JP4359440B2 - ニトリル類の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルドキシム化合物の脱水反応によるニトリル類製造用貴金属錯体触媒の抽出剤、およびその抽出剤を溶媒として用いるアルドキシム化合物の脱水反応によるニトリル類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オキシム類からニトリル類を製造する方法としては、触媒的にアルドキシム化合物を脱水反応させてニトリル類を製造する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)この方法は、トルエン溶媒中、触媒量の[(HO)ReO]の存在下にアルドキシム化合物を反応させてニトリル類を製造する方法である。
【0003】
【非特許文献1】
H.Yamamotoら、Angew.Chem.Int.Ed.Eng.,2983,41(16),(2002)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法を経済的に実施するには、高価な貴金属錯体触媒を反応に再使用する必要がある。しかしながら貴金属錯体触媒を反応に再使用方法が提案されていないので、貴金属錯体触媒の再使用する方法が要望されている。
【0005】
本発明は、貴金属錯体触媒の存在下でのアルドキシム化合物の脱水反応によるニトリル類の製造方法における、貴金属錯体触媒を反応に再使用するのに好適な貴金属錯体触媒の抽出剤を提供することを課題とする。
さらに、貴金属錯体触媒の存在下でのアルドキシム化合物の脱水反応によるニトリル類の製造方法において、貴金属錯体触媒を反応に再使用することによりニトリル類を安価に製造することができる方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、次のことを見出し、発明を完成するに至った。
【0007】
1)炭化水素を溶媒として用いる貴金属錯体触媒の存在下でのアルドキシム化合物の脱水反応によるニトリル類の製造方法において、
【0008】
【化4】
Figure 0004359440
【0009】
【化5】
Figure 0004359440
【0010】
【化6】
Figure 0004359440
からなる群より選ばれる第四級アンモニウム塩で反応混合物を抽出すると、第四級アンモニウム塩相には貴金属錯体触媒とニトリル類が、そして炭化水素相にはニトリル類がそれぞれ溶解していること。
【0011】
2)上記第四級アンモニウム塩を共存させてアルドキシム化合物を貴金属錯体触媒の存在下で脱水反応させても、この第四級アンモニウム塩の影響を実質的に受けることなく容易にニトリル類を製造できること。
【0012】
3)上記第四級アンモニウム塩を共存させてアルドキシム化合物を貴金属錯体触媒の存在下で脱水反応させ、次いで反応終了後の反応混合物からニトリル類を分離して回収された貴金属錯体触媒を含有する第四級アンモニウム塩をそのまま当該脱水反応に用いても、回収された貴金属錯体触媒が好適な触媒性能有し、回収された貴金属錯体触媒を含有する第四級アンモニウム塩が再利用できること。
【0013】
即ち本発明は、
【0014】
【化7】
Figure 0004359440
【0015】
【化8】
Figure 0004359440
【0016】
【化9】
Figure 0004359440
からなる群より選ばれる第四級アンモニウム塩からなることを特徴とするアルドキシム化合物の脱水反応によるニトリル類製造用貴金属錯体触媒の抽出剤に関する。
【0017】
また本発明は、上記の抽出剤を共存させてアルドキシム化合物を貴金属錯体触媒の存在下で脱水反応させ、反応終了後の反応混合物から生成物のニトリル類を分離し、貴金属錯体触媒を含有する抽出剤を回収し、回収された貴金属錯体触媒を含有する抽出剤を当該脱水反応に再利用することを特徴とする請求項2記載のニトリル類の製造方法に関する。
【0018】
【発明の実施の様態】
本発明を以下に詳しく説明する。
【0019】
本発明に用いられる抽出剤は、
【0020】
【化10】
Figure 0004359440
【0021】
【化11】
Figure 0004359440
【0022】
【化12】
Figure 0004359440
からなる群より選ばれる第四級アンモニウム塩である。
【0023】
本発明のアルドキシム化合物は、具体的には、一般式(1):
R−C=N−OH (1)
(式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基;置換基を有していてもよいアルケニル基;置換基を有していてもよいシクロアルキル基;置換基を有していてもよいシクロアルケニル基;置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有してもよいヘテロアリール基を表す)で示されるアルドキシム化合物である。
【0024】
本発明に用いるアルドキシム化合物は、一般に公知の方法によって製造でき、例えば、アルデヒドを、ヒドロキシルアミンと反応させて製造することができる。
【0025】
上記一般式(1)中、Rで表される置換基を有していてもよいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状及び分岐鎖状のアルキル基、並びに当該アルキル基が有する水素原子の1個以上を、水酸基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜4の直鎖状及び分岐鎖状のアルコキシ基)、後述する置換基を有していてもよいアルケニル基、後述する置換基を有していてもよいシクロアルキル基、後述する置換基を有していてもよいシクロアルケニル基及び後述する置換基を有していてもよいアリール基からなる群より選ばれる基に置換したものが挙げられる。
【0026】
置換基を有していてもよいアルケニル基としては、2−ブテニル基、3−ブテニル基、ビニル基等の炭素数2〜4の直鎖状及び分岐鎖状のアルケニル基並びに当該アルケニル基が有する水素原子の1個以上を、水酸基、前述のアルコキシ基、前述の置換基を有していてもよいアルキル基、後述する置換基を有していてもよいシクロアルキル基、後述する置換基を有していてもよいシクロアルケニル基及び後述する置換基を有していてもよいアリール基からなる群より選ばれる基に置換したものが挙げられる。
【0027】
置換基を有していてもよいシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数5〜8のシクロアルキル基、並びに当該シクロアルキル基が有する水素原子の1個以上を、水酸基、前述のアルコキシ基、前述の置換基を有していてもよいアルキル基、前述の置換基を有していてもよいアルケニル基、後述する置換基を有していてもよいシクロアルケニル基及び後述する置換基を有していてもよいアリール基からなる群より選ばれる基に置換したものが挙げられる。
【0028】
置換基を有していてもよいシクロアルケニル基としては、前述の炭素数5〜8のシクロアルキル基における隣接する炭素原子間の結合の少なくとも1つが二重結合であるシクロアルケニル基、並びに当該シクロアルケニル基が有する水素原子の1個以上を、水酸基、前述のアルコキシ基、前述の置換基を有していてもよいアルキル基、前述の置換基を有していてもよいアルケニル基、前述の置換基を有していてもよいシクロアルキル基及び後述する置換基を有していてもよいアリール基からなる群より選ばれる基に置換したものが挙げられる。
【0029】
置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基並びにこれらが有する水素原子の1個以上を、水酸基、前述のアルコキシ基、前述の置換基を有していてもよいアルキル基、前述の置換基を有していてもよいアルケニル基、前述の置換基を有していてもよいシクロアルキル基及び前述の置換基を有していてもよいシクロアルケニル基からなる群より選ばれる基に置換したものが挙げられる。
【0030】
置換基を有していてもよいヘテロアリール基としては、例えば、ピリジル基、ピラジル基、ピリダジル基、ピリミジル基並びにこれらが有する水素原子の1個以上を、水酸基、前述のアルコキシ基、前述の置換基を有していてもよいアルキル基、前述の置換基を有していてもよいアルケニル基、前述の置換基を有していてもよいシクロアルキル基及び前述の置換基を有していてもよいシクロアルケニル基、前述の置換基を有していてもよいアリール基からなる群より選ばれる基に置換したものが挙げられる
【0031】
本発明に用いられるアルドキシム化合物は、上記の例に限定されず、またシン型及びアンチ型の立体構造についても特に制限はない。
【0032】
本発明により反応に用いたアルドキシム化合物に対応したニトリル類を製造することができる。例えば、上記一般式(1)で示されるアルドキシム化合物を出発原料として用いると、一般式(3):
R−CN (3)
(式中、Rは前記に同じ)で示されるニトリル類を製造することができる。
【0033】
本発明においては、貴金属錯体触媒の存在下、とくに好ましくは錯体化合物触媒の存在下で反応を行う。
【0034】
本発明における貴金属錯体触媒は、貴金属の原子又はイオンに配位子が配位したものであれば、脂溶性および水溶性貴金属錯体触媒のいずれも用いることができる。また、貴金属としては、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、白金、などが挙げられ、ルテニウムが好ましい。配位子としては公知のものを広く適用することができる。
【0035】
本発明の貴金属錯体触媒は、無機貴金属化合物と有機配位子の反応により通常容易に合成することができる。
【0036】
例えば、本発明の貴金属錯体触媒における貴金属がルテニウムであるときは、当該触媒は、ホスフィン化合物を配位子としてルテニウム化合物と反応させて調製することができる。ルテニウム錯体の調製原料として用いられるルテニウム化合物としては、例えば、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等を挙げることができるが、これらに限定されない。ホスフィン化合物としては下記の[化13]、[化14]、[化15]、[化16]、[化17]の各化合物、またトリフェニルホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、1−1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリ−t−ブチルホスフィンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
本発明の貴金属錯体触媒の調整方法は特に限定されず、従来公知の方法を適用することができ、例えば、塩素、エチレンジアミン、トリフェニルホスフィンなどの配位子を調整原料のパラジウムの化合物と溶媒中で反応させた後、溶媒を除去し、得られた固体を再結晶等により精製する方法が挙げられる。なお、こうして得られる貴金属錯体は、塩素、エチレンジアミン、トリフェニルホスフィン以外の他の配位子を含んでいてもよい。他の配位子としては、具体的には、例えば、1,5−シクロオクタジエン、臭素イオン、ヨウ素イオン、2,2’−ジピリジル、p−シメン、CO、トリシクロヘキシルホスフィン、シクロペンタジエン、ペンタメチルシクロペンタジエン及びノルボルナジエン等、従来公知の遷移金属錯体に含まれる配位子を挙げることができる。
【0038】
本発明における水溶性貴金属錯体触媒とは貴金属錯体触媒で水溶性配位子を持つものである。たとえば次の化13から化17のような構造の水溶性配位子を持つ貴金属錯体であるが、これらに限定されない。
【0039】
【化13】
Figure 0004359440
【0040】
【化14】
Figure 0004359440
【0041】
【化15】
Figure 0004359440
【0042】
【化16】
Figure 0004359440
【0043】
【化17】
Figure 0004359440
【0044】
水溶性貴金属錯体触媒は、アルドアルドキシム化合物を脱水反応させる際に、調製原料の貴金属化合物および配位子を反応系に加えて混合することにより、反応系内にて形成させてもよい。
【0045】
本発明においては貴金属錯体触媒を用いるが、水溶性の貴金属錯体触媒を用いた場合は、脂溶性の貴金属錯体触媒を用いたときに比べて、後述する反応後の炭化水素溶媒抽出において、炭化水素溶媒への貴金属の流出量が少ないという効果がある。
【0046】
工業的に貴金属錯体触媒を多数回リサイクルする場合は、高価な貴金属錯体触媒の炭化水素溶媒への流出量が多いことは、触媒費用が高くつくので非常に不利である。
【0047】
それゆえに、本発明のように水溶性貴金属触媒を用いて貴金属の流出を減らせる発見は工業的に大きな意味がある。
本発明の貴金属触媒として、具体的にはジクロロビス(トリフェニルホスフィン)エチレンジアミン・ルテニウム(0)錯体、RuCl(cod)錯体とトリス(ヒドロキシメチル)ホスフィンの混合物、RuCl(COD)と1,2−ビス(ジ−4−スルフォネートフェニルホスフィン)ベンゼンテトラNa塩の混合物などがあげられる。
【0048】
次に、本発明の抽出剤を共存させて本発明の脱水反応を行う場合を例に挙げて本発明の抽出剤の使用方法を説明する。なお、以下、本発明の抽出剤を本抽出剤という。
【0049】
本発明の脱水反応は、本抽出剤または本抽出剤と炭化水素の混合物である混合溶媒を共存させて行われる。炭化水素としては、例えば、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、テトラリン等の脂環式炭化水素等が挙げられる。
【0050】
本抽出剤及び炭化水素の混合溶媒を用いると、目的物のニトリル類は通常第本抽出剤相と炭化水素相の双方に溶解するので、反応終了後、本抽出剤相と炭化水素相を分液すれば、貴金属錯体触媒を本抽出剤相に、ニトリル類を本抽出剤と炭化水素相に、それぞれ分離回収することができる。
【0051】
本抽出剤相と炭化水素相を分液した後、さらに本抽出剤相からニトリル類を炭化水素で1回または複数回抽出することで生成物のニトリル類を分離できる。
【0052】
こうして得られる貴金属錯体触媒を含む本抽出剤相は、そのまま、本発明の脱水反応に適用されて本抽出剤相に含まれる貴金属錯体触媒を触媒として再利用することができる。
【0053】
この場合、本発明の脱水反応での生成物であるニトリル類や、未反応原料であるアルドキシム化合物が、再使用する本抽出剤相に多少残存していても、問題なく次の反応を行うことができる。
【0054】
本発明の脱水反応を本抽出剤のみを共存させて行う場合は、反応混合物を炭化水素で数回抽出することによってニトリル類を炭化水素相に分離でき、分離後の本抽出剤相は貴金属錯体触媒を含んでいるので、容易に次の反応に再利用することが可能である。
【0055】
本発明の脱水反応の場合反応系内に予め水が存在していると生成物の多くがアミドになってしまう傾向がある。それを避けるために、この反応での使用する原料、本抽出剤、貴金属錯体触媒および炭化水素は、実質的に水を含有しないものが好ましい。
【0056】
本抽出剤または本抽出剤と炭化水素との混合溶媒の使用量は特に限定されないが、アルドキシム化合物1重量部に対して通常0.5〜100重量部、好ましくは2〜20重量部である。
【0057】
本発明における貴金属錯体触媒の使用量は、原料のアルドキシム化合物1モルに対して通常0.0001〜0.2モル、好ましくは0.001〜0.1モルとなるように用いられる。
【0058】
本発明は常圧または0.1−10MPa程度の加圧下で反応することができる。また、0.1−10MPa程度の水素圧下で反応することもできる。また反応温度は、通常0〜200の範囲でよく、好ましくは50〜150である。反応時間は特に制限はない。
【0059】
本発明のニトリル類の製造法を実施するには、反応器にアルドキシム化合物、貴金属錯体触媒及び本抽出剤または本抽出剤と炭化水素の混合溶媒を仕込んだ後、上記反応温度にて攪拌すればよい。尚、反応は、低酸素状態もしくは酸素が存在しない条件下で実施するのが好ましく、反応に用いる出発原料等が液体であるときには脱気した後に反応に使用するのが好ましい。また、反応は窒素やアルゴン等の不活性な気体の雰囲気下で実施することが好ましい場合もある。
【0060】
反応終了後、必要に応じて分液した後に抽出等の手段によって目的とするニトリル類を得ることができる。また、必要によりカラムクロマトグラフィー或いは晶析等により精製することもできる。
【0061】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0062】
なお、以下の実施例におけるガスクロマトグラフィーの分析条件は次の通りである。
<ガスクロマトグラフィー分析条件>
カラム:DB−1(J&Wサイエンス社製)
キャリアガス及び流量:ヘリウム、40ml/分
カラム温度:80から250まで10/分で昇温した後、250で30分間保持。
【0063】
実施例1
20mlステンレス製オートクレーブ[ガラス内筒つき、耐圧ガラス工業(株)製]内をアルゴンガスで満たし、シンナムアルデヒドアルドキシム0.321g(0.217ミリモル)、1−ブチルー3−メチルイミダゾリウム・PF2.0ml及びベンゼン2.0mlを仕込み、さらにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)エチレンジアミン・ルテニウム(0)錯体0.010g(0.0132ミリモル)を加えた。次いでオートクレーブを密閉し、アルゴン置換をした後、100に昇温し、同温度で24時間攪拌して反応させた。反応終了後、冷却後内容物を取り出し、第四級アンモニウム塩相とベンゼン相に分液した。第四級アンモニウム塩相はベンゼン2.0mlで3回抽出し、上記の分液したベンゼン相と合わせて分析した。
【0064】
ベンゼン相をガスクロマトグラフィー内標分析にて分析した結果、反応生成物の収率はシンナムアルデヒドオキシムのニトリル体すなわち3−フェニルアクリロニトリルが収率10%であった。原料のシンナムアルデヒドアルドキシムは残存しておらず、また他の副生物の生成は確認されなかった。
【0065】
反応後、分離した第四級アンモニウム塩相に新たなシンナムアルドアルドキシムおよびベンゼンを加え、上記と同様の条件下で反応し、そして分離する操作を4回続けたところ、原料の転化率とベンゼン相の目的のニトリル体の収率は次のようになった。
【0066】
【表1】
Figure 0004359440
これと同条件でのRu金属のベンゼン相への流出を、モデル液を用いて定量したところ1バッチあたり仕込みRu金属の2.3重量%が流出していた。
【0067】
実施例2
実施例1において1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・PFに代えて1−ブチルー3−メチル−イミダゾリウム・BF2.0mlを用いた以外は実施例1と同様に行った。
その結果、反応生成物はガスクロマトグラフィーのクロマトグラム面積比で次のような結果になった。
【0068】
【表2】
Figure 0004359440
【0069】
実施例3
実施例1においてジクロロビス(トリフェニルホスフィン)エチレンジアミン・ルテニウム(0)錯体に代えてRuCl(COD)0.013g(0.0464mmol)と水溶性配位子であるトリヒドロキシメチルホスフィン0.0811(0.654mmol)を用いた以外は実施例1と同様に行った。
その結果、仕込み量に対する各反応液中のRu金属の流出量の割合(仕込みRuに対しての重量%)は次のような結果となった。
【0070】
【表3】
Figure 0004359440
【0071】
実施例4
実施例1においてジクロロビス(トリフェニルホスフィン)エチレンジアミン・ルテニウム(0)錯体に代えてRuCl(COD)0.003g(0.0107mmol)と水溶性配位子である1,2−ビス(ジ−4−スルフォネートフェニルホスフィン)ベンゼンテトラNa塩0.0326g(0.0381mmol)を用いた以外は実施例1と同様に行った。
その結果、反応生成物はガスクロマトグラフィーのクロマトグラム面積比で
次のような結果になった。また仕込みに対する各反応液中のRu金属の流出は次のような結果となった。
【0072】
【表4】
Figure 0004359440

Claims (7)

  1. Figure 0004359440
    Figure 0004359440
    Figure 0004359440
    からなる群より選ばれる第四級アンモニウム塩からなることを特徴とするアルドキシム化合物の脱水反応によるニトリル類製造用貴金属錯体触媒の抽出剤。
  2. 請求項1記載の抽出剤を共存させてアルドキシム化合物を貴金属錯体触媒の存在下で脱水反応させ、反応終了後の反応混合物から生成物のニトリル類を分離して貴金属錯体触媒を含有する抽出剤を回収し、回収された貴金属錯体触媒を含有する抽出剤を当該脱水反応に再利用することを特徴とするニトリル類の製造方法。
  3. 請求項1記載の抽出剤または当該抽出剤と炭化水素を共存させてアルドキシム化合物を貴金属錯体触媒の存在下で脱水反応させ、反応終了後、炭化水素を用いて反応混合物から生成物のニトリル類を抽出分離して、貴金属錯体触媒を含有する抽出剤を回収し、回収された貴金属錯体触媒を含有する抽出剤を当該脱水反応に再利用することを特徴とする請求項2記載のニトリル類の製造方法。
  4. アルドキシム化合物が一般式(1):
    R−C=N−OH (1)
    (式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基;置換基を有していてもよいアルケニル基;置換基を有していてもよいシクロアルキル基;置換基を有していてもよいシクロアルケニル基;置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表す)で示されるアルドキシム類である請求項2または3記載のニトリル類の製造方法。
  5. 貴金属錯体触媒が水溶性貴金属錯体触媒である請求項2、3または4記載のニトリル類の製造方法。
  6. 水溶性貴金属錯体触媒が、脱水反応系内に貴金属化合物と水溶性配位子を加えて当該反応系内で形成させたものである請求項5のニトリル類の製造方法。
  7. 貴金属がルテニウムである請求項2、3、4、5または6に記載のニトリル類の製造方法。
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