JP2003125622A - 水稲の施肥方法 - Google Patents

水稲の施肥方法

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JP2003125622A JP2001322246A JP2001322246A JP2003125622A JP 2003125622 A JP2003125622 A JP 2003125622A JP 2001322246 A JP2001322246 A JP 2001322246A JP 2001322246 A JP2001322246 A JP 2001322246A JP 2003125622 A JP2003125622 A JP 2003125622A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施肥の作業負担の軽減及び、土壌からの肥料
の流亡を抑え、生育を安定化することを図った。 【解決手段】稲藁と、施肥した時点から効用を発現させ
る窒素成分,燐酸成分,加里成分及び苦土成分を備えた
速効性肥料と、施肥後暫くしてから効用を発現させる窒
素成分,燐酸成分,加里成分,苦土成分及び珪酸成分を
備えた緩効性肥料とを水稲の苗の移植の6ケ月〜7ケ月
前に一時に施肥する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水稲の生育のため
の肥料を土壌(水田)に施肥する水稲の施肥方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、水稲の本田に対する施肥は、図1
5に示すように、少なくとも秋施肥と春施肥と夏施肥と
に分けられていた。秋施肥は、土壌の肥沃度を維持、向
上させて、翌年の稲の生育を良好にさせるために行なわ
れる。土壌の肥沃度を維持、向上させるために利用され
るのが刈り取り脱穀した稲藁であるが、単に稲藁を放置
していたのでは土壌の異常還元の促進や有害有機酸(ガ
ス)の発生を促し、移植した苗の根を傷めて生育を遅ら
せるなど悪影響をもたらす。秋施肥は、この悪影響を防
ぐために行なわれるものであり、窒素を施肥することに
より稲藁の分解を促進させて堆肥化を進める。稲藁は、
炭素量に比べ窒素量が低いので土壌微生物による分解を
受け難いので、そこに窒素を添加することにより炭素率
を低下させて土壌微生物による稲藁の分解を促進させる
のである。一般的には、稲藁腐熟促進肥料20kg,燐
酸質肥料20kg,珪酸質肥料100kg用い一括して
施肥している。春施肥は、苗の生育に必要な成分を供与
するための施肥であり、基肥として50kg、活着肥と
して10kgを用い、時期をずらして施肥した。夏施肥
では、稲のムラ出来をなおし、生育度合いを調整する生
育調節肥として20kg、籾数を多くし、充実した籾に
するために穂肥として10kgを用い、時期をずらして
施肥した。このように、従来の水稲の施肥方法によれ
ば、米を収穫するまでに、本田でおよそ合計230kg
の肥料を供与し、ほぼ5回の施肥作業を要している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
施肥方法においては、土づくりから収穫までの間に、施
肥作業を5回程度行なわなければならず、作業負担が大
きくなるという問題があった。施肥作業は、肥料を広い
本田に撒かねばならず重労働であり、できるだけ少ない
回数で行なうのが望ましい。更に、肥料の中には土壌に
吸着され難く流亡し易いものもあることから多量の肥料
を要してしまうという問題があった。
【0004】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、施肥の作業負担の軽減及び、土壌からの肥
料の流亡を抑え、生育を安定化することを図った水稲の
施肥方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るための本発明の技術的手段は、水稲の生育のために肥
料成分を本田に施肥する水稲の施肥方法において、稲藁
と、施肥した時点から肥効を発現させる速効性肥料と、
施肥後暫くしてから肥効を発現させる緩効性肥料とを水
稲の苗の移植前に同時に施肥する構成とした。施肥を1
回で済ませるので、従来のように少なくとも施肥作業を
3回要した場合に比べ、施肥作業負担が軽減される。ま
た、稲藁の堆肥化を容易にする肥料成分を用いることに
よって、土壌微生物による稲藁の分解が促進され、堆肥
化が進む。緩効性肥料は、経時的に肥料の溶出量が調節
される。従って、速効性肥料及び緩効性肥料を用いるこ
とにより、予め水稲の品種に応じて必要とする肥料の経
時的な溶出量を調整することができる。即ち、肥料の無
駄な施用を防止することが可能になる。
【0006】また、必要に応じ、上記施肥を、上記移植
の6ケ月〜7ケ月前に行なうように構成した。稲藁の分
解に必要な期間を確保することにより、稲藁の堆肥化を
容易にすることができる。更に、必要に応じ、上記速効
性肥料を、窒素成分,燐酸成分,加里成分及び苦土成分
を備えて構成し、上記緩効性肥料を、窒素成分,燐酸成
分,加里成分,苦土成分及び珪酸成分を備えた構成とし
た。速効性肥料は、稲藁の分解を促進させ、かつ苗の生
育に適した土壌形成のために用いられる。緩効性肥料
は、溶出条件に応じて肥料成分が溶出するので、水稲が
必要とする肥料を必要な時期に供与するために用いられ
る。従って、速効性肥料及び緩効性肥料を用いれば、従
来、基肥,追肥,穂肥として別時期に施肥していた肥料
を同時に施肥することができる。
【0007】更にまた、必要に応じ、上記緩効性肥料の
窒素成分を、被覆肥料で構成した構成とした。被覆肥料
は溶出速度が調整されているので、肥料の溶出速度を考
慮して水稲に必要な窒素成分を供与することができる。
また、必要に応じ、上記緩効性肥料の燐酸成分,加里成
分,苦土成分に、く溶性成分を用いた構成とした。2%
のクエン酸水溶液に可溶なく溶性成分は、水溶性成分に
比べ溶出速度に緩効性を有するので、肥効の持続を図る
ことができる。更に、必要に応じ、上記緩効性肥料に、
肥効の異なる2種以上の肥料を用いた構成とした。肥料
の溶出パターンを増やし施肥対象にする作物に適した肥
料の供与を行なうことができる。更にまた、必要に応
じ、上記速効性肥料及び緩効性肥料の保証成分量を、窒
素成分5〜10重量%,燐酸成分8重量%〜12重量
%,加里成分8重量%〜12重量%,苦土成分1重量%
〜5重量%及び珪酸成分10重量%〜35重量%とした
構成とした。ここで、保証成分量とは、特定の有効成分
の全肥料中における最低含有量を意味する。上記の成分
量を最低有する肥料を施肥することにより、各肥料成分
の肥効を十分に発現させることができる。また、必要に
応じ、上記稲藁600kgに対して、上記速効性肥料の
窒素成分を2.0kg〜3.5kg用いた構成とした。
稲藁600kgに速効性肥料の窒素成分を2.0kg〜
3.5kg用いれば、稲藁窒素成分が増加し土壌微生物
による稲藁の分解が行なわれ易くなり稲藁の堆肥化が図
られる。更に、必要に応じ、上記稲藁を、水田10a当
たり500kg〜700kg用いた構成とした。一般
に、水田10a当たり得られる稲藁の平均重量は500
kg〜700kgであり、水田で得られた稲藁をそのま
ま堆肥化して利用することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の実施の形態に係る水稲の施肥方法を説明する。ここ
で、施肥対象とする水稲として「ひとめぼれ」を例に用
いた。水稲の施肥方法は、図1に示すように、稲藁と、
施肥した時点から肥効を発現させる速効性肥料と、施肥
して暫くしてから肥効を発現させる緩効性肥料とを、水
稲の苗の移植前に同時に施肥するものである。速効性肥
料は、稲藁の分解を促進させるとともに、土づくりのた
めに用いられる。緩効性肥料は、必要とする時期に必要
な量の成分が溶出されているように成分の溶出量を考慮
して用いられる。
【0009】稲藁としては、これから施肥する水田で刈
り取り脱穀した稲を用いた。一般的に、水田10a当た
り平均施用重量は500kg〜700kg程度になり、
実際の対比としての使用量としては550kg〜650
kgが好ましい。ここでは、600kg程度の稲藁を用
いた。稲藁の有機組成は、炭水化物約60重量%、リグ
ニン約20重量%、蛋白質約5重量%である。この有機
組成の炭水化物が、十分に分解されることなく水田に鋤
き込まれて湛水状態になると、これが急激に分解してい
く過程で異常還元や土壌微生物による固定が起こり、土
壌に窒素の飢餓状態が生じて、苗に窒素成分が供与され
ず苗の生育障害を起こしてしまう。そこで、炭水化物を
分解させるために速効性肥料を用いた。稲藁を分解させ
る時期は、施肥によって稲藁を所定割合(約30重量%
以上)分解させることができればよく、苗の移植6ケ月
〜7ケ月前が好ましい。特に刈り取り脱穀直後であれ
ば、堆肥化のための稲藁を運搬等する手間を省くことが
できるので作業工数を削減することができる。図2は、
稲藁に窒素を添加することにより稲藁の分解が行なわれ
ることが示される。図2(1)では、稲藁600kgに
窒素2.9kgを添加して150日経過後の稲藁の分解
率(重量%)と炭素率(C/N)の変化が示される。窒
素の添加によって稲藁の分解が促進されて窒素成分が増
加するので、炭素率が30程度に低下する。炭素率が3
0程度になれば土壌微生物による稲藁の分解が行なわれ
易くなり、稲藁の分解促進が図られる。図2(2)で
は、10a当たり窒素2kgを添加した場合の窒素含有
率(重量%)と炭素含有率(重量%)を示す。尚、対照
区として、窒素を加えなかった場合の窒素含有率(重量
%)と炭素含有率(重量%)を示す。
【0010】速効性肥料としては、アンモニア態窒素
(例えば、1154燐安P−1号(コープケミカル株式
会社製:登録番号生第65684号、以下ポリ燐安と略
記する),くみあい複合燐加安860(日本・ヨルダン
肥料株式会社製:登録番号外第42号、以下アラジン8
60と略記する)),可溶性燐酸(例えば、ポリ燐安,
アラジン860),水溶性加里(例えば、アラジン86
0),水溶性苦土(例えば、10.0腐食酸苦土肥料
(日本重化学工業株式会社製:登録番号生第27331
号、以下アヅミンと略記する))を用いた。ポリ燐安
は、窒素成分,燐酸成分を含み、アラジン860は、窒
素成分,燐酸成分,加里成分を含む。アヅミンは、堆肥
と同様の肥効が期待される腐植酸を土壌に供与し、地力
の増強,他の肥料の肥効増大,水稲根の活力向上に寄与
する。緩効性肥料としては、被覆窒素(例えば、くみあ
い42 被覆尿素LPコート100(九州化学工業株式
会社製:登録番号生第81436号、以下LP100と
略記する),くみあい42 被覆尿素LPコート70
(九州化学工業株式会社製:登録番号生第81435
号、以下LP70と略記する)),く溶性燐酸(例え
ば、くみあい粒状熔燐珪カル15号S(東北東ソー化学
株式会社製:登録番号生第79875号、以下熔燐珪カ
ル15号Sと略記する)),く溶性加里(例えば、くみ
あいほう素入り20.0けい酸加里肥料特号(開発肥料
株式会社製:登録番号生第74151号、以下珪酸加里
と略記する)),く溶性苦土(例えば、珪酸加里,熔燐
珪カル15号S,アヅミン),可溶性珪酸(例えば、熔
燐珪カル15号S,珪酸加里)を用いた。珪酸加里は、
加里成分,苦土成分,珪酸成分を含む。熔燐珪カル15
号Sは、苦土成分,珪酸成分を含む。
【0011】窒素質肥料は収量に最も深い関わりをもつ
成分で、その為に収量向上を目的として多量に使われる
ことが多い。しかし、そのため土壌からの流出も多くな
り、環境に対する影響に負荷を与えることも多い。その
ため、窒素質肥料を効率的に供与するために水田では分
施、全層施肥あるいは側条施肥等が行なわれており、被
覆窒素は、これらの欠点を補うために開発された。被覆
窒素は、緩効性を備えるため、尿素の表面をピンホール
のあるオレフィン系樹脂等で覆ったもので、被膜の厚さ
やピンホールの数や大きさにより尿素の流出速度を調節
することができる。即ち、水稲の生育に見合った尿素量
を所定の時期に溶出させることができる。被覆窒素は、
色々な溶出形態を有しており、ここでは、LPコート1
00を30%、LPコート70を70%配合することに
した。LPコート100は水中25℃において含有する
窒素の80%が100日で溶出するタイプであり、LP
コート70は水中25℃において含有する窒素の80%
が70日で溶出するタイプである。
【0012】また、施肥肥料に珪酸成分を用いることに
より以下のような肥効が生じる。 1.稈を堅くし、倒伏に対する抵抗性を与える。 2.珪化細胞を形成し、いもち病及び虫害に対する抵抗
性を強化する。 3.根の酸化力を強化し、根腐れを少なくする。 4.葉の表面にクチクラ,シリカ二重層を形成し、水分
の蒸散を抑制し、下葉の枯れ上がりを少なくし、炭水化
物の集積を促進させる。 5.1〜4の結果として、玄米中の窒素濃度を高めずに
良食味米の増収に寄与する。 珪酸は、土壌及び潅漑水から供給される量が多いが、水
稲の年間吸収量は10a当たり100kg以上と極めて
多いので、施肥する意義は大きい。しかも近年、珪酸質
肥料の施用減と潅漑水中の珪酸含量が低下しているのが
明らかになっている中で、肥効の高い珪酸質肥料を省力
的に施用することは施肥軽減にかなり重要である。ここ
では、珪酸質肥料として、珪酸加里,熔燐珪カル15号
Sを配合した混合肥料を用いた。珪酸加里は加里ととも
に珪酸を含む。熔燐珪カル15号Sは燐酸とともに珪酸
を含み、主に珪酸の補給に利用される成分であり、安価
であり施用量を多くすることができる。「ひとめぼれ」
に対して、上記肥料の保証成分量は、窒素(7重量
%),燐酸(10重量%),加里(8重量%),苦土
(3重量%),珪酸(13重量%)である。「ひとめぼ
れ」を収穫するためには、上記保証成分量を保持し、1
0a当たり100kgの施用が好適である。
【0013】また、施肥した肥料成分が所定期間中土壌
中へ溶出する溶出率(%)を調査した。施肥した肥料成
分には、LP100,LP70,ポリ燐安,アラジン8
60,珪酸加里,熔燐ケイカル15号S,アヅミンが配
合されている。図3には、調査期間中の気温及び地温の
経時変化が示される。 (窒素成分の溶出率変化)図4及び図5には、緩効性及
び速効性の窒素質肥料の溶出率(%)が示される。ここ
で用いた緩効性肥料は被覆窒素である。被覆窒素(LP
100,LP70)は当初移植の際の基肥や追肥に利用
されていたが、肥料の溶出速度を調節することにより、
苗を移植する前年の秋期に施用しても肥効を維持させる
ことができるか検討した。図4(1)にはLP100の
溶出率変化が示される。LP100は、施肥後苗の移植
前までは窒素の溶出は少なく、略比例的に溶出してい
る。図4(2)にはLP70の溶出率変化が示される。
LP70もLP100と略同様の溶出カーブを描き、苗
の移植前までの窒素の溶出は少ない。このように、被覆
肥料である被覆窒素は、期待通りの溶出パターンを有し
ている。図5(1)にはポリ燐安の溶出率変化が示さ
れ、図5(2)にはアラジン860の窒素成分の溶出率
変化が示される。双方共に速効性肥料の溶出率変化の特
徴を示している。
【0014】(加里成分の溶出率変化)図6(1)には
アラジン860の加里成分の溶出率変化が示される。速
効性肥料の特徴を示している。図6(2)には珪酸加里
の加里成分の溶出率変化が示される。珪酸加里は、徐々
に溶出する緩効性肥料の特徴を示している。
【0015】(珪酸成分の溶出率変化)図7(1)には
珪酸加里の珪酸成分の溶出率変化が示される。珪酸加里
は、徐々に溶出する緩効性肥料の特徴を示している。図
7(2)には熔燐珪カル15号Sの溶出率変化が示され
る。熔燐珪カル15号Sは、施用2ケ月までは珪酸の溶
出は殆ど認められないが、3ケ月で20%程度の溶出率
になっている。
【0016】上記した肥料成分の溶出率を踏まえて、1
0aの水田に対して窒素成分7kg(被覆窒素4.5k
g,アンモニア態窒素2.5kg),加里成分8kg
(く溶性加里2kg,水溶性加里6kg),珪酸成分1
3kg(可溶性珪酸13kg)を秋期に施肥した場合の
各成分の春期の移植前までの溶出量を推量した。 (窒素成分の溶出量)図8(1)に示すように、速効性
肥料の窒素成分はアンモニア態の形で一か月後には全量
溶出し、緩効性肥料の窒素成分は溶出量は少なく、略比
例的に溶出する。従って、窒素成分全体の溶出量は、苗
移植前の溶出量が速効性肥料に依存し、苗移植後の溶出
量が緩効性肥料の溶出パターンに依存する。図8(2)
に示すように、移植前の窒素成分の溶出量は、3.5k
gを越えるので、稲藁の分解に必要な窒素成分が溶出し
ており稲藁の堆肥化が促進されていると推察される。ま
た、残存窒素成分は、移植後の苗に吸収される。
【0017】(加里成分の溶出量)図9に示すように、
速効性肥料の加里成分は一か月後には全量溶出し、土壌
に吸着される。緩効性肥料の加里成分は殆ど溶出してい
ない。従って、苗移植前の加里成分全体の溶出量及び変
化は、速効性肥料に依存するが、苗移植後の加里成分の
吸収は、緩効性加里によっても増加する。加里成分は溶
出量が多いが、溶脱することは少なく溶出した成分は土
壌に吸着されるので苗が必要とするときに吸収可能であ
る。
【0018】(珪酸成分の溶出量)図10に示すよう
に、珪酸成分は緩効性肥料であり2種類の溶出パターン
を合わせたパターンで溶出する。珪酸成分は溶出量が少
ないが、珪酸成分の吸収は根に直接接触して徐々に吸収
され、溶脱することは少ない。以上、各肥料成分の溶出
量を考慮した場合、十分肥効を有することが確認でき
る。以下、実施例及び比較例に基づいて、実際、「ひと
めぼれ」の収穫成果を示す。
【0019】(実施例1)10aの試験圃1,2,3に
おいて刈り取り脱穀した稲藁略600kgに、全肥料重
量100kgを施肥して、水稲「ひとめぼれ」を育成し
て収穫した。図11には、施用した肥料中の有効成分の
配合割合等を示す。図12(1),(2)に「ひとめぼ
れ」の収穫成果を示す。 (比較例1)従来の水稲の施肥方法により10aの試験
圃1,2,3において、「ひとめぼれ」の水稲を育成し
て収穫した。図12(1),(2)に「ひとめぼれ」の
収穫成果を示す。実施例1と比較例1との収穫結果か
ら、実施例1の施肥方法によって得られた「ひとめぼ
れ」の方が穂数において多く、玄米重も増加している。
また、食味値及び検査等級においては、比較例1と大差
がない。また、実施例1及び比較例1における施肥作業
の労働時間の比較を行なった。図13には、10a当た
りの施肥作業に要する労働時間が示される。施肥作業の
労働時間は、実施例1においては1.40時間であり、
比較例1においては2.98時間である。即ち、実施例
1の施肥作業の労働時間は、従来の水稲の施肥方法に比
べ半減していることがわかる。以上の如く、実施例1に
よる施肥方法によれば、従来の施肥方法に比べ同等以上
の「ひとめぼれ」を収穫することができる。加えて、施
肥作業を秋期に1回で済ませるので作業負担が軽減され
かつ用いる肥料を減量することができる。
【0020】次に、被覆窒素の肥効について調べた。 (実施例2)実施例1において、被覆窒素としてLP1
00のみを用いたこと以外は同様に施肥し、「ひとめぼ
れ」の水稲を育成して収穫した。図14(1),(2)
に「ひとめぼれ」の収穫成果を示す。 (実施例3)実施例1において、被覆窒素としてLP1
00及びLP70を用いたこと以外は同様に施肥し、
「ひとめぼれ」の水稲を育成して収穫した。図14
(1),(2)に「ひとめぼれ」の収穫成果を示す。 (比較例2)従来の水稲の施肥方法により、「ひとめぼ
れ」の水稲を育成して収穫した。図14(1),(2)
に「ひとめぼれ」の収穫成果を示す。実施例2,3と比
較例2との収穫結果から、緩効性肥料を用いた実施例の
方が玄米重(収量)が多く、特に、窒素の溶出量が早い
LP70を用いた方が多収になることがわかる。
【0021】尚、本発明の実施の形態に係る水稲の施肥
方法は、稲刈り後の秋に施肥を行なったが、用いる稲藁
を所定割合分解することができる期間が得られれば、春
先に行なってもよい。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水稲の施
肥方法によれば、稲藁と、施肥した時点から肥効を発現
させる速効性肥料と、施肥後暫くしてから肥効を発現さ
せる緩効性肥料とを、水稲の苗の移植前に同時に施肥す
るので、施肥を1回で済ませることができ、従来のよう
に少なくとも施肥作業を3回要した場合に比べ、施肥作
業負担が軽減される。また、緩効性肥料は、経時的に肥
料の溶出量が調節される。従って、速効性肥料及び緩効
性肥料を用いることにより、予め水稲の種類に応じて必
要とする肥料の経時的な溶出量を調整することができ
る。即ち、肥料の無駄な施用を防止することができる。
【0023】また、施肥を、移植の6ケ月〜7ケ月前に
行なう場合には、稲藁の分解に必要な期間が確保され
て、稲藁の堆肥化を容易にすることができる。更に、速
効性肥料を、窒素成分,燐酸成分,加里成分及び苦土成
分を備えて構成し、緩効性肥料を、窒素成分,燐酸成
分,加里成分,苦土成分及び珪酸成分を備えて構成した
場合は、速効性肥料は、稲藁の分解を促進させ、かつ苗
の育成に適した土壌条件の形成に用いられ、緩効性肥料
は、溶出条件に応じて肥料成分が溶出し、水稲が必要と
する肥料を、必要な時期に供与するために用いられるの
で、従来、基肥,追肥,穂肥として別時期に施肥してい
た肥料を同時に施肥することができる。更にまた、緩効
性肥料の窒素成分を、被覆肥料で構成した場合には、被
覆肥料は溶出速度が調整されているので、肥料の溶出速
度を考慮して水稲に必要な窒素成分を供与することがで
きる。また、緩効性肥料の燐酸成分,加里成分,苦土成
分に、く溶性成分を用いた場合には、水溶性成分に比べ
溶出速度に緩効性を与えることができる。
【0024】更に、肥効の異なる2種以上の肥料を用い
た場合には、肥料の溶出パターンを増やし、施肥対象に
する作物に適した肥料供与を行なうことができる。更に
また、速効性肥料及び緩効性肥料の保証成分量を、窒素
成分5重量%〜10重量%,燐酸成分8重量%〜12重
量%,加里成分8重量%〜12重量%,苦土成分1重量
%〜5重量%及び珪酸成分10重量%〜35重量%とし
た場合は、各肥料成分の肥効を十分に発現させることが
できる。また、稲藁600kgに対して速効性肥料の窒
素成分を2.0kg〜3.5kg用いた場合には、稲藁
の分解が促進されて窒素成分が増加して土壌微生物によ
る稲藁の分解が行なわれ易くなり、稲藁の堆肥化を促進
させることができる。更に、稲藁を、水田10a当たり
500kg〜700kg用いた場合には、水田で得られ
た稲藁をそのまま堆肥にして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る水稲の施肥方法を説
明する図である。
【図2】稲藁に窒素を添加した場合の稲藁の分解につい
て説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る水稲の施肥方法にお
ける肥料の溶出環境を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る水稲の施肥方法にお
ける緩効性肥料(窒素)の溶出状況を示し、(1)はL
P100の溶出状態を示す図であり、(2)はLP70
の溶出状態を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る水稲の施肥方法にお
ける速効性肥料(窒素)の溶出状況を示し、(1)はポ
リ燐安の溶出状態を示す図であり、(2)はアラジン8
60の溶出状態を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る水稲の施肥方法にお
ける肥料(加里)の溶出状況を示し、(1)はアラジン
860の溶出状態を示す図であり、(2)は珪酸加里の
溶出状態を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る水稲の施肥方法にお
ける肥料(珪酸)の溶出状況を示し、(1)は珪酸加里
の溶出状態を示す図であり、(2)は熔燐珪カル15号
Sの溶出状態を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る水稲の施肥方法にお
ける肥料(窒素)の溶出量を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る水稲の施肥方法にお
ける肥料(加里)の溶出量を説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る水稲の施肥方法に
おける肥料(珪酸)の溶出量を説明する図である。
【図11】本発明の実施例に係る水稲の施肥方法で施用
した肥料の有効成分を説明する図である。
【図12】本発明の実施例に係る水稲の施肥方法による
肥効を説明する図である。
【図13】本発明の実施例に係る水稲の施肥方法により
施肥作業が軽減されたことを説明する図である。
【図14】本発明の実施例に係る水稲の施肥方法により
得られた肥効(窒素)を説明する図である。
【図15】従来の水稲の施肥方法を説明する図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畠山 良勝 岩手県花巻市二枚橋第5地割146番地 く みあい肥料株式会社内 (72)発明者 大原 敏和 岩手県花巻市二枚橋第5地割146番地 く みあい肥料株式会社内 Fターム(参考) 2B052 BA06 BA08 BB02 BB04 4H061 AA01 BB01 BB21 BB51 CC11 CC15 DD04 DD18 HH02 HH03 JJ05 JJ06 KK01 LL05 LL25

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水稲の生育のために肥料成分を水田に施
    肥する水稲の施肥方法において、 稲藁と、施肥した時点から肥効を発現させる速効性肥料
    と、施肥後暫くしてから肥効を発現させる緩効性肥料と
    を、水稲苗の移植前に同時に施肥することを特徴とする
    水稲の施肥方法。
  2. 【請求項2】 上記施肥を、上記移植の6ケ月〜7ケ月
    前に行なうことを特徴とする請求項1記載の水稲の施肥
    方法。
  3. 【請求項3】 上記速効性肥料を、窒素成分,燐酸成
    分,加里成分及び苦土成分を備えて構成し、上記緩効性
    肥料を、窒素成分,燐酸成分,加里成分,苦土成分及び
    珪酸成分を備えて構成したことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の水稲の施肥方法。
  4. 【請求項4】 上記緩効性肥料の窒素成分を、被覆肥料
    で構成したことを特徴とする請求項3記載の水稲の施肥
    方法。
  5. 【請求項5】 上記緩効性肥料の燐酸成分,加里成分,
    苦土成分に、く溶性成分を用いたことを特徴とする請求
    項1,2,3または4記載の水稲の施肥方法。
  6. 【請求項6】 上記緩効性肥料に、肥効の異なる2種以
    上の肥料を用いたことを特徴とする請求項1,2,3,
    4または5記載の水稲の施肥方法。
  7. 【請求項7】 上記速効性肥料及び緩効性肥料の保証成
    分量を、窒素成分5重量%〜10重量%,燐酸成分8重
    量%〜12重量%,加里成分8重量%〜12重量%,苦
    土成分1重量%〜5重量%及び珪酸成分10重量%〜3
    5重量%としたことを特徴とする請求項1,2,3,
    4,5または6記載の水稲の施肥方法。
  8. 【請求項8】 上記稲藁600kgに対して、上記速効
    性肥料の窒素成分を2.0kg〜3.5kg用いたこと
    を特徴とする請求項3,4,5,6または7記載の水稲
    の施肥方法。
  9. 【請求項9】 上記稲藁を、水田10a当たり500k
    g〜700kg用いたことを特徴とする請求項1,2,
    3,4,5,6,7または8記載の水稲の施肥方法。
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