JP2003130163A - トロイダル形無段変速機 - Google Patents

トロイダル形無段変速機

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JP2003130163A
JP2003130163A JP2001322353A JP2001322353A JP2003130163A JP 2003130163 A JP2003130163 A JP 2003130163A JP 2001322353 A JP2001322353 A JP 2001322353A JP 2001322353 A JP2001322353 A JP 2001322353A JP 2003130163 A JP2003130163 A JP 2003130163A
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outer ring
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bearing
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Tomonobu Yoshikawa
朋伸 吉川
Yasuo Murakami
保夫 村上
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】パワーローラ外輪の耐久性を向上させて高トル
ク下でも長寿命となるトロイダル形無段変速機を提供す
る。 【解決手段】入出力ディスク1,2間に設けられた動力
伝達用のパワーローラ6と、このパワーローラ6に転動
体10を介して接触してパワーローラ6を支持したパワ
ーローラ外輪9とを備え、前記パワーローラ外輪9がパ
ワーローラ6と対向するベアリング面に前記転動体10
が嵌合する溝部9aを有しているトロイダル形無段変速
機において、前記パワーローラ外輪9は、浸炭窒化処理
後に仕上げ加工され、その加工後におけるベアリング面
溝部の表面炭素濃度C1が0.8〜1.4%、表面窒素濃度N1
が0.05〜0.4%で、背面部の表面炭素濃度C2が0.9〜1.4
%、表面窒素濃度N2が0.05〜0.4%であり、かつC1+N1
<C2+N2で、そのベアリング面溝部および背面部の各
々の表面硬さがHv 650以上となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トロイダル形無段
変速機、特に自動車などの車両に搭載されるトロイダル
形無段変速機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】トロイダル形無段変速機は、そのハウジ
ング内に図1に示すように入力ディスク1と出力ディス
ク2とが同軸上に対向配置された構造となっている。こ
の入力ディスク1および出力ディスク2を有するトロイ
ダル変速部の軸心部分には、入力軸3が貫挿されてい
る。
【0003】この入力軸3の一端部には、ローディング
カム4が配設されている。そして、このローディングカ
ム4がカムローラ5を介して入力軸3の回転の動力を入
力ディスク1に伝達するようになっている。
【0004】前記入力ディスク1および出力ディスク2
は、略同一形状を有して対称的に配設され、それらの対
向面が軸方向断面から見て略半円形となるようなトロイ
ダル面となっている。そして、前記入力ディスク1およ
び出力ディスク2のトロイダル面で形成されるトロイダ
ルキャビティ内に、入力ディスク1および出力ディスク
2に転接する一対の動力伝達用のパワーローラ6が配設
されている。
【0005】各パワーローラ6は、トラニオン7の内面
部にピボット軸8を介して回転自在に支持されている。
トラニオン7の内面にはパワーローラ6と対向してパワ
ーローラ外輪9が設けられ、このパワーローラ外輪9と
パワーローラ6との間にスラストベアリングを構成する
鋼球等からなる複数の転動体10が設けられている。
【0006】パワーローラ6の背面と対向するパワーロ
ーラ外輪9の表面のベアリング面には溝部9aが環状に
形成され、またパワーローラ6の背面には前記溝部9a
に対向する溝部6aが環状に形成され、これら外輪9の
溝部9aとパワーローラ6の溝部6aとの間に前記各転
動体10が配置し、パワーローラ6の回転に伴って各転
動体10が溝部6a,9aに沿って転動するようになっ
ている。
【0007】トラニオン7はピボット軸8と直角の方向
に延びる枢軸7aを有し、この枢軸7aが入力ディスク
1および出力ディスク2におけるトロイダル面の中心と
なる位置に配置し、この枢軸7aを中心にしてトラニオ
ン7と一体的にパワーローラ6が傾転するようになって
いる。
【0008】パワーローラ6と入出力ディスク1,2と
の接触面には粘性摩擦抵抗の大きい潤滑油が供給され、
パワーローラ6と入出力ディスク1,2との間での動力
伝達がその潤滑油膜を介して行なわれるようになってい
る。
【0009】なお、入出力ディスク1,2は、入力軸3
に対してそれぞれ複数のニードル11を介して回転自在
に支持され、また入力軸3には出力ディスク2に連動し
て回転する出力軸12がアンギュラ軸受13を介して回
転自在に支持されている。
【0010】このトロイダル形無段変速機では、入力軸
3の回転の動力がローディングカム4に伝達される。そ
してローディングカム4の回転によりその動力がカムロ
ーラ5を介して入力ディスク1に伝達され、この入力デ
ィスク1の回転の動力がパワーローラ6を介して出力デ
ィスク2に伝達され、この出力ディスク2と一体的に出
力軸12が回転する。
【0011】変速時には、トラニオン7を枢軸7aの軸
方向に微小距離移動させる。このトラニオン7の軸方向
の移動に応じてパワーローラ6の回転の軸と、入力ディ
スク1および出力ディスク2の軸との交差がわずかに外
れ、これに応じてパワーローラ6の回転周速度と、入力
ディスク1の回転周速度との均衡が崩れ、かつ入力ディ
スク1の回転駆動力の分力によってパワーローラ6がト
ラニオン7と一体に枢軸7aの軸回り方向に傾転する。
このため、パワーローラ6と入出力ディスク1,2のト
ロイダル面との接触位置が変化し、この結果、入力ディ
スク1と出力ディスク2との回転の速度比が変わり、減
速または増速が行われる。
【0012】このような構造のトロイダル形無段変速機
としては、例えば実公平2−49411号公報等に開示されて
いる。また、前記のような入力ディスク、出力ディスク
およびパワーローラとしては、『NASA Technical note
NASA ATN D−8362』に記載されているようにAISI 52100
(JIS SUJ2、高炭素クロム軸受鋼相当)の材料を使用し
た例があり、特開平9−79336に記載されているようにCr
を含有する機械構造用鋼であるSCM420に浸炭窒化処理を
施した例も知られている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述したトロイダル形
無段変速機は、駆動した際に、入出力ディスクとパワー
ローラとの間、パワーローラおよびパワーローラ外輪と
転動体の間に高い接触圧力が生じる。この高い接触応力
は軌道面の転動疲労寿命を短いものとする。
【0014】また、入出力ディスクとパワーローラとの
間、さらにはパワーローラおよびパワーローラ外輪と転
動体との間に介在する潤滑油の発熱による接触面の温度
上昇は表面硬度の低下を引き起こし、転動疲労寿命を低
下させる。
【0015】このため高接触面圧および高温における転
動疲労寿命の向上を目的として、入出力ディスク、パワ
ーローラ、パワーローラ外輪に浸炭または浸炭窒化処理
を施して表面の高温硬度低下を防ぐことが行われてい
る。
【0016】十分な高温硬度を得るためには表面近傍の
炭素濃度、窒素濃度を十分に高くする必要がある。しか
しながら炭素濃度、窒素濃度が高くなると、熱処理時に
表面組織に炭化物が析出し、これが原因となって転動疲
労寿命が著しく低下するという問題がある。
【0017】特開平10−184836号においては、パワーロ
ーラ外輪のベアリング面溝部の表面炭素濃度が、ベアリ
ング溝裏面部(外輪背面部)の表面炭素濃度と同等以上
であり、かつベアリング面溝部の有効硬化層深さがベア
リング溝裏面部の有効硬化層深さと同等以上とすること
により、高温、高面圧下での転動疲労寿命が向上すると
述べられている。
【0018】パワーローラ外輪のベアリング面は高温、
高面圧で転動体と転がり接触をするため、表面炭素濃
度、窒素濃度を高い値に維持することが必要である。一
方、ベアリング面の裏面側はニードルベアリングあるい
は滑り軸受と接触するが、面圧および繰返し数はベアリ
ング部に比べ圧倒的に少なく、表面炭素濃度、窒素濃度
が多少低くても、耐久性や性能には影響しないと述べら
れている。さらに実施例において、ベアリング面溝部の
表面炭素濃度を0.8〜1.05%、ベアリング溝裏面部の表
面炭素濃度を0.5〜0.8%とすることによりベアリング面
の転動疲労寿命が向上したと述べられている。
【0019】しかしながら、高トルク仕様車へトロイダ
ル形無段変速機を適用した場合、ベアリング溝裏面部の
表面炭素濃度が0.5〜0.8%では耐久性が十分ではないこ
とが分かった。このことはパワーローラ外輪がピボット
軸に対して円周方向に固定されずに回転する際に問題と
なる。
【0020】変速時、特に始動時にパワーローラ外輪の
回転運動は起こるが、この際、パワーローラ外輪背面と
ニードルベアリングあるいは滑り軸受との接触部におい
ては高面圧となる。元来、パワーローラ外輪背面と、ニ
ードルベアリングあるいは滑り軸受との接触部の、転が
り運動あるいは滑り運動は設計時において考慮しなくて
もよい項目であった。そのため潤滑油はピボット軸とト
ラニオンとの接合部あるいはパワーローラ軸受からの供
給に限られていた。そのため高トルク下で使用した場合
に、このパワーローラ外輪背面部において、潤滑油不足
となり著しく摩耗する場合があった。
【0021】また、パワーローラ外輪の熱処理時にベア
リング軌道面下に生成した初析が、研削加工時に十分に
取り除かれなかった場合に、摩耗量が多くなるばかりで
はなく、転動疲労寿命が低下するという結果も生じてい
る。
【0022】本発明はこのような従来の問題点を解決す
るためになされたものであり、パワーローラ外輪の耐久
性を向上させて高トルク下でも長寿命となるトロイダル
形無段変速機を提供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】このような目的を達する
ために、請求項1に記載の発明は、 同軸上に対向配置
された入力ディスクおよび出力ディスクと、これら入出
力ディスク間に設けられた動力伝達用のパワーローラ
と、このパワーローラに転動体を介して接触してパワー
ローラを支持したパワーローラ外輪とを備え、前記パワ
ーローラ外輪は、パワーローラと対向するベアリング面
に前記転動体が嵌合する溝部を有するトロイダル形無段
変速機において、前記パワーローラ外輪は、浸炭処理後
に仕上げ加工され、その加工後におけるベアリング面溝
部の表面炭素濃度C1が0.8〜1.4%で、背面部の表面炭
素濃度C2が0.9〜1.4%であり、かつC1<C2で、そのベ
アリング面溝部および背面部の各々の表面硬さがHv 65
0以上であることを特徴としている。
【0024】また請求項2に記載の発明は、同軸上に対
向配置された入力ディスクおよび出力ディスクと、これ
ら入出力ディスク間に設けられた動力伝達用のパワーロ
ーラと、このパワーローラに転動体を介して接触してパ
ワーローラを支持したパワーローラ外輪とを備え、前記
パワーローラ外輪は、パワーローラと対向するベアリン
グ面に前記転動体が嵌合する溝部を有するトロイダル形
無段変速機において、前記パワーローラ外輪は、浸炭窒
化処理後に仕上げ加工され、その加工後におけるベアリ
ング面溝部の表面炭素濃度C1が0.8〜1.4%、表面窒素濃
度N1が0.05〜0.4%で、背面部の表面炭素濃度C2が0.9
〜1.4%、表面窒素濃度N2が0.05〜0.4%であり、かつC1
+N1<C2+N2で、そのベアリング面溝部および背面部
の各々の表面硬さがHv 650以上であることを特徴とし
ている。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明は、上述のような手段を採
ることにより、パワーローラ外輪の耐久性が向上し、高
トルク下においても長寿命となるトロイダル形無段変速
機を得ることができる。以下にその理由を述べる。
【0026】前述のように、パワーローラ外輪はベアリ
ング面溝部の高温・高面圧下での転動疲労寿命だけでな
く、外輪背面部の耐摩耗性も重要な要素となってくる。
高温・高面圧下における転動疲労寿命および耐摩耗性向
上のためには、ベアリング面溝部および外輪背面部の炭
素濃度、窒素濃度を十分に高くする必要がある。
【0027】浸炭あるいは浸炭窒化処理を行った場合
に、十分な転動疲労寿命を得るためには炭素濃度を少な
くとも0.8%以上にする必要があり、十分な耐摩耗性を得
るためには0.9%以上にする必要がある。炭素濃度が0.8%
未満であると転動疲労寿命に必要である硬さHv 650以
上を得ることができない。また、炭素濃度が0.9%未満で
は耐摩耗性を得ることができない。
【0028】炭素濃度が1.4%以上であると熱処理時に炭
化物の析出が著しい場合があり、その場合、転動疲労、
摩耗特性のいずれも低下してしまう。
【0029】浸炭窒化処理を行った場合、特に高温時に
転動疲労寿命の向上、および耐摩耗特性の向上が見られ
るが、窒素濃度が0.05%未満ではその効果が十分でな
く、0.4%以上では研削性が著しく低下してしまう。
【0030】パワーローラ外輪は浸炭あるいは浸炭窒化
処理を行った後に研削仕上げ加工を行う。熱処理をした
ままの場合、表面の炭素濃度、表面の窒素濃度が最も高
くなっている。この濃度はパワーローラ外輪の角部など
を除いてほぼ均一となっている。この表面炭素濃度、表
面窒素濃度は熱処理時の雰囲気制御により、あるばらつ
きの範囲内に制御することが可能である。
【0031】しかしながら、熱処理後に仕上げ加工を行
うために、表面の炭素濃度、窒素濃度は熱処理をしたま
まのときと比較して減少する。ベアリング面溝部におい
て、熱処理時に生成する熱処理異常層や初析フェライト
は転動疲労寿命を低下させてしまうために、これを仕上
げ加工時に取り除く必要がある。
【0032】これに対し、外輪背面部においては、熱処
理異常層、炭化物よりも、炭素濃度の低下による耐摩耗
性の低下が問題となる。すなわち熱処理時に0.9%以上の
炭素濃度であったとしても、仕上げ加工後に0.9%未満と
なった外輪背面部は、高温度、高面圧下における摩耗特
性が低下してしまうため、熱処理後の加工取りしろを大
きくとってはならない。
【0033】したがってパワーローラ外輪の仕上げ加工
時には、まず外輪背面部に研削仕上げを行い、その後ベ
アリング面溝部の加工を行うことが望ましい。ベアリン
グ面溝部の研削仕上げ時には熱処理異常層、初析フェラ
イトを取り除くに十分な加工取りしろを設定することが
必要である。熱処理時には、研削仕上げ後に表面炭素濃
度が0.8%以上、表面窒素濃度が0.05%以上になるよう
に、ベアリング面溝部の浸炭層深さあるいは浸炭窒化層
深さを十分にとっておくことが必要である。
【0034】このようにすることにより、ベアリング面
溝部の転動疲労寿命、および外輪背面部の摩耗特性のい
ずれも十分に得られるとともに、プレスクエンチ等を行
う必要がないため、製造コストの面からも有利となる。
そしてパワーローラ外輪の耐久性が向上することによ
り、高トルク下においても長寿命となるトロイダル形無
段変速機を得ることができる。
【0035】
【実施例】次に本発明の具体的な実施例について説明す
る。
【0036】
【表1】
【0037】表1に示す成分組成からなる鋼を用いてパ
ワーローラ外輪を製造した。そしてそのパワーローラ外
輪に対し、図2に示す熱処理条件で有効硬化層深さが1.
0mm以上となるような浸炭または浸炭窒化処理を行っ
た。この熱処理後、パワーローラ外輪に対し研削仕上げ
加工を行った。
【0038】研削加工においては背面部の取りしろを変
え、背面部とベアリング面溝底部との厚さが一定になる
ように加工を行った。これにより背面部の取りしろに応
じて、ベアリング面溝部の取りしろが変化した。
【0039】1ロットあたり30個のパワーローラ外輪
を作成した。30個の中から任意の10個を抜出し、ベ
アリング面溝部および背面部の表面炭素濃度、表面窒素
濃度および表面硬さを測定し、さらにミクロ組織の観察
を行った。
【0040】測定の結果、ロット内における表面炭素濃
度、表面窒素濃度および表面硬さのばらつきは小さいも
のであることを確認した。また表面炭素濃度が1.4%を超
える外輪では炭化物の析出が著しかった。さらに表面窒
素濃度が0.4%を超える外輪では、仕上げ加工時の加工性
が他に比べて劣っていた。
【0041】トロイダル形無段変速機の他の部品につい
ては、量産品を引き当ててユニットを組み立て、その組
み立てたトロイダル形無段変速機に対して耐久試験機に
より試験を行なって評価した。
【0042】試験は以下の条件で行った。 入力軸の回転速度 500〜4000min−1 (サイン波により変動) 入力トルク 150〜380Nm (サイン波により変動) 使用オイル 合成潤滑油 供給油温 130℃ 次の表2には、パワーローラ外輪の表面炭素濃度、表面
窒素濃度、表面硬さ、および試験時間と破損部位につい
て示してある。
【0043】
【表2】
【0044】浸炭処理を行なった実施例1,2,5,6
では、いずれも178〜240hrに達するまで未破損で、それ
以後にベアリング面溝部に剥離が生じた。また、浸炭窒
化処理を行なった実施例3,4,7,8では、300hrま
で試験を行なったが、いずれも未破損に終わった。
【0045】比較例1と5は背面部の表面炭素濃度が0.
9%未満であるが、48hrと52hrで背面部の摩耗が激しく
なり、試験の続行が不可能となった。比較例2と6は、
ベアリング面溝部の硬さがHv 650未満であり、83hrと7
8hrで剥離を生じた。比較例3と7は、表面炭素濃度が
1.4%以上であり、組織を観察すると炭化物の析出が著
しく、試験においても短時間で剥離に至った。
【0046】比較例4と8は、表面窒素濃度が0.05%未
満であり、窒化による寿命延長効果が見られなかった。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、パ
ワーローラ外輪の耐久性が向上し、高トルク下において
も長寿命であるトロイダル形無段変速機を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トロイダル形無段変速機の構造を示す断面図。
【図2】本発明の実施例における熱処理条件を示す図。
【符号の説明】
1…入力ディスク 2…出力ディスク 3…入力軸 6…パワーローラ 6a…溝部 7…トラニオン 8…ピボット軸 9…パワーローラ外輪 9a…溝部 10…転動体 12…出力軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J051 AA03 BA03 BD02 BE09 CA05 CB07 EC03 FA02 3J101 AA53 AA62 AA90 BA55 BA70 DA02 EA02 FA31 GA11 4K028 AA01 AA03 AB01 AC08 4K042 AA20 AA22 AA23 BA03 BA04 CA06 CA08 CA15 DA01 DA06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同軸上に対向配置された入力ディスクおよ
    び出力ディスクと、これら入出力ディスク間に設けられ
    た動力伝達用のパワーローラと、このパワーローラに転
    動体を介して接触してパワーローラを支持したパワーロ
    ーラ外輪とを備え、前記パワーローラ外輪は、パワーロ
    ーラと対向するベアリング面に前記転動体が嵌合する溝
    部を有するトロイダル形無段変速機において、 前記パワーローラ外輪は、浸炭処理後に仕上げ加工さ
    れ、その加工後におけるベアリング面溝部の表面炭素濃
    度C1が0.8〜1.4%で、背面部の表面炭素濃度C2が0.9
    〜1.4%であり、かつC1<C2で、そのベアリング面溝部
    および背面部の各々の表面硬さがHv 650以上であるこ
    とを特徴とするトロイダル形無段変速機。
  2. 【請求項2】同軸上に対向配置された入力ディスクおよ
    び出力ディスクと、これら入出力ディスク間に設けられ
    た動力伝達用のパワーローラと、このパワーローラに転
    動体を介して接触してパワーローラを支持したパワーロ
    ーラ外輪とを備え、前記パワーローラ外輪は、パワーロ
    ーラと対向するベアリング面に前記転動体が嵌合する溝
    部を有するトロイダル形無段変速機において、 前記パワーローラ外輪は、浸炭窒化処理後に仕上げ加工
    され、その加工後におけるベアリング面溝部の表面炭素
    濃度C1が0.8〜1.4%、表面窒素濃度N1が0.05〜0.4%
    で、背面部の表面炭素濃度C2が0.9〜1.4%、表面窒素濃
    度N2が0.05〜0.4%であり、かつC1+N1<C2+N2で、
    そのベアリング面溝部および背面部の各々の表面硬さが
    Hv 650以上であることを特徴とするトロイダル形無段
    変速機。
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