JP2003119647A - 難燃性及び抗菌性を有するポリエステル布帛及びその染色加工方法 - Google Patents

難燃性及び抗菌性を有するポリエステル布帛及びその染色加工方法

Info

Publication number
JP2003119647A
JP2003119647A JP2001313046A JP2001313046A JP2003119647A JP 2003119647 A JP2003119647 A JP 2003119647A JP 2001313046 A JP2001313046 A JP 2001313046A JP 2001313046 A JP2001313046 A JP 2001313046A JP 2003119647 A JP2003119647 A JP 2003119647A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dyeing
antibacterial
flame
polyester
fabric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001313046A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3862063B2 (ja
Inventor
Akihiro Nishida
右広 西田
Yoshihiro Matsui
美弘 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2001313046A priority Critical patent/JP3862063B2/ja
Publication of JP2003119647A publication Critical patent/JP2003119647A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3862063B2 publication Critical patent/JP3862063B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Coloring (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明では難燃性と抗菌性を付与するために染
色加工工程における後加工剤の処理なしに実現し得るポ
リエステル布帛を提供することを課題とするものである 【解決手段】 原子換算でリン原子を500〜5000
0ppm含有してなり、ホスファフェナンスレン環を含む
共重合ポリエステル繊維を少なくとも一部に含む織編物
であり、また織編物加工工程に於いてpH=8〜10の
水素イオン濃度にて処理温度100℃以上の高圧条件で
染色を施すことを特徴とする難燃性及び抗菌性を有する
ポリエステル布帛の染色加工方法である。さらに、エチ
レンジアミン四酢酸(EDTA)或いはその誘導体を染
浴中に処方することを特徴とする難燃性及び抗菌性を有
するポリエステル布帛の染色加工方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は難燃性及び抗菌性を有するポリエステル布帛及
びその製造方法に関するものであり、更に詳しくにはカ
ーテン、椅子張り、ベッドカバー、壁紙等の生活資材用
途に適した難燃性、抗菌性を有するポリエステル布帛と
その製造方法であり、染色工程での後加工難燃剤、後加
工抗菌剤処理による該性能付与ではなく、原料であるポ
リマー段階から共重合させた繊維であるため、耐久性に
優れる等の利点を有するものである。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難燃性及び抗菌性を
有するポリエステル布帛に関するものであり、更に詳し
くにはカーテン、ベッドカバー、クッション、椅子張り
地、壁紙材等の生活資材用途に好適なポリエステル布帛
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からカーテン、椅子張り、ベットカ
バー他のインテリア用途に於いては難燃性を強く要望さ
れており、特に公共団体の施設備品用途として難燃製品
が多数上市、展開されている。また昨今では難燃性に加
えて抗菌性を付与し、より広範囲に展開することも考え
られている。これら諸性能の付与は主に染色同時吸尽法
やパディング法など後加工によるものが大多数を占め
る。後加工による諸性能付与はその性能が一次的なもの
である場合が多く洗濯耐久性に乏しく、更には染色加工
排液について環境負荷が大きいことが難点となってい
る。
【0003】また後加工難燃剤としてはヘキサブロモシ
クロドデカンなどのハロゲン化シクロアルカン化合物を
難燃成分とするものが一般的であるが、地球環境保護や
生活環境保護の観点から非ハロゲン化合物による難燃素
材の要望が非常に強く、特に環境保全の問題から焼却時
にもハロゲンなどの有害ガスや残サが発生しない難燃素
材の要求が極めて高い。更に抗菌剤については練り込み
ではゼオライト−銀系、後加工ではキチンキトサン誘導
体や第四級アンモニウム塩等が主体であるが、前者及び
後者とも薬剤コストが割高であり、特に後者は後加工難
燃処理と同様、未反応・未吸尽の薬剤を系外に排出する
為、生活環境保護の観点からは好ましくなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明では難燃性と抗
菌性を付与するために染色加工工程における後加工剤の
処理なしに実現し得るポリエステル布帛を提供すること
を課題とするものであり、更にはホスファフェナンスレ
ン環を有する共重合ポリエステルを少なくとも一部に用
いた織編物について従来の染色工程の工程数を増加させ
ることなく、然も環境負荷の少ない処理にて恒久的な難
燃性と抗菌性を布帛に付与する染色加工方法の提供を課
題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の構成より
なる。原子換算でリン原子を500〜50000ppm含
有してなり、ホスファフェナンスレン環を含む共重合ポ
リエステル繊維を少なくとも一部に含む織編物であり、
下記抗菌性能を有することを特徴とする難燃性及び抗菌
性を有するポリエステル布帛からなる。ここで、抗菌性
とは、抗菌防臭加工製品の評価試験マニュアル・菌数測
定法(繊維製品衛生加工協議会;現・繊維製品新機能評
価協議会,昭和63年)による菌数増減値差が1.6以
上を意味する。
【0006】また織編物加工工程に於いてpH=8〜1
0の水素イオン濃度にて処理温度100℃以上の高圧条
件で染色を施すことを特徴とする難燃性及び抗菌性を有
するポリエステル布帛の染色加工方法であり、エチレン
ジアミン四酢酸(EDTA)或いはその誘導体を染浴中
に処方することを特徴とする難燃性及び抗菌性を有する
ポリエステル布帛の染色加工方法であり、織編物加工工
程に於いて布帛構造物にアルカリ減量処理を実施する難
燃性及び抗菌性を有するポリエステル布帛の染色加工方
法を提供する。
【発明の実施の形態】
【0007】本発明のポリエステル布帛に使用する共重
合ポリエステル繊維は原子換算でリン原子を500〜5
0000ppm含有する必要がある。該リン原子含有量が
500ppm未満であると適度な難燃性を与えることが出
来ず、50000ppmを超過する範囲となると難燃性能
は向上するが、紡糸糸切れなどの紡糸操業性を低下させ
る他、糸条強度的に一般消費性能を満たすものには仕上
らず好ましい範囲ではない。
【0008】また、本発明のポリエステル布帛に使用す
る共重合ポリエステルはホスファフェナンスレン環を有
することが必要であり、好ましくは[式2]の一般式で
示される化合物を共重合していることが好ましい。
【0009】
【化2】 (式中、R1は1価のエステル形成性官能基であり、R
2、R3は同じか或いは異なる基であり、それぞれハロゲ
ン原子、炭素数1〜10個の炭化水素基、R1より選ば
れ、Aは2価又は3価の有機残基を表す。また、n1は
1又は2であり、n2、n3はそれぞれ0〜4の整数を表
す。)
【0010】本発明の布帛は抗菌性を付与する為に染色
工程に於ける染浴中の水素イオン濃度pHを8〜10の
アルカリサイドとすることが必要である。通常、分散染
料による高圧染色では粗製酢酸や酢酸ソーダを処方し酸
性サイドで染色処理を実施するが、この場合は抗菌性を
布帛に与えることが出来ない。染浴をアルカリサイドに
するにはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)のような
ポリアミノカルボン酸類及びその関連化合物、第二リン
酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸
ナトリウム、等が硬水軟化も兼ねて使用出来る。
【0011】その内、エチレンジアミン四酢酸(EDT
A)或いはその誘導体は硬水中の金属イオンを安定的な
水溶性キレート錯体とし硬水軟化させる効果があり、染
色性を向上させるにも効果的である。またエチレンジア
ミン等と比較し弱アルカリである為に染浴中のpHコン
トロールがし易く、リン系化合物が排水富栄養に起因す
る公害の対象物質となっており使用を制限されている観
点から、特に好ましく使用される。染浴中のpHについ
ては8〜10の範囲であることが必要である。フォスフ
ァフェナンスレン環を有する共重合ポリエステルにアル
カリ処理することによって抗菌性が得られるメカニズム
は現在のところ解明には至っていないが、驚くべきこと
に発明者らが鋭意検討を繰り返した結果、適度な抗菌特
性を有することが確認された。
【0012】pHが10を超過する範囲では分散染料の
分解が生じ始める為に色調のリピート性が得難い上、染
色堅牢度が低下してしまい好ましくない。またpHが8
未満であると上記フォスファフェナンスレン環を有する
共重合ポリエステルに与える抗菌特性が満足なものには
ならない。染色及び抗菌性能両者の観点からより好適と
考えられる水素イオン濃度pHの範囲は8.5〜10.
0である。
【0013】布帛については織物、編物、不織布など形
態を規定するものではなく、2次元乃至3次元構造物と
して形をなしているものであれば何れをも含む。染色に
於いてはポリエステル短繊維、ポリエステル長繊維から
なる従来の布帛に用いる、市販の機種を使用することが
可能であるが、十分な難燃性能を与えるには紡糸油剤及
び糊剤等を布帛構造物から排除することが必要である。
また、用途に応じて後加工剤の併用も可能であるが、難
燃性能や抗菌性能に悪影響を及ぼす薬剤の選定は望まし
くなく、十分考慮する必要がある。
【0014】布帛に十分な難燃性を与える為には染色前
に紡糸油剤、糊剤、オリゴマー成分その他夾雑物を精練
リラックス工程で除去することが必要である。精練リラ
ックス工程における機種としては高圧ロータリーワッシ
ャー、液流リラクサー等、特に限定されるものではな
く、市販の機種を使用することが出来る。精練温度とし
ては浴温として100〜130℃程度の高圧条件が好適
である。精練リラックスは苛性ソーダ、ハイドロサルフ
ァイトナトリウム、ノニオン系界面活性剤等を適当量処
方して実施するが、シリコン系消泡剤の使用は難燃性を
阻害するため、使用に適さない。
【0015】本発明の布帛は分散染料による100℃以
上の高圧染色で染色することが出来る。染色温度として
より好ましくは120℃以上、更に好ましくは130℃
以上である。100℃未満の染色温度では完全吸尽に至
る迄の時間が掛り過ぎる他、染色堅牢度や染品位の観点
からも好適であるとは言えない。染色における浴比につ
いては使用する染色機の機種や染法によって異なる為、
特に規定されるものではないが、従来の液流染色機の使
用を想定すると浴比としては被染物:染浴容量=1:7
〜1:15程度が好ましく用いられる。
【0016】染色加工後に未吸尽の染料、染色助剤を除
去する為、苛性ソーダ、ハイドロサルファイトナトリウ
ム、ノニオン系界面活性剤等を適当量処方した水溶液中
に被染物(布帛)を投入し浴温80℃〜90℃で30〜
60分程度の還元洗浄した後に排液し、湯洗いを繰り返
した後、脱水、スカッチャによる拡布を実施し乾燥した
後、ヒートセッターにより仕上げセットを施す。仕上げ
セット温度も特に限定を加えないが乾熱150〜170
℃でセットを実施することが染色堅牢度を考慮すると好
ましい。
【0017】使用する染色機については特に限定を加え
るものではなく、市販の液流染色機(ジェット染色
機)、ジッカー染色機、ウインス染色機、低浴比の気流
染色機などを使用することが出来るが、高圧染色に耐え
得る仕様のものを用いることが望ましい。本発明にて使
用するフォスファフェナンスレン環を有する共重合ポリ
エステル繊維は分子構造的に嵩高く、分子回転が阻害さ
れている他、分子間空隙がポリエチレンテレフタレート
ホモポリマーからなる繊維対比で大きいものとなってい
る為に、100℃未満の常圧領域でも染色可能である
が、鮮明色が得られないばかりか染色堅牢度も良好なも
のとならず好ましいものにはならない。
【0018】防汚加工剤などの仕上剤や精練剤について
は原糸の難燃性を阻害しない化合物を選定することが望
ましく、特に限定を加えるものではないが例示すると柔
軟剤としては高松油脂社製EX−200、防汚加工剤と
して高松油脂社製SR−1000などが好適に用いられ
る。また、用途展開として車両内装材やカーシート材な
どへは耐光堅牢性を向上させる為に日華化学社製サンラ
イフLP−200に代表される紫外線吸収剤を染色同浴
吸尽処方にて付与することが好ましい。
【0019】本発明の布帛は用途や意匠性等、必要に応
じてエアー交絡処理、高圧流体撹乱処理、仮撚加工、交
撚・合撚その他撚糸を共重合ポリエステル繊維糸条に施
した後、布帛構造物を構成してもよい。また、共重合ポ
リエステル繊維は長繊維の形態のみならず短繊維の形態
であってもよく、オープンエンド紡績糸、リング紡績
糸、結束紡績等各種紡績糸の形態、ドラフト及び複合方
法を調整した紡績スラブ糸その他、形態は特に規定され
るものではなく何れの形態も含まれる。
【0020】更に布帛の風合いに応じて水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の水溶液によるアルカリ減量加工
によって、ポリエステルを加水分解させ風合いをソフト
にさせることも可能である。処理方法についてはパッド
スチームキュア法等の連続加工法、吊り減量や液流減量
等のバッチ加工法の何れであってもよい。減量完了後は
加水分解されたポリエステルダイマー、トリマー等の不
純物を湯洗い、水洗いを繰り返して十分に除去すること
が望ましい。
【0021】抗菌性能評価については抗菌防臭加工製品
の評価試験マニュアル・菌数測定法(繊維製品衛生加工
協議会;現・繊維製品新機能評価協議会,昭和63年)
に準拠した方法で評価するものであり、黄色ブドウ球菌
の菌数増減値差を求めるものである。菌数増減値差が
1.6を超過すれば合格であり、1.6未満であれば性
能的に不満足なものとなり、抗菌製品として認定される
ものにはならない。菌数増減値差については特に上限を
定めるものではないが、測定範囲上限値が4〜5近辺で
あり、好適と考えられる数値としては2〜4である。測
定範囲上限値程度の高度抗菌性を欲する場合には染色同
浴吸尽法、パディング法、サーモゾール法等による後加
工抗菌剤付与を併用しても構わない。
【0022】[実施例]以下、実施例に従い本発明を更
に詳細に説明する。いうまでもないが本発明は以下の実
施例に何等限定されるものではない。
【0023】尚、本文中及び実施例中の特性値、物性値
は以下の測定方法に基づいて測定される。 [染浴中の水素イオン濃度]平間理化研究所社製染色液
コントローラPPC−8A型を染色オンラインで評価す
る為に熱交換器の配管手前で検出出来るように設置し染
液100℃±5℃条件における水素イオン濃度を直読し
た。
【0024】[製品布帛の水素イオン濃度]布帛試料を
0.3g採取し20ml蒸留水中に浸漬し、20℃環境
下にて2時間経過後の水溶液に対する水素イオン濃度に
ついて堀場製作所社製pHメーターF−21型を使用し
水溶液温度20℃の条件で数値を直読した。
【0025】[難燃性能]1999年度版JIS L−
1091 A−1法(45°ミクロバーナー法)に従
い、1分加熱及び着炎後3秒加熱の燃焼面積(c
2)、残炎時間(秒)、残塵時間(秒)を評価する。
更に財団法人 日本防炎協会 防炎製品認定委員会発行の
防炎製品の性能試験基準(平成11年1月1日改正)第
1 寝具類−2防炎性能試験.1.(1).に記載の
コイル法に従い評価した。尚、布帛試料の洗濯方法(水
洗い洗濯、ドライクリーニング)はそれぞれJIS L
−1018の8.58.4b)6.2のF−2法、JI
S L−1018の8.58.4b)5.2)のE−2
法に準じて実施し、洗濯初期及び水洗い洗濯5回、ドラ
イクリーニング5回後の難燃性能(残炎時間、残塵時
間、燃焼面積)を評価する。
【0026】[抗菌性能]抗菌防臭加工製品の評価試験
マニュアル・菌数測定法(繊維製品衛生加工協議会;現
・繊維製品新機能評価協議会,昭和63年)により、滅
菌した液体ブイヨンに黄色ブドウ球菌(Staphyl
ococcus aureus FDA209P)を懸
濁させ、この液を0.2gの試験片上に0.2ml接種
(菌数は約10万個)し、37℃×18時間培養後に取
り出す。培養前後の試験片上の生菌数を測定し、次の計
算式によって菌数増減値差を求めた。該菌数増減値差が
1.6を超過すれば合格となる。 菌数増減値=log10(18時間培養後の試験片上の
生菌数)―log10(培養直前の生菌数) 菌数増減値差=標準試料の菌数増減値―抗菌試料の菌数
増減値
【0027】[実施例1]フォスファフェナンスレン環
を有し、リン原子含有量が原子換算で5500ppmであ
る共重合ポリエステルを溶融紡糸し、120デシテック
ス48フィラメントの丸断面セミダル部分配向糸A(P
OY)及び240デシテックス48フィラメントの丸断
面セミダル部分配向糸B(POY)を得た。これら部分
配向糸A、Bに延伸仮撚加工を施し、それぞれ84デシ
テックス48フィラメント、167デシテックス48フ
ィラメントの仮撚加工糸とした。
【0028】部分配向糸A(POY)を使用して得られ
た84デシテックス48フィラメントの共重合ポリエス
テルマルチフィラメント仮撚加工糸にS方向400回/
mの実撚を挿入した後、経糸ビームに巻き取った。また
緯糸として部分配向糸B(POY)を使用して得られた
167デシテックス48フィラメントの共重合ポリエス
テルマルチフィラメント仮撚加工糸を無撚の形態で打ち
込み、エアージェットルームを使用し七枚朱子(右上り
2飛び6/1サテン)に製織し、織物生機を得た。
【0029】得られた生機をニッセン社製ソフサーを用
いて前浴60℃、処理温度90℃で湿熱前処理を施した
後、ソーダ灰、ノニオン系界面活性剤を適当量溶解し、
日阪製作所社製サーキュラー液流リラクサーによる精練
リラックス処理を最高到達点温度110℃で実施、排液
後に湯洗を十分に実施し、夾雑物その他を除去した後に
表面温度130℃のシリンダードライヤーで乾燥処理し
た。次いで日阪製作所社製サーキュラー液流染色機を使
用し分散染料による130℃高圧染色を実施した。浴比
は1:10であり、染浴中にエチレンジアミン四酢酸
(EDTA)を添加して水素イオン濃度pH=9.2の
アルカリサイドで行った。詳細条件及び物性値測定結果
を表1、表2に示した。難燃性及びマイルドな抗菌性を
有する布帛が得られ、カーテンその他用途に適したもの
に仕上がった。
【0030】[実施例2]フォスファフェナンスレン環
を有し、リン原子含有量が原子換算で5500ppmであ
る共重合ポリエステルを溶融紡糸し、120デシテック
ス48フィラメントの丸断面セミダル部分配向糸A(P
OY)を得た。引き続き延伸撚糸機を使用し、延伸処理
を実施しして84デシテックス48フィラメントの延伸
糸(FOY)とした。該延伸糸について経糸用にはS撚
及びZ撚方向に1000T/mの実撚を挿入、緯糸用に
は該延伸糸にS撚及びZ撚方向に2500T/mの実撚
を挿入し、80℃×40分の条件で撚り止めセットを施
した後、レピアルームにて五枚経朱子(右上り2飛び4
/1サテン)に製織、経糸及び緯糸がS撚、Z撚2本交
互の配列で織物生機を得た。
【0031】染浴中にエチレンジアミン四酢酸(EDT
A)を添加して水素イオン濃度pH=9.0のアルカリ
サイドにして染色した他は実施例1同様の方法で染色加
工布を得た。詳細条件及び物性値測定結果を表1、表2
に示す。実施例1同様、難燃性及びマイルドな抗菌性を
有する布帛が得られ、カーテンやクッション材その他用
途に適したものに仕上がった。
【0032】[実施例3]フォスファフェナンスレン環
を有し、リン原子含有量が原子換算で5500ppmであ
る共重合ポリエステルを溶融紡糸し、120デシテック
ス24フィラメントの丸断面セミダル部分配向糸A(P
OY)を得た。引き続き延伸撚糸機を使用し、延伸処理
を実施しして84デシテックス24フィラメントの延伸
糸(FOY)とした。該延伸糸についてS撚及びZ撚方
向に2000T/mの実撚を挿入、80℃×40分の条
件で撚り止めセットを施し、レピアルームにて梨地組織
(一完全;経120本×緯120本)に製織、経糸及び
緯糸がS撚、Z撚2本交互の配列で織物生機を得た。
【0033】得られた生機をニッセン社製ソフサーを用
いて前浴60℃、処理温度90℃で湿熱前処理を施した
後、ソーダ灰、ノニオン系界面活性剤を適当量溶解し、
日阪製作所社製サーキュラー液流リラクサーによる精練
リラックス処理を最高到達点温度120℃で実施、排液
後に湯洗を十分に実施し、夾雑物その他を除去した後に
表面温度130℃のシリンダードライヤーで乾燥処理
し、次いでヒートセッターで乾熱180℃×2分間の生
地セットを実施した。
【0034】引き続き、生地を連続減量機にてパッドス
チーム法による減量を減量率8%条件で実施し、十分湯
洗し乾燥させた後に日阪製作所社製サーキュラー液流染
色機を使用し分散染料による130℃高圧染色を実施し
た。浴比は1:10であり、染浴中にエチレンジアミン
四酢酸(EDTA)を添加して水素イオン濃度pH=
8.7のアルカリサイドで行った。詳細条件及び物性値
測定結果を表1、表2に示した。難燃性及びマイルドな
抗菌性を有する布帛が得られ、ベッドカバー、テーブル
クロスその他用途に適したものに仕上がった。
【0035】[比較例1]染浴中の水素イオン濃度pH
=5.9とした他は実施例1同様の方法にて染色加工布
を得た。詳細条件及び物性測定結果を表1、表2に示し
た。難燃性は認められるが、抗菌性は不合格となった。
【0036】[比較例2]染浴中の水素イオン濃度pH
=5.7とした他は実施例3同様の方法にて染色加工布
を得た。詳細条件及び物性測定結果を表1、表2に示し
た。難燃性は認められるが、抗菌性は不合格となった。
【0037】[比較例3]ポリエチレンテレフタレート
セミダルレジン(固有粘度[η]=0.63)を溶融紡糸
し、122デシテックス48フィラメントの丸断面部分
配向糸A(POY)を得た。引き続き延伸撚糸機を使用
し、延伸処理を実施しして84デシテックス48フィラ
メントの延伸糸(FOY)とした。該延伸糸についてS
撚方向に400T/mの実撚を挿入し経糸ビームに巻き
取った。緯糸にはポリエチレンテレフタレートセミダル
500デニール96フィラメントの丸断面部分配向糸を
延伸仮撚し、335デシテックス96フィラメントのポ
リエステル仮撚加工糸としたものを用い、七枚朱子組織
(右上り2飛び6/1サテン)の織物生機を得た。使用
した織機はレピアルームである。
【0038】得られた生機をニッセン社製ソフサーを用
いて前浴60℃、処理温度90℃で湿熱前処理を施した
後、ソーダ灰、ノニオン系界面活性剤を適当量溶解し、
日阪製作所社製サーキュラー液流リラクサーによる精練
リラックス処理を最高到達点温度110℃で実施、排液
後に湯洗を十分に実施し、夾雑物その他を除去した後に
表面温度130℃のシリンダードライヤーで乾燥処理し
た。次いで日阪製作所社製サーキュラー液流染色機を使
用し分散染料による130℃高圧染色を実施した。染浴
中には染色同時吸尽法にて難燃加工剤、及び抗菌加工剤
を適用し、後加工難燃・抗菌処理を施した。詳細条件及
び物性測定結果を表1、表2に示した。適度な難燃性、
抗菌性を有するものに仕上ったが、水洗濯、ドライクリ
ーニングにおける耐久性に問題があり、繰り返し使用に
耐えるものにはならなかった。また高価な難燃剤、抗菌
剤を処方する為に加工工賃増加や鮮明な色調が得難いな
どの問題を含むものであった。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【00041】
【発明の効果】上述の如く、本発明によると難燃性及び
抗菌性を併せ持ったポリエステル布帛を得ることが可能
となり、特にカーテン、テーブルクロス、ベッドカバ
ー、壁紙材、クッション等の生活資材用途に好適な素材
となる。また、従来の難燃後加工素材、抗菌後加工素材
では洗濯耐久性に乏しく、劇場やホテル等の公共用途に
は好適とは言えなかったが、本発明によると難燃性能及
び抗菌性能は洗濯を繰り返し実施しても保持するもので
あり、後加工によって難燃剤、抗菌剤処理を実施しない
ために環境に及ぼす負荷も小さく、経済的且つ効率よく
性能を付与することが出来る。また燃焼に至る場合も従
来の後加工難燃布帛のようなハロゲンガス、ハロゲン化
水素ガス、シアンガス等の有害ガス発生の問題がないな
どの効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/00 C08L 67/00 D01F 6/84 306 D01F 6/84 306A D06M 11/38 D06M 5/02 E Fターム(参考) 4H011 AA02 BA01 BB17 BC19 DA10 DC11 DD07 DH04 4J002 CF151 EW136 FD136 GK01 4L031 AA18 AB32 AB33 BA11 CA01 DA01 DA05 DA16 4L035 BB31 EE11 EE14 FF04 FF07 4L048 AA00 AA21 AA46 AA47 AA53 AA56 AB07 AB21 AC00 AC14 BA01 BA02 CA00 CA06 DA13 DA16 DA19 EA01 EB00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子換算でリン原子を500〜5000
    0ppm含有してなり、ホスファフェナンスレン環を有す
    る共重合ポリエステル繊維を少なくとも一部に含む織編
    物であり、下記抗菌性能を有することを特徴とする難燃
    性及び抗菌性を有するポリエステル布帛。抗菌防臭加工
    製品の評価試験マニュアル・菌数測定法(繊維製品衛生
    加工協議会;現・繊維製品新機能評価協議会,昭和63
    年)による菌数増減値差が1.6以上。
  2. 【請求項2】 共重合ポリエステル繊維が[化1]に示
    されるリン化合物を添加して得られる共重合ポリエステ
    ルを使用してなる繊維である特許請求の範囲第1項記載
    の難燃性及び抗菌性を有するポリエステル布帛。 【化1】 (式中、R1は1価のエステル形成性官能基であり、R
    2、R3は同じか或いは異なる基であり、それぞれハロゲ
    ン原子、炭素数1〜10個の炭化水素基、R1より選ば
    れ、Aは2価又は3価の有機残基を表す。また、n1は
    1又は2であり、n2、n3はそれぞれ0〜4の整数を表
    す。)
  3. 【請求項3】 織編物加工工程に於いてpH=8〜10
    の水素イオン濃度にて処理温度100℃以上の高圧条件
    で染色を施すことを特徴とする難燃性及び抗菌性を有す
    る請求項1乃至2のいずれかに記載のポリエステル布帛
    の染色加工方法。
  4. 【請求項4】 エチレンジアミン四酢酸(EDTA)或
    いはその誘導体を染浴中に処方することを特徴とする請
    求項3記載の難燃性及び抗菌性を有するポリエステル布
    帛の染色加工方法。
  5. 【請求項5】 織編物加工工程に於いて布帛構造物にア
    ルカリ減量処理を実施する特許請求の範囲第3項又は第
    4項記載の難燃性及び抗菌性を有するポリエステル布帛
    の染色加工方法。
JP2001313046A 2001-10-10 2001-10-10 難燃性及び抗菌性を有するポリエステル布帛の染色加工方法 Expired - Fee Related JP3862063B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001313046A JP3862063B2 (ja) 2001-10-10 2001-10-10 難燃性及び抗菌性を有するポリエステル布帛の染色加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001313046A JP3862063B2 (ja) 2001-10-10 2001-10-10 難燃性及び抗菌性を有するポリエステル布帛の染色加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003119647A true JP2003119647A (ja) 2003-04-23
JP3862063B2 JP3862063B2 (ja) 2006-12-27

Family

ID=19131601

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001313046A Expired - Fee Related JP3862063B2 (ja) 2001-10-10 2001-10-10 難燃性及び抗菌性を有するポリエステル布帛の染色加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3862063B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015140405A1 (en) * 2014-03-18 2015-09-24 Textile Finland Oy Fabric for a table linen textile
CN115045113A (zh) * 2022-07-21 2022-09-13 河南大学 一种载银抗菌织物及其制备方法与应用

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015140405A1 (en) * 2014-03-18 2015-09-24 Textile Finland Oy Fabric for a table linen textile
CN106414823A (zh) * 2014-03-18 2017-02-15 纺织芬兰公司 用于桌用亚麻纺织品的织物
CN115045113A (zh) * 2022-07-21 2022-09-13 河南大学 一种载银抗菌织物及其制备方法与应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP3862063B2 (ja) 2006-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5335600B2 (ja) ポリエステル系繊維品の難燃加工剤と難燃加工方法
JP6426347B2 (ja) 抗菌防炎性ポリエステル繊維および抗菌防炎性ポリエステル布帛および繊維製品
EP2725127A1 (en) Suede-tone flame-retardant union cloth
CN111155223B (zh) 一种高强阻燃面料的制备方法
JP3862063B2 (ja) 難燃性及び抗菌性を有するポリエステル布帛の染色加工方法
JPH11189978A (ja) ポリエステル繊維構造物およびその製造方法
JP2003339503A (ja) 保温毛布
EP1549796B1 (en) Flame-retardant fabrics
JP4668728B2 (ja) 難燃性ポリエステル系繊維構造物
JP4833610B2 (ja) 難燃性ポリエステル系繊維構造物およびその製造方法
JP2003027368A (ja) 先染め難燃加工糸条の製造方法と織編物
JP2007077539A (ja) 防炎性ポリエステル糸条およびその製造方法および防炎性カーテン
JP2003119646A (ja) 難燃性ポリエステル布帛及び繊維製品
KR100625279B1 (ko) 폴리프로필렌이 포함된 섬유의 제조방법 및 이로부터 얻은섬유
JPS60259674A (ja) ポリエステル繊維製品およびその製造方法
KR101460939B1 (ko) 면/폴리에스테르 혼방사를 포함하는 방염원단 및 그 제조방법
JPH06101176A (ja) セルロース系繊維材料の耐久性防炎加工法
JPH043446B2 (ja)
KR20050116537A (ko) 난연성이 우수한 2성분 복합섬유
JP2003129368A (ja) 意匠性に富む難燃性ポリエステル布帛の染色加工方法
WO2023032387A1 (ja) 繊維布帛及び繊維布帛の染色方法
JP2007169799A (ja) 抗菌・難燃性ポリエステル系繊維構造物およびその製造方法
JP4018810B2 (ja) 難燃・抗菌性ポリエステル繊維の製造方法
JPH062272A (ja) 抗菌性塩素含有ポリアクリロニトリル系繊維の製造方法
JP2001073251A (ja) 難燃性に優れたポリエステル織編物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060420

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060706

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060907

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060920

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091006

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101006

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111006

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121006

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121006

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131006

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees