JP2003125888A - 回転防止機構 - Google Patents

回転防止機構

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JP2003125888A
JP2003125888A JP2001324086A JP2001324086A JP2003125888A JP 2003125888 A JP2003125888 A JP 2003125888A JP 2001324086 A JP2001324086 A JP 2001324086A JP 2001324086 A JP2001324086 A JP 2001324086A JP 2003125888 A JP2003125888 A JP 2003125888A
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shaft
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JP2001324086A
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English (en)
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Tsunetaro Ito
恒太郎 伊藤
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Takano Co Ltd
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Takano Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッドレストの奥行き調整と角度調整を同時
に行うような場合に、調整機構の回転を一斉に防止しあ
るいは許容できるようにする。 【解決手段】 押圧力を受ける被押圧傾斜部4と軸2
(2a,2b)の周面に押し付けられる押さえ部5とを
有し軸2に対し接近離反可能で機素3に対し各軸2を押
し付けることによって締め付ける回転防止部材6と、該
回転防止部材6の被押圧傾斜部4を滑りながら押圧する
押圧傾斜部7を有しこれら押圧傾斜部7および被押圧傾
斜部4間に生じる楔作用により回転防止部材6を各軸2
に押し付ける楔部材8と、該楔部材8に荷重をかけると
ともに軸2が締め付けられた状態を維持する荷重付与手
段9とで回転防止機構1を構成し、軸2と機素3との間
の相対回転防止状態と相対回転許容状態との切換を荷重
付与手段9の操作により行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回転防止機構に関す
る。さらに詳述すると、本発明は、例えばストレッチャ
ーのヘッドレストで用いられるような軸と機素とからな
る回り対偶の相対回転運動を防止するための回転防止機
構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】椅子やストレッチャーなどでは、ヘッド
レストの角度と奥行き(ベッド状態時においては高さ、
以下同じ)の両方を調整可能とし、使用者に応じた安楽
姿勢を提供できるようにしたものがある。このような調
整を行うための機構は、例えばヘッドレストと背凭れ部
の間にリンクを介在させることによって構成されてい
る。
【0003】このような調整機構すなわち角度調整機構
や位置決め機構では、角度調整時や奥行き調整時以外は
角度や位置を固定しておく必要があることから、例えば
多層のクラッチ板を締め付けた時の摩擦力を利用した回
転防止機構などが採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の回転防止機構においては、複数の回り対偶
(例えばフレームとリンクの間の回り対偶およびリンク
とヘッドレストの間の回り対偶)に対し回転防止機構が
個別に設けられていることから、それぞれの機構を別々
に調整しなければならない。例えばヘッドレストの奥行
きと角度の両方を調整する場合、奥行きを調整して所望
位置に固定し、その次に角度を調整して固定するという
ように段階的に調整する必要がある。また、奥行きのみ
を調整する場合でも、それに付随して角度調整する必要
が生じるなど、調整動作に手間がかかることが多い。し
かも、角度調整機構、位置決め機構のそれぞれが回転防
止機構を必要としていることから部品点数削減や小型化
の面でも不利である。
【0005】そこで、本発明は、ヘッドレストの奥行き
調整と角度調整を同時に行うような場合に、2つあるい
はそれ以上の調整機構の回転を一斉に防止しあるいは許
容できる回転防止機構を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、回り対偶をなす少なくとも
2本の軸と機素との間の相対回転運動を防止する回転防
止機構において、押圧力を受ける被押圧傾斜部と軸の周
面に押し付けられる押さえ部とを有し軸に対し接近離反
可能で機素に対し各軸を押し付けることによって締め付
ける回転防止部材と、該回転防止部材の被押圧傾斜部を
滑りながら押圧する押圧傾斜部を有しこれら押圧傾斜部
および被押圧傾斜部間に生じる楔作用により回転防止部
材を各軸に押し付ける楔部材と、該楔部材に荷重をかけ
るとともに軸が締め付けられた状態を維持する荷重付与
手段とからなり、軸と機素との間の相対回転防止状態と
相対回転許容状態との切換を荷重付与手段の操作により
行うことを特徴とするものである。
【0007】この回転防止機構において、まず、荷重付
与手段による荷重が作用していない状態あるいは作用し
ていても荷重が小さいような状態のとき、軸は締め付け
られることなく機素に対し相対回転可能である。
【0008】一方、楔部材に対し十分な荷重が作用した
場合、楔部材は回転防止部材側へ押し付けられるように
移動する。このとき、楔部材の押圧傾斜部が回転防止部
材の被押圧傾斜部を滑りながら押圧し、楔の作用、すな
わち両傾斜部を介し押圧力を伝達することによってスト
ロークは小さいながらも大きな力を得るようにした作用
によりこれら回転防止部材を各軸に強力に押し付ける。
この結果、各軸は回転防止部材と機素との間で締め付け
られ、機素に対する相対回転運動が防止される。しか
も、この回転防止に至るまでの動作は各軸ごとに順次行
われるのではなく、荷重付与手段や楔部材を操作するこ
とにより一斉に行われるものであるから、例えば相対回
転可能な2軸を備えたヘッドレストの奥行き調整と角度
調整とを同時に行うようなことが可能となる。また、こ
の場合において軸をほぼ同時に締め付けるようにするこ
とで一致したタイミングで各軸の相対回転を防止するこ
とも可能となる。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の回
転防止機構において、回転防止部材は平行に配置された
2本の軸を内側から外へ押し付ける一対の部材からな
り、楔部材は、押圧傾斜部が一対の傾斜した平面あるい
はこれに近似した面からなる台形あるいはこれに近似し
た形状であり一対の回転防止部材の間に介在し荷重付与
手段から荷重をかけられて2本の軸を外側に押し付ける
ものである。
【0010】この回転防止機構では、荷重をかけられた
楔部材が傾斜部間に生ずる楔作用により両側の回転防止
部材を外側に押し出し、これら回転防止部材の押さえ部
と機素との間で軸を締め付けさせる。これにより、平行
な2軸の機素に対する相対回転運動をほぼ同時に防止
し、あるいは荷重を取り除くことによってほぼ同時に許
容することができる。
【0011】また、請求項3記載の発明は、回り対偶を
なす少なくとも2本の軸と機素との間の相対回転運動を
防止する回転防止機構において、軸と接する方向に可動
で各軸を直接または間接的に押圧する傾斜面の楔作用に
より機素との間でこれら軸を締め付け相対回転を防止す
る楔部材と、該楔部材に対し軸を押圧する方向に荷重を
かけ軸が締め付けられた状態を保持する荷重付与手段と
からなり、該荷重付与手段の操作による相対回転防止状
態と相対回転許容状態との切換を可能としたものであ
る。
【0012】この回転防止機構によると、荷重が作用し
ていない状態あるいは作用していても荷重が小さいよう
な状態のとき、軸は機素に対して相対回転可能である。
一方、十分な荷重が作用した場合、楔部材は荷重作用方
向に移動し、傾斜面で軸を直接押圧する。この結果、各
軸は楔部材と機素との間で締め付けられ、機素に対する
相対回転運動が防止される。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項1から3の
いずれかに記載の回転防止機構において、荷重付与手段
をボルトとナットとし、機素の片側面と楔部材にボルト
のねじ部を通過させる透孔を設けているものである。こ
れらボルトとナットを締めることにより、楔部材に対し
徐々に荷重をかけ軸を締め付けることができる。また、
ボルトとナットが自然と緩むおそれも少ないため軸の相
対回転防止状態を維持しやすい。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項4記載の回
転防止機構において、ボルトの頭部またはナットを回転
不能に収容する凹部を楔部材に設けているものである。
したがってボルト・ナットの空転が生じるようなことが
なく、収容されていない側を回すことによって確実に締
め付けあるいは解除することができる。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項4記載の回
転防止機構において、軸は2本の平行軸であり、機素の
片側面と楔部材に設けられた透孔のいずれか一方をこれ
ら両軸に向けて延びる長孔とし、楔部材を両軸に向けて
接近離反可能としているものである。この場合、長孔の
ストローク分だけ楔部材が移動可能となる。したがっ
て、一方の回転防止部材に対する押圧力と他方の回転防
止部材に対する押圧力とに偏りが生じているような場合
にも、楔部材がいずれかにストロークすることによって
この偏りが吸収され、押圧力が均等化し、これら回転防
止部材がほぼ等しい力で各軸に押し付けられる。このた
め、両軸はほぼ同時に相対回転不能となり、ほぼ同時に
相対回転が許容されるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0017】図1〜図14に本発明の回転防止機構の一
実施形態を示す。この回転防止機構1は、回り対偶をな
す少なくとも2本の軸2と機素3との間の相対回転運動
を防止するもので、軸2に対し接近離反可能で機素3に
対し各軸2を押し付けることによって締め付ける回転防
止部材6と、この回転防止部材6を各軸2に押し付ける
楔部材8と、該楔部材8に荷重をかけるとともに軸2が
締め付けられた状態を維持する荷重付与手段9とからな
り、軸2と機素3との間の相対回転防止状態と相対回転
許容状態との切換を荷重付与手段9の操作により行うも
のである。以下では、このような回転防止機構1をスト
レッチャーのヘッドレストに適用した実施形態を説明す
る。
【0018】ストレッチャーは患者等を搭乗させたまま
ベッド状態から車椅子状態あるいはその逆へと変型可能
なもので、いずれの状態においても搭乗者の頭部を支持
可能なヘッドレスト12を備えている。このヘッドレス
ト12は図12〜図14に示すようにフレーム13に対
し軸2aを中心に回転可能な機素3(以下、本実施形態
の説明中「支持アーム3」という)の先端側に回転可能
に取り付けられ、これにより、ストレッチャーのフレー
ム13に対し車椅子状態時に前後方向へ移動可能(また
は図示していないがベッド状態時に上下方向へ移動可
能)でかつヘッドレスト自体の保持面(本明細書では、
搭乗者の頭部を保持する面の意味で使用している)の傾
き調整も可能となっている。例えばパイプからなる軸2
aは左右のフレーム13の間に溶接などにより固着され
ており、支持アーム3はこの軸2aに回転可能に取り付
けられている。
【0019】また、ヘッドレスト12の保持面と逆の面
(裏面)には左右一対のブラケット14が設けられてい
る。詳しく図示していないがこのブラケット14はヘッ
ドレスト12側で折り曲げられ、この折り曲げ部分をヘ
ッドレスト12の裏面に2箇所(左右で計4箇所)のね
じ15で固着されている。また、パイプなどからなる別
の軸2bが左右のブラケット14に溶接などによって一
体化されている。
【0020】支持アーム3は、基端側を軸2aに回転可
能に取り付けられるとともに先端側でヘッドレスト12
を回転可能に支持する部材で、回転防止機構1によって
両軸2a,2bの相対回転運動を防止してヘッドレスト
12を所望位置と角度に固定し、あるいは両軸2a,2
bの相対回転運動を許容してヘッドレスト12の位置お
よび保持面の角度の変更を可能とする。
【0021】この支持アーム3はほぼ半分割される第1
カバー16と第2カバー17を有し、回転防止部材6、
楔部材8そして荷重付与手段9を備えている。対となる
カバー16,17は半円形状の凹部を有し、他方側のカ
バーと組み合わされて軸2a,2bを回転可能に支持す
る軸孔3a,3bを形成する。本実施形態では、荷重付
与手段9としてボルト9aおよびナット9bを用い、こ
れらの締付力を利用して楔部材8の押圧傾斜部7を回転
防止部材6の被押圧傾斜部4に押し付けるようにしてい
る。
【0022】回転防止部材6は、軸2a,2bを押圧し
て軸孔3a,3bの軸受面との間で締め付けこれら軸2
a,2bの回転運動を防止する部材であり、図8、図9
(両図では軸2a側の回転防止部材6を図示している)
に示すように、押圧力を受ける被押圧傾斜部4と軸2の
周面に押し付けられる押さえ部5とを有している。図1
に示すように、回転防止部材6は対称形状の一対の部材
が2本の軸2a,2bに対し対称位置に配置されてい
る。
【0023】回転防止部材6の被押圧傾斜部4は図1に
示すように楔部材8と接触するように設けられ、楔部材
8から押圧力を受けて回転防止部材6を軸2aあるいは
軸2bの側へ移動させる斜面である。本実施形態の場
合、被押圧傾斜部4は傾斜角が押圧傾斜部7の傾斜角と
等しい平面であり、押圧傾斜部7と面接触するようにな
っている。また、軸2a,2bの外周面に接触する押さ
え部5は、軸2a,2bを回転不可能となる程度に締め
付けるのに適度な摩擦力を生じさせうる形状、例えば本
実施形態のように軸2a,2bの外周形状に合わせて略
半円形の凹曲面からなり軸2a,2bとの大きな接触領
域を確保した形状が好適である。
【0024】楔部材8は回転防止部材6の被押圧傾斜部
4を滑りながら押圧する押圧傾斜部7を有し、これら押
圧傾斜部7および被押圧傾斜部4間に生じる楔作用によ
り回転防止部材6を各軸2a,2bに押し付ける部材で
ある。本実施形態の楔部材8は図10に示すように平面
視矩形であって軸2a,2b側の面に対称形状の一対の
押圧傾斜部7を備えた正面視略台形の部材である(図1
1)。押圧傾斜部7は図示するように平面からなり、被
押圧傾斜部4に面接触するように形成されている。ま
た、この楔部材8の中央部にはボルト9aのねじ部を通
過させる透孔8aが設けられている。この透孔8aの一
部(例えば上側半分程度)はこの透孔8aより大きな略
矩形の凹部11とされ、ボルト9aおよびナット9bの
空転が生じないように、ボルト9aの頭部またはナット
9bを回転不能な状態で収容できるようになっている。
本実施形態ではこの凹部11にナット9bを落とし込む
ようにしている(図1)。
【0025】荷重付与手段9として機能するボルト9a
およびナット9bは、楔部材8を回転防止部材6の被押
圧傾斜部4に押し付けるように荷重を付与する。本実施
形態の場合、ボルト9aの頭部を図1に示すように蝶形
とし、手動回転で締め付けあるいは緩めることができる
ようにしている。ボルト9aの頭部と第2カバー17の
間には滑りやすさを確保するための樹脂製ワッシャ18
が設けられている。
【0026】また、カバー16,17にはカバー締付用
のボルト19のねじ部が通過可能な座22,24付きの
透孔21,23が連通するように設けられている(図4
〜図7)。本実施形態の場合、カバー16,17を組み
合わせた状態で各透孔21,22にボルト19を通し、
ナット20と嵌合させてカバー16,17を組み付ける
ようにしている。ナット20の座22は、例えば図2に
示すようにナット20の側面に接する壁面を有し、ナッ
ト20の回転を防止しうるように形成されている。
【0027】第2カバー17の中央部には、ボルト9a
のねじ部を通過させるための透孔10が設けられてい
る。この透孔10は丸孔であってもよいが、本実施形態
のように、両軸2a,2bに対し垂直に延びる長孔とな
っていることが好ましい。こうした場合、ボルト9aが
この長孔の中をストローク可能となることから、両軸2
a,2bに向けて楔部材8がこのストローク分だけ接近
離反可能となる。したがって、例えば回転防止部材6や
楔部材8などの形状誤差に起因して一方の回転防止部材
6に対する押圧力が他方の回転防止部材6に対する押圧
力より小さくなっているなど偏りが生じたとしても、楔
部材8がストロークすることによってこのような押圧力
の偏りを吸収し、均等化し、ほぼ等しい力でこれら回転
防止部材6を軸2a,2bに押し付ける。このため、本
実施形態の回転防止機構1によれば、両軸2a,2bを
ほぼ同時に相対回転不能とし、あるいはほぼ同時に相対
回転を許容することが可能である。
【0028】本実施形態の回転防止機構1は以下のよう
に機能する。
【0029】まず、両軸2a,2bが締め付けられてい
ない場合、支持アーム3はフレーム13に対し回転可能
であり、かつヘッドレスト12は支持アーム3に対して
回転可能である。したがって、ヘッドレスト12を図1
3や図14に示すように傾き一定に保ちながら前後方向
に移動させることができる。あるいは、任意の位置にお
いて任意の傾きとすることもできる。
【0030】ここで、ヘッドレスト12を所望の位置ま
で移動させ、保持面が所望の角度となるよう調整できた
らその位置と傾きを保持したままボルト9aを回して締
める。これにより、楔部材8はボルト9aの頭部側に引
っ張り込まれ、楔部材8の押圧傾斜部7が回転防止部材
6の被押圧傾斜部4に接触し滑りながら押圧する。そう
すると、各回転防止部材6はこの押圧力を受けてそれぞ
れ外側へ移動し、押さえ部5で両軸2a,2bを押し付
け、軸孔3a,3bとの間でこれら軸2a,2bを締め
付けて相対回転を防止する。このとき、両軸2a,2b
はほぼ等しい力でほぼ同時に締め付けられることから、
ボルト9aを回して締めるという動作だけで支持アーム
3とヘッドレスト12とを同時に固定することができ、
したがってヘッドレスト12の前後方向位置決めと傾き
調整とを一斉に行うことができる。また、ボルト9a、
ナット9bは自然に緩むおそれが少なく、両軸2a,2
bが締め付けられた状態を維持することから、ヘッドレ
スト12は所望の位置と角度に固定されることになり不
意に動くようなこともない。
【0031】一方、締めたボルト9aを緩めることによ
り押圧力が解除され、支持アーム3とヘッドレスト12
は再び回転可能となる。したがって、この状態において
ヘッドレスト12の前後位置と傾きとを再度調整するこ
とが可能となる。
【0032】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実
施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。例えば、本実施形態では本発明の回転防止機構1
をストレッチャーのヘッドレスト12に適用した例を説
明したがこれは好適な一例に過ぎず、特にこのような形
態に限られることはない。例えば、同じストレッチャー
においてフットレストが前後動(あるいはベッド状態に
おいて上下動)可能かつ傾き調整可能に設けられていれ
ばこのようなフットレストに対して本発明を適用するこ
とができるし、さらにはこのようなストレッチャー以外
にも、2本の軸2が支持アーム等の機素3に対し相対回
転運動する機構を有し回転防止状態と許容状態との容易
な切換が望まれる全ての機器において適用可能である。
【0033】また、本実施形態では平行な2本の軸2
a,2bの相対回転の防止状態と許容状態を切り換える
ようにした機構について説明したが、対象となる軸数は
特に2本だとは限らないし、常に平行だとも限らない。
例えば、図15に示すように機素3に対し3本の軸2が
三角形を形成するように配置されているような場合、各
軸2の周面と接触する3つの回転防止部材6と、これら
回転防止部材6を同時に押圧し外側へ押し出すことがで
きる例えば三角形の楔部材8を設けることで回転防止機
構1を構成できる。この場合、楔部材8の3辺に設けら
れた押圧傾斜部7が楔作用によって各回転防止部材6を
外側に押し出し、3本の軸2をほぼ同時に締め付けるこ
とができる。同様にして、例えば4本の軸2が回転可能
な場合(図16)、5本の軸2が回転可能な場合(図1
7)も、各軸2に対応して設けられた複数の回転防止部
材6と、これら回転防止部材6を同時に押圧できるよう
に構成された楔部材8とによって軸2をほぼ同時に締め
付けることが可能である。ここで、図16、図17にお
いては軸2と等しい数の回転防止部材6を設けているが
この数は常に等しいとは限らず、例えば図17に想像線
で示すように隣り合う回転防止部材6を一体化すること
で2つの押さえ部5を有する回転防止部材6を構成して
もよい。図15〜図17においては、被押圧傾斜部4の
形状を解りやすく示すため回転防止部材6と楔部材8と
の間を離して図示しているが実際には互いに接触するよ
うに設けられる。
【0034】また、本実施形態の被押圧傾斜部4および
押圧傾斜部7はいずれも平面であったがこれは好適な一
例に過ぎず、楔作用によって軸2を締め付けることがで
きる限り特に平面に限られることはない。例えば、これ
ら傾斜部4,7が平面に近似した曲面などであり、この
結果、楔部材8が完全な台形でなくこれに近似した形状
であっても楔作用を奏する限り軸2の相対回転を防止す
ることが可能である。
【0035】さらに、本実施形態における回転防止部材
6の押さえ部5は軸2a,2bの外周形状に合わせた略
半円形の凹曲面からなるものであったが、このような形
状に特に限定されることはなく、軸2との間で適度な摩
擦力を発揮しうるものであれば軸2と面接触するもので
あってもあるいは線接触するものであっても構わない。
また、押圧状態で弾性変形するゴムなどのエラストマを
押さえ部5に設け軸2の周面に接触させるようにしても
よい。あるいは、特に図示していないが、押さえ部5の
接触面と軸2の周面とに軸方向に延びる浅い凹凸を設
け、押圧状態において互いを係合させることによって軸
2の相対回転を確実に防止できるようにすることもでき
る。なお、本実施形態における軸2は無段階で相対回転
することができたが、このような凹凸を設けた場合の軸
2は機素3に対し段階的に相対回転するようになる。
【0036】また、本実施形態では軸2の相対回転を防
止または許容する回転防止機構1について説明したが、
本発明にかかる回転防止機構1は軸2のスライドを防止
または許容する機構としても機能しうる。すなわち、2
本ないしそれ以上の軸2が機素3に対し軸方向へ摺動可
能な場合、この回転防止機構1を利用し軸2を締め付け
ることで摺動を防止する一方、締め付けを解除すること
で摺動を許容することができる。また、軸2が回転しな
がら摺動できる場合には、この回転防止機構1によって
回転と摺動とを同時に防止しまたは許容することができ
る。
【0037】また、本実施形態における楔部材8は側面
に押圧傾斜部7を有し回転防止部材6を外側に押し付け
るものであったが形状や作用がこのようなものに限られ
ることはなく、例えば両回転防止部材6を内側に抱え込
むようにして軸2の外周側に押し付けるものであっても
構わない。例示すると、図18に示す楔部材8のように
両軸2a,2bに跨る門形であり門足内側に合掌形の押
圧傾斜部7を有しているような場合、両回転防止部材6
を内側に押し付け軸2を締め付けることが可能である。
【0038】また、本実施形態ではボルト9aとナット
9bとで楔部材8および第2カバー17を挟み込むよう
にすることで荷重を付与し、緩めることによって楔作用
が自然に解除されるようにしたが、このような構成にお
いて、例えば楔部材8と第2カバー17との間にコイル
スプリングなど戻しばねを設け、楔作用をもたらす押圧
力を積極的に解放するようにしてもよい。
【0039】また、楔部材8に対し荷重を付与する形態
は、ボルト9aとナット9bとで楔部材8および第2カ
バー17を挟み込むものに限られない。例えば、右ねじ
のボルト9aを逆回転させるとナット9bが外れる方向
に動く作用を利用し、楔部材8を押し込むような形態で
荷重を付与することも可能である。
【0040】さらに、上述した各形態では回転防止部材
6を間に介して軸2a,2bを締め付けるようにした
が、例えば図19に示すように、楔部材8の押圧傾斜部
7によってこれら軸2a,2bを直接締め付けることも
可能である。この場合、楔部材8は押圧傾斜部7が奏す
る楔作用によって軸2a,2bを強く押し付け、機素3
との間で締め付けて相対回転を防止する。また、この場
合において、楔部材8によって各軸2a,2bを締め付
けるようにするが押圧傾斜部7の表面にはゴムなどエラ
ストマを設けて間接的に締め付けるようにし、接触領域
を増やして軸2a,2bの相対回転を確実に防止できる
ようにしてもよい。図19では押圧傾斜部7を平面とし
ているが、軸2a,2bの周面に合わせた曲面とするな
ど形状は適宜変更することができる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1記載の回転防止機構によると、荷重付与手段を操作す
ることにより2つあるいはそれ以上の軸と機素との間の
相対回転防止状態と相対回転許容状態とを一斉に切り換
えることができる。このため、例えばストレッチャーの
ヘッドレストの奥行き調整と角度調整を同時に行うこと
が可能となり、それぞれの調整を順次別々に行うときの
ような煩わしさがなくなる。また、軸数にかかわらず荷
重付与手段や楔部材は単一部材で済むため部品点数削減
や小型化の面で有利となる。
【0042】また、請求項2記載の回転防止機構による
と、荷重をかけられた楔部材が傾斜部間に生ずる楔作用
により両側の回転防止部材を外側に押し出し、これら回
転防止部材の押さえ部と機素との間で軸を締め付けさせ
る。これにより、平行な2軸の機素に対する相対回転運
動をほぼ同時に防止し、あるいは荷重を取り除くことに
よってほぼ同時に許容することができる。
【0043】また請求項3記載の回転防止機構による
と、請求項1の場合と同様、荷重付与手段を操作するこ
とにより2つあるいはそれ以上の軸と機素との間の相対
回転防止状態と相対回転許容状態とを一斉に切り換える
ことができる。このため、例えばストレッチャーのヘッ
ドレストの奥行き調整と角度調整を同時に行うことが可
能となり、それぞれの調整を順次別々に行うときのよう
な煩わしさがなくなる。
【0044】さらに請求項4記載の回転防止機構による
と、ボルトとナットを締めることにより楔部材に対し徐
々に荷重をかけ軸を締め付けることができる。また、ボ
ルトとナットが自然と緩むおそれも少ないため軸の相対
回転防止状態を維持しやすい。
【0045】請求項5記載の回転防止機構によると、ボ
ルトの頭部またはナットを回転不能に収容する凹部を楔
部材に設けているため、ボルト・ナットの空転が生じる
ようなことがなく、収容されていない側を回すことによ
って確実に締め付けあるいは解除することができる。
【0046】また、請求項6記載の回転防止機構による
と、長孔のストローク分だけ楔部材を移動可能としてい
るため、一方の回転防止部材に対する押圧力と他方の回
転防止部材に対する押圧力とに生じた偏りを吸収し、押
圧力を均等化し、これら回転防止部材をほぼ等しい力で
各軸に押し付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転防止機構の構造を示す正面からの
断面図である。
【図2】回転防止機構の平面図である。
【図3】回転防止機構の底面図である。
【図4】第1カバーの平面図である。
【図5】第1カバーの正面図である。
【図6】第2カバーの平面図である。
【図7】第2カバーの正面図である。
【図8】回転防止部材の平面図である。
【図9】回転防止部材の正面図である。
【図10】楔部材の平面図である。
【図11】楔部材の正面図である。
【図12】ストレッチャーのヘッドレストに適用された
回転防止部材を示す図である。
【図13】ストレッチャーのヘッドレストに適用された
回転防止部材を示す図である。
【図14】ストレッチャーのヘッドレストに適用された
回転防止部材を示す図である。
【図15】3本の軸の回転防止機構を示す図である。
【図16】4本の軸の回転防止機構を示す図である。
【図17】5本の軸の回転防止機構を示す図である。
【図18】本発明の別の実施形態を示す概略図である。
【図19】楔部材によって軸を直接押圧するようにした
回転防止機構の構造を示す正面からの断面図である。
【符号の説明】
1 回転防止機構 2 軸 3 支持アーム(機素) 3a 軸孔 3b 軸孔 4 被押圧傾斜部 5 押さえ部 6 回転防止部材 7 押圧傾斜部 8 楔部材 9 荷重付与手段 9a ボルト 9b ナット 10 透孔 11 凹部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回り対偶をなす少なくとも2本の軸と機
    素との間の相対回転運動を防止する回転防止機構におい
    て、押圧力を受ける被押圧傾斜部と前記軸の周面に押し
    付けられる押さえ部とを有し前記軸に対し接近離反可能
    で前記機素に対し各軸を押し付けることによって締め付
    ける回転防止部材と、該回転防止部材の被押圧傾斜部を
    滑りながら押圧する押圧傾斜部を有しこれら押圧傾斜部
    および被押圧傾斜部間に生じる楔作用により前記回転防
    止部材を各軸に押し付ける楔部材と、該楔部材に荷重を
    かけるとともに前記軸が締め付けられた状態を維持する
    荷重付与手段とからなり、前記軸と前記機素との間の相
    対回転防止状態と相対回転許容状態との切換を前記荷重
    付与手段の操作により行うことを特徴とする回転防止機
    構。
  2. 【請求項2】 前記回転防止部材は平行に配置された2
    本の前記軸を内側から外へ押し付ける一対の部材からな
    り、前記楔部材は、前記押圧傾斜部が一対の傾斜した平
    面あるいはこれに近似した面からなる台形あるいはこれ
    に近似した形状であり前記一対の回転防止部材の間に介
    在し前記荷重付与手段から荷重をかけられて前記2本の
    軸を外側に押し付けるものであることを特徴とする請求
    項1記載の回転防止機構。
  3. 【請求項3】 回り対偶をなす少なくとも2本の軸と機
    素との間の相対回転運動を防止する回転防止機構におい
    て、前記軸と接する方向に可動で各軸を直接または間接
    的に押圧する傾斜面の楔作用により前記機素との間でこ
    れら軸を締め付け相対回転を防止する楔部材と、該楔部
    材に対し前記軸を押圧する方向に荷重をかけ前記軸が締
    め付けられた状態を保持する荷重付与手段とからなり、
    該荷重付与手段の操作による相対回転防止状態と相対回
    転許容状態との切換を可能としたことを特徴とする回転
    防止機構。
  4. 【請求項4】 前記荷重付与手段をボルトとナットと
    し、前記機素の片側面と前記楔部材に前記ボルトのねじ
    部を通過させる透孔を設けていることを特徴とする請求
    項1から3のいずれかに記載の回転防止機構。
  5. 【請求項5】 前記ボルトの頭部または前記ナットを回
    転不能に収容する凹部を前記楔部材に設けていることを
    特徴とする請求項4記載の回転防止機構。
  6. 【請求項6】 前記軸は2本の平行軸であり、前記機素
    の片側面と前記楔部材に設けられた前記透孔のいずれか
    一方をこれら両軸に向けて延びる長孔とし、前記楔部材
    を両軸に向けて接近離反可能としていることを特徴とす
    る請求項4記載の回転防止機構。
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