JP2003123967A - 発光素子の製造方法 - Google Patents

発光素子の製造方法

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JP2003123967A
JP2003123967A JP2001312140A JP2001312140A JP2003123967A JP 2003123967 A JP2003123967 A JP 2003123967A JP 2001312140 A JP2001312140 A JP 2001312140A JP 2001312140 A JP2001312140 A JP 2001312140A JP 2003123967 A JP2003123967 A JP 2003123967A
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light emitting
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organic
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JP2001312140A
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Inventor
Naomi Kaneko
尚美 金子
Hisanori Sugiura
久則 杉浦
Hisahide Wakita
尚英 脇田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 堆積時の基板温度を低くして、非晶性を有
し、かつ表面が平坦な状態に確保した状態で形成されて
いる有機EL素子の発光特性は、経時変化しやすく、ま
た、層間の密着性が悪いといった問題があった。 【解決手段】 前記基板上に形成された電極と有機層か
らなる発光領域と対向電極と、を備えた積層構造体の製
造方法であって、前記発光領域は少なくとも1層以上の
有機層からなり、非晶質状態を有する前記有機層を堆積
する工程と、前記有機層に加熱処理を施し結晶化する工
程と、少なくとも1層以上の前記結晶化された有機層か
らなる前記発光領域上に前記対向電極を形成する工程
と、を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の電極間に正
孔輸送層、発光層、電子注入層からなる有機材料を含む
発光領域を備え、両電極から発光層にキャリアを注入す
ることによって発光層を発光させる有機エレクトロルミ
ネッセンス素子(以下、有機EL素子という)に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般的な有機EL素子について説明す
る。
【0003】一般的に有機ELの発光領域の構成は、発
光層を正孔注入電極・電子注入電極にて狭持したものを
基本として、発光性能を向上させるために正孔注入層、
電子注入層、正孔・電子結合層を必要に応じて設ける構
成が知られている。これらの構成要素は支持体である基
板上に形成されるが、これらの構成要素の層間に大気中
の水分や酸素または不純物の浸入にいよる影響を除いた
り、少なくするために、一度も大気中に取り出すことな
く真空中に一貫して多層を成膜出来る成膜装置にて連続
成膜されている。このような装置を使用することにより
不均一な発光や無発光領域をなくすことが行われてい
る。
【0004】発光領域は、一般的に蒸着法によって基板
上に堆積することによって形成される。そして、堆積時
に基板温度を高くすることによって発光領域の結晶性が
向上することが知られている。図4は、有機EL発光素子
40において、有機層からなる発光層404を結晶化す
る状態で堆積した場合の断面形状を示したものである。
【0005】一般的に結晶化した有機発光層は、非晶質
状態を有するものと比べて移動度が高く、経時変化も少
なく信頼性が高い。また、一般的に結晶化した有機層
は、非晶性有機層より、熱的に安定であり、その他、水
分、酸素等の種々の劣化要因に対して信頼性が高いと考
えられる。
【0006】しかし一方で、この様に構成される有機EL
素子40において、基板温度を高くして発光層404を
堆積することにより結晶化(大粒径化)させた場合に
は、個々の結晶粒の成長に伴って、発光層404の表面
凹凸が大きくなる。このような発光層の表面凹凸は、こ
の発光層404上に形成される対向電極のカバレッジの
悪化をもたらし、発光素子特性の低下や、最悪の場合に
いは素子の破壊をもたらす。
【0007】したがって、一般的に有機EL素子の有機材
料からなる発光層は、堆積時の基板温度を低くして、非
晶性を有し、かつ表面が平坦な状態に確保した状態で形
成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし前述したよう
に、堆積時の基板温度を低くして、非晶性を有し、かつ
表面が平坦な状態に確保した状態で形成されている有機
EL素子の発光特性は、経時変化しやすく、また、層間
の密着性が悪いといった問題があった。
【0009】また、高温環境下では、発光素子の発光領
域を構成する非晶質状態を有する各有機層が結晶化し、
各層界面の凹凸が大きく成長し、層界面の剥れ、密着性
の低下を引き起こし、発光素子特性の悪化や、破壊を起
こすといった問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決するため、基板と、前記基板上に形成された電極と有
機層からなる発光領域と対向電極と、を備えた積層構造
体の製造方法であって、前記発光領域は少なくとも1層
以上の有機層からなり、非晶質状態を有する前記有機層
を堆積する工程と、前記有機層に加熱処理を施し結晶化
する工程と、少なくとも1層以上の前記結晶化された有
機層からなる前記発光領域上に前記対向電極を形成する
工程と、を具備する。
【0011】つまり、発光領域を構成する各有機層を加
熱処理により結晶化し表面形状の凹凸が発生した後に次
の有機層あるいは対向電極を形成するのである。
【0012】表面形状の凹凸により積層膜界面の付着面
積が大きくなった状態で次積層膜が形成されるため積層
膜界面の密着性が向上し、かつ有機層は結晶化している
ため、発光素子特性の経時変化、及び層間剥離による素
子破壊のない信頼性の高い有機EL素子を提供すること
が可能になる。また、発光素子形成後に、有機層の表面
凹凸が変化することがないため、高温条件下でも、発光
素子特性の経時変化、及び層間剥離による素子破壊のな
い信頼性の高い有機EL素子を提供することが可能にな
る。
【0013】また、加熱処理を施す温度は、発光領域を
構成する有機層を堆積する工程の基板温度より高いこと
が好ましく、これにより、結晶性が向上し、かつ各有機
層、及び発光領域と対向電極の密着性が向上できる。ま
た、加熱処理を施す温度は、発光領域を構成する有機層
のガラス転移点温度より低いことが好ましい。これによ
り、結晶化による有機層の表面凹凸が低減することが可
能になり、表面凹凸による対向電極のカバレッジの悪化
や、発光素子特性の劣化なく、結晶化した有機層を有す
る信頼性の高い有機EL素子を提供することが可能にな
る。
【0014】また、前記結晶化した有機層の表面形状の
平均高低差は20nm以下であることが好ましい。これ
より、対向電極のカバレッジ不良が低減するといった効
果がある。
【0015】また、前記結晶化した有機層の表面形状の
平均結晶粒径は20nm以上70nm以下であることが
好ましい。これより、カバレッジ不良が低減するといっ
た効果がある。
【0016】また、基板上に少なくとも電極、非晶性を
有する有機層を少なくとも1層含む発光領域、対向電極
を順次形成し、その後、加熱処理を施す工程は、一度も
大気中に取り出すことなく、真空中で連続して行われる
ことが好ましい。
【0017】これより、水分や酸素または不純物の浸入
による影響による発光素子特性の低下や破壊のない信頼
性の高い有機EL素子を提供することが可能になる。
【0018】また、基板上に、非晶質状態を有する有機
層は、基板を蒸着源に対して所定の角度を持もって配置
し、堆積することにより堆積することが好ましい。これ
より、加熱処理後の結晶化された有機層の個々の結晶粒
子は一定の配向性を有することが可能になり、発光特性
が向上するといった効果がある。
【0019】また、本発明は、基板上に少なくとも電
極、非晶性を有する有機層を少なくとも1層含む発光領
域、対向電極を順次形成し、その後、電子線照射を施す
ことを特徴とする発光素子の製造方法である。また、前
記電子線を照射する工程において、電子線照射量が1k
Gy以上1000kGy以下であることが好ましい。
【0020】これにより、有機EL素子のダメージがな
く、有機EL素子の発光効率を向上することが可能にな
り、さらに信頼性を向上できるといった効果がある。
【0021】さらに、電子線照射を施す工程は、一度も
大気中に取り出すことなく、真空中で連続して行われる
ことが好ましい。これにより、電子線による有機EL素
子へのダメージがなく、有機EL素子の発光効率を向上
することが可能になり、さらに信頼性を向上できるとい
った効果がある。
【0022】本発明の発光素子は、対向する電極間に、
少なくとも発光特性又はキャリヤ輸送特性を有する有機
層を具備し、前記有機層の少なくとも1部が結晶化され
ていることを特徴とする。キャリヤー輸送特性とは、正
孔又は電子の輸送のことを意味する。
【0023】本発明の発光素子の好ましい態様におい
て、結晶化された有機層の平均結晶粒径が20nm以上
80nm以下である。
【0024】また、本発明の発光素子の好ましい態様に
おいて、結晶化された有機層の表面凹凸は20nm以下
であることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下本発明の有
機EL発光素子の製造方法について説明する。図1は、
本実施の形態にかかる有機EL素子の製造方法の概略を
示した流れ図である。
【0026】図1において、101は、ガラス基板、1
02は、酸化インジウムからなる透明電極、103は、
TPDからなる正孔輸送層、104はAlq3からなる
発光層である。発光領域105は、正孔輸送層103と
発光層104から構成される。106は、Alからなる
対向電極であり、抵抗加熱EB蒸着法により150nm
形成されている。107は、光取り出し面である。
【0027】本実施の形態において、図1(a)に示す
ように、有機EL素子の発光領域を構成する正孔注入層1
03は、真空蒸着法によって電極付き基板上に堆積され
る。発光領域を構成する正孔注入層は有機材料からな
り、電極付き基板上に堆積直後は非晶質状態を有する。
図1(b)に示すように、その後大気中に取り出すこと
なく、70℃30分の加熱処理を施すことにより結晶化
する。その後結晶化した正孔注入層上に有機材料からな
る発光層を、真空蒸着法により堆積する(図1
(c))。堆積直後の発光層は非晶質状態を有し、その
後、大気中に取り出すことなく、90度30分の加熱処
理を施すことにより結晶化する(図1(d))。次に発
光領域上にAlからなる対向電極を真空蒸着法にて形成
する(図1(e))。
【0028】加熱処理温度は、発光領域を構成する有機
材料堆積温度以上、ガラス転移点温度以下であることが
好ましい。これより、本発明の製造方法を用いて結晶化
された有機層の表面凹凸は、ガラス転移点温度以上で形
成された結晶化有機層の表面凹凸より小さく、より平坦
な結晶化有機層を形成することが可能になる。
【0029】本実施の形態における発光素子の製造方法
により、発光領域を構成する各有機層の表面形状の凹凸
により積層膜界面の付着面積が大きくなった状態で次積
層膜が形成されるため積層膜界面の密着性が向上し、か
つ有機層は結晶化しているため、発光素子特性の経時変
化、及び層間剥離による素子破壊のない信頼性の高い有
機EL素子を提供することが可能になる。また、発光素
子形成後に、有機層の表面凹凸が変化することがないた
め、高温条件下でも、発光素子特性の経時変化、及び層
間剥離による素子破壊のない信頼性の高い有機EL素子
を提供することが可能になる。
【0030】また、加熱処理を施す温度は、発光領域を
構成する有機層を堆積する工程の基板温度より高いこと
が好ましく、これにより、結晶性が向上し、かつ各有機
層、及び発光領域と対向電極の密着性が向上できる。
【0031】また、加熱処理を施す温度は、発光領域を
構成する有機層のガラス転移点温度より低いことが好ま
しい。これにより、結晶化による有機層の表面凹凸を低
減することが可能になり、表面凹凸による対向電極のカ
バレッジの悪化や、発光素子特性の劣化がない、信頼性
の高い有機EL素子を提供することが可能になる。結晶
化された有機層の平均結晶粒径が20nm以上80nm
以下となっていた。また、結晶化された有機層の表面凹
凸は20nm以下となっていた。
【0032】また、基板上に少なくとも電極、非晶性を
有する有機層を少なくとも1層含む発光領域、対向電極
を順次形成し、その後、加熱処理を施す工程は、一度も
大気中に取り出すことなく、真空中で連続して行われる
ことが好ましい。
【0033】これより、水分や酸素または不純物の浸入
による影響による発光素子特性の低下や破壊のない信頼
性の高い有機EL素子を提供することが可能になる。
【0034】また、本発明に用いられる素子構成は特に
限定されるものではなく、次のような構成をとることが
出来る。例えば、 陽極/発光層/陰極 陽極/正孔注入層/発光層/陰極 陽極/発光層/電子注入層/陰極 陽極/正孔注入層/発光層/ 等をあげることができる。これらの構成の素子において
は各層が複数の層の積層体であってもよいし、また複数
の材料の混合体であってもよい。これらの構成を、基板
/電極/発光領域(正孔注入層、発光層)/対向電極と
大別する。
【0035】発光層に使用される材料としては、ベンゾ
イミダゾール系、ベンゾチアゾール系、ベンゾオキサゾ
ール系の材料、金属キレート化オキシノイド系化合物、
スチルヘルゼン系化合物等をあげることができる。正孔
注入層としては、フルオレノン誘導体、アントラキノジ
メタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジ
オキシド誘導体、複素環テトラカルボン酸、カルボジイ
ミド、フルオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジ
メタン誘導体、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘
導体、キノリノール誘導体の金属錯体、フタロシアニ
ン、ジスチリルピラジン誘導体等が考えられる。
【0036】対向電極は、Alなどの反射電極、透明導電
膜からなる透明、あるいは半透明電極が考えられる。
【0037】有機EL素子の場合、発光層の形成は主に
抵抗加熱蒸着法を用いるが、エレクトロンビーム蒸着
法、スパッタ法等を用いてもよい。
【0038】対向電極106は、この場合、反射率が高
く、発光層を効率良く発光させる機能を備えていればよ
く、AlあるいはAl化合物、銀あるいは銀化合物等の
金属膜を用いることが好ましい。さらに、銀化合物とし
ては、銀・パラジウム・銅(AgPdCu)の合金ある
いは銀・金・銅(AgAuCu)の合金を用いるのが好
ましい。また、有機化合物を発光層として用いるいわゆ
る電流注入型の有機EL素子の場合、通常反射電極は陰
極となり、電子の注入効率のよい材料、すなわち仕事関
数の低い材料を用いることが多い。有機EL素子の陰極
としては例えばAl−Li合金、Mg−Ag合金等の、
仕事関数が低いが反応性の高い金属(Li、Mg等)と
反応性が低く安定な金属(Al、Ag等)との合金を用
いればよい。あるいは、Li/Al、LiF/Al等の
仕事関数の低い金属あるいはその化合物と仕事関数の高
い金属の積層電極、ITO/Al/ITOといった金属
と透明導電膜の積層電極などを用いることができる。
【0039】電極102の形成方法としては、酸化イン
ジウムの他、酸化インジウムに酸化錫を含むITOや、
ZnOといった透明導電膜やAl等の金属電極であって
もよく、スパッタ、エレクトロンビーム蒸着、抵抗加熱
蒸着等の方法を用いればよい。
【0040】発光領域105は例えばAlq3等からな
る発光層104とTPDからなる正孔輸送層103を用
いる他、、発光領域105を多層構造すなわちTPD等
を用いた、Alq3等を用いた電子輸送性発光層を積層
した2層構造、あるいはTPD等を用いた正孔輸送層、
ペリレン等を用いた発光層、オキサジアゾール等を用い
た電子輸送層を積層した3層構造、あるいはそれ以上の
多層構造とすばよい。
【0041】本発明の有機EL素子の製造方法により、
表面凹凸による対向電極のカバレッジの悪化や、発光素
子特性の劣化のない、信頼性の高い有機EL素子を提供
することが可能になる。
【0042】(実施の形態2)図2は、本発明の有機E
L素子からなる発光素子の製造方法の概略を示した流れ
図である。図2(a)において、201は、ガラス基
板、102は、酸化インジウムからなる透明電極であ
り、必要に応じて、例えば薄膜トランジスタ等からなる
スイッチング素子が形成されている(図示せず)。
【0043】図2(b)において、203は、TPDか
らなる正孔輸送層、204はAlq 3からなる発光層で
ある。発光領域205は、正孔輸送層203と発光層1
04から構成される。206は、Alからなる対向電極
であり、抵抗加熱EB蒸着法により1500A形成され
ている。207は、光取り出し面である。
【0044】有機EL素子の発光領域203、対向電極
は、蒸着法によって電極付き基板上に堆積され、真空中
で一貫して連続成膜して形成する。発光領域を構成する
正孔注入層及び発光層は有機材料からなり、電極付き基
板上への堆積直後は、それぞれ非晶性を有する。
【0045】図2(c)において、208は、電子線照
射源である。
【0046】発光領域上にAlからなる対向電極を蒸着法
にて形成した後、大気中に取り出すことなく、電子線照
射(50kGy)を施す。
【0047】図3(a)に、電子線照射を行った有機E
L素子と、電子線照射を施さない有機EL素子の発光特
性を示す。これより、電子線照射を施すことにより発光
効率が向上することが分かる。また図3(b)に例え
ば、電子線照射を行った有機EL素子と、電子線照射を
施さない有機EL素子の発光特性の経時変化を示す。
【0048】これより、電子線照射を施すことにより発
光効率の経時劣化が減少することが分かる。
【0049】本発明に用いられる素子構成は特に限定さ
れるものではなく、次のような構成をとることが出来
る。
【0050】陽極/発光層/陰極 陽極/正孔注入層/発光層/陰極 陽極/発光層/電子注入層/陰極 陽極/正孔注入層/発光層/ 等をあげることができる。これらの構成の素子において
は各層が複数の層の積層体であってもよいし、また複数
の材料の混合体であってもよい。これらの構成を、基板
/電極/発光領域(正孔注入層、発光層)/対向電極と
大別する。
【0051】発光層に使用される材料としては、ベンゾ
イミダゾール系、ベンゾチアゾール系、ベンゾオキサゾ
ール系の材料、金属キレート化オキシノイド系化合物、
スチルヘルゼン系化合物等をあげることができる。正孔
注入層としては、フルオレノン誘導体、アントラキノジ
メタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジ
オキシド誘導体、複素環テトラカルボン酸、カルボジイ
ミド、フルオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジ
メタン誘導体、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘
導体、キノリノール誘導体の金属錯体、フタロシアニ
ン、ジスチリルピラジン誘導体等が考えられる。
【0052】対向電極は、Alなどの反射電極、透明導電
膜からなる透明、あるいは半透明電極が考えられる。
【0053】有機EL素子の場合、発光層の形成は主に
抵抗加熱蒸着法を用いるが、エレクトロンビーム蒸着
法、スパッタ法等を用いてもよい。
【0054】対向電極206は、この場合、反射率が高
く、発光層を効率良く発光させる機能を備えていればよ
く、AlあるいはAl化合物、銀あるいは銀化合物等の
金属膜を用いることが好ましい。さらに、銀化合物とし
ては、銀・パラジウム・銅(AgPdCu)の合金ある
いは銀・金・銅(AgAuCu)の合金を用いるのが好
ましい。また、有機化合物を発光層として用いるいわゆ
る電流注入型の有機EL素子の場合、通常反射電極は陰
極となり、電子の注入効率のよい材料、すなわち仕事関
数の低い材料を用いることが多い。有機EL素子の陰極
としては例えばAl−Li合金、Mg−Ag合金等の、
仕事関数が低いが反応性の高い金属(Li、Mg等)と
反応性が低く安定な金属(Al、Ag等)との合金を用
いればよい。あるいは、Li/Al、LiF/Al等の
仕事関数の低い金属あるいはその化合物と仕事関数の高
い金属の積層電極、ITO/Al/ITOといった金属
と透明導電膜の積層電極などを用いることができる。
【0055】電極202の形成方法としては、酸化イン
ジウムの他、酸化インジウムに酸化錫を含むITOや、
ZnOといった透明導電膜やAl等の金属電極であって
もよく、スパッタ、エレクトロンビーム蒸着、抵抗加熱
蒸着等の方法を用いればよい。
【0056】発光領域205は例えばAlq3等からな
る発光層204とTPDからなる正孔輸送層203を用
いる他、、発光領域205を多層構造すなわちTPD等
を用いた、Alq3等を用いた電子輸送性発光層を積層
した2層構造、あるいはTPD等を用いた正孔輸送層、
ペリレン等を用いた発光層、オキサジアゾール等を用い
た電子輸送層を積層した3層構造、あるいはそれ以上の
多層構造とすばよい。電子線の照射量は、1kGy以上
1000kGy以下が好ましい。1000kGyより大
きい量の電子線を照射すると、有機EL素子破壊が発生
するからである。
【0057】また、電子線は発光領域上に対向電極を形
成した後、大気中に取り出すことなく、照射をを施すこ
とが好ましい。これより、有機EL素子中に水分、酸素
等が取り込まれることなく電子線が照射され、2次電子
等といった電子線照射によるダメージが与えられること
がないからである。
【0058】本発明の有機EL素子の製造方法により、
有機EL素子の発光効率が向上し、発光素子特性の劣化
のない、信頼性の高い有機EL素子を提供することが可
能になる。
【0059】
【発明の効果】本発明の有機EL素子の製造方法によ
り、表面凹凸による対向電極のカバレッジの悪化や、発
光素子特性の劣化のない、信頼性の高い有機EL素子を
提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における発光素子の断面
【図2】本発明の実施の形態2における発光素子の製造
方法を示す流れ図
【図3】本発明の実施の形態2と従来例における発光素
子の発光特性の比較図
【図4】有機層からなる発光層404を結晶化する状態
で堆積された場合の断面形状を示した概念図
【符号の説明】
101 基板 102 透明電極 103 正孔輸送層 104 発光層 105 発光領域 106 光取り出し面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 脇田 尚英 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB02 AB03 AB11 AB15 AB18 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 FA01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に電極を形成する工程と、前記電
    極上に少なくとも1層以上の非晶質有機層を堆積する工
    程と、前記有機層に加熱処理により少なくとも前記非晶
    質有機層の1部を結晶化する工程と、対向電極を形成す
    る工程と、を具備することを特徴とする発光素子の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記加熱処理を施す温度は、前記有機層
    を堆積する基板温度以上、前記有機層を構成する有機材
    料のガラス転移点温度以下であることを特徴とする請求
    項1記載の発光素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記加熱処理を施す工程は、一度も大気
    中に取り出すことなく、真空中で連続して行われること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の発光素子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記結晶化された有機層の表面凹凸は2
    0nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の発光素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記結晶化された有機層の平均結晶粒径
    は20nm以上80nm以下であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載の発光素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記非晶質有機層は、前記基板の斜め方
    向から蒸着することにより堆積することを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかに記載の発光素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 基板上に少なくとも電極、非晶質有機層
    を少なくとも1層含む発光領域、対向電極を順次形成
    し、その後、電子線照射を施すことを特徴とする発光素
    子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記電子線を照射する工程において、電
    子線照射量が1kGy以上1000kGy以下であるこ
    とを特徴とする請求項7記載の発光素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 電子線照射を施す工程は、一度も大気中
    に取り出すことなく、真空中で連続して行われることを
    特徴とする請求項7又は8に記載の発光素子の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の発光
    素子の製造方法を用いて形成された発光素子に、電流駆
    動回路を加えた表示装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9のいずれかに記載の発光
    素子の製造方法を用いて形成された発光素子を用いた照
    明装置。
  12. 【請求項12】 対向する電極間に、少なくとも発光特
    性又はキャリヤ輸送特性を有する1層以上の有機層を具
    備し、前記有機層の少なくとも1部が結晶化されている
    ことを特徴とする発光素子。
  13. 【請求項13】 結晶化された有機層の平均結晶粒径が
    20nm以上80nm以下であることを特徴とする請求
    項12記載の発光素子。
  14. 【請求項14】 結晶化された有機層の表面凹凸は20
    nm以下であることを特徴とする請求項12又は13に
    記載の発光素子
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