JP2003120851A - 半導体マイクロバルブ - Google Patents

半導体マイクロバルブ

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JP2003120851A
JP2003120851A JP2001316220A JP2001316220A JP2003120851A JP 2003120851 A JP2003120851 A JP 2003120851A JP 2001316220 A JP2001316220 A JP 2001316220A JP 2001316220 A JP2001316220 A JP 2001316220A JP 2003120851 A JP2003120851 A JP 2003120851A
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Japan
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valve seat
valve body
fluid
intermediate valve
bimetal
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JP2001316220A
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English (en)
Inventor
Shigeaki Tomonari
恵昭 友成
Hiroshi Kawada
裕志 河田
Hitoshi Yoshida
仁 吉田
Masaari Kamakura
將有 鎌倉
Kazuji Yoshida
和司 吉田
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御する流体が直接可動エレメントと接触す
ることを防止し、低消費電力にて可動エレメントを駆動
することができる密閉型の半導体マイクロバルブを提供
すること。 【解決手段】 流体の流入口となるオリフィス11を有
した弁座1と、オリフィス11を開閉して流体の流量を
制御する弁蓋21を有した弁座1上に設けられる中間弁
体2と、バイメタル31に連設されて中間弁体2を押圧
する可動エレメント31を有した中間弁体2上に設けら
れるアクチュエータ3とを備えてなる半導体マイクロバ
ルブ。中間弁体2は、弁蓋21を支持して弁座1とアク
チュエータ3とで構成される空間を隔てるダイヤフラム
22を有してなり、中間弁体2と弁座1にて形成される
空間のダイヤフラム22面を除く面に流体排出口12
a、12bを設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体等の流体の流
量制御に用いられる半導体マイクロバルブに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】この種の半導体マイクロバルブとして、
異なった熱膨張係数を有する少なくとも2つの材料を組
み合わせ(バイメタル構造)、その部分を加熱すること
により熱膨張係数の差を利用して弁の開閉を行うものが
存在する。具体的には、図3に示す、特開2000−3
09000に提案されている構造のものが知られてお
り、シリコン等の半導体基板よりなる弁体130と、同
様にシリコン等の半導体基板よりなる弁座110を主要
構成要素としている。
【0003】弁体130は、半導体基板の周縁部137
より突設された複数のバイメタル131と、周縁部13
7とバイメタル131との間に設けられてフッ素樹脂や
ポリイミド等よりなる熱絶縁部133aと、バイメタル
131に複数支持された可動エレメント132により構
成されている。バイメタル131は、シリコンよりなる
薄肉部131aとその上に設けられてアルミニウム又は
ニッケル等のシリコンより熱膨張係数の大きい薄膜13
1bで構成されている。これにより、バイメタル131
と周縁部137との間には開口部138が形成される。
また、薄肉部131aには、不純物拡散抵抗よりなる加
熱手段134が設けられている。
【0004】弁座110は、弁体130の下部(図3の
下側)に固着されており、可動エレメント132と相対
する部位にオリフィス(弁口)111が形成されてい
る。また、このオリフィス111を取り囲むように略平
板状の弁シート113が所定の位置に設けられている。
また、可動エレメント132と弁シート113との間に
は、バイメタル131の撓みを受けた可動エレメント1
32が半導体基板の厚み方向に変位するための隙間15
0が形成されている。
【0005】上記構成の半導体マイクロバルブによる
と、流体は、オリフィス111より流入して開口部13
8より排出されるのであるが、その流量制御は、隙間1
50を調整することにより行われる。具体的には、加熱
手段134に電力を印加してバイメタル131の温度を
上昇させると、薄膜131bは、薄肉部131aよりも
熱膨張係数が大きいためバイメタル131は熱応力によ
り下方向(図3の下側)へ曲げられる。そして、可動エ
レメント132は、バイメタル131の熱応力を受けて
弁体130に対し下方向に相対的に変位し、結果的に隙
間150が変化してオリフィス111を流れる流体を制
御できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
半導体マイクロバルブにおいては、可動エレメント13
2と弁シート113との隙間150の寸法精度は、流体
の流量制御に大きな影響を与える一つの要因となる。し
かしながら、上記のような半導体マイクロバルブでは、
隙間150の寸法を高精度に維持することが以下の理由
により比較的困難であった。すなわち、バイメタル1
31とその上に形成された熱膨張係数の異なる薄膜13
1bとの間の内部応力によりバイメタル131に反りが
発生する、弁体130の周縁部137とバイメタル1
31との間に設けられた熱絶縁部133aを形成する材
料が、硬化時に大幅に収縮してバイメタル131の熱絶
縁部133aと連接する部分で反りが発生する、という
ことが考えられる。
【0007】また、可動エレメント132は、バイメタ
ル131により両持ち支持されているので、その数量は
少なくとも2個以上必要となり、消費電力が片持ち支持
に比べて増加してしまう。さらに、複数個あるバイメタ
ル131それぞれのばらつきにより可動エレメント13
2に傾きが生じ、極端な場合には、可動エレメント13
2を弁シート113に対して密接させようとするとき、
オリフィス111を閉塞できない(バルブが締め切らな
い)等の問題を生じる恐れがある。
【0008】したがって、流量制御のばらつきや消費電
力を考慮すれば、可動エレメント132としては片持ち
支持が望ましいが、この片持ち支持では、可動エレメン
ト132が弁座110に対して垂直に変位しないので、
可動エレメント132はオリフィス111を閉塞できず
に半導体マイクロバルブの締め切り性能を低下させると
いう懸念がある。
【0009】このような課題を改善するものとして、本
願発明者は、特願2001−013656において、図
4に示す半導体マイクロバルブを提案している。この半
導体マイクロバルブは、弁座210と、中間弁体220
と、アクチュエータ230とを主要構成要素としてい
る。
【0010】弁座210は、半導体基板にて形成されて
おり、その中央部にオリフィス211が形成されてい
る。さらに、半導体基板上面(図1の上側)のオリフィ
ス211の周囲には、略四角平板状の弁シート213が
設けられている。
【0011】中間弁体220は、半導体基板にて形成さ
れており弁座210に載設されている。その中央部に断
面が台形で厚肉状の弁蓋221が形成されており、枠体
224からそれぞれ内方に突設した複数の薄肉状の梁2
22によって支持されている。これにより、梁222と
周縁部224との間には開口部225が形成される。
【0012】アクチュエータ230は、半導体基板にて
形成されており中間弁体220に載設されている。周縁
部237の任意の一辺には、熱絶縁部233aを介して
加熱手段234を有した薄肉部231aと薄肉部231
aより熱膨張係数の大きい薄膜231bとで構成される
バイメタル231が形成されており、さらに、熱絶縁部
233bを介して逆台形状の可動エレメント232がバ
イメタル231に熱絶縁部233bを介して片持ち支持
されている。
【0013】これにより、流体は、オリフィス211よ
り流入して開口部225を通過し、アクチュエータ23
0より排出される。そして、バイメタル231の温度を
加熱手段234により上昇させたときに、薄膜231b
が薄肉部231aよりも大きく膨張することを利用して
可動エレメント232を弁座210方向に変位させて弁
蓋221を押圧し、その押圧を受けた弁蓋221が、弁
座210方向に垂直に変位してオリフィス211を閉塞
することにより流体の流量制御を可能にしている。
【0014】したがって、片持ち梁構造の可動エレメン
ト232が弁座210に対して垂直に変位しないことに
よる締め切り性能の低下、並びに両持ち梁構造にするこ
とによる消費電力の増大という課題を改善することがで
きたのであるが、中間弁体220に設けられた弁蓋22
1は、複数の梁にて支持されているため、オリフィス2
11から流入した流体は、開口部225を通ってアクチ
ュエータ230へ放出されてしまう。そのため、バイメ
タル231は流体と直接接触して冷却され、その結果、
バイメタル231の撓み力が解放され、オリフィスの締
め切り量に変化が生じる。この変位量を再び元に戻すに
は、バイメタル231をさらに昇温しなければならず、
結果的に電力を必要としてしまう。
【0015】本発明は、上記の点に鑑みてなしたもので
あり、その目的とするところは、制御する流体が直接可
動エレメントと接触することを防止し、低消費電力にて
可動エレメントを駆動することができる密閉型の半導体
マイクロバルブを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明の半導体マイクロバルブは、流
体の流入口となるオリフィスを有した弁座と、前記オリ
フィスを開閉する弁蓋を有して前記弁座上に設けられる
少なくとも1つ以上の中間弁体と、周縁部より内方に突
設されたバイメタルに連設されて前記中間弁体を押圧す
る可動エレメントを有した前記中間弁体上に設けられる
アクチュエータと、を備えてなる半導体マイクロバルブ
であって、前記中間弁体は、前記弁蓋を支持して前記弁
座と前記アクチュエータとで構成される空間を隔てるダ
イヤフラムを有してなり、前記中間弁体と前記弁座にて
形成される空間のダイヤフラム面を除く面に流体排出口
を設けたことを特徴としている。
【0017】これにより、流路を通じてオリフィスから
流入した流体は、弁座及び中間弁体にて形成される密閉
された空間内に充満し、流体排出口を通じて再び流路へ
排出されるので、加熱手段を有するバイメタルは、流体
と直接接触せず、バイメタルからの熱の放散が低減され
て低消費電力にて可動エレメントの駆動が可能となる。
【0018】請求項2に係る発明の半導体マイクロバル
ブは、請求項1記載の構成において、前記流体排出口を
前記弁座に設けたものとしている。
【0019】これにより、流体の流入及び流出経路を弁
座側に集中できるので、流体の流路設計が簡略化でき
る。
【0020】請求項3に係る発明の半導体マイクロバル
ブは、請求項1記載の構成において、前記流体排出口を
前記中間弁体に設けたものとしている。
【0021】これにより、流体排出口の形状を弁座に設
ける場合と比較して小型にできるので、半導体マイクロ
バルブの小型化を図ることができる。
【0022】請求項4に係る発明の半導体マイクロバル
ブは、請求項1乃至3のいずれかに記載の構成におい
て、前記流体排出口を複数形成したものとしている。
【0023】これにより、流体は、複数形成した流体排
出口より排出されるので、流体の乱れを抑制することが
でき、さらに流体の流量を増加させることができる。
【0024】請求項5に係る発明の半導体マイクロバル
ブは、請求項1乃至4のいずれかに記載の構成におい
て、前記中間弁体を半導体基板により形成したものとし
ている。
【0025】これにより、中間弁体は、アクチュエータ
と同様の半導体加工技術にて形成できるので、半導体マ
イクロバルブの製造工程を簡略化することができる。
【0026】請求項6に係る発明の半導体マイクロバル
ブは、請求項1乃至4のいずれかに記載の構成におい
て、前記中間弁体を耐薬品性樹脂薄膜により形成したも
のとしている。
【0027】これにより、中間弁体は、半導体基板と比
較して耐食性や熱絶縁性に優れるようになり、制御する
流体の種類をさらに増加させることができる。
【0028】請求項7に係る発明の半導体マイクロバル
ブは、請求項1乃至6のいずれかに記載の構成におい
て、前記ダイヤフラムの厚みを少なくとも20μm以下
としたものである。
【0029】これにより、中間弁体は、バイメタルの撓
みに伴う可動エレメントの変位に対して感度よく応答す
るので、さらに低消費電力でバルブの制御が行えるよう
になる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。
【0031】[第1の実施形態]図1は、本実施形態に
係る半導体マイクロバルブを中央で切断した断面斜視図
である。
【0032】この半導体マイクロバルブは、オリフィス
11及び流体排出口12a、12bを有した弁座1と、
オリフィス11と相対する部位に弁蓋21を設けた中間
弁体2と、バイメタル31の一端に連設された可動エレ
メント32を有したアクチュエータ3を主要構成要素と
している。
【0033】弁座1は、シリコンよりなる半導体基板1
0にて形成しており、その形状は略四角形の平板状をな
している。また、その中央部と周縁部14を除いた略四
角環状の任意の位置には、半導体基板10を貫通し下面
(図1の下側)に向かって拡開するオリフィス11及び
流体排出口12a、12bを形成している。その開口形
状は、オリフィス11及び流体排出口12a、12bと
もに半導体基板10の上下面において略四角形状であ
る。さらに、半導体基板10上面(図1の上側)のオリ
フィス11の周囲には、断面形状が台形をなした略四角
平板状の弁シート13を設けている。
【0034】中間弁体2は、シリコンよりなる半導体基
板20にて形成しており、弁座1と平面視において同様
の大きさで略四角形の平板状をなし、弁座1に載設して
いる。その中央部と周縁部24を除いた略四角環状をな
す部位には、厚さが少なくとも20μm以下であるダイ
ヤフラム22を略四角環状の全面に形成している。ま
た、その中央部には、後に詳述する可動エレメント32
によって中間弁体2が押圧されたときに、弁座1に設け
られた弁シート13に密接してオリフィス11を閉塞す
る弁蓋21が下方向(図1の下側)に突設している。さ
らに、中間弁体2の周縁部24の所定位置には、開口形
状が略四角状の流体排出口23を形成している。
【0035】アクチュエータ3は、シリコンよりなる半
導体基板30にて形成しており、中間弁体2と平面視に
おいて同様の大きさで略四角の枠状をなして中間弁体2
に載設している。その任意の一辺には、半導体基板30
から分離したシリコンよりなる薄肉部31aと、薄肉部
31aに載設されたアルミニウムよりなる薄膜31bと
により構成されるバイメタル31が、ポリイミドよりな
る熱絶縁部33aを介在させて周縁部37より突設して
いる。さらに、バイメタル31には、同様の構成の熱絶
縁部33bを介してシリコンよりなる逆台形状の可動エ
レメント32を連設している。また、薄肉部31aの薄
膜31bと接触している面には、不純物拡散抵抗よりな
る加熱手段34を設けている。そして、その加熱手段3
4を周縁部37上に設けられた電極35と配線36を通
じて電気的に接続している。
【0036】次に、その製造方法についてそれぞれの構
成要素別に説明する。
【0037】まず、n型半導体基板10上面側(図1の
上側)の中央部及び周縁部を除いた略四角環状の部位に
異方性エッチングを施して弁シート13を形成する。次
いで、n型半導体基板10下面側(図1の下側)の中央
部及び中央部周囲の任意の部位に異方性エッチングを施
してn型半導体基板10の厚み方向に貫通したオリフィ
ス11及び流体排出口12a、12bを形成し、弁座1
を完成する。
【0038】次に、n型半導体基板20下面側の中央部
及び周縁部24を除いた略四角環状の部位に異方性エッ
チングを施すことにより、ダイヤフラム22と中央部に
弁蓋21を形成する。同時に、周縁部24の所定の位置
にも異方性エッチングを施して流体排出口23を形成
し、中間弁体2を完成する。
【0039】そして、後にバイメタル31の薄肉部31
aとなる部位の、n型半導体基板30上面側にホウ素
(B+)を注入して不純物拡散抵抗からなる加熱手段3
4を形成する。次いで、n型半導体基板30下面側の中
央部及び周縁部37を除いた略四角環状の部位にダイヤ
フラム部(後にバイメタル31の薄肉部31aとなる部
位のみを残して消滅する)を形成する。次いで、後にバ
イメタル31の薄肉部31aとなる部位と周縁部37及
び薄肉部31aと後に可動エレメント32となる部位と
の間の、n型半導体基板30上面側に異方性エッチング
を施して溝33を形成する。次いで、周縁部37のn型
半導体基板30上面側にアルミニウム(Al)を堆積さ
せて、電極35と電極35から溝33を横断して加熱手
段34に至るまでの間に配線36を形成する。次いで、
溝33にポリイミドを堆積させて熱絶縁部33a、33
bを形成した後、後にバイメタル31の薄肉部31aと
なる部位上にアルミニウムよりなる薄膜31bを堆積し
てバイメタル31を形成する。そして、バイメタル31
を除いた残りのダイヤフラム部をエッチングし、可動エ
レメント32がバイメタル31により可撓するように周
縁部37から分離させアクチュエータ3を完成する。
【0040】最後に、弁座1と中間弁体2とアクチュエ
ータ3を順次載置してシリコーン樹脂等の接着剤(図示
せず)で固着し半導体マイクロバルブを完成する。
【0041】この半導体マイクロバルブによると、制御
する流体は、オリフィス11から流入して弁座1と中間
弁体2との間の閉鎖空間に充満した後、流体排出口12
a、12b、23から排出される。また、その制御は、
バイメタル31の温度を加熱手段34により上昇させ
て、バイメタル31の熱撓み特性を利用することにより
可動エレメント32を弁座1方向に変位させて弁蓋21
を押圧し、そして、その押圧を受けた弁蓋21が、弁座
1方向に垂直に変位してオリフィス11との隙間を変化
させることにより可能となる。
【0042】ところで、ダイヤフラム22を前述した従
来(図4)の梁222と同様の厚みで形成したとする
と、中間弁体2は従来(図4)の中間弁体220と比較
して一般的に撓みにくい。これは、構造的に中間弁体2
の方が中間弁体220より強靱になるためである。ゆえ
に、中間弁体2の外力に対する強度は中間弁体220よ
り大きくなり、その分、ダイヤフラム22の厚みを薄く
することができ、結果的に、中間弁体2は中間弁体22
0より撓みやすくすることができる。
【0043】したがって、以上説明した半導体マイクロ
バルブによると、制御する流体は、オリフィス11から
流入し、加熱手段を有するバイメタル31と直接接触す
ることなく複数形成された流体排出口12a、12b、
23を通じて排出されるので、流体の流量を増加できる
とともにバイメタル31からの熱の放散が低減されて低
消費電力にて可動エレメント32の駆動が可能となる。
また、流体がバイメタル31と直接接触することがない
ので、アクチュエータ3に耐腐食或いは絶縁加工する必
要が少なくなり、製造工程の繁雑化を招くことなく、一
般気体以外の、例えば、特殊ガス(毒性、腐食性等)又
は液体等の流体の流量制御を行うことができる。さら
に、流体排出口12a、12bにより流体の流入出経路
を弁座側に集中でき、流体排出口23により形状を小型
化できるので、流体の流路設計が簡略化できとともに半
導体マイクロバルブの小型化を図ることができる。
【0044】なお、弁座1は、n型半導体基板10に限
定されるものではなく、例えば、p型半導体基板やガラ
ス基板にて形成してもよい。
【0045】また、中間弁体2は、少なくとも1つあれ
ばその効果を発揮するが、オリフィス11を閉塞できる
限りにおいては複数個積層してもよい。
【0046】また、流体排出口12a、12b、23の
開口形状は、略四角状に限定されるものではなく、例え
ば、略円形状でもよい。さらに、その形成位置において
も、弁座1のみに形成されていてもよいし、中間弁体2
にのみ形成されていてもよい。また、数量に於いても、
少なくとも1つ形成されていればよい。
【0047】また、バイメタル31を構成する薄膜31
bは、アルミニウムに限定されるものではなく、例え
ば、ニッケル等の薄肉部31aを構成する部材より熱膨
張係数が大きい部材であればよい。
【0048】また、熱絶縁部33a、33bは、ポリイ
ミドに限定されるものではなく、例えば、フッ素化樹脂
等の熱伝導率の小さいものであればよい。
【0049】また、弁蓋21の形成方向は、下方向に限
定されるものではなく、次の第2の実施形態に示すよう
に、上方向に形成しても同様の効果が得られることは言
うまでもない。
【0050】また、ダイヤフラム22の厚みは薄い程感
度よく応答するが、強度的に脆弱になるという課題もあ
るので、薄い方は1μm程度に留めておくことが好まし
い。
【0051】[第2の実施形態]図2は、本実施形態に
係る半導体マイクロバルブを中央で切断したときの断面
斜視図である。
【0052】この実施形態の半導体マイクロバルブは、
中間弁体が第1の実施形態と異なるもので、他の構成要
素は、第1の実施形態のものと実質的に同一であるので
説明を省略する。また、同一部材に於いては、第1の実
施形態と同一の番号を付す。
【0053】本実施形態の中間弁体4は、ポリテトラフ
ルオロエチレンよりなる耐薬品性樹脂体40にて形成さ
れており、弁座1と同様の大きさで略四角形の平板状を
なして弁座1に載設されている。その下面(図2の下
側)には、厚さが少なくとも3mm以下であるダイヤフ
ラム41が形成されている。また、その中央部には、可
動エレメント32によって中間弁体4が押圧されたとき
に、弁座1に設けられた弁シート13に密着してオリフ
ィス11を閉塞する弁蓋42が上方向(図2の上側)に
突設されている。さらに、中間弁体4の周縁部43の所
定位置には、流体排出口44が形成されている。
【0054】また、この中間弁体4は、樹脂成形技術に
より形成されており、半導体加工技術により形成された
弁座1及びアクチュエータ3とシリコーン樹脂等の接着
剤(図示せず)にて固着されて半導体マイクロバルブを
完成している。
【0055】ここで、中間弁体4に使用したポリテトラ
フルオロエチレンは、耐薬品性に優れており、通常、接
着剤等により接着できないが、本実施形態においては、
中間弁体4の弁座1及びアクチュエータ3と接触する部
位を、予めナトリウムナフタリン処理等によって表面改
質しており、接着剤との接着特性を改善している。
【0056】この半導体マイクロバルブによると、第1
の実施形態で説明した作用効果に加え、耐薬品性樹脂体
40により形成した中間弁体4は、半導体基板と比較し
て耐食性や熱絶縁性に優れるようになるので、腐食性や
高温等の流体を制御することが可能となり、制御する流
体の種類を増加させることができる。
【0057】なお、中間弁体4を構成する耐薬品性樹脂
体40としては、ポリテトラフルオロエチレンの他にポ
リイミド等を使用してもよい。
【0058】また、弁蓋42の形成方向も上方向に限定
されるものではなく、第1の実施形態で示した中間弁体
2のように下方向に形成しても同様の効果が得られるこ
とは言うまでもない。
【0059】
【発明の効果】請求項1に係る発明の半導体マイクロバ
ルブは、中間弁体が、弁蓋を支持して弁座とアクチュエ
ータとで構成される空間を隔てるダイヤフラムを有して
なり、中間弁体及び弁座にて形成される空間のダイヤフ
ラム面を除く面に流体排出口を設けたことにより、流路
を通じてオリフィスから流入した流体は、弁座及び中間
弁体にて形成される密閉された空間内に充満し、流体排
出口を通じて再び流路へ排出されるので、加熱手段を有
するバイメタルは、流体と直接接触せず、バイメタルか
らの熱の放散が低減されて低消費電力にて可動エレメン
トの駆動が可能となる。
【0060】請求項2に係る発明の半導体マイクロバル
ブは、請求項1の効果に加え、流体排出口を弁座に設け
ることにより、流体の流入及び流出経路を弁座側に集中
できるので、流体の流路設計が簡略化できる。
【0061】請求項3に係る発明の半導体マイクロバル
ブは、請求項1の効果に加えて、流体排出口を中間弁体
に設けることにより、流体排出口の形状を弁座に設ける
場合と比較して小型にできるので、半導体マイクロバル
ブの小型化を図ることができる。
【0062】請求項4に係る発明の半導体マイクロバル
ブは、請求項1乃至3記載のいずれかの効果に加えて、
流体排出口を複数形成することにより、流体は、複数形
成した流体排出口より排出されるので、流体の乱れを抑
制することができ、さらに流体の流量を増加させること
ができる。
【0063】請求項5に係る発明の半導体マイクロバル
ブは、請求項1乃至4記載のいずれかの効果に加えて、
中間弁体を半導体基板により形成することにより、中間
弁体は、アクチュエータと同様の半導体加工技術にて形
成できるので、半導体マイクロバルブの製造工程を簡略
化することができる。
【0064】請求項6に係る発明の半導体マイクロバル
ブは、請求項1乃至4記載のいずれかの効果に加えて、
中間弁体を耐薬品性樹脂薄膜により形成することによ
り、中間弁体は、半導体基板と比較して耐食性や熱絶縁
性に優れるようになり、制御する流体の種類を増加させ
ることができる。
【0065】請求項7に係る発明の半導体マイクロバル
ブは、請求項1乃至6記載のいずれかの効果に加えて、
ダイヤフラムの厚みを少なくとも20μm以下とするこ
とにより、中間弁体は、バイメタルの撓みに伴う可動エ
レメントの変位に対して感度よく応答するので、さらに
低消費電力でバルブの制御が行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る半導体マイク
ロバルブを中央で切断したときの断面斜視図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態に係る半導体マイク
ロバルブを中央で切断したときの断面斜視図である。
【図3】 従来の半導体マイクロバルブを中央で切断し
たときの断面斜視図である。
【図4】 別の従来の半導体マイクロバルブを中央で切
断したときの断面斜視図である。
【符号の説明】
1 弁座 11 オリフィス 12a 流体排出口 12b 流体排出口 2 中間弁体 21 弁蓋 22 ダイヤフラム 23 流体排出口 3 アクチュエータ 30 半導体基板 31 バイメタル 32 可動エレメント 4 中間弁体 40 耐薬品性樹脂体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 仁 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 鎌倉 將有 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 吉田 和司 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 3H057 AA02 BB11 BB32 BB41 CC02 DD12 FA15 FB13 FC02 FD06 HH07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の流入口となるオリフィスを有した
    弁座と、前記オリフィスを開閉する弁蓋を有して前記弁
    座上に設けられる少なくとも1つ以上の中間弁体と、周
    縁部より内方に突設されたバイメタルに連設されて前記
    中間弁体を押圧する可動エレメントを有した前記中間弁
    体上に設けられるアクチュエータと、を備えてなる半導
    体マイクロバルブにおいて、 前記中間弁体は、前記弁蓋を支持して前記弁座と前記ア
    クチュエータとで構成される空間を隔てるダイヤフラム
    を有してなり、前記中間弁体と前記弁座にて形成される
    空間のダイヤフラム面を除く面に流体排出口を設けたこ
    とを特徴とする半導体マイクロバルブ。
  2. 【請求項2】 前記流体排出口は、前記弁座に設けられ
    ている請求項1記載の半導体マイクロバルブ。
  3. 【請求項3】 前記流体排出口は、前記中間弁体に設け
    られている請求項1記載の半導体マイクロバルブ。
  4. 【請求項4】 前記流体排出口が、複数形成されている
    請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体マイクロバル
    ブ。
  5. 【請求項5】 前記中間弁体は、半導体基板により形成
    されている請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体マ
    イクロバルブ。
  6. 【請求項6】 前記中間弁体は、耐薬品性樹脂体により
    形成されている請求項1乃至4のいずれかに記載の半導
    体マイクロバルブ。
  7. 【請求項7】 前記ダイヤフラムの厚みは、少なくとも
    20μm以下である請求項1乃至6のいずれかに記載の
    半導体マイクロバルブ。
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