JP2003094707A - サーマルヘッド - Google Patents

サーマルヘッド

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JP2003094707A JP2001295954A JP2001295954A JP2003094707A JP 2003094707 A JP2003094707 A JP 2003094707A JP 2001295954 A JP2001295954 A JP 2001295954A JP 2001295954 A JP2001295954 A JP 2001295954A JP 2003094707 A JP2003094707 A JP 2003094707A
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layer
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heating resistor
sin
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Toshiaki Michihiro
利昭 道廣
Hiroshi Masutani
浩史 舛谷
Kazunori Kitamura
一典 北村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発熱抵抗体等の電気抵抗値を長期にわたって略
一定に保つことができる高信頼性のサーマルヘッドを提
供する。 【解決手段】ベースプレート1の上面に、TiSiO系
抵抗材料から成る複数個の発熱抵抗体3を被着させると
ともに該発熱抵抗体3を保護層5で被覆してなるサーマ
ルヘッドにおいて、前記保護層5を、SiO及び/又は
SiNを含む無機質材料から成る第一層6と、ペルヒド
ロポリシラザンの焼結体から成る第二層7と、SiN及
び/又はSiCを含む無機質材料から成る第三層8とを
順次積層して形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファクシミリやビ
デオプリンタ等の記録デバイスとして組み込まれるサー
マルヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ファクシミリ等の記録デバイ
スとしてサーマルヘッドが幅広く用いられている。
【0003】かかるサーマルヘッドとしては、例えば図
3に示す如く、グレーズドアルミナセラミックス等から
成るベースプレート11の上面に複数個の発熱抵抗体1
3と通電用の電極14とを所定パターンに被着させると
ともに、これらをSiN(窒化珪素)等から成る保護層
15で被覆した構造のものが知られており、感熱紙等の
記録媒体を保護層15の表面に摺接させながら、発熱抵
抗体13を外部からの画像データに基づいて個々に選択
的にジュール発熱させ、これらの熱を保護層15を介し
て記録媒体に伝導させることによって所定の印画が形成
される。
【0004】尚、前記保護層15は、発熱抵抗体13や
電極14を記録媒体の摺接による磨耗から保護するため
のものであり、従来周知のスパッタリング法やCVD法
(Chemical Vapor Deposition)を採用し、SiN等の
耐磨耗性に優れた無機質材料を発熱抵抗体13等の上面
に4μm〜8μm程度被着させることにより形成されてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、サーマルヘ
ッドの保護層15をスパッタリング法やCVD法により
形成した場合、保護層15中にはピンホール等の微細な
膜欠陥が数多く形成される。
【0006】このため、印画に際して大気中に含まれて
いる水分や記録媒体に含まれているNa+,K+,Cl-
等のイオンが保護層15の膜欠陥を介して発熱抵抗体1
3や電極14に接触すると、発熱抵抗体13等が腐食さ
れてしまい、発熱抵抗体13等の電気抵抗値が大幅に変
動するという欠点を有していた。
【0007】また上記欠点を解消するために、保護層1
5の上面にエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等から成る封
止材を被着させ、この封止材でもって保護層15の膜欠
陥を塞ぐことが提案されている。
【0008】しかしながら、サーマルヘッドの保護層1
5上に前述の封止材を被着させた場合、封止材を形成す
るエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等が比較的軟質である
ことから、印画に際して記録媒体が保護層15上の封止
材に摺接されると、封止材が著しく磨耗して封止材の一
部が短時間で保護層15上より消失してしまい、先に述
べた保護膜15の膜欠陥が比較的早期に開口するという
不都合があった。
【0009】また前記封止材を形成するエポキシ樹脂や
ポリイミド樹脂等の線膨張係数は比較的大きく(20×
10-6〜90×10-6-1)、SiN等から成る保護層
15の線膨張係数(3×10-6-1)と大きく相違して
いること、並びに、保護層15と封止材との馴染みがあ
まり良好でないことから、発熱抵抗体13の発した熱等
によってサーマルヘッド全体の温度が上昇すると、保護
層15−封止材間に発生する大きな熱応力によって封止
材が保護層15上より剥離してしまうことがあり、これ
によっても保護層15の膜欠陥が開口する恐れがあっ
た。
【0010】本発明は上記欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は、発熱抵抗体等の電気抵抗値を長期にわ
たって略一定に保つことができる高信頼性のサーマルヘ
ッドを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のサーマルヘッド
は、ベースプレートの上面に、TiSiO系抵抗材料か
ら成る複数個の発熱抵抗体を被着させるとともに該発熱
抵抗体を保護層で被覆してなるサーマルヘッドであっ
て、前記保護層は、SiO及び/又はSiNを含む無機
質材料から成る第一層と、ペルヒドロポリシラザンの焼
結体から成る第二層と、SiN及び/又はSiCを含む
無機質材料から成る第三層とを順次積層して形成されて
いることを特徴とするものである。
【0012】また本発明のサーマルヘッドは、前記保護
層の第一層及び第三層がスパッタリング法またはCVD
法にて成膜された薄膜から成ることを特徴とするもので
ある。
【0013】更に本発明のサーマルヘッドは、前記発熱
抵抗体を形成するTiSiO系抵抗材料の組成比率がT
xSiOy(0.63≦x≦1.25、0.63≦y≦
2.13)であり、且つ前記発熱抵抗体及び前記保護層
の各層に含まれているSiの含有率が23原子%〜44
原子%に設定されていることを特徴とするものである。
【0014】また更に本発明のサーマルヘッドは、前記
保護層の第三層を形成する無機質材料の比抵抗が1×1
7Ω・cm〜1×1011Ω・cmに設定されているこ
とを特徴とするものである。
【0015】本発明のサーマルヘッドによれば、保護層
を構成する3つの層のうち、最下層となる第一層の膜欠
陥はペルヒドロポリシラザンの焼結体から成る第二層に
よって封止されることから、発熱抵抗体等を大気中に含
まれている水分や記録媒体に含まれているイオン等の接
触による腐食から良好に保護することができ、しかもこ
の第二層上には硬質のSiNやSiC等から成る第三層
が最上層として設けられており、保護層全体の磨耗も有
効に抑えられるため、第二層の一部が早期に消失するこ
とはなく、発熱抵抗体等を第二層によって大気より確実
に遮断し続けることで、発熱抵抗体等の電気抵抗値を長
期にわたり略一定に保つことが可能となる。
【0016】また本発明のサーマルヘッドによれば、発
熱抵抗体を形成するTiSiO系抵抗材料の組成比率を
TixSiOy(0.63≦x≦1.25、0.63≦y
≦2.13)とし、発熱抵抗体及び前記保護層の各層に
含まれているSiの含有率を23原子%〜44原子%に
設定することにより、発熱抵抗体−保護層間、及び、保
護層の各層間で馴染みを良好として、発熱抵抗体及び保
護層各層の線膨張係数を比較的近い値に調整することが
できるため、印画に際して発熱抵抗体の発する熱等によ
ってサーマルヘッドの温度が上昇しても、これらの各層
間に大きな熱応力が発生するのを有効に防止することが
でき、保護層の各層を下地に対して強固に被着させてお
くことが可能となる。これにより、サーマルヘッドの信
頼性が向上される。
【0017】更に本発明のサーマルヘッドによれば、前
記保護層の最上層となる第三層の比抵抗を1×107Ω
・cm〜1×1011Ω・cmに設定して適度な導電性を
付与しておけば、保護層の表面に記録媒体を摺接させて
印画を行う際に、記録媒体の表面に帯電した静電気の一
部がサーマルヘッドに印加されても、これらの電荷は保
護層上で一箇所に留まることはなく、保護層全体にわた
って良好に拡散されるため、保護層に局部的な大電圧が
印加されて保護層が静電破壊されるのを有効に防止する
ことができ、これによってもサーマルヘッドの信頼性を
向上させることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係るサ
ーマルヘッドの斜視図、図2は図1のサーマルヘッドの
断面図であり、1はベースプレート、3は発熱抵抗体、
4は電極、5は保護層である。
【0019】前記ベースプレート1は、矩形状をなすよ
うに外形加工されたグレーズドアルミナセラミックスや
表面を酸化膜で被覆した単結晶シリコン、多結晶シリコ
ン等から成り、その上面には、複数個の発熱抵抗体3や
通電用の電極4,保護層5等が被着され、これらを支持
する支持母材として機能する。
【0020】前記ベースプレート1は、グレーズドアル
ミナセラミックスから成る場合、まずアルミナ、シリ
カ、マグネシア等のセラミックス原料粉末に適当な有機
溶剤を添加・混合する等してセラミックグリーンシート
を形成するとともに、該シートを所定形状に打ち抜いて
高温で焼結させることによってアルミナ基板を形成し、
得られたアルミナ基板の上面に従来周知のスクリーン印
刷等によってガラスペーストを印刷・塗布し、これを高
温で焼き付けグレーズ層を形成することによって製作さ
れる。
【0021】尚、上述したグレーズドアルミナセラミッ
クス基板のグレーズ層は、印画に際して後述する発熱抵
抗体3の発する熱の一部を蓄積し、発熱抵抗体3の温度
を短時間で印画に必要な所定の温度まで上昇させるため
の蓄熱層として機能するものである。
【0022】また前記ベースプレート1の上面に設けら
れる複数個の発熱抵抗体3は、例えば600dpi(do
t per inch)の密度で主走査方向(ベースプレート1の
長手方向)に直線状に配列されている。
【0023】前記発熱抵抗体3は、その各々がTiSi
O系抵抗材料によって例えば0.01μm〜0.2μm
の厚みに形成されており、電極4等を介して電源電力が
供給されるとジュール発熱を起こし、印画に必要な所定
の温度となる。
【0024】このような発熱抵抗体3を形成するTiS
iO系抵抗材料としては、組成比率がTixSiO
y(0.63≦x≦1.25、0.63≦y≦2.1
3)で表されるものが好適に用いられ、発熱抵抗体3中
に含まれているSiの含有率は23原子%〜44原子%
に設定される。
【0025】かかる組成比率を有したTiSiO系抵抗
材料は、単位時間当たりの発熱量を印画に適した大きさ
に調整することが容易で、しかも耐パルス性に優れてお
り、特に階調表現が必要な写真印画等の用途に適した発
熱抵抗体3が得られる。
【0026】また前記発熱抵抗体3の両端には、アルミ
ニウム等の金属材料から成る一対の電極4が接続されて
いる。
【0027】前記一対の電極4は、発熱抵抗体3の一端
側で全ての発熱抵抗体3と共通接続されるとともに、他
端側で各発熱抵抗体3と個別に接続されており、図示し
ないドライバーICのオン・オフに基づいて発熱抵抗体
3に電源電力を印加する。
【0028】尚、前記発熱抵抗体3や一対の電極4は、
従来周知の薄膜手法、具体的には、ベースプレート1の
上面全体に、上述したTiSiO系抵抗材料とアルミニ
ウム等の金属材料とをスパッタリング法等によって順
次、被着させ、これを従来周知のフォトリソグラフィー
及びエッチング技術を採用し、所定パターンに加工する
ことにより形成される。
【0029】そして上述した発熱抵抗体3や一対の電極
4上には保護層5が例えば3μm〜15μmの厚みに被
着され、かかる保護層5でもって発熱抵抗体3や電極4
が共通に被覆されている。
【0030】この保護層5は、記録媒体の摺接による磨
耗、並びに、大気中に含まれている水分、記録媒体に含
まれているイオン(Na+,K+,Cl-等)の接触によ
る腐食から発熱抵抗体3や電極4を保護するためのもの
であり、発熱抵抗体3側より、第一層6、第ニ層7及び
第三層8の3層を順次積層した3層構造を有し、これら
の各層に含まれるSiの含有率は、先に述べた発熱抵抗
体3と同様に、23原子%〜44原子%に設定される。
【0031】尚、ここで、保護層5の各層に含まれるS
iの含有率を発熱抵抗体3と同じ23原子%〜44原子
%に設定するのは、発熱抵抗体3−保護層5間、及び、
保護層5の各層間で馴染みを良好になすとともに、これ
らの層3,6,7,8の線膨張係数を比較的近い値に設
定するためであり、これによって、印画に際し発熱抵抗
体3の発する熱等によってサーマルヘッドの温度が上昇
しても、各層間に大きな熱応力が発生するのを有効に防
止し、保護層5の各層を下地に対して強固に被着させて
おくことができる。
【0032】以下、保護層5を構成する第一層6〜第三
層8の各層について個別に説明する。保護層5の最下層
として設けられる第一層6は、SiO(酸化珪素)及び
/又はSiN(窒化珪素)を含む無機質材料により、例
えば0.1μm〜2.0μmの厚みに形成される。
【0033】この第一層6は、その上に配される第二層
7を熱処理のプロセスを経て形成する際に、後述するペ
ルヒドロポリシラザン溶液中の有機溶剤が発熱抵抗体3
や電極4等と接触してこれらを酸化しようとするのを有
効に防止するためのものであり、これによってサーマル
ヘッドの製造プロセスにおける発熱抵抗体3の抵抗値変
動が極めて有効に抑えられる。
【0034】尚、前記第一層6は、従来周知の薄膜手
法、具体的にはスパッタリング法やCVD法等を採用
し、SiOやSiN、或いは、これらの混合材料(Si
ON)を所定厚みに堆積させることによって形成され、
このようにして得られた第一層6にはピンホール等の微
細な膜欠陥が数多く形成されることとなる。
【0035】また保護層5の中間層として設けられる第
二層7は、SiO、SiN、SiON等の無機質材料に
よって0.03μm〜0.15μmの厚みに形成され、
化1に示すペルヒドロポリシラザンを焼結させてなる焼
結体により形成される。
【0036】
【化1】
【0037】このペルヒドロポリシラザンは、例えば1
50℃〜220℃の温度で重合を起こすセラミック前駆
体ポリマーであり、ペルヒドロポリシラザンをキシレン
やシクロヘキセン等の有機溶剤に溶かして作製したペル
ヒドロポリシラザン溶液(粘度:0.5cps〜1.0
cps)を従来周知のディッピング法、スピンコート
法、バーコーター法等の厚膜手法によって第一層6の上
面に薄く塗布し、これをまず150℃〜220℃の温度
領域で約1時間、次に400℃〜500℃の温度で約1
時間、熱処理し、ペルヒドロポリシラザンをセラミック
化することにより第二層7が形成される。
【0038】このとき、ペルヒドロポリシラザンの熱処
理を窒素雰囲気中で行うと、SiNを主成分とするセラ
ミック焼結体が、また高湿度雰囲気(湿度50%以上)
で行うと、SiOを主成分とするセラミック焼結体が形
成されることとなる。
【0039】以上のような厚膜プロセスによって形成さ
れる第二層7には、ピンホール等の膜欠陥が殆ど存在し
ないことから、第一層6の膜欠陥を第二層7で良好に塞
ぐことができる。従って、発熱抵抗体3や電極4を保護
層5で良好に封止し、発熱抵抗体3や電極4を大気中に
含まれている水分や記録媒体に含まれているイオン等の
接触による腐食から良好に保護することが可能となる。
【0040】そして保護層5の最上層として設けられる
第三層8は、SiN及び/又はSiC(炭化珪素)を含
む硬質の無機質材料により2.0μm〜5.0μmの厚
みに形成される。
【0041】前記第三層8を形成するSiNやSiC
は、ビッカース硬度Hvが1500〜4000の硬質材
料であり、耐磨耗性に優れているため、印画に際して記
録媒体の摺接による磨耗量を小さく抑えることができ、
印画動作の繰り返しによって第二層7が早期に露出する
のを有効に防止することができる。従って、発熱抵抗体
3や電極4を第二層7によって大気より確実に遮断し続
けることができ、発熱抵抗体3や電極4の電気抵抗値を
長期にわたり略一定に保つことが可能となる。
【0042】またこの場合、第三層8を形成する無機質
材料にカーボン(C)やTiC,HfC,VC等を所定
量添加して、その比抵抗を1×107Ω・cm〜1×1
11Ω・cmに設定しておけば、第三層8には適度な導
電性が付与されることとなるため、保護層5の表面に記
録媒体を摺接させて印画を行う際に、記録媒体の表面に
帯電した静電気の一部がサーマルヘッドに印加されて
も、これらの電荷は保護層5上で一箇所に留まることは
なく、保護層5全体にわたって良好に拡散されるため、
保護層5に局部的な大電圧が印加されて保護層5が静電
破壊されるのを有効に防止することができ、これによっ
てもサーマルヘッドの信頼性を向上させることが可能と
なる。従って第三層8の比抵抗は1×107Ω・cm〜
1×1011Ω・cmに設定しておくことが好ましい。
【0043】尚、前記第三層8は、先に述べた第一層6
と同様の形成法により形成される。例えば、SiCやS
iN、或いは、これらの混合材料(SiCN)を、従来
周知の薄膜手法、具体的にはスパッタリング法やCVD
法等を採用し、第二層7の上面に所定厚みに堆積させる
ことによって第三層8が形成される。
【0044】かくして上述したサーマルヘッドは、感熱
紙等の記録媒体を保護層5の表面、具体的には第三層8
の表面に摺接させながら、外部からの画像データに基づ
いて複数個の発熱抵抗体3に選択的に電力を印加し、発
熱抵抗体3を個々に選択的にジュール発熱させるととも
に、該発熱した熱を保護層15を介して記録媒体に伝導
させ、印画を形成することによってサーマルヘッドとし
て機能する。
【0045】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々の変更、改良等が可能である。
【0046】例えば上述の実施形態においては、電極4
をアルミニウムにより形成するようにしたが、これに代
えて、電極4をAl-Si、Al-Si-Cu等のSiを
含む導電材料により形成するようにしても良く、この場
合、電極4−保護層5間の密着性も向上される利点があ
る。
【0047】
【発明の効果】本発明のサーマルヘッドによれば、保護
層を構成する3つの層のうち、最下層となる第一層の膜
欠陥はペルヒドロポリシラザンの焼結体から成る第二層
によって封止されることから、発熱抵抗体等を大気中に
含まれている水分や記録媒体に含まれているイオン等の
接触による腐食から良好に保護することができ、しかも
この第二層上には硬質のSiNやSiC等から成る第三
層が最上層として設けられており、保護層全体の磨耗も
有効に抑えられるため、第二層の一部が早期に消失する
ことはなく、発熱抵抗体等を第二層によって大気より確
実に遮断し続けることで、発熱抵抗体等の電気抵抗値を
長期にわたり略一定に保つことが可能となる。
【0048】また本発明のサーマルヘッドによれば、発
熱抵抗体を形成するTiSiO系抵抗材料の組成比率を
TixSiOy(0.63≦x≦1.25、0.63≦y
≦2.13)とし、発熱抵抗体及び前記保護層の各層に
含まれているSiの含有率を23原子%〜44原子%に
設定することにより、発熱抵抗体−保護層間、及び、保
護層の各層間で馴染みを良好として、発熱抵抗体及び保
護層各層の線膨張係数を比較的近い値に調整することが
できるため、印画に際して発熱抵抗体の発する熱等によ
ってサーマルヘッドの温度が上昇しても、これらの各層
間に大きな熱応力が発生するのを有効に防止することが
でき、保護層の各層を下地に対して強固に被着させてお
くことが可能となる。これにより、サーマルヘッドの信
頼性が向上される。
【0049】更に本発明のサーマルヘッドによれば、前
記保護層の最上層となる第三層の比抵抗を1×107Ω
・cm〜1×1011Ω・cmに設定して適度な導電性を
付与しておけば、保護層の表面に記録媒体を摺接させて
印画を行う際に、記録媒体の表面に帯電した静電気の一
部がサーマルヘッドに印加されても、これらの電荷は保
護層上で一箇所に留まることはなく、保護層全体にわた
って良好に拡散されるため、保護層に局部的な大電圧が
印加されて保護層が静電破壊されるのを有効に防止する
ことができ、これによってもサーマルヘッドの信頼性を
向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るサーマルヘッドの斜
視図である。
【図2】図1のサーマルヘッドの断面図である。
【図3】従来のサーマルヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1・・・ベースプレート、3・・・発熱抵抗体、4・・
・通電用の電極、5・・・保護層、6・・・第一層、7
・・・第二層、8・・・第三層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C065 JA03 JA13 JF01 JF11 JF12 JF14 JF16 JH08 JH11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベースプレートの上面に、TiSiO系抵
    抗材料から成る複数個の発熱抵抗体を被着させるととも
    に該発熱抵抗体を保護層で被覆してなるサーマルヘッド
    であって、 前記保護層は、SiO及び/又はSiNを含む無機質材
    料から成る第一層と、ペルヒドロポリシラザンの焼結体
    から成る第二層と、SiN及び/又はSiCを含む無機
    質材料から成る第三層とを順次積層して形成されている
    ことを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 【請求項2】前記保護層の第一層及び第三層がスパッタ
    リング法またはCVD法にて成膜された薄膜から成るこ
    とを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド。
  3. 【請求項3】前記発熱抵抗体を形成するTiSiO系抵
    抗材料の組成比率がTi xSiOy(0.63≦x≦1.
    25、0.63≦y≦2.13)であり、且つ前記発熱
    抵抗体及び前記保護層の各層に含まれているSiの含有
    率が23原子%〜44原子%に設定されていることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載のサーマルヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】前記保護層の第三層を形成する無機質材料
    の比抵抗が1×107Ω・cm〜1×1011Ω・cmに
    設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3
    のいずれかに記載のサーマルヘッド。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012157641A1 (ja) * 2011-05-16 2012-11-22 京セラ株式会社 サーマルヘッドおよびこれを備えるサーマルプリンタ

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