JP2003119398A - 樹脂複合材料及びその製造方法 - Google Patents
樹脂複合材料及びその製造方法Info
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Abstract
を含有する樹脂複合材料において、層状粘土鉱物の層間
に異種のポリマー同士が十分に均一に相溶しており、剛
性(強度、弾性率など)、靭性、延性などの力学的特性
や結晶化速度に優れた樹脂複合材料、並びにその製造方
法を提供すること。 【解決手段】 本発明の樹脂複合材料は、第1及び第2
の有機オニウム塩で有機化された層状粘土鉱物と、第1
の有機オニウム塩を介して層状粘土鉱物と結合した第1
のポリマーと、第2の有機オニウム塩を介して層状粘土
鉱物と結合した第2のポリマーとを含有することを特徴
とする。
Description
その製造方法に関するものであり、詳しくは、少なくと
も2種のポリマー及び層状粘土鉱物を含有する樹脂複合
材料、並びにその製造方法に関するものである。
ルは、微生物や酵素の働きにより分解する性質、いわゆ
る生分解性を示すことが知られている。そして、脂肪族
ポリエステルの生分解速度、あるいは剛性などの力学的
特性や結晶化速度といった特性の向上を目的として、有
機化剤で有機化された層状粘土鉱物をポリ乳酸に添加し
た樹脂複合材料が提案されている。
特開2001−89646号公報には、脂肪族ポリエス
テルなどの樹脂と、有機アンモニウム化合物などの有機
化剤により有機化された層状粘土鉱物とを含む樹脂組成
物が開示されている。
には、ポリ乳酸などの乳酸系ポリエステルと膨潤性無機
フィラーとを含む皮膜材料を用いて肥料の溶出速度を制
御した徐放性肥料が開示されており、膨潤性無機フィラ
ーとして、12−アミノドデカン酸アンモニウム塩など
で膨潤化された層状ケイ酸塩が例示されている。
来の樹脂複合材料であっても、剛性、靭性、延性などの
力学的特性や結晶化速度の点で必ずしも十分であるとは
言えない。そこで、脂肪族ポリエステルの特性を向上さ
せる目的で脂肪族ポリアミドなどを添加する試みがなさ
れているが、脂肪族ポリエステルと脂肪族ポリアミドと
は相溶しにくく、これらを十分に均一に分散させること
は非常に困難である。
(1998)には、ε−カプロラクタムを加水分解した後、こ
れを乳酸と脱水重縮合してポリ乳酸とポリアミドとのブ
ロック共重合体を合成する方法が記載されているが、か
かる方法ではオリゴマーが得られるのみであり、実用に
供し得る樹脂は未だ得られていない。
みてなされたものであり、少なくとも2種のポリマー及
び層状粘土鉱物を含有する樹脂複合材料において、層状
粘土鉱物の層間に異種のポリマー同士が十分に均一に相
溶しており、剛性(強度、弾性率など)、靭性、延性な
どの力学的特性や結晶化速度に優れた樹脂複合材料、並
びにその製造方法を提供することを目的とする。
に、本発明の樹脂複合材料は、第1及び第2の有機オニ
ウム塩で有機化された層状粘土鉱物と、前記第1の有機
オニウム塩を介して前記層状粘土鉱物と結合した第1の
ポリマーと、前記第2の有機オニウム塩を介して前記層
状粘土鉱物と結合した第2のポリマーとを含有すること
を特徴とする。
ウム塩で層状粘土鉱物を有機化し、この層状粘土鉱物
を、第1の有機オニウム塩を介して第1のポリマー、第
2の有機オニウム塩を介して第2のポリマーとそれぞれ
結合させることによって、これらのポリマー間の相溶性
が本来的に低い場合であっても、当該ポリマー同士を層
状粘土鉱物の層間において十分に均一に相溶させること
ができ、その結果、剛性(強度、弾性率など)、靭性、
延性などの力学的性質や結晶化速度の点で優れた特性を
有する樹脂複合材料が実現される。
方法は、第1及び第2の有機オニウム塩で層状粘土鉱物
を有機化する有機化工程と、前記有機化工程で得られる
層状粘土鉱物と第1のポリマーとを溶融混練し、前記第
1の有機オニウム塩を介して層状粘土鉱物と第1のポリ
マーとを結合させる第1の混練工程と、前記有機化工程
で得られる層状粘土鉱物と第2のポリマーとを溶融混練
し、前記第2の有機オニウム塩を介して層状粘土鉱物と
第2のポリマーとを結合させる第2の混練工程とを含む
ことを特徴とするものである。
方法は、第1及び第2の有機オニウム塩で層状粘土鉱物
を有機化する有機化工程と、前記有機化工程で得られる
層状粘土鉱物と第1の重合性化合物とを混合し、該第1
の重合性化合物の反応により、前記第1の有機オニウム
塩を介して前記層状粘土鉱物と結合した第1のポリマー
を生成させる第1の重合工程と、前記有機化工程で得ら
れる層状粘土鉱物と第2の重合性化合物とを混合し、該
第2の重合性化合物の反応により前記第2の有機オニウ
ム塩を介して前記層状粘土鉱物と結合した第2のポリマ
ーを生成させる第2の重合工程と、を含むことを特徴と
するものである。
も、第1のポリマーと層状粘土鉱物との間に第1の有機
オニウム塩を介した結合を形成させると共に、第2のポ
リマーと層状粘土鉱物との間に第2の有機オニウム塩を
介した結合を形成させるもので、これにより層状粘土鉱
物の層間において第1のポリマーと第2のポリマーとを
十分に均一に相溶させることができるので、力学的特性
や結晶化速度に優れた本発明の樹脂複合材料を効率よく
且つ確実に得ることができる。
が水酸基を有する有機オニウム塩であり、第2の有機オ
ニウム塩がカルボキシル基を有する有機オニウム塩であ
り、第1のポリマーが第1の有機オニウム塩の水酸基を
介して層状粘土鉱物と結合した脂肪族ポリエステルであ
り、第2のポリマーが第2の有機オニウム塩のカルボキ
シル基を介して層状粘土鉱物と結合した脂肪族ポリアミ
ドであることを特徴としてもよい。
び第2の有機オニウム塩で層状粘土鉱物を有機化する有
機化工程と、前記有機化工程で得られる層状粘土鉱物と
第1のポリマーとを溶融混練し、前記第1の有機オニウ
ム塩を介して層状粘土鉱物と第1のポリマーとを結合さ
せる第1の混練工程と、前記有機化工程で得られる層状
粘土鉱物と第2のポリマーとを溶融混練し、前記第2の
有機オニウム塩を介して層状粘土鉱物と第2のポリマー
とを結合させる第2の混練工程とを含むことを特徴して
もよい。
を有する第1の有機オニウム塩及びカルボキシル基を有
する第2の有機オニウム塩で層状粘土鉱物を有機化する
有機化工程と、前記有機化工程で得られる層状粘土鉱物
とα−ヒドロキシ酸の環状二量体及び/又はラクトン類
とを混合し、前記第1の有機オニウム塩の水酸基を反応
点として脂肪族ポリエステルを生成させる脂肪族ポリエ
ステル重合工程と、前記有機化工程で得られる層状粘土
鉱物とラクタム類とを混合し、前記第2の有機オニウム
塩のカルボキシル基を反応点として脂肪族ポリアミドを
生成させる脂肪族ポリアミド重合工程とを含むことを特
徴としてもよい。
とカルボキシル基を有する有機オニウム塩とで有機化さ
れた層状粘土鉱物を、水酸基を介して脂肪族ポリエステ
ル、カルボキシル基を介して脂肪族ポリアミドとそれぞ
れ結合させることによって、本来的に相溶性の低い脂肪
族ポリエステルと脂肪族ポリアミドとを層状粘土鉱物の
層間で十分に均一に相溶させることができ、剛性、靭
性、延性などの力学的特性や結晶化速度に優れた樹脂複
合材料が実現される。なお、当該第1のポリマーがポリ
乳酸であると、力学的特性や結晶化速度をさらに向上さ
せることができるので好ましい。
2の有機オニウム塩の炭素数がそれぞれ6以上であるこ
とが好ましい。第1及び第2の有機オニウム塩として炭
素数6以上のものを用いると、当該有機オニウム塩によ
り層状粘土鉱物の層間距離が十分に広められるので、第
1及び第2のポリマーと層状粘土鉱物との分散均一性が
高められ、剛性、靭性、延性などの力学的特性や結晶化
速度が向上する傾向にある。
ついて詳細に説明する。
有機オニウム塩で有機化された層状粘土鉱物と、第1の
有機オニウム塩を介して層状粘土鉱物と結合した第1の
ポリマーと、第2の有機オニウム塩を介して層状粘土鉱
物と結合した第2のポリマーとを含有することを特徴と
するものである。これにより、第1及び第2のポリマー
間の相溶性が本来的に低い場合であっても、当該ポリマ
ー同士を層状粘土鉱物の層間において十分に均一に相溶
させることができ、剛性(強度、弾性率など)、靭性、
延性などの力学的性質や結晶化速度の点で優れた特性を
有する樹脂複合材料が実現される。
制限されないが、具体的には、モンモリロナイト、バイ
デライト、サポナイト、ヘクトライトなどのスメクタイ
ト族;カオリナイト、ハロサイトなどのカオリナイト
族;ジオクタヘドラルバーミキュライト、トリオクタヘ
ドラルバーミキュライトなどのバーミキュライト族;テ
ニオライト、テトラシリシックマイカ、マスコバイト、
イライト、セリサイト、フロゴバイト、バイオタイトな
どのマイカなどが挙げられる。これらの層状粘土鉱物
は、天然鉱物であってもよく、水熱合成、溶融法、固相
法などによる合成鉱物であってもよい。また、本発明で
は、上記の層状粘土鉱物のうちの1種を単独で用いても
よく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、層
状粘土鉱物の陽イオン交換容量は30〜300meq/
100gであることが好ましい。
第2のポリマーとしては、脂肪族ポリエステル、脂肪族
ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリカーボネート、ポ
リイミド、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアリレ
ート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキサイド、ポ
リウレタン、ポリオレフィン等が挙げられるが、脂肪族
ポリエステルと脂肪族ポリアミドとを組み合わせて用い
ると、力学的特性や結晶加速度の点でより優れた樹脂複
合材料が実現されるので好ましい。
第2の有機オニウム塩としては、有機アンモニウム塩、
有機ホスホニウム塩、有機ピリジニウム塩、有機スルホ
ニウム塩などのオニウム塩において有機基に水酸基、カ
ルボキシル基、アミノ基、イソシアネート基、エステル
基、エポキシ基、酸無水物基等の官能基が結合した化合
物が挙げられ、上述したポリマーの種類に応じて当該ポ
リマーと共有結合を形成可能な官能基を有するものが適
宜選定される。例えば、ポリマーとして脂肪族ポリエス
テル及び脂肪族ポリアミドを用いる場合、水酸基を有す
る有機オニウム塩を用いることによって当該有機オニウ
ム塩の水酸基を介して脂肪族ポリエステルと層状粘土鉱
物を結合させることができ、他方、カルボキシル基を有
する有機オニウム塩を用いることによって当該有機オニ
ウム塩のカルボキシル基を介して脂肪族ポリアミドと層
状粘土鉱物とを結合させることができる。
ニウム塩の炭素数はそれぞれ6以上であることが好まし
い。当該有機オニウム塩の炭素数が6未満であると、層
状粘土鉱物の層間距離が十分に広げられず、ポリマーと
層状粘土鉱物との分散均一性が低下する傾向にある。
層状粘土鉱物の層間及び/又は表面に物理的、化学的方
法(好ましくは化学的方法)により吸着及び/又は結合
させることを意味し、当該有機オニウム塩による有機化
によって層状粘土鉱物の層間距離を十分に広げることが
できる。また、かかる有機オニウム塩の対アニオンとし
ては特に制限されないが、例えばCl-、Br-、I-な
どのハロゲンアニオンが好ましく用いられる。
含まれる第1及び第2のポリマーの全てが層状粘土鉱物
と結合している必要はなく、それらの一部が結合したも
のであればよい。
リマーのうちの少なくとも2種と、それらのポリマーと
共有結合を形成可能な少なくとも2種の有機オニウム塩
とが含有されていればよく、例えば第3の有機オニウム
塩及びこれに結合可能な第3のポリマーを更に含有する
ものであってもよい。
1の有機オニウム塩が水酸基を有する有機オニウム塩で
あり、第2の有機オニウム塩がカルボキシル基を有する
有機オニウム塩であり、第1のポリマーが第1の有機オ
ニウム塩の水酸基を介して層状粘土鉱物と結合した脂肪
族ポリエステルであり、第2のポリマーが第2の有機オ
ニウム塩のカルボキシル基を介して層状粘土鉱物と結合
した脂肪族ポリアミドである樹脂複合材料を例示するこ
とができる。以下、この樹脂複合材料について詳細に説
明する。
は、層状粘土鉱物100重量部に対して10〜150重
量部であることが好ましく、20〜100重量部である
ことがより好ましい。当該有機オニウム塩の含有量が前
記下限値未満であると、層状粘土鉱物の層間距離が十分
に広げられず、脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリアミ
ドに対する分散均一性が低下する傾向にあり、他方、前
記上限値を超える場合には物理吸着によって導入される
有機オニウム塩の量が増加して樹脂複合材料の物性が損
なわれる(例えば可塑化)傾向にある。
る有機オニウム塩としては、水酸基を有するものであれ
ば特に制限されないが、その炭素数は6以上であること
が好ましい。当該有機オニウム塩の炭素数が6未満であ
ると、層状粘土鉱物の層間距離が十分に広げられず、脂
肪族ポリエステル及び脂肪族ポリアミドに対する分散均
一性が低下する傾向にある。水酸基を有し且つ炭素数が
6以上である有機オニウム塩としては、下記一般式
(1)又は(2)で表される有機アンモニウム塩が例示
される。これらの有機アンモニウム塩は、1種を単独で
用いてもよく、両者を併用してもよい。
く、それぞれ水素原子又はアルキル基を表し、lは6〜
20の整数を表す。]
れぞれ水素原子又はアルキル基を表し、R4とR5との合
計の炭素数は6以上であり、m及びnは同一でも異なっ
ていてもよく、1〜20の整数を表す。] 上記一般式(1)中、R1、R2又はR3は水素原子又は
アルキル基を表す。かかるアルキル基としては、具体的
には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロ
ピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−
ブチル基)、直鎖又は分岐鎖状のペンチル基、直鎖又は
分岐鎖状のヘキシル基、直鎖又は分岐鎖状のヘプチル
基、直鎖又は分岐鎖状のオクチル基、直鎖又は分岐鎖状
のノニル基、直鎖又は分岐鎖状のデシル基、直鎖又は分
岐鎖状のウンデシル基、直鎖又は分岐鎖状のドデシル
基、直鎖又は分岐鎖状のトリデシル基、直鎖又は分岐鎖
状のテトラデシル基、直鎖又は分岐鎖状のペンタデシル
基、直鎖又は分岐鎖状のオクタデシル基などが挙げられ
るが、当該アルキル基の炭素数は1〜4であることが好
ましい。アルキル基の炭素数が前記上限値を超えると有
機オニウム塩の合成が困難となる傾向にある。
基(−CH2−)の重合度を表し、6〜20、好ましく
は8〜18の整数である。lが6未満の場合、層状粘土
鉱物の層間距離が十分に広がらず、脂肪族ポリエステル
及び脂肪族ポリアミドに対する分散均一性が低下する傾
向にある。他方、lが20を越えると、有機オニウム塩
の合成が困難となる傾向にある。
水素原子又はアルキル基を表す。かかるアルキル基とし
ては、一般式(1)中のR1、R2及びR3の説明におい
て例示されたアルキル基が挙げられる。
なっていてもよいが、それらの合計の炭素数は、6以上
であることが好ましく、8以上であることがより好まし
い。R4とR5との合計の炭素数が6未満であると、層状
粘土鉱物の層間距離が十分に広がらず、脂肪族ポリエス
テル及び脂肪族ポリアミドに対する分散均一性が低下す
る傾向にある。例えばR4が水素原子でR5がドデシル基
である化合物、R4がメチル基でR5がオクタデシル基で
ある化合物、R4及びR5がオクタデシル基である化合物
は、上記の条件を満たす化合物として好ましく用いられ
る。
キシエチレン基(−CH2CH2O−)の重合度を表し、
1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5
の整数であり、特に好ましくは1である。m又はnが2
0を越えると、層状粘土鉱物の親水性が過剰に高くな
り、調整が困難となる傾向にある。なお、m及びnは同
一でも異なっていてもよい。
する有機オニウム塩としては、カルボキシル基を有する
ものであれば特に制限されないが、その炭素数は6以上
であることが好ましい。当該有機オニウム塩の炭素数が
6未満であると、層状粘土鉱物の層間距離が十分に広げ
られず、脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリアミドに対
する分散均一性が低下する傾向にある。カルボキシル基
を有し且つ炭素数が6以上である有機オニウム塩の好ま
しい例としては、8−アミノオクチル酸塩酸塩、12−
アミノドデカン酸塩酸塩、18−アミノオクタデカン酸
塩酸塩などが挙げられる。
含有量は、層状粘土鉱物100重量部に対して10〜1
50重量部であることが好ましく、20〜100重量部
であることがより好ましい。当該有機オニウム塩の含有
量が前記下限値未満であると、層状粘土鉱物の層間距離
が十分に広げられず、脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポ
リアミドに対する分散均一性が低下する傾向にあり、他
方、前記上限値を超える場合には物理吸着によって導入
される有機オニウム塩の量が増加して樹脂複合材料の物
性が損なわれる(例えば可塑化)傾向にある。
ルボキシル基を有する有機オニウム塩との配合比は、樹
脂複合材料の特性を損なわない限り特に制限されない
が、当該配合比は、水酸基とカルボキシル基とのモル比
が好ましくは1:99〜99:1、より好ましくは1
0:90〜90:10、さらに好ましくは20:80〜
80:20の範囲内となるように設定される。水酸基と
カルボキシル基とのモル比が前記の範囲外であると、層
状粘土鉱物の層間において脂肪族ポリエステルと脂肪族
ポリアミドとを均一に相溶させることが困難となる傾向
にある。
有機オニウム塩によって有機化された層状粘土鉱物の状
態を概念的に示す説明図である。本発明においては、図
1(a)に示すように水酸基を有する有機オニウム塩2
aとカルボキシル基を有する有機オニウム塩2bとの双
方が層状粘土鉱物1の同一の層に結合していてもよく、
図1(b)に示すように2種の有機オニウム塩2a、2
bがそれぞれ層状粘土鉱物1の別個の層に結合していて
もよく、さらにはこれら2つの結合形態が混在してもよ
い。また、有機オニウム塩2a、2bが別個の層に結合
する場合、図1(c)に示すように層状粘土鉱物1の隣
接する各層が端部近傍で連なったフロキュレーション
(flocculation)状であると、見かけ上非常に大きいア
スペクト比を有する層状粘土鉱物を形成することが可能
となるので好ましい。
鉱物の層間距離は十分に広げられ、脂肪族ポリエステル
及び脂肪族ポリアミドが層間に導入される。ここで、層
状粘土鉱物の層間距離は、各層の重心間の平均距離を基
準として5nm以上であることが好ましく、10nm以
上であることがより好ましい。層状粘土鉱物の層間距離
が前記下限値未満であると、脂肪族ポリエステル及び脂
肪族ポリアミドに対する分散均一性が低下する傾向にあ
る。
としては、例えばグリコリド、ラクチド(L−ラクチ
ド、D−ラクチド、meso−ラクチドを含む)などの
α−ヒドロキシ酸の環状二量体や、β−プロピオラクト
ン、ジケテン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクト
ン、ε−カプラロラクトンなどのラクトン類の開環重合
体が挙げられ、当該重合体は単独重合体、共重合体のい
ずれであってもよい。また、上記重合体の中でもラクチ
ドの開環重合体であるポリ乳酸が好ましい。ポリ乳酸を
用いると、剛性、靭性、延性などの力学的特性や結晶化
速度が向上する傾向にある。
酸は、下記一般式(3):
するポリマーである。当該ポリ乳酸の平均分子量は特に
制限されないが、5,000〜1,000,000であ
ることが好ましい。ポリ乳酸の平均分子量が前記下限値
未満であると、強度、弾性率などの機械物性が不十分と
なる傾向にあり、また、前記上限値を超えると、成形の
際に流動性が著しく低下する傾向にある。
との間に水酸基を介した結合が形成されるが、他端に
は、グリコリド、カプロラクトンなどを更に重合させて
共重合体としてもよい。かかる共重合体におけるポリ乳
酸の重合鎖は、共重合体全体を基準として80mol%
以上であることが好ましい。
しては、ε−カプロラクタム、ラウロラクタム、2−ア
ザシクロオクタノン、2−アザシクロノナノン、2−ア
ザシクロトリデカノンなどのラクタム類の開環重合体
(ナイロン)が挙げられ、当該重合体は単独重合体、共
重合体のいずれであってもよい。
リエステル100重量部に対して1〜1000重量部で
あることが好ましく、10〜1000重量部であること
がより好ましく、25〜400重量部であることがさら
に好ましい。脂肪族ポリアミドの配合量が前記下限値未
満の場合、樹脂複合材料の耐衝撃性や耐熱性が不十分と
なる傾向にあり、他方、前記上限値を超えると弾性率が
低下する傾向にある。
リエステルと脂肪族ポリアミドとの配合量の合計100
重量部に対して0.01〜20重量部であることが好ま
しく、1〜12重量部であることがより好ましい。層状
粘土鉱物の配合量が前記下限値未満であると、剛性など
の力学的特性や結晶化速度の向上の程度が不十分となる
傾向にあり、他方、前記上限値を超える場合には脆化す
る傾向にある。
ついて説明する。
の有機オニウム塩で層状粘土鉱物を有機化する有機化工
程と、有機化工程で得られる層状粘土鉱物と第1のポリ
マーとを溶融混練し、第1の有機オニウム塩を介して層
状粘土鉱物と第1のポリマーとを結合させる第1の混練
工程と、有機化工程で得られる層状粘土鉱物と第2のポ
リマーとを溶融混練し、第2の有機オニウム塩を介して
層状粘土鉱物と第2のポリマーとを結合させる第2の混
練工程とを含むことを特徴とするものである。
第2627194号公報に開示されている方法により行
うことができる。すなわち、層状粘土鉱物中の無機イオ
ンを、第1及び第2の有機オニウム塩から生じる有機オ
ニウムイオン(例えば有機アンモニウム塩においては有
機アンモニウムイオン)によりイオン交換することによ
って、層状粘土鉱物の有機化を行うことができる。
機アンモニウム塩とカルボキシル基を有する有機アンモ
ニウム塩とを用いる場合には、次のような方法により有
機化を行うことができる。すなわち、塊状の層状粘土鉱
物を用いる場合は、先ずこれをボールミルなどにより粉
砕し粉体化する。次いで、ミキサーなどを用いてこの粉
体を水中に分散させて層状粘土鉱物の水分散物を得る。
これとは別に、水酸基を有する有機アミン、カルボキシ
ル基を有する有機アミン及び塩酸などの酸を水に加え
て、上記2種類の有機アンモニウム塩を含有する水溶液
を調製する。この水溶液を上記層状粘土鉱物の水分散物
に加えて混合することにより、層状粘土鉱物中の無機イ
オンが有機アンモニウム塩から生じた2種類の有機アン
モニウムイオンによりイオン交換される。この混合物か
ら水を除去することにより、水酸基を有する有機アンモ
ニウム塩とカルボキシル基を有する有機アンモニウム塩
とで有機化された層状粘土鉱物が得られる。
媒体としては、水以外にもメタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール及
びこれらの混合物、並びにこれらと水との混合物を使用
することができる。
うに第1の有機オニウム塩(水酸基を有する有機オニウ
ム塩)及び第2の有機オニウム塩(カルボキシル基を有
する有機オニウム塩)による有機化を同時に行ってもよ
く、一方の有機オニウム塩で有機化した後に他方で有機
化してもよい。
と第1及び第2のポリマーとを溶融混練することによっ
て本発明の樹脂複合材料を得ることができる。例えば、
水酸基を有する有機オニウム塩、カルボキシル基を有す
る有機オニウム塩、脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリ
アミドを用いる場合、水酸基を有する有機オニウム塩の
水酸基と脂肪族ポリエステルの末端カルボキシル基とが
反応して両者の間に水酸基を介した結合が形成され、ま
た、カルボキシル基を有する有機オニウム塩のカルボキ
シル基と脂肪族ポリアミドの末端アミノ基との反応がそ
れぞれ進行して両者の間にカルボキシル基を介した結合
が形成される。これにより、層状粘土鉱物の層間におい
て脂肪族ポリエステルと脂肪族ポリアミドとを十分に均
一に相溶させることができ、剛性、靭性、延性などの力
学的特性や結晶化速度に優れた本発明の樹脂複合材料を
得ることができる。
ポリマーと層状粘土鉱物との混練と、第2のポリマーと
層状粘土鉱物との混練を同時に行ってもよく、これらの
ポリマーの一方を層状粘土鉱物と混練した後、得られる
混練物と他方とを更に混練してもよい(以下、単に「混
練工程」というが、当該混練工程は上記した手順の双方
を包含するものである)。
オニウム塩との反応の種類に応じて適宜選定される。例
えば有機オニウム塩の水酸基と脂肪族ポリエステルの末
端カルボキシル基との反応、並びに有機オニウム塩のカ
ルボキシル基と脂肪族ポリアミドの末端アミノ基との反
応を行う場合、当該温度の上限値は好ましくは280℃
であり、より好ましくは250℃である。当該温度が前
記上限値を超えると、脂肪族ポリエステル(あるいは更
に脂肪族ポリアミド)の分子量が低下して樹脂複合材料
の物性が損なわれる(例えば可塑化)傾向にある。ま
た、当該温度の下限値は脂肪族ポリエステル及び脂肪族
ポリアミドの種類によって異なるが、脂肪族ポリエステ
ル又は脂肪族ポリアミドのうち融点が低いポリマーの融
点以上であることが好ましい。例えばポリ乳酸の融点は
170〜180℃であり、ナイロン6の融点は225℃
であり、ナイロン12の融点は185℃であるので、こ
れらを組み合わせる場合にはポリ乳酸の融点以上に温度
を設定することが好ましい。温度が上記の条件を満たさ
ないと、脂肪族ポリエステルや脂肪族ポリアミドの溶融
が不十分となり、これらの分散均一性が低下する傾向に
ある。
国際公開WO99/50340号公報に開示されている
方法に準じて行うことが好ましい。すなわち、高樹脂換
算圧力、高総せん断量、高せん断エネルギーを加えるこ
とが可能なスクリューを備える二軸混練機を用い、樹脂
換算圧力の平均値が5×104Pa以上、最大値が1×
105Pa、総せん断量が105〜107、総せん断エネ
ルギーが1010〜101 4Paの条件下で有機化された層
状粘土鉱物と第1及び第2のポリマーとを溶融混練する
ことによって、これらの分散均一性をより高めることが
できる。
の有機オニウム塩で層状粘土鉱物を有機化する有機化工
程と、有機化工程で得られる層状粘土鉱物と第1の重合
性化合物とを混合し、該第1の重合性化合物の反応によ
り、第1の有機オニウム塩を介して層状粘土鉱物と結合
した第1のポリマーを生成させる第1の重合工程と、有
機化工程で得られる層状粘土鉱物と第2の重合性化合物
とを混合し、該第2の重合性化合物の反応により第2の
有機オニウム塩を介して前記層状粘土鉱物と結合した第
2のポリマーを生成させる第2の重合工程とを含むもの
である。
記第1の製造方法にかかる有機化工程と同様にして行う
ことができる。
ってもよく、重合工程の一方を行った後に他方を行って
もよい。例えば、脂肪族ポリエステル重合工程及び脂肪
族ポリアミド重合工程の順序については以下の(i)〜
(iii)が例示できる。 (i)脂肪族ポリエステル重合工程を行った後、脂肪族
ポリアミド重合工程を行う; (ii)脂肪族ポリアミド重合工程を行った後、脂肪族
ポリエステル重合工程を行う; (iii)有機化工程で得られる層状粘土鉱物と、α−
ヒドロキシ酸の環状二量体及び/又はラクトン類と、ラ
クタム類とを混合し、脂肪族ポリエステル重合工程と脂
肪族ポリアミド重合工程とを同時に行う。
も、手順(i)が特に好ましい。手順(ii)、(ii
i)では重合の際に生成するアミド(ラクタム又はその
開環重合により生成したポリアミド)がラクチド重合の
触媒毒となって脂肪族ポリエステルの分子量が不十分と
なる恐れがあるが、手順(i)によればこのような現象
を十分に抑制することができ、分子量が十分に大きい脂
肪族ポリエステルを生成させることができる。
び脂肪族ポリアミド重合工程は、所定の触媒を用いて行
ってもよく、無触媒で行ってもよい。触媒としては、具
体的には、オクチル酸化スズ、塩化スズ、塩化亜鉛、酸
化鉛、炭酸鉛、塩化チタン、アルコキシチタン、酸化ゲ
ルマニウム、酸化ジルコニウムなどが挙げられ、その使
用量は重合性単量体100重量部に対して0.001〜
1重量部であることが好ましい。また、当該重合工程に
おける反応温度は100〜200℃であることが好まし
い。
法はいずれも、第1のポリマーと層状粘土鉱物との間に
第1の有機オニウム塩を介した結合を形成させると共
に、第2のポリマーと層状粘土鉱物との間に第2の有機
オニウム塩を介した結合を形成させるもので、これによ
り層状粘土鉱物の層間において第1のポリマーと第2の
ポリマーとを十分に均一に相溶させることができるの
で、力学的特性や結晶化速度に優れた本発明の樹脂複合
材料を効率よく且つ確実に得ることができる。
更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら
限定されるものではない。
ト(クニミネ鉱業製クニピアF、陽イオン交換容量:1
15meq/100g)100gを80℃の水5000
mlに分散させ、一方、ジヒドロキシエチルメチルステ
アリルアンモニウムブロミド(以下、18(OH)2と
いう)36.4g、12−アミノドデカン酸(以下、1
2COOHという)7.4g及び濃塩酸3.3mlを8
0℃の水2000mlに溶解させた。次いで、両者を混
合してモンモリロナイトの有機化を行い18(OH)2
と12COOHとが7:3のモル比で付加した有機化モ
ンモリロナイトを得た。得られた有機化モンモリロナイ
ト(以下、18(OH)2−Montという)を80℃
の水で3回洗浄し、凍結乾燥した後、これを粉砕した。
灼残法により求めた有機化モンモリロナイトの無機分の
残量は64%であった。
リューを備える二軸押出機(日本製鋼所製TEX30
α)を用い、ポリ乳酸樹脂(島津製作所製ラクティ#9
030)に上記の有機化モンモリロナイトを無機分換算
値で4.3重量%添加した混合物を、スクリュー回転数
300rpm、樹脂温度200℃、樹脂供給速度5kg
/hで溶融混練した。この混練の途中から、ナイロン1
2樹脂(宇部興産製ナイロン3024B)を、ポリ乳酸
とナイロン12との重量比が7:3となるようにして添
加し、更に溶融混練を行って目的の樹脂複合材料を得
た。得られた樹脂複合材料をストランド状に押し出した
後、水で急冷し、ストランドカッターでペレットとし
た。
ロトームで切り出して超薄切片を作製した。これを透過
型電子顕微鏡(日本電子製JOEL−200CX)で観
察し、層状粘土鉱物の分散状態を以下の基準: ○:層状粘土鉱物がほぼ単層ごとに微分散している △:2〜3層が凝集した状態の層状粘土鉱物が50%以
上認められる ×:ほとんどの層状粘土鉱物が数十層以上凝集した状態
で分散している に基づいて評価した。得られた結果を表1に示す。
脂工業製PS40E2ASE)及びFS75型を用いて
上記の樹脂複合材料の射出成形を行い、ダンベル型引張
試験片を得た。この試験片を用い、ASTM D638
Mに準じて引張り試験を行い、引張強さ、破断伸び、弾
性率を評価した。また、ASTM D256に準じてI
zod衝撃試験を行った。得られた結果を表1に示す。
od衝撃試験で用いた試験片の破断面を金蒸着した後、
走査型電子顕微鏡(明石製作所製SIGMA−V)を用
いてポリ乳酸とナイロン12の層構造を観察し、ナイロ
ン12の平均分散粒径を測定した。得られた結果を表1
に示す。
い、DSC測定装置(パーキンエルマー社製DSC−
7)により結晶化時間を測定した。すなわち、試料0.
3mgをアルミパンに入れ、200℃で5分間保持して
から110℃まで急激に降温して保持し、降温してから
結晶化の吸熱ピークが現れるまでの時間を結晶化時間と
した。得られた結果を表1に示す。
製ナイロン1015B)を用いたこと以外は実施例1と
同様にして、樹脂複合材料を作製し、分散状態及び力学
的特性の評価、並びにナイロン6の平均分散粒径及び結
晶化時間の測定を行った。得られた結果を表1に示す。
合成した。次に、この有機化モンモリロナイト3.5
g、L−ラクチド100g、オクチル酸スズ200mg
を反応容器に入れ、10-2mmHgまで減圧した。続い
て十分撹拌しながら徐々に温度を上昇させ、160℃で
3時間保持した。更に、2−アザシクロトリデカノン6
0gを反応容器内に導入し、再度減圧した後180℃で
3時間保持して目的の樹脂複合材料を得た。
いて、実施例1と同様にして分散状態及び力学的特性の
評価、並びにナイロンの平均分散粒径及び結晶化時間の
測定を行った。得られた結果を表1に示す。
ポリ乳酸及びナイロン12を溶融混練してペレットを作
製した。このペレットについて、実施例1と同様にして
分散状態及び力学的特性の評価、並びにナイロン12の
分散粒径及び結晶化時間の測定を行った。得られた結果
を表2に示す。
モンモリロナイトの有機化を行ったこと以外は実施例1
と同様にして、樹脂複合材料を作製し、分散状態及び力
学的特性の評価、並びにナイロン12の平均分散粒径及
び結晶化時間の測定を行った。得られた結果を表2に示
す。
モンモリロナイトの有機化を行ったこと以外は実施例1
と同様にして、樹脂複合材料を作製し、分散状態及び力
学的特性の評価、並びにナイロン12の平均分散粒径及
び結晶化時間の測定を行った。得られた結果を表2に示
す。
ルトリメチルアンモニウム(C18Me3)を用いてモ
ンモリロナイトの有機化を行ったこと以外が実施例1と
同様にして、樹脂複合材料を作製し、分散状態及び力学
的特性の評価、並びにナイロン12の平均分散粒径及び
結晶化時間の測定を行った。得られた結果を表2に示
す。
いては、ナイロンとポリ乳酸とが十分に均一に且つ微細
に相溶しており、ポリ乳酸とナイロン12との溶融混練
物(比較例1)に比べて靭性、延性、強度及び弾性率の
向上が認められた。
例2〜4の樹脂複合材料においては、樹脂中にモンモリ
ロナイトが微細分散しているものの、ナイロンが平均分
散粒径数μmの大きな粒子としてポリ乳酸マトリックス
中に存在するため、十分な補強効果が得られておらず、
単に硬く脆い材料であることがわかった。
1及び第2の有機オニウム塩で層状粘土鉱物を有機化
し、この層状粘土鉱物を、第1の有機オニウム塩を介し
て第1のポリマー、第2の有機オニウム塩を介して第2
のポリマーとそれぞれ結合させることによって、これら
のポリマー間の相溶性が本来的に低い場合であっても、
当該ポリマー同士を層状粘土鉱物の層間において十分に
均一に相溶させることができ、その結果、剛性(強度、
弾性率など)、靭性、延性などの力学的性質や結晶化速
度の点で優れた特性を有する樹脂複合材料が実現され
る。
よれば、このように優れた特性を有する本発明の樹脂複
合材料を効率よく且つ確実に得ることができる。
塩によって有機化された層状粘土鉱物の状態を概念的に
示す説明図である。
塩、2b…カルボキシル基を有する有機オニウム塩。
Claims (8)
- 【請求項1】 第1及び第2の有機オニウム塩で有機化
された層状粘土鉱物と、前記第1の有機オニウム塩を介
して前記層状粘土鉱物と結合した第1のポリマーと、前
記第2の有機オニウム塩を介して前記層状粘土鉱物と結
合した第2のポリマーとを含有することを特徴とする樹
脂複合材料。 - 【請求項2】 前記第1の有機オニウム塩が水酸基を有
する有機オニウム塩であり、前記第2の有機オニウム塩
がカルボキシル基を有する有機オニウム塩であり、前記
第1のポリマーが前記第1の有機オニウム塩の水酸基を
介して前記層状粘土鉱物と結合した脂肪族ポリエステル
であり、前記第2のポリマーが前記第2の有機オニウム
塩のカルボキシル基を介して前記層状粘土鉱物と結合し
た脂肪族ポリアミドであることを特徴とする、請求項1
に記載の樹脂複合材料。 - 【請求項3】 前記第1のポリマーがポリ乳酸であるこ
とを特徴とする、請求項1又は2に記載の樹脂複合材
料。 - 【請求項4】 前記第1及び第2の有機オニウム塩の炭
素数がそれぞれ6以上であることを特徴とする、請求項
1〜3のうちのいずれか一項に記載の樹脂複合材料。 - 【請求項5】 第1及び第2の有機オニウム塩で層状粘
土鉱物を有機化する有機化工程と、前記有機化工程で得
られる層状粘土鉱物と第1のポリマーとを溶融混練し、
前記第1の有機オニウム塩を介して層状粘土鉱物と第1
のポリマーとを結合させる第1の混練工程と、前記有機
化工程で得られる層状粘土鉱物と第2のポリマーとを溶
融混練し、前記第2の有機オニウム塩を介して層状粘土
鉱物と第2のポリマーとを結合させる第2の混練工程と
を含むことを特徴とする樹脂複合材料の製造方法。 - 【請求項6】 水酸基を有する第1の有機オニウム塩及
びカルボキシル基を有する第2の有機オニウム塩で層状
粘土鉱物を有機化する有機化工程と、前記有機化工程で
得られる層状粘土鉱物と脂肪族ポリエステルとを溶融混
練し、前記第1の有機オニウム塩の水酸基と前記脂肪族
ポリエステルの末端カルボキシル基とを反応させる脂肪
族ポリエステル混練工程と、前記有機化工程で得られる
層状粘土鉱物と脂肪族ポリアミドとを溶融混練し、前記
第2の有機オニウム塩のカルボキシル基と前記脂肪族ポ
リポリアミドの末端アミノ基とを反応させる脂肪族ポリ
アミド混練工程とを含むことを特徴とする、請求項5に
記載の樹脂複合材料の製造方法。 - 【請求項7】 第1及び第2の有機オニウム塩で層状粘
土鉱物を有機化する有機化工程と、前記有機化工程で得
られる層状粘土鉱物と第1の重合性化合物とを混合し、
該第1の重合性化合物の反応により、前記第1の有機オ
ニウム塩を介して前記層状粘土鉱物と結合した第1のポ
リマーを生成させる第1の重合工程と、前記有機化工程
で得られる層状粘土鉱物と第2の重合性化合物とを混合
し、該第2の重合性化合物の反応により前記第2の有機
オニウム塩を介して前記層状粘土鉱物と結合した第2の
ポリマーを生成させる第2の重合工程とを含むことを特
徴とする樹脂複合材料の製造方法。 - 【請求項8】 水酸基を有する第1の有機オニウム塩及
びカルボキシル基を有する第2の有機オニウム塩で層状
粘土鉱物を有機化する有機化工程と、前記有機化工程で
得られる層状粘土鉱物とα−ヒドロキシ酸の環状二量体
及び/又はラクトン類とを混合し、前記第1の有機オニ
ウム塩の水酸基を反応点として脂肪族ポリエステルを生
成させる脂肪族ポリエステル重合工程と、前記有機化工
程で得られる層状粘土鉱物とラクタム類とを混合し、前
記第2の有機オニウム塩のカルボキシル基を反応点とし
て脂肪族ポリアミドを生成させる脂肪族ポリアミド重合
工程とを含むことを特徴とする、請求項7に記載の樹脂
複合材料の製造方法。
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