JP2004238329A - ポリエステル原料に適したテレフタル酸ケークの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な設備及び方法で、ポリエステルの直接重合法の原料として好適なテレフタル酸を提供すること。
【解決手段】テレフタル酸ジメチルを、加水分解して得た高温・高圧の反応液を、フラッシュにより冷却し、これにより得られたテレフタル酸粒子の水スラリーを固液分離して湿潤テレフタル酸ケークを得るにあたり、該加水分解の転化率が97%以上となった時点で、反応液温度を190〜240℃とした後、転化率を99%以上とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は繊維、フィルム、工業用部材、一般成形品等に広く使用されているポリエステル樹脂の主原料であるテレフタル酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
工業的にテレフタル酸(以下、TAと略記することがある。)を製造する方法は各種知られているが、その一つとしてテレフタル酸ジメチル(以下、DMTと略記することがある。)を出発原料として加水分解する方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
ところで、TAとアルキレングリコールとをエステル化反応させ次いで重縮合反応させる、いわゆる直接重合法によるポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記することがある。)の製造においては、TAはエチレングリコール(以下、EGと略記することがある。)等と混合してスラリー状態で反応系へ送られるが、その際、混合時の撹拌に要する動力が少なく、移送時の当該スラリーの粘度が低く、且つ流動性に優れていること、また反応の均一性の高いTAが望まれている。更に、TAの輸送や貯蔵等、粉体の取り扱いにおいても良好な流動性が要求されている。
【0004】
このようなTAの良好なスラリー性、反応の均一性を得るには、TAに対して多量のアルキレングリコールを用いれば良いが、過剰量のアルキレングリコールは重縮合反応の際、副反応生成物の発生が増え、ポリマーの融点、重合度の低下、更には着色の原因となる。
【0005】
これらの欠点を避けるためにはアルキレングリコールを化学量論的に極力近づければ良いが、アルキレングリコールの使用量を減ずるとスラリーの調整槽、及び反応器での撹拌所要動力が増大し、流動性、反応性を悪くして所要反応時間が長くなる等の問題がある。したがって、アルキレングリコールの必要最低量で良好な流動性、反応性を有するスラリーを形成するTAが直接重合法の原料として好適である。このような性状はTA粒子の粒度分布に依存するところが大きく、それを適正化することが重要な要素である。
【0006】
TAの粒度分布を制御する方法は、各種提案されており、代表的なものとして、パラキシレンを出発原料とし、低級脂肪酸溶媒中で遷移金属化合物及び臭素を含む触媒下で液相酸化したのち、直列に接続した多段の再結晶槽で段階的に冷却し、溶媒中に溶解しているTAを析出させる条件を制御することにより、生成するTAの粒子径を制御する方法は知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
しかしながら、この方法は、TA結晶の析出時の条件が、主としてTA結晶中の不純物濃度の制御を目的として設定されているため、粒度分布の制御のために許容される操作範囲が狭いこと、また、段階的に温度を低下させるため、多段の再結晶槽を必要し、更に各種溶媒に対する溶解度の低いTAを再結晶のため全量あるいは一部を溶解させるためには、高温、高圧に対応できる再結晶槽が必要となり、設備投資額が大幅に上昇するという問題もあるため、TA析出時の条件を調整して粒度分布を制御するのは相当に困難である。
【0008】
一方、TA結晶の析出条件を制御する代わりに、生成したTAの結晶をスラリー状態で破砕処理し、粒度分布を変更する方法(例えば、特許文献4参照)、TAスラリーの一部を抜き取って湿式破砕機により微粉砕処理した後に再混合することで、粒径分布を制御し、スラリー特性を変更する方法(例えば、特許文献5参照)等も提案されている。
【0009】
しかしながら、これらの方法もまた、TA微粉の多量発生を促し、アルキレングリコールスラリーとした際に、該スラリーの見かけ粘度が著しく上昇し撹拌動力が上昇する恐れがある。更に、複雑な構造の粉砕機が必要であるため設備投資額が上昇する、設備の維持のための保守、管理に多大な労力を要するといった問題があった。
【0010】
【特許文献1】
特公昭57−53332号公報
【0011】
【特許文献2】
特開平8−231464号公報
【0012】
【特許文献3】
特開平8−225489号公報
【0013】
【特許文献4】
特開平9−255619号公報
【0014】
【特許文献5】
特開平11−100350号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術が有していた問題点を解消し、簡便な設備及び方法で、ポリエステルの直接重合法の原料として好適なテレフタル酸を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記従来技術に鑑み、鋭意検討を行った結果、加水分解反応時からフラッシュ冷却直前の反応液温度を制御したとき、ポリエステルの直接重合法の原料として好適なテレフタル酸を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】
即ち、本発明の目的は、
テレフタル酸ジメチルを、撹拌機を有する少なくとも1つの反応器を用いて転化率99%以上で加水分解して得られる、テレフタル酸を溶解した水と析出したテレフタル酸粒子とからなるスラリーから構成される反応終了後の高温・高圧の反応液を、フラッシュにより冷却し、これにより得られたテレフタル酸粒子の水スラリーを固液分離して湿潤テレフタル酸ケークを得るにあたり、該加水分解の転化率が97%以上となった時点で、反応液温度を190〜240℃とした後、転化率を99%以上とすることを特徴とする、ポリエステル原料に適したテレフタル酸ケークの製造方法によって達成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の方法で行うDMTの高温、高圧条件でのTAへの加水分解反応工程そのものについては公知の技術を採用することができ、撹拌機を有する少なくとも1つの反応器を用いてDMTを99%より高い転化率で加水分解すればよい。
【0019】
ここで、反応器としては回分式反応器でも連続式反応器でも用いることができるが、特に反応器を2つ以上用いることが好ましく、その反応器を直列に接続することが特に好ましい。
【0020】
本発明の製造方法においては、加水分解反応時の水とDMTとの重量比を3:1〜1:2の範囲に制御することが好ましい。ここで、系内の水が多すぎると、大量のTAが水に溶解してしまい、得られるTAは粒子径が45μm以下の微細粒子を大量に含むものとなり、良好な粒度分布を有するTAを得ることができず、一方DMTが多すぎると、反応液の見かけ粘度が高くなりすぎて、加水分解反応が進みずらく、得られるTAは粒子径が250μm以上の粗大粒子を大量にふくむものとなり、同じく良好な粒度分布を有するTAを得ることが出来ない。水とDMTとの重量比は2:1〜1:2の範囲に制御することが好ましく、特に水とDMTとの重量比を4:5〜3:2の範囲に制御することが好ましい。
【0021】
ここで、加水分解時の水とDMTとの重量比を制御する方法としては、加水分解反応の温度、加水反応開始時の水とDMTとの重量比、加水分解反応により発生するメタノール(以下、MeOHと略記することがある。)を系外に取り出す際に同伴させる水蒸気量など、加水分解反応での運転条件を操作することにより行うことができ、例えば、加水分解時に発生するMeOHをストリッピング又は蒸留により除去する際に同伴して留出する水と反応器に供給するDMTとの重量比を制御するにあたっては、その重量比は1:1〜1:8となるようにすればよい。
【0022】
また、加水分解時における反応温度は180〜350℃の範囲にあることが好ましい。この範囲内にあるときには加水分解反応が速やかに進行し、エネルギーのロスも少ない。該加水分解反応の反応温度は180〜300℃の範囲にあることが更に好ましく、特に230〜260℃の範囲にあることが好ましい。この時の反応圧力は好ましくは2.8〜4.6MPa(ゲージ圧)である。
【0023】
本発明の製造方法においては、加水分解の転化率が97%以上となった時点で、反応液を190〜240℃好ましくは190〜230℃として、転化率を99%以上とすることが必要である。後述するフラッシュ操作におけるフラッシュ前後の温度差が大きくなる反応液が190未満である場合には、析出しているTAが粉砕されすぎて微細粒子が大量に発生し、一方、フラッシュ前の反応液温度が高すぎる、240℃を超える場合には溶解しているTAが多いために、フラッシュ後に微細粒子が大量に発生する。また、該転化率が97%以上の状態では、反応液温度を上記範囲内にしても、発生するMeOHを除去しつづけることにより転化反応は進むため、運転エネルギーの節約という副次的な効果も発生する。
【0024】
本発明の製造方法においては、前記の操作によって得られた、TAを溶解した水と析出したTA粒子とからなるスラリーから構成される反応終了後の高温・高圧の反応液をフラッシュにより冷却するが、ここで、フラッシュ直前の反応液中の水とTAとの重量比を2:1〜1:2の範囲とすることが好ましい。このような範囲内とすることによって、後述するフラッシュ操作により生成するTA粒子中に含まれる粒子径が45μm以下の微細粒子と粒子径250μm以上の粗大粒子とを更に減少させることが可能となる。
【0025】
なお、本発明の製造方法においては、ポリエステル廃棄物から回収したDMTを加水分解に供することができる。ここで、ポリエステル廃棄物とは、市販されているポリエステルを主成分とする製品及び/又はこの製品を製造する工程で発生したポリエステルを主成分とする廃棄物であって、ポリアルキレングリコールを含むものを意味し、具体的には使用済みポリエステル繊維製品、フィルム、PETボトルなどの回収品や製造時の繊維屑、フィルム屑、樹脂屑などを挙げることができる。
【0026】
特に加水分解に供するDMTが、高純度DMT又はポリエステル廃棄物中に含まれるポリアルキレンテレフタレートをアルキレングリコールによる解重合反応、及び引き続いたMeOHによるエステル交換反応によって回収されたものである場合には、一般的なTA製造方法であるパラキシレン酸化によって得られるTA中に含まれる代表的な不純物である4−カルボキシベンズアルデヒド(以下、4−CBAと略記することがある。)などの不純物が極めて少なく、不純物除去のための多段の再結晶槽が不要となるため好ましい。
【0027】
次いで、TAを溶解した水と析出したTA粒子とからなるスラリーから構成される反応終了後の高温・高圧の反応液を、フラッシュにより冷却する。このフラッシュ操作により加圧状態にある反応液は、一気に大気圧まで減圧され、反応液温は100〜105℃程度まで急激に低下する。
【0028】
このフラッシュ操作を行うことによって、フラッシュ前に析出していたTA粒子はフラッシュ時の圧力差に起因する衝撃により多少破壊され、フラッシュ前に溶解していたテレフタル酸は、フラッシュによる溶解度の急激な低下に伴い、大部分は微粒子として析出する。
【0029】
なお、ここで析出していたTA粒子が破壊された後の粒子径は、フラッシュ前の粒子径に大きく依存するが、本発明の加水分解反応条件の範囲内であれば、何ら問題は無い。
【0030】
フラッシュにより冷却された水/TAスラリーは、遠心分離機などにより固液分離することによって、容易に湿潤状態のTAケークとして得ることができる。
【0031】
このようにして得られたTAケークは、粒子径が250μm以上のTA粒子が全体の20重量%以下、好ましくは10重量%以下で、かつ粒子径45μm以下のTA粒子が全体の20重量%以下であることが好ましい。
【0032】
粒子径が250μm以上の粗大粒子が多くなりすぎると、TAをポリエステル製造用の原料として用いたとき、その反応性が低いために、未反応テレフタル酸が増加する懸念が生じる。一方、粒子径が45μm以下の微細粒子が多くなりすぎると、TAケークをスラリーとした際の見掛け粘度が上昇し、流動性の低下につながるため、配管内での閉塞等の問題が多発する懸念が生じる。
【0033】
また、得られるTAケーク中のDMTとテレフタル酸モノメチル(以下、MMTと略記することがある。)との合計含有量は、1000ppm以下である。
【0034】
また、TAケーク中の水分は、ケーク全重量を基準として0.1〜20重量%を占めることが好ましい。該水分含有率を0.1重量%以下とすることは操業上困難であり、一方20重量%を超えると後に乾燥工程を行う場合には、多大なエネルギーが必要となり、また乾燥工程を行うこと無くポリエステル原料として供給する場合であっても、エステル化工程で水分を除去するために多大なエネルギーが必要となるため経済的ではない。
【0035】
本発明において得られた湿潤状態にあるTAケークは、乾燥させるか、または乾燥させることなく湿潤状態のまま、直接重合法によりポリエステルを得るための原料として用いればよい。特に、湿潤テレフタル酸ケークを乾燥工程に供することなく、湿潤状態のまま引き続きアルキレングリコールとのスラリーとし、引き続きエステル化反応、重縮合反応させると、得られたTAケークが有する粒度分布を維持したままアルキレングリコールとのスラリーを調整することが可能となるので好ましい。ここで、TAに同伴する水はエステル化工程で蒸発除去することができるので何ら問題なく、また乾燥工程を省略できることから好ましい。
【0036】
【実施例】
以下、実施例により本発明の内容を更に具体的に説明するが本発明はこれにより何等限定を受けるものではない。なお、実施例中の各値は以下の方法により求めた。
【0037】
(1)粒径分布:
JIS K 0069記載の「化学製品のふるい分け試験方法」に準じて測定した。ふるいの目開きは45、75、106、150、180、212、250μmとした。湿潤TAケークを水でスラリー状にし、湿式ふるい分け法で測定した各粒度毎の頻度を重量%で表した。
【0038】
(2)平均粒径:
湿潤TAケークを水でスラリー状にし、適量をJET SIEVE装置を用い湿式方法で42、60、80、120、200、250、300、400メッシュのふるい分けをする。各篩の未通過分をふるいごと乾燥させ、各々の重量を測定し、正規確率紙にプロットし、未通過分50%の粒子径を平均粒径とする。
【0039】
(3)DMT及びMMTの重量濃度(ppm):
TAケークを乾燥し、脱水後、高速液体クロマトグラフィー(装置:株式会社日立製作所製HPLC D−7000、充填式カラム:RP−18;2本)によって分析し、DMTとMMTとのそれぞれの濃度を求めた。
【0040】
(4)スラリー粘度:
水分率13%のTAケーク試料1モルに対し、エチレングリコール1.6モルの割合で混合し、50℃の温度下での粘度(Pa・s)をB型粘度計で測定して求めた。
【0041】
(5)スラリー安定性:
スラリー粘度と同様の手法により粘度を測定する(A)。更に5分間静置後のスラリー粘度を測定し(B)下記数式により求めた値をスラリー安定性の指標とした。
【0042】
【数1】
スラリー安定性 = B / A ×100 (%)
【0043】
(6)評価:
下記基準に従って、得られたTAケークの評価を行った。
◎:粗大粒子10重量%以下、スラリー粘度5Pa・s以上、スラリー安定性50%以上のもの。
○:粗大粒子20重量%以下、スラリー粘度5Pa・s未満、スラリー安定性50%以上のもの。
×:粗大粒子20重量%を超える、スラリー粘度5Pa・s未満、スラリー安定性50%未満のもの。
【0044】
[実施例1]
3リットルのチタン製撹拌器を有する回分式反応器(オートクレーブ)にDMTと純水とを重量比で1:1となるように投入し、密閉状態とし、液温180℃に昇温してから撹拌を開始した。その後更に昇温し、液温が250℃に到達後、反応器上蓋に設けた留出管バルブを若干開き、液温は250℃を保持しつつ、反応により副生したメタノールを水蒸気と共に留去すると同時に、留出する水と同量の約4kgの水を連続的に反応器内に供給した。
【0045】
1時間経過後、メタノールの留去操作を継続したまま反応器内液温を230℃まで低下させて30分間保持した後、内液取り出し配管より反応液を常圧タンクへ移送してフラッシュさせることで冷却した。なお、加水分解反応時の運転条件の制御によって、フラッシュ直前の反応液の状態は、水とTAとの重量比は4:5となっていた。
【0046】
フラッシュにより得られたテレフタル酸スラリーを固液分離してテレフタル酸ケークを得た。こうして得られたTAケークは、表1に示した通り、250μm以上の粗大粒子が9.8重量%、45μm以下の微細粒子は全体の17.0重量%を占めるものであり、スラリー粘度は3.7Pa・sであった。
【0047】
また、上記TAケーク中のDMT含有量は25ppm、MMT含有量は300ppmであった。その他運転条件は表1に示したとおり設定した。
【0048】
[実施例2〜6、比較例1〜4]
実施例1において、表1記載の通りに運転条件を設定したこと以外は同様の操作を行った。結果と併せて表1に示す。
【0049】
【表1】
Figure 2004238329
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、簡便な設備及び方法で、ポリエステルの直接重合法の原料として好適なテレフタル酸を提供することができる。

Claims (18)

  1. テレフタル酸ジメチルを、撹拌機を有する少なくとも1つの反応器を用いて転化率99%以上で加水分解して得られる、テレフタル酸を溶解した水と析出したテレフタル酸粒子とからなるスラリーから構成される反応終了後の高温・高圧の反応液を、フラッシュにより冷却し、これにより得られたテレフタル酸粒子の水スラリーを固液分離して湿潤テレフタル酸ケークを得るにあたり、
    該加水分解の転化率が97%以上となった時点で、反応液温度を190〜240℃とした後、転化率を99%以上とすることを特徴とする、ポリエステル原料に適したテレフタル酸ケークの製造方法。
  2. 該加水分解反応時の水とテレフタル酸ジメチルとの重量比を3:1〜1:2の範囲に制御することを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
  3. 加水分解反応時の水とテレフタル酸ジメチルとの重量比の制御を、反応器より留出させる蒸気と反応器に供給するテレフタル酸ジメチルとの重量の比が1:1〜1:8となるように制御することによって行う、請求項2記載の製造方法。
  4. 加水分解時の反応温度を180〜350℃とする、請求項1記載の製造方法。
  5. フラッシュ直前の反応液中のテレフタル酸を溶解した水と析出したテレフタル酸との重量比を2:1〜1:2の範囲とする、請求項1記載の製造方法。
  6. 反応液のフラッシュ冷却を1段で実施する、請求項1記載のテレフタル酸の製造方法。
  7. 撹拌機を有する反応器が、回分式反応器又は連続式反応器である、請求項1記載の製造方法。
  8. 加水分解を、撹拌機を有する反応器を二つ以上用いて行う、請求項1記載の製造方法。
  9. 撹拌機を有する反応器を直列に接続する、請求項8記載の製造方法。
  10. 加水分解に供するテレフタル酸ジメチルが、ポリエステル廃棄物から回収したテレフタル酸ジメチルである、請求項1記載の製造方法。
  11. ポリエステル廃棄物から回収したテレフタル酸ジメチルが、ポリエステル廃棄物中に含まれるポリアルキレンテレフタレートのアルキレングリコールによる解重合反応、及び引き続いたメタノールによるエステル交換反応によって回収されたものである、請求項10記載の製造方法。
  12. ポリエステル廃棄物が、市販されているポリエステルを主成分とする製品及び/又はこの製品を製造する工程で発生したポリエステルを主成分とする廃棄物である、請求項10記載の製造方法。
  13. 請求項1記載の方法によって得られた、テレフタル酸ケーク。
  14. 粒子径250μm以上のテレフタル酸粒子が、全体の20重量%以下で、かつ粒子径45μm以下のテレフタル酸粒子が全体の20重量%以下である、請求項13記載のテレフタル酸ケーク。
  15. テレフタル酸ジメチルとテレフタル酸モノメチルとの合計含有量が1000ppm以下である、請求項13記載のテレフタル酸ケーク。
  16. ケーク中の水分が、ケークの全重量を基準として0.1〜20重量%を占める、請求項13記載のテレフタル酸ケーク。
  17. 請求項1記載の方法によって得られたテレフタル酸ケークを乾燥工程に供することなく、湿潤状態のまま引き続きアルキレングリコールとのスラリーとし、引き続きエステル化反応、重縮合反応させる、ポリアルキレンテレフタレートの製造方法。
  18. 請求項1記載の方法によって得られたテレフタル酸ケークを乾燥工程に供したのち、アルキレングリコールとのスラリーとし、引き続きエステル化反応、重縮合反応させる、ポリアルキレンテレフタレートの製造方法。
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