JP2003121616A - 光拡散反射シート - Google Patents
光拡散反射シートInfo
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Abstract
く、面発光システムの光反射材として用いたときに、当
該面発光システムにおける面輝度のバラツキを小さくす
ることができる光拡散反射シートを提供する。 【解決手段】 内部に平均径50μm以下の独立気泡が
分散する熱可塑性ポリエステル樹脂シート1の全面また
は一部表面に、複数個の凹没部2または凸起部3が形成
されている光拡散反射シート。
Description
関し、光全反射率が高く、かつ光拡散反射率も高いの
で、電飾看板、液晶表示装置、照明器具のバックライト
や照明ボックスのような光源直下型の面発光システムに
組み込んだときに、発光面輝度のバラツキを小さくする
ことができる光拡散反射シートに関する。
例えば電飾看板の場合、所定の間隔を置いて平行配置さ
れた複数本の例えば蛍光灯の背面側に例えば板状または
シート状の光反射材を設置し、また蛍光灯の前面側には
例えばアクリル樹脂製やガラス製の光透過板を設置し、
周囲を光不透過性の枠体で取り囲んだ構造になってい
る。
蛍光灯の直上に位置する箇所の光透過板における面輝度
と、蛍光灯相互間の直上に位置する箇所の光透過板にお
ける面輝度のバラツキを小さくすることが重要な課題と
してある。上記した面輝度のバラツキを小さくする方法
の1つには、蛍光灯の背面側に位置する光反射材として
光反射拡散率が高い材料を用いる方法がある。このよう
な材料を用いることにより、蛍光灯から上記光反射材に
当たった光は当該光反射材で多方向に反射・拡散してい
き、その結果、前面側の光透過板に到達する光は当該光
透過板の全面に均等に当たることができるので面輝度の
バラツキは小さくなる。
光反射材としては、光拡散反射率が高く、そして同時
に、光透過板の全体的な輝度も高めて明るくするために
は光全反射率も高いことが好ましいことになる。このよ
うな光反射材としては、従来から次のようなものが使用
されている。1つは、ポリオレフィン樹脂や熱可塑性ポ
リエステル樹脂に酸化チタンの粉末や炭酸カルシウムの
粉末を混練したのちそれをシート状やフィルム状に成形
した白色の光反射材である。
く、また混練した粉末により表面に凹凸が形成されるの
で光拡散反射率も高い。しかしながら、2次加工などの
再加工を行うと、混練した粉末が加工機や加工後の周辺
機器に飛散して環境悪化を招くので、取り扱い上の難点
がある。更には、表面を擦るなどした場合、表出してい
る粉末が拭い取られるので、光拡散反射率が低下すると
いう問題もある。
形して径が50μm以下の微細な独立気泡を形成したシ
ートも、光拡散反射シートとして使用されている。この
光拡散反射シートは、光全反射率が極めて高く、また光
拡散反射率も比較的高い値を示す。しかしながら、この
シートの場合、発泡成形時に最表層が平坦でかつ滑らか
な表皮として形成されてしまう。そして、その表皮が鏡
面反射効果を発揮してしまうため、表面凹凸の存在に基
づく光拡散反射をより一層効果的に現出させることは困
難である。
微細な溝を多数刻設したり、微細な点や線を印刷し、そ
のガラス板やフィルムを上記した光拡散反射シートに貼
着して光拡散効果を高めることも行われている。しかし
ながら、この場合には、ガラス板やフィルムで光透過損
失が起こって光全反射率は低下するので、光反射材とし
ての性能劣化を招く。また、上記したガラス板やフィル
ムの製作コストもかかるため、全体としてコスト高にな
る。
面になっている金属材料にブラスト加工を行って鏡面に
微細な凹凸を付与することなどの方法も行われている
が、この場合には、光全反射率が大幅に低下するので実
用的であるとはいえない。
ムの面輝度のバラツキを小さくするために用いている従
来の各種光拡散反射材における上記した問題を解決し、
光全反射率が低下することなく光拡散反射率は向上して
おり、また製造コストも安価である光拡散反射シートの
提供を目的とする。
ために、本発明においては、内部に平均径50μm以下
の独立気泡が分散する熱可塑性ポリエステル樹脂シート
の全面または一部表面に、複数個の凹没部または凸起部
が形成されていることを特徴とする光拡散反射シートが
提供される。
を図1に示す。この光拡散反射シートでは、熱可塑性ポ
リエステル樹脂を用いて平均径50μm以下の独立気泡
1aが分散しているシート1を発泡成形し、その表面
に、互いに所定の間隔を置いて複数本のV字溝2が形成
されている。
ように、平坦で滑らかな表皮が形成されているので、ミ
クロにみれば表皮部分は全体として鏡面反射効果を発揮
する。ここで、上記したV字溝2が本発明でいう凹没部
であり、またV字溝の間に形成されている台形部3が本
発明でいう凸起部になっている。
その平均径50μmより大きい場合には、当該シートの
光全反射率が元々それほど高くないという問題に加え
て、シート表面にV字溝(凹没部)を形成すると、光全
反射率と光拡散反射率のいずれもが低下してしまうの
で、本発明においては、シートとして平均径50μm以
下の独立気泡が分散しているものを用いる。
リエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテ
レフタレートなどが好適である。上記したV字溝の形成
に際しては、形成すべきV字溝の形状と雄雌の関係にあ
る形状の凸起が表面に形成されているエンボスロール
を、シートの表面に圧接すればよい。そのとき、エンボ
スロールを、シート材料のガラス転位温度以上でかつ融
点より低い温度に加熱する。加熱温度は、シート材料が
ポリエチレンテレフタレートである場合は100〜15
0℃、ポリエチレンナフタレートである場合は130〜
180℃、ポリブチレンテレフタレートの場合は80〜
130℃であることが好ましい。
光が入射する場合を考える。V字溝2に入射した光は、
その斜面2Aで鏡面反射して1次反射光となって光の入
射角に対応する反射角方向に出射していく。また、台形
部3の頂部3Aに入射した光もその頂部3Aで鏡面反射
して光の入射角に対応する反射角方向に1次反射光とな
って出射していく。
は、入射した光が多方向に向かって反射していくことに
なるので、シートの表面全体としては拡散反射を起こし
ている。その場合、例えばV字溝2の斜面2Aで発生し
た1次反射光は、そのまま、光透過板に到達することが
好ましい。仮に、図2で示したように、斜面2Aで発生
した1次反射光が他方の斜面2A’で再び反射する場合
には、発生した2次反射光は減衰しているため、光透過
板における面輝度が低下するからである。
字溝2の深さ(d)と頂角(θ)が適切に設定される。
例えばV字溝2の場合は、頂角(θ)を120°以上1
80°未満に設定することが好ましく、またその深さ
(d)を0.05〜1mm、好ましくは0.3〜1mm、より
好ましくは0.3〜0.8mmに設定する。なお、V字溝2
の深さ(d)に関しては、前記したエンボスロールを用
いた成形時における加工精度の点や、加工コストの点か
らいうと、深さ(d)は0.3〜0.8mmであることが好
ましい。
表面幅の3倍以下の値に設定されていることが好まし
い。このピッチをV字溝の幅の3倍値より広くすると、
台形部3の頂部3Aの幅は広くなり、その場合には、表
皮の鏡面反射効果によって表面全体の光全反射率は高く
なる。しかし、前記したような光拡散反射効果は表面全
体としてそれほど向上せず、表面全体として光全反射率
と光拡散反射率の双方を向上させるという要件が満たさ
れなくなるからである。
いるシートを例にした場合であるが、本発明の光拡散反
射シートはこれに限定されるものではない。例えば、V
字溝に代えてU字溝を形成したものであってもよい。ま
た、図3で示したように、シート1の表面に、四角錐形
状の凹没部4が複数個形成されているものであってもよ
い。この場合も、凹没部4の頂角は120°以上180
°未満に設定し、また深さも0.3〜0.8mm程度に設定
し、更には各凹没部間のピッチを凹没部の表面における
一辺の長さの3倍値以下に設定することにより、光拡散
効果の高い光拡散反射シートが形成される。
な四角錐形状に限定されることなく、例えば三角錐形
状、六角錐形状などの多角錐形状であってもよく、更に
は円錐形状であってもよい。また、半球面形状、楕円形
状、または放物線形状であってもよい。いずれにして
も、この光拡散反射シートの場合、シート1の平滑な表
面1Aで高い光全反射率を確保しつつ、上記した凹没部
4で入射した光を多方向へ反射させることにより光拡散
反射を実現させ、もって表面全体として高い光全反射率
と高い光拡散反射率の双方を実現している。
す。この光拡散反射シートの場合は、シート1の表面に
四角錐形状をした凸起部5が形成されている。この光拡
散反射シートの場合も、凸起部5の斜面に入射した光は
そこで反射して多方向に出射していき、また表面1Aに
入射した光もそこで反射して入射角に対応する反射角方
向に出射していくので、表面全体としては、高い光全反
射率を確保しつつ高い光拡散反射率の実現を可能にして
いる。
に、凸起部5の頂角は90°以上180°未満、好まし
くは90°以上150°以下に設定し、また、凸起部5
の間のピッチは凸起部の一辺の長さの3倍値以下、凸起
部5の高さ0.3〜0.8mmに設定することが好適であ
る。また、凸起部5としては、図示したような四角錐形
状に限定されるものではなく、前記凹没部に関して例示
したような各種の形状を採用することもできる。
トの表面全体に形成されていてもよいが、部分的に形成
されていてもよい。例えば、凹没部や凸起部が部分的に
形成されているシートとその使用態様の1例を図5に示
す。この例は、蛍光灯の長手方向に沿って凹没部(凸起
部)がシートの一部に形成されている本発明の光拡散反
射シートが当該蛍光灯の背面側に配置され、蛍光灯の前
面側に光透過板が配置された面発光システムを示す。
凹没部(凸起部)で大量かつ有効に拡散反射するので、
より意匠性の高い面発光状態を実現することができる。
m、発泡倍率5倍、平均径30μmの独立気泡が分散す
るポリエチレンテレフタレート発泡体シート)を用意し
た。
て下記仕様のV字溝を成形し、図1で示した光拡散反射
シートを製造した。 V字溝の表面幅1mm、V字溝の頂角120°、 V字溝の間のピッチ1.5mm。 この光拡散反射シートの光全反射率と光拡散反射率を測
定した。測定は、波長550nmの光で行い、また測定結
果は硫酸バリウムで測定したときの相対値として求め
た。
MCPETそれ自体についても測定した。結果は以下の
とおりである。 実施例1:光全反射率97.2%、光拡散反射率96.5
% 比較例1:光全反射率98.2%、光拡散反射率95.3
% 以上で明らかなように、実施例1のシートは、その光全
反射率と光拡散反射率の双方が互いにバランスがとれた
状態で高位の水準にある。
ば管径が小さく、長い蛍光灯を光源とする例えば直下型
の液晶表示装置のバックライトなどの面発光システムに
採用して好適である。
発泡倍率約7倍、平均径10μmの独立気泡が分散する
ポリエチレンナフタレート発泡体シート)を用意した。
て表1で示した仕様の凹没部を成形して光拡散反射シー
トを製造した。各光拡散反射シートにつき、実施例1の
場合と同様にして、光全反射率と光拡散反射率を測定し
た。以上の結果を一括して表1に示した。
率と光拡散反射率の双方は互いにバランスがとれた状態
で高位水準にある。
光拡散反射シートは次のような効果を奏する。 1)この光拡散反射シートは、光全反射率が高く、同時
に光拡散反射率も高く、面発光システムにおける面輝度
のバラツキを抑制することができる。これは、シート表
面に複数の凹没部や凸起部を形成したことによってもた
らされる効果である。
に例えばエンボスロールで簡単に成形することができる
ので、この光拡散反射シートの製造コストは安価にな
る。 3)光拡散反射率が高いので、例えば蛍光灯を用いて面
発光システムを組み立てる際に、蛍光灯の設置ピッチを
広くすることができ、省エネルギーの点で有利である。
ずれもが高いので、蛍光灯を用いた面発光システムの組
み立てに際しては、光透過板を蛍光灯に近接させても面
輝度のバラツキは小さいので、面発光システム全体を薄
くすることができ、省スペース効果の点でも有利であ
る。
である。
ある。
である。
視図である。
テムの1例を示す概略図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 内部に平均径50μm以下の独立気泡が
分散する熱可塑性ポリエステル樹脂シートの全面または
一部表面に、複数個の凹没部または凸起部が形成されて
いることを特徴とする光拡散反射シート。 - 【請求項2】 前記凹没部または前記凸起部の形状が、
多角錐形状、円錐形状、半球形状、楕円形状、または放
物線形状のいずれかの形状である請求項1の光拡散反射
シート。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001312833A JP3989217B2 (ja) | 2001-10-10 | 2001-10-10 | 光拡散反射シートおよび面発光装置 |
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