JP2003128697A - ペプチドとその用途 - Google Patents

ペプチドとその用途

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本質的にスギ花粉アレルゲンのT細胞エピト
ープからなるペプチド及びそれに相同的なペプチドと、
それらペプチドを有効成分として含んでなる免疫療法剤
を提供する。 【解決手段】 スギ花粉アレルゲンに特異的なイムノグ
ロブリンE抗体に実質的に反応せず、3H−チミジンの
取込みにより判定する方法で試験すると、陰性対照と比
較して、スギ花粉アレルゲンに特異的なT細胞を有意に
活性化するペプチドと、そのペプチドを有効成分として
含んでなる免疫療法剤を構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、新規ペプチドと
その用途、とりわけ、スギ花粉アレルゲンに特異的なT
細胞を活性化するペプチドと、そのペプチドを有効成分
として含んでなる免疫療法剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ここ十数年来、我国においては、春先に
なるとスギ花粉症による鼻炎や結膜炎を訴える人の数が
増加し続けている。患者の数が多いことと、発症季がい
ろいろな行事が続く春先ということもあり、マスコミな
どでも頻繁に取上げられ、今や、公衆衛生上無視できな
い問題の一つになっている。
【0003】スギ花粉症はアレルギー症の一種であり、
その主因はスギ花粉中の抗原性物質、すなわち、スギ花
粉アレルゲンであると云われている。大気中に飛散した
スギ花粉がヒトの体内に侵入すると、スギ花粉アレルゲ
ンに対するイムノグロブリンE抗体が産生する。この状
態で次にスギ花粉が侵入すると、その花粉中のアレルゲ
ンとこのイムノグロブリンE抗体が免疫反応を起し、ア
レルギー症状を呈することとなる。
【0004】現在、スギ花粉中には、抗原性の相違する
少なくとも二種類のアレルゲンの存在することが知られ
ている。その一つは、ヤスエダらが『ジャーナル・オブ
・アレルギー・アンド・クリニカル・イムノロジー』、
第71巻、第1号、第77〜86頁(1983年)に報
告しているアレルゲンであり、今日、これは「Cryj
I」と呼称されている。もう一つは、タニアイら『エ
フ・イー・ビー・エス・レターズ』、第239巻、第2
号、第329〜332頁(1988年)やサカグチら
『アレルギー』、第45号、第309〜312頁(19
90年)に報告されているアレルゲンであり、今日、こ
れは「Cry j II」と呼称されている。スギ花粉
中には、通常、Cry j IとCry j IIが約
50:1乃至5:1の割合で存在し、花粉症患者から採
取した血清の殆どがCry jIにもCry j II
にも反応すると云われている。澤谷らは、『アレルギ
ー』、第42巻、第6号、第738〜747頁(199
3年)において、Cryj IIが、皮内試験やRAS
T試験すると、Cry j Iと同程度の抗原性を発揮
すると報告している。
【0005】このように、スギ花粉アレルゲンが既に幾
つか単離され、その性質・性状もある程度解明されたこ
とから、精製スギ花粉アレルゲンをヒトに投与して減感
作することにより、スギ花粉症を治療・予防できる見通
しがついてきた。最近ではそのための減感作剤も幾つか
考案されており、例えば、特開平1−156926号公
報や特開平3−93730号公報には、N末端からのア
ミノ酸配列がAsp−Asn−Pro−Ile−Asp
−Ser又はAla−Ile−Asn−Ile−Phe
−Asnで表わされるスギ花粉アレルゲンに糖質を共有
結合せしめ、生成した複合体を減感作剤としてヒトに投
与する提案が為されている。しかしながら、アレルギー
症の診断や減感作療法には、通常、高純度のアレルゲン
が大量に必要とされるところ、スギ花粉中のアレルゲン
は僅少であるうえに安定性が低く、スギ花粉症の診断剤
や減感作剤をスギ花粉だけで賄おうとすると、多大の困
難が伴なうと予想される。
【0006】このようなことから、最近のアレルギー疾
患の治療・予防においては、これまでのように、患者に
アレルゲン全体を投与するのではなく、アレルゲンにお
けるT細胞が特異的に認識する最小領域、すなわち、本
質的にT細胞エピトープからなる低分子のペプチドを投
与する免疫療法が注目を浴びつつある。
【0007】一般に、アレルゲンは、マクロファージな
どの抗原提示細胞に取込まれると、そこで消化され、消
化断片が免疫提示細胞表層のHLA蛋白質に結合し、抗
原提示されることとなる。抗原提示される断片は、HL
A蛋白質に対する親和性などにより、アレルゲンにおけ
る一部の特定領域に限られ、斯かる領域のうち、T細胞
が特異的に認識する領域は、通常、「T細胞エピトー
プ」と呼称される。本質的にT細胞エピトープからなる
ペプチドを投与する免疫療法には、 (i) ペプチドがB細胞エピトープを欠いている、す
なわち、アレルゲンに特異的なイムノグロブリンE抗体
が反応しないので、従来の粗製又は精製アレルゲンで頻
発していたアナフィラキシーなどの副作用が起こり得な
い。 (ii) 少量からスタートし、有効投与量に達するま
での期間が、従来の減感作剤に比較して、大幅に短縮で
きる。などの利点がある。
【0008】目下、種々のアレルゲンのT細胞エピトー
プが精力的に解析されているが、T細胞エピトープの解
析には、通常、アレルゲンの全アミノ酸配列が必須とな
り、少なくともスギ花粉アレルゲンに関するかぎり、T
細胞エピトープは実質的に解明されるに到っていないと
いうのが実状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】斯かる状況に鑑み、こ
の発明の第一の課題は、本質的にスギ花粉アレルゲンの
T細胞エピトープからなるペプチド及びそれに相同的な
ペプチドを提供することにある。
【0010】この発明の第二の課題は、有効成分として
上記ペプチドを含んでなる免疫療法剤を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記第一の
課題を、スギ花粉アレルゲンに特異的なイムノグロブリ
ンE抗体に実質的に反応せず、3H−チミジンの取込み
により判定する方法で試験すると、陰性対照と比較し
て、スギ花粉アレルゲンに特異的なT細胞を有意に活性
化するペプチドにより解決するものである。
【0012】この発明は、前記第二の課題を、有効成分
として斯かるペプチドを含んでなる免疫療法剤により解
決するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明のペプチドは、スギ花粉
アレルゲンに特異的なイムノグロブリンE抗体に実質的
に反応しないので、ヒトを含む哺乳類一般に投与する
と、実質的にアナフィラキシーを引起こすことなく、ス
ギ花粉アレルゲンに特異的なT細胞を活性化する。
【0014】有効成分として斯かるペプチドを含んでな
るこの発明の免疫療法剤は、ヒトを含む哺乳類一般に投
与すると、実質的にアナフィラキシーを引起こすことな
く、スギ花粉症に対して顕著な治療・予防効果を発揮す
る。
【0015】以下、実験例、実施例等によりこの発明を
説明するに、この発明は、本質的にスギ花粉アレルゲン
のT細胞エピトープからなるペプチドの発見に基づくも
のである。
【0016】本発明者らは、長年に亙るスギ花粉アレル
ゲンに係わる研究の一成果として、昨年、スギ花粉アレ
ルゲンの主たる1成分が配列表における配列番号14に
示すアミノ酸配列を有することを突止め、特願平5−3
44596号明細書に開示した。一方、国際特許公開第
93/01213号明細書には、スギ花粉アレルゲンの
別の1成分が、配列表における配列番号15に示すアミ
ノ酸配列を有すると開示されており、本発明者らも、平
成6年4月14乃至16日に熊本県熊本市で開催された
『第6回日本アレルギー学会春期臨床大会』において、
同じアミノ酸配列を発表している。
【0017】そこで、本発明者が、スギ花粉アレルゲン
のT細胞エピトープを解明すべく、これら配列番号14
及び15に示すアミノ酸配列に基づき、それらアミノ酸
配列における連続する11、14又は17個のアミノ酸
残基からなる、180余種の互いに相違するアミノ酸配
列のペプチドを合成し、スギ花粉アレルゲンに特異的な
イムノグロブリンE抗体に対する反応性と、スギ花粉ア
レルゲンに特異的なT細胞に対する活性化作用につき試
験した。その結果、配列表における配列番号8乃至13
に示すアミノ酸配列を有するペプチドは、スギ花粉アレ
ルゲンに特異的なイムノグロブリンE抗体に実質的に反
応せず、また、3H−チミジンの取込みにより判定する
方法で試験すると、陰性対照と比較して、スギ花粉アレ
ルゲンに特異的なT細胞を有意に活性化することが明ら
かとなった。このことは、それら配列番号8乃至13に
示すアミノ酸配列を有するペプチドが本質的にスギ花粉
アレルゲンのT細胞エピトープからなるものであること
を示唆している。また、その配列番号8乃至13に示す
アミノ酸配列をさらに解析したところ、配列表の配列番
号1乃至7に示すアミノ酸配列は、T細胞が配列番号8
乃至13に示すアミノ酸配列のペプチドを認識するため
に不可欠の配列であることが判明した。
【0018】次の実験例1及び2では、これら事実を解
明するに到った一連の実験について説明する。
【0019】
【実験例1】<ペプチド及びスギ花粉アレルゲンの調製
【0020】
【実験例1−1】<ペプチドの調製>前述のとおり、こ
れまで、スギ花粉には、性質・性状の相違する、少なく
とも2種類のアレルゲンの存在することが知られてい
る。これらスギ花粉アレルゲンの成熟蛋白質は、組換え
DNA技術により、配列表における配列番号14又は1
5に示すアミノ酸配列を有することが明らかにされてお
り、現に、スギ花粉からは、配列番号14に示すアミノ
酸配列における第46乃至433番目又は第51乃至4
33番目に相当するアミノ酸配列のスギ花粉アレルゲン
(以下、「アレルゲンA」と云う。)と、配列番号15
に示すアミノ酸配列における第1乃至353番目のアミ
ノ酸配列を有するスギ花粉アレルゲン(以下、「アレル
ゲンB」と云う。)が単離されている。なお、アレルゲ
ンAをコードする遺伝子においては、未だ、シグナルペ
プチドが確定されていないので、配列番号14において
は、暫定的に、cDNAの塩基配列から解読したアミノ
酸配列におけるN末端側の最初のアミノ酸残基に符号
「1」を付している。
【0021】本実験例では、配列表における配列番号1
4に示すアミノ酸配列については、その第46乃至43
3番目の領域に亙り、アミノ酸残基を10個ずつ重複さ
せながら、11又は14個のアミノ酸残基からなる、9
5種類の相違するアミノ酸配列のペプチド(試料A−1
乃至A−95)を化学合成する一方、配列番号15に示
すアミノ酸配列については、その第1乃至353番目の
領域に亙り、同じく、アミノ酸残基を10個ずつ重複さ
せながら、14個のアミノ酸残基からなる、86種類の
相違するアミノ酸配列のペプチド(試料B−1乃至B−
86)を化学合成し、この発明のペプチドを検索するた
めの後記実験例2に供した。
【0022】すなわち、常法にしたがって、11又は1
4個のアミノ酸残基からなり、後記表1乃至6に示すア
ミノ酸配列を有する181種類のペプチドをケンブリッ
ジ・リサーチ・バイオケミカルズ製ペプチド合成キット
『マルチピン』を使用する固相法により合成し、合成
後、その一部をとり、パーキン・エルマー製ペプチドシ
ーケンサー『470A型』により分析して所期のアミノ
酸配列を有していることを確認した。
【0023】
【実験例1−2】<スギ花粉アレルゲンの調製>秋田県
産ウラスギの雄花から採取した花粉1重量部を約16重
量部の0.125M炭酸水素ナトリウム水溶液(pH
8.2)に浸漬し、穏やかに攪拌しながら、4℃で1時
間抽出した。抽出物を遠心分離し、残渣を上記と同様に
再度抽出し、得られた上清と初回の上清をプールし、こ
れにセタブロンを0.1%(w/v)になるように加
え、緩やかに攪拌しながら、4℃で1時間静置して多糖
類を沈澱させ、遠心分離後、上清に硫酸アンモニウムを
80%飽和になるように加え、4℃で一昼夜静置して塩
析した。
【0024】塩析物における沈澱部を採取し、これを5
0mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.8)に対して10
時間透析し、濾過後、予め50mMトリス−塩酸緩衝液
(pH7.8)で平衡化させておいたDEAE−セファ
デックスカラムに負荷し、カラムに新鮮な同一緩衝液を
通液して蛋白質成分を含む画分を溶出させた。この画分
を採取し、酢酸を加えてpH5.0に調整後、予め10
mM酢酸緩衝液(pH5.0)で平衡化させておいたC
M−セファデックスカラムに負荷し、カラムを10mM
酢酸緩衝液(pH5.0)で洗浄後、カラムに0.3M
塩化ナトリウムを含む0.1M燐酸緩衝液(pH7.
0)を通液し、蛋白質成分を含む画分を採取した。
【0025】次に、この画分に予め10mM酢酸緩衝液
(pH5.0)で平衡化させておいたMono Sカラ
ムに負荷し、カラムを10mM酢酸緩衝液(pH5.
0)で洗浄後、0Mから0.5Mに上昇する塩化ナトリ
ウムの濃度勾配下、カラムに10mM燐酸緩衝液(pH
7.0)を通液したところ、0.1乃至0.3付近の塩
化ナトリウム濃度でアレルゲンBが、また、0.4M付
近の塩化ナトリウム濃度でアレルゲンAが溶出した。ア
レルゲンA又はBを含む画分を別々に採取し、適宜濃縮
後、凍結乾燥して次の実験例2に供した。収量は、原料
スギ花粉固形分当たり、アレルゲンAで約0.01%、
アレルゲンBで約0.02%であった。
【0026】
【実験例2】<スギ花粉アレルゲンのT細胞エピトープ
を含むペプチドの検索>
【0027】
【実験例2−1】<スギ花粉アレルゲンに特異的なT細
胞の活性化>フィコール・ハイパック比重遠心法によ
り、花粉症患者のヘパリン加末梢血からスギ花粉アレル
ゲンに特異的なT細胞を含む単核細胞群を分離した。こ
の単核細胞群を5%(v/v)AB血清を補足したRP
MI1640培地(pH7.0)に浮遊させ、96ウェ
ルマイクロプレート上に5×105個/ウェルずつ分注
し、実験例1−1及び1−2で調製したペプチド又はス
ギ花粉アレルゲンを1μg/ウェル加え、新鮮な同一培
地で200μl/ウェルとした後、5%CO2培養器
中、37℃で2日間インキュベートした。その後、3
−チミジンを1.0μCi/ウェルずつ加え、同一条件
下でさらに16時間インキュベートした後、シンチレー
ションカウンタを使用する公知の方法により、単核細胞
群における3H−チミジンの取込み量を測定した。同時
に、ペプチドもスギ花粉アレルゲンも含まない系を設
け、上記と同様に処置して陰性対照とした。
【0028】スギ花粉アレルゲンに特異的なT細胞に対
する活性化作用の有無は、同T細胞を含む単核細胞群に
おける3H−チミジンの取込み量(cpm)に基づき判
定し、取込み量が陰性対照の略2倍以上に達した系を
「陽性」、達しなかった系を「陰性」とした。結果を表
1乃至6に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】
【表6】
【0035】表1乃至6の結果は、試験に供したペプチ
ド及びスギ花粉アレルゲンが、スギ花粉アレルゲンに特
異的なT細胞に対して明らかに異なる挙動をしたことを
示している。すなわち、試料A−19、A−20、A−
23、A−48、A−49、A−89、B−39、B−
80又はスギ花粉アレルゲンA若しくはBを添加した系
では、陰性対照と比較して、明らかに有意な3H−チミ
ジンの取込み促進が認められたのに対して、その余の試
料を添加した系においては、有意な取込み促進が認めら
れなかった。このことは、試料A−19、A−20、A
−23、A−48、A−49、A−89、B−39、B
−80並びにスギ花粉アレルゲンA及びBのみが、単核
細胞群中のスギ花粉アレルゲンに特異的なT細胞を有意
に活性化したことを意味している。
【0036】さらに、アミノ酸配列が互いに重複する試
料A−19、A−20、A−48及びA−49並びにT
細胞活性化作用が他の陽性試料に比べてやや低かった試
料A−23及びA−89につき、別途、17個のアミノ
酸残基からなる、配列表における配列番号8乃至11に
示すアミノ酸配列のペプチドを化学合成した。
【0037】すなわち、ミリジェン/バイオリサーチ製
ペプチド合成機『エクセル』を使用し、常法にしたがっ
て、配列表における配列番号8乃至11に示すアミノ酸
配列のペプチド(試料C−1乃至C−4)を別々に合成
し、バイオラド製クロマトグラフィーカラム『Hi−P
ore RP−318型』を使用する逆相高速液体クロ
マトグラフィーによりそれぞれ純度95%まで精製し
た。精製後、試料C−1乃至C−4の一部をとり、パー
キン・エルマー製ペプチドシーケンサ『470A型』に
より分析したところ、合成に係る4種類のペプチドすべ
てが所期のアミノ酸配列を有していた。
【0038】これら試料C−1乃至C−4につき、上記
と同様に試験したところ、いずれも陽性であり、スギ花
粉アレルゲンに特異的なT細胞を有意に活性化すること
が判明した。
【0039】
【実験例2−2】<スギ花粉アレルゲンに特異的なイム
ノグロブリンE抗体に対する反応性>実験例2−1にお
いてスギ花粉アレルゲンに特異的なT細胞を有意に活性
化することが明らかとなった試料B−39、B−80、
C−1乃至C−4並びにアレルゲンA及びBに、タニア
イらが『モレキュラー・イムノロジー』、第30巻、第
2号、第183〜189頁(1993年)に報告してい
るEIA法を適用し、スギ花粉症患者の血液から採取し
たスギ花粉アレルゲンに特異的なイムノグロブリンE抗
体との反応性を調べた。
【0040】すなわち、ピアス製架橋剤『(スルホスク
シンイミジル)スベラート(BS3)』1gを蒸留水1
0mlに溶解し、ヌンク製『コバリンク型』96ウェル
マイクロプレートに50μl/ウェルずつ分注し、37
℃で3時間インキュベートした。蒸留水でマイクロプレ
ートを洗浄し、実験例1及び2で調製した試料B−3
9、B−80、C−1乃至C−4又はアレルゲンA若し
くはBを20μg/ml又は5μg/mlになるように
PBSに溶解し、マイクロプレートに50μl/ウェル
分注し、37℃でさらに3時間インキュベートしてマイ
クロプレートに共有結合させた。そして、マイクロプレ
ートに1%(w/v)ウシ血清アルブミンを含むPBS
を50μl/ウェル加え、4℃で一晩静置して未反応の
活性基をブロックした後、0.1%(w/v)ウシ血清
アルブミンを含むPBSで洗浄し、ウシ血清アルブミン
を同量含む新鮮なPBSで5倍希釈したスギ花粉症患者
の血清を50μl/ウェル加え、37℃で1時間反応さ
せた。
【0041】次に、マイクロプレートを0.1%(w/
v)ウシ血清アルブミンを含むPBSで洗浄し、ウシ血
清アルブミンを同量含む新鮮なPBSで1μg/mlに
希釈したキルケガード・アンド・ペリー製ビオチン標識
抗ヒトε鎖抗体を50μl/ウェルずつ加え、37℃で
1時間インキュベートした後、0.1%(w/v)ウシ
血清アルブミンを含むPBSで再度洗浄後、ウシ血清ア
ルブミンを同量含む新鮮なPBSで5,000倍に希釈
したザイメッド製パーオキシダーゼ標識アビジンを50
μl/ウェル加え、37℃でさらに1時間インキュベー
トした。そして、マイクロプレートを0.1%(w/
v)ウシ血清アルブミンを含むPBSで洗浄後、過酸化
水素を0.03%(v/v)とオルトフェニレンジアミ
ンを0.5mg/ml含む0.1Mクエン酸−燐酸緩衝
液(pH5.0)を100μl/ウェル加え、室温下で
5分間静置して酵素反応させた。2N硫酸を100μl
/ウェルずつ加えて反応を停止させた後、分光光度計を
使用する公知の方法で492nmの波長下における吸光
度を測定した。
【0042】同時に、スギ花粉患者の血清に代えて健常
者の血清を使用する系を設け、同様に処置して陰性対照
とした。結果を表1乃至6に示す。
【0043】表1乃至6に示す結果から明らかなよう
に、アレルゲンA及びBがスギ花粉症患者由来のスギ花
粉アレルゲンに特異的なイムノグロブリンE抗体に強く
反応したのに対して、試料B−39、B−80及びC−
1乃至C−4は実質的に反応しなかった。このことは、
これら試料がアレルゲンA及びBに含まれるスギ花粉ア
レルゲンのB細胞エピトープを欠いていることを意味し
ている。これらの結果と実験例2−1の結果を総合的に
判断すると、上記試料、すなわち、配列表における配列
番号8乃至13に示すアミノ酸配列のペプチドは、本質
的にスギ花粉アレルゲンのT細胞エピトープからなるも
のであると判断される。
【0044】
【実験例3】<T細胞がT細胞エピトープを認識するた
めに不可欠なアミノ酸配列の検索>本実験例では、実験
例2で明らかにした6種類のT細胞エピトープをさらに
解析し、T細胞がそれらを認識するために不可欠なアミ
ノ酸配列を検索した。
【0045】すなわち、実験例1−1の方法により、配
列表における配列番号8乃至13に示すアミノ酸配列並
びに表5乃至6において陽性を否定し切れなかった試料
B−38、B−81及びB−82のアミノ酸配列につ
き、それらの一端又は両端のアミノ酸の1個又は2個以
上をアラニンで置換したアミノ酸14個又は17個から
なる種々のペプチドを化学合成した。そして、それらペ
プチドにつき、実験例2の方法により、スギ花粉アレル
ゲンに特異的なT細胞の活性化とスギ花粉アレルゲンに
特異的なイムノグロブリンE抗体に対する反応性を調べ
た。
【0046】その結果、表7に示すように、配列表の配
列番号1乃至7に示すアミノ酸配列を含んでなる試料D
−1乃至D−7のペプチドは、スギ花粉アレルゲンに特
異的なT細胞及びスギ花粉アレルゲンに特異的なイムノ
グロブリンE抗体に対して配列番号8乃至13に示すア
ミノ酸配列のペプチドとほぼ同様の挙動を示すことが判
明した。このことは、配列表の配列番号1乃至7に示す
アミノ酸配列は、T細胞が配列番号8乃至13に示すア
ミノ酸配列のペプチドを認識するために不可欠な配列で
あることを強く示唆している。
【0047】
【表7】
【0048】以上説明したように、この発明は、スギ花
粉アレルゲンに特異的なイムノグロブリンE抗体に実質
的に反応せず、3H−チミジンの取込みにより判定する
方法により試験すると、陰性対照と比較して、スギ花粉
アレルゲンに特異的なT細胞を有意に活性化するペプチ
ドに関するものである。この発明は、ペプチドが斯かる
性質を具備するかぎり、その構造、出所・由来、調製方
法に係わりなく、すべて包含するものとする。
【0049】この発明のペプチドは、通常、5乃至50
個、望ましくは、10乃至20個のアミノ酸がペプチド
結合してなる。個々のペプチドとしては、例えば、配列
表における配列番号8乃至13に示すアミノ酸配列を有
するものと、それらアミノ配列に相同的なアミノ酸配列
を有するものが挙げられる。相同的なアミノ酸配列のペ
プチドは、上記の免疫学的作用を実質的に変えることな
く、配列表における配列番号8乃至13に示すアミノ酸
配列におけるアミノ酸の1個又は2個以上を他のアミノ
酸で置換するか、それらアミノ酸配列の一端又は両端に
適宜のアミノ酸を1個又は2個以上結合させることによ
り得ることができる。
【0050】具体的には、例えば、配列表の配列番号8
乃至13に示すアミノ酸配列において、T細胞がそれら
を認識するために不可欠なアミノ酸配列のみを不変と
し、それ以外のアミノ酸については、スギ花粉のT細胞
エピトープとしての免疫学的作用を実質的に変えない範
囲で他のアミノ酸により置換する。あるいは、その不可
欠なアミノ酸配列の一端又は両端に、必要に応じて、例
えば、アラニンなどの適宜アミノ酸を1個又は2個以上
結合させ、得られるペプチドが全体としてT細胞の認識
し得る長さ、すなわち、通常、アミノ酸残基数にして1
0乃至20個になるようにする。斯かるアミノ酸配列と
しては、例えば、配列表における配列番号1乃至7に示
すアミノ酸配列が挙げられ、また、斯かる相同体の例と
して、例えば、配列表における配列番号16乃至24に
示すアミノ酸配列のペプチドを挙げることができる。
【0051】この発明のペプチドは、「固相法」又は
「液相法」として知られる斯界において慣用のペプチド
合成法により、容易に調製することができる。この発明
はペプチド合成そのものに係わるものではないので、詳
しい説明は省略するが、例えば、社団法人日本生化学会
編『新生化学実験講座』、第1巻、「タンパク質V
I」、第3〜44頁、1992年、東京化学同人発行な
どにはペプチド合成の詳細が記載されている。ただし、
この発明のペプチドは化学合成により調製されたものに
限定されず、例えば、スギの花粉又は雄花から採取する
か、組換えDNA技術により調製したスギ花粉アレルゲ
ンを適宜分解し、分解物から採取したものであってもよ
い。あるいは、例えば、配列表における配列番号8乃至
13に示すアミノ酸配列又はそれらに相同的なアミノ酸
配列を有するペプチドをコードするDNAを調製し、こ
れを自律複製可能なベクターに挿入して組換えDNAと
し、これを大腸菌、枯草菌、放線菌、酵母などの適宜宿
主に導入して形質転換体とし、その培養物からこの発明
のペプチドを採取してもよい。配列表における配列番号
8乃至13に示すアミノ酸配列のペプチドをコードする
DNAは、例えば、特願平5−344596号明細書や
国際特許公開第93/01213号明細書に記載された
cDNAの塩基配列に基づいて調製することができる。
さらに、この発明のペプチドは、斯くして得られるペプ
チドに糖質やポリエチレングリコールを付加して得られ
る複合体としての形態、さらには、ペプチドをアセチル
化、アミド化及び/又は多官能試薬により架橋重合させ
て得られる誘導体又は重合体としての形態であってもよ
い。
【0052】この発明のペプチドは、比較的粗な形態で
投与しても所期の治療・予防効果を発揮するが、通常は
使用に先立って精製される。精製には、例えば、濾過、
濃縮、遠心分離、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン
交換クロマトグフラフィー、高速液体クロマトグラフィ
ー、アフィニティークロマトグラフィー、ゲル電気泳
動、等電点電気泳動などのペプチド乃至蛋白質を精製す
るための斯界における慣用の方法が用いられ、必要に応
じて、これら方法を適宜組合せればよい。そして、最終
使用形態に応じて、精製したペプチドを濃縮・凍結乾燥
して液状又は固状にすればよい。
【0053】前述のとおり、この発明のペプチドは、ス
ギ花粉アレルゲンに特異的なイムノグロブリンE抗体に
実質的に反応せず、しかも、スギ花粉アレルゲンに特異
的なT細胞を有意に活性化するので、スギ花粉症を治療
・予防するための免疫療法剤として広範な用途を有す
る。有効成分としてこの発明のペプチドを含んでなる免
疫療法剤は、スギ花粉症に罹患したヒトを含む哺乳類一
般に投与すると、アナフィラキシーなどの副作用を実質
的に引起こすことなく、スギ花粉症を治療することがで
きる。一方、この発明の免疫療法剤を、スギ花粉が飛散
し始める前に健常な個体や潜在的なスギ花粉症の個体に
投与するときには、スギ花粉症に対して顕著な予防効果
を発揮するとともに、発症時のアレルギー症状の緩解に
著効を発揮する。
【0054】この発明の免疫療法剤につきさらに詳しく
説明すると、この発明の免疫療法剤は、通常、この発明
によるペプチドの1種又は2種以上を0.01乃至10
0%(w/w)、望ましくは、0.05乃至50%(w
/w)、さらに望ましくは、0.5乃至5.0%(w/
w)含んでなる。この発明の免疫療法剤は、当該ペプチ
ド単独の形態はもとより、それ以外の生理的に許容され
る、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、マンニトー
ル、マルトース、トレハロースなどの担体、賦形剤、免
疫助成剤、安定剤、さらには、必要に応じて、ステロイ
ドホルモンやクリモグリク酸ナトリウムなどの抗炎症剤
や抗ヒスタミン剤を含む1種又は2種以上の他の薬剤と
の組成物としての形態を包含する。さらに、この発明の
免疫療法剤は、投薬単位形態の薬剤をも包含し、その投
薬単位形態の薬剤とは、この発明のポリペプチドを、例
えば、1日当たりの用量又はその整数倍(4倍まで)又
はその約数(1/40まで)に相当する量を含有し、投
与に適する物理的に分離した一体の剤型にある薬剤を意
味する。このような投薬単位形態の薬剤としては、散
剤、細粒剤、顆粒剤、丸剤、錠剤、カプセル剤、トロー
チ剤、シロップ剤、乳剤、軟膏剤、硬膏剤、パップ剤、
坐剤、点眼剤、点鼻剤、噴霧剤、注射剤などが挙げられ
る。
【0055】この発明の免疫療法剤の使用方法について
説明すると、この発明の免疫療法剤は、スギ花粉症の治
療・予防を目的に、ヒトを含む哺乳類一般に経皮、経
口、点鼻、点眼又は注射投与される。ヒトにおける投与
量は、投与の目的や症状に依っても変わるが、通常、対
象者の症状や投与後の経過を観察しながら、成人1日当
たり0.01乃至1.0g、望ましくは、0.01乃至
0.1gを目安に、毎週1回乃至毎月1回の頻度で、約
1乃至6カ月間、通常、用量を増やしながら反復投与さ
れる。
【0056】以下、この発明によるペプチドの調製と用
途につき、2〜3の実施例を挙げて説明する。
【0057】
【実施例A−1】<ペプチドの調製>ミリジェン/バイ
オリサーチ製ペプチド合成機『エクセル』を使用し、常
法にしたがって、配列表における配列番号8乃至11に
示すアミノ酸配列のペプチドを別々に合成し、バイオラ
ド製クロマトグラフィーカラム『Hi−Pore RP
−318型』を使用する逆相高速液体クロマトグラフィ
ーによりそれぞれ純度95%まで精製後、凍結乾燥して
固状物とした。固状物の一部をとり、パーキン・エルマ
ー製ペプチドシーケンサ『470A型』により分析した
ところ、合成に係る4種類のペプチドすべてが所期のア
ミノ酸配列を有していた。
【0058】
【実施例A−2】<ペプチドの調製>ケンブリッジ・リ
サーチ・バイオケミカルズ製ペプチド合成キット『マル
チピン』を使用し、常法にしたがって、配列表における
配列番号12及び13に示すアミノ酸配列のペプチドを
別々に化学合成し、実施例A−1と同様にしてそれぞれ
純度95%まで精製後、凍結乾燥して固状物とした。固
状物の一部をとり、実施例A−1と同様に分析したとこ
ろ、いずれも所期のアミノ酸配列を有していた。
【0059】
【実施例A−3】<ペプチドの調製>実施例A−1と同
様にして、配列表における配列番号16に示すアミノ酸
配列のペプチドを化学合成し、純度95%まで精製し
た。精製後、ペプチドの一部をとり、実施例A−1と同
様に分析したところ、所期のアミノ酸配列を有してい
た。
【0060】
【実施例A−4】<ペプチドの調製>実施例A−2と同
様にして、配列表における配列番号17に示すアミノ酸
配列のペプチドを化学合成し、純度95%まで精製し
た。精製後、ペプチドの一部をとり、実施例A−1と同
様に分析したところ、所期のアミノ酸配列を有してい
た。
【0061】
【実施例A−5】<ペプチドの調製>実施例A−1乃至
A−2と同様にして、実験例3の試料D−1乃至D−7
に相当する配列表における配列番号18乃至24に示す
アミノ酸配列のペプチドを化学合成し、それぞれ純度9
5%まで精製後、凍結乾燥して固状物とした。固状物の
一部をとり、パーキン・エルマー製ペプチドシーケンサ
『470型』により分析したところ、合成に係る7種類
のペプチドすべてが所期のアミノ酸配列を有していた。
【0062】
【実施例B−1】<液剤>実施例A−1及びA−2の方
法により得た6種類のペプチドのいずれかを最終濃度
0.1g/mlになるように安定剤として1%(w/
v)精製ゼラチンを含む蒸留水に溶解し、常法により滅
菌濾過して6種類の液剤を得た。
【0063】この発明のペプチドに対する感受性は、個
体ごとに変わるのが通例であるから、本品は、個々の個
体に最も適した組成になるよう、6種類の液剤を適宜配
合して使用する。安定性に優れた本品は、スギ花粉症を
治療・予防するための点眼剤、点鼻剤、口腔内噴霧剤用
の液剤として有用である。
【0064】
【実施例B−2】<注射剤>安定剤として1%(w/
v)ヒト血清アルブミンを含む生理食塩水に実施例A−
1及びA−2の方法により得た6種類のペプチドをそれ
ぞれ最終濃度0.01、0.1又は1mg/mlになる
ように溶解し、滅菌濾過した後、滅菌バイアル瓶に2m
lずつ分注し、凍結乾燥し、密栓した。
【0065】本品は、投与に先立ち、先ず、バイアル瓶
内に注射用蒸留水等を1ml加え、次いで、内容物を均
一に溶解して使用する。安定性に優れ、有効成分として
この発明による6種類のポリペプチドを含んでなる本品
は、スギ花粉症を治療・予防するための乾燥注射剤とし
て有用である。
【0066】
【実施例B−3】<錠剤>平均分子量約20,000ダ
ルトンの精製プルラン2gを蒸留水100mlに均一に
溶解し、溶液に塩化シアヌルの1.7%(w/v)アセ
トン溶液を2ml加え、5%(w/v)炭酸ナトリウム
水溶液でpHを7付近に保ちつつ、攪拌下、5℃で2時
間反応させた。その後、同様にして反応物のpHを7付
近に保ちながら、4℃の冷水に対して一晩透析し、活性
化プルランを含む水溶液20mlを得た。
【0067】この水溶液に実施例A−1の方法により得
た配列表における配列番号8、10及び11に示すアミ
ノ酸配列のペプチドと、実施例A−2の方法により得た
配列表に配列番号13に示すアミノ酸配列のペプチド
と、実施例A−3の方法により得たペプチドと、実施例
A−4の方法により得たペプチドをそれぞれ0.2mg
加え、溶液のpHを7付近に保ちつつ、緩やかに攪拌し
ながら、37℃で12時間反応させた。反応後、反応物
にグリシンを4g加え、緩やかに攪拌しながら、37℃
で5時間インキュベートし、未反応の活性基をブロック
した。
【0068】反応物を濃縮し、予め0.1M燐酸緩衝液
(pH7.0)で平衡化させておいたセファデックスG
−50カラムに負荷し、カラムに新鮮な同一緩衝液を通
液して、この発明のペプチドとプルランの複合体を含む
画分を採取した。収量は、原料ペプチド固形分当たり、
約30%であった。
【0069】常法にしたがって、この画分を滅菌濾過
し、濃縮し、凍結乾燥し、粉砕後、マンニトールを均一
に混合し、混合物を打錠して製品1錠(200mg)当
たり複合体を2、10又は50mg含む錠剤を得た。
【0070】摂取性、安定性に優れた本品は、スギ花粉
症を治療・予防するための舌下剤として有用である。
【0071】
【実施例B−4】<シロップ剤>大腸菌由来の精製リポ
多糖1gを10mM燐酸カルシウム水溶液100mlに
溶解し、溶液に100mM過沃素酸ナトリウムを6ml
加え、室温下で20分間反応させてリポ多糖を活性化し
た。反応物を4℃の1Mグリシン−塩酸緩衝液(pH
4.4)に対して一晩透析して未反応の過沃素酸を除去
した後、0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液によりpH
9.5付近に調整する一方、別途、実施例A−1及びA
−2の方法により得た6種類のペプチドを0.1M燐酸
緩衝液(pH7.0)100mlにそれぞれ10mgず
つ溶解し、活性化リポ多糖を含む上記反応物に加え、室
温下で12時間静置して反応させた。
【0072】その後、新たに得られた反応物を実施例B
−3の方法により精製し、得られたこの発明のペプチド
とリポ多糖の複合体を含む画分を濃縮し、凍結乾燥し、
粉砕して固状物とした。収量は、原料ペプチド固形分当
たり、約30%であった。
【0073】この固状物と蔗糖をそれぞれ最終濃度が
0.1若しくは1mg/ml又は50%(w/w)にな
るように安定剤として精製ゼラチンを1%(w/v)含
む蒸留水に溶解し、溶液を常法により滅菌濾過してシロ
ップ状物を得た。このシロップ状物を2mlずつ滅菌バ
イアル瓶に分注し、密栓して製品とした。
【0074】安定性に優れ、有効成分としてこの発明の
ペプチドとリポ多糖の複合体を含む本品は、スギ花粉症
を治療・予防するためのシロップ剤として有用である。
【0075】
【実施例B−5】<液剤>実施例A−5の方法により得
た7種類のペプチドのいずれかを最終濃度0.1g/m
lになるように安定剤として1%(w/v)精製ゼラチ
ンを含む蒸留水に溶解し、常法により滅菌濾過して7種
類の液剤を得た。
【0076】この発明のペプチドに対する感受性は、個
体ごとに変わるのが通例であるから、本品は、個々の個
体に最も適した組成になるよう、7種類の液剤を適宜配
合して使用する。安定性に優れた本品は、スギ花粉症を
治療・予防するための点眼剤、点鼻剤、口腔内噴霧剤用
の液剤として有用である。
【0077】
【実施例B−6】<注射剤>安定剤として1%(w/
v)ヒト血清アルブミンを含む生理食塩水に実施例A−
5の方法により得た7種類のペプチドをそれぞれ最終濃
度0.01、0.1又は1mg/mlになるように溶解
し、滅菌濾過した後、滅菌バイアル瓶に2mlずつ分注
し、凍結乾燥し、密栓した。
【0078】本品は、投与に先立ち、先ず、バイアル瓶
内に注射用蒸留水等を1ml加え、次いで、内容物を均
一に溶解して使用する。安定性に優れ、有効成分として
この発明による7種類のポリペプチドを含んでなる本品
は、スギ花粉症を治療・予防するための乾燥注射剤とし
て有用である。
【0079】
【実施例B−7】<シロップ剤>精製ゼラチンを1%
(w/v)含む蒸留水に実施例A−5の方法により得た
7種類のペプチドをそれぞれ0.1mg/mlと蔗糖を
50%(w/v)になるように溶解し、溶液を常法によ
り滅菌濾過してシロップ状物を得た。このシロップ状物
を2mlずつ滅菌バイアル瓶に分注し、密栓して製品と
した。
【0080】安定性に優れ、有効成分としてこの発明の
ペプチドを含む本品は、スギ花粉症を治療・予防するた
めのシロップ剤として有用である。
【0081】
【実験例4】<急性毒性試験>常法により、生後20日
目のマウスに実施例B−1乃至B−7の方法により得た
免疫療法剤を経口又は腹腔内投与した。その結果、これ
ら免疫療法剤は、いずれの投与経路によっても200m
g/kg以上のLD50であることが判明した。このこ
とは、この発明のペプチドが、ヒトを含む哺乳類に投与
する免疫療法剤に安全に配合使用し得ることを示してい
る。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は、本質
的にスギ花粉アレルゲンのT細胞エピトープからなるペ
プチドの発見に基づくものである。この発明のペプチド
は、スギ花粉アレルゲンに特異的なイムノグロブリンE
抗体に実質的に反応しないので、ヒトを含む哺乳類に投
与すると、実質的にアナフィラキシーを引起こすことな
く、スギ花粉アレルゲンに特異的なT細胞を活性化す
る。したがって、有効成分として斯かるペプチドを含ん
でなるこの発明の免疫療法剤は、ヒトを含む哺乳類に投
与すると、副作用少なく、短期間でスギ花粉症に対して
顕著な治療・予防効果を発揮する。しかも、この発明の
ペプチドは、所望量を容易に製造でき、品質管理も容易
なことから、スギ花粉症の治療・予防にきわめて安全に
使用できるものである。
【0083】斯くも顕著な作用効果を発揮するこの発明
は、斯界に貢献すること誠に多大な、意義のある発明と
云える。
【0084】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo <120> Peptide and uses of the same <130> 10047604 <150> JP94/242137 <151> 1994-9-10 <150> JP95/200221 <151> 1995-7-14 <160> 24 <210> 1 <211> 11 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 1 Lys Val Asp Gly Ile Ile Ala Ala Tyr Gln Asn 1 5 10 <210> 2 <211> 10 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 2 Ile Ile Ala Ala Tyr Gln Asn Pro Ala Ser 1 5 10 <210> 3 <211> 10 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 3 Asn Arg Ile Trp Leu Gln Phe Ala Lys Leu 1 5 10 <210> 4 <211> 10 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 4 Phe Ala Ser Lys Asn Phe His Leu Gln Lys 1 5 10 <210> 5 <211> 11 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 5 Ser Leu Lys Leu Thr Ser Gly Lys Ile Ala Ser 1 5 10 <210> 6 <211> 8 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 6 Leu Thr Leu Arg Thr Ala Thr Asn 1 5 <210> 7 <211> 5 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 7 Ala Phe Asn Val Glu 1 5 <210> 8 <211> 17 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 8 Lys Val Asp Gly Ile Ile Ala Ala Tyr Gln Asn Pro Ala Ser Trp Lys Asn 1 5 10 15 <210> 9 <211> 17 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 9 Asn Arg Ile Trp Leu Gln Phe Ala Lys Leu Thr Gly Phe Thr Leu Met Gly 1 5 10 15 <210> 10 <211> 17 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 10 Asp Ile Phe Ala Ser Lys Asn Phe His Leu Gln Lys Asn Thr Ile Gly Thr 1 5 10 15 <210> 11 <211> 17 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 11 Asp Ile Ser Leu Lys Leu Thr Ser Gly Lys Ile Ala Ser Cys Leu Asn Asp 1 5 10 15 <210> 12 <211> 14 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223 Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consists of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 12 Leu Thr Leu Arg Thr Ala Thr Asn Ile Trp Ile Asp His Asn 1 5 10 <210> 13 <211> 14 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 13 Gly Gly Asn Ile Tyr Thr Lys Lys Glu Ala Phe Asn Val Glu 1 5 10 <210> 14 <211> 514 <212> PRT <213> Cryptomeria japonica <400> 14 Met Ala Met Lys Phe Ile Ala Pro Met Ala Phe Val Ala Met Gln Leu Ile 1 5 10 15 Ile Met Ala Ala Ala Glu Asp Gln Ser Ala Gln Ile Met Leu Asp Ser Asp 20 25 30 Ile Glu Gln Tyr Leu Arg Ser Asn Arg Ser Leu Arg Lys Val Glu His Ser 35 40 45 50 Arg His Asp Ala Ile Asn Ile Phe Asn Val Glu Lys Tyr Gly Ala Val Gly 55 60 65 Asp Gly Lys His Asp Cys Thr Glu Ala Phe Ser Thr Ala Trp Gln Ala Ala 70 75 80 85 Cys Lys Lys Pro Ser Ala Met Leu Leu Val Pro Gly Asn Lys Lys Phe Val 90 95 100 Val Asn Asn Leu Phe Phe Asn Gly Pro Cys Gln Pro His Phe Thr Phe Lys 105 110 115 Val Asp Gly Ile Ile Ala Ala Tyr Gln Asn Pro Ala Ser Trp Lys Asn Asn 120 125 130 135 Arg Ile Trp Leu Gln Phe Ala Lys Leu Thr Gly Phe Thr Leu Met Gly Lys 140 145 150 Gly Val Ile Asp Gly Gln Gly Lys Gln Trp Trp Ala Gly Gln Cys Lys Trp 155 160 165 170 Val Asn Gly Arg Glu Ile Cys Asn Asp Arg Asp Arg Pro Thr Ala Ile Lys 175 180 185 Phe Asp Phe Ser Thr Gly Leu Ile Ile Gln Gly Leu Lys Leu Met Asn Ser 190 195 200 Pro Glu Phe His Leu Val Phe Gly Asn Cys Glu Gly Val Lys Ile Ile Gly 205 210 215 220 Ile Ser Ile Thr Ala Pro Arg Asp Ser Pro Asn Thr Asp Gly Ile Asp Ile 225 230 235 Phe Ala Ser Lys Asn Phe His Leu Gln Lys Asn Thr Ile Gly Thr Gly Asp 240 245 250 255 Asp Cys Val Ala Ile Gly Thr Gly Ser Ser Asn Ile Val Ile Glu Asp Leu 260 265 270 Ile Cys Gly Pro Gly His Gly Ile Ser Ile Gly Ser Leu Gly Arg Glu Asn 275 280 285 Ser Arg Ala Glu Val Ser Tyr Val His Val Asn Gly Ala Lys Phe Ile Asp 290 295 300 305 Thr Gln Asn Gly Leu Arg Ile Lys Thr Trp Gln Gly Gly Ser Gly Met Ala 310 315 320 Ser His Ile Ile Tyr Glu Asn Val Glu Met Ile Asn Ser Glu Asn Pro Ile 325 330 335 340 Leu Ile Asn Gln Phe Tyr Cys Thr Ser Ala Ser Ala Cys Gln Asn Gln Arg 345 350 355 Ser Ala Val Gln Ile Gln Asp Val Thr Tyr Lys Asn Ile Arg Gly Thr Ser 360 365 370 Ala Thr Ala Ala Ala Ile Gln Leu Lys Cys Ser Asp Ser Met Pro Cys Lys 375 380 385 390 Asp Ile Lys Leu Ser Asp Ile Ser Leu Lys Leu Thr Ser Gly Lys Ile Ala 395 400 405 Ser Cys Leu Asn Asp Asn Ala Asn Gly Tyr Phe Ser Gly His Val Ile Pro 410 415 420 425 Ala Cys Lys Asn Leu Ser Pro Ser Ala Lys Arg Lys Glu Ser Lys Ser His 430 435 440 Lys His Pro Lys Thr Val Met Val Lys Asn Met Gly Ala Tyr Asp Lys Gly 445 450 455 Asn Arg Thr Arg Ile Leu Leu Gly Ser Arg Pro Pro Asn Cys Thr Asn Lys 460 465 470 475 Cys His Gly Cys Ser Pro Cys Lys Ala Lys Leu Val Ile Val His Arg Ile 480 485 490 Met Pro Gln Glu Tyr Tyr Pro Gln Arg Trp Met Cys Ser Arg His Ala Lys 495 500 505 510 Ile Tyr His Pro <210> 15 <211> 353 <212> PRT <213> Cryptomeria japonica <400> 15 Asp Asn Pro Ile Asp Ser Cys Trp Arg Gly Asp Ser Asn Trp Ala Gln Asn 1 5 10 15 Arg Met Lys Leu Ala Asp Cys Ala Val Gly Phe Gly Ser Ser Thr Met Gly 20 25 30 Gly Lys Gly Gly Asp Leu Tyr Thr Val Thr Asn Ser Asp Asp Asp Pro Val 35 40 45 50 Asn Pro Ala Pro Gly Thr Leu Arg Tyr Gly Ala Thr Arg Asp Arg Pro Leu 55 60 65 Trp Ile Ile Phe Ser Gly Asn Met Asn Ile Lys Leu Lys Met Pro Met Tyr 70 75 80 85 Ile Ala Gly Tyr Lys Thr Phe Asp Gly Arg Gly Ala Gln Val Tyr Ile Gly 90 95 100 Asn Gly Gly Pro Cys Val Phe Ile Lys Arg Val Ser Asn Val Ile Ile His 105 110 115 Gly Leu Tyr Leu Tyr Gly Cys Ser Thr Ser Val Leu Gly Asn Val Leu Ile 120 125 130 135 Asn Glu Ser Phe Gly Val Glu Pro Val His Pro Gln Asp Gly Asp Ala Leu 140 145 150 Thr Leu Arg Thr Ala Thr Asn Ile Trp Ile Asp His Asn Ser Phe Ser Asn 155 160 165 170 Ser Ser Asp Gly Leu Val Asp Val Thr Leu Thr Ser Thr Gly Val Thr Ile 175 180 185 Ser Asn Asn Leu Phe Phe Asn His His Lys Val Met Leu Leu Gly His Asp 190 195 200 Asp Ala Tyr Ser Asp Asp Lys Ser Met Lys Val Thr Val Ala Phe Asn Gln 205 210 215 220 Phe Gly Pro Asn Cys Gly Gln Arg Met Pro Arg Ala Arg Tyr Gly Leu Val 225 230 235 His Val Ala Asn Asn Asn Tyr Asp Pro Trp Thr Ile Tyr Ala Ile Gly Gly 240 245 250 255 Ser Ser Asn Pro Thr Ile Leu Ser Glu Gly Asn Ser Phe Thr Ala Pro Asn 260 265 270 Glu Ser Tyr Lys Lys Gln Val Thr Ile Arg Ile Gly Cys Lys Thr Ser Ser 275 280 285 Ser Cys Ser Asn Trp Val Trp Gln Ser Thr Gln Asp Val Phe Tyr Asn Gly 290 295 300 305 Ala Tyr Phe Val Ser Ser Gly Lys Tyr Glu Gly Gly Asn Ile Tyr Thr Lys 310 315 320 Lys Glu Ala Phe Asn Val Glu Asn Gly Asn Ala Thr Pro Gln Leu Thr Lys 325 330 335 340 Asn Ala Gly Val Leu Thr Cys Ser Leu Ser Lys Arg Cys 345 350 <210> 16 <211> 17 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 16 Asn Arg Ile Trp Leu Gln Phe Ala Lys Leu Gln Gly Phe Thr Leu Met Gly 1 5 10 15 <210> 17 <211> 14 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 17 Leu Ala Leu Arg Thr Ala Thr Asn Ile Trp Ile Asp His Asn 1 5 10 <210> 18 <211> 17 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 18 Lys Val Asp Gly Ile Ile Ala Ala Tyr Gln Asn Ala Ala Ala Ala Ala Ala 1 5 10 15 <210> 19 <211> 17 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 19 Ala Ala Ala Ala Ile Ile Ala Ala Tyr Gln Asn Pro Ala Ser Ala Ala Ala 1 5 10 15 <210> 20 <211> 17 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 20 Asn Arg Ile Trp Leu Gln Phe Ala Lys Leu Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala 1 5 10 15 <210> 21 <211> 17 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 21 Ala Ala Phe Ala Ser Lys Asn Phe His Leu Gln Lys Ala Ala Ala Ala Ala 1 5 10 15 <210> 22 <211> 17 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 22 Ala Ala Ser Leu Lys Leu Thr Ser Gly Lys Ile Ala Ser Ala Ala Ala Ala 1 5 10 15 <210> 23 <211> 14 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 23 Leu Thr Leu Arg Thr Ala Thr Asn Ala Ala Ala Ala Ala Ala 1 5 10 <210> 24 <211> 14 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: Designed peptide which consist s of T cell epitopes derived from ceder pollen allergens <400> 24 Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Phe Asn Val Glu 1 5 10
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/08 A61P 37/08 Fターム(参考) 4C076 AA12 AA22 AA29 AA36 BB01 BB11 BB22 BB24 BB25 DD38 DD60 DD67 EE30 EE41 EE42 FF01 FF04 FF11 FF36 4C085 AA02 AA03 BB03 BB11 CC21 CC31 DD62 EE01 4H045 AA11 AA30 BA15 BA16 CA30 DA86 EA20 FA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スギ花粉アレルゲンに特異的なイムノグ
    ロブリンE抗体に実質的に反応せず、H−チミジンの
    取込みにより判定する方法で試験すると、陰性対照と比
    較して、スギ花粉アレルゲンに特異的なT細胞を有意に
    活性化することを特徴とする、配列表における配列番号
    1、2、3、4又は5で表されるアミノ酸配列のペプチ
    ド。
  2. 【請求項2】 有効成分として請求項1に記載のペプチ
    ドを含んでなる免疫療法剤。
  3. 【請求項3】 有効成分として請求項1に記載のペプチ
    ドを0.01乃至100%(w/w)含んでなる請求項
    2に記載の免疫療法剤。
  4. 【請求項4】 安定剤又は賦形剤として血清アルブミ
    ン、ゼラチン、マンニトール、マルトース及び/又はト
    レハロースを含む請求項2又は3に記載の免疫療法剤。
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