JP2007169799A - 抗菌・難燃性ポリエステル系繊維構造物およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、かかる従来技術の背景に鑑み、抗菌性・難燃性およびその耐久性に優れたポリエステル系繊維からなる繊維構造物およびその製造方法を提供することにある
【解決手段】ポリエステル系繊維を含んで構成されている繊維構造物に非ハロゲン系難燃性化合物と特定の金属ピリチオン系化合物が固着および/または繊維構造物の内部に拡散してなり、繊維上にバインダー樹脂が存在しないことを特徴とする抗菌・難燃性ポリエステル系繊維構造物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、抗菌性および難燃性の両方の機能を有し、また、その耐久性に優れたポリエステル系繊維構造物とその製造方法に関するものである。
近年、国民の生活水準の向上や老齢化の進行に伴い健康および衛生に関する意識も高まっており、衣食住の各分野において、抗菌及び難燃加工を施した製品や技術が実用化されている。特に、病院・介護・インテリア関連分野では、これらの安全性が高く求められ、快適な生活環境を作る上で、これらの機能を同時に兼ね備えた繊維製品の開発が望まれている。
また、従来の難燃加工としては、ヘキサブロモシクロドデカンのようなハロゲン元素を含む化合物で処理する方法が古くから実施されているが、燃焼時にはハロゲン化ガスが発生する。そのため、近年の環境保護の観点からハロゲン元素を含まないリン系化合物による処理が提案されている(特許文献1,2参照)。
しかしながら、難燃剤がブリードしたり、風合いが硬化したり、堅牢度が低下するなどの問題がある。
また、病院用インテリア製品では、院内感染で問題になっているメチシリン耐性黄色ブドウ状球菌(以下、MRSAという)に対する抗菌性を付与することが重要な課題となっている。これらの病院用繊維構造物は、通常60〜85℃の商業洗濯または工業洗濯と呼ばれる業者洗濯条件で繰り返し使用されるため、従来の技術では、これらの洗濯条件に対して十分な耐久性を有するものはほとんど得られていなかったのである。
これまでの、繊維に対する抗菌処理には、銀、銅または亜鉛などの無機系抗菌剤を合成繊維の紡糸段階で練り込む方法と、第四級アンモニウム塩に代表される有機系抗菌剤をスプレーあるいはパディング処理して付与する後加工の方法がとられてきた。前者の場合、洗濯耐久性という点では優れているが、用途が限られ、また紡糸段階での口金面に抗菌剤が結晶として析出しやすく糸切れが多発するなどの製糸上の問題があった。後者の場合、生地に対して後加工で抗菌性が付与できるという利点はあるが、メラミン樹脂を併用する場合、抗菌性の洗濯耐久性は得られるが、溶融時の粘度が高くなりドリップ性が悪くなるため、必要な難燃性が得られず、また他の樹脂を使用した場合は、抗菌性の洗濯耐久性の点では非常に劣っていたり、難燃性を阻害する問題を有している。
従って、難燃性と抗菌性を併せ持つポリエステル系繊維で構成された繊維構造物を提供する加工技術が強く求められていた。
特開2000−328445号公報 特開2000−154465号公報
本発明の目的は、かかる従来技術の背景に鑑み、抗菌性・難燃性およびその耐久性に優れたポリエステル系繊維からなる繊維構造物およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
(1) ポリエステル系繊維を含んで構成されている繊維構造物に非ハロゲン系難燃性化合物と下記一般式1で示される金属ピリチオン系化合物が固着および/または繊維構造物の内部に拡散してなり、繊維上にバインダー樹脂が存在しないことを特徴とする抗菌・難燃性ポリエステル系繊維構造物。
Figure 2007169799
(式中、nは1〜4の整数であり、Mは金属を表す。)
(2) 該ポリエステル系繊維として極限粘度が0.55以下のものを含んでいることを特徴とする上記(1)記載の抗菌・難燃性ポリエステル系繊維構造物。
(3) 該非ハロゲン系難燃性化合物が、下記一般式2〜5で示される燐系化合物から選ばれた少なくとも1種類であることを特徴とする(1)または(2)記載の抗菌・難燃性ポリエステル系繊維構造物。
Figure 2007169799
Figure 2007169799
Figure 2007169799
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(4) 該一般式1において、Mが、Na、Zn、Fe、CuおよびAgからなる群から選ばれた少なくとも1つの金属であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の抗菌・難燃性ポリエステル系繊維構造物。
(5) 該繊維構造物が、白衣、手術衣、看護衣、介護衣、寝間着、防護服、ユニフォーム、肌着、シーツ、布団、カーテン、カーペット、マット、タオル、帽子、マスクおよびエアフィルターからなる群から選ばれたものである(1)〜(4)のいずれかに記載の抗菌・難燃性ポリエステル系繊維構造物。
(6)ポリエステル系繊維を含むポリエステル系繊維構造物を、難燃性化合物および/または1価の陽イオンと2価の陰イオンよりなる塩の少なくとも一種が含有されているpH4以下の染色浴中で120℃以上の温度で処理し、洗浄後、バインダー樹脂を含有しない水溶液であり、一般式1で示される金属ピリチオン系化合物の水溶液を繊維表面に付与し、乾燥し、さらに150〜210℃の乾燥処理を行うことを特徴とする抗菌・難燃性ポリエステル系繊維構造物の製造方法。
本発明によれば、優れた抗菌性および難燃性能を有するポリエステル系繊維含有繊維構造物を安定して供給することができる。本発明の機能を有する繊維構造物は、一般衣料用途、寝装用途、産業用途などに有効に使用できるものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるポリエステル系繊維を含んで構成されている繊維構造物としては、芳香族成分を含むポリエステル繊維や脂肪族ポリエステル繊維が挙げられる。芳香族成分を含むポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートあるいはこれらと第三成分、例えばイソフタル酸、イソフタル酸イソフタル酸スルホネート、アジピン酸およびポリエチレングリコールなどが共重合またはブレンドしたものを例示することができる。また、脂肪族ポリエステル繊維としては、ポリL乳酸、ポリD乳酸およびD、L乳酸からなるホモポリマー、またはポリ乳酸-グリコール酸共重合体などを例示することができる。
本発明のポリエステル系繊維に難燃性化合物が共重合またはブレンドされていてもかまわない。
本発明で用いられるポリエステル系繊維は、原糸糸条の製造工程や加工工程での生産性や特性改善のために、通常、使用されている各種添加剤を含んでいてもよい。例えば、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、平滑剤、可塑剤、抗菌剤、防かび剤および消臭剤などの添加剤をポリエステル系繊維に含有させることができる。
本発明では、これらのポリエステル系繊維を単独あるいは2種以上混合して使用することができるもので、短繊維、長繊維またはこれらを混合してもよい。
本発明では、ポリエステル系繊維として、一般に難燃性を付与しにくいカチオン可染型ポリエステル系繊維を用いた場合、特に効果的であり好ましい。カチオン可染型ポリエステル系繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレングリコール、ポリブチレンテレフタレートなどを主たる構成成分とし、さらにカチオン可染化のために-SO3 M基(Mはアルカリまたはアルカリ土類金属で、アルカリ土類金属の場合1/2価を表す)やスルホン酸ホスホニウム基のような極性基を有し、かつエステル形成能を有する官能基を1個以上持つ化合物が共重合されていることが好ましい。このカチオン可染型ポリエステル系繊維は、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするものが、また上記共重合成分として好ましいスルホネート化合物としては、5-ナトリウムスルホイソフタル酸およびそのエステル誘導体、5-リチウムスルホイソフタル酸およびそのエステル誘導体、5-(テトラアルキル)ホスホニウムスルホイソフタル酸およびその誘導体、p-ヒドロキシエトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、2,5-ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸カリウムなどが挙げられる。
該スルホネート化合物の共重合率は,成分に対して0.5〜6.0モル%、好ましくは1.0〜4.0モル%であり、さらに好ましくは1.3〜2.0モル%である。該カチオン可染型ポリエステルに分子量400〜6000のポリアルキレンオキシドグリコール成分が共重合されているものも使用することができる。また、本発明のカチオン可染型ポリエステル繊維には難燃性化合物が共重合あるいはブレンドされていてもよい。
また、カチオン可染型ポリエステル系繊維の極限粘度が0.55以下であることが好ましい。かかる極限粘度の繊維を製造する方法としては、ポリマー製造時の重合度を調整して糸条にする方法と糸条を形成するのに適した極限粘度で、例えば、極限粘度0.65以上のポリマーを用いて糸条化してから、該繊維を後処理で所望の極限粘度に調整する方法がある。後者の方法が自在に極限粘度を変更できるので好ましい。
例えば、カチオン可染型ポリエステルの極限粘度は、ポリマー分子量に相関するのでpH4以下の酸性下でカチオン可染型ポリエステルを加水分解することにより分子量を下げることができ、その結果、極限粘度を0.55以下などに所望に応じて下げることができる。
なお、本発明における極限粘度とは、温度25℃においてオルソクロロフェノール10mlに対して試料0.10gを溶解し、オストワルド粘度計を用いて測定した値をいう。試料は繊維構造物から任意に取り出せばよい。
後処理で極限粘度を調整する方法としては、pH4以下、好ましくはpH3.5以下の水浴中で、120℃以上の温度で、好ましくは130℃以上の温度で処理するのがよい。処理水浴のpH、処理温度、処理時間は目的に応じて設定することができる。ただし、本発明者らの知見によれば、該処理水浴のpHの下限値は2程度までとするのがよく、処理水浴の好ましいpH範囲は、2以上、4以下である。また、処理水浴の温度は、好ましくは120℃以上140℃以下の範囲内である。
pH4以下の水浴中には、1価の陽イオンと2価の陰イオンからなる塩の少なくとも一種を添加することができる。かかる塩の添加は、目的とする極限粘度の繊維を安定して得るのに好ましい。該塩としては硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が例示できる。特定の塩の添加量は、ポリエステル系繊維構造物の重量に対して0.01〜15%、さらには0.1〜7%であることが好ましい。
カチオン可染型ポリエステル系繊維には、原糸糸条の製造工程や加工工程での生産性や特性改善のために、通常使用されている各種添加剤を含んでいてもよい。例えば、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、平滑剤、可塑剤、抗菌剤、防かび剤および消臭剤などの添加剤を含有させることができる。本発明では、これらのカチオン可染型ポリエステル系繊維を単独あるいは2種以上混合して使用することができるもので、短繊維、長繊維またはこれらを混合してもよい。
本発明の繊維構造物においては、上記カチオン可染型ポリエステル系繊維を単独またはカチオン可染型ポリエステル系繊維とポリエステル系繊維を混用したものを使用することも好ましい。
また、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の繊維、例えば、木綿、羊毛、絹および麻などの天然繊維、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリルなどの合成繊維を混合して使用することができる。
本発明のポリエステル系繊維構造物としては、織物、編物および不織布などの布帛状物や、糸、紐、ロープなどの糸条物の形態のものを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いられる金属ピリチオン化合物としては、取り扱いの容易性や工業的な生産性の面からは、上記一般式1において、Mが、Na、Zn、Fe、CuおよびAgからなる群から選ばれた少なくとも1つの金属であるものが好ましく、より好ましい化合物としては、Mが、Na(n=1)である(2−ピリジルチオ−1−オキシド)ナトリウムや、Mが、Zn(n=2)であるビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛などを例示することができる。中でも、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛は、化粧品やシャンプーなどの分野で広く使用されている実績もあり、ヒトへの安全性が高いという点で、人体への接触機会が多い本発明の繊維材料においては特に好ましく用いられる。
また、上記一般式1で示される金属ピリチオン化合物は、銀ゼオライト系抗菌剤や酸化チタン系光触媒などに比べて、各種の繊維素材に対する吸着性や吸尽性が高く、特に、平均粒径が2μm以下、好ましくは0.1〜1μmの微粒子とした場合、バインダー樹脂を用いなくても繊維素材に固着可能であり、高い耐洗濯性を付与することが可能である。
繊維への付与にあたりバインダー樹脂を併用することは、かかる金属ピリチオン化合物の抗菌効果および上記難燃性能を阻害する要因ともなりうるので、本発明においては、バインダー樹脂は用いないことが好ましく、本発明の抗菌・難燃性ポリエステル系繊維構造物は、金属ピリチオン化合物がバインダー樹脂を介することなく、繊維表面に固着および/または繊維内部に拡散している。
本発明において、金属ピリチオン化合物は、該繊維構造物を構成する繊維構造物の全重量に対して0.05〜5重量%の割合で繊維に含まれていることが好ましい。含有量が0.05重量%未満となると抗菌性能が不安定となり、一方、含有量が5重量%を超えてもそれ以上の抗菌性能は得られにくく、得られた繊維構造物の堅牢度など諸物性に悪い影響を及ぼす場合がある。
本発明の難燃性ポリエステル系繊維構造物においては、昨今の環境保護の観点から、ハロゲン元素を含まない燐系化合物が好ましく使用される。
燐系化合物としては、下記一般式2〜5で示される化合物の中から1種または2種以上の混合物として使用することができる。
Figure 2007169799
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該難燃性化合物の好ましい含有量は、繊維構造物の重量に対し、0.01〜10.0%であり、さらに好ましくは0.1〜5.0%である。
本発明における難燃性化合物の付与方法は、染色と同時に、難燃性化合物の吸尽、吸着させる方法を採用することができる。
また、かかる金属ピリチオン化合物を繊維構造物に付与する方法としては、繊維の加工方法として用いられている各種の方法が適用可能であるが、中でも、パディング法、スプレー法、コーティング法や浴中吸着・吸尽法が好ましく用いられる。
パディング法、スプレー法およびコーティング法により付与する場合は、予備乾燥後、さらに130℃以上、好ましくは170℃以上の温度で乾熱処理することが好ましい。かかる条件の処理を行うことで、ウィルス不活化成分である金属ピリチオン化合物がバインダー樹脂を介することなく繊維表面に固着および/または繊維内部に拡散し、洗濯耐久性が飛躍的に向上する。
かかる金属ピリチオン化合物を繊維構造物に付与するに際し、予め金属ピリチオン化合物の平均粒径を好ましくは2μm以下とし、より好ましくは0.1〜1μmの微粒子とし、汎用のアニオン系分散剤および/またはノニオン系分散剤とともに水中に分散しておくことも、加工性、洗濯耐久性および抗菌効果の向上等の面から好ましく行われる。
本発明の繊維構造物は、白衣、手術衣、看護衣、介護衣、寝間着、防護服、ユニフォーム、肌着、シーツ、布団、カーテン、カーペット、マット、タオル、帽子、マスクおよびエアフィルター等の用途に好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、実施例中の品質評価は、次の方法で実施した。
<極限粘度>
温度25℃においてオルソクロロフェノール10mlに対して試料0.10gを溶解し、オストワルド粘度計を用いて測定した。
<難燃性>
JIS L 1091 A-1法(ミクロバーナー法)およびJIS L 1091 D法(コイル法)に準じて測定した。
<抗菌性>
SEK(繊維製品新機能評価協議会)の定める制菌評価方法(統一試験法)で菌体はMRSA臨床分離株を用いた。試験方法は、滅菌試料布に上記試験菌のブイヨン懸濁液を注加し、密閉容器中で37℃、18時間培養後の生菌数を計測し、残菌数に対する菌数を求め、次の基準に従った。
log(B/A)>1.5の条件下、log(B/C)を菌数増減値差とし、2.2以下を合格とした。ただし、Aは無加工品の接種直後分離回収した菌数、Bは無加工品の18時間培養後分離回収した菌数、Cは加工品の18時間培養後分離回収した菌数を表す。
<洗濯耐久性>
水洗濯はJIS L 1042に準じて、ドライクリーニングはJIS L 1018に準じてそれぞれ5回の洗濯を実施した後、難燃性の測定を行った。
<染色堅牢度>
JIS L 0849に規定される方法で、乾摩擦堅牢度と湿摩擦堅牢度の試験を行い、汚染用グレースケールを用いて級判定した。
実施例1〜18、比較例1〜7
以下に示す織物、難燃性化合物、金属ピリチオン系化合物を使用して処理して性能を評価した結果を表1示した。
(織物)
織物A:ジメチルテレフタレート、エチレングリコールを原料に重合ポリマーを合成、糸条化し130デシテックス、40フィラメントのポリエチレンテレフタレートからなる仮撚り加工糸を得た。
この加工糸をタテ糸とヨコ糸に使用して平織物とし、常法により95℃の温度で精練し、130℃で乾燥し、180℃でヒートセットし、目付180g/m2 の織物とした。該織物を構成するタテ糸とヨコ糸の極限粘度はともに0.62であった。
織物B:ジメチルテレフタレート、ジメチル(5-ナトリウムスルホ)イソフタル酸、エチレングリコールを原料に重合し、該スルホネート化合物の共重合率が酸成分に対して1.5モル%であるポリマーとし、糸条化し、カチオン可染型ポリエステルからなる130デシテックス40フィラメントの仮撚り加工糸を得た。
この加工糸をタテ糸とヨコ糸に使用して平織物とし、常法により95℃の温度で精練し、130℃で乾燥し、180℃でヒートセットし、目付180g/m2 の織物とした。該織物を構成するタテ糸とヨコ糸の極限粘度はともに0.68であった。
織物C:織物Aで使用した加工糸をタテ糸に、織物Bで使用した加工糸をヨコ糸に使用
して平織物とし、常法により95℃の温度で精練し、130℃で乾燥し、180℃でヒー
トセットし、目付180g/m2 の織物とした。
該織物中に占めるカチオン可染型ポリエステル繊維の重量は、目付当たり38%であった。また、該織物を構成するタテ糸の極限粘度は0.62であり、ヨコ糸の極限粘度は0.68であった。
(難燃性化合物)
化合物A:次の一般式6に示す化合物を40重量%の濃度で含有する水分散液を使用した。
Figure 2007169799
化合物B:次の一般式7に示す化合物を40重量%の濃度で含有する水分散液を使用した。
Figure 2007169799
化合物C:次の一般式8に示す化合物を40重量%の濃度で含有する水分散液を使用した。
Figure 2007169799
化合物D:次の一般式9に示す化合物を40重量%の濃度で含有する水分散液を使用した。
Figure 2007169799
(抗菌成分)
アーチケミカルズ社製のビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛(商品名:ジンクオマダイン(登録商標))を用い、これを予め水、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(ノニオン系分散剤)と共にボールミルに仕込み湿式粉砕処理して有効成分濃度20重量%のコロイド溶液とした。
(処理方法)
以下に示す条件で、表1に示した織物に対し液流染色機を用い、浴比1/20で130℃で60分の処理を行い、次いで80℃で20分湯洗し水洗を10分行い、120℃で乾燥し170℃でヒートセットした。
(a)pH調整は燐酸を使用した。
(b)硫酸ナトリウムを必要に応じて0.4〜4%添加した。
(c)難燃剤は前記化合物A、B、C、Dを添加した。
(d)染料はポリエチレンテレフタレート繊維用には分散染料スミカロンブルーE-RPDを繊維重量に対し0.3%の濃度で使用した。カチオン可染型ポリエステル繊維用にはカチオン染料カヤクリルブルーGSL-EDを繊維重量に対して0.3%の濃度で使用した。
(e)得られた織物を乾燥後、上記抗菌成分の10重量%加工液に浸漬し、絞り率約60重量%のマングルで均一に絞った後、120℃の温度の乾燥機内で2分間予備乾燥し、さらに180℃の温度に設定したテンターで30秒間熱処理して、抗菌成分の含有量が1.0重量%の繊維構造物を得た。比較例2にバインダー樹脂としてメラミン樹脂を使用したものを示す。
Figure 2007169799
表1から明らかなように、本発明によるものは優れた抗菌性能および難燃性能を有意している。

Claims (6)

  1. ポリエステル系繊維を含んで構成されている繊維構造物に非ハロゲン系難燃性化合物と下記一般式1で示される金属ピリチオン系化合物が固着および/または繊維構造物の内部に拡散してなり、繊維上にバインダー樹脂が存在しないことを特徴とする抗菌・難燃性ポリエステル系繊維構造物。
    Figure 2007169799
    (式中、nは1〜4の整数であり、Mは金属を表す。)
  2. 該ポリエステル系繊維として極限粘度が0.55以下のものを含んでいることを特徴とする請求項1記載の抗菌・難燃性ポリエステル系繊維構造物。
  3. 該非ハロゲン系難燃性化合物が、下記一般式2〜5で示される燐系化合物から選ばれた少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1または2記載の抗菌・難燃性ポリエステル系繊維構造物。
    Figure 2007169799
    Figure 2007169799
    Figure 2007169799
    Figure 2007169799
  4. 該一般式1において、Mが、Na、Zn、Fe、CuおよびAgからなる群から選ばれた少なくとも1つの金属であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌・難燃性ポリエステル系繊維構造物。
  5. 該繊維構造物が、白衣、手術衣、看護衣、介護衣、寝間着、防護服、ユニフォーム、肌着、シーツ、布団、カーテン、カーペット、マット、タオル、帽子、マスクおよびエアフィルターからなる群から選ばれたものである請求項1〜4のいずれかに記載の抗菌・難燃性ポリエステル系繊維構造物。
  6. ポリエステル系繊維を含むポリエステル系繊維構造物を、難燃性化合物および/または1価の陽イオンと2価の陰イオンよりなる塩の少なくとも一種が含有されているpH4以下の染色浴中で120℃以上の温度で処理し、洗浄後、バインダー樹脂を含有しない水溶液であり、一般式1で示される金属ピリチオン系化合物の水溶液を繊維表面に付与し、乾燥し、さらに150〜210℃の乾燥処理を行うことを特徴とする抗菌・難燃性ポリエステル系繊維構造物の製造方法。
    Figure 2007169799
    (式中、nは1〜4の整数であり、Mは金属を表す。)
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