JP2003127381A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP2003127381A JP2001331141A JP2001331141A JP2003127381A JP 2003127381 A JP2003127381 A JP 2003127381A JP 2001331141 A JP2001331141 A JP 2001331141A JP 2001331141 A JP2001331141 A JP 2001331141A JP 2003127381 A JP2003127381 A JP 2003127381A
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ink
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heating resistor
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Toshiaki Michihiro
利昭 道廣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発熱抵抗体等の電気抵抗値を長期にわたって略
一定に保つことが可能な高信頼性のインクジェットヘッ
ドを提供する。 【解決手段】ベースプレート2の上面に、NbSiO系
抵抗材料から成る複数個の発熱抵抗体3を被着させると
ともに該発熱抵抗体3を保護層5で被覆してなるヘッド
基板1と、該ヘッド基板1との間に所定の間隙を形成す
るようにして配設される天板6とを具備し、前記ヘッド
基板1−天板8間の間隙に充填されたインク10を発熱
抵抗体3の発熱によってインク吐出孔9より吐出させる
インクジェットヘッドであって、前記ヘッド基板1の保
護層5を、Siの酸化物及び/又は窒化物を含む無機質
材料から成る第一層6と、ペルヒドロポリシラザンの焼
結体から成る第二層7とを順次積層して形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録紙にインク滴
を所定パターンに付着させて画像を記録するインクジェ
ットヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、記録紙に画像を形成するため
の記録デバイスとしてインクジェットヘッドが用いられ
ている。
【0003】インクジェットヘッドの記録方式には、イ
ンク滴を記録紙に向けて吐出・飛翔させるのに発熱抵抗
体の発する熱エネルギーを利用するものや圧電素子の変
形を利用するもの、更には電磁波の照射に伴って発生す
る熱を利用するもの等があり、これらの中でも発熱抵抗
体の熱エネルギーを利用するサーマルジェットタイプの
ものは、発熱抵抗体のパターニングが容易である上に、
小さな面積の発熱抵抗体であっても比較的大きな熱エネ
ルギーを発生させることができることから、高密度記録
への対応に適したものとして注目されている。
【0004】かかるサーマルジェットタイプのインクジ
ェットヘッドとしては、例えば図3に示す如く、表面に
熱酸化処理を施した単結晶シリコン製の板体により形成
されたベースプレート12の上面に、複数個の発熱抵抗
体13及び通電用の電極14と、保護層15とを順次形
成してなるヘッド基板11上に、前記発熱抵抗体13と
1対1に対応する複数個のインク吐出孔17を有する天
板16を、間に所定の間隙を形成するようにして配設す
るとともに、前記ヘッド基板11−天板16間の間隙に
インク18を充填した構造のものが知られており、記録
紙を前記天板16の外表面に沿って搬送しながら、ヘッ
ド基板11の発熱抵抗体13を外部からの画像データに
基づいて個々に選択的にジュール発熱させ、発熱抵抗体
13上のインク18中で気泡Aを発生させるとともに、
該発生した気泡Aによる圧力でもって発熱抵抗体13上
のインク18を上方に押し上げ、インク18の一部をイ
ンク吐出孔17より記録紙に向けて吐出させることによ
って記録紙に所定の画像が記録される。
【0005】尚、前記ヘッド基板11の保護層15は、
インク18中に含まれている水分やK+,OH-等のイオ
ンが発熱抵抗体13や電極14等に接触してこれらを腐
食したり、或いは、インク18中に含まれている染料の
固まり等が発熱抵抗体13の表面にこびり付いたりする
のを防止したりするためのものであり、このような保護
層15の材質としては、耐熱性や耐薬品性,封止性,良
熱伝導性,耐キャビテーション性等に優れた窒化珪素や
酸化珪素等の無機質材料が用いられる。
【0006】また前記保護層15の形成には、例えば、
従来周知のCVD(Chemical VaporDeposition)法やス
パッタリング法等の薄膜プロセスが採用され、上述の無
機質材料をベースプレート12上に所定厚みに堆積させ
ることによって保護層15を形成していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ヘッド基板
11の保護層15をスパッタリング法やCVD法等の薄
膜プロセスにより形成した場合、保護層15中にはピン
ホール等の微細な膜欠陥が数多く形成されることとな
る。
【0008】そのため、インク18中に含まれている水
分やK+,OH-等のイオンが保護層15の膜欠陥を介し
て発熱抵抗体13や電極14に接触することがあり、そ
の場合、発熱抵抗体13等がインク18中に含まれてい
る水分やイオンとの接触により比較的早期に腐食されて
しまい、発熱抵抗体13等の電気抵抗値が当初の値より
変動するという欠点を有していた。
【0009】本発明は上述の欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は、発熱抵抗体等の電気抵抗値を長期にわ
たって略一定に保つことが可能な高信頼性のインクジェ
ットヘッドを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドは、ベースプレートの上面に、NbSiO系抵抗
材料から成る複数個の発熱抵抗体を被着させるとともに
該発熱抵抗体を保護層で被覆してなるヘッド基板と、該
ヘッド基板との間に所定の間隙を形成するようにして配
設される天板とを具備し、前記ヘッド基板−天板間の間
隙に充填されたインクを前記発熱抵抗体の発熱によって
インク吐出孔より吐出させるインクジェットヘッドであ
って、前記ヘッド基板の保護層は、Siの酸化物及び/
又は窒化物を含む無機質材料から成る第一層と、ペルヒ
ドロポリシラザンの焼結体から成る第二層とを順次積層
して形成されていることを特徴とするものである。
【0011】また本発明のインクジェットヘッドは、前
記保護層の第一層がスパッタリング法またはCVD法に
て成膜された薄膜から成ることを特徴とするものであ
る。
【0012】更に本発明のインクジェットヘッドは、前
記発熱抵抗体を形成するNbSiO系抵抗材料の組成比
率がNbxSiOy(1.4≦x≦1.9、1.4≦y≦
1.9)であり、且つ前記発熱抵抗体及び前記保護層の
各層に含まれているSiの含有率が20原子%〜44原
子%に設定されていることを特徴とするものである。
【0013】また更に本発明のインクジェットヘッド
は、前記インクの粘度(25℃)が0.3mPa・s〜
3.0mPa・sに調整されていることを特徴とするも
のである。
【0014】本発明のインクジェットヘッドによれば、
保護層を構成する2つの層のうち、下層となる第一層の
膜欠陥はペルヒドロポリシラザンの焼結体から成る第二
層によって封止されることから、発熱抵抗体等をインク
中に含まれている水分やK+,OH-等の接触による腐食
から良好に保護することができ、発熱抵抗体等を第二層
でインクより確実に遮断し続けることで、発熱抵抗体等
の電気抵抗値を長期にわたり略一定に保つことが可能と
なる。
【0015】また本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、ヘッド基板の発熱抵抗体を形成するNbSiO系抵
抗材料の組成比率をNbxSiOy(1.4≦x≦1.
9、1.4≦y≦1.9)とし、発熱抵抗体及び前記保
護層の各層に含まれているSiの含有率を20原子%〜
44原子%に設定することにより、発熱抵抗体−保護層
間、及び、保護層の各層間で馴染みを良好として、発熱
抵抗体及び保護層各層の線膨張係数を比較的近い値に調
整することができるため、記録動作に際して発熱抵抗体
の発する熱等によってインクジェットヘッドの温度が上
昇しても、これらの各層間に大きな熱応力が発生するの
を有効に防止することができ、保護層の各層を下地に対
して強固に被着させておくことが可能となる。これによ
り、インクジェットヘッドの信頼性が向上される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係るイ
ンクジェットヘッドの斜視図、図2は図1のインクジェ
ットヘッドの断面図であり、同図に示すインクジェット
ヘッドは、大略的に、ヘッド基板1と、天板8と、イン
ク10とで構成されている。
【0017】前記ヘッド基板1は、矩形状をなすように
外形加工されたベースプレート2の上面に、その長手方
向にわたって複数個の発熱抵抗体3を被着・配列させる
とともに、該各発熱抵抗体3の両端に通電用の電極4を
接続し、これらを単一の保護層5で共通に被覆した構造
を有している。
【0018】前記ベースプレート2は、表面に絶縁化処
理を施した単結晶シリコン等から成り、その上面で複数
個の発熱抵抗体3や通電用の電極4,保護層5等を支持
するための支持母材として機能するものである。
【0019】尚、前記ベースプレート2は、単結晶シリ
コンから成る場合、従来周知のチョコラルスキー法(引
き上げ法)等によって形成した単結晶シリコンのインゴ
ット(塊)を所定厚みにスライスして矩形状に外形加工
し、得られた板体の表面に、従来周知の熱酸化法を採用
し、酸化膜(酸化珪素)を例えば0.5μm〜7.0μ
mの厚みに形成することにより製作される。
【0020】また前記ヘッド基板1の発熱抵抗体3は、
例えば600dpi(dot per inch)の密度でベースプ
レート2の長手方向(主走査方向)に直線状に配列され
ており、その各々がNbSiO系抵抗材料により形成さ
れているため、電極4等を介して電源電力が供給される
とジュール発熱を起こし、インク10中で気泡Aを発生
させるのに必要な所定の温度となる。
【0021】このような発熱抵抗体3を形成するNbS
iO系抵抗材料としては、組成比率がNbxSiO
y(1.4≦x≦1.9、1.4≦y≦1.9)で表さ
れるものが好適に用いられ、発熱抵抗体3中に含まれて
いるSiの含有率は20原子%〜44原子%に設定され
る。
【0022】かかる組成比率を有したNbSiO系抵抗
材料は、単位時間当たりの発熱量をインク滴iの吐出に
適した大きさに調整することが容易で、しかも耐パルス
性に優れており、特に階調表現が必要な写真印画等の用
途に適した発熱抵抗体3が得られる。
【0023】また前記発熱抵抗体3の両端に接続される
一対の電極4,4は、Al(アルミニウム)等の金属材
料から成り、その一方が発熱抵抗体3の一端側で全ての
発熱抵抗体3に共通接続され、他方が発熱抵抗体3の他
端側で各発熱抵抗体3と個別に接続されている。
【0024】前記一対の電極4は、発熱抵抗体3に電源
電力を印加するための給電線として機能するものであ
り、図示しないドライバーICのオン・オフに基づいて
発熱抵抗体3への通電が制御される。
【0025】尚、前記発熱抵抗体3や一対の電極4は、
従来周知の薄膜手法、具体的には、ベースプレート2の
上面全体に、上述したNbSiO系抵抗材料とAl等の
金属材料とをスパッタリング法等によって順次、被着さ
せ、これを従来周知のフォトリソグラフィー及びエッチ
ング技術を採用し、所定パターンに加工することにより
形成される。このようにして得られる発熱抵抗体3の厚
みは例えば0.01μm〜0.2μmに、また電極4の
厚みは例えば0.1μm〜0.7μmに設定される。
【0026】また上述した発熱抵抗体3や一対の電極4
を被覆する保護層5は、インク10中に含まれている水
分やイオン(K+,OH-等)の接触による腐食から発熱
抵抗体3や電極4を保護するためのものであり、発熱抵
抗体3側より、第一層6及び第ニ層7を順次積層した2
層構造を有し、その厚みは保護層全体で例えば0.13
μm〜2.15μmに設定される。
【0027】このような保護層5を構成する第一層6及
び第ニ層7は、その双方がSiを含む無機質材料により
形成されており、各層6,7に含まれるSiの含有率
は、先に述べた発熱抵抗体3と同様に、20原子%〜4
4原子%に設定される。
【0028】尚、第一層6及び第ニ層7に含まれるSi
の含有率を発熱抵抗体3と同じ20原子%〜44原子%
に設定するのは、発熱抵抗体3−保護層5間、及び、保
護層5の各層間で馴染みを良好になすとともに、これら
の層3,6,7の線膨張係数を比較的近い値に設定する
ためであり、これによって、記録動作に伴う発熱抵抗体
3の発熱等でインクジェットヘッドの温度が上昇して
も、各層間に大きな熱応力が発生するのを有効に防止
し、保護層5の各層を下地に対して強固に被着させてお
くことができる。
【0029】以下、保護層5を構成する第一層6、並び
に第ニ層7について個別に説明する。前記保護層5を構
成する2つの層のうち、下層となる第一層6は、Siの
酸化物(酸化珪素)及び/又は窒化物(窒化珪素)を含
む無機質材料により、例えば0.1μm〜2.0μmの
厚みに形成され、発熱抵抗体3や電極4と接するように
形成されている。
【0030】この第一層6は、その上に配される第二層
7を熱処理のプロセスを経て形成する際に、後述するペ
ルヒドロポリシラザン溶液中の有機溶剤が発熱抵抗体3
や電極4等と接触してこれらを酸化しようとするのを有
効に防止するためのものであり、これによってインクジ
ェットヘッドの製造プロセスにおける発熱抵抗体3の抵
抗値変動が極めて有効に抑えられる。
【0031】尚、前記第一層6は、従来周知の薄膜手
法、具体的にはスパッタリング法やCVD法等を採用
し、酸化珪素や窒化珪素、或いは、これらの混合材料
(Si-O-N)を所定厚みに堆積させることによって形
成され、このようにして得られた第一層6にはピンホー
ル等の微細な膜欠陥が数多く形成されることとなる。
【0032】また一方、前記保護層5の上層となる第二
層7は、酸化珪素、窒化珪素、Si-O-N等の無機質材
料によって0.03μm〜0.15μmの厚みに形成さ
れ、化1に示すペルヒドロポリシラザンを焼結させてな
る焼結体により形成される。
【0033】
【化1】
【0034】このペルヒドロポリシラザンは、例えば1
50℃〜220℃の温度で重合を起こすセラミック前駆
体ポリマーであり、ペルヒドロポリシラザンをキシレン
やシクロヘキセン等の有機溶剤に溶かして作製したペル
ヒドロポリシラザン溶液(粘度:0.5cps〜1.0
cps)を従来周知のディッピング法、スピンコート
法、バーコーター法等の厚膜手法によって第一層6の上
面に薄く塗布し、これをまず150℃〜220℃の温度
領域で約1時間、次に400℃〜500℃の温度で約1
時間、熱処理し、ペルヒドロポリシラザンをセラミック
化することにより第二層7が形成される。
【0035】このとき、ペルヒドロポリシラザンの熱処
理を窒素雰囲気中で行うと、窒化珪素を主成分とするセ
ラミック焼結体が、また高湿度雰囲気(湿度50%以
上)で行うと、酸化珪素を主成分とするセラミック焼結
体が形成されることとなる。
【0036】以上のような厚膜プロセスによって形成さ
れる第二層7には、ピンホール等の膜欠陥が殆ど存在し
ないことから、第一層6の膜欠陥を第二層7で良好に塞
ぐことができる。従って、発熱抵抗体3や電極4を保護
層5で良好に封止し、発熱抵抗体3や電極4をインク1
0中に含まれている水分やイオン等の接触による腐食か
ら良好に保護することが可能となる。
【0037】そして、上述したヘッド基板1上には、間
に所定の間隙を形成するようにして天板8が配設され
る。
【0038】前記天板8は、発熱抵抗体3と1対1に対
応する複数個のインク吐出孔9を有しており、これらの
インク吐出孔9が対応する発熱抵抗体3の真上に位置す
るように位置決めされ、その内表面とヘッド基板上面
(保護層5の表面)との間には例えば5μm〜50μm
の間隙が形成される。
【0039】前記天板8のインク吐出孔9は、インクジ
ェットヘッドの記録動作時、気泡Aの発生に伴いインク
滴iを記録紙に向けて吐出するためのものであり、各々
のインク吐出孔9の直径は例えば10μm〜100μm
の大きさに設定され、発熱抵抗体3と同じ密度で主走査
方向に配列される。
【0040】尚、前記天板8の材質としては、モリブデ
ン等の金属材料、アルミナセラミックス等のセラミック
材料、エポキシ樹脂等の合成樹脂材料が用いられ、例え
ば、モリブデンから成る場合、モリブデンのインゴット
(塊)を従来周知の金属加工法により板状に成形すると
ともに該板体の所定箇所に従来周知のエッチング技術等
により孔明けして複数個のインク吐出孔9を穿設するこ
とによって製作され、得られた天板8を図示しないスペ
ーサ等を介してヘッド基板1上に載置させることにより
天板8がヘッド基板1上の所定位置に固定される。
【0041】また前記ヘッド基板1−天板8間の間隙に
はインク10が充填され、ヘッド基板1−天板8間に所
定のインク流路を形成している。このようなインク10
としては水性染料インク等が好適に使用され、その粘度
は、例えば、0.3mPa・s〜3.0mPa・s(25
℃)に調整される。
【0042】前記インク10は、図示しないインクタン
クからヘッド基板1−天板8間のインク流路に供給され
るようになっており、前述した発熱抵抗体3からの熱エ
ネルギーによってインク10中に気泡Aが発生すると、
気泡Aの発生に伴う圧力によってインク10の一部がイ
ンク吐出孔9側に押し上げられ、インク10の一部がイ
ンク滴iとなってインク吐出孔9より外部に吐出され
る。
【0043】そして、インク吐出孔9より吐出したイン
ク滴iは、天板8の外表面に沿って搬送される記録紙の
表面に付着され、これによって記録紙に所定の画像が形
成されることとなる。
【0044】以上のような本実施形態のインクジェット
ヘッドによれば、ヘッド基板1の発熱抵抗体3や電極4
が保護層5でもって良好に封止されているため、発熱抵
抗体3や電極4をインク10中に含まれている水分やK
+,OH-等の接触による腐食から良好に保護することが
でき、発熱抵抗体3や電極4をインク10より確実に遮
断し続けることで、これらの電気抵抗値を長期にわたり
略一定に保つことが可能である。
【0045】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の変更、改良等が可能である。
【0046】例えば上述の実施形態においては、電極4
をAlにより形成するようにしたが、これに代えて、電
極4をAl-Si、Al-Si-Cu等のSiを含む導電
材料により形成するようにしても良く、この場合、電極
4−保護層5間の密着性も向上させることができる利点
がある。
【0047】また上述の実施形態において、ヘッド基板
1−天板8間に、隣接する発熱抵抗体を隔てるための隔
壁部材を介在させても良く、その場合、インク10中で
発生する気泡Aからの圧力が主走査方向に分散しようと
するを上記隔壁部材でもって有効に防止することができ
るため、気泡Aの形成に伴い発生する圧力の多くをイン
ク滴iの吐出に寄与せしめ、インク滴を効率良く吐出さ
せることができる利点もある。
【0048】更に上述の実施形態において発熱抵抗体3
の発熱を制御するためのドライバーICをヘッド基板1
上に搭載しても良いことは言うまでもない。
【0049】
【発明の効果】本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、保護層を構成する2つの層のうち、下層となる第一
層の膜欠陥はペルヒドロポリシラザンの焼結体から成る
第二層によって封止されることから、発熱抵抗体等をイ
ンク中に含まれている水分やK+,OH-等の接触による
腐食から良好に保護することができ、発熱抵抗体等を第
二層でインクより確実に遮断し続けることで、発熱抵抗
体等の電気抵抗値を長期にわたり略一定に保つことが可
能となる。
【0050】また本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、ヘッド基板の発熱抵抗体を形成するNbSiO系抵
抗材料の組成比率をNbxSiOy(1.4≦x≦1.
9、1.4≦y≦1.9)とし、発熱抵抗体及び前記保
護層の各層に含まれるSiの含有率を20原子%〜44
原子%に設定することにより、発熱抵抗体−保護層間、
及び、保護層の各層間で馴染みを良好として、発熱抵抗
体及び保護層各層の線膨張係数を比較的近い値に調整す
ることができるため、記録動作に際して発熱抵抗体の発
する熱等によってインクジェットヘッドの温度が上昇し
ても、これらの各層間に大きな熱応力が発生するのを有
効に防止することができ、保護層の各層を下地に対して
強固に被着させておくことが可能となる。これにより、
インクジェットヘッドの信頼性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッ
ドの分解斜視図である。
【図2】図1のインクジェットヘッドの断面図である。
【図3】従来のインクジェットヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1・・・ベースプレート、3・・・発熱抵抗体、4・・
・通電用の電極、5・・・保護層、6・・・第一層、7
・・・第二層、8・・・天板、9・・・インク吐出孔、
10・・・インク

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベースプレートの上面に、NbSiO系抵
    抗材料から成る複数個の発熱抵抗体を被着させるととも
    に該発熱抵抗体を保護層で被覆してなるヘッド基板と、
    該ヘッド基板との間に所定の間隙を形成するようにして
    配設される天板とを具備し、前記ヘッド基板−天板間の
    間隙に充填されたインクを前記発熱抵抗体の発熱によっ
    てインク吐出孔より吐出させるインクジェットヘッドで
    あって、 前記ヘッド基板の保護層は、Siの酸化物及び/又は窒
    化物を含む無機質材料から成る第一層と、ペルヒドロポ
    リシラザンの焼結体から成る第二層とを順次積層して形
    成されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】前記保護層の第一層がスパッタリング法ま
    たはCVD法にて成膜された薄膜から成ることを特徴と
    する請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】前記発熱抵抗体を形成するNbSiO系抵
    抗材料の組成比率がNb xSiOy(1.4≦x≦1.
    9、1.4≦y≦1.9)であり、且つ前記発熱抵抗体
    及び前記保護層の各層に含まれているSiの含有率が2
    0原子%〜44原子%にに設定されていることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載のインクジェットヘ
    ッド。
  4. 【請求項4】前記インクの粘度(25℃)が0.3mP
    a・s〜3.0mPa・sに調整されていることを特徴と
    する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジ
    ェットヘッド。
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