JP2003120376A - 触媒熱劣化抑制装置 - Google Patents

触媒熱劣化抑制装置

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JP2003120376A
JP2003120376A JP2001310326A JP2001310326A JP2003120376A JP 2003120376 A JP2003120376 A JP 2003120376A JP 2001310326 A JP2001310326 A JP 2001310326A JP 2001310326 A JP2001310326 A JP 2001310326A JP 2003120376 A JP2003120376 A JP 2003120376A
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cylinder pressure
pressure
catalyst
intake manifold
engine
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JP2001310326A
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Yasuki Tamura
保樹 田村
Kazuhito Kawashima
川島  一仁
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Mitsubishi Motors Corp
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Mitsubishi Motors Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 減速燃料カット時において、エンジンブレー
キ力を十分に確保しながら、負圧による燃焼室内へのオ
イル上がりやクランクケース内未燃ガスの逆流を低減し
て触媒コンバータの熱劣化を防止可能な触媒熱劣化抑制
装置を提供する。 【解決手段】 内燃機関の筒内圧を調整する筒内圧調整
手段を備え、減速燃料カット時(S12)、該筒内圧調整手
段は、内燃機関のピストンに外嵌されたピストンリング
のシール力に相関する指標(インマニ圧)を所定範囲内
に制御することにより筒内圧を調整する(S14)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒熱劣化抑制装
置に係り、詳しくは、燃料カット時において、負圧によ
る燃焼室内へのオイル上がりやクランクケース内未燃ガ
スの逆流を低減し、排気系内への未燃成分の排出を抑制
して触媒コンバータの熱劣化を防止する技術に関する。
【0002】
【関連する背景技術】近年、CO2低減(燃料消費量低
減)を図るため、主として車両の減速時に内燃機関への
燃料供給を全気筒または一部気筒について一時的に停止
(燃料カット)する減速燃料カット装置を搭載した車両
が開発され、実用化されている。そして、このような減
速燃料カット装置では、燃料カットを行う際には、エン
ジンブレーキ力を確保するため、スロットル開度を全閉
或いはその近傍に制御するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃料カ
ット時にスロットル開度を全閉或いはその近傍に制御す
るようにすると、内燃機関の燃料カットした気筒の筒内
圧が大きく減少し、ピストンに外嵌されたピストンリン
グのシール力に対抗してオイル上がりやクランクケース
内未燃ガスの逆流が生じ、燃料カットを実施しているに
も拘わらず排気系内に未燃成分(主としてHC)が排出
されるという問題がある。
【0004】このように、燃料カット時において排気系
内に未燃成分が排出されることになると、燃料カットの
実施により排気中には酸素が多く含まれていることか
ら、未燃成分が当該酸素と排気系内や触媒コンバータ内
で反応してしまい、触媒コンバータが図らずも昇温して
しまい好ましいことではない。特に、車両が高速走行状
態から減速するような場合には、排気温度が高く触媒コ
ンバータが高温の状態から減速を行うことになるため、
燃料カット時において上述のように排気系内に未燃成分
が排出されることになると、触媒コンバータが過昇温し
熱劣化して破損してしまうおそれがある。
【0005】そこで、燃料カット時においてスロットル
開度を全閉近傍よりも大きくし、燃焼室へのオイル上が
りやクランクケース内未燃ガスの逆流を防止することが
考えられるが、スロットルを開け過ぎると、一方でエン
ジンブレーキ力を十分に確保できなくなるという問題が
生じる。本発明はこのような問題点を解決するためにな
されたもので、その目的とするところは、減速燃料カッ
ト時において、エンジンブレーキ力を十分に確保しなが
ら、負圧による燃焼室内へのオイル上がりやクランクケ
ース内未燃ガスの逆流を低減して触媒コンバータの熱劣
化を防止可能な触媒熱劣化抑制装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、請求項1の発明では、車両に搭載された内燃機
関の排気通路に設けられ、排気中の有害物質を浄化する
触媒コンバータと、車両が所定の運転状態にあるとき、
内燃機関への燃料供給を停止する燃料噴射制御手段と、
前記燃料噴射制御手段により燃料供給が停止されると
き、内燃機関の筒内圧を調整する筒内圧調整手段とを備
え、前記筒内圧調整手段は、内燃機関のピストンに外嵌
されたピストンリングのシール力に相関する指標を所定
範囲内に制御することにより筒内圧を調整することを特
徴としている。
【0007】従って、燃料噴射制御手段により燃料供給
が停止(燃料カット)されたときには、筒内圧調整手段
により、ピストンリングのシール力に相関する指標が所
定範囲内に制御されて内燃機関の筒内圧が調整され、エ
ンジンブレーキ力を確保しながら、負圧による燃焼室内
へのオイル上がりやクランクケース内未燃ガスの逆流が
低減されて排気系内への未燃成分の排出が抑制される。
【0008】これにより、車両が高速走行状態から減速
するときのように触媒コンバータが高温状態であるとき
に燃料カットを実施した場合であっても、未燃成分が排
気系内或いは触媒コンバータ内で反応してしまうような
ことが抑制され、触媒コンバータが過昇温して熱劣化し
破損することが防止される。また、請求項2の発明で
は、前記シール力に相関する指標はインテークマニホー
ルド内圧力であって、前記筒内圧調整手段は、インテー
クマニホールド内圧力を所定範囲内に制御することによ
り筒内圧を調整することを特徴としている。
【0009】従って、インテークマニホールド内圧力を
所定範囲内に制御することにより筒内圧を容易に調整可
能である。また、請求項3の発明では、前記筒内圧調整
手段は、吸入空気量を変化させることによりインテーク
マニホールド内圧力を所定範囲内に制御することを特徴
としている。
【0010】従って、吸入空気量を変化させることによ
りインテークマニホールド内圧力を所定範囲内に容易に
制御可能である。また、請求項4の発明では、前記筒内
圧調整手段は、インテークマニホールド内圧力が大気圧
に対して−665hPa(−500mmHg)以上となり且つ
内燃機関の回転速度が大きくなるに従い大気圧寄りとな
るように吸入空気量を変化させることを特徴としてい
る。
【0011】従って、燃料噴射制御手段により燃料供給
が停止(燃料カット)されたときには、適切な筒内圧の
もと、負圧による燃焼室内へのオイル上がりやクランク
ケース内未燃ガスの逆流が良好に抑止されることにな
り、排気系内への未燃成分の排出が十分に抑制され、触
媒コンバータの熱劣化による破損が確実に防止される。
また、エンジンブレーキ力は、図1に示すように、内燃
機関の回転速度(エンジン回転速度Ne)が小さいとき
にはスロットル弁を閉じて吸入空気量を制限するとポン
プ損失が増大して大きくなる一方、内燃機関の回転速度
(エンジン回転速度Ne)が大きくなるほどスロットル
弁を開いて吸入空気量を増加させた方がピストンリング
とシリンダライナ間の摩擦力が増大して大きくなること
が知られており、故に、燃料カット時に内燃機関の回転
速度が大きくなるに従ってインテークマニホールド内圧
力が大気圧寄りとなるように吸入空気量を変化させるこ
とで、内燃機関の回転速度に拘わらず常に十分なエンジ
ンブレーキ力が確保される。そして、このようにスロッ
トル弁を開いて吸入空気量を増加させることにより、燃
焼室内へのオイル上がりやクランクケース内未燃ガスの
逆流がさらに良好に抑止される。
【0012】また、請求項5の発明では、前記筒内圧調
整手段は、インテークマニホールド内圧力が大気圧に対
して−600hPa(−450mmHg)乃至−465hPa(−
350mmHg)の範囲内となるように吸入空気量を変化さ
せることを特徴としている。従って、燃料噴射制御手段
により燃料供給が停止(燃料カット)されたときには、
より適切な筒内圧のもと、エンジンブレーキ力を確保し
ながら、負圧による燃焼室内へのオイル上がりやクラン
クケース内未燃ガスの逆流が略完全に抑止され、排気系
内への未燃成分の排出がさらに十分に抑制され、触媒コ
ンバータの熱劣化による破損がより一層確実に防止され
る。
【0013】また、請求項6の発明では、さらに、触媒
コンバータの温度を検出する触媒温度検出手段を備え、
前記筒内圧調整手段は、前記触媒温度検出手段により検
出される触媒温度が所定温度以上であるときに筒内圧を
調整することを特徴としている。従って、燃料カット
時、触媒温度が所定温度以上と比較的高温であるときに
筒内圧が調整されることになり、燃料カット時において
触媒コンバータが過昇温して熱劣化し破損することが確
実に防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。図2を参照すると、本発明に係
る触媒熱劣化抑制装置の概略構成図が示されており、以
下、同図に基づき当該触媒熱劣化抑制装置の構成を説明
する。同図に示すように、内燃機関であるエンジン本体
(以下、単にエンジンという)1としては、燃料噴射モ
ードを切換えることで吸気行程での燃料噴射(吸気行程
噴射)とともに圧縮行程での燃料噴射(圧縮行程噴射)
を実施可能な筒内噴射型火花点火式ガソリンエンジンが
採用される。この筒内噴射型のエンジン1は、容易にし
て理論空燃比(ストイキオ)での運転やリッチ空燃比で
の運転(リッチ空燃比運転)の他、リーン空燃比での運
転(リーン空燃比運転)が実現可能である。
【0015】同図に示すように、エンジン1のシリンダ
ヘッド2には、各気筒毎に点火プラグ4とともに電磁式
の燃料噴射弁6が取り付けられており、これにより、燃
料を燃焼室内に直接噴射可能である。点火プラグ4には
高電圧を出力する点火コイル8が接続されている。ま
た、燃料噴射弁6には、燃料パイプ7を介して燃料タン
クを擁した燃料供給装置(図示せず)が接続されてい
る。より詳しくは、燃料供給装置には、低圧燃料ポンプ
と高圧燃料ポンプとが設けられており、これにより、燃
料タンク内の燃料を燃料噴射弁6に対し低燃圧或いは高
燃圧で供給し、該燃料を燃料噴射弁6から燃焼室内に向
けて所望の燃圧で噴射可能である。
【0016】シリンダヘッド2には、各気筒毎に略直立
方向に吸気ポートが形成されており、各吸気ポートと連
通するようにして吸気マニホールド10の一端がそれぞ
れ接続されている。吸気マニホールド10には、吸入空
気量を調節する電磁式のスロットル弁14及び当該スロ
ットル弁14の開度θthを検出するスロットルポジショ
ンセンサ(TPS)16が設けられている。
【0017】そして、吸気マニホールド10には、吸気
マニホールド10内の空気圧、即ちインテークマニホー
ルド内圧力(インマニ圧)を検出する圧力センサ18が
設けられている。また、シリンダヘッド2には、各気筒
毎に略水平方向に排気ポートが形成されており、各排気
ポートと連通するようにして排気マニホールド20の一
端がそれぞれ接続されている。
【0018】なお、当該筒内噴射型のエンジン1は既に
公知のものであるため、その構成の詳細については説明
を省略する。排気マニホールド20には排気管(排気通
路)22が接続されており、この排気管22には、排気
浄化触媒装置として三元触媒(触媒コンバータ)30が
介装されている。三元触媒30は、担体に活性貴金属と
して銅(Cu)、コバルト(Co)、銀(Ag)、白金
(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)のい
ずれかを有して構成され、HC、COを酸化するととも
にNOxを還元、除去可能に構成された三元触媒であ
る。
【0019】そして、三元触媒30には、当該三元触媒
30の温度を検出する高温センサ(触媒温度検出手段)
32が設けられている。ECU40は、入出力装置、記
憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処
理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えており、当
該ECU40により、エンジン1を含めた触媒熱劣化抑
制装置の総合的な制御が行われる。
【0020】ECU40の入力側には、上述したスロッ
トルポジションセンサ16、圧力センサ18、高温セン
サ32やエンジン1のクランク角度を検出するクランク
角センサ42等の各種センサ類が接続されており、これ
らセンサ類からの検出情報が入力される。なお、クラン
ク角センサ42により検出されるクランク角度からエン
ジン回転速度Neが演算される。
【0021】一方、ECU40の出力側には、上述の燃
料噴射弁6、点火コイル8、スロットル弁14等の各種
出力デバイスが接続されており、これら各種出力デバイ
スには各種センサ類からの検出情報に基づき演算された
燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期、排気流動制御量
等がそれぞれ出力され、これにより、燃料噴射弁6から
適正量の燃料が適正なタイミングで噴射され、点火プラ
グ4により適正なタイミングで火花点火が実施され、適
正なタイミングで適正な開度となるようスロットル弁1
4が開閉操作される。
【0022】また、当該エンジン1では、車両の減速走
行時において燃料供給を停止(減速燃料カット)するこ
とが可能である(燃料噴射制御手段)。詳しくは、エン
ジン1は、運転者がアクセルペダル(図示せず)の踏み
込みを中止し且つエンジン回転速度Neが所定回転速度
以上の場合に燃料噴射弁6からの燃料噴射を停止するよ
うに構成されている。なお、減速燃料カットは、全気筒
について燃料供給を停止してもよいし、一部気筒につい
てのみ燃料供給を停止するようにしてもよい。
【0023】以下、このように構成された本発明に係る
触媒熱劣化抑制装置の作用について説明する。図3を参
照すると、本発明に係る触媒熱劣化抑制制御の制御ルー
チンがフローチャートで示されており、以下同図に沿っ
て説明する。先ず、ステップS10では、触媒温度Tca
tが所定温度T1(触媒により異なるが、例えば800
℃)より大きいか否かを判別する。つまり、高温センサ
32により検出される触媒温度Tcatが所定温度T1より
大か否かを判別する。判別結果が真(Yes)で、車両
が高速走行状態から減速するときのように、触媒温度T
catが所定温度T1よりも大きいような場合には、触媒温
度Tcatが耐熱温度に達し易く、三元触媒30が過昇温
して熱劣化し易い状況と考えられ、この場合にはステッ
プS12に進む。
【0024】ステップS12では、車両が減速走行して
おり、減速燃料カット中であるか否かを判別する。つま
り、燃料噴射弁6からの燃料噴射が停止されているか否
かを判別する。判別結果が真(Yes)で、減速燃料カ
ット中と判定された場合には、ステップS14に進む。
ステップS14では、インマニ圧(ピストンリングのシ
ール力に相関する指標)が大気圧に対して−600hPa
(−450mmHg)乃至−465hPa(−350mmHg)の
範囲内となるようにスロットル開度を制御し、吸入空気
量を変化させる(筒内圧調整手段)。
【0025】即ち、インマニ圧が小さい(負側に大き
い)と、これに比例して筒内圧も小さく、ピストンリン
グとシリンダライナ間のシール力の確保が困難となり、
燃料カット中であっても燃焼室内へのオイル上がりやク
ランクケース内未燃ガスの燃焼室内への逆流が多く発生
して未燃成分(HC等)が排気系に排出されてしまう一
方、インマニ圧が大気圧に近い(負側に小さい)と、エ
ンジンブレーキ力を十分に確保できなくなることから、
ここでは、インマニ圧がオイル上がりやクランクケース
内未燃ガスの逆流を発生させず且つエンジンブレーキ力
を十分に確保可能な最適範囲(−600hPa〜−465h
Pa)となるようにスロットル弁14を制御し、筒内圧を
最適範囲に調整する。
【0026】詳しくは、エンジン1の運転状態(エンジ
ン回転速度、体積効率、正味平均有効圧、吸入空気量、
インマニ圧、排気体積流量、排気質量流量、排気圧、燃
料カット継続時間、あるいはこれらと相関のある指標の
うちの一つ以上)に応じてスロットル開度の最適値が予
めマップ(図示せず)として設定されており、スロット
ル開度は当該マップから読み取られる。
【0027】そして、このように設定されたスロットル
開度は、圧力センサ18からのインマニ圧情報に基づい
てフィードバック制御され、最適範囲に維持される。こ
れにより、減速燃料カットを実施した場合において、エ
ンジンブレーキ力を十分に確保しながら、燃焼室内への
オイル上がりやクランクケース内未燃ガスの燃焼室内へ
の逆流によって生ずる未燃成分の排気系への排出を抑止
して当該未燃成分の排気系内や三元触媒30上での反応
を抑制でき、過昇温による三元触媒30の熱劣化を確実
に防止することができる。
【0028】つまり、図4、5を参照すると、エンジン
回転速度Neが2000rpm及び5000rpmのもとで燃
料カットを行った場合のインマニ圧とHC排出量(a)
及びエンジンブレーキ力(b)との関係が実測値として
示され、図中、最適範囲(−600hPa〜−465hPa)
がそれぞれ斜線で示されているが、インマニ圧を最適範
囲(−600hPa〜−465hPa)に調整することによ
り、このようにHC排出量を低く抑え且つエンジンブレ
ーキ力を十分に確保することが可能となる。
【0029】また、上述したように、エンジンブレーキ
力は、エンジン回転速度Neが小さいときにはスロット
ル弁を閉じてインマニ圧を小さく(負側に大きく)した
方が大きくなる一方、エンジン回転速度Neが大きくな
るほどスロットル弁を開いてインマニ圧を大気圧に近く
(負側に小さく)した方が大きくなるため(図1参
照)、実際には、スロットル開度は、上記最適範囲(−
600hPa〜−465hPa)内においてインマニ圧がエン
ジン回転速度Neに応じた最適値となるように調整され
る。
【0030】つまり、スロットル開度は、エンジン回転
速度Neが小さいときには、図4に矢印で示すようにイ
ンマニ圧が−600hPa(−450mmHg)側となるよう
に調整され、エンジン回転速度Neが大きくなるに従っ
て、図5に矢印で示すようにインマニ圧が−465hPa
(−350mmHg)側にシフトするように調整される。ま
た、このようにエンジン回転速度Neが大きくなるに従
ってインマニ圧を−465hPa(−350mmHg)側にシ
フトさせるようにすると、HC排出量をさらに低下さ
せ、燃焼室内へのオイル上がりやクランクケース内未燃
ガスの逆流をより一層良好に抑止することができること
にもなる。
【0031】これにより、減速燃料カット時において、
エンジン回転速度Neに拘わらず常に十分なエンジンブ
レーキ力を確保しながら、過昇温による三元触媒30の
熱劣化を確実に防止することができる。なお、図5によ
れば、エンジン回転速度Neが大きいときには、インマ
ニ圧を大気圧に近づけるほどHC排出量を低下させ且つ
エンジンブレーキ力を得ることができることになるが、
エンジンブレーキ力が強過ぎると運転者が唐突感を覚え
て運転フィーリングが悪化するため、エンジン回転速度
Neが大きいときであっても、インマニ圧は−465hPa
(−350mmHg)以下の範囲内とされる。これにより、
運転者がエンジンブレーキ力が弱過ぎて空走感を覚える
ことなく、またエンジンブレーキ力が強過ぎて唐突感を
覚えることなく、良好なエンジンブレーキが実現され
る。
【0032】また、ここではインマニ圧の最適範囲を−
600hPa(−450mmHg)乃至−465hPa(−350
mmHg)とし、インマニ圧が当該最適範囲となるようにス
ロットル弁14を制御しているが、図4、5に示すよう
に、実用上はインマニ圧が大気圧に対して−665hPa
(−500mmHg)以上の範囲であればよく、この範囲で
あれば、エンジンブレーキ力をある程度確保しながら未
燃成分の排気系への流出を良好に防止することができ
る。この場合、スロットル開度は、エンジン回転速度N
eが小さいときにはインマニ圧が−665hPa(−500
mmHg)側となるように調整され、エンジン回転速度Ne
が大きくなるに従ってインマニ圧が大気圧側にシフトす
るように調整される。
【0033】上記ステップS10の判別結果が偽(N
o)で、触媒温度Tcatが所定温度T1以下と判定された
場合には、触媒温度Tcatは耐熱温度に達し難く、筒内
圧を調整しなくても、即ちオイル上がりやクランクケー
ス内未燃ガスの逆流があっても、三元触媒30が過昇温
しないような状況と考えられる。従って、この場合には
スロットル開度を調整することなく当該ルーチンを抜け
る。
【0034】また、ステップS12の判別結果が偽(N
o)で、減速燃料カット中でないと判定された場合、即
ち通常制御によって燃料噴射弁6から燃料噴射を行って
いると判定された場合には、燃焼室内で燃料が良好に燃
焼するために排気系に排出される未燃成分及び酸素は少
なく、三元触媒30が過昇温することはないと判断でき
る。従って、この場合にもやはりスロットル開度を調整
することなく当該ルーチンを抜ける。
【0035】以上で説明を終えるが、本発明は上記実施
形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態で
は、減速燃料カット時においてスロットル開度の調整に
よりエンジンブレーキ力を確保することをも考慮してい
るが、排気ブレーキの併用等によりエンジンブレーキ力
が他の手段によって確保できる場合には、上記ステップ
S10、ステップS12の判別を行うことなく、減速燃
料カット時において常にスロットル開度を全開側に調整
してインマニ圧を大気圧寄りに制御するのがよく、この
ようにすればオイル上がりやクランクケース内未燃ガス
の逆流を略完全に排除できる。
【0036】また、上記実施形態では、インマニ圧を圧
力センサ18によって検出してスロットル開度をフィー
ドバック制御するようにしたが、吸気マニホールド10
内の空気温度を検出する温度センサを設け、当該吸気マ
ニホールド10内の空気温度からインマニ圧を推定して
スロットル開度のフィードバック制御を行うようにして
もよい。
【0037】また、上記実施形態では、触媒温度を高温
センサ32によって直接検出するようにしたが、エンジ
ン1の運転状態(エンジン回転速度、体積効率、正味平
均有効圧、排気温度、吸入空気量、マニホールド圧、排
気流量、排気圧、経過時間等)に基づいて触媒温度を推
定するようにしてもよい。また、上記実施形態では、エ
ンジン1として筒内噴射型ガソリンエンジンを用いるよ
うにしたが、エンジン1は吸気管噴射型ガソリンエンジ
ンであってもよい。
【0038】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の請
求項1の触媒熱劣化抑制装置によれば、燃料噴射制御手
段により燃料供給が停止(燃料カット)されたときに
は、筒内圧調整手段により、ピストンリングのシール力
に相関する指標を所定範囲内に制御して内燃機関の筒内
圧を調整するので、エンジンブレーキ力を確保しなが
ら、負圧による燃焼室内へのオイル上がりやクランクケ
ース内未燃ガスの逆流を低減し、排気系内への未燃成分
の排出を抑制することができる。故に、車両が高速走行
状態から減速するときのように触媒コンバータが高温状
態であるときに燃料カットを実施した場合であっても、
未燃成分が排気系内或いは触媒コンバータ内で反応して
しまうことを抑制でき、触媒コンバータが過昇温して熱
劣化し破損することを防止できる。
【0039】また、請求項2の触媒熱劣化抑制装置によ
れば、筒内圧調整手段は、インテークマニホールド内圧
力を所定範囲内に制御することにより筒内圧を調整する
ので、インテークマニホールド内圧力を制御することに
よって筒内圧を容易に調整することができる。また、請
求項3の触媒熱劣化抑制装置によれば、筒内圧調整手段
は、吸入空気量を変化させることによりインテークマニ
ホールド内圧力を所定範囲内に制御するので、吸入空気
量を調整することによってインテークマニホールド内圧
力を所定範囲内に容易に制御することができる。
【0040】また、請求項4の触媒熱劣化抑制装置によ
れば、燃料噴射制御手段により燃料供給が停止(燃料カ
ット)されたときには、インテークマニホールド内圧力
を大気圧に対して−665hPa以上とするので、適切な
筒内圧のもと、負圧による燃焼室内へのオイル上がりや
クランクケース内未燃ガスの逆流を良好に抑止して排気
系内への未燃成分の排出を十分に抑制でき、触媒コンバ
ータの熱劣化による破損を確実に防止することができ
る。
【0041】また、燃料カット時において、インテーク
マニホールド内圧力を内燃機関の回転速度が大きくなる
に従い大気圧寄りとなるように吸入空気量を変化させる
ので、内燃機関の回転速度に拘わらず常に十分なエンジ
ンブレーキ力を確保できるとともに、燃焼室内へのオイ
ル上がりやクランクケース内未燃ガスの逆流をさらに良
好に抑止することができる。
【0042】また、請求項5の触媒熱劣化抑制装置によ
れば、燃料噴射制御手段により燃料供給が停止(燃料カ
ット)されたときには、インテークマニホールド内圧力
が大気圧に対して−600hPa乃至−465hPaの範囲内
となるようにするので、より適切な筒内圧のもと、エン
ジンブレーキ力を確保しながら、負圧による燃焼室内へ
のオイル上がりやクランクケース内未燃ガスの逆流を略
完全に抑止して排気系内への未燃成分の排出をさらに十
分に抑制でき、触媒コンバータの熱劣化による破損をよ
り一層確実に防止することができる。
【0043】また、請求項6の触媒熱劣化抑制装置によ
れば、燃料カット時、触媒温度が所定温度以上と比較的
高温であるときに筒内圧を調整するので、燃料カット時
において触媒コンバータが過昇温して熱劣化し破損する
ことを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の回転速度(エンジン回転速度Ne)
とエンジンブレーキ力との関係をスロットル全開の場合
及びスロットル全閉の場合について示した図である。
【図2】本発明に係る触媒熱劣化抑制装置の概略構成図
である。
【図3】本発明に係る触媒熱劣化抑制制御の制御ルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図4】エンジン回転速度Neが2000rpmのもとで燃
料カットを行った場合のインマニ圧とHC排出量(a)
及びエンジンブレーキ力(b)との関係を示す実測値で
ある。
【図5】エンジン回転速度Neが5000rpmのもとで燃
料カットを行った場合のインマニ圧とHC排出量(a)
及びエンジンブレーキ力(b)との関係を示す実測値で
ある。
【符号の説明】
1 エンジン本体 6 燃料噴射弁 12 排気マニホールド 14 スロットル弁 18 圧力センサ 20 排気管 30 三元触媒(触媒コンバータ) 32 高温センサ(触媒温度検出手段) 40 ECU(電子コントロールユニット) 42 クランク角センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 29/02 341 F02D 29/02 341 45/00 312 45/00 312R Fターム(参考) 3G065 AA04 CA00 CA12 DA04 DA15 EA05 FA05 GA01 GA08 GA10 GA41 HA06 HA21 HA22 KA02 3G084 BA05 BA13 CA06 DA10 DA16 EA11 EB12 FA10 FA11 FA13 FA18 FA27 3G091 AA17 AB01 BA07 BA08 CB02 DA10 EA05 EA06 EA07 EA08 EA18 FA19 3G093 BA17 BA19 BA20 CB07 DA03 DA06 DA09 EA09 FA04 3G301 HA01 JA02 JA21 JA33 KA16 KA26 LA01 LB01 ND04 NE03 PA07A PA11Z PB03A PC02A PD12Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載された内燃機関の排気通路に
    設けられ、排気中の有害物質を浄化する触媒コンバータ
    と、 車両が所定の運転状態にあるとき、内燃機関への燃料供
    給を停止する燃料噴射制御手段と、 前記燃料噴射制御手段により燃料供給が停止されると
    き、内燃機関の筒内圧を調整する筒内圧調整手段とを備
    え、 前記筒内圧調整手段は、内燃機関のピストンに外嵌され
    たピストンリングのシール力に相関する指標を所定範囲
    内に制御することにより筒内圧を調整することを特徴と
    する触媒熱劣化抑制装置。
  2. 【請求項2】 前記シール力に相関する指標はインテー
    クマニホールド内圧力であって、前記筒内圧調整手段
    は、インテークマニホールド内圧力を所定範囲内に制御
    することにより筒内圧を調整することを特徴とする、請
    求項1記載の触媒熱劣化抑制装置。
  3. 【請求項3】 前記筒内圧調整手段は、吸入空気量を変
    化させることによりインテークマニホールド内圧力を所
    定範囲内に制御することを特徴とする、請求項2記載の
    触媒熱劣化抑制装置。
  4. 【請求項4】 前記筒内圧調整手段は、インテークマニ
    ホールド内圧力が大気圧に対して−665hPa以上とな
    り且つ内燃機関の回転速度が大きくなるに従い大気圧寄
    りとなるように吸入空気量を変化させることを特徴とす
    る、請求項3記載の触媒熱劣化抑制装置。
  5. 【請求項5】 前記筒内圧調整手段は、インテークマニ
    ホールド内圧力が大気圧に対して−600hPa乃至−4
    65hPaの範囲内となるように吸入空気量を変化させる
    ことを特徴とする、請求項4記載の触媒熱劣化抑制装
    置。
  6. 【請求項6】 さらに、触媒コンバータの温度を検出す
    る触媒温度検出手段を備え、 前記筒内圧調整手段は、前記触媒温度検出手段により検
    出される触媒温度が所定温度以上であるときに筒内圧を
    調整することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか
    記載の触媒熱劣化抑制装置。
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