JP2003119055A - ガラス仮止め部材およびガラス仮止め方法 - Google Patents

ガラス仮止め部材およびガラス仮止め方法

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JP2003119055A
JP2003119055A JP2001317674A JP2001317674A JP2003119055A JP 2003119055 A JP2003119055 A JP 2003119055A JP 2001317674 A JP2001317674 A JP 2001317674A JP 2001317674 A JP2001317674 A JP 2001317674A JP 2003119055 A JP2003119055 A JP 2003119055A
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resin
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adhesive
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Akira Mizusawa
明 水澤
Katsuhiro Mitomi
克宏 三冨
Koji Ichikawa
浩治 市川
Norihiko Murata
憲彦 村田
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    • B60JWINDOWS, WINDSCREENS, NON-FIXED ROOFS, DOORS, OR SIMILAR DEVICES FOR VEHICLES; REMOVABLE EXTERNAL PROTECTIVE COVERINGS SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLES
    • B60J1/00Windows; Windscreens; Accessories therefor
    • B60J1/004Mounting of windows
    • B60J1/006Mounting of windows characterised by fixation means such as clips, adhesive, etc.

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスへのプライマー処理や両面テープ接着
剤硬化のための仕掛滞留期間を不要とし、かつガラス荷
重でずれを生じることのない高信頼性の接着部を得るガ
ラス仮止め部材およびガラス仮止め方法を提供する。 【解決手段】 ガラス19に接着され、他の部材18の
係合部18aにガラスを仮止めするガラス仮止め部材1
0であって、他の部材の係合部に係止する係止部3と、
係止部の根元側に位置して、ガラスと対面する基部2
と、基部に配置されたホットメルト樹脂5とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス仮止め部材
およびガラス仮止め方法に関し、より具体的には自動車
のリアサイドウィンドウ等のガラスを窓枠に固定する際
に用いられるガラス仮止め部材およびガラス仮止め方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は、自動車のリアサイド窓枠にガラ
スを仮止めするための仮止め部材が用いられる箇所を示
す図である。リアサイドウィンドウのガラスは、本体に
固定された後、開閉されることはない。上記ガラスを本
体に固定する際、まずガラス仮止め部材を用いてガラス
を仮止めする。
【0003】図7は、リアサイド窓枠118にガラス1
19を仮止めする工程を説明する図である。また、図8
および図9は、ガラス仮止め部材を示す斜視図である。
ガラス仮止め部材110は、クリップ部113と、基部
112と、両面テープ115とから構成される。両面テ
ープ115の一方の面は基部112と接着しており、他
方の面はガラスと接着する。
【0004】図7において、ガラス119は、ガラス仮
止め部材110の基部に貼着された両面テープに貼着さ
れ、窓枠118に仮止めされる。ガラス仮止め部材11
0には、窓枠の孔118aに係止される、弾性変形可能
なそのクリップ部113が形成されている。クリップ部
113は、上記孔118aに挿入される際、爪が孔径を
通りぬけるように弾性変形し、通り抜けた後は復元して
係止を実現する。
【0005】上記の構成により、リアサイドウィンドウ
のガラスを容易に仮止めすることができる。この後、ガ
ラスの周縁部を塩化ビニールのモール材により枠部に抑
えつけ、さらにコーキング処理によって固定する。この
結果、ガラス仮止め部材を取り付けたまま、上記ガラス
はリアサイドウィンドウとして使用に供される。ガラス
の周縁部には、ガラスの内側が見えないように、光学処
理が施されているので、上記ガラス仮止め部材が外部か
ら見られることはない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ガラス仮止め部材を用いた場合、両面テープで重量のあ
るガラスを確実に接着するために、ガラスの表面および
仮止め部材の接着面にプライマー処理を施す必要があ
る。さらに、上記プライマー処理をガラスに施しても、
両面テープの粘着強度が最大に発揮されるまでの期間
は、後の工程に移行することができない。この滞留時間
は、長い場合には24時間に達する。このため、仕掛か
り品の状態で滞留することになり、生産性が大きく制約
される。さらに、ガラスを本止めするコーキングが完全
に固化するには相当の期間を必要とするため、その間
に、ガラスの重量により両面テープの基部を構成するア
クリルフォームが変形してずれ、ガラスの位置ずれが生
じる。このため、ガラス位置精度の劣るリアサイドウィ
ンドウが形成されることになる。
【0007】本発明は、ガラスへのプライマー処理や両
面テープ接着剤硬化のための仕掛滞留期間を不要とし、
かつガラス荷重でずれを生じることのない高信頼性の接
着部を得るガラス仮止め部材およびガラス仮止め方法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記本発明のガラス仮止
め部材は、ガラスに接着され、他の部材にガラスを仮止
めするガラス仮止め部材である。このガラス仮止め部材
は、他の部材に係止する係止部と、係止部の根元側に位
置して、ガラスと対面する基部と、基部に配置されたホ
ットメルト樹脂とを備えることができる(請求項1)。
【0009】上記のホットメルト樹脂は加熱により溶融
し、ガラス表面や基部表面となじみやすく、とくにプラ
イマー処理を行なわなくても上記被接着物表面と良好な
接着を実現することができる。このため、基部を強度を
重視した任意の材料、たとえば金属やポリブチレンテレ
フタレート(PBT)やアクリルブタジエンスチレン
(ABS)などのエンジニアリングプラスチックで形成
することができる。この結果、仮止めから本止め終了ま
での間に、ガラスの重量により基部が変形することを防
止できる。また、上記のホットメルト樹脂は、加熱溶融
後冷却することにより、期間をおかずに本来の接着強度
を得ることができる。このため、接着強度が最適になる
まで仕掛かり品の状態で製品を滞留させる事態を避ける
ことができる。この結果、生産能率を向上させ、かつ製
造歩留りを向上させ製造コストを低減することが可能と
なる。
【0010】上記のガラス仮止め部材では、ホットメル
ト樹脂が取り付けられた基部の領域に、所定高さの凸部
を設けることができる(請求項2)。
【0011】この構成により、溶融した接着用樹脂層を
すべて排除させるほどガラスと基部とが密着される事態
を避けることができる。加熱溶融し接着する際、接着用
樹脂層は、凸部の高さ分だけその厚さが基部に残され
る。このため、凸部の高さを調整することによって、接
着用樹脂層の厚さを調整することができる。したがっ
て、高い精度で接着用樹脂の厚さを調整することによ
り、高い製造歩留りでガラスを仮止めすることが可能に
なる。
【0012】上記のガラス仮止め部材では、ホットメル
ト樹脂を誘電加熱接着用樹脂とすることができる(請求
項3)。
【0013】この構成によれば、ホットメルト樹脂の加
熱に際し、高周波誘導によりホットメルト樹脂を重点的
に加熱することができる。このため、省エネルギーを実
現し、かつガラス仮止め部材の基部や係止部が加熱によ
って損傷を受けることがない。また、作業スペースも小
さくてすみ、高熱作業などをする必要性がなくなる。こ
のため、従来の作業環境と同様の作業環境を維持するこ
とが可能となる。
【0014】本発明のガラスの仮止め方法は、誘電加熱
接着用樹脂を含むガラス仮止め部材を用いて、ガラスを
他の部材に仮止めするガラス仮止め方法である。このガ
ラス仮止め方法は、誘電加熱接着用樹脂を接着するガラ
スの位置を設定する工程と、ガラス仮止め部材の誘電加
熱接着用樹脂をガラスの接着位置に押し付けるようにガ
ラス仮止め部材に力を付加し、その接着位置の部分を高
周波誘電加熱する工程とを備える(請求項4)。
【0015】この仮止め方法によれば、容易かつ確実に
ガラスを仮止めすることができ、かつ冷却後には十分な
接着強度が得られる。このため、接着強度が向上するま
で仕掛かり品を滞留させる必要がなくなるので、生産能
率を大きく向上させることができるようになる。上記の
誘電加熱接着用樹脂のガラス仮止め部材への取り付けに
は、2色成形法などを用いることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に図面を用いて、本発明の実施
の形態について説明する。 (1)ガラス仮止め部品の構造 図1は、本発明の実施の形態におけるガラス仮止め部品
の部分断面斜視図である。このガラス仮止め部品10
は、面状の広がりを持つ基部2と、基部の面に交差する
ように延びる係止部3と、基部2の上に貼り付けられた
ホットメルト樹脂である誘電加熱接着用樹脂5とを備え
る。また、基部2には、誘電加熱接着用樹脂5の方に突
き出る凸部2aが備えられている。また、図2は、誘電
加熱接着層の側から見た正面図である。この凸部2a
は、図2に示すように、最低3個、一直線に並ばないよ
うに配置されることが望ましい。しかし、3個以上であ
ることは不可欠ではなく、ガラスとの間の間隔を困難な
く保つことができれば、何でもよい。たとえば所定以上
の面積の平坦頂部を持つ1個の凸部であってもよい。
【0017】図3は、上記ガラス仮止め部品を係止部の
側から見た斜視図である。また、図4は、図3のガラス
仮止め部品の側面からみた透視図である。係止部3と基
部2とは、エンジニアリングプラスチックにより形成
し、一体成形加工により加工されることが、応力集中箇
所を生じないなどの観点から望ましい。また、誘電加熱
接着用樹脂5を、2色成形によって基部2に取り付ける
上からも好ましい。この2色成形により、誘電加熱接着
用樹脂5は、凸部2aにも、また基部の平面状部分にも
接して取り付けられることができる。係止部3の形状
は、図3および図4のものに限定されず、自動車の窓枠
の孔に係止する形状であればどのような形状であっても
よい。
【0018】図5は、本実施の形態のガラス仮止め部品
をガラス19に接着し、自動車の窓枠18の孔18aに
係止部3を挿入し、係止した状態を示す断面図である。
凸部2aの高さに等しい厚さの誘電加熱接着層5が形成
されて、ガラスと基部とを接着していることが分かる。
【0019】上記のガラス仮止め部品を用いることによ
り、ガラスを仮止め部品に簡単に接着し、かつ係止部を
窓枠の孔に挿入して容易に係止することができる。上記
の実施の形態における最大の特徴は、接着層にホットメ
ルト樹脂である誘電加熱接着用樹脂を用いた点にある。
このため、溶融加熱して接着後、仕掛かり品を停留させ
ることなく、直ちに次工程に流すことが可能となる。 (2)ホットメルト樹脂 本実施の形態では、ホットメルト樹脂として誘電加熱接
着用樹脂が用いられているが、本発明では、広くは加熱
によりいったん溶融して室温に冷却した時点で硬化状態
にある樹脂であればどのような樹脂であってもよい。た
だ、誘電加熱接着用樹脂は加熱が容易であり作業性が良
いので、ガラス仮止め部材に用いるのに好適である。
【0020】本発明に用いる誘電加熱接着用樹脂は、融
点が80℃〜200℃であるポリオレフィン系樹脂に体
積抵抗率が10-2Ω・cm以下である誘電物質を1〜3
0容量%含有し、40MHzの周波数において誘電正接
が0.03以上であることを特徴とする樹脂を主成分と
する高周波接着用樹脂組成物である。また、誘電正接が
0.05以上ある高周波接着用樹脂組成物であることが
好ましい。さらには、導電物質の体積抵抗率が10-4Ω
・cm以下であり、5容量%以上含有する高周波接着用
樹脂組成物であることがより好ましい。
【0021】上記誘電加熱接着用樹脂において使用され
る導電物質には、体積抵抗率が10 -2Ω・cm以下であ
る鉄、銅、銀、炭素繊維、カーボンブラック等が使用さ
れる。これらの中では、鉄系導体や炭素繊維が樹脂への
影響や経済性から好ましい。体積抵抗率としては10-4
Ω・cm以下が好ましく、いわゆる鉄、α鉄、β鉄、γ
鉄、炭素鋼など特に制限されない。含有量としては1〜
30容量%が必要であり、好ましくは5〜25容量%必
要である。特に、7容量%以上から誘電加熱接着用樹脂
が誘電加熱により加熱される効果が著しく大きくなる。
導電物質が1容量%以下では発熱量が不足し、接着可能
な温度までの上昇に長時間を必要とするので好ましくな
い。また、30容量%以上では接着力が低下するので好
ましくない。また、形状は粉末状、針状、鱗状、網状で
もよく、接着相手の形状などによって選ばれる。どのよ
うな形状にも対応できる観点から、好ましくは粉末状が
よい。粉末状、針状、鱗状の場合、練り込み使用される
場合が多い。また網状では積層やインサート成形されて
使用される。また、練り込み使用される場合、発熱体は
60メッシュパスの大きさが好ましい。導電物質を1容
量%以上、特に5容量%以上含有し体積抵抗率を下げる
ことにより、理由は未だ不明であるが高周波電圧の印加
に対して誘電体力率が大きくなり、誘電率との積である
誘電損失係数が飛躍的に大きくなる。高周波印加する
際、誘電損失係数が大きいと発熱量が高いので昇温速度
が速くなり、ホットメルト系接着剤が短時間に溶融する
ので、工程短縮を実現することができる。
【0022】誘導加熱は、電磁誘導により、被加熱体で
ある導体に渦電流等を発生させ抵抗により発熱させるの
に対して、誘電加熱は不導体に電圧を印加して分極によ
って発生する内部摩擦熱を利用する。内部摩擦は誘電正
接として測定される。抵抗率が大変小さく、したがっ
て、誘電正接が0.0001以下と非常に小さい導体
を、誘電正接が0.01から0.03の樹脂、たとえば
ポリオレフィン系樹脂に配合して、その誘電正接が0.
03以上になることはこれまで知られていない。
【0023】また、上記誘電加熱接着用樹脂に用いられ
る、融点が80℃〜200℃の樹脂、たとえばポリオレ
フィン系樹脂は、特に接着性の点からそれぞれこれらの
共重合体を主成分とすることが好ましい。高温での接着
強度の点から融点は80℃以上、好ましくは90℃以上
必要であり、融点が180℃以上、特に200℃以上に
なると接着剤を溶融するまでに時間がかかるので好まし
くない。ガラスとの接着の場合、接着性を向上させるた
めに、シラノール基と樹脂の末端や変性により投入され
た反応性官能基を持つカップリング剤を含有することが
好ましい。γアミノプロピルトリエトキシシラン、β
(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシ
シラン、γグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、N・
β(アミノエチル)γアミノプロピルトリメトキシシラ
ンが例として挙げられる。
【0024】ポリオレフィン系樹脂としては、共重合ポ
リプロピレン系、共重合ポリエチレン系、エチレンとプ
ロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン系、
エチレン−αオレフィン系の樹脂から選ばれる1種以上
からなることが好ましい。また、接着性向上のためにモ
ノマー成分として酢酸ビニル、メチルメタクレレート、
エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メタクリル
酸、アクリル酸、メタクリル酸塩等が3〜50モル%共
重合されているものが好ましい。さらに無水カルボン酸
基、エポキシ基、水酸基、イソシアネート基を含むモノ
マーが共重合やグラフト重合されていることが特に好ま
しい。不飽和カルボン酸モノマーやグリシジルメタクリ
レートの共重合や無水マレイン酸のグラフト変性が好ま
しい。この官能基の導入により、上記シラノール化合物
の安定化と強化熱可塑性樹脂との接着性が改善される。
【0025】上記の誘電加熱接着用樹脂が使用される被
接着体の材料は、本発明の場合、ガラス仮止め部材を構
成する材料、たとえば樹脂、とくにエンジニアリングプ
ラスチックと、ガラス仮止め部材が接着される相手のガ
ラスである。ガラス仮止め部材を構成する材料として
は、上記樹脂の他に、セラミックス、金属、などいずれ
でもよく、特に限定されない。樹脂としては、熱硬化性
樹脂・熱可塑性樹脂いずれについても被接着体になるこ
とができる。上記誘電加熱接着用樹脂を用いる場合、接
着層のみが選択的に加熱されるので、融点が200℃以
下の熱可塑性樹脂を被接着体とすることもできる。被接
着体により、ポリオレフィン系樹脂に官能基が導入され
ることは、接着強度を増すために好ましい。
【0026】誘電加熱接着用樹脂においては、導電物質
を融点が80℃〜200℃の樹脂、たとえばポリオレフ
ィン系樹脂に予め押出機やニーダやロールで溶融混練し
たり、また樹脂をシート状に成形した後、積層やサンド
イッチ成形したり、網状発熱体を金型内にインサートし
て射出成形して提供される。用いられる押出機やニーダ
やロールの種類や混練条件についての制限は特にない。
【0027】また誘電加熱接着用組成物には、常用の添
加剤、耐加水分解剤、顔料を添加してもよい。熱安定剤
としては、ヒンダードフェノール系、チオエーテル系、
ホスファイト系などやこれらの組合せが挙げられる。耐
候剤としてはカーボンブラック、ベンゾフェノン、トリ
アゾール系、ヒンダードアミン系等が挙げられる。ま
た、耐加水分解剤としては、カルボジイミド、ビスオキ
サゾリン、エポキシ、イソシアネート化合物が挙げられ
る。また顔料としてはポリオレフィン系樹脂常用の耐熱
顔料が使用される。 (3)接着方法 次にガラスを接着する手順について説明する。まず、図
1に示すガラス仮止め部材の誘電加熱接着用樹脂5をガ
ラスに当接するようにに配置する。このとき、(ガラス
仮止め部材の基部/ガラス仮止め部材の誘電加熱接着用
樹脂/ガラス板)のように積層されている。
【0028】高周波誘電加熱では、基部をガラス板に押
し付けるように加圧しておき、上部電極と下部電極間と
の間に上記押し付けた部分を配置する。次いで、両電極
間に高周波発振器から高周波電圧をかけて、誘電発熱さ
せる。時間とともに接着組成物の温度が上昇し、その融
点以上になると流動して接着する。接着用樹脂は溶融状
態またはそれに近い状態なので、軟らかく容易に圧力に
押し込まれ、基部とガラスとの間隙が狭くなった分、外
部に排除される。しかし、基部2には凸部2aが配置さ
れているので、凸部の先端がガラスに接触すると、それ
以上ガラス仮止め部材の基部とガラスとが近づくことは
ない。このため、凸部の高さに相当する接着用樹脂層が
基部とガラスとの間に配置され、接着に寄与することが
できる。接着した状態で高周波電圧を切り、放冷または
エアーなどで冷却する。本発明の接着用組成物は融点以
上で接着され、接合された組立品は接着用組成物の融点
以下で使用される。
【0029】上記の誘電加熱接着層に高周波電圧を印加
すると高周波誘電加熱により接着層のみが加熱されるの
で、被接着体全体を加熱炉の中で処理する必要がなく、
大きな被接着体に特に有効である。また接着層のみを選
択的に加熱できるので、被接着体の一部に耐熱性が低い
部品を含む場合の組立にも有効である。
【0030】(実施例)次に、実施例を用いて接着強度
を具体的に説明する。なお、本実施例における物性評価
は以下の方法により測定した。
【0031】(a) 接着剤ペレット作製:表1に示す
ように、誘電正接が0.027のポリオレフィン系ホッ
トメルト接着剤と導電性粉体を予備混合した。樹脂の融
点については、PO−1が105℃であり、PO−2が
120℃であり、いずれも80℃〜200℃の範囲内に
ある。導電物質は1〜30容量%の範囲内に含まれてい
る。その後、バレルをホッパー側から170℃−180
℃−180℃に温度調節した2軸押出機PCM30φ
(池貝鉄鋼社製)のホッパーに供給し、スクリュー回転
数60rpmにて溶融混合した。この後、ストランドを
水浴にて冷却後、切断して導電性物質を含むホットメル
ト接着剤のペレットを得た。
【0032】(b) テストピース成形:バレルをホッ
パー側から180℃−200℃−200℃に温度調節し
た射出成形機に接着剤ペレットを投入した。そして、4
0℃に温度調節されたテストピース金型に射出し、10
0×100×1mm、100×100×3mmの接着剤
プレートを得た。この接着剤プレートが、図1に示すガ
ラス仮止め部材の基部2に取り付ける前のホットメルト
樹脂である。また、140℃にて3時間乾燥した30重
量%ガラス繊維強化変性ポリブチレンテレフタレート
(東洋紡績(株)製EMC430)のペレットを、バレ
ルをホッパー側から250℃−260℃−260℃に温
度調節した射出成形機のホッパーに投入して、ASTM
D638記載のタイプ1の引張テストピースを成形し
た。この引張テストピースはガラス仮止め部材の基部に
相当する。
【0033】(c) 接着強度:(b)により成形して
得られたテストピースを長さ方向の中央にて切断した。
これらが、接着層が取り付けられる前の基部に相当す
る。この直線部分12.7×25.4mmに、(b)に
より得られた100×100×1mmの接着剤プレート
から12.7×25.4×1mmにカットした接着層を
重ね合せた。このラップ部材、すなわちガラス仮止め部
品相当材を、33×100×3mmのガラス板の両面に
直線状にセットした。これを20mφのエアーシリンダ
に2kgf加圧した状態で、高周波誘電加熱装置(パー
ル工業(株)製)にて1分加熱後、エアーで1分冷却し
て接着強度評価用試験片とした。この状態が、基部とガ
ラスとを接着した状態に対応する。ただし、引張せん断
試験のしやすさから、2つの基部でガラスを挟んだ試験
片の構成としている。
【0034】この評価用試験片を23℃、50%RH(R
elative Humidity)に調節された試験室に5時間以上放
置した。50℃に温度調節された恒温槽を備えた万能引
張試験機UTMI型(オリエンティック(株)製)のチ
ャックにガラス板の両端に接着したEMC430製テス
トピースをセットし、5mm/分の変形速度で引張せん
断により50℃における接着強度を測定した。
【0035】(d) 誘電特性:高周波電源回路(パー
ル工業社(株)製)に接続された端子面積Dsが5cm
2の導体端子間に、(b)で成形した厚さ3mmのプレ
ートから切り出した8×8mmの試験片を挟みセットし
た。周波数40MHzの高周波電荷Qを与え、端子間の
電位差Vから静電容量Csと誘電正接tanδを測定し
た。真空中の誘電率εoを8.85×10-14F/cmと
して(1)式より誘電損失係数ε・tanδを求めた。
【0036】 ε・tanδ=Cs×Ds/(εo・S) ・・・・・・・・(1) 本発明例1〜12:(接着剤の誘電正接や組成が上記推
奨範囲に入るもの)表1に示す配合割合の予備混合体
を、前記したようにコンパウンド後に高周波接着剤プレ
ートを成形した。このプレートについて誘電正接と誘電
損失係数を測定した。また、ガラスとガラス繊維強化ポ
リブチレンテレフタレート樹脂成形品(EMC430)
を被接着剤として発振時間1分または5分により高周波
誘電接着をし、その接着強度を測定した。
【0037】
【表1】
【0038】比較例1〜4:(接着材の誘電正接や組成
が上記推奨範囲外のもの) 表2に示した配合割合の予備混合体を、本発明例と同様
に、コンパウンドし成形したプレートについて接着強度
を測定した。一部については高周波加熱時間である発振
時間を変えて接着性を評価した。
【0039】
【表2】
【0040】表1と表2の接着強度を比較すると明白な
ように、本発明例はいずれも1.1MPa以上の高い接
着強度を示す。これに対して、比較例では、No4が
0.2MPaを示すだけで、他の比較例はいずれも有限
の接着強度を示すことができない。本発明の高い接着強
度は、繰り返しになるが、短時間でホットメルト系接着
剤により接着したものである。したがって、仕掛かり品
を長時間停滞させることなく、ガラス仮止め部材に接着
した後、直ちに次工程に流すことが可能となる。このた
め、高い生産性でガラスを本止めすることが可能とな
る。また、誘電加熱接着用樹脂7の厚さは基部に設けた
凸部の高さにより任意に調節できるので、最適の接着層
の厚さを容易に確保することが可能となる。
【0041】上記において、本発明の実施の形態につい
て説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形
態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発
明の実施の形態に限定されない。たとえば、ホットメル
ト樹脂は誘電加熱接着用樹脂に限られず、その他のホッ
トメルト樹脂であってもよい。本発明の範囲は、特許請
求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲
の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含
むものである。
【0042】
【発明の効果】本発明のガラス仮止め部材を用いること
により、ガラスの表面や仮止め部材の接着面へのプライ
マー処理や接着剤硬化のための仕掛滞留期間などを不要
とし、位置ずれを防止し、高信頼性の接着部を実現する
ことができる。このため、自動車のウィンドウガラスを
高い生産性をもって高い位置精度でリアサイド窓枠に仮
止めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態におけるガラス仮止め部
材を示す部分断面斜視図である。
【図2】 誘電加熱接着用樹脂の側から見たガラス仮止
め部材の正面図である。
【図3】 クリップ部側から見たガラス仮止め部材の斜
視図である。
【図4】 図1のガラス仮止め部材の側面からみた透視
図である。
【図5】 図1のガラス仮止め部材によってガラスを窓
枠に取り付けた状態の断面図である。
【図6】 自動車においてガラス仮止め部材が用いられ
る箇所を示す図である。
【図7】 ガラス仮止め部材を用いてガラスを仮止めす
る従来の方法を説明する図である。
【図8】 従来のガラス仮止め部材を両面テープ側から
見た斜視図である。
【図9】 従来のガラス仮止め部材をクリップ部側から
見た斜視図である。
【符号の説明】
2 基部、2a 凸部、3 クリップ部、5 誘電加熱
接着用樹脂、10 ガラス仮止め部材、18 窓枠、1
8a 窓枠の孔、19 ガラス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 浩治 神奈川県横浜市戸塚区舞岡町184番地1 株式会社ニフコ内 (72)発明者 村田 憲彦 神奈川県横浜市戸塚区舞岡町184番地1 株式会社ニフコ内 Fターム(参考) 4G061 AA02 AA13 AA18 BA02 CA03 CB04 CD02 DA24 DA32 DA33 DA35 DA56 DA67

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスに接着され、他の部材にガラスを
    仮止めするガラス仮止め部材であって、 前記他の部材に係止する係止部と、 前記係止部の根元側に位置して、前記ガラスと対面する
    基部と、 前記基部に配置されたホットメルト樹脂とを備える、ガ
    ラス仮止め部材。
  2. 【請求項2】 前記ホットメルト樹脂が取り付けられた
    前記基部の領域に、所定高さの凸部が設けられている、
    請求項1に記載のガラス仮止め部材。
  3. 【請求項3】 前記ホットメルト樹脂が誘電加熱接着用
    樹脂である、請求項1または2に記載のガラス仮止め部
    材。
  4. 【請求項4】 誘電加熱接着用樹脂を含むガラス仮止め
    部材を用いて、ガラスを他の部材に仮止めするガラス仮
    止め方法であって、 前記誘電加熱接着用樹脂を接着するガラスの位置を設定
    する工程と、 前記ガラス仮止め部材の誘電加熱接着用樹脂を前記ガラ
    スの接着位置に押し付けるように前記ガラス仮止め部材
    に力を付加し、その接着位置の部分を高周波誘電加熱す
    る工程とを備える、ガラス仮止め方法。
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