JP2003127124A - セラミックス成形体の製造方法 - Google Patents

セラミックス成形体の製造方法

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JP2003127124A
JP2003127124A JP2001320824A JP2001320824A JP2003127124A JP 2003127124 A JP2003127124 A JP 2003127124A JP 2001320824 A JP2001320824 A JP 2001320824A JP 2001320824 A JP2001320824 A JP 2001320824A JP 2003127124 A JP2003127124 A JP 2003127124A
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water
organic solvent
slurry
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molded object
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JP2001320824A
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Shinya Sato
伸也 佐藤
Motohiro Umetsu
基宏 梅津
Norikazu Sashita
則和 指田
Tatsuya Shiogai
達也 塩貝
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Taiheiyo Cement Corp
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Taiheiyo Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スラリーを硬化させた後に脱型して得られる
水を含んだ成形体をひび割れ等の欠陥を生じることな
く、簡易な手段で好適に乾燥することが可能なセラミッ
クス成形体の製造方法を提供する。 【解決手段】 セラミックス粉末に水と分散剤及び結合
剤と硬化剤を添加し、混合して調製したスラリーを吸水
性のない材質から成る成形型に注入し、そのスラリーを
硬化させた後に脱型して得られる成形体を、水と自由に
混ざり合い、かつ、水よりも蒸気圧の低い有機溶媒中に
浸漬するか、又は該成形体に該有機溶媒を塗布して、そ
の後に乾燥する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックス粉末
の成形方法に関し、特に溶媒として水を含んだままスラ
リーを硬化させたセラミックス成形体を乾燥することを
特徴とするセラミックス成形体の製造方法に関するもの
である。 【0002】 【従来の技術】所望の大きさ、形状のセラミックス製品
を得ること目的として、一般にはセラミックス成形体を
焼結して得られた焼結体を加工することが行われるが、
この焼結体の加工は、非常に手間がかかり、コストが高
いという問題点がある。このため、焼結後の大きさ、形
状が、製品の大きさ、形状にできるだけ近い焼結体とな
るように成形体の大きさ、形状をそれに合わせるニアネ
ットシェイプ成形法が検討されている。 【0003】このニアネットシェイプ成形法として、溶
媒としての水を吸収しない無孔質の型を用いた自硬化成
形法がある。この自硬化成形は、加熱などの処理によっ
て硬化する樹脂を結合剤として用いて、溶媒としての水
を含んだままスラリーを硬化させ、保形性を持たせる成
形方法であり、硬化時に収縮がなく、また、ほぼどのよ
うな形状の成形体でも成形可能であるという特長があ
る。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上述した自硬化成形法
は、成形体中に溶媒としての水を含むことから、水を取
り除く乾燥工程が必要となるが、この乾燥工程におい
て、成形体の急激な乾燥を行えば、成形体表面のみが乾
燥し、収縮して、ひび割れ等の欠陥を生じてしまうこと
が問題となっている。 【0005】この対策として、恒温恒湿槽中で、高湿度
から徐々に湿度を下げて乾燥する方法を採用することが
できるが、この方法では、煩雑な湿度調整を行わなけれ
ばならないため、乾燥工程の管理が難しく、また、多数
の恒温恒湿槽が必要となるため、コスト面においても好
ましくないという問題があった。 【0006】さらに、この手間のかかる乾燥方法を採用
した場合でも、特に厚い成形体では均一な乾燥は難し
く、成形体内部と成形体表面の乾燥速度の差が大きいた
め、ひび割れ等の欠陥を生ずるという問題は解決されな
い。本発明は、前記課題を解決するためになされたもの
であり、ひび割れ等の欠陥を生じることなく、簡易な手
段で好適に自硬化成形体を乾燥することが可能なセラミ
ックス成形体の製造方法を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】前記した目的は、セラミ
ックス粉末に水と分散剤及び結合剤と硬化剤を添加し、
混合して調製したスラリーを吸水性のない材質から成る
成形型に注入し、そのスラリーを硬化させた後に脱型し
て得られる成形体を、水と自由に混ざり合い、かつ、水
よりも蒸気圧の低い有機溶媒中に浸漬するか、又は該成
形体に該有機溶媒を塗布して、その後に乾燥するセラミ
ックス成形体の製造方法により達成される。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の、セラミックス粉末とし
ては、アルミナ、窒化アルミニウム、スピネル、窒化珪
素、炭化珪素、ジルコニア等が挙げられる。これらのセ
ラミックス粉末に水と分散剤と結合剤として水溶性バイ
ンダーを添加し、混合して調整したスラリーを吸水性の
ない材質からなる成形型に注入して加熱硬化させること
で、均質な成形体が得られる。 【0009】ここで、分散剤(例えば、ポリカルボン酸
アンモニウム塩)の添加量は一般にセラミックス粉末に
対して0.2〜10質量%である。 【0010】次に、スラリーの硬化は添加した結合剤と
しての水溶性バインダー(例えばエポキシ系、アクリル
系)の熱重合による。大型肉厚品では脱脂が困難である
ためバインダーは少量が望ましいが、目的とする成形体
形状、加工の有無等を考慮して、原料粉末スラリーに対
して1〜15質量%の水溶性バインダーを適宜決定して添加
する必要がある。 【0011】次に、十分に混合したスラリーに、重合反
応を開始させる硬化剤(例えば過硫酸アンモニウム)を
さらに加え、混合する。混合は一般のボールミル、攪拌
機等を用いる。得られたスラリーを真空脱泡した後、吸
水性のない材質の成形型に流し込み、加熱により硬化す
る。 【0012】さらに、本発明では、スラリーを硬化させ
た後に脱型して得られる水を含んだ成形体を、水と自由
に混ざり合い、かつ、水よりも蒸気圧の低い有機溶媒中
に浸漬するか、又は該成形体に該有機溶媒を塗布するこ
とを特徴としている。ここで、該有機溶媒としては、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、トリエタノール
アミン等が使用できる。これらは、室温(20℃)における
蒸気圧が1〜10Paであり、水よりも蒸気圧が低く、室温
では揮発しにくいため、成形体中の水の急激な蒸発を防
止できる作用がある。 【0013】成形体を有機溶媒中に浸漬する場合には、
成形体中から水が抜ける脱水が起こり、また、水と有機
溶媒との置換も起こる。そして、脱水により、成形体の
重量は減少し、成形体は収縮する。有機溶媒中に浸漬し
ている間にほぼ完全に収縮するため、その後の乾燥にお
いて、ひび割れ等の欠陥は発生しない効果がある。 【0014】その後の乾燥においては、特に温度及び湿
度を管理する必要はない。これは、成形体表面若しくは
水と置換され成形体表面近傍に存在する水よりも低い蒸
気圧の有機溶媒が、急激な乾燥を防ぐからである。 【0015】成形体に該有機溶媒を塗布する場合も同様
に、塗布後の乾燥を上述のような簡便な方法で行うこと
が出来る。なお、有機溶媒を塗布する方法は比較的肉薄
の成形体に適しており、肉厚が40mmを越えるような成形
体の場合は、有機溶媒中に浸漬する方法が望ましい。以
上の方法により乾燥させた後、一般のセラミックス製品
と同様に、脱脂、焼成すれば所望のセラミックス製品を
得ることができる。 【0016】次に、本発明を実施例及び比較例によりさ
らに詳細に説明する。 【0017】(実施例)市販の高純度アルミナ粉末(純
度99.99%)100重量部に対して水17重量部、分散剤(ポリ
カルボン酸アンモニウム塩)0.8重量部及び結合剤として
の水溶性バインダー(アクリルアミド樹脂)2.3重量部を
加えて、樹脂ボールを媒体としたボールミルにより24時
間混合し、スラリーを調整した。 【0018】得られたスラリーに硬化剤として重合開始
剤であるペルオキソ硫酸を0.02重量部だけ添加し、
攪拌しながら真空脱泡した。該スラリーを縦150×横
100mmの平板形状の成形体が得られる成形型に注型
し、80℃にて加熱硬化した後、型から成形体を取り出し
た。 【0019】有機溶媒には、エチレングリコールを使用
し、浸漬は温度25℃で成形体の収縮が停止するまで行っ
た。また、成形体の厚みが薄い場合には、有機溶媒を成
形体に塗布した。その後、成形体を室内に1〜3日間放置
し、100℃で強制乾燥を行った。スラリー量を変化させ
て作製した成形体の厚さと、有機溶媒の使い方と溶媒浸
漬時間及び乾燥結果を表1に示す。 【0020】 【表1】 【0021】表1の結果から明らかなように、成形体に
溶媒を塗布、又は、成形体を溶媒に浸漬させることによ
り、割れ等の欠陥を生じること無く乾燥できることが確
認できた。 【0022】(比較例1)実施例と同様の成形体を作製
し、その後の乾燥を恒温恒湿槽を用いて行った。収縮が
停止するまで恒温恒湿槽内で乾燥した後、強制乾燥を行
った結果を表2示した。 【0023】 【表2】 【0024】表2の結果より、乾燥には長時間を要し、
しかも乾燥可能な肉厚は最大でも40mmであり、それ以上
の成形体には割れが発生することが分かった。 【0025】(比較例2)成形体を浸漬する有機溶媒と
して、水よりも蒸気圧の高いイソプロピルアルコールを
用いて実施例と同様の実験を行った結果を表3に示し
た。 【0026】 【表3】【0027】表3の結果より、成形体を有機溶媒に浸漬
する浸漬法でも、有機溶媒を塗布する方法でも、乾燥後
の全ての成形体に割れが発生した。これは、成形体表面
の溶媒が急激に揮発するためと思われる。 【0028】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
乾燥時にひび割れ等の欠陥を生じることなく、簡易な手
段でセラミックス成形体を提供できる効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩貝 達也 千葉県佐倉市大作2−4−2 太平洋セメ ント株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4G055 AA08 BA02

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 セラミックス粉末に水と分散剤及び結合
    剤と硬化剤を添加し、混合して調製したスラリーを吸水
    性のない材質から成る成形型に注入し、そのスラリーを
    硬化させた後に脱型して得られる成形体を、水と自由に
    混ざり合い、かつ、水よりも蒸気圧の低い有機溶媒中に
    浸漬するか、又は該成形体に該有機溶媒を塗布して、そ
    の後に乾燥することを特徴とするセラミックス成形体の
    製造方法。
JP2001320824A 2001-10-18 2001-10-18 セラミックス成形体の製造方法 Pending JP2003127124A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009535622A (ja) * 2006-04-25 2009-10-01 ローズマウント インコーポレイテッド ネットに近い形状の焼結セラミックを用いた圧力センサ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009535622A (ja) * 2006-04-25 2009-10-01 ローズマウント インコーポレイテッド ネットに近い形状の焼結セラミックを用いた圧力センサ

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