JP2003128623A - 包装材料ポリエチレンテレフタレート用テレフタル酸 - Google Patents
包装材料ポリエチレンテレフタレート用テレフタル酸Info
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Abstract
PET用に使用できる従来よりも優れた品質を有するテ
レフタル酸を得る。 【解決手段】 エチレングリコール(EG)による解重
合反応、および引き続いたメタノール(MeOH)によ
るエステル交換反応を基本とするPETからDMTを回
収する方法によって高純度のDMTを得、さらにその高
純度DMTの加水分解法によってテレフタル酸を得る。
これにより、包装材料PET用テレフタル酸中では極力
低減、あるいは含まれないことが望ましいパラキシレン
由来の不純物を排除し、またDMTの加水分解に由来す
る不純物も低減することができる。
Description
チレンテレフタレート(PET)に適した高純度テレフ
タル酸に関し、さらに詳しくは使用済みの包装材料PE
Tから回収され再び包装材料PETの原料として使用さ
れるテレフタル酸に関する。
各種知られているが、一般的には、従来、包装材料PE
T用のテレフタル酸は出発原料としてパラキシレンが使
われ、分子状酸素で液相酸化して製造される。代表的に
は、パラキシレンを低級脂肪族カルボン酸、例えば酢酸
溶媒中でコバルト、マンガンなどの遷移金属化合物およ
び臭素化合物を含む触媒の存在下、分子状酸素ガス、通
常は空気を供給して液相酸化することにより実施され
る。生成した粗テレフタル酸は、酢酸溶媒への溶解度が
小さいので析出してテレフタル酸スラリーを形成する。
通常、このテレフタル酸スラリー中のテレフタル酸は各
種の不純物を多量に含んでおり、さらなる精製を必要と
する。代表的な精製法の一つとして、例えば、パラキシ
レンの液相酸化で得た粗テレフタル酸結晶を酢酸溶媒か
ら分離し、これを水性媒体、通常は水のスラリーとした
後に加熱溶解させて高温、高圧下、水素ガスと一緒に貴
金属触媒を充填した反応床を通過させ精製したテレフタ
ル酸の水溶液を得る。さらに、その水溶液を複数の晶析
槽で段階的に冷却させて溶媒中に溶解しているテレフタ
ル酸を析出させ、これを固液分離し、乾燥して製品のテ
レフタル酸を得る。
レフタル酸であっても、パラキシレンを出発原料とする
テレフタル酸の中には、必ず代表的な不純物として、4
−カルボキシベンズアルデヒド(4−CBA)、パラト
ルイル酸(p−TA)、安息香酸(BA)、ヒドロキシ
ベンズアルデヒド(HDT)などの有機不純物が少なく
とも数十から十数ppm程度含まれるており、これらに
代表される不純物はテレフタル酸の色相、さらにはテレ
フタル酸とEGの反応によって得られるPETの色相や
熱安定性にも影響することが知られている。
を得る方法も一般的に知られており(DE−16185
03など)、それを利用してテレフタル酸の不純物量を
極力低減させるための精製法として、パラキシレンから
一旦DMTを得、DMTを加水分解することによって高
純度のテレフタル酸を得る方法も提案されている(特開
昭55−141433号公報)。しかしながら、パラキ
シレンを出発原料とする限りは、そのDMTを経由する
方法においても代表的な不純物(4−CBAなど)を完
全に除去することは困難である。
eOH分解してDMT、EGを得、さらに加水分解によ
ってDMTからテレフタル酸を得る方法や、PETポリ
マーをアルカリ加水分解してさらに中和し精製する方法
でテレフタル酸を得る方法が提案されている(国際公開
WO00/47658号公報、特願平9−524218
号明細書)ものの、これらの方法で得られたテレフタル
酸については、包装材料PETの原料としてのテレフタ
ル酸について規定、言及されているものは見られない
し、理由は定かではないが、DMTを回収する方法が適
していないためか、満足される品質のテレフタル酸が得
られていない。
ETから回収され、再度包装材料PET用に使用できる
従来よりも優れた品質を有するテレフタル酸を提供する
ことにある。
シベンズアルデヒド(4−CBA)、パラトルイル酸
(p−TA)、安息香酸(BA)、およびヒドロキシテ
レフタル酸ジメチル(HDT)の合計が1ppm以下の
含有率であり、テレフタル酸モノメチル(MMT)、お
よびテレフタル酸ジメチル(DMT)の合計が1,00
0ppm以下の含有率であることを特徴とする包装材料
ポリエチレンテレフタレート(PET)用テレフタル酸
に関する。
(EG)による解重合反応および引き続いたメタノール
(MeOH)によるエステル交換反応を基本とするPE
TからDMTを回収する方法によって高純度のDMTを
得、さらにその高純度DMTの加水分解法によってテレ
フタル酸を得ることによって、包装材料PET用テレフ
タル酸中では極力低減、あるいは含まれないことが望ま
しいパラキシレン由来の不純物を排除し、またDMTの
加水分解に由来する不純物も規定することによって達成
される。
は、4−カルボキシベンズアルデヒド(4−CBA)、
パラトルイル酸(p−TA)、安息香酸(BA)、およ
びヒドロキシベンズアルデヒド(HDT)の合計が1p
pm以下の含有率であり、テレフタル酸モノメチル(M
MT)、およびテレフタル酸ジメチル(DMT)の合計
が1,000ppm以下の含有率であるテレフタル酸で
ある。このテレフタル酸の製造方法については、順を追
って説明する。
た使用済み包装材料PETから国際公開WO01/30
729号公報に記載された方法によって、PETのEG
での解重合反応を行い、引き続いたMeOHでのエステ
ル交換反応によって高純度のDMTを得る。このDMT
の中の4−カルボキシベンズアルデヒド(4−CB
A)、パラトルイル酸(p−TA)、安息香酸(B
A)、およびヒドロキシベンズアルデヒド(HDT)の
合計は1ppm以下である。さらに、この高純度DMT
の加水分解反応は、無触媒で、あるいは触媒を用いて、
反応器内(回分式あるいは連続式でも、どちらでも問題
なく採用することができる。)で行われる。テレフタル
酸モノメチル(MMT)、およびテレフタル酸ジメチル
(DMT)の合計が1,000ppm以下の含有率であ
るテレフタル酸を得るためには、DMTの加水分解反応
は温度230〜260℃、圧力3.0〜4.6MPa
(ゲージ圧)、望ましくは250〜260℃、圧力4.
0〜4.6MPa(ゲージ圧)で、数時間反応する必要
がある。なお、加水分解反応によって生じるメタノール
は副生成物として生じるジメチルエーテルと一緒に、ス
トリッピング蒸気の導入により除去する。上記加水分解
反応によって形成されたテレフタル酸は、水中に懸濁ま
たは溶解させ、反応器から排出し、かつ数段階で晶出さ
せ、固液分離する。得られたテレフタル酸ケークは、乾
燥、粉砕されEGでスラリー化したのちエステル化から
PET重合に供すことができる。典型的にこれらの反応
条件下では、MMTおよびDMTの合計が1,000p
pm以下の不純物含有量に留まり、包装材料PET用に
好適なテレフタル酸として使用できる。
体的に説明する。なお、実施例中の各値は、種々の方法
で測定できるが、ここでは以下の方法に従って求めた。 4−カルボキシベンズアルデヒド(4−CBA)重量濃
度:得られたテレフタル酸を2N−アンモニア水に溶解
後、島津製液体クロマグラフシステム(LC−6A)、
STRφDS−Hカラムで分離測定。 パラトルイル酸(p−TA)重量濃度:4−CBAと同
様。 ヒドロキシテレフタル酸ジメチル(HDT)重量濃度:
4−CBAと同様。 テレフタル酸ジメチル(DMT)重量濃度:高速液体ク
ロマトグラフィー(装置:日立社製HPLC D−70
00、充填式カラム:RP−18;2本)による。 テレフタル酸モノメチル(MMT)重量濃度:DMTと
同様 安息香酸(BA)濃度:ジアゾメタンでエステル化後、
n−トリデカンを内部標準として、10%SE−30を
分離カラムに用いたガスクロマトグラフで定量する。 テレフタル酸の250℃耐熱アルカリ透過性:テレフタ
ル酸を250℃で2時間処理した後、2N−KOHで溶
解後、400nmのUV透過率を分光光度計(日本分光
UVIDEC660相当)で測定する。テレフタル酸よ
り得られたPETポリマーの色相に与える影響の目安と
なる。 PETポリマー:一般的なテレフタル酸とEGのエステ
ル化反応と引き続いた重縮合反応によってIV=0.6
5のポリマーを得た。
Tポリマーを適量、空気雰囲気下、300℃で溶融保持
し、IVの保持率(=溶融保持後のIV/溶融保持前の
IV×100(%))で表す。IVの測定はPETサン
プルを適量、オルソクロロフェノールに溶解し、オスト
ワルド粘度管での溶液の流下時間を測定し、溶液粘度を
求める方法で得た。PETポリマーから包装材料を溶融
成型する際のPETポリマーの適否を判断する際の基準
の一つとなる。 PETの結晶性:DSC(示差熱分析計)を用いて、P
ETポリマー適量を20℃/分で300℃まで昇温後、
氷水中で急冷したサンプルを再度20℃/分で昇温した
際の発熱ピーク温度をTci(昇温時結晶化温度)と
し、さらに300℃まで昇温溶融後、10℃/分で降温
冷却した際の発熱ピーク温度Tcd(降温時冷却温度)
とした際の結晶性を△T(=Tcd−Tci)として表
す。すなわち、△Tが大きいすぎると結晶性が高く、透
明性が重要な包装材料を溶融成型する場合において、結
晶化による曇りが発生するという問題が生ずる場合があ
る。実施例を表1にまとめる。
示される。 [*1]:回収された使用済みPETボトルからDMT
を回収し、厳しい加水分解条件下テレフタル酸を得る方
法 [*2]:回収された使用済みPETボトルからDMT
を回収し、ややマイルドな加水分解条件下テレフタル酸
を得る方法 [*3]:回収された使用済みPETボトルからDMT
を回収し、不十分な加水分解条件下テレフタル酸を得る
方法 [*4]:出発原料にパラキシレンを使用するがDMT
を経由し、厳しい加水分解条件下テレフタル酸を得る方
法 [*5]:出発原料にパラキシレンを使用するがDMT
を経由するも、不十分な加水分解条件下テレフタル酸を
得る方法 [*6]:出発原料にパラキシレンを使用し、DMTを
経由せず、加水分解法も使用しない従来の一般的製法
装材料PETから、テレフタル酸ジメチル経由の、高純
度なテレフタル酸が得られ、これを使用することによっ
て、良好な包装材料が製造でき、かつまた、その使用さ
れた包装材料を回収するという循環使用が可能となる。
Claims (3)
- 【請求項1】 4−カルボキシベンズアルデヒド(4−
CBA)、パラトルイル酸(p−TA)、安息香酸(B
A)、およびヒドロキシテレフタル酸ジメチル(HD
T)の合計が1ppm以下の含有率であり、テレフタル
酸モノメチル(MMT)、およびテレフタル酸ジメチル
(DMT)の合計が1,000ppm以下の含有率であ
ることを特徴とする包装材料ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)用テレフタル酸。 - 【請求項2】 包装材料PETから回収したDMTを経
由し、引き続いたDMTの加水分解法によって得られる
請求項1載のテレフタル酸。 - 【請求項3】 包装材料PETからDMTを回収する方
法がPETのエチレングリコール(EG)による解重合
反応、および引き続いたメタノール(MeOH)による
エステル交換反応を基本とするものである請求項2載の
テレフタル酸。
Priority Applications (12)
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