との差分や、レンズ装置の
組立調整時における温度情報と使用されているときの
(現在の)温度情報との差分に基づいて自動的にバック
フォーカス調整が行われるようにすることで、レンズ装
置の組立調整時におけるバックフォーカス位置の調整は
ある程度の範囲内で行えば足り、メカ的および光学的な
調整を大幅に省くことが可能となる。
【0027】しかも、組立調整時に装着された撮影装置
のフランジバック情報や組立調整時におけるレンズ装置
の温度情報を記憶手段に記憶させておくことで、高精度
なバックフォーカス調整制御を行うことが可能になり、
ユーザーにおけるバックフォーカス調整作業を不要とす
ることができるとともに、撮影システムの携帯機動性を
向上させることが可能となる。
【0028】なお、制御手段に、上記撮影装置のフラン
ジバック情報に加え、レンズ装置のバックフォーカス情
報やレンズ装置のズーム状態に応じたバックフォーカス
情報に基づいてアクチュエータを駆動させるようにして
もよい。
【0029】カメラおよびレンズおよびレンズ装置のズ
ーム状態に応じたバックフォーカス情報が温度などの環
境変化によるズレにより変化するようにすることで、異
なるバック位置のカメラ及びレンズの組み合わせでか
つ、温度によるバック変化が生じるような場合でも自動
的に補正し、バック位置を保持できるようにするもので
ある。
【0030】すなわち、本発明では、フロントフォーカ
ス式レンズ装置において、バックフォーカス変動要因で
ある上記各情報を収集して、バックフォーカス調整レン
ズの適正位置を総合的に判断し、アクチュエータ駆動に
よってバックフォーカス調整レンズを上記適正位置に自
動的に駆動する。
【0031】これにより、上記変動要因によるバックフ
ォーカス変動(ピント変動)を自動的に調整することが
可能となり、ユーザーにおけるバックフォーカス調整作
業を不要とすることが可能になるとともに、撮像システ
ムの携帯機動性を向上させることが可能となる。
【0032】また、レンズ装置内にバックフォーカス調
整レンズを除いてピント方向検出のために微小振幅(ウ
ォブリング)動作するレンズを持たないような場合に、
バックフォーカス調整レンズをウォブリング動作させる
ようにしてもよい。これにより、撮影システムにAF機
能を持たせることが可能となり、特にワイド側でのAF
精度を向上させることが可能になる。
【0033】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1および図2
には、本発明の第1実施形態である撮影システムを構成
するフロントフォーカス式交換レンズ装置を示してい
る。
【0034】これらの図において、101は固定の第1
群レンズ、102は焦点調節のための第2群レンズ(フ
ォーカシングレンズ)、103は変倍のための第3群レ
ンズ(バリエータレンズ)、104は変倍補正のための
第4群レンズ(コンペンセータレンズ)、105はバッ
クフォーカス調節のための第5群レンズ(バックフォー
カス調整レンズ)、106は保護防塵の役割もする固定
の第6群レンズである。
【0035】また、201は第1群レンズ101を保持
固定するための1群枠、202は第2群レンズ102を
保持する2群移動枠、203は第3群レンズ103を保
持する3群移動枠、204は第4群レンズ204を保持
する4群移動枠、205は第5群レンズ105を保持す
る5群移動枠、206は第6群レンズ106を保持する
裏蓋である。
【0036】405は2群移動枠202と5群移動枠2
05を光軸方向にガイドする第1バー、406は2群移
動枠202と5群移動枠205が第1バー405を中心
に回転することを阻止する第2バーである。また、41
7は3群移動枠203を光軸方向にガイドする第3バ
ー、418は4群移動枠を光軸方向にガイドする第4バ
ー、419は3群移動枠203と4群移動枠204がそ
れぞれ第3バー417と第4バー418を中心として回
転することを阻止する第5バーである。
【0037】304は1本の直線カム溝を備え、光軸中
心に回転することにより2群移動枠202を光軸方向に
進退させるフォーカスカム環である。305は2本の異
なる非線形カム溝を備え、光軸中心に回転することによ
り3群移動枠203と4群移動枠204を光軸方向に同
時に進退させるズームカム環である。
【0038】303はフォーカスカム環304とズーム
カム環305をそれらの内径部にて回転可能に嵌合保持
する固定鏡筒である。306は第1〜第5バー405,
406,417,418,419を嵌合保持するととも
に、固定鏡筒303との間でズームカム環305のフラ
ンジ形状部を挟み込んで、ズームカム環305のスラス
ト方向の位置決めを行うリレーホルダーである。
【0039】302は第1〜第5バー405,406,
417,418,419を嵌合保持するとともに、固定
鏡筒303との間でフォーカスカム環304のフランジ
形状部を挟み込んでフォーカスカム環304のスラスト
方向の位置決めを行う前蓋である。
【0040】301は固定鏡筒303に保持されるフォ
ーカスリング押さえ、307はフォーカス操作リングで
ある。308はフォーカスギヤリング、309は固定鏡
筒303に保持される中継環、310はズーム操作リン
グ、311はズームギヤリング、312はリレーホルダ
ーに保持される後部カバーである。
【0041】フォーカス操作リング307は中継環30
9に回転可能に嵌合し、フォーカスリング押さえ301
と中継環309とによりスラスト方向の移動が阻止され
ている。
【0042】同様に、ズーム操作リング310は後部カ
バー312の外周に回転可能に嵌合し、中継環309と
後部カバー312によりスラスト方向の移動が阻止され
ている。
【0043】フォーカスギアリング308とズームギヤ
リング311は共通部品として使用されており、フォー
カス操作リング307とズーム操作リング310に結合
固定されている。
【0044】なお、フォーカスギアリング308とズー
ムギヤリング311は、フォーカス操作リング307と
ズーム操作リング310に一体に設けてもよいが、本実
施形態においては、各操作リング307,310を単純
な形状の金属による機械加工部品とする一方、ギヤリン
グ308,311は複雑な形状を有し、かつインナーギ
ヤの歯形状部の表面荒さを向上させるためにプラスチッ
ク成型品としている。
【0045】これにより、操作リング307,310に
ついて、偏肉による成型時のヒケを回避し、外観部品と
しての品質を確保することができる。
【0046】313はレンズマウントで、リレーホルダ
ー306に保持固定されている。このレンズマウント3
13は、不図示のカメラマウントとバヨネット結合する
ものであるとともに、裏蓋206と接点ブロック425
とを保持する。
【0047】402はフォーカスカムコロで、フォーカ
スカムビス401により2群移動枠202に固定されて
いる。また、411はバリエータカムコロで、バリエー
タカムビス410により3群移動枠203に固定されて
いる。
【0048】413はコンペカムコロで、コンペカムビ
ス412により4群移動枠204に固定されている。4
03はフォーカス連動ピンで、フォーカスカム環304
に固定されている。404はズーム連動ピンで、ズーム
カム環305に固定されている。
【0049】503は固定鏡筒303に固定されたフォ
ーカスモータユニットであり、ステッピングモータを駆
動源として有する。407はフォーカスモータユニット
503の一部に回転可能に嵌合するフォーカスギヤシャ
フトユニット、408はフォーカスギヤシャフトユニッ
ト407の軸先端を嵌合保持するために固定鏡筒303
に固定されているフォーカス軸受けである。
【0050】501は1群枠201の後部に固定された
IGユニットである。502はフォーカスロータリーポ
テンショメータで、FPナット424により固定鏡筒3
03に固定されている。このフォーカスロータリーポテ
ンショメータ502の回転軸にはFPギヤ409が、ト
ガリ先形状のビスにより取り付けられている。
【0051】507は固定鏡筒303に固定されたズー
ムモータユニットであり、ステッピングモータを駆動源
として有する。416はズームモータユニット507の
一部に回転可能に嵌合するズームギヤ、415はズーム
モータユニット507のズームギヤ軸先端を嵌合保持す
るために固定鏡筒303に固定されたズーム軸受けであ
る。
【0052】506はズームロータリーポテンショメー
タで、固定鏡筒303に固定されたZP台421にZP
ナット422により固定されている。このズームロータ
リーポテンショメータ606の回転軸にはZPギヤ41
4がトガリ先形状のビスにより取り付けられている。
【0053】なお、本実施形態においては、FPギヤ4
09とZPギヤ414は共通部品となっている。また、
ZPギヤ409の固定方法は、Dカットされた軸と相対
する穴形状により回転止めを行うのでもよい。
【0054】このように構成されたレンズ装置におい
て、フォーカスモータユニット503により発生される
駆動力は、フォーカスギヤシャフトユニット407によ
りフォーカスギヤリング308に設けられたインナーギ
ヤに伝達され、さらにフォーカス連動ピン403を介し
てフォーカスカム環304に伝達される。これにより、
フォーカスカム環304が回転して、このフォーカスカ
ム環304の直線カム溝に沿ってフォーカスカムコロ4
02とともに2群移動枠202が光軸方向に進退駆動さ
れ、電動によるフォーカシングが行われる。
【0055】なお、手動によるフォーカシングの場合
は、フォーカシング操作リング307に直接手動操作力
が入力されるが、フォーカシングギヤシャフトユニット
407を介してフォーカスモータユニット503にも操
作力が逆入力されるため、フォーカスモータユニット5
03内のギヤユニットに過大な負荷がかかるのを防止す
る。したがって、バネスリップによるフリクション構造
が設けられている。
【0056】フォーカスロータリーポテンショメータ5
02は、FPギヤ409を介してフォーカシング操作リ
ング307の回転角度(つまりは、フォーカス位置)を
検出する。これにより、電動の場合でも手動の場合でも
フォーカスポテンショメータ502による第2群レンズ
102の絶対位置検出が可能であり、オートフォーカス
制御に高精度で対応できる。
【0057】一方、ズームモータユニット507により
発生される駆動力は、ズームギヤ416によりズームギ
ヤリング311に設けられたインナーギヤに伝達され、
ズーム連動ピン404を介してズームカム環305に伝
達される。これにより、ズームカム環305が回転し
て、このズームカム環305の2本の非線形カム溝によ
りズームカムコロ411とコンペカムコロ413ととも
に3群移動枠203と4群移動枠204が光軸方向に進
退駆動され、電動によるズーミングが行われる。
【0058】なお、手動によるズーミングの場合は、ズ
ーム操作リング310に直接手動操作力が入力される
が、ズームギヤ416を介してズームモータユニット5
07にも操作力が逆入力されるため、ズームモータユニ
ット507内のギヤユニットに過大な負荷がかかるのを
防止するため、バネスリップによるフリクション構造が
設けられている。
【0059】ズームロータリーポテンショメータ506
は、ZPギヤ414を介してズーム操作リング310の
回転角度(つまりは、ズーム位置)を検出している。こ
れにより、電動の場合でも手動の場合でもズームポテン
ショメータ506による第3群レンズ103および第4
群レンズ104の絶対位置検出が可能であり、パワーズ
ーム制御に対応できるとともに、カメラのズーム位置表
示が高精度、高分解能にて可能である。
【0060】次に、5群移動枠205の駆動制御のため
の構成について説明する。420は5群移動枠205に
取り付けられたラック、423はラック420と5群移
動枠205との間に発生する光軸方向のガタを除去する
ためのラックバネ、504はリレーホルダー306に固
定されてレンズマイコン514(図3参照)により制御
されるステッピングモータ、505はリレーホルダー3
06に固定されて5群移動枠205の初期位置検出を行
うためのフォトインタラプタである。
【0061】ステッピングモータ504により発生され
る回転駆動力は、ラック420により光軸方向駆動力に
変換され、5群移動枠205を光軸方向に進退させる。
【0062】ここで、ステッピングモータ504による
5群移動枠205の駆動制御は、駆動パルスのカウント
による位置制御である。5群移動枠205には薄い遮光
壁が形成されており、5群移動枠205の全移動範囲の
略中心付近で遮光壁がフォトインタラプタ505を遮光
する位置を初期位置とする。
【0063】そして、5群移動枠205を光学的な基準
位置に駆動したのち、フォトインタラプタ505で検出
される遮光・透光の切り替わり位置を図3に示すEEP
ROM515に書き込み、この書き込みデータに基づい
て図3に示すレンズマイコン514により基準位置又は
バックフォーカス変動要因を考慮した位置へと駆動制御
する。
【0064】5群移動枠205の光学的基準位置は、以
下に示すテレ・ワイドバランス出しなどを行って導き出
す。はじめに、レンズ装置を無限コリメータ対応の所定
の位置に固定し、フォーカス操作リング307を回転さ
せて無限位置に調節する。次に、ズーム操作リング21
0をワイド端位置に回転させて、5群移動枠205(第
5群レンズ105)をステッピングモータ504にて駆
動し、ピント調整を行う。
【0065】次に、ズーム操作リング310をテレ端位
置に回転させ、1群枠201(第1群レンズ)を回転さ
せることでネジリードによる光軸方向の進退を行い、ピ
ント調整を行う。
【0066】続いて、ズーム操作リング310をワイド
端位置に回転させ、第5群レンズ105を504にて駆
動してピント調整を行う。この時、先にワイド端にて調
整した第5群レンズ105の位置と相違がなければ、テ
レ・ワイドバランス出しの完了である。相違があれば、
再度、テレ端・ワイド端での調整を行い収束させる。
【0067】調整完了後は、1群枠201を接着または
ビスなどを用いて固定鏡筒303に固定し、第5群レン
ズ105の位置が、フォトインタラプタ505の透光・
遮光切り替わり位置からどれだけの距離離れているかを
ステッピングモータ504を駆動して確認し、この距離
データとなるステップ数をEEPROM515に記録す
る。
【0068】この距離データは、第5群レンズ105の
常温時における基準位置となり、この基準位置をもとに
下記に示すバックフォーカス変動要因を考慮して第5群
レンズ105の位置(つまりは、バックフォーカス)を
調整する。
【0069】なお、本調整方法は、一例であり、他の調
整方法、例えば有限距離にチャートを配置し、基準カメ
ラを用いて行ってもよい。
【0070】図3には、本実施形態の撮影システムの電
気的構成を示している。L00は上述したレンズ装置で
あり、K00はこのレンズ装置が着脱可能に装着される
ビデオカメラ又はデジタルスチルカメラのカメラ本体
(撮影装置)である。なお、図1および図2において説
明した構成要素についてはこれら図中の符号と同符号を
用いている。
【0071】まず、レンズ装置L00について説明す
る。511はフォーカスモータユニット503を駆動す
るためのフォーカスモータドライバ、512はズームモ
ータユニット507を駆動するためのズームモータドラ
イバ、513はステッピングモータ504を駆動するた
めのバックフォーカスモータドライバである。
【0072】514は主としてレンズ装置L00内の各
センサからの情報を収集してレンズ装置L00内の各ア
クチュエータを制御するためのレンズマイコン(制御手
段)であり、515はレンズ装置の個体差により生じる
データ等を記憶する書き換え可能なメモリ(以下、EE
PROMと記す)である。
【0073】レンズ装置L00の個体差により生じるデ
ータは、第5群レンズ105の光学的基準位置からフォ
トインタラプタ505の透光・遮光切り替わり位置まで
のステッピングモータ504のステップ数と方向、フォ
ーカスロータリーポテンショメータ502で検出される
至近端と無限端の情報と、ズームロータリーポテンショ
メータ506で検出されるワイド端とテレ端の情報と、
IGメータユニット501内に装着されているホール素
子により検出される絞りオープン端およびクローズ端の
情報などがある。
【0074】701はカメラ本体K00の内部に配置さ
れたカメラ温度センサ、702は赤色分光プリズム、7
03は緑色分光プリズム、704は青色分光プリズムで
ある。これらプリズム702〜704のそれぞれの射出
面近傍位置には、撮像素子である赤色感応CCD70
5、緑色感応CCD706および青色感応CCD707
が配置されている。これらCCD705〜707から出
力された信号は、カメラ信号処理回路708により映像
信号に変換される。
【0075】709はカメラマイコンであり、カメラ温
度センサ701からの情報と、カメラ信号処理回路70
8からの情報を受け取り、信号伝達用のカメラピン71
0およびレンズ接点520を介してレンズマイコン51
4と通信する。
【0076】カメラ信号処理回路708からの情報はA
F信号として必要であり、このAF信号は、ステッピン
グモータ504によって第5群レンズ205がピント方
向検出のためのウォブリング動作をした場合に、第2群
レンズ102の駆動方向とこの第2群レンズ102が停
止すべき位置の判断を行う場合に必要である。但し、そ
の他にAFセンサが存在する場合には、必ずしもカメラ
信号処理回路708からの情報は必要ではない。
【0077】なお、本実施形態では、3板式CCDを有
するカメラ本体について説明しているが、単板式などそ
の他の方式のCCDを有するカメラ本体でもよい。
【0078】次に、カメラ本体のバックフォーカスの変
動要因とレンズ装置におけるバックフォーカスの補正制
御方法について説明する。
【0079】カメラのバックフォーカス変動要因として
は、個々のカメラ本体によって異なる不図示のカメラマ
ウントから緑色感応CCD706のピント面までのフラ
ンジバックの距離がある。
【0080】このフランジバック距離は、個々のカメラ
本体にてばらつきがあるため、レンズとの組み合わせに
よってはバックフォーカスの位置がずれてしまう。した
がって、本実施形態では、どのようなカメラ本体とレン
ズとの組み合わせでもバックフォーカスが適正な位置に
設定されるようにする。
【0081】また、カメラ本体内の温度変化によって
も、上記カメラマウントから緑色CCD706のピント
面までのフランジバック距離が変動してしまう。このた
め、カメラ本体からのフランジバック情報は、温度によ
る変動も含めた情報となる。なお、カメラ本体からのフ
ランジバック情報は、単位をmmとした値でも、何らか
の取り決められた値であってもよく、バックフォーカス
調整時に駆動量を換算できれば特に限定されない。
【0082】ここで、カメラ本体のフランジバック距離
のばらつきおよび温度などの環境変化によるフランジバ
ック距離の変動によってどのような問題が生じるのかを
具体的に説明する。
【0083】例えば、レンズのフォーカスの距離指標が
2mを示しているにもかかわらず、実際のピント位置は
1mであったり、無限であったりしてしまう。また、至
近端や無限端においてピントが合うところがなくなって
しまうなどという問題も生じ得る。このため、従来のカ
メラのバックフォーカス位置は厳密に調整されている。
そして、これにより、生産時における所要時間や材質、
管理などコスト的な負担が小さくない。
【0084】また、温度による補正ができないため、レ
ンズに予め無限に対して超無限余裕を多く持たせるなど
している。
【0085】また、オートフォーカス機能を有する場合
も、ベストピント位置がずれてしまったり検出できなか
ったりするおそれがある。
【0086】また、ピントを固定した状態で放置した後
に撮影を行うような場合に、温度などの環境変化による
ピント変動が生じてしまう。
【0087】このように、従来、交換レンズ型の撮影シ
ステムのバックフォーカスの変動に関しては的確な対応
ができていないのが現状で、環境変化に弱く、精度も補
償できず、低生産性、高コストといった製品上極めて好
ましくない問題がある。
【0088】本実施形態は、このバックフォーカスの変
動を考慮して、レンズマイコン514によりステッピン
グモータ504を駆動制御するものである。
【0089】以下、図4のフローチャートを用いて、本
実施形態の撮影システムにおけるバックフォーカス変動
の補正(調整)動作について説明する。
【0090】まず、ステップ(図では、Sと略す)10
1で、カメラマイコン709がカメラ本体の電源が撮影
可能なモードでONされたことを検知すると、ステップ
102に進む。電源ONのモードには、VTRモードも
あるが、この場合は必ずしもステップ101を経なくて
もよい。
【0091】ステップ102では、レンズマイコン51
4が、フォトインタラプタ505の信号が透光側か遮光
側かを読み取る。
【0092】そして、ステップ103では、第5群レン
ズ105を移動させるためにステッピングモータ504
を駆動する。具体的には、フォトインタラプタ505の
信号が透光側である場合には遮光側に、遮光側である場
合には透光側に駆動する。
【0093】そして、ステップ104にて、透光・遮光
の切り替わり位置を検出すると、ステップ105にて、
ステッピングモータ504を停止させる。
【0094】次に、ステップ106では、レンズマイコ
ン514内に設けられたバックフォーカス調整のための
パルスカウンタを所定の値(以下、リセット値と記す)
にする。このリセット値はリセット動作により所定の値
になるようにしておく。予めEEPROM515に所定
の値を記憶しておき、リセット動作に伴って設定するよ
うにしてもよい。バックフォーカスを所定の位置に調整
する際に何らかの絶対的な値が必要なためである。
【0095】続いて、ステップ107では、レンズマイ
コン514は、予めEEPROM515に記憶されてい
る、本レンズの組立調整を行ったときに本レンズが装着
されたカメラ本体のフランジバック情報(レンズ調整時
フランジバック情報)を読み出す。
【0096】ステップ108では、レンズマイコン51
4はカメラマイコン709からレンズ調整時フランジバ
ック情報を受信する。
【0097】なお、カメラから送られてくるフランジバ
ック情報は、カメラマイコン709の内部又は外部に設
けられた不図示の不揮発性メモリ(EEPROM等)に
予め記憶されており、温度によるフランジバックの変動
を温度情報から演算したり、予めデータテーブル形式で
記憶された情報を読み出したりしたものである。
【0098】次に、ステップ109では、レンズマイコ
ン514は、ステップ107〜ステップ108で収集し
た情報に基づいて、第5群レンズ105のバックフォー
カス調整に最適な位置を演算してステッピングモータ5
04を駆動制御する。
【0099】以下、この演算内容を説明する。ここで、 レンズ調整時フランジバック情報 :FBadj 取付時カメラフランジバック情報 :FBnama 適正なバックフォーカス位置 :BFbp レンズ調整時バックフォーカス位置 :BFadj リセット位置 :BFrst パルス換算係数 :Pbf リセット位置からの駆動量 :ΔBFrst とすると、現在の適正なバックフォーカス位置BFbp
は、 BFbp=BFadj+(FBnama−FBadj)
×Pbf となる。
【0100】すなわち、適正なバックフォーカス位置B
Fbpは、レンズ調整時フランジバック情報FBadj
と、取付時フランジバック情報(現在レンズが装着され
ているカメラ本体のフランジバック情報)FBnama
との差分をパルス換算係数Pbfで乗じたものを、レン
ズ調整時バックフォーカス位置BFadjに加えたもの
である。
【0101】なお、パルス換算係数Pbfは、フランジ
バック情報からパルス数に換算するための係数であり、
フランジバック情報の形に合わせたものであればよい。
また、リセット位置から適切なバックフォーカス位置B
Fbpまでの駆動量ΔBFrstは、 ΔBFrst=BFbp−BFrst と求まる。
【0102】そして、こうして求めた駆動量ΔBFrs
t分、すなわち適正なバックフォーカス位置BFbpま
で第5群レンズ105の駆動を行い、ステップ110に
てリセット動作の完了となる。
【0103】続いて、ステップ111で、カメラマイコ
ン709は、撮影システムを撮影可能な待機状態(撮影
スタンバイモード)とする。
【0104】次に、ステップ112では、カメラマイコ
ン709は、カメラ本体内の温度をモニターし、温度変
化があったときはその温度に対応するカメラ本体側のフ
ランジバックの変動を含めたフランジバック情報をレン
ズマイコン514に送信し、これをレンズマイコン51
4が受け取る。これは、CCD等のカメラ内部の発熱体
によるものや外部の撮影環境等による影響で変化するも
のである。
【0105】また、ステップ113では、レンズマイコ
ン514は、ステップ107で取得したレンズ調整時フ
ランジバック情報と、ステップ112にて取得した取付
カメラバックフォーカス情報とから、バックフォーカス
調整のための演算およびステッピングモータ504の駆
動制御を行う。
【0106】以下、この演算内容について説明する。こ
こで、 前回までのバックフォーカス位置 :BFpast 現在のバックフォーカス位置からの駆動量 :ΔBF とすると、求める適正なバックフォーカス位置BFbp
は、 BFbp=BFadj+(FBnama−FBadj)
×Pbf となる。すなわち、適正なバックフォーカス位置BFb
pは、レンズ調整時フランジバック情報FBadjと、
取付時カメラフランジバック情報FBnamaとの差分
にパルス換算係数Pbfを乗じ、その結果にレンズ調整
時バックフォーカス位置BFadjを加えたものであ
る。
【0107】また、リセット位置から適正なバックフォ
ーカス位置BFbpまでの駆動量ΔBFは、 ΔBF=BFbp−BFpast と求まる。
【0108】そして、こうして求めた駆動量ΔBFだ
け、すなわち適正なバックフォーカス位置BFbpまで
第5群レンズ105の駆動を行い、バックフォーカスの
補正を行う。
【0109】ステップ114において、撮影スタンバイ
モードにあるときはステップ112からステップ113
をループし、電源OFFの要求でこのモードが解除され
た場合は、ステップ115で電源がOFFされる。
【0110】ここで、フランジバック情報の検出・補正
は、カメラの垂直同期周波数に合わせた60分の1秒
(NTSC方式の場合)や50分の1秒(PAL方式の
場合)で行ってもよいし、ある固定の周波数や任意のタ
イミングであったりしてもよく、温度変化による補正を
行うための必要な時間であれば特に限定するものではな
い。
【0111】ただし、あまりに長時間間隔での補正の場
合、温度変化が激しい場合などでは、温度に対するバッ
クフォーカス位置の変化が生じ、ずれが生じるることに
なるため、好ましくない。
【0112】(第2実施形態)本実施形態は、レンズ装
置の温度変化によるバックフォーカス変動の補正を行う
ものであり、ここでは、図1〜図3に示した撮影システ
ムを構成するフロントフォーカス式交換レンズ装置を用
いて説明を行う。但し、これらの説明は第1実施形態に
て行っているため省略する。
【0113】レンズ装置のバックフォーカスの変動要因
とこのレンズ装置におけるバックフォーカスの補正制御
方法について以下説明する。
【0114】レンズ装置のバックフォーカス変動要因と
しては、これを構成する鏡筒およびレンズの温度による
変形によるものがある。例えば、鏡筒の伸縮によるレン
ズ間隔の変化に伴うバックフォーカス位置の変動や、レ
ンズ自体の温度による膨張・収縮によるバックフォーカ
スの変動である。特に、レンズとしてガラスではなくプ
ラスチックのような線膨張係数の大きい材質を使用した
場合は、より温度によるバックフォーカス変動が顕著で
ある。
【0115】ここで、レンズのバックフォーカスの変動
によりどのような問題が生じるのかを具体的に説明す
る。
【0116】例えば、レンズのフォーカスの距離指標が
2mを示しているにもかかわらず、実際のピント位置は
1mであったり、無限であったりしてしまう。また、至
近端や無限端においてピントが合うところがなくなって
しまうなどの問題も生じ得る。このため、従来のレンズ
のバックフォーカス位置は厳密に調整されている。した
がって、生産における所要時間や材質、管理などコスト
的な負担が小さくない。また、温度による補正ができな
いため、レンズに予め無限に対して超無限余裕を多く持
たせるなどしている。
【0117】また、オートフォーカス機能を有する場合
も、ベストピント位置がずれてしまったり検出できなか
ったりするおそれもある。
【0118】また、ピントを固定した状態で放置した後
に撮影を行うような場合に、温度などの環境変化による
ピント変動が生じてしまう。
【0119】このように、従来は、交換レンズ型撮影シ
ステムのバックフォーカス変動に関しては的確な対応が
できていないのが現状で、環境変化に弱く、精度も補償
できず、低生産性、高コストといった製品上極めて好ま
しくない問題がある。
【0120】本実施形態は、このバックフォーカス変動
を考慮して、レンズマイコン514によりステッピング
モータ504を駆動制御するものである。
【0121】以下、図5のフローチャートを用いて、本
実施形態の撮影システムにおけるバックフォーカス変動
の補正(調整)動作について説明する。
【0122】まず、ステップ201で、カメラマイコン
709がカメラ本体の電源が撮影可能なモードでONさ
れたことを検知すると、ステップ202に進む。電源O
Nのモードには、VTRモードもあるが、この場合は必
ずしもステップ201を経なくてもよい。
【0123】ステップ202では、レンズマイコン51
4が、フォトインタラプタ505の信号が透光側か遮光
側かを読み取る。そして、ステップ203では、第5群
レンズ105を移動させるためにステッピングモータ5
04を駆動する。具体的には、フォトインタラプタ50
5の信号が透光側である場合には遮光側へ、遮光側であ
る場合には透光側に駆動する。
【0124】そして、ステップ204にて透光・遮光の
切り替わり位置を検出すると、ステップ205にて、ス
テッピングモータ504を停止させる。
【0125】次に、ステップ206では、レンズマイコ
ン514内に設けられたバックフォーカス調整のための
パルスカウンタをリセット値にする。このリセット値は
リセット動作により所定の値になるようにしておく。予
めEEPROM515に所定の値を記憶しておき、リセ
ット動作に伴って設定されるようにしてもよい。バック
フォーカスを所定の位置に調整する際に何らかの絶対的
な値が必要なためである。
【0126】続いて、ステップ207では、レンズマイ
コン514は、レンズの組立調整を行ったときのレンズ
の温度情報を読み出す。ステップ208では、レンズマ
イコン514はレンズの現在の温度情報を読み込む。
【0127】なお、レンズ調整時の温度情報はEEPR
OM515等の書き換え可能なメモリに予め記憶されて
おり、レンズマイコン514は、温度によるフランジバ
ックの変動を、レンズ調整時の温度情報と現在の温度情
報とから補正するための演算を行う。
【0128】次に、ステップ209では、レンズマイコ
ン514は、ステップ207〜ステップ208で収集し
た情報に基づいて、第5群レンズ105のバックフォー
カス調整に最適な位置を演算してステッピングモータ5
04を駆動制御する。
【0129】以下、この演算内容について説明する。こ
こで、 レンズ調整時温度情報 :Tadj 現在のレンズ温度情報 :Tnama 適正なバックフォーカス位置 :BFbp レンズ調整時バックフォーカス位置 :BFadj リセット位置 :BFrst 温度係数 :TPbf リセット位置からの駆動量 :ΔBFrst とすると、現在の適正なバックフォーカス位置BFbp
は、 BFbp=BFadj+(Tnama−Tadj)×T
Pbf となる。
【0130】すなわち、適正なバックフォーカス位置B
Fbpは、レンズ調整時の温度情報Tadjと現在の温
度情報Tnamaとの差分をレンズ調整時バックフォー
カス位置BFadjに加えたものである。
【0131】ここで、温度係数TPbfは、温度情報差
からバックフォーカスのステップ数がいくつかを算出す
るための単位あたりのバックフォーカス移動量で、例え
ば温度1℃あたりのバックフォーカス移動パルス数だっ
たり、演算上都合の良い単位あたりのバックフォーカス
ステップ数であってもよい。
【0132】また、この温度係数TPbfは、レンズの
敏感度、ズーム位置、フォーカス位置などに応じてそれ
ぞれの値を持ってもよい。また、リセット位置から適正
なバックフォーカス位置BFbpまでの駆動量ΔBFr
stは、 ΔBFrst=BFbp−BFrst と求まる。そして、適正なバックフォーカス位置BFb
pまで第5群レンズ105を駆動し、ステップ210に
てリセット動作の完了となる。
【0133】続いて、ステップ211では、カメラマイ
コン709は、撮影システムを撮影可能な待機状態(撮
影スタンバイモード)とする。
【0134】次に、ステップ212では、レンズマイコ
ン514は現在のレンズの温度情報を読み込む。これ
は、マイコン等のレンズ内部の発熱体によるものや外部
の撮影環境等による影響で変化するものである。
【0135】また、ステップ213では、レンズマイコ
ン514は、ステップ207で取得したレンズ調整時の
温度情報と、ステップ212にて取得した現在のレンズ
の温度情報とからバックフォーカス調整のための演算お
よびステッピングモータ504の駆動制御を行う。
【0136】以下、この演算内容について説明する。こ
こで、 前回までのバックフォーカス位置 :BFpa
st 現在のバックフォーカス位置からの駆動量 :ΔBF とすると、求める適正なバックフォーカス位置BFbp
は、 BFbp=BFadj+(Tnama−Tadj)×T
Pbf となる。
【0137】すなわち、適正なバックフォーカス位置B
Fbpは、レンズ調整時の温度情報Tadjと現在のレ
ンズの温度情報Tnamaとの差分を、レンズ調整時バ
ックフォーカス位置BFadjに加えたものである。ま
た、リセット位置から適正なバックフォーカス位置BF
bpまでの駆動量ΔBFは、 ΔBF=BFbp−BFpast と求まる。これにより、駆動量ΔBF、すなわち適正な
バックフォーカス位置BFbpまで第5群レンズ105
を駆動すれば、バックフォーカスの補正を行うことがで
きる。
【0138】そして、ステップ214では、撮影スタン
バイモードにある場合は、ステップ212からステップ
213をループし、電源OFF要求でこのモードが解除
された場合はステップ215で電源がOFFされる。
【0139】ここで、レンズの温度情報の検出・補正
は、カメラの垂直同期周波数に合わせた60分の1秒や
50分の1秒だったり、ある固定の周波数や任意のタイ
ミングであったりしてもよく、温度変化による補正を行
うための必要な時間であれば特に限定するものではな
い。ただし、あまりに長時間間隔での補正の場合、温度
変化が激しい場合など、温度に対するバックフォーカス
位置の変化が生じ、ずれが生じるることになるため好ま
しくない事はいうまでもない。
【0140】また、本実施形態では、レンズの温度によ
るバックフォーカスの変動の補正を交換レンズの例で行
ったが、これに限らず、カメラと一体型のものであって
も同様な補正が行える。
【0141】(第3実施形態)本実施形態は、カメラ本
体のバックフォーカスの変動およびレンズ装置の温度変
化によるバックフォーカス変動の補正を合わせて行うも
のであり、図1〜図3に示した撮影システムを構成する
フロントフォーカス式交換レンズ装置を用いて説明を行
う。ただし、これらの説明は第1実施形態1にて行って
いるため省略する。
【0142】レンズのバックフォーカスの変動要因とレ
ンズ装置におけるバックフォーカスの補正制御方法につ
いて説明する。
【0143】カメラ本体のバックフォーカス変動要因と
しては、第1実施形態で述べたように、個々のカメラ本
体によって異なる、不図示のカメラマウントから緑色感
応CCD706のピント面までのフランジバックの距離
がある。
【0144】このフランジバック距離は個々のカメラに
よってばらつきがあるため、レンズとの組み合わせによ
ってはバックフォーカスの位置がずれてしまう。したが
って、本実施形態では、どのようなカメラ本体とレンズ
装置の組み合わせでも、バックフォーカスが適正な位置
にくるようにする。
【0145】また、カメラ本体内の温度変化によって
も、上記カメラマウントから緑色CCD706のピント
面までのフランジバック距離が変動してしまう。このた
め、カメラ本体からのフランジバック情報は、この温度
による変動も含めた情報である。なお、カメラ本体から
のフランジバック情報は、単位をmmとした値でも、何
らかの取り決められた値であってもよく、バックフォー
カス調整時に駆動量を換算できれば特に限定されない。
【0146】また、第2実施形態で述べたように、レン
ズのバックフォーカス変動要因として、これを構成する
鏡筒およびレンズの温度によるものがある。例えば、鏡
筒の伸縮によるレンズ間隔の変化に伴うバックフォーカ
ス位置の変動や、レンズ自体の温度による膨張・収縮に
よるバックフォーカスの変動である。特に、レンズとし
てガラスではなくプラスティックのような線膨張係数の
大きい材質を使用した場合は、より温度によるバックフ
ォーカス変動が顕著である。
【0147】ここで、カメラ本体のフランジバック距離
のばらつきおよび温度などの環境変化によるフランジバ
ック距離の変動、さらにはレンズ装置の温度によるバッ
クフォーカス位置の変動によってどのような問題が生じ
るのかを具体的に説明する。
【0148】例えば、レンズのフォーカスの距離指標が
2mを示しているにもかかわらず、実際のピント位置は
1mであったり無限であったりしてしまう。また、至近
端や無限端においてピントが合うところがなくなってし
まうなどという問題も生じ得る。
【0149】このため、従来のカメラのバックフォーカ
ス位置は厳密に調整されている。したがって、生産にお
ける所要時間や材質、管理などコスト的な負担が小さく
ない。また、温度による補正ができないため、レンズに
は予め無限に対して超無限余裕を多く持たせるなどして
いる。
【0150】また、オートフォーカス機能を有する場合
も、ベストピント位置がずれてしまったり検出できなか
ったりしてしまう。
【0151】また、ピントを固定した状態で放置した後
に撮影を行うような場合には、温度などの環境変化によ
るピント変動が生じてしまう。
【0152】このように、従来の交換レンズ型撮影シス
テムでは、バックフォーカスの変動に関して的確な対応
ができていないのが現状であり、環境変化に弱く、精度
も補償できず、低生産性、高コストといった製品上、極
めて好ましくない問題があるのである。
【0153】本実施形態は、このバックフォーカス変動
を考慮して、レンズマイコン514によりステッピング
モータ504を駆動制御するものである。
【0154】以下、図6のフローチャートを用いて、本
実施形態の撮影システムにおけるバックフォーカス変動
の補正(調整)動作について説明する。
【0155】まず、ステップ301で、カメラマイコン
709がカメラ本体の電源が撮影可能なモードでONさ
れたことを検知すると、ステップ302に進む。電源O
Nのモードには、VTRモードもあるが、この場合は必
ずしもステップ201を経なくてもよい。
【0156】ステップ302では、レンズマイコン51
4が、フォトインタラプタ505の信号が透光側か遮光
側かを読み取る。そして、ステップ303では、第5群
レンズ105を移動させるためにステッピングモータ5
04を駆動する。具体的には、フォトインタラプタ50
5の信号が透光側である場合には遮光側へ、遮光側であ
る場合には透光側に駆動する。
【0157】そして、ステップ304にて透光・遮光の
切り替わり位置を検出すると、ステップ305にて、ス
テッピングモータ504を停止させる。
【0158】次に、ステップ306では、レンズマイコ
ン514内に設けられたバックフォーカス調整のための
パルスカウンタをリセット値にする。このリセット値は
リセット動作により所定の値になるようにしておく。予
めEEPROM515に所定の値を記憶しておき、リセ
ット動作に伴って設定されるわうにしてもよい。バック
フォーカスを所定の位置に駆動する際に何らかの絶対的
な値が必要なためである。
【0159】続いて、ステップ307では、レンズマイ
コン514は、予めEEPROM515に記憶されてい
る、レンズの組立調整を行ったときにレンズが装着され
たカメラ本体のフランジバック情報を読み出す。
【0160】ステップ308では、レンズマイコン51
4は、カメラマイコン709からフランジバック情報を
受信する。
【0161】なお、カメラ本体から送られてくるフラン
ジバック情報は、カメラマイコン709の内部又は外部
に設けられた不図示の不揮発性メモリ(EEPROM
等)に予め記憶されており、温度によるフランジバック
の変動を温度情報から演算したり、予めデータテーブル
形式で記憶された情報を読み出したりしたものである。
【0162】続いて、ステップ309では、レンズマイ
コン514は、レンズの組立調整を行ったときのレンズ
の温度情報を読み出す。ステップ310では、レンズマ
イコン514はレンズの現在の温度情報を読み込む。
【0163】なお、レンズ調整時の温度情報は、EEP
ROM515等の書き換え可能なメモリに予め記憶され
ており、レンズマイコン514は、温度によるフランジ
バックの変動を、レンズ調整時の温度情報と現在の温度
情報とから補正するための演算を行う。
【0164】次に、ステップ311では、レンズマイコ
ン514は、ステップ307〜ステップ310で収集し
た情報に基づいて、第5群レンズ105のバックフォー
カス調整に最適な位置を演算してステッピングモータ5
04を駆動制御する。
【0165】以下、この演算内容について説明する。こ
こで、 レンズ調整時フランジバック情報 :FBadj 取付時カメラフランジバック情報 :FBnama レンズ調整時の温度情報 :Tadj 現在のレンズの温度情報 :Tnama 適正なバックフォーカス位置 :BFbp レンズ調整時バックフォーカス位置 :BFadj リセット位置 :BFrst パルス換算係数 :Pbf 温度係数 :TPbf リセット位置からの駆動量 :ΔBFrst とすると、現在の適正なバックフォーカス位置BFbp
は、 BFbp=BFadj+(FBnama−FBadj)
×Pbf+(Tnama−Tadj)×TPbf となる。
【0166】すなわち、適正なバックフォーカス位置B
Fbpは、レンズ調整時フランジバック情報FBadj
と取付時カメラフランジバック情報FBnamaとの差
分をパルス換算係数Pbfで乗じたものと、レンズ調整
時の温度情報Tadjと現在の温度情報Tnamaとの
差分に温度係数TPbfを乗じたものとをレンズ調整時
バックフォーカス位置BFadjに加えたものである。
【0167】ここで、パルス換算係数Pbfは、フラン
ジバック情報からパルス数に換算するための係数でフラ
ンジバック情報の形にあわせたものであればよい。ま
た、温度係数TPbfは、温度情報差からバックフォー
カスのステップ数がいくつかを算出するための単位あた
りのバックフォーカス移動量で、例えば温度1℃あたり
のバックフォーカス移動パルス数であったり、演算上都
合の良い単位あたりのバックフォーカスステップ数であ
ったりしてもよい。
【0168】また、この温度係数TPbfは、レンズの
敏感度やズーム位置やフォーカス位置などに応じてそれ
ぞれの値を持ってもよい。
【0169】また、リセット位置から適正なバックフォ
ーカス位置BFbpまでの駆動量ΔBFrstは、 ΔBFrst=BFbp−BFrst と求まる。
【0170】そして、駆動量ΔBFrstだけ、すなわ
ち適正なバックフォーカス位置BFbpまで第5群レン
ズ105の駆動を行い、ステップ312にてリセット動
作の完了となる。
【0171】続いて、ステップ313で、カメラマイコ
ン709は、撮影システムを撮影可能な待機状態(撮影
スタンバイモード)とする。
【0172】次に、ステップ314では、カメラマイコ
ン709は、カメラ本体内の温度をモニターし、温度変
化があったときはその温度に対応するカメラ本体側のフ
ランジバックの変動を含めたフランジバック情報をレン
ズマイコン514に送信する。レンズマイコン514は
この情報を受け取る。これは、CCD等のカメラ内部の
発熱体によるものや外部の撮影環境等による影響で変化
するものである。
【0173】ステップ315では、レンズマイコン51
4は、現在のレンズの温度情報を読み込む。これは、マ
イコン等のレンズ内部の発熱体によるものや外部の撮影
環境等による影響で変化するものである。
【0174】また、ステップ316では、レンズマイコ
ン514は、ステップ307で取得したレンズ調整時フ
ランジバック情報と、ステップ314にて取得した取付
時カメラバックフォーカス情報と、ステップ309で取
得したレンズ調整時の温度情報と、ステップ315にて
取得した現在のレンズの温度情報とに基づいてバックフ
ォーカス調整のための演算およびステッピングモータ5
04の駆動制御を行う。
【0175】以下、この演算内容について説明する。こ
こで、 前回までのバックフォーカス位置 :BF
past 現在のバックフォーカス位置からの駆動量 :ΔB
F とすると、求める適正なバックフォーカス位置BFbp
は、 BFbp=BFadj+(FBnama−FBadj)
×Pbf+(Tnama−Tadj)×TPbf となる。
【0176】すなわち、適正なバックフォーカス位置B
Fbpは、レンズ調整時フランジバック情報FBadj
と取付時カメラフランジバック情報FBnamaとの差
分にパルス換算係数Pbfを乗じたものと、レンズ調整
時の温度情報Tadjと現在のレンズの温度情報Tna
maとの差分に温度係数TPbfを乗じたものとをレン
ズ調整時バックフォーカス位置BFadjに加えたもの
である。
【0177】また、リセット位置から適正なバックフォ
ーカス位置BFbpまでの駆動量ΔBFは、 ΔBF=BFbp−BFpast と求まる。
【0178】そして、駆動量ΔBFだけ、すなわち適正
なバックフォーカス位置BFbpまで第5群レンズ10
5の駆動を行い、バックフォーカスの補正を行う。
【0179】ステップ317で撮影スタンバイモードに
ある場合は、ステップ314からステップ216をルー
プしており、電源OFFの要求でこのモードが解除され
た場合はステップ318で電源がOFFされる。
【0180】ここで、カメラのフランジバック情報の取
得およびレンズの温度情報の検出・補正は、カメラの垂
直同期周波数に合わせた60分の1秒(NTSC方式の
場合)や50分の1秒(PAL方式の場合)で行っても
よいし、ある固定の周波数や任意のタイミングで行って
もよく、温度変化による補正を行うために必要な時間で
あれば特に限定されない。
【0181】ただし、あまりに長時間間隔での補正の場
合、温度変化が激しい場合など、温度に対するバックフ
ォーカス位置の変化が生じ、ずれが生じることになるた
め、好ましくない。
【0182】(第4実施形態)図7には、本発明の第4
実施形態である撮影システムを構成するフロントフォー
カス式交換レンズ装置を示している。
【0183】このレンズ装置の基本構成は第1実施形態
にて説明したレンズ装置と同様であるので、ここでは、
第1実施形態のレンズ装置と異なるる部分についてのみ
説明する。
【0184】本実施形態のレンズ装置は、第5群レンズ
105をステッピングモータではなく、ボイスコイルユ
ニットにより駆動する。他の構造ならびにテレ・ワイド
調整方法は、第1実施形態と同じである。
【0185】この図において、601はマグネット、6
02は2群移動枠205に固定されたコイルである。6
03は上ヨーク、604は下ヨーク、605はマグネッ
ト601と上ヨーク603と下ヨーク604とを保持
し、固定鏡筒303に固定保持されたヨーク枠である。
【0186】606はリレーホルダー306に固定保持
されたMR(磁気)センサであり、607はMRセンサ
606に対向して5群移動枠205に固定保持されたマ
グネットシートである。
【0187】本実施形態におけるコイルユニットの駆動
原理はいわゆるリニアアクチュエータと同じである。す
なわち、コイル602に電流を流すことで発生する磁気
力により、5群移動枠205がコイル602と一体とな
って光軸方向に進退する。
【0188】マグネットシート607にはプラスとマイ
ナスとが光軸方向に交互に等ピッチで着磁されており、
5群移動枠205とともにMRセンサ606に対して光
軸方向に移動すると、その移動に応じたパルス信号がM
Rセンサ606出力される。これにより、レンズマイコ
ンにて5群移動枠205(第5群レンズ105)の位置
を検出することができる。なお、5群移動枠205の位
置検出の基準となる初期位置は、フォトインタラプタ5
05にて検出される透光・遮光の切り替わり位置であ
る。
【0189】なお、上記各実施形態では、レンズマイコ
ンによる自動バックフォーカス調整を行う場合について
説明したが、レンズ装置に自動バックフォーカス調整モ
ードとマニュアルバックフォーカス調整モードとの切り
換えスイッチを設け、マニュアルバックフォーカス調整
モードが設定されたときにはバックフォーカス調整操作
スイッチ等を通じて撮影者がアクチュエータを作動させ
ることができるものとし、撮影者が任意の位置に第5群
レンズ105を移動できるようにしてもよい。
【0190】また、上記各実施形態では、CCDにより
撮像を行う撮影システムについて説明したが、本発明
は、銀塩フィルムを使用する撮影システムにも適用でき
る。
【0191】
【発明の効果】以上説明したように、本願第1から第4
の発明によれば、レンズ装置の組立調整時に装着された
撮影装置のフランジバック情報とこのレンズ装置が(現
在)装着されている撮影装置のフランジバック情報との
差分や、レンズ装置の組立調整時における温度情報と使
用されているときの(現在の)温度情報との差分に基づ
いて自動的にバックフォーカス調整が行われるようにし
ているので、レンズ装置の組立調整時におけるバックフ
ォーカス位置の調整はある程度の範囲内で行えば足り、
メカ的および光学的な調整を大幅に省くことができる。
【0192】このため、従来見られたような、レンズの
フォーカスの距離指標の示す距離と実際のピント位置と
がずれたり、至近端や無限端においてピントが合うとこ
ろがなくなるという問題を解決することができる。さら
に、生産における所要時間や材質、管理などコスト的な
負担を大幅に縮小することができる。また、カメラのフ
ランジバック位置や温度による補正ができるため、レン
ズ装置に必要以上な超無限余裕を多く持たせる必要もな
くなる。また、オートフォーカス機能を有する場合にお
いて、ベストピント位置がずれてしまったり検出できな
かったりするというような問題も解決することができ
る。また、ピントを固定した状態で放置した後に撮影を
行う場合でも、温度などの環境変化によるピントズレを
補正できる。
【0193】しかも、組立調整時に装着された撮影装置
のフランジバック情報や組立調整時におけるレンズ装置
の温度情報を記憶手段に記憶させておくようにすれば、
高精度なバックフォーカス調整制御を行うことができ、
ユーザーにおけるバックフォーカス調整作業を不要とす
ることができるとともに、撮影システムの携帯機動性を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である撮影システムに用
いられるフロントフォーカス式交換レンズ装置の構成
図。
【図2】上記交換レンズ装置の構成図。
【図3】上記撮像システムの電気回路のブロック図。
【図4】上記撮像システムの動作フローチャート。
【図5】上記撮像システムの動作フローチャート。
【図6】上記撮像システムの動作フローチャート。
【図7】本発明の第4実施形態である撮影システムに用
いられるフロントフォーカス式交換レンズ装置の構成
図。
【図8】従来のフロントフォーカス式交換レンズ装置の
構成図。
【符号の説明】
101,1・・第1群レンズ 102,2・・第2群レンズ 103,3・・第3群レンズ 104,4・・第4群レンズ 105,5・・第5群レンズ 106,6・・第6群レンズ 201・・1群枠 202・・2群移動枠 203・・3群移動枠 204・・4群移動枠 205・・5群移動枠 206・・裏蓋 301・・フォーカスリング押さえ 302・・前蓋 303・・固定鏡筒 304・・フォーカスカム環 305・・ズームカム環 306・・リレーホルダー 307・・フォーカス操作リング 308・・フォーカスギヤリング 309・・中継環 310・・ズーム操作リング 311・・ズームギヤリング 312・・後部カバー 313・・レンズマウント 401・・フォーカスカムビス 402・・フォーカスカムコロ 403・・フォーカス連動ピン 404・・ズームZ連動ピン 405,406,417,418,419・・ガイドバ
ー 407・・フォーカスギヤシャフトユニット 408・・フォーカス軸受け 409・・FPギヤ 410・・バリエータカムビス 411・・バリエータカムコロ 412・・コンペカムビス 413・・コンペカムコロ 414・・ZPギヤ 415・・ズーム軸受け 416・・ズームギヤ 420・・ラック 421・・ZP台 422・・ZPナット 423・・ラックバネ 424・・FPナット 425・・接点ブロック 501・・IGメータユニット 502・・Fロータリーポテンショメータ 503・・フォーカスモータユニット 504・・ステッピングモータ 505・・フォトインタラプタ 506・・ズームロータリーポテンショメータ 507・・ズームモータユニット 508・・レンズ温度センサ 511・・フォーカスモータドライバ 512・・ズームモータドライバ 513・・バックフォーカスモータドライバ 514・・レンズマイコン 515・・EEPROM 520・・レンズ接点 601・・マグネット 602・・コイル 603・・上ヨーク 604・・下ヨーク 605・・ヨーク枠 606・・MRセンサ 607・・マグネットシート 701・・カメラ温度センサ 702・・赤色分光プリズム 703・・緑色分光プリズム 704・・青色分光プリズム 705・・赤色感応CCD 706・・緑色感応CCD 707・・青色感応CCD 708・・カメラ信号処理回路 709・・カメラマイコン 710・・カメラピン L00・・交換レンズユニット K00・・カメラ本体
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 7/10 G02B 7/10 Z G03B 17/14 G03B 17/14 H04N 5/232 A H04N 5/232 G02B 7/04 E Fターム(参考) 2H044 AC01 AH01 AH13 BE02 BE18 DA01 DB02 DC02 EC07 EC08 EF01 EF05 2H101 EE08 5C022 AB21 AB66 AC41 AC54 AC74 AC78

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影装置に着脱可能なレンズ装置であっ
    て、 バックフォーカスを調整するために移動可能なバックフ
    ォーカス調整レンズと、 このバックフォーカス調整レンズを駆動するアクチュエ
    ータと、 このレンズ装置が組立調整時に装着された撮影装置のフ
    ランジバック情報とこのレンズ装置が装着されている撮
    影装置のフランジバック情報との差分に基づいて前記ア
    クチュエータを駆動する制御手段とを有することを特徴
    とするレンズ装置。
  2. 【請求項2】 バックフォーカスを調整するために移動
    可能なバックフォーカス調整レンズと、 このバックフォーカス調整レンズを駆動するアクチュエ
    ータと、 このレンズ装置の組立調整時における温度情報と撮影に
    使用しているときの温度情報との差分に基づいて前記ア
    クチュエータを駆動する制御手段とを有することを特徴
    とするレンズ装置。
  3. 【請求項3】 撮影装置に着脱可能なレンズ装置であっ
    て、 バックフォーカスを調整するために移動可能なバックフ
    ォーカス調整レンズと、 このバックフォーカス調整レンズを駆動するアクチュエ
    ータと、 このレンズ装置の組立調整時における温度情報と使用し
    ているときの温度情報との差分に基づいて前記アクチュ
    エータを駆動する制御手段とを有することを特徴とする
    レンズ装置。
  4. 【請求項4】 撮影装置に着脱可能なレンズ装置であっ
    て、 バックフォーカスを調整するために移動可能なバックフ
    ォーカス調整レンズと、 このバックフォーカス調整レンズを駆動するアクチュエ
    ータと、 このレンズ装置が組立調整時に装着された撮影装置のフ
    ランジバック情報とこのレンズ装置が装着されている撮
    影装置のフランジバック情報との差分およびこのレンズ
    装置の組立調整時における温度情報と撮影に使用してい
    るときの温度情報との差分に基づいて前記アクチュエー
    タを駆動する制御手段とを有することを特徴とするレン
    ズ装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、このレンズ装置が組立
    調整時に装着された撮影装置のフランジバック情報とこ
    のレンズ装置が装着されている撮影装置のフランジバッ
    ク情報との差分およびこのレンズ装置の組立調整時にお
    ける温度情報と使用しているときの温度情報との差分の
    和に基づいて前記アクチュエータを駆動することを特徴
    とする請求項4に記載のレンズ装置。
  6. 【請求項6】 フロントフォーカス方式であることを特
    徴とする請求項1から5のいずれかに記載のレンズ装
    置。
  7. 【請求項7】 プラスチック製のレンズを有することを
    特徴とする請求項2から5のいずれかに記載のレンズ装
    置。
  8. 【請求項8】 このレンズ装置が組立調整時に装着され
    た撮影装置のフランジバック情報を記憶する記憶手段を
    有することを特徴とする請求項1又は4に記載のレンズ
    装置。
  9. 【請求項9】 このレンズ装置の組立調整時における温
    度情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請
    求項2から5のいずれかに記載のレンズ装置。
  10. 【請求項10】 前記制御手段は、このレンズ装置の初
    期化動作時に前記アクチュエータを駆動することを特徴
    とする請求項1から5のいずれかに記載のレンズ装置。
  11. 【請求項11】 前記制御手段は、このレンズ装置の撮
    影待機時に前記アクチュエータを駆動することを特徴と
    する請求項1から5のいずれかに記載のレンズ装置。
  12. 【請求項12】 前記制御手段は、焦点調節状態の検出
    のために前記バックフォーカス調整レンズを微小振幅動
    作させるよう前記アクチュエータを駆動することを特徴
    とする請求項1から5のいずれかに記載のレンズ装置。
  13. 【請求項13】 前記制御手段は、前記アクチュエータ
    を使用者の操作に応じて駆動する外部操作モードの設定
    が可能であることを特徴とする請求項1から5のいずれ
    かに記載のレンズ装置。
  14. 【請求項14】 前記制御手段は、このレンズ装置が組
    立調整時に装着された撮影装置のフランジバック情報を
    温度情報に応じて補正することを特徴とする請求項1,
    4又は5に記載のレンズ装置。
  15. 【請求項15】 請求項1,3,4および5に記載のレ
    ンズ装置が装着される撮影装置であって、前記レンズ装
    置に対してフランジバック情報を送信することを特徴と
    する撮影装置。
  16. 【請求項16】 請求項2に記載のレンズ装置を備えた
    ことを特徴とする撮影装置。
  17. 【請求項17】 請求項1から13のいずれかに記載の
    レンズ装置と、このレンズ装置が装着される撮影装置と
    から構成されることを特徴とする撮影システム。
JP2001326377A 2001-10-24 2001-10-24 レンズ装置、撮影装置および撮影システム Pending JP2003131103A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001326377A JP2003131103A (ja) 2001-10-24 2001-10-24 レンズ装置、撮影装置および撮影システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001326377A JP2003131103A (ja) 2001-10-24 2001-10-24 レンズ装置、撮影装置および撮影システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003131103A true JP2003131103A (ja) 2003-05-08

Family

ID=19142769

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001326377A Pending JP2003131103A (ja) 2001-10-24 2001-10-24 レンズ装置、撮影装置および撮影システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003131103A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005003968A (ja) * 2003-06-12 2005-01-06 Fuji Photo Film Co Ltd カメラ、交換レンズ、およびカメラボディ
JP2005227639A (ja) * 2004-02-16 2005-08-25 Canon Inc カメラ、カメラシステム及びレンズ装置
JP2005321696A (ja) * 2004-05-11 2005-11-17 Canon Inc レンズ鏡筒およびそれを有する光学機器
JP2006259520A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Canon Inc 光学機器
JP2006292835A (ja) * 2005-04-06 2006-10-26 Canon Inc 光学機器
JP2021012276A (ja) * 2019-07-05 2021-02-04 キヤノン株式会社 レンズ装置および撮像装置
JP2021086119A (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 キヤノン株式会社 レンズ装置および撮像装置
JP7483393B2 (ja) 2020-01-30 2024-05-15 キヤノン株式会社 レンズ装置および撮像装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005003968A (ja) * 2003-06-12 2005-01-06 Fuji Photo Film Co Ltd カメラ、交換レンズ、およびカメラボディ
JP2005227639A (ja) * 2004-02-16 2005-08-25 Canon Inc カメラ、カメラシステム及びレンズ装置
JP4663246B2 (ja) * 2004-02-16 2011-04-06 キヤノン株式会社 カメラ、カメラシステム及びレンズ装置
JP2005321696A (ja) * 2004-05-11 2005-11-17 Canon Inc レンズ鏡筒およびそれを有する光学機器
JP2006259520A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Canon Inc 光学機器
JP2006292835A (ja) * 2005-04-06 2006-10-26 Canon Inc 光学機器
JP2021012276A (ja) * 2019-07-05 2021-02-04 キヤノン株式会社 レンズ装置および撮像装置
JP7339792B2 (ja) 2019-07-05 2023-09-06 キヤノン株式会社 レンズ装置および撮像装置
JP2021086119A (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 キヤノン株式会社 レンズ装置および撮像装置
JP7483357B2 (ja) 2019-11-29 2024-05-15 キヤノン株式会社 レンズ装置および撮像装置
JP7483393B2 (ja) 2020-01-30 2024-05-15 キヤノン株式会社 レンズ装置および撮像装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4829380B2 (ja) 撮像装置
US8526806B2 (en) Imaging apparatus and imaging system
JP4444488B2 (ja) レンズ及び撮像システム
US7830422B2 (en) Lens apparatus, image-pickup apparatus, and image-pickup system
US20060257128A1 (en) Image sensing apparatus
US20060056831A1 (en) Digital camera
US9170395B2 (en) Lens apparatus, optical apparatus and camera
CN100428784C (zh) 数字照相机
JP2010085991A (ja) レンズ鏡筒および撮像装置
JP4181886B2 (ja) ズームレンズの制御装置および撮影システム
WO2010029698A1 (ja) カメラ本体および撮像装置
JP2010079250A (ja) レンズ鏡筒および撮像装置
JP5530498B2 (ja) レンズ鏡筒
JP2000184247A (ja) レンズ交換式デジタルカメラ
US8755128B2 (en) Image pickup lens, image pickup apparatus, and lens controlling method
JP2003131103A (ja) レンズ装置、撮影装置および撮影システム
JP5119089B2 (ja) レンズ鏡筒および撮像装置
JP2008129455A (ja) 撮像装置、制御方法、およびプログラム
JP2004094148A (ja) レンズ装置およびこれを備えた撮影装置
JP5590903B2 (ja) 撮像レンズ、撮像装置、及び撮像装置の制御方法
JP5111298B2 (ja) 撮像装置
JP2002006194A (ja) レンズ装置、撮像装置および撮像システム
JP5102146B2 (ja) レンズ鏡筒および撮像装置
JP5914798B2 (ja) レンズ鏡筒および撮像装置
JP5530496B2 (ja) レンズ鏡筒および撮像装置