JP2003129672A - 構造物の表面補強方法および表面補強構造物 - Google Patents

構造物の表面補強方法および表面補強構造物

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Meiji Goto
明治 後藤
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僚三 福崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 その表面にわれや剥がれが生じ難く、かつ、
不燃性を要求される構造物に適用可能な構造物の表面補
強方法および不燃性を有する表面補強構造物を提供す
る。 【解決手段】 構造物1の表面に熱硬化性樹脂と強化繊
維とを用いて補強層2を形成し、上記補強層の表面にそ
の硬化物が不燃性を示す無機シリコーン塗料の塗膜層3
を形成する構造物1の表面補強方法および構造物1の表
面に熱硬化性樹脂と強化繊維とを用いた補強層2を形成
し、上記補強層2の表面にその硬化物が不燃性を示す無
機シリコーン塗料の塗膜層3を形成した不燃性を有する
表面補強構造物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート構造
物や鋼構造物等の構造物の表面補強方法および表面補強
構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】土木・建築分野におけるトンネル、ダ
ム、煙突、橋脚、道路橋床板などの既存の構造物、特に
コンクリート構造物は、長年にわたる使用による老朽・
劣化及び地震などの損傷による強度低下のため、剥落等
の問題が生じており、構造物の表面補強が必要となる例
が増えている。
【0003】一般的なコンクリート構造物の表面補強方
法としては、炭素繊維やアラミド繊維等の強化繊維にエ
ポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させたいわゆるプリ
プレグをコンクリート構造物に接着させて、その後、熱
硬化性樹脂を硬化させて、強化する方法等(特開平3−
224966号公報、特開平7−34677号公報等参
照)が知られている。
【0004】ところが、上記、熱硬化性樹脂と強化繊維
とを用いて補強層を形成する表面補強方法は、熱硬化性
樹脂及び強化繊維が可燃性であるため、構造物が不燃で
あることを要求されるトンネル内等の構造物の表面補強
には、適用することができないという問題があった。
【0005】なお、一般に不燃性を有するモルタル等を
上記補強層の表面に形成することで、不燃化をはかるこ
とも考えられるが、モルタル等はわれや剥がれを起こし
やすいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたものであり、その表面にわれや剥がれが
生じ難くて、かつ、不燃性を要求される構造物に適用可
能な構造物の表面補強方法および不燃性を有する表面補
強構造物を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の構
造物の表面補強方法は、構造物の表面に熱硬化性樹脂と
強化繊維とを用いて補強層を形成した後、上記補強層の
表面にその硬化物が不燃性を示す無機シリコーン塗料の
塗膜層を形成することを特徴としている。
【0008】なお、ここで、その硬化物が不燃性を示す
無機シリコーン塗料とは、建築用コンクリートブロック
(JIS−A5406)を5×150×70mmのコン
クリート板とし、その上面に無機シリコーン塗料を塗布
した後、硬化させて、膜厚が60μmの塗膜層を形成
し、その塗膜面を1.0〜1.5kJ/hに調整された
ガスコンロ上の炎に15秒間曝しても燃えることのない
塗膜層を形成する無機シリコーン塗料のことをいうもの
とする。そして、シロキサン結合(Si−O−Si結
合)を主鎖とし、主にシラノール縮合により硬化して塗
膜層を形成する塗料が、本発明でいう無機シリコーン塗
料である。
【0009】請求項2に係る発明の構造物の表面補強方
法は、請求項1記載の表面補強構造物において、上記構
造物がコンクリート構造物であることを特徴としてい
る。
【0010】請求項3に係る発明の構造物の表面補強方
法は、請求項1又は請求項2記載の表面補強構造物にお
いて、上記強化繊維がシート状であることを特徴として
いる。
【0011】請求項4に係る発明の構造物の表面補強方
法は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の表面補
強構造物において、上記無機シリコーン塗料が一般式R
Si(OR)3 (但し、Rは同一又は異種の1価の炭化
水素基を示す)で表される3官能アルコキシシランの加
水分解物を含むことを特徴としている。
【0012】請求項5に係る発明の構造物の表面補強方
法は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の表面補
強構造物において、上記補強層を形成した後に、上記補
強層と上記塗膜層との中間の位置に接着性を有するプラ
イマー層を形成し、次いで、上記塗膜層を形成すること
を特徴としている。
【0013】請求項6に係る発明の表面補強構造物は、
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の構造物の表面
補強方法によって、表面補強をしていることを特徴とし
ている。
【0014】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係る構造物の表面
補強方法の実施形態について説明する。
【0015】本発明の表面補強方法においては、表面が
劣化した構造物の表面に、熱硬化性樹脂と強化繊維から
なる補強層を形成した後、その補強層の表面に、さらに
その硬化物が不燃性を示す無機シリコーン塗料の塗膜層
を形成して、表面が補強された不燃性の表面補強構造物
を得る。
【0016】本発明の表面補強方法においては、例え
ば、図1に示すように、補強層2は、熱硬化性樹脂と強
化繊維を予め混合し、それを構造物1の表面に塗布した
後、熱硬化性樹脂を硬化させて形成することができる。
熱硬化性樹脂としては、特に限定するわけではないが、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、
メラニン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を用いること
ができるが、特に、2液混合型無溶剤エポキシ樹脂を用
いるのが、常温で硬化でき、収縮がほとんどなく、接着
強度が高いので好ましい。強化繊維としては、炭素繊
維、硝子繊維、アラミド繊維、ビニロン等の有機もしく
無機繊維の単独又は2種以上を組み合わせて用いること
ができる。特に、炭素繊維は、構造物に高強度を与える
ので好ましい。炭素繊維としては、アクリル系炭素繊
維、ピッチ系炭素繊維等があげられ、また、これらの炭
素繊維は、熱硬化性樹脂との親和性を増加させるため
に、表面を活性化させる表面処理が施されてもよい。
【0017】上記強化繊維としては、シート状であるも
のが、強度が向上する傾向にあるので、より好ましい。
シート状の強化繊維を用いる場合は、図2に示すよう
に、まず、構造物1の表面に、熱硬化性樹脂2aを塗布
して、次に、シート状の強化繊維2bをその塗布面に置
き、さらに、そのシート状の強化繊維2bの表面に熱硬
化性樹脂2aを塗布・硬化して、補強層2を形成する。
その後、その補強層2の表面に、その硬化物が不燃性を
示す無機シリコーン塗料の塗膜層3を形成して、表面が
補強された不燃性の表面補強構造物を得ことができる。
【0018】シートの形態としては、シートを構成する
繊維糸条が縦方向に配列し、横糸が細い補助糸で織られ
た一方向織物や、繊維糸条が縦方向と横方向に配列した
ニ方向織物であってもよい。また、繊維糸条を一方向に
並列に配列し、メッシュや紙等の支持剤で荷担し、熱硬
化性樹脂で支持剤に接着させた一方向材であってもよ
い。さらに、織物や一方向材に、予め、熱硬化性樹脂を
含浸させたプリプレグ等のシート状の強化繊維であって
もよい。
【0019】本発明の表面補強方法を適用できる構造物
としては、コンクリート構造物や鋼構造物等が挙げられ
る。特に、中性化やアルカリ骨材反応による表面劣化を
起こしやすい、コンクリート構造物に用いるのが、熱硬
化性樹脂と強化繊維の補強層による補強効果が顕著とな
るので好ましい。
【0020】本発明の表面強化方法において、その硬化
物が不燃性を示す無機シリコーン塗料とは、建築用コン
クリートブロック(JIS−A5406)を5×150
×70mmのコンクリート板とし、その上面に無機シリ
コーン塗料を塗布した後、硬化させて、膜厚が60μm
の塗膜層を形成し、その塗膜面を1.0〜1.5kJ/
hに調整されたガスコンロ上の炎に15秒間曝しても燃
えることのない塗膜層を形成する無機シリコーン塗料の
ことをいう。そして、シロキサン結合(Si−O−Si
結合)を主鎖とし、主にシラノール縮合により硬化して
塗膜層を形成する塗料が、本発明でいう無機シリコーン
塗料である。この無機シリコーン塗料の塗膜層は、主骨
格にシロキサン結合を有し、架橋もシロキサン結合で結
ばれているため、シロキサン結合が3次元的に構成され
た3次元網目構造をしている。このような構造のもの
は、硝子と同じ構造であるため、側鎖に有機基が存在し
ても、燃えることはなく不燃性となる傾向にある。ま
た、側鎖に有機基を有するため、熱硬化性樹脂とも、良
好な接着性を有する傾向にある。
【0021】本発明の表面強化方法においては、その硬
化物が不燃性を示す無機シリコーン塗料の塗膜層を用い
ることが重要である。シリコーン系塗料であっても、そ
の硬化物が可燃性となる場合は、本発明の目的を達成す
ることができない。例えば、シロキサン結合(Si−O
−Si結合)を主鎖とし、主にイソシアネート基やカル
ボニル基等の有機官能基の反応により硬化するシリコー
ン樹脂塗料の塗膜層や有機鎖を主鎖とし、主にシラノー
ル縮合により硬化する変性シリコーン塗料の塗膜層の場
合には、可燃性となる傾向にあるため、本発明では、使
用するシリコーン塗料を無機シリコーン塗料に限定して
いる。
【0022】具体的な無機シリコーン塗料としては、特
に限定はされないが、例えば、アルコキシシランやクロ
ロシラン等の分解性オルガノシランの加水分解物を構成
材料とする塗料が挙げられる。
【0023】上記アルコキシシランとしては、1〜4官
能アルコキシシランがあるが、一般式RSi(OR)3
(但し、Rは同一又は異種の1価の炭化水素基を示す)
で表される3官能アルコキシシランの加水分解物を構成
材料とする無機シリコーン塗料は、得られる塗膜層の不
燃性、表面硬度および耐磨耗性がより良好となるので好
ましい。
【0024】上記3官能アルコキシシランの加水分解物
は、その形態を特に限定されず、例えば、溶液状のもの
でも分散液状のもの等でもかまわない。なお、ここでい
う加水分解物には、部分加水分解物も含んで表現してい
る。
【0025】上記一般式中のRは、同一又は異種の1価
の炭化水素基を示し、中でも、入手の容易さ、塗料の調
整のしやすさ等の点から、炭素数1〜8の1価の炭化水
素基が適する。この1価の炭化水素基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、へキシル基、ペプチル基、オクチル基等のアル
キル基が挙げられる。上記アルキル基のうち、炭素数が
3以上のものについては、n−プロピル基、n−ブチル
基等のような直鎖状のものであっても良いし、イソピロ
ピル基、イソブチル基、t−ブチル基等のように分枝を
有するものであっても良い。
【0026】上記3官能アルコキシシランの加水分解物
の重量平均分子量は特に限定されるものではないが、5
00〜3000の範囲が好ましい。これは、500未満
の場合は、加水分解物が不安定になる傾向があり、ま
た、30000を超える場合は、形成される塗膜の硬度
が不十分な傾向があるためである。
【0027】無機シリコーン塗料の塗布方法は、特に限
定されるものではなく、例えば、はけ塗り、スプレーコ
ート、浸漬(ディップコート)、ロールコート、フロー
コート、カーテンコート、ナイフコート、スピンコー
ト、バーコート等の通常の方法を適宜選択することがで
きる。
【0028】無機シリコーン塗料の塗膜層の膜厚として
は、10〜200μmで使用するのが好ましい。10μ
m未満では、不燃性が十分でない傾向にあり、200μ
mを超えるとわれが生じやすくなる傾向にある。
【0029】また、無機シリコーン塗料には、顔料やフ
ィラー等を入れてもよい。顔料やフィラーを入れる場合
には、焼成顔料や金属酸化物等を用いる方が、不燃性を
向上できるので好ましい。
【0030】さらに、汚れの除去性を付与するために、
無機シリコーン塗料の塗膜層に撥水性若しくは親水性を
付与してもよい。撥水性を付与する場合は、シロキサン
結合を主鎖とし、側鎖にアルキル基を、両末端にOH基
を有する直鎖状両末端水酸基含有のジアルキルポリシロ
キサンを添加した無機シリコーン塗料を用いることで得
ることができる。また、親水性を付与する場合は、親水
基を有するフィラーやゾル、薬剤を添加した無機シリコ
ーン塗料を用いることで得ることができる。フィラーと
しては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアとい
った酸化物紛体やこれらのゾル、薬剤としては、シラン
変性界面活性剤や2官能のシランモノマーやオリゴマー
が上げられる。
【0031】補強層と塗膜層との中間には、図3に示す
ように、補強層2及び塗膜層3の双方に高い接着性を有
するプライマー層4を設けてもよい。プライマー層4を
形成させるために使用する、プライマー塗料としては、
特に限定するわけではないが、エポキシ塗料、アクリル
シリコーン塗料、ウレタン塗料等が用いられる。なかで
も、エポキシ塗料に金属アルコラートを含有する塗料を
用いるのが、より強固な接着性を有するので好ましい。
プライマー層の膜厚としては、1〜500μmが好まし
い。1μm未満だと接着力が弱い傾向にあり、500μ
mより大きいとクラックが入る傾向がある。
【0032】次に、本発明に係る表面補強構造物の実施
形態について説明する。
【0033】本発明に係る表面補強構造物は、上記で詳
しく説明した構造物の表面補強方法によって形成された
表面補強構造物であるので、不燃化された表面補強構造
物を得ることができる。
【0034】
【実施例】次に、具体的な実施例を示し、さらに詳しく
説明する。
【0035】(実施例1)建築用コンクリートブロック
(JIS−A5406)を5×150×70mmのコン
クリート板にし、その上面にエポキシ樹脂[アルファ工
業(株)製商品名「アルファテック540」]を500
g/m2となるようにローラーで塗布した。次に、炭素
繊維シート[東レ(株)製「トレカ」](「トレカ」は
登録商標、以下同じ)を塗布面に置き、炭素繊維シート
の上面に、シート内に空気が噛まないように空気を押し
出しながら、エポキシ樹脂を500g/m2となるよう
にローラーで塗布・硬化して、補強層を形成した。その
後、一般式RSi(OR)3(但し、Rは同一又は異種
の1価の炭化水素基を示す)で表される3官能アルコキ
シシランの加水分解物を含む無機シリコーン塗料である
松下電工(株)製の「フレッセラN」(「フレッセラ」
は登録商標、以下同じ)をローラーで塗布し、これを室
温で24時間乾燥させて、膜厚が60μmの無機シリコ
ーン塗料の塗膜層を形成してサンプル1を作成した。
【0036】なお、ここで、上記コンクリート板の上面
に「フレッセラN」のみを塗布した後、硬化させて、膜
厚が60μmの塗膜層を形成し、その塗膜面を1.0〜
1.5kJ/hに調整したガスコンロ上の炎に15秒間
曝しても燃えないことを確認した。
【0037】(実施例2)実施例1において、炭素繊維
シートに代え、ビニロンシートを用いる以外は、実施例
1と同様にしてサンプル2を作成した。
【0038】(実施例3)実施例1において、一般式R
Si(OR)3 (但し、Rは同一又は異種の1価の炭化
水素基を示す)で表される3官能アルコキシシランの加
水分解物を含む無機シリコーン塗料に、松下電工(株)
製「フレッセラD」を用いる以外は、実施例1と同様に
してサンプル3を作成した。
【0039】なお、ここで、上記コンクリート板の上面
に「フレッセラD」のみを塗布した後、硬化させて、膜
厚が60μmの塗膜層を形成し、その塗膜面を1.0〜
1.5kJ/hに調整したガスコンロ上の炎に15秒間
曝しても燃えないことを確認した。
【0040】(実施例4)実施例1において、一般式R
Si(OR)3 (但し、Rは同一又は異種の1価の炭化
水素基を示す)で表される3官能アルコキシシランの加
水分解物を含む無機シリコーン塗料に松下電工(株)製
「フレッセラR」を用いる以外は、実施例1と同様にし
てサンプル4を作成した。
【0041】なお、ここで、上記コンクリート板の上面
に「フレッセラR」のみを塗布した後、硬化させて、膜
厚が60μmの塗膜層を形成し、その塗膜面を1.0〜
1.5kJ/hに調整したガスコンロ上の炎に15秒間
曝しても燃えないことを確認した。
【0042】(実施例5)実施例1において、補強層を
形成した後に、補強層と塗膜層の中間の位置に、プライ
マー塗料[松下電工(株)製「フレッセラプライマー
K」]をローラーで塗布し、膜厚80μmのプライマー
層を形成して、次いで、塗膜層を形成する以外は、実施
例1と同様にしてサンプル5を作成した。
【0043】(比較例1)実施例1において、塗膜層を
設けない以外は、実施例1と同様にしてサンプル6を作
成した。
【0044】(比較例2)実施例1において、無機シリ
コーン塗料を塗布する代わりに、アクリルシリコーン塗
料[イサム塗料(株)製「ネオシリカ#5000GSク
リア」]をローラーで塗布し、その後硬化させて、膜厚
60μmの塗膜層を形成する以外は、実施例1と同様に
してサンプル7を作成した。
【0045】(比較例3)実施例1において、無機シリ
コーン塗料を塗布する代わりに、標準モルタル(普通ポ
ルトラントセメント:ISO標準砂:水=1:3:0.
5)を金ゴテで塗布する以外は、実施例1と同様にして
サンプル8を作成した。
【0046】(燃焼試験)得られたサンプルの燃焼試験
は、各サンプルの塗膜層の面を1.0〜1.5kJ/h
に調整したガスコンロ上の炎に、着火後15秒間曝し
て、その後、目視にて観察した。
【0047】(促進耐候性試験)促進耐候性試験は、J
IS―K−5400.9.8規格に準拠して、サンシャ
インスーパーロングライフウェザーメーター[スガ試験
機(株)製「型番WEL−SUN−HC」]を用い、2
000時間後の塗膜層のクラック及び剥離の有無につい
て、目視にて観察した。
【0048】(結果)各サンプルの作成条件及び評価結
果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】実施例1〜5は、いずれも燃焼性試験の結
果は、不燃性を示し、また、促進耐候性試験では、いず
れもクラック及び剥離は認められなかった。
【0051】一方、塗膜層を有さない比較例1は、燃焼
試験で燃焼による表面炭化が起こり、塗膜層にアクリル
シリコン塗料の塗膜層を用いた比較例2は、燃焼試験
で、塗膜層の燃焼が起こった。また、塗膜層にモルタル
を用いた比較例3は、燃焼試験においては、不燃性を示
したものの、促進耐候性試験においては、クラックおよ
び剥離が観察された。
【0052】
【発明の効果】請求項1〜5に係る発明の構造物の表面
補強方法は、構造物の表面に熱硬化性樹脂と強化繊維と
を用いて補強層を形成し、上記補強層の表面にその硬化
物が不燃性を示す無機シリコーン塗料の塗膜層を形成す
るようにしているので、その表面にわれや剥がれが生じ
難くて、かつ、不燃性を有する表面補強構造物を得るこ
とができる。
【0053】請求項6に係る発明の表面補強構造物は、
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の構造物の表面
補強方法によって、表面補強をしているので、不燃性を
有する表面補強構造物となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を説明する説明図
【図2】本発明の別の実施の形態を説明する説明図
【図3】本発明のさらに別の実施の形態を説明する説明
【符号の説明】
1 構造物 2 補強層 2a 熱硬化性樹脂 2b シート状の強化繊維 3 塗膜層 4 プライマー層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E176 AA01 AA07 BB29 4J038 CG002 DB002 DG002 DL031 PA07 PC02 PC04 PC10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の表面に熱硬化性樹脂と強化繊維
    とを用いて補強層を形成した後、上記補強層の表面にそ
    の硬化物が不燃性を示す無機シリコーン塗料の塗膜層を
    形成することを特徴とする構造物の表面補強方法。
  2. 【請求項2】 上記構造物がコンクリート構造物である
    ことを特徴とする請求項1記載の構造物の表面補強方
    法。
  3. 【請求項3】 上記強化繊維がシート状であることを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載の構造物の表面補強
    方法。
  4. 【請求項4】 上記無機シリコーン塗料が一般式RSi
    (OR)3 (但し、Rは同一又は異種の1価の炭化水素
    基を示す)で表される3官能アルコキシシランの加水分
    解物を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のい
    ずれかに記載の構造物の表面補強方法。
  5. 【請求項5】 上記補強層を形成した後に、上記補強層
    と上記塗膜層との中間の位置に接着性を有するプライマ
    ー層を形成し、次いで、上記塗膜層を形成することを特
    徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の構造
    物の表面補強方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    の構造物の表面補強方法によって、表面補強をしている
    表面補強構造物。
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