JP2003130452A - ヒートポンプ式給湯器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒートポンプ式給湯器において、加熱効率の
悪化を防止して、ランニングコストの増加を低減できる
ヒートポンプ式給湯器を得る。 【解決手段】 ヒートポンプサイクルを用いて給湯用の
液体を加熱し、その加熱された液体を給湯器本体１の貯
湯タンク２上部より蓄え、貯湯タンク２下部より加熱源
であるヒートポンプ本体１０に戻し、貯湯タンク２下部
又はヒートポンプ本体１０に戻す液体の温度が貯湯温度
より低い予め設定された所定温度になると、加熱動作を
停止するヒートポンプ式給湯器において、昼間時間帯と
夜間時間帯とを判別する通電時間帯判別手段８ａと、昼
間時間帯の加熱動作停止温度Ｔ_２を夜間時間帯の加熱動
作停止温度Ｔ_１より低く変更する加熱動作停止温度変更
手段８ｂとを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はヒートポンプサイク
ルを利用したヒートポンプ式給湯器に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】最近、ＣＯ_２冷媒を使用するヒートポン
プ式給湯器が公知である。この給湯器では、沸き上げ温
度を９０℃以上の高温に加熱することができ、加熱効率
が高いという利点を有するが、貯湯タンク内の液体の温
度を衛生面より予め設定された所定温度以上にする必要
があり、ヒートポンプ本体に給水される液体の温度が高
くなると、加熱効率が低下する。図３は従来のヒートポ
ンプ式給湯器の構成図であり、図４はヒートポンプ本体
の構成図であり、図５は従来の沸き上げ制御動作のフロ
ーチャートである。

【０００３】図３において、１は給湯器本体、２は前記
本体１内に配設された貯湯タンク、３は前記貯湯タンク
２の下部と接続された給水配管、３ａはこの給水配管３
に設けられた減圧弁、４は前記貯湯タンク２の上部と接
続された給湯配管、４ａは逃し弁、５は前記貯湯タンク
２の外壁面に取り付けられ、貯湯タンク２内の水の温度
を検出する温度センサＡで、その温度センサＡ５を貯湯
タンク２の外壁面のある所定容量の位置に取り付けるこ
とにより、その取り付け位置の検出温度から前記貯湯タ
ンク２内の残湯量も検出する。６は前記貯湯タンク２の
下部配管に取り付けられ、ヒートポンプ本体の加熱動作
を停止するための温度を検出する温度センサＢである。

【０００４】７はヒートポンプ本体１０のヒートサイク
ルで発生した熱を貯湯タンク２内の水に置換するため、
冷水管１０ａと温水管１０ｂとにより貯湯タンク２内の
水をヒートポンプ本体１０との間で循環させる循環ポン
プである。貯湯タンク２下部に接続された冷水管１０ａ
より循環ポンプ７でヒートポンプ本体１０に水が供給さ
れ、ヒートポンプ本体１０で加熱された水を貯湯タンク
２の上部に接続された温水管１０ｂにより戻し貯湯タン
ク２内上部より貯湯する。

【０００５】８は前記貯湯タンク２内の水の沸き上げ、
及びヒートポンプの運転開始・停止を制御する制御部で
あり、前記温度センサＡ５、及び温度センサＢ６の検出
値と沸き上げ温度等を設定する操作部９からの入力値に
基づいて、前記ヒートポンプ本体１０への加熱動作開始
・停止及び循環ポンプ７の運転を制御する。

【０００６】図４おいて、ヒートポンプ本体１０のヒー
トポンプサイクルは圧縮機１１、給湯用熱交換器１２、
膨張弁１３、室外熱交換器１４、アキュームレータ１５
を順次冷媒配管１０ｃにより接続して構成されている。
ここで、室外熱交換器１４に吸熱するためにファン１６
が取り付けてあり、また、給湯用熱交換器１２は圧縮器
１１より吐出された高圧のガス冷媒と給湯用の水とを熱
交換するもので、冷媒が流れる冷媒通路１２ａと給湯用
の水が流れる給湯用水通路１２ｂを有する。

【０００７】次に、従来の沸き上げ制御動作について、
図５のフローチャートを用いて説明する。まず、沸き上
げ制御をスタートすると（Ｓ１）、制御部８で温度セン
サＡ５の取り付け位置の検出温度から貯湯タンク２内の
残湯量の有無を検出し（Ｓ２）、該残湯量が所定量（例
えば２００Ｌ）以下か否か判断され（Ｓ３）、残湯量が
所定量以上であれば、沸き上げを行わず、残湯量検出に
戻る（Ｓ２）。もし、残湯量が所定量以下（Ｓ３）であ
れば、制御部８の指示で循環ポンプ７、及びヒートポン
プサイクルを運転してヒートポンプ本体１０は一定の加
熱能力（例えば４．５ＫＷ）で加熱動作を開始し（Ｓ
４）、貯湯タンク２上部より操作部９で設定された沸き
上げ温度Ｔ℃（例えば９０℃）で湯を沸き上げる（Ｓ
５）。そして、温度センサＢ６が所定温度（例えば６０
℃）を検出すると（Ｓ８）、制御部８の指示でヒートポ
ンプ本体１０の加熱動作を停止させて（Ｓ１０）、沸き
上げ制御を終了する（Ｓ１１）。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】従来のヒートポンプ式
給湯器は、温度センサＡ５の取り付け位置の検出温度か
ら貯湯タンク２内の残湯量の有無を検出し、所定量以下
になると、ヒートポンプ本体１０の加熱動作を開始し、
温度センサＢ６の温度が予め設定された所定温度（例え
ば６０℃）以上になると、ヒートポンプ本体１０の加熱
動作を停止しているため、加熱動作停止前においては、
すべての沸き上げにおいて、ヒートポンプ本体１０に給
水される液体の温度が高く、加熱効率が悪化するという
問題点があった。

【０００９】本発明は、上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、沸き上げ時間帯に応じて加熱動
作停止温度を変更し、加熱効率の悪化を防止するように
したヒートポンプ式給湯器を提供することを目的とす
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項１記
載のヒートポンプ式給湯器は、ヒートポンプサイクルを
用いて給湯用の液体を加熱し、その加熱された液体を給
湯器本体の貯湯タンク上部より蓄え、貯湯タンク下部よ
り加熱源であるヒートポンプ本体に戻し、貯湯タンク下
部又はヒートポンプ本体に戻す液体の温度が貯湯温度よ
り低い予め設定された所定温度になると、加熱動作を停
止するヒートポンプ式給湯器において、昼間時間帯と夜
間時間帯とを判別する通電時間帯判別手段と、昼間時間
帯の加熱動作停止温度を夜間時間帯の加熱動作停止温度
より低くする加熱動作停止温度変更手段とを備えたもの
である。

【００１１】また、請求項２記載のヒートポンプ式給湯
器は、前記加熱動作停止温度変更手段は、加熱動作停止
温度を夜間時間帯は５５℃以上、昼間時間帯は４５℃以
下に変更するようにしたものである。

【００１２】

【発明の実施の形態】実施の形態１．図１は本発明の実
施の形態１を示すヒートポンプ式給湯器の構成図、図２
は本発明の実施の形態１における沸き上げ制御動作を示
すフローチャートである。なお、本発明の実施の形態１
におけるヒートポンプ本体の構成図は図４示した従来の
構成と同一であるため、説明を省略する。図１に示す本
発明の実施の形態１における構成図と図３に示す従来の
ヒートポンプ式給湯器の構成図とで異なる点は、本発明
の実施の形態１においては、制御部８の構成だけであ
る。すなわち、本発明の実施の形態１においては、制御
部８は、貯湯タンク２内の水の沸き上げ、及びヒートポ
ンプの運転開始・停止を制御する他に、通電時間帯（昼
間時間帯、夜間時間帯）を判別する通電時間帯判別手段
８ａと、通電時間帯判別手段８ａの判別結果に基づいて
ヒートポンプの加熱動作停止温度を変更する加熱動作停
止温度変更手段８ｂとを備えている。

【００１３】本実施の形態１におけるヒートポンプ式給
湯器の沸き上げ制御動作について、図２のフローチャー
トを用いて説明する。なお、従来例と同一または相当部
分については説明を省略する。

【００１４】まず、沸き上げ制御をスタートすると（Ｓ
１）、制御部８で温度センサＡ５の取り付け位置の検出
温度から貯湯タンク２内の残湯量の有無を検出し（Ｓ
２）、該残湯量が所定量（例えば２００Ｌ）以下か否か
判断され（Ｓ３）、残湯量が所定量以上であれば、沸き
上げを行わず、残湯量検出に戻る（Ｓ２）。もし、残湯
量が所定量以下（Ｓ３）であれば、制御部８の指示で循
環ポンプ７、及びヒートポンプサイクルを運転してヒー
トポンプ本体１０は一定の加熱能力（例えば４．５Ｋ
Ｗ）で加熱動作を開始し（Ｓ４）、貯湯タンク２上部よ
り操作部９で設定された沸き上げ温度Ｔ℃（本例の場合
は、９０℃）で湯を沸き上げる（Ｓ５）。ここで、制御
部８の通電時間帯判別手段８ａが通電時間帯を検出する
（Ｓ６）。通電時間帯とは昼間時間帯の朝７時から夜１
１時までと、夜間時間帯の夜１１時から翌朝７時までを
いう。そして、夜間時間帯か否か判断され、夜間時間帯
の場合は（Ｓ７）、制御部８に設けられた加熱動作停止
温度変更手段８ｂによって加熱動作停止温度がＴ_１（本
例の場合は、６０℃）に設定され、温度センサＢ６が加
熱動作停止温度Ｔ_１を検出すると（Ｓ８）、制御部８の
指示でヒートポンプ本体１０の加熱動作を停止させて
（Ｓ１０）、沸き上げ制御を終了する（Ｓ１１）。一
方、昼間時間帯の場合は（Ｓ７）、前記加熱動作停止温
度変更手段８ｂによって加熱動作停止温度がＴ_２（本例
の場合は、４０℃）に設定され、温度センサＢ６が加熱
動作停止温度Ｔ_２を検出すると（Ｓ９）、制御部８の指
示でヒートポンプ本体１０の加熱動作を停止させて（Ｓ
１０）、沸き上げ制御を終了する（Ｓ１１）。ここで、
昼間時間帯の加熱動作停止温度Ｔ_２は、深夜時間帯の加
熱動作停止温度Ｔ_１よりも必ず低く設定される。

【００１５】このように、本実施の形態１によれば、深
夜時間帯の沸き上げにおいては、これまでと同じように
加熱動作停止温度Ｔ_１は６０℃に設定され、６０℃以上
にタンク全量を沸き上げるので、衛生面上、確実にレジ
オネラ症の防止ができ、一方、昼間時間帯の沸き上げに
おいては、夜間時間帯の加熱動作停止温度Ｔ_１よりも低
いヒートポンプの加熱動作停止温度Ｔ_２に変更するの
で、加熱効率の悪化を防止できる。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、本発明に係る請求項１の
ヒートポンプ式給湯器によれば、所定温度以上にタンク
全量を沸き上げてからヒートポンプの運転を停止し、一
方、昼間時間帯の沸き上げにおいては、夜間時間帯より
ヒートポンプの加熱動作停止温度を低くして運転するの
で、加熱効率の悪化を防止でき、ランニングコストの増
加を低減できる。

【００１７】また、請求項２のヒートポンプ式給湯器に
よれば、衛生面上、深夜時間帯のヒートポンプの加熱動
作停止温度Ｔ_１を５５℃以上とすることで、確実にレジ
オネラ症の防止ができ、一方、昼間時間帯のヒートポン
プの加熱動作停止温度Ｔ_２を４５℃以下とすることで、
加熱効率の悪化を確実に防止でき、ランニングコストの
増加を低減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施の形態１を示すヒートポンプ式
給湯器の構成図である。

【図２】 本発明の実施の形態１を示す沸き上げ制御動
作のフローチャートである。

【図３】 従来のヒートポンプ式給湯器の構成図であ
る。

【図４】 従来のヒートポンプ本体の構成図である。

【図５】 従来のヒートポンプ式給湯器の沸き上げ制御
動作のフローチャートである。

【符号の説明】

１ 給湯器本体、２ 貯湯タンク、５ 温度センサＡ、
６ 温度センサＢ、８制御部、８ａ 通電時間帯判別手
段、８ｂ 加熱動作停止温度変更手段、１０ヒートポン
プ本体。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野本 宗 東京都千代田区丸の内二丁目２番３号 三 菱電機株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヒートポンプサイクルを用いて給湯用の
   液体を加熱し、その加熱された液体を給湯器本体の貯湯
   タンク上部より蓄え、貯湯タンク下部より加熱源である
   ヒートポンプ本体に戻し、貯湯タンク下部又はヒートポ
   ンプ本体に戻す液体の温度が貯湯温度より低い予め設定
   された所定温度になると加熱動作を停止するヒートポン
   プ式給湯器において、昼間時間帯と夜間時間帯とを判別
   する通電時間帯判別手段と、昼間時間帯の加熱動作停止
   温度を夜間時間帯の加熱動作停止温度より低く変更する
   加熱動作停止温度変更手段とを備えていることを特徴と
   するヒートポンプ式給湯器。
2. 【請求項２】 前記加熱動作停止温度変更手段は、ヒー
   トポンプの加熱動作停止温度を、夜間時間帯は５５℃以
   上、昼間時間帯は４５℃以下に変更することを特徴とす
   る請求項１記載のヒートポンプ式給湯器。