JP3980016B2 - ペプチドとその用途 - Google Patents
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Description
(i) ペプチドがB細胞エピトープを欠いている、すなわち、アレルゲンに特異的なイムノグロブリンE抗体が反応しないので、従来の粗製又は精製アレルゲンで頻発していたアナフィラキシーなどの副作用が起こり得ない。
(ii) 少量からスタートし、有効投与量に達するまでの期間が、従来の減感作剤に比較して、大幅に短縮できる。
などの利点がある。
前述のとおり、これまで、スギ花粉には、性質・性状の相違する、少なくとも2種類のアレルゲンの存在することが知られている。これらスギ花粉アレルゲンの成熟蛋白質は、組換えDNA技術により、配列表における配列番号14又は15に示すアミノ酸配列を有することが明らかにされており、現に、スギ花粉からは、配列番号14に示すアミノ酸配列における第46乃至433番目又は第51乃至433番目に相当するアミノ酸配列のスギ花粉アレルゲン(以下、「アレルゲンA」と云う。)と、配列番号15に示すアミノ酸配列における第1乃至353番目のアミノ酸配列を有するスギ花粉アレルゲン(以下、「アレルゲンB」と云う。)が単離されている。なお、アレルゲンAをコードする遺伝子においては、未だ、シグナルペプチドが確定されていないので、配列番号14においては、暫定的に、cDNAの塩基配列から解読したアミノ酸配列におけるN末端側の最初のアミノ酸残基に符号「1」を付している。
秋田県産ウラスギの雄花から採取した花粉1重量部を約16重量部の0.125M炭酸水素ナトリウム水溶液(pH8.2)に浸漬し、穏やかに攪拌しながら、4℃で1時間抽出した。抽出物を遠心分離し、残渣を上記と同様に再度抽出し、得られた上清と初回の上清をプールし、これにセタブロンを0.1%(w/v)になるように加え、緩やかに攪拌しながら、4℃で1時間静置して多糖類を沈澱させ、遠心分離後、上清に硫酸アンモニウムを80%飽和になるように加え、4℃で一昼夜静置して塩析した。
フィコール・ハイパック比重遠心法により、花粉症患者のヘパリン加末梢血からスギ花粉アレルゲンに特異的なT細胞を含む単核細胞群を分離した。この単核細胞群を5%(v/v)AB血清を補足したRPMI1640培地(pH7.0)に浮遊させ、96ウェルマイクロプレート上に5×105個/ウェルずつ分注 し、実験例1−1及び1−2で調製したペプチド又はスギ花粉アレルゲンを1μg/ウェル加え、新鮮な同一培地で200μl/ウェルとした後、5%CO2培 養器中、37℃で2日間インキュベートした。その後、3H−チミジンを1.0 μCi/ウェルずつ加え、同一条件下でさらに16時間インキュベートした後、シンチレーションカウンタを使用する公知の方法により、単核細胞群における3H−チミジンの取込み量を測定した。同時に、ペプチドもスギ花粉アレルゲンも含まない系を設け、上記と同様に処置して陰性対照とした。
実験例2−1においてスギ花粉アレルゲンに特異的なT細胞を有意に活性化することが明らかとなった試料B−39、B−80、C−1乃至C−4並びにアレルゲンA及びBに、タニアイらが『モレキュラー・イムノロジー』、第30巻、第2号、第183〜189頁(1993年)に報告しているEIA法を適用し、スギ花粉症患者の血液から採取したスギ花粉アレルゲンに特異的なイムノグロブリンE抗体との反応性を調べた。
本実験例では、実験例2で明らかにした6種類のT細胞エピトープをさらに解析し、T細胞がそれらを認識するために不可欠なアミノ酸配列を検索した。
ミリジェン/バイオリサーチ製ペプチド合成機『エクセル』を使用し、常法にしたがって、配列表における配列番号8乃至11に示すアミノ酸配列のペプチドを別々に合成し、バイオラド製クロマトグラフィーカラム『Hi−Pore RP−318型』を使用する逆相高速液体クロマトグラフィーによりそれぞれ純度95%まで精製後、凍結乾燥して固状物とした。固状物の一部をとり、パーキン・エルマー製ペプチドシーケンサ『470A型』により分析したところ、合成に係る4種類のペプチドすべてが所期のアミノ酸配列を有していた。
ケンブリッジ・リサーチ・バイオケミカルズ製ペプチド合成キット『マルチピン』を使用し、常法にしたがって、配列表における配列番号12及び13に示すアミノ酸配列のペプチドを別々に化学合成し、実施例A−1と同様にしてそれぞれ純度95%まで精製後、凍結乾燥して固状物とした。固状物の一部をとり、実施例A−1と同様に分析したところ、いずれも所期のアミノ酸配列を有していた。
実施例A−1と同様にして、配列表における配列番号16に示すアミノ酸配列のペプチドを化学合成し、純度95%まで精製した。精製後、ペプチドの一部をとり、実施例A−1と同様に分析したところ、所期のアミノ酸配列を有していた。
実施例A−2と同様にして、配列表における配列番号17に示すアミノ酸配列のペプチドを化学合成し、純度95%まで精製した。精製後、ペプチドの一部をとり、実施例A−1と同様に分析したところ、所期のアミノ酸配列を有していた。
実施例A−1乃至A−2と同様にして、実験例3の試料D−1乃至D−7に相当する配列表における配列番号18乃至24に示すアミノ酸配列のペプチドを化学合成し、それぞれ純度95%まで精製後、凍結乾燥して固状物とした。固状物の一部をとり、パーキン・エルマー製ペプチドシーケンサ『470型』により分析したところ、合成に係る7種類のペプチドすべてが所期のアミノ酸配列を有していた。
実施例A−1及びA−2の方法により得た6種類のペプチドのいずれかを最終濃度0.1g/mlになるように安定剤として1%(w/v)精製ゼラチンを含む蒸留水に溶解し、常法により滅菌濾過して6種類の液剤を得た。
安定剤として1%(w/v)ヒト血清アルブミンを含む生理食塩水に実施例A−1及びA−2の方法により得た6種類のペプチドをそれぞれ最終濃度0.01、0.1又は1mg/mlになるように溶解し、滅菌濾過した後、滅菌バイアル瓶に2mlずつ分注し、凍結乾燥し、密栓した。
平均分子量約20,000ダルトンの精製プルラン2gを蒸留水100mlに均一に溶解し、溶液に塩化シアヌルの1.7%(w/v)アセトン溶液を2ml加え、5%(w/v)炭酸ナトリウム水溶液でpHを7付近に保ちつつ、攪拌下、5℃で2時間反応させた。その後、同様にして反応物のpHを7付近に保ちながら、4℃の冷水に対して一晩透析し、活性化プルランを含む水溶液20mlを得た。
大腸菌由来の精製リポ多糖1gを10mM燐酸カルシウム水溶液100mlに溶解し、溶液に100mM過沃素酸ナトリウムを6ml加え、室温下で20分間反応させてリポ多糖を活性化した。反応物を4℃の1Mグリシン−塩酸緩衝液(pH4.4)に対して一晩透析して未反応の過沃素酸を除去した後、0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液によりpH9.5付近に調整する一方、別途、実施例A−1及びA−2の方法により得た6種類のペプチドを0.1M燐酸緩衝液(pH7.0)100mlにそれぞれ10mgずつ溶解し、活性化リポ多糖を含む上記反応物に加え、室温下で12時間静置して反応させた。
実施例A−5の方法により得た7種類のペプチドのいずれかを最終濃度0.1g/mlになるように安定剤として1%(w/v)精製ゼラチンを含む蒸留水に溶解し、常法により滅菌濾過して7種類の液剤を得た。
安定剤として1%(w/v)ヒト血清アルブミンを含む生理食塩水に実施例A−5の方法により得た7種類のペプチドをそれぞれ最終濃度0.01、0.1又は1mg/mlになるように溶解し、滅菌濾過した後、滅菌バイアル瓶に2mlずつ分注し、凍結乾燥し、密栓した。
精製ゼラチンを1%(w/v)含む蒸留水に実施例A−5の方法により得た7種類のペプチドをそれぞれ0.1mg/mlと蔗糖を50%(w/v)になるように溶解し、溶液を常法により滅菌濾過してシロップ状物を得た。このシロップ状物を2mlずつ滅菌バイアル瓶に分注し、密栓して製品とした。
常法により、生後20日目のマウスに実施例B−1乃至B−7の方法により得た免疫療法剤を経口又は腹腔内投与した。その結果、これら免疫療法剤は、いずれの投与経路によっても200mg/kg以上のLD50であることが判明した。このことは、この発明のペプチドが、ヒトを含む哺乳類に投与する免疫療法剤に安全に配合使用し得ることを示している。
Claims (1)
- スギ花粉アレルゲンに特異的なイムノグロブリンE抗体に実質的に反応せず、3H−チミジンの取込みにより判定する方法で試験すると、陰 性対照と比較して、スギ花粉アレルゲンに特異的なT細胞を有意に活性化することを特徴とする、配列表の配列番号1、2、3、4、5、6、7、9、10、11、12又は13で表されるアミノ酸配列のペプチドを2種以上を含んでなる免疫療法剤。
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