JP2003119282A - 熱可塑ポリイミドの製造方法 - Google Patents

熱可塑ポリイミドの製造方法

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JP2003119282A
JP2003119282A JP2001312741A JP2001312741A JP2003119282A JP 2003119282 A JP2003119282 A JP 2003119282A JP 2001312741 A JP2001312741 A JP 2001312741A JP 2001312741 A JP2001312741 A JP 2001312741A JP 2003119282 A JP2003119282 A JP 2003119282A
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JP
Japan
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thermoplastic polyimide
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diamine
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Application number
JP2001312741A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Tsuji
宏之 辻
Takeshi Kikuchi
剛 菊池
Hiroyuki Furuya
浩行 古谷
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ジアミンと酸二無水物を有機溶媒中で反応さ
せ、ポリアミド酸とした後、大幅な分子量低下を生ずる
ことがなく、精製などの工程が必要ない熱可塑性ポリイ
ミド樹脂の製造方法を提供する。 【解決手段】 ジアミンと酸二無水物を反応させて得ら
れるポリアミド酸と有機溶媒を含む溶液を、減圧下で加
熱することによってポリイミドを得る熱可塑性ポリイミ
ド樹脂の製造方法であって、前記加熱温度が、ポリイミ
ドのガラス転移温度(Tg)〜Tg+150℃であるこ
とを特徴とする熱可塑性ポリイミド樹脂の製造方法によ
り上記課題を解決し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、熱可塑性ポリイ
ミドの製造方法に関するものである。詳しくは、ジアミ
ンと酸二無水物とを反応させて得られるポリアミド酸と
有機溶媒を含む溶液を、減圧下で加熱することによって
ポリイミドを得る熱可塑ポリイミドの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】 ポリイミドは、種々の有機ポリマ−の
中でも耐熱性に優れているため、宇宙、航空分野から電
子通信分野、OA機器分野など幅広く用いられている。
通常ポリイミドは、ジアミンと酸二無水物より、有機溶
媒中でポリアミド酸となしたあとで、熱的に或いは化学
的にイミド化される。熱的にイミド化される方法とは、
例えば特開昭63−29742に記載しているように、
N−メチルピロリドン等の有機溶媒中でアミド酸を形成
し、トルエン等の共沸溶媒を加え、加熱して、水を共沸
させて系外に排出することにより、ポリイミドとする方
法である。この方法は、イミド化する際に生成する水に
よりアミド酸が加水分解し、分子量低下するという問題
がある。次に化学的にイミド化する方法として、アミド
酸をピリジンやβピコリン等の3級アミンの存在下で無
水酢酸等の無水物と反応させることにより、ポリイミド
とする方法である。この方法は、系内に3級アミンや無
水酢酸等が残り、精製する必要が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 熱可塑性ポリイミド
を製造する際に、上記のような問題が生じない熱可塑性
ポリイミドの製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明者らは、鋭意検
討の結果、以下の製造方法によって所定の目的が達成で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。 1)ジアミンと酸二無水物を反応させて得られるポリア
ミド酸と有機溶媒を含む溶液を、減圧下で加熱すること
によってポリイミドを得る熱可塑性ポリイミド樹脂の製
造方法であって、前記加熱温度が、ポリイミドのガラス
転移温度(Tg)〜Tg+150℃であることを特徴と
する熱可塑性ポリイミド樹脂の製造方法。 2)熱可塑性ポリイミドのTgが、350 ℃以下であ
る1)記載の熱可塑性ポリイミドの製造方法。 3)減圧加熱する温度が、80℃以上500℃以下であ
る1)または2)記載の熱可塑性ポリイミドの製造方
法。 4)減圧加熱する圧力が90kPa〜100Paである
1)〜3)のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリイミド
の製造方法。 5) 前記酸二無水物が、(化7)〜(化9)
【0005】
【化7】
【0006】
【化8】
【0007】
【化9】 (式中、Xは二価の有機基を示し、Y及びZは単結合ま
たは二価の有機基を示す)で表される化合物からなる群
から選択される少なくとも一種であることを特徴とす
る、1)〜4)に記載の熱可塑性ポリイミド樹脂の製造
方法。 6) Xが、―C(CH32―、―C(CF32―、―
CH2C(CH32CH2―、―(CH2m―(mは1以
上10以下の整数である)及び次式(化10)
【0008】
【化10】 (式中、TはCl、F、Br、CH3−、CH3O―のい
ずれかである)で表される基からなる群から選択される
二価の有機基であることを特徴とする、5)に記載の熱
可塑性ポリイミド樹脂の製造方法。 7) Yが、単結合及び、―O―、―C(=O)―から
なる群から選択される二価の有機基であることを特徴と
する、5)または6)に記載の熱可塑性ポリイミド樹脂
の製造方法。 8)Zが、単結合及び、―O―、―C(=O)―、―S
2―からなる群から選択される二価の有機基であるこ
とを特徴とする、5)〜7)に記載の熱可塑性ポリイミ
ド樹脂の製造方法。 9) 前記ジアミンが、(化11)
【0009】
【化11】 (式中、Rは独立して、Cl、Br、ヒドロキシ基、カ
ルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、及び炭素数
1〜4のアルコキシ基からなる群から選択され、Aは独
立して、単結合、―C(CH32―、―C(CF3
2―、―(CH2p―(pは1以上10以下の整数であ
る)、―O―、―S―、―SO2―、―C(=O)―、
―C(=O)O―または−NHCO―であり、nは0、
1または2であり、jは0以上の整数である)で表され
る少なくとも一種のジアミンを10モル%以上含む、
1)〜8)に記載の熱可塑性ポリイミド樹脂の製造方
法。 10) 前記ジアミンが、(化12)
【0010】
【化12】 (式中、RaはCl、F、Br、CH3−、CH3O―の
いずれかであり、Rbは水素、炭素数1〜4のアルキル
基、または炭素数1〜4のアルコキシ基であり、A 1
―C(CH32―、―C(CF32―、―(CH2p
(pは1以上10以下の整数である)、―O―、―S
―、―SO2―、―C(=O)―、―C(=O)O―ま
たは−NHCO―であり、qは0以上の整数であり、n
は0、1または2であり、kは1または2である)で表
される化合物からなる群から選択されることを特徴とす
る、9)に記載の熱可塑性ポリイミド樹脂の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法は、ジアミンと
酸二無水物を反応させて得られるポリアミド酸と有機溶
媒を含む溶液を、減圧下で加熱することによってポリイ
ミドを得る熱可塑性ポリイミド樹脂の製造方法であっ
て、前記加熱温度が、ポリイミドのガラス転移温度(T
g)〜Tg+150℃であることを特徴とする熱可塑性
ポリイミド樹脂の製造方法である。
【0012】詳しく、本発明の内容について説明する。
本発明に用いられるポリアミド酸は、有機溶剤中ジアミ
ンと酸二無水物と反応させることにより得られる。アル
ゴン、窒素等の不活性雰囲気中において、ジアミンを有
機溶媒中に溶解あるいは、スラリー状に拡散させ、酸二
無水物を有機溶媒に溶解、スラリー状に拡散させた状
態、あるいは固体の状態で添加する。この場合のジアミ
ンと酸二無水物が実質上等モルであれば、酸成分1種・
ジアミン成分1種のポリアミド酸になる。
【0013】これらの酸二無水物成分及びジアミン成分
のモル比を調整してポリアミド酸共重合体を任意に得る
ことができる。例えば、ジアミン成分−1及びジアミン
成分−2を有機極性溶媒中に先に加えておき、ついで酸
二無水物成分を加え、ポリアミド酸重合体の溶液として
もよい。また、ジアミン成分−1を有機極性溶媒中に先
に加えておき、酸二無水物成分を加えそのあとジアミン
成分−2を加え、ポリアミド酸重合体の溶液としてもよ
い。ジアミン成分−1を有機極性溶媒中に先に加えてお
き、ついで酸二無水物成分−1を加え、ついで酸二無水
物−2を加え、ポリアミド酸重合体の溶液としてもよ
い。また、ジアミン成分−1とジアミン成分−2を有機
極性溶媒中に先に加えておき、酸二無水物成分−1を加
え、ついで酸二無水物−2を加え、ポリアミド酸重合体
の溶液としてもよい。
【0014】上記の添加方法を逆にし、酸二無水物を先
に加え、ジアミン成分を後に加えるようにしても実質上
は同じである。
【0015】この時の反応温度は、−20℃〜90℃が
望ましい。反応時間は30分から24時間程度である。
ポリアミド酸の平均分子量は5000〜1000000
であることが望ましい。平均分子量が5000未満で
は、できあがったポリイミド組成物の分子量も低くな
り、そのポリイミド組成物をそのまま用いても樹脂が脆
くなり好ましくない、一方、1000000を越えると
ポリアミド酸ワニスの粘度が高くなりすぎ取扱いが難し
くなって好ましくない。
【0016】また、このポリイミド組成物に各種の有機
添加剤、或は無機のフィラー類、或は各種の強化材を複
合することも可能である。ここで該ポリアミド酸の生成
反応に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメ
チルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホ
キシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセ
トアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−
ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリ
ドン系溶媒、フェノール、o−、m−、またはp−クレ
ゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコ
ールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノー
ル、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソル
ブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミ
ド、γ−ブチロラクトンなどをあげることができ、これ
らを単独または混合物として用いるのが望ましいが、更
にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素も使用
可能である。溶媒は、ポリアミド酸を溶解するものであ
れば特に限定されない。ポリアミド酸を合成し、その
後、加熱減圧して、溶媒の除去とイミド化を同時に行う
ので、ポリアミド酸を溶解し、なるべく沸点の低いもの
を選択することが、工程上有利である。
【0017】次に、ポリアミド酸をイミド化する工程に
ついて説明する。ポリアミド酸が、イミド化する際に、
水を生成する。この生成した水は、ポリアミド酸を容易
に加水分解し分子量の低下を引き起こす。この水を除去
しながらイミド化する方法として、通常1)トルエン・
キシレン等の共沸溶媒を加え共沸により除去する方法、
2)無水酢酸等の脂肪族酸二無水物とトリエチルアミン
・ピリジン・ピコリン・イソキノリン等の3級アミンを
加える化学的イミド化法がある。1)の共沸による水の
除去は、溶液系に水が存在し、水による加水分解は、避
けることはできない。2)の化学的イミド化法は、生成
する水を脂肪族酸二無水物が、脂肪族酸に変化すること
で化学的に取り除くため、加水分解という点では、1)
の系に比べ有利である。しかし、系内に脂肪族酸二無水
物・3級アミンがのこるため、これらを取り除く工程が
必要となる。
【0018】本発明は、イミド化により生成する水を加
熱・減圧し、積極的に系外に除去することにより加水分
解を抑え、分子量低下を避けることができる。また、用
いた原料の酸二無水物中に、加水分解により開環したテ
トラカルボン酸或いは、酸二無水物の片方が加水開環し
たもの等が混入し、ポリアミド酸の重合反応を停止した
場合、イミド化時の減圧・加熱により、開環した酸二無
水物が再び、閉環して酸二無水物となり、イミド化中
に、系内に残っているアミンと反応し、分子量の向上が
期待できる。イミド化の加熱条件は、80〜500℃で
ある。イミド化効率よく行われ、しかも水が効率よく除
かれる100℃以上、望ましくは120℃以上である。
但し、ポリアミド酸から生成するポリイミドのガラス転
移温度(Tg)以上Tg+150℃以下の温度で加熱乾
燥することが重要である。 ポリアミド酸から生成する
ポリイミドのTgより低い温度でイミド化を行うとイミ
ド化時に発生する水が効率的に除去できず分子量低下を
引き起こす。また、Tg+150℃より高い温度でイミ
ド化を行うとイミド化時に熱分解を生じ、分子量低下を
引き起こす恐れがある。減圧する圧力の条件は、圧力が
小さいほうが好ましいが、上記加熱条件で、イミド化時
に生成する水が効率よく除去される圧力であればよい。
具体的には、減圧加熱する圧力は90kPa〜100P
aであり、望ましくは、80kPa〜100Pa、さら
に望ましくは、0.7〜0.01気圧70kPa〜10
0Paである。)本発明の方法で用いられる酸二無水物
は特に限定されず、例えば、芳香族テトラカルボン酸二
無水物、あるいは脂肪族または脂環式テトラカルボン酸
二無水物など任意の酸二無水物が用いられ得る。ここ
で、定義上、「芳香族テトラカルボン酸二無水物」と
は、分子内に少なくとも1つの芳香族基を有するものを
いい、「脂肪族テトラカルボン酸二無水物」とは、分子
内に脂環式基および芳香族基を有さないものをいい、そ
して、「脂環式テトラカルボン酸二無水物」とは、分子
内に少なくとも1つの脂環式基を含み、かつ芳香族基を
有さないものをいう。
【0019】芳香族テトラカルボン酸二無水物として
は、特に限定されないが、例えば、ピロメリット酸二無
水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスル
ホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフ
タレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナ
フタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,
4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラ
カルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェ
ニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4
−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフ
ィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−
ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプ
ロパン二無水物、3,3’,4,4’−ヘキサフルオロ
イソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フ
タル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−
フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、
m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水
物、4,4’−ビス(トリフェニルフタル酸)−ジフェ
ニルエーテル二無水物、4,4’−ビス(トリフェニル
フタル酸)−ジフェニルメタン二無水物などが挙げられ
る。
【0020】あるいは、芳香環を有する脂肪族テトラカ
ルボン酸二無水物、例えば、1,3,3a,4,5,9
b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオ
キソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−
1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサ
ヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジ
オキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン
−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキ
サヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−
ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラ
ン−1,3−ジオン、下記(化13)
【0021】
【化13】 及び、下記(化14)
【0022】
【化14】 (式中R1およびR4は芳香環を有する2価の有機基(好
ましくは炭素数6〜18である)を示し、R2およびR3
ならびにR5およびR6はそれぞれ水素原子またはアルキ
ル基(好ましくは炭素数1〜6である)を示す。)で表
わされる化合物などを挙げることができる。
【0023】脂肪族または脂環式テトラカルボン酸二無
水物としては、特に限定されないが、例えば、ブタンテ
トラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタ
ンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,
2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,
3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、
2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水
物、3,5,6−トリカルボキシノルボナン−2−酢酸
二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラ
カルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒ
ドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−
オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸
二無水物などが挙げられる。
【0024】上記のような酸二無水物は、単独でまたは
2種以上組み合わせて用いることができる。
【0025】本発明の方法で用いられる好ましい酸二無
水物の例は(化15)〜(化17)
【0026】
【化15】
【0027】
【化16】
【0028】
【化17】 (ここで、Xは2価の有機基を表し、YおよびZは単結
合または2価の有機基を表す)で表される化合物からな
る群から選択される、芳香族テトラカルボン酸二無水物
である。
【0029】上記式において、Xで表される2価の有機
基は、代表的には炭素数1〜24を有し、脂肪族基、脂
環式基、および芳香族基ならびにこれらの組み合わせを
有する有機基である。YまたはZで表される2価の有機
基はそれぞれ、代表的には少なくとも1つのヘテロ原子
をその主鎖において有する有機基であり、ヘテロ原子の
例としては、酸素、イオウ、窒素、ケイ素、リンなどが
挙げられるが、これらに限定はされない。
【0030】上記式(化15)で表される好適な化合物
において、Xは、−C(CH32−、−C(CF3
2−、−CH2C(CH32CH2−、−Cq2q−(ここ
でqは1〜20の整数である)および次式(化18)
【0031】
【化18】 (ここで、TはCl、F、Br、CH3−、またはCH3
O−である)で表される基からなる群から選択され得
る。
【0032】上記(化15)で表される好適な化合物に
おいて、Zは、単結合、−O−、−C(=O)−または
−C(=O)O−であり得る。さらに好適な化合物にお
いては、XおよびZは、ともに以上の具体例の範囲から
選択され得る。上記(化16)で表される他の好適な化
合物において、Yは、単結合、−O−、または−C(=
O)−、―SO2ッであり得る。
【0033】上記(化15)〜(化17)で表されるよ
うな芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いることによ
って、優れた耐熱性(熱分解耐性)と加工性とを両立し
た熱可塑性ポリイミドが形成され得る。上記(化15)
〜(化17)で表される化合物からなる群から選択され
る少なくとも1種の酸二無水物を、用いられる酸二無水
物全体の量を基準にして10モル%以上、好ましくは3
0モル%以上、さら好ましくは50%以上用いることが
望ましい。
【0034】本発明の方法で用いられるジアミンは、桂
皮酸骨格を有するジアミンの他に種々ジアミンを用いる
ことができる。本発明によれば、芳香族ジアミンおよび
脂肪族または脂環式ジアミンなどの任意のジアミンが用
いられ得る。
【0035】芳香族ジアミンとしては、特に限定されな
いが、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレ
ンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジア
ミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニ
ルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォ
ン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメチル
−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−
(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルイ
ンダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−
1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−ジアミノ
ベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3’−トリフルオ
ロメチルベンズアニリド、3,5−ジアミノ−4’−ト
リフルオロメチルベンズアニリド、3,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテル、2,7−ジアミノフルオレン、
2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリ
ン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−
ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−
ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’
−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,
4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチ
ル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニ
ル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,
4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリ
ン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビ
スアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−
トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフル
オロプロパン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−2
−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロ
ビフェニルなどが挙げられる。また、ジアミノテトラフ
ェニルチオフェンなどの芳香環に結合された2個のアミ
ノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有す
る芳香族ジアミンも挙げられる。また、1,1’−メタ
キシリレンジアミン、および次式(化19)
【0036】
【化19】 で表わされるモノ置換フェニレンジアミン類(式中R7
は、−O−,−COO−,−OCO−,−CONH−お
よび−CO−からなる群から選ばれる2価の有機基を示
し、R8はステロイド骨格を有する1価の有機基を示
す)もまた用いられ得る。
【0037】脂肪族または脂環式ジアミンとしては、特
に限定されないが、例えば、1,3−プロパンジアミ
ン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミ
ン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、
4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジ
アミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、テトラ
ヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒド
ロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、
トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレンジメ
チルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシ
ルアミン)などのジアミンが挙げられる。さらに、次式
(化20)
【0038】
【化20】 (R9は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、yは独立
して1〜3の整数であり、zは1〜20の整数であ
る。)で表される、シロキサン骨格を有するジアミンな
どが挙げられる。
【0039】上記のジアミン化合物は単独でまたは2種
以上組み合わせて用いることができる。
【0040】本発明の方法で用いられる好ましいジアミ
ンは以下の(化21)
【0041】
【化21】 で表される芳香族ジアミンであり、ここでRは独立し
て、Cl、F、Br、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭
素数1〜4のアルキル基、および炭素数1〜4のアルコ
キシ基からなる群から選択され、Aは独立して、単結
合、−C(CH32−、−(CH2p−(pは1以上の
整数、好ましくは1〜6の整数である)、−C(C
32−、−O−、−S−、−SO2−、−C(=O)
−、−C(=O)O−、または−NHCO−であり、n
は0、1、または2であり、jは0以上の整数、好まし
くは0〜6の整数である。
【0042】好ましくは前記(化21)で表されるジア
ミンは、次式(化22)
【0043】
【化22】 で表され、ここで、Raは、水素、Cl、F、Br、C
3−、またはCH3O−であり、Rbは、水素、炭素数
1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ
基であり、A1は、−C(CH32−、−(CH2
p−、−C(CF32−、−O−、−S−、−SO2−、
−C(=O)−、−C(=O)O−、または−NHCO−
であり、qは0以上の整数、好ましくは1以上4以下ま
での整数であり、nは0、1または2であり、kは1ま
たは2である。
【0044】上記(化21)で表されるような芳香族ジ
アミンを用いることによって、優れた耐熱性(熱分解耐
性)と加工性とを両立した熱可塑性ポリイミドが形成さ
れ得る。上記(化21)で表される化合物からなる群か
ら選択される少なくとも1種のジアミンを、用いられる
ジアミン全体の量を基準にして10モル%以上、好まし
くは30モル%以上、さら好ましくは50%以上用いる
ことが望ましい。ポリアミド酸溶液を減圧下で加熱乾燥
して直接イミド化する具体的な方法について説明する。
減圧下、加熱乾燥できるなら方法は問わないが、バッチ
式の方法として、真空オーブン、連続式の方法として、
例えば減圧装置の付随した2軸或いは3軸押出し機によ
り実施できる。これらの方式は、生産量により選択され
る。ここでいう減圧装置の付随した2軸或いは3軸押出
し機とは、熱可塑樹脂を加熱溶融押出しを行う、一般的
な溶融押出し機に減圧して溶媒を除去する装置を付随さ
せたものである。2軸あるいは3軸の押出し機によりポ
リアミド酸溶液が、押出し機により混練されながら溶媒
とイミド化時に生成した水を除去され、熱可塑性ポリイ
ミドとなる。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0046】実施例中、ESDAは、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,
3‘,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、BAPS
−Mは、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]
スルフォン、APBは1,3‘−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、DMAcは、N,N−ジメチルアセ
トアミド、DMFは、N,N−ジメチルフォルムアミド
を表す。 Tgの測定:島津製作所 DSC CELL SCC−
41(示差走査熱量計)により、窒素気流下で昇温速度
10℃/分で室温から400℃までの温度範囲を測定し
た。 重量平均分子量の測定:Waters製GPCを用いて
以下条件で測定した。(カラム:Shodex製 KD
−806M 2本、温度60℃、検出器:RI、流量:
1ml/分、展開液:DMF(臭化リチウム0.03
M、リン酸0.03M)、試料濃度:0.2wt%、注
入量:20μl、基準物質:ポリエチレンオキサイド) イミド化率の測定:ポリアミド酸溶液(DMF溶液)
をPETフィルム上にキャストし、100℃10分、1
30℃10分加熱後、PETフィルムから剥がし、ピン
枠に固定し、150℃60分、200℃60分250℃
60分加熱し、5μm厚みポリイミドフィルムを得る。
実施例或いは比較例で作成したポリイミドをDMFに
溶かし、PETフィルム上にキャストし、100℃30
分加熱後、PETフィルムから剥がし、ピン枠に固定
し、真空オーブン中で、80℃5mmHgの条件で12
時間加熱乾燥し、5μm厚みのポリイミドフィルムを得
た。それぞれのフィルムのIRを測定し、イミドの吸収
/ベンゼン環の吸収の比を求める。で得たイミドの吸
収/ベンゼン環の比をイミド化率100%とした時の、
のイミドの吸収/ベンゼン環の比が何%に相当するか
を求める。これをイミド化率とする。 (実施例1)攪拌機を設置した2000mlのセパラブ
ルフラスコにBAPS−M107.6g(0.25モ
ル)、DMF600gをとり、ESDA144.1g
(0.25モル)を一気に激しく攪拌しながら加え、こ
のまま30分間攪拌を続け、ポリアミド酸溶液得た。こ
のポリアミド酸の重量平均分子量(以後Mwと表す)
は、10万であった。
【0047】このポリアミド酸溶液300gを、テフロ
ン(R)コートしたバットにとり、真空オーブンで、2
30℃で3時間、667Paの圧力で減圧加熱した。真
空オーブンより取り出し、85.4gの熱可塑性ポリイ
ミドを得た。このポリイミドのMwは10万、Tgは1
90℃、イミド化率は100%であった。 (実施例2)攪拌機を設置した500kgスケールの反
応容器にBAPS−M57.65kg(100モル)、
DMF235kgをとり、ESDA43.05g(10
0モル)を一気に激しく攪拌しながら加え、このまま6
0分間攪拌を続け、ポリアミド酸溶液を得た。このポリ
アミド酸のMwは、12万であった。下記、蒸発分離装
置により、加熱減圧しながら、ポリアミド酸を直接イミ
ド化した。使用したアミド酸溶液150kgに対し回収
したイミド組成物は42kgであり収率96.8%であ
った。得たポリイミドのMwは12万、Tgは190℃
イミド化率100%であった。
【0048】蒸発分離装置:φ40同方向二軸押出し機
(BT−40−S2−48−L型)プラスチック工学研
究所製、加熱部:約2mで4ブロックに別れておりそれ
ぞれ加熱温度を設定可能、減圧部:4個所の孔が加熱部
についており、加熱混練しながら減圧できる。
【0049】運転条件:溶液(アミド酸溶液)供給量
10kg/時間 加熱温度:280℃ 減圧条件:10kPa 2軸押出し機の回転速度:100rpm (実施例3)実施例2で用いたポリアミド酸を用いて実
験を行った。下記、蒸発分離装置により、加熱減圧しな
がら、ポリアミド酸を直接イミド化した。使用したアミ
ド酸溶液150kgに対し回収したイミド組成物は4
1.0kgであり収率94.5%であった。得たポリイ
ミドのMwは、12万、Tg190℃、イミド化率10
0%であった。 栗本鐵工所製SCプロセッサ(2軸が異方向に回転する
パドルは、中空型で内部に熱媒体を循環させることによ
り、大きな伝熱面積を有し、上部に蒸発室を設け大きな
蒸発能を有している。) 型番:SCP−100(真空仕様=軸封部ウイルソンシ
ール採用) サイズ:φ100×900Lmm 回転数:30rpm 加熱温度:280℃ 真空度:10kPa (実施例4)実施例2で用いたポリアミド酸溶液500
gを攪拌機をつけた反応容器にとり、水1gを加え、4
0℃で2時間攪拌を行った。攪拌終了後のポリアミド酸
のMwは4500であった。このポリアミド酸500g
を実施例1と同様に真空オーブンを用いてイミド化を行
った。
【0050】真空オーブンより取り出し、145gの熱
可塑性ポリイミドを得た。このポリイミドのMwは9
万、Tgは190℃、イミド化率は100%であった。 (比較例1)実施例1のポリアミド酸を250gとり、
βピコリン9.3g(0.2モル)、無水酢酸50g、
DMAc100gを上記反応溶液に加え、室温で1時間
攪拌し、その後約100℃に加熱し、1時間攪拌を行い
イミド化した。これらの反応は、窒素気流下で行った。
反応終了後、メタノールに投入し、濾別し、得た固体を
ソックスレー抽出機(メタノール溶媒)で6時間精製
し、乾燥して、70gの白色ポリイミド粉末を得た。こ
のポリイミドのMwは7万、Tg190℃、イミド化率
98%であった。 (比較例2)攪拌機、ディーンスターク還流冷却管を設
置した2000mlのセパラブルフラスコに実施例1の
ポリアミド酸250g、トルエン50g、βピコリン
9.3gを加え、170℃に加熱攪拌した。水の生成が
止まるまで(約4時間)、加熱攪拌を行った。これらの
反応は、窒素気流下で行った。反応終了後、メタノール
に投入し、濾別し、得た固体をソックスレー抽出機(メ
タノール溶媒)で6時間精製し、乾燥して、69gの白
色ポリイミド粉末を得た。このポリイミドのMwは、3
万、Tgは175℃、イミ化率95%であった。 (比較例3)実施例1のポリアミド酸溶液300gを、
テフロン(R)コートしたバットにとり、真空オーブン
で、170℃で3時間、667Paの圧力で減圧加熱し
た。真空オーブンより取り出し、90gの熱可塑性ポリ
イミドを得た。このポリイミドのMwは1万、Tgは1
80℃、イミド化率は90%であった。 (実施例5)拌機を設置した2000mlのセパラブル
フラスコにAPB70.2g(0.24モル)、HAB
7.0g(0.06モル)DMAc608gをとり、E
SDA173g(0.3モル)を一気に激しく攪拌しな
がら加え、このまま30分間攪拌を続け、ポリアミド酸
溶液得た。このポリアミド酸のMwは、12万であっ
た。このポリアミド酸溶液400gを、テフロン(R)
コートしたバットにとり、180℃で3時間、667P
aの圧力で減圧加熱した。真空オーブンにてイミド化し
た。真空オーブンより取り出し、112gの熱可塑性ポ
リイミドを得た。このポリイミドのMwは、12万、T
gは、150℃、イミド化率は、100%であった。 (比較例3)攪拌機、ディーンスターク還流冷却管を設
置した2000mlのセパラブルフラスコに実施例5の
ポリアミド酸400g、トルエン50g、βピコリン1
3gを加え、170℃に加熱攪拌した。水の生成が止ま
るまで(約4時間)、加熱攪拌を行った。これらの反応
は、窒素気流下で行った。反応終了後、メタノールに投
入し、濾別し、得た固体をソックスレー抽出機(メタノ
ール溶媒)で6時間精製し、乾燥して、69gの白色ポ
リイミド粉末を得た。このポリイミドのMwは、2万、
Tgは140℃、イミ化率95%であった。尚、実施例
5の様な水酸基を側鎖に有する構造の場合、無水酢酸と
水酸基が反応するため化学的イミド化を行うことができ
ない。 (実施例6)攪拌機を設置した2000mlのセパラブ
ルフラスコにBAPS−M86.1g(0.2モル)、
DMAc555gをとり、ESDA144.1g(0.
25モル)を一気に激しく攪拌しながら加え、このまま
30分間攪拌をし、続いて、3,5−ジアミノ安息香酸
7.6g(0.05モル)を加え、このまま30分間攪
拌をし、ポリアミド酸溶液得た。このポリアミド酸の分
子量は、15万であった。このポリアミド酸溶液400
gを、テフロン(R)コートしたバットにとり、実施例
1と同様の条件で真空オーブンにてイミド化した。真空
オーブンより取り出し、115gの熱可塑性ポリイミド
を得た。このポリイミドのMwは、14.9万、Tg1
65℃、イミド化率は、100%であった。 (比較例4)攪拌機、ディーンスターク還流冷却管を設
置した2000mlのセパラブルフラスコに実施例6の
ポリアミド酸250g、トルエン50g、βピコリン
9.3gを加え、170℃に加熱攪拌した。水の生成が
止まるまで(約4時間)、加熱攪拌を行った。これらの
反応は、窒素気流下で行った。反応終了後、メタノール
に投入し、濾別し、得た固体をソックスレー抽出機(メ
タノール溶媒)で6時間精製し、乾燥して、70gの白
色ポリイミド粉末を得た。このポリイミドのMwは、
2.8万、Tgは155℃、イミ化率94%であった。
尚、実施例6の様なカルボン酸を側鎖に有する構造の場
合、無水酢酸とカルボン酸が反応するため化学的イミド
化を行うことができない。
【0051】
【発明の効果】以上のようにジアミンと酸二無水物を有
機溶媒中で反応し、ポリアミド酸となしたあとで、減圧
下でポリアミド酸から生成するポリイミドのTg以上、
Tg+150℃以下の温度で加熱乾燥することにより、
分子量低下の少ない熱可塑ポリイミドを形成する熱可塑
ポリイミドの製造方法を提供することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J043 PA02 PA04 PA15 PA19 QB15 QB26 RA35 SA06 SA52 SA53 SA54 SB01 SB02 TA22 TA42 TA43 TA44 TA45 TA46 TA47 TB01 TB02 UA041 UA121 UA122 UA131 UA132 UA141 UA142 UA151 UA152 UA161 UA162 UA171 UA172 UB011 UB012 UB021 UB022 UB061 UB062 UB121 UB122 UB131 UB132 UB141 UB142 UB151 UB152 UB161 UB162 UB171 UB172 UB221 UB222 UB231 UB281 UB301 UB302 VA021 VA022 VA031 VA032 VA061 VA062 VA071 VA072 VA102 XA16 XA17 XA19 YA06 YA12 YA13 YA15

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジアミンと酸二無水物を反応させて得られ
    るポリアミド酸と有機溶媒を含む溶液を、減圧下で加熱
    することによってポリイミドを得る熱可塑性ポリイミド
    樹脂の製造方法であって、前記加熱温度が、ポリイミド
    のガラス転移温度(Tg)〜Tg+150℃であること
    を特徴とする熱可塑性ポリイミド樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】熱可塑性ポリイミドのTgが、350 ℃
    以下である請求項1記載の熱可塑性ポリイミドの製造方
    法。
  3. 【請求項3】減圧加熱する温度が、80℃以上500℃
    以下である請求項1または2記載の熱可塑性ポリイミド
    の製造方法。
  4. 【請求項4】減圧加熱する圧力が90kPa〜100P
    aである請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性
    ポリイミドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記酸二無水物が、(化1)〜(化3) 【化1】 【化2】 【化3】 (式中、Xは二価の有機基を示し、Y及びZは単結合ま
    たは二価の有機基を示す)で表される化合物からなる群
    から選択される少なくとも一種であることを特徴とす
    る、請求項1〜4に記載の熱可塑性ポリイミド樹脂の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 Xが、―C(CH32―、―C(C
    32―、―CH2C(CH32CH2―、―(CH2m
    ―(mは1以上10以下の整数である)及び次式(化
    4) 【化4】 (式中、TはCl、F、Br、CH3−、CH3O―のい
    ずれかである)で表される基からなる群から選択される
    二価の有機基であることを特徴とする、請求項5に記載
    の熱可塑性ポリイミド樹脂の製造方法。
  7. 【請求項7】 Yが、単結合及び、―O―、―C(=
    O)―からなる群から選択される二価の有機基であるこ
    とを特徴とする、請求項5または6に記載の熱可塑性ポ
    リイミド樹脂の製造方法。
  8. 【請求項8】 Zが、単結合及び、―O―、―C(=
    O)―、―SO2―からなる群から選択される二価の有
    機基であることを特徴とする、請求項5〜7に記載の熱
    可塑性ポリイミド樹脂の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ジアミンが、(化5) 【化5】 (式中、Rは独立して、Cl、Br、ヒドロキシ基、カ
    ルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、及び炭素数
    1〜4のアルコキシ基からなる群から選択され、Aは独
    立して、単結合、―C(CH32―、―C(CF3
    2―、―(CH2p―(pは1以上10以下の整数であ
    る)、―O―、―S―、―SO2―、―C(=O)―、
    ―C(=O)O―または−NHCO―であり、nは0、
    1または2であり、jは0以上の整数である)で表され
    る少なくとも一種のジアミンを10モル%以上含む、請
    求項1〜8に記載の熱可塑性ポリイミド樹脂の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記ジアミンが、(化6) 【化6】 (式中、RaはCl、F、Br、CH3−、CH3O―の
    いずれかであり、Rbは水素、炭素数1〜4のアルキル
    基、または炭素数1〜4のアルコキシ基であり、A 1
    ―C(CH32―、―C(CF32―、―(CH2p
    (pは1以上10以下の整数である)、―O―、―S
    ―、―SO2―、―C(=O)―、―C(=O)O―ま
    たは−NHCO―であり、qは0以上の整数であり、n
    は0、1または2であり、kは1または2である)で表
    される化合物からなる群から選択されることを特徴とす
    る、請求項9に記載の熱可塑性ポリイミド樹脂の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008001877A (ja) * 2006-05-23 2008-01-10 Asahi Kasei Corp ポリエステルイミドおよびその製造方法
JP2019104818A (ja) * 2017-12-12 2019-06-27 Jfeケミカル株式会社 高周波基板材料用ポリアミド酸、高周波基板材料用ポリイミド、高周波基板材料用ポリイミドフィルム、高周波基板材料用ポリイミド成形体および高周波基板

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