JP2003128635A - 不飽和アミン類の製造方法 - Google Patents
不飽和アミン類の製造方法Info
- Publication number
- JP2003128635A JP2003128635A JP2001317721A JP2001317721A JP2003128635A JP 2003128635 A JP2003128635 A JP 2003128635A JP 2001317721 A JP2001317721 A JP 2001317721A JP 2001317721 A JP2001317721 A JP 2001317721A JP 2003128635 A JP2003128635 A JP 2003128635A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- unsaturated
- transition metal
- water
- metal complex
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
的還元により不飽和アミン類を製造するにあたり、使用
後の触媒の回収再使用が容易な触媒反応によって不飽和
アミン類を選択的に製造できる方法を提供すること。 【解決手段】 親水性ホスフィン化合物を配位子として
有する水溶性の遷移金属錯体の存在下、多相系溶媒中で
不飽和イミン類又は不飽和オキシム類を、水素と反応さ
せて不飽和アミンを製造する。
Description
合成中間体、ポリマー原料、界面活性剤原料等として広
く利用される不飽和アミン類の製造方法に関する。
ム類の選択還元により不飽和アミン類を製造する方法は
公知であり、例えば、水素化アルミニウムリチウム、
水素化ホウ素ナトリウム等の水素化金属化合物で不飽和
イミン類又は不飽和オキシム類を還元する方法、不飽
和イミン類又は不飽和オキシム類を電解還元する方法、
ナトリウムアマルガムを用いて不飽和イミン類又は不
飽和オキシム類を還元する方法、ポリメチルヒドロシ
ロキサン等のシロキサン類で不飽和イミン類又は不飽和
オキシム類を還元する方法などが知られている。これら
の中でも操作の簡便さ、化合物の入手の容易さ等の観点
から、特にの水素化金属化合物で不飽和イミン類又は
不飽和オキシム類を還元する方法が通常採用されている
[J.Am.Chem.Soc.,74,5185(1
952)、Chem.Ber.,121,225(19
88)、Synthesis,587(1988)、
J.Org.Chem.,63,370(1998)、
J.Org.Chem.,61,3849(1996)
等]。ところが、この方法で使用する還元剤の水素化金
属化合物は非常に高価であり、これを原料の不飽和イミ
ン類又は不飽和オキシム類に対して等量以上使用しなけ
ればならないため、工業的に実施するには経済性の観点
からは有利な方法とは言いがたい。上記方法のほかに、
遷移金属錯体の存在下、不飽和結合を有する環状イミニ
ウム塩を水素と反応させて不飽和結合を有する環状アミ
ンを製造する方法が知られている[Terahedro
n−Asymmetry,9,4043(199
8)]。当該方法では、例えば、クロロ(1,5−シク
ロオクタジエン)イリジウム(I)二量体[{Ir(C
OD)Cl}2]及び配位子としてのキラルなアミドフ
ォスフィン−フォスフィナイト、並びにテトラブチルア
ンモニウム=ヨージドの存在下、トルエン及びメタノー
ルの混合溶媒中、3,4,5,6,7,8−ヘキサヒド
ロイソキノリン誘導体の酸塩を水素で還元して1,2,
3,4,5,6,7,8−オクタヒドロイソキノリン誘
導体を得ている。しかしながらこの方法においては、反
応に不飽和結合を有するイミンの酸塩を使用しており、
不飽和イミン類をそのまま水素と反応させて不飽和アミ
ン類を製造するものではない。そして遷移金属錯体触媒
と共に四級アンモニウム塩を併用しているため、触媒の
回収、再使用が困難であると考えられる。また、上記方
法のほかに、例えば、1,2−ビス(ジフェニルホスフ
ィノアミノ)シクロヘキサンと1,2−ジフェニルエチ
レンジアミンを配位子として含むルテニウムヒドリド錯
体を触媒に用いて、イソプロポキシカリウムの存在下、
水素で共役不飽和イミンの還元を行う方法が知られてい
る。[Organometallics,20,6,1
048(2001)]。当該方法によって、例えば、ベ
ンゼン溶媒中或いは無溶媒で、1−アザ−1,4−ジフ
ェニル−2−メチルブタジエンを還元して、N,3−フ
ェニル−1−メチルアリルアミンが48%及びN,3−
ジフェニル−1−メチルプロピルアミンが52%の割合
で得られている。この方法においては、脂溶性錯体触媒
を用いており、触媒と目的物の分離及び触媒の再使用の
ための回収操作が煩雑若しくは分離、回収が困難である
ことが予想される。なお、デリケートな金属錯体を触媒
として使用した後、使用後の金属錯体を触媒として再使
用することは、きわめて困難であった。
ン類又は不飽和オキシム類の選択的還元により不飽和ア
ミン類を製造するにあたり、上記従来法の問題点を解決
した工業的に適用しうる簡便な方法、即ち、使用後の触
媒の回収再使用が容易な触媒反応によって不飽和アミン
類を選択的に製造できる方法を提供することを課題とす
る。
を解決するために鋭意研究を行った。その結果、不飽和
イミン類又は不飽和オキシム類を水素で還元して不飽和
アミン類を製造する際に、親水性ホスフィン化合物を配
位子として有する水溶性の遷移金属錯体を触媒として用
い、そして還元を多相系溶媒中で行う方法によって、4
級アンモニウム塩を用いることなく目的の不飽和アミン
類を選択的に容易に製造できることを見出した。そして
触媒として使用した水溶性の遷移金属錯体は反応終了後
の反応混合物から容易に回収でき、これを反応に再使用
できることも見出し、本発明を完成するに至った。
配位子として有する水溶性の遷移金属錯体の存在下、多
相系溶媒中で不飽和イミン類又は不飽和オキシム類を、
水素と反応させて不飽和アミンを製造することを特徴と
する不飽和アミン類の製造方法に関する。
本発明に用いられる不飽和イミン類とは、分子内に炭素
原子間の不飽和結合を少なくとも1個とイミノ基を少な
くとも1個有する化合物であり、また不飽和オキシム類
とは、分子内に炭素原子間の不飽和結合を少なくとも1
個とヒドロキシイミノ基及びアルコキシイミノ基から選
ばれる基を少なくとも1個有する化合物である。
としては、一般に公知の方法によって製造したものを使
用できる。例えば、以下に示す反応経路にしたがって、
ケトン類又はアルデヒド類をアンモニア、第一級アミ
ン、ヒドロキシルアミン又はアルコキシルアミン類と反
応させて製造したものを用いることができる。
ぞれ水素原子又はいずれも置換基を有していてもよいア
ルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロア
ルケニル基或いはアリール基を表すか、又はR1及びR2
が一緒になってそれらが結合する炭素原子と共に環を形
成する基を表し、R3及びR4はそれぞれ水素原子又はい
ずれも置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニ
ル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基或いはア
リール基を表し、且つ、R1、R2、R3及びR4から選ば
れる少なくとも1つが炭素原子間の不飽和結合を少なく
とも1個有する基である。)
る置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル
基、シクロアルキル基及びシクロアルケニル基において
置換基を持たないものとしては、例えば、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数
1〜6の直鎖状及び分岐鎖状のアルキル基;アリル基、
2−ブテニル基、3−ブテニル基、ビニル基等の炭素数
2〜4の直鎖状及び分岐鎖状のアルケニル基;シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シク
ロオクチル基等の炭素数5〜8のシクロアルキル基;該
シクロアルキル基において隣接する炭素原子間の結合の
少なくとも1つが二重結合であるシクロアルケニル基;
等が挙げられ、これらが置換基を有するものであると
き、置換基としては、例えば、水酸基;メトキシ基、エ
トキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜4の直鎖状
及び分岐鎖状のアルコキシ基;フェニル基及びナフチル
基並びにこれらが前記アルキル基、アルケニル基、シク
ロアルキル基、シクロアルケニル基及びアルコキシ基並
びに水酸基等から選ばれる置換基を1個以上有していて
もよいアリール基;等を挙げることができる。また
R1、R2又はR6で表される置換基を有していてもよい
アリール基としては、例えば、前記置換基を有していて
もよいアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、
シクロアルケニル基及びアルコキシ基並びに水酸基から
なる群より選ばれる基を1個以上有していてもよいフェ
ニル基及びナフチル基等を挙げることができる。
合する炭素原子と共に環を形成する基としては、例え
ば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、
ペンタメチレン基及びヘキサメチレン基等のアルキレン
基;これらアルキレン基が前記アルキル基、アルコキシ
基及び水酸基等から選ばれる置換基を1個以上有するも
の;及びこれら置換基を有していてもよいアルキレン基
においてアルキレン鎖中に炭素原子間の二重結合を1個
以上有する基;並びにこれらが窒素原子及び/又は酸素
原子によって中断されているもの(即ち、例えば、R1
とR2が一緒になってそれらが結合する炭素原子と共に
ピペリジン環、モルホリン環等の複素環を形成するも
の)等を挙げることができる。
飽和オキシム類は、上記の例に限定されず、またシン型
及びアンチ型の立体構造についても特に制限はない。
性ホスフィン化合物を配位子として有する水溶性の遷移
金属錯体(以下、単に水溶性遷移金属錯体という。)に
おいて、親水性ホスフィン化合物は、親水性であって遷
移金属原子又はそのイオンと共に錯体を形成し得るホス
フィン化合物であればいずれも用いることができ、公知
のものを広く適用することができる。親水性ホスフィン
化合物は、分子中にリン原子を1個又は2個以上含むも
ののいずれであってもよく、好ましくは分子中にリン原
子を1個又は2個含むものである。
ィン化合物としては、例えば、式(1):
リ金属イオン又はアンモニウムイオンを表す。以下、同
様。)及びカルボキシラート基(−COOM2:M2はア
ルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンを表す。以
下、同様。)からなる群より選ばれる置換基を1個以上
有するアリール基;炭素数1〜6のヒドロキシアルキル
基;スルホナト基及びカルボキシラート基からなる群よ
り選ばれる置換基を1個以上有する炭素数1〜6のアル
キル基;又は下記式(2)〜(6)から選ばれる基を表
し、R6及びR7は互いに同じか或いは異なってそれぞれ
置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、
アリール基或いはアラルキル基を表す。)で示される化
合物等が代表的なものとして挙げられる。
基を表し、aは0〜3の整数、bは2〜16の整数であ
る。)
オンを表し、cは2〜10の整数である。)
ン基又はフェニレン基を表し、eは3〜7の整数であ
る。)
ホナト基及びカルボキシラート基からなる群より選ばれ
る置換基を1個以上有するアリール基は、好ましくはス
ルホナト基又はカルボキシラート基を1個又は2個有す
るフェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基及びビナフ
チリル基であり、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基
は、好ましくはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル
基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピ
ル基、4−ヒドロキシブチル基等の炭素数1〜4のヒド
ロキシアルキル基であり、スルホナト基及びカルボキシ
ラート基からなる群より選ばれる置換基を1個以上有す
る炭素数1〜6のアルキル基は、好ましくはスルホナト
基又はカルボキシラート基を1個有する炭素数1〜4の
アルキル基である。
で表される置換基を有していてもよいアルキル基、アル
コキシ基、アリール基及びアラルキル基には、上記R5
で示される置換基が包含される。その他の置換基を有し
ていてもよいアルキル基としては、例えば、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、イソブチル基、n−ペンチル基及びn−ヘキシル
基等の炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状の無置換のア
ルキル基並びにこれらが、水酸基、ニトロ基、アミノ基
及びハロゲン原子からなる群より選ばれる置換基を1個
以上有するもの等が挙げられ、置換基を有していてもよ
いアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキ
シ基、n−プロピルオキシ基、イソプロポキシ基、n−
ブチルオキシ基、イソブトキシ基、n−ペンチルオキシ
基、n−ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖状又
は分岐鎖状の無置換のアルコキシ基並びに当該無置換の
アルコキシ基が水酸基、ニトロ基、アミノ基及びハロゲ
ン原子等からなる群より選ばれる置換基を1個以上有す
るもの等が挙げられ、置換基を有していてもよいアリー
ル基としては、例えば、前記置換基を有していてもよい
アルキル基及びアルコキシ基並びに水酸基からなる群よ
り選ばれる置換基を1個以上有していてもよいフェニル
基、ナフチル基、ビフェニル基、フェニルナフチル基並
びにビナフチル基等(具体的には、例えば、置換基を有
していてもよいフェニル基としては、フェニル基、トリ
ル基、キシリル基、メシチル基、クミル基、メトキシフ
ェニル基、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシトリル基
等)が挙げられ、置換基を有していてもよいアラルキル
基としては、例えば、前記置換基を有していてもよいア
ルキル基に前記置換基を有していてもよいアリール基が
置換したもの等(具体的には、例えば、ベンジル基、フ
ェネチル基、フェニルプロピル基、トリルメチル基、キ
シリルメチル基、(ヒドロキシフェニル)メチル基等)
が挙げられる。
ィン化合物は上記式(1)で示される化合物に限定され
ない。分子中にリン原子を1個含む親水性ホスフィン化
合物の具体例としては、例えば、以下の化合物を挙げる
ことができる。
表し、kは7〜16の整数、mは0〜2の整数、nは1
〜3の整数であり、m+n=3である。)
1〜3の整数であり、q+r=3である。)
ホスフィン化合物としては、例えば、式(7):
は異なってそれぞれ置換基を有していてもよいアルキル
基、アルコキシ基、アリール基又はアラルキル基を表
し、Aは置換基を有していてもよいアルキレン基;置換
基を有していてもよいアリーレン基;又は式(8):
し、Aが置換基を有していてもよいアルキレン基又はア
リーレン基の場合、当該アルキレン基及びアリーレン基
はスルホナト基及びカルボキシラート基からなる群より
選ばれる置換基を1個以上有し及び/又はR11、R12、
R13及びR14の少なくとも1個は式(1)中のR5と同
様である。]で示される化合物が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、
アリール基及びアラルキル基は、上記式(1)における
R6及びR7と同様である。
していてもよいアルキレン基としては、例えば、メチレ
ン基;エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン
基、ペンタメチレン基及びヘキサメチレン基等のポリメ
チレン基;これらが置換基を有していてもよいアルキル
基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基[上記式
(1)におけるR6及びR7のそれらと同様]、スルホナ
ト基及びカルボキシラート基からなる群から選ばれる少
なくとも1個の置換基を有していてもよい基等が挙げら
れる。置換基を有していてもよいアリーレン基として
は、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基及
びビナフチリレン基並びにこれらが置換基を有していて
もよいアルキル基、アルコキシ基、アラルキル基及びア
リール基[上記式(1)におけるR6及びR7のそれらと
同様]並びにスルホナト基及びカルボキシラート基から
なる群から選ばれる少なくとも1個の置換基を有してい
てもよい基が挙げられる。
ィン化合物は、上記式(7)で示される化合物に限定さ
れるものではない。分子中にリン原子を2個含む親水性
ホスフィン化合物の具体例としては、例えば、以下の化
合物を挙げることができる。
キラルな化合物であり、不飽和イミン類又は不飽和オキ
シム類がプロキラルな化合物であるときには、本発明に
よりキラルな不飽和アミン類が得られることが期待され
る。このようなキラルな親水性ホスフィン化合物として
は、例えば、上記の分子中にリン原子を2個含むホスフ
ィン化合物におけるビナフチル誘導体のキラルな化合物
等を挙げることができる。また、キラルな置換基を側鎖
に持ったフェロセニルホスフィンで分子内にヒドロキシ
メチル基を持つもの、またキラルな置換基を側鎖に持っ
たフェロセニルホスフィンでシクロペンタジエン環にス
ルホナト基を持つもの等も本発明に使用可能なキラルな
親水性ホスフィン化合物として挙げられる。
の方法にしたがって調製することができる。
が水溶性である限りにおいて、親水性ホスフィン化合物
以外に、他の配位子を含んでいてもよい。他の配位子と
しては、具体的には、例えば、トリフェニルホスフィ
ン、1,5−シクロオクタジエン、ハロゲンイオン(塩
素イオン、臭素イオン又はヨウ素イオン)、2,2‘−
ジピリジル、p−シメン、CO、トリ(シクロヘキシ
ル)ホスフィン、シクロペンタジエン、ペンタメチルシ
クロペンタジエン、エチレンジアミン及びノルボルナジ
エン等、従来公知の遷移金属錯体に含まれる配位子を挙
げることができる。
構成する遷移金属としては、例えば、8族、9族及び1
0族の遷移金属が挙げられ、好ましくは、ロジウム、イ
リジウム及びルテニウムである。これら遷移金属は、0
価の原子又は陽イオンとして本発明の水溶性遷移金属錯
体を構成する。
記親水性ホスフィン化合物を、上記遷移金属の化合物と
反応させて調製することができる。水溶性遷移金属錯体
の調整原料として用いられる遷移金属化合物としては、
例えば、クロロ(1,5−シクロオクタジエン)イリジ
ウム(I)二量体、クロロ(1,5−シクロオクタジエ
ン)ロジウム(I)二量体、ジクロロ(1,5−シクロ
オクタジエン)ルテニウム(II)、ビス(1,5−シ
クロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレ
ート等を挙げることができるがこれらに限定されない。
特に限定されず、従来公知の方法を適用することがで
き、例えば、親水性ホスフィン化合物を調整原料の遷移
金属化合物と溶媒中で反応させた後、溶媒を除去し、得
られた固体を再結晶等により精製する方法が挙げられ
る。また、本発明の方法によって不飽和イミン類又は不
飽和オキシム類を水素と反応させる際に、水溶性遷移金
属錯体に代えて調製原料の遷移金属化合物及び親水性ホ
スフィン化合物を反応系に加えて混合することにより、
反応系にて本発明の水溶性遷移金属錯体を形成させても
よい。
用量は、原料の不飽和イミン類又は不飽和オキシム類1
モルに対して通常0.0001〜0.2モル、好ましく
は0.001〜0.1モルである。
ム類と水素との反応は、多相系溶媒中で行われる。多相
系溶媒とは、互いに混和しない2種以上の溶媒の組み合
わせからなり、静置状態でそれぞれの溶媒の相に層分離
する混合溶媒である。具体的には、例えば、水、有機溶
媒及びイオン性流体から選ばれる少なくとも2種類の互
いに混和しない溶媒を組み合わせて用いた混合溶媒であ
る。有機溶媒としては、例えば、n−ヘキサン等の脂肪
族炭化水素、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香
族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲ
ン化炭化水素、テトラリン等の脂環式炭化水素、ジエチ
ルエーテル等のエーテル類等が挙げられ、イオン性流体
としては、例えば、N,N’−ジアルキル置換イミダゾ
リウム=テトラフルオロボレート、N,N’−ジアルキ
ル置換イミダゾリウム=ヘキサフルオロホスフェート、
N−アルキル置換ピリジニウム=ヘキサフルオロホスフ
ェート等が挙げられる。ここで、水、有機溶媒及びイオ
ン性流体の組み合わせは、本発明における水溶性遷移金
属錯体と目的物の不飽和アミン類のそれぞれを異なる溶
媒の相に溶解して容易に分離できるような組み合わせが
好ましく、不飽和アミン類の溶解特性に応じて決定すれ
ばよい。
と混和しない有機溶媒の混合溶媒を用いる。目的物の不
飽和アミン類の多くは、有機溶媒相に溶解するので、反
応終了後、水相と有機相を分液すれば、水溶性遷移金属
錯体を水相に、不飽和アミン類を有機溶媒相に、それぞ
れ溶解して分離、回収することができる。また不飽和ア
ミン類が水及び有機溶媒のいずれにも溶解し得る場合に
は、水相と有機溶媒相を分液した後、さらに水相から不
飽和アミン類を水と混和しない有機溶媒で抽出して分離
してもよい。なお、このようにして得られる水相に含ま
れる水溶性遷移金属錯体は、そのまま、本発明の不飽和
イミン類又は不飽和オキシム類と水素との反応の触媒と
して再利用することができる。
が、不飽和イミン類又は不飽和オキシム類1重量部に対
して通常0.5〜100重量部、好ましくは2〜20重
量部である。
10MPa(約1〜100kg/cm2)程度であり、
好ましくは2〜6MPa(20〜60kg/cm2)で
ある。また反応温度は、通常0〜200℃の範囲でよ
く、好ましくは50〜150℃である。反応時間は特に
制限はない。
るには、反応器に不飽和イミン類又は不飽和オキシム
類、水溶性金属錯体及び多相系溶媒を仕込んだ後、上記
水素圧力にし、上記反応温度にて攪拌すればよい。なお
反応は、低酸素状態若しくは酸素が存在しない条件下で
実施するのが好ましく、反応に用いる化合物が液体であ
るときには脱気した後に使用するのが好ましい。また、
反応は窒素やアルゴン等の不活性な気体の雰囲気下で実
施することが好ましい場合もある。
よって、目的とする不飽和アミン化合物を得ることがで
きる。また、必要によりカラムクロマトグラフィー或い
は晶析等により精製することもできる。
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
グラフィーの分析条件は次の通りである。 <ガスクロマトグラフィー分析条件> カラム:G−100(化学品検査協会製) キャリアガス及び流量:ヘリウム、20ml/分 カラム温度:80℃から250℃まで5℃/分で昇温し
た後、250℃で30分間保持。
の記載にしたがって、次のようにしてイリジウム錯体を
合成した。80重量%テトラヒドロキシメチルホスホニ
ウム=クロリド水溶液(試薬)2.5g(10.5ミリ
モル)から水を除去し、トリエチルアミン12.0ml
を加えて混合した。得られた混合物を濾過して不溶物を
除き、次いで濾液を濃縮し、残渣を乾燥させた。得られ
た固形物をエタノールに溶解し、エーテルを加えて沈殿
を生成させた後、濾過し、得られた沈殿物を乾燥してト
リヒドロキシメチルホスフィン0.80g(6.45ミ
リモル、収率61%)を得た。上記で得たトリヒドロキ
シメチルホスフィン0.50g(4.03ミリモル)、
テトラヒドロフラン10ml及び[{Ir(COD)C
l}2]0.56g(0.83ミリモル)を混合した
後、濾過し、濾滓をテトラヒドロフランで洗浄した。濾
滓は乾燥した後、エタノールに溶解し、不溶物を濾過し
た。濾液にエーテルを加えて沈殿を生成させ、次いで濾
過し、濾滓をエーテルで洗浄後、乾燥して親水性ホスフ
ィン配位子を有するIr錯体0.49g得た(収率83
%)。得られたIr錯体は、(シクロオクタジエン)ト
リス(トリヒドロキシメチルホスフィン)イリジウム
(I)=クロリド[Ir(COD){P(CH2O
H)3}3]Clと1H−nmrが一致した。
ジルアミン2.04g(20ミリモル)、脱水触媒とし
てのモレキュラーシーブ4A(試薬)10.0g及びジ
クロロメタン30mlを混合し、室温で3時間攪拌して
反応させた。反応終了後、モレキュラーシーブ4Aを濾
過して除去した後、濾液からジクロロメタンを除き、オ
イル状のN−シンナミリデンベンジルアミン3.99g
(収率95%)を得た。
き、耐圧ガラス工業(株)製]中をアルゴンガスで満た
し、参考例2で得たN−シンナミリデンベンジルアミン
1.570g(7.5ミリモル)、水2.5ml及びベ
ンゼン2.5mlを仕込み、さらに参考例1で得た親水
性ホスフィン配位子を有するIr錯体0.011g
(0.015ミリモル)を加えた。次いでオートクレー
ブ内を水素で置換して密閉し、内圧が3.0MPaとな
るまで水素を導入した後、100℃に昇温し、同温度で
24時間攪拌して反応させた。反応終了後、冷却し、オ
ートクレーブ内の残存水素を除いた後、内容物を取り出
し、水層と有機層に分液した。有機層をガスクロマトグ
ラフィーにて分析した結果、反応生成物の割合はN−ベ
ンジルシンナミルアミン:シンナミルアミン:シンナミ
ルアルコール(ガスクロマトグラムのピーク面積比、以
下GC面比)=55:0.2:20であった。
ン配位子を有するIr錯体に代えて実施例1の反応終了
後に分液して得られた水層を用いた以外は実施例1と同
様に行った。その結果、反応生成物の割合は、N−ベン
ジルシンナミルアミン:シンナミルアミン:シンナムア
ルコール=69:0.2:11(GC面比)であった。
Claims (7)
- 【請求項1】 親水性ホスフィン化合物を配位子として
有する水溶性の遷移金属錯体の存在下、多相系溶媒中で
不飽和イミン類又は不飽和オキシム類を、水素と反応さ
せて不飽和アミンを製造することを特徴とする不飽和ア
ミン類の製造方法。 - 【請求項2】 水溶性の遷移金属錯体における遷移金属
が、8族、9族又は10族の金属である請求項1に記載
の方法。 - 【請求項3】 水溶性の遷移金属錯体における遷移金属
が、ロジウム、イリジウム又はルテニウムである請求項
1に記載の方法。 - 【請求項4】 多相系溶媒が、水、有機溶媒及びイオン
性流体から選ばれる少なくとも2種類の互いに混和しな
い溶媒の組み合わせである請求項1〜3のいずれか1項
に記載の製造。 - 【請求項5】 多相系溶媒が、水及び水と混和しない有
機溶媒の混合溶媒である請求項1〜3のいずれか1項に
記載の製造。 - 【請求項6】 反応終了後の反応混合物から、親水性ホ
スフィン化合物を配位子として有する遷移金属錯体を水
溶液として回収して反応に再使用する請求項5に記載の
方法。 - 【請求項7】 不飽和イミン類が、不飽和ケトン類又は
不飽和アルデヒド類をアンモニア又はアミン類と反応さ
せて得られるイミン類であり、不飽和オキシム類が、不
飽和ケトン類又は不飽和アルデヒド類をヒドロキシルア
ミン又はアルコキシアミン類と反応させて得られるオキ
シム類である請求項7のいずれか1項に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001317721A JP4070444B2 (ja) | 2001-10-16 | 2001-10-16 | 不飽和アミン類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001317721A JP4070444B2 (ja) | 2001-10-16 | 2001-10-16 | 不飽和アミン類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003128635A true JP2003128635A (ja) | 2003-05-08 |
JP4070444B2 JP4070444B2 (ja) | 2008-04-02 |
Family
ID=19135548
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001317721A Expired - Fee Related JP4070444B2 (ja) | 2001-10-16 | 2001-10-16 | 不飽和アミン類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4070444B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008533176A (ja) * | 2005-04-02 | 2008-08-21 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | ケラチン繊維のための還元着色系 |
JP2008535818A (ja) * | 2005-04-02 | 2008-09-04 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | ケラチン繊維のための還元着色剤 |
CN111056948A (zh) * | 2019-12-16 | 2020-04-24 | 中国科学院大连化学物理研究所 | 制备己二胺的方法 |
-
2001
- 2001-10-16 JP JP2001317721A patent/JP4070444B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008533176A (ja) * | 2005-04-02 | 2008-08-21 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | ケラチン繊維のための還元着色系 |
JP2008535818A (ja) * | 2005-04-02 | 2008-09-04 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | ケラチン繊維のための還元着色剤 |
CN111056948A (zh) * | 2019-12-16 | 2020-04-24 | 中国科学院大连化学物理研究所 | 制备己二胺的方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4070444B2 (ja) | 2008-04-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Byrne et al. | A convenient and mild chromatography-free method for the purification of the products of Wittig and Appel reactions | |
KR101057963B1 (ko) | 상호교환 반응용 (전)촉매로서의 루테늄 착물 | |
JP5546861B2 (ja) | 新規メタセシス触媒 | |
US20070073055A1 (en) | Transition metal complexes of N-heterocyclic carbenes, method of preparation and use in transition metal catalyzed organic transformations | |
Matsumoto et al. | Activated metallic nickel as a reagent for the dehalogenative coupling of halobenzenes | |
JP5345270B2 (ja) | 接触水素化法 | |
Campos et al. | Cyclometalated iridium complexes of Bis (aryl) phosphine ligands: catalytic C–H/C–D exchanges and C–C coupling reactions | |
CN103087105A (zh) | 手性膦配体以及包含该配体的金属催化剂和它们的应用 | |
Nair et al. | Increased catalytic productivity for nanofiltration-coupled Heck reactions using highly stable catalyst systems | |
Tissot-Croset et al. | Synthesis and use of a phosphoramidite ligand for the copper-catalyzed enantioselective allylic substitution. Tandem allylic substitution/ring-closing metathesis | |
FR2830254A1 (fr) | Nouvelles diphosphines, leurs complexes avec des metaux de transition et leur utilisation en synthese asymetrique | |
JP4070444B2 (ja) | 不飽和アミン類の製造方法 | |
JP5666596B2 (ja) | 不均一系ロジウム金属触媒 | |
Cayuela et al. | Synthesis of enantiopure 1, 1′-(1-dimethylamino-propanediyl) ferrocene via a highly diastereoselective imine reduction | |
Lee et al. | Palladium‐Indium‐Indium (III) Chloride‐Mediated Allyl Cross‐Coupling Reactions Using Allyl Acetates | |
JP2004091488A (ja) | ホスファイトおよび遷移金属錯体の製造方法 | |
EP1151987B1 (en) | Optically active fluorinated binaphthol derivative | |
JP4126192B2 (ja) | 2級アミンの製造方法 | |
JP4384840B2 (ja) | アミドの製造方法 | |
JP4359440B2 (ja) | ニトリル類の製造方法 | |
WO2004113351A2 (en) | Bifunctional amino-boron lewis acid - lewis base catalyst | |
JP2903737B2 (ja) | 光学活性ビフェロセン誘導体、その中間体及びそれらの製造方法 | |
JPH10251281A (ja) | 亜リン酸アミドホスフィン化合物 | |
JPH06184082A (ja) | ノルカンファンジカルボニトリル類の製造方法 | |
JPH1067792A (ja) | テロマー化に対する触媒としての、トリス−(ヒドロキシアルキル)−ホスフインを配位子として含む錯体及びトリス−(ヒドロキシアルキル)−ホスフインを含む新規な錯体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041014 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071213 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080108 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080115 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110125 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120125 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120125 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130125 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140125 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |