JP2000007915A - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびその製造方法、ならびにポリアリーレンスルフィド樹脂組成物成形品 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびその製造方法、ならびにポリアリーレンスルフィド樹脂組成物成形品

Info

Publication number
JP2000007915A
JP2000007915A JP17304498A JP17304498A JP2000007915A JP 2000007915 A JP2000007915 A JP 2000007915A JP 17304498 A JP17304498 A JP 17304498A JP 17304498 A JP17304498 A JP 17304498A JP 2000007915 A JP2000007915 A JP 2000007915A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyarylene sulfide
sulfide resin
resin composition
copolymer
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP17304498A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Yamamoto
広志 山本
Shinji Hashimoto
眞治 橋本
Masaaki Otsu
正明 大津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP17304498A priority Critical patent/JP2000007915A/ja
Publication of JP2000007915A publication Critical patent/JP2000007915A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリアリーレンスルフィド樹脂の物性を維持
しながら、各種素材との接着性や密着性に優れるポリア
リーレンスルフィド樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)直鎖型ポリアリーレンスルフィド
樹脂、(B)α−オレフィン単位とα,β−不飽和酸の
グリシジルエステル単位からなるオレフィン系共重合体
セグメント(a)に対して、インデン単位からなる重合
体セグメント(b)が、分岐、または架橋構造的に化学
結合したグラフト共重合体、(C)無機充填材からな
る。(B)のグラフト共重合体によって、各種素材との
接着性や密着性を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアリーレンス
ルフィド樹脂組成物、さらに詳しくは接着性や密着性が
改良され、成形性、耐熱性が優れたポリアリーレンスル
フィド樹脂組成物およびその製造方法、ならびにこのポ
リアリーレンスルフィド樹脂組成物を用いた成形品に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電器電子機器部品材料、自動車機
器部品材料、化学機器部品材料には、高い耐熱性で且つ
耐化学薬品性を有し、なお且つ難燃性の熱可塑性樹脂が
要求されている。
【0003】ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、P
PS樹脂と略すことがある)に代表されるポリアリーレ
ンスルフィド樹脂(以下、PAS樹脂と略すことがあ
る)もこの要求に応える樹脂の一つであり、成形性や耐
熱性、対コスト物性比が良いために需要が増加してい
る。しかし、ポリアリーレンスルフィド樹脂で成形され
た成形品は、各種素材と接着されて使用されることが多
いが、接着性や密着性が劣り、例えば機器部品の金属イ
ンサート物との接着性や密着性に問題があるという根本
的な欠点を有している。
【0004】これらの問題を解決するために、例えば特
公昭63−11780号公報等でポリアリーレンスルフ
ィド樹脂にエポキシ樹脂やシリコーン樹脂、フェノキシ
樹脂など接着性や密着性を有する重合体を添加する方法
が提案されている。しかしながら、エポキシ樹脂の添加
は、金属インサート物との化学的な結合力を改善するこ
とができるものの、弾性率が大きいため、加熱下での金
属インサート物との間に発生する応力が大きいという問
題があった。またシリコーン樹脂の添加では、弾性率は
低下するが、金属インサート物との化学的な結合力の改
善の効果が顕著でなく、さらにフェノキシ樹脂の添加で
は、これら両方の改善の効果が不十分であった。また、
これらの接着性や密着性を有する重合体を添加したポリ
アリーレンスルフィド樹脂組成物は、成形時の溶融粘度
が高いため、成形不良が発生し易くなるという問題があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、ポリア
リーレンスルフィド樹脂組成物を機械部品成形用に用い
ることは、解決すべき課題が多いのが現状である。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、ポリアリーレンスルフィド樹脂の物性を維持しな
がら、成形性や耐熱性に加えて、各種素材との接着性や
密着性に優れるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及
びその製造方法、並びにこのようなポリアリーレンスル
フィド樹脂組成物を用いた成形品を提供することを目的
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、(A)直鎖型
ポリアリーレンスルフィド樹脂、(B)α−オレフィン
単位とα,β−不飽和酸のグリシジルエステル単位から
なるオレフィン系共重合体セグメント(a)に対して、
インデン単位からなる重合体セグメント(b)が、分
岐、または架橋構造的に化学結合したグラフト共重合
体、(C)無機充填材からなることを特徴とする。
【0008】本発明の請求項2に係るポリアリーレンス
ルフィド樹脂組成物は、上記(A)直鎖型ポリアリーレ
ンスルフィド樹脂が、パラフェニレンスルフィド単位を
70重量%以上有するポリパラフェニレンスルフィドで
あることを特徴とする。
【0009】本発明の請求項3に係るポリアリーレンス
ルフィド樹脂組成物は、上記(B)グラフト共重合体に
おいて、インデン単位からなる重合体セグメント(b)
が、下記一般式「化2」で示される繰り返し単位を包含
する共重合体であることを特徴とする。
【0010】
【化2】 (ただし、R1は水素、またはC数1〜3の低級アルキ
ル基、X1は、−COOCH3、−COOC2H5、−COOC4H9、−COO
CH2CH(C2H5)C4H9、−C6H5、−CNから選ばれた1種ま
たは2種以上の基を表す。) 本発明の請求項4に係るポリアリーレンスルフィド樹脂
組成物は、上記(B)グラフト共重合体において、α−
オレフィン単位がエチレンであることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項5に係るポリアリーレンス
ルフィド樹脂組成物は、上記(C)無機充填材が、アミ
ノ基、又はエポキシ基、又はメルカプト基を有するカッ
プリング剤で処理されていることを特徴とする。
【0012】本発明の請求項6に係るポリアリーレンス
ルフィド樹脂組成物は、上記(C)無機充填材が、上記
(A)〜(C)の合計中、30〜70重量%であること
を特徴とする。
【0013】本発明の請求項7に係るポリアリーレンス
ルフィド樹脂組成物は、(A)直鎖型ポリアリーレンス
ルフィド樹脂と、(B)α−オレフィン単位とα,β−
不飽和酸のグリシジルエステル単位からなるオレフィン
系共重合体セグメント(a)に対して、インデン単位か
らなる重合体セグメント(b)が、分岐、または架橋構
造的に化学結合したグラフト共重合体が、(A)100
重量部に対して、(B)0.5〜50重量部であること
を特徴とする。
【0014】本発明の請求項8に係るポリアリーレンス
ルフィド樹脂組成物の製造方法は、請求項1ないし請求
項7の何れか記載の(A)〜(C)の成分を混練するこ
とを特徴とする。
【0015】本発明の請求項9に係るポリアリーレンス
ルフィド樹脂組成物の成形品は、請求項1ないし請求項
7何れか記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を
用いて金属インサート物を成形してなることを特徴とす
る。尚、ここでいう金属インサート物とは、成形金型の
キャビティー内に配置される金属であり、溶融樹脂をキ
ャビティ内に充填することによって成形品に埋めこんで
一体化されるものを意味する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を詳細に
説明する。
【0017】本発明によれば、(A)直鎖型ポリアリー
レンスルフィド樹脂、(B)α−オレフィン単位とα,
β−不飽和酸のグリシジルエステル単位からなるオレフ
ィン系共重合体セグメント(a)に対して、インデン単
位からなる重合体セグメント(b)が、分岐、または架
橋構造的に化学結合したグラフト共重合体、(C)無機
充填材からなることを特徴とするポリアリーレンスルフ
ィド樹脂組成物が提供される。
【0018】また、本発明によれば、上記のポリアリー
レンスルフィド樹脂組成物を用いて成形した成形品が提
供される。
【0019】本発明で用いられる(A)直鎖型ポリアリ
ーレンスルフィド樹脂(以下、直鎖型PAS樹脂と記す
ことがある)は、繰り返し単位 −Ar− (但し、A
rはアリール基)を主構成単位とするポリマーであっ
て、その代表的物質は、構造式−Ph−S− (但し、
Phはフェニル基)で示される繰り返し単位を70重量
%以上有するポリフェニレンスルフィド樹脂である。勿
論、この繰り返し単位が100重量%のものであっても
よい。PPS樹脂は、一般に、その製造方法により、実
質上、架橋型、半架橋型、直鎖型等に分類されるが、本
発明では、直鎖型が、機械的強度の点で、優れている為
好適である。
【0020】特に、融点が260℃以上、溶融粘度が、
パラレルプレート法により、温度300℃、角速度10
0rad/sの条件で、1 〜30Pa・sであるものが好適に用
いられる。パラレルプレート法は、厚み1mm×直径2
5mmのペレットをハンドプレスで作製し、直径25m
mの下部のパラレルプレート上にペレットを置いて上部
パラレルプレートを降ろして挟み、300℃で10分間
保持した後に測定をすることによって行なわれるもので
あり、例えば、レオメトリックサイエンティフィック社
製、アレス(商品名)での測定が適当である。
【0021】また、分子量分布についても、特に制限は
なく、さまざまなものを充当することが可能である。そ
して、融点が、260℃未満であれば、成形品の機械的
強度が弱くなるので好ましくない。融点の上限は無い
が、290℃程度が実用上の限界である。また、溶融粘
度が、この範囲未満であれば、成形品の機械的強度の低
下が大きく、また、この範囲を越えると、成形流動性が
劣り成形性が悪くなる。
【0022】本発明に好ましい直鎖型PAS樹脂は、
パラフェニレンスルフィドの繰り返し単位を70重量%
以上、好ましくは90重量%以上含まれているものであ
れば、他の構成単位と共重合された物が併用されてもよ
い。この繰り返し単位が70重量%未満であると結晶性
高分子としての特徴である結晶化度が低くなり、十分な
強度が得られなくなる傾向があり、靭性に劣るものとな
る傾向がある。勿論、パラフェニレンスルフィドの繰り
返し単位が100重量%のものであってもよい。
【0023】また、本発明に用いられる直鎖型PAS樹
脂は、他の共重合単位を含んでも良く、共重合の構成単
位としては、例えば、下記「化3」、「化4」、「化
5」、「化6」、「化7」、「化8」などのものがあげ
られる。
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】 次に、本発明で(B)成分として用いるグラフト共重合
体は、α−オレフィン単位とα, β−不飽和酸のグリシ
ジルエステル単位からなるオレフィン系共重合体セグメ
ント(a)と、インデン単位からなる重合体セグメント
(b)が、分岐、又は架橋構造的に化学結合したもので
ある。
【0030】ここで、(a)の共重合体部分を構成する
一方のモノマーであるα−オレフィン単位としては、エ
チレン、プロピレン、ブテン−1などがあげられるが、
エチレンが好ましく用いられる。又、(a)成分を構成
する他のモノマーであるα,β−不飽和酸のグリシジル
エステル単位は、下記一般式「化9」に示されるもので
あり、例えばアクリル酸グリシジルエステル、メタクリ
ル酸グリシジルエステル、エタクリル酸グリシジルエス
テルなどがあげられるが、特に、メタクリル酸グリシジ
ルエステルが好ましく用いられる。
【0031】
【化9】 (ここで、R2は水素原子、または、C数1〜3の低級
アルキル基を示す。)で示される化合物である。
【0032】α−オレフィン単位(例えば、エチレン)
とα,β−不飽和酸のグリシジルエステル単位とはよく
知られたラジカル反応により共重合することによって
(a)のオレフィン系共重合体を得ることができる。セ
グメント(a)の構成は、α−オレフィン単位70〜9
9重量%、α,β−不飽和酸のグリシジルエステル単位
30〜1重量%が好適である。
【0033】このオレフィン系共重合体セグメント
(a)としては、エチレンとメタクリル酸グリジシルと
の共重合体、エチレンと酢酸ビニルとメタクリル酸グリ
シジルとの共重合体、エチレンとアクリル酸エチルとメ
タクリル酸グリシジルとの共重合体、エチレンとアクリ
ル酸グリシジルとの共重合体、エチレンと酢酸ビニルと
アクリル酸グリシジルとの共重合体等を例示することが
でき、中でもエチレンとメタクリル酸グリジシルの共重
合体が好ましい。またこのオレフィン系共重合体は2種
類の混合体であってもよい。
【0034】オレフィン系共重合体セグメント(a)の
形状は、粒径0.1〜5mm程度のパウダー又はペレッ
トであることが望ましいが、粒径は(a)の配合割合に
よって適宜選択されるのが好ましい。粒径が過度に大き
いと重合時の分散が困難であるばかりでなく、グラフト
成分を構成する単量体の含浸に長時間を要する欠点あ
る。
【0035】インデン単位からなる重合体セグメント
(b)のインデンとは、インデンの他に、メチルインデ
ン、エチルインデンのような低級アルキル置換インデ
ン、フェニルインデン及び、その2量体、3量体等が挙げ
られる.さらに、インデン単位からなる重合体セグメン
ト(b)は上記のインデン単位単位の他に、これと共重
合可能なモノエチレン系不飽和単量体単位を共重合させ
たものを用いてもよい。共重合可能なモノエチレン系不
飽和単量体単位としては、上記「化2」で示されるもの
が好適に採用することができる。
【0036】インデン単位からなる重合体セグメント
(b)として好ましいものは、次のものを包含する。す
なわち、スチレンとインデンとの共重合体、アクリロニ
トリルとスチレンとインデンとの共重合体、メタクリル
酸メチルとインデンとの共重合体、アクリル酸エチルと
インデンとの共重合体、アクリル酸ブチルとインデンと
の共重合体、アクリル酸−2−エチルヘキシルとインデ
ンとの共重合体、アクリル酸ブチルとメチルメタクリル
酸とインデンとの共重合体が包含される。
【0037】インデン単位からなる重合体セグメント
(b)中におけるインデン単位の量は、好ましくは5〜
100重量%である。これらの量が5重量%未満である
と各種素材との密着性や接着性を高める効果を充分に得
ることができない。
【0038】ここで、本発明のグラフト共重合体
(B)、すなわちα−オレフィン単位とα,β−不飽和
酸のグリシジルエステル単位からなるオレフィン系共重
合体セグメント(a)に対して、インデン単位からなる
重合体セグメント(b)が、分岐、または架橋構造的に
化学結合したグラフト共重合体(B)が、密着性や接着
性に効果が有るのは、化学構造的にポリアリーレンスル
フィド樹脂との相溶性に優れており、さらにその成分中
に密着性や接着性に有効に作用するインデン単位からな
る重合体セグメントがグラフト結合されている為である
と考えられる。
【0039】本発明におけるグラフト共重合体(B)は
セグメント(a)とセグメント(b)が分岐または架橋
構造的に化学結合したものである。化学結合しているか
どうかは、(a)又は(b)を溶解しうる溶媒により
(a)と(b)とが全量抽出しうるかどうかで判断でき
る。全量分離できれば化学結合していないとするもので
ある。
【0040】グラフト共重合体(B)中、(a)は40
〜95重量%、好ましくは50〜90重量%からなる。
(a)が5重量%未満であると直鎖型PAS樹脂との相
溶化が不十分になり、95重量%を超えると組成物の耐
熱性や寸法安定性を損なうおそれがある。
【0041】このようなグラフト共重合体(B)の調製
法は、一般に知られている連鎖移動法等のいずれの方法
でも良いが、最も好ましいのは、次のような方法によ
る。
【0042】まず常法により得られたオレフィン系重合
体(a)の100重量部を水に懸濁させる。他方、少な
くとも1種のモノエチレン系不飽和単量体5〜400重
量部に、下記一般式「化10」又は「化11」で表され
るラジカル重合性有機過酸化物の1種又は2種以上の混
合物を該モノエチレン系不飽和単量体100重量部に対
して0.1〜10重量部と、10時間の半減期を得るた
めに分解温度が40〜90℃であるラジカル重合開始剤
をモノエチレン系不飽和単量体とラジカル重合性有機過
酸化物の合計100重量部に対して0.01〜5重量部
とを溶解させた溶液を用意する。前記水性懸濁液に前記
溶液を添加し、ラジカル重合開始剤の分解が実質的に起
こらない条件で加熱し、モノエチレン系不飽和単量体、
ラジカル重合性有機過酸化物、ラジカル重合開始剤をオ
レフィン系重合体(a)中で共重合させて前駆体を得
る。そして、この前駆体を100〜300℃の溶融下で
混練することにより、オレフィン系重合体セグメント
(a)とモノエチレン系重合体セグメント(b)が化学
結合した構造の共重合体を得ることができる。
【0043】前記の一般式「化10」で表されるラジカ
ル重合性有機過酸化物とは、
【0044】
【化10】 (式中、R3は水素原子又は、炭素数1〜2のアルキル
基、R4は水素原子又はメチル基、R5,R6はそれぞれ
炭素数1〜4のアルキル基、R7は炭素数1〜12のア
ルキル基、フェニル基、アルキル置換フェニル基又は炭
素数3〜12のシクロアルキル基を示し、mは1又は2
である)で示される化合物である。
【0045】また前記の一般式「化11」で表されるラ
ジカル重合性有機過酸化物とは、
【0046】
【化11】 (式中、R8は水素原子又は、炭素数1〜2のアルキル
基、R9は水素原子又はメチル基、R10,R11はそれぞ
れ炭素数1〜4のアルキル基、R12は炭素数1〜12の
アルキル基、フェニル基、アルキル置換フェニル基又は
炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、nは0、1
又は2である)で示される化合物である。
【0047】上記一般式「化10」で示されるラジカル
重合性有機過酸化物として、具体的には、t−ブチルペ
ルオキシ(メタ)アクリロ(エトキシ)エチルカーボネ
ート、t−アミルペルオキシ(メタ)アクリロイキシ
(エトキシ)エチルカーボネート、t−ヘキシルペルオ
キシ(メタ)アクリロイキシ(エトキシ)エチルカーボ
ネート、1,2,3,3−テトラメチルブチルペルオキ
シ(メタ)アクリイロキシ(エトキシ)エチルカーボネ
ート、クミルペルオキシ(メタ)アクリロイロキシ(エ
トキシ)エチルカーボネート、p−イソプロピルペルオ
キシ(メタ)アクリロイロキシ(エトキシ)エチルカー
ボネート、t−ブチルペルオキシアクリロイロキシエチ
ルカーボネートなどを例示することができる.さらに上
記一般式「化11」で示されるラジカル重合性有機過酸
化物としては、t−ブチルペルオキシ(メタ)アリルカ
ーボネート、クミルペルオキシ(メタ)アリルカーボネ
ート、t−ブチルペルオキシ(メタ)アリロキシエチル
カーボネート等が例示できる。中でも好ましいのは、t
−ブチルペルオキシアクリロイロキシエチルカーボネー
ト、t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ
ーボネート、t−ブチルペルオキシアリルカーボネー
ト、t−ブチルペルオキシメタクリルカーボネートがあ
る。
【0048】グラフト共重合体(B)の製造方法につい
ては、日本油脂(株)の出願にかかる特開平1−131
220号公報や特開平1−138214号公報に記載さ
れているように、公知であり、これらの方法をそのまま
用いて、グラフト共重合体を製造することができる。
【0049】また、グラフト共重合体(B)の直鎖型ポ
リアリーレンスルフィド樹脂(A)成分100重量部に
対する量は、0.5〜50重量部、好ましくは1〜20
重量部である。(B)成分が少なすぎると目的とする効
果が得難く、また、多すぎると組成物の剛性、耐熱性が
損なわれる恐れが生じ、さらに、成形性が損なわれるお
それがある。
【0050】次に、本発明に使用する無機充填材(C)
は、アスペクト比(平均長L/平均径D)が1を超える
繊維状のものと、1であるビーズ、粉末状のものが挙げ
られる。ここで、得られる樹脂組成物の剛性を上げる場
合は、繊維状充填材のアスペクト比を大きくすれば良い
がアスペクト比500を超えると異方性が大きくなって
実用的ではない。繊維状充填材としては、ミルドファイ
バーガラス、ガラス繊維、アルミナ繊維、セラミック繊
維、金属繊維などの無機繊維、炭素繊維が挙げられる。
粉末状充填材としては、非晶質シリカ、結晶シリカ、合
成シリカ等のシリカ、アルミナ、ガラス、酸化チタン、
炭酸カルシウム、クレー、マイカ、タルク、ワラストナ
イト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、窒化ケ
イ素、窒化アルミ等が挙げられ、これらは中空であって
も良い。特に、電気電子部品で好ましいのは、ミルドフ
ァイバーガラスや、非晶質シリカ、結晶シリカ、合成シ
リカ等のシリカ、球状アルミナである。また、これらは
単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよ
い。さらに、無機充填材の表面をカップリング剤で予備
処理したものが好ましい。カップリング剤で予備処理す
る場合には、単独でカップリング剤で処理してもよい
し、2種類以上のカップリング剤を併用して処理しても
よい。特に好ましいのは、アミノ基、又はエポキシ基、
又はメルカプト基を有するカップリング剤で処理された
のものである。また、シリカには、合成品や天然品があ
り、どちらも使用することができる。シリカの形状は、
球状、破砕状がありどちらも使用することができる。
【0051】無機充填材(C)は、(A)〜(C)の合
計中、30〜70重量%を配合することが好ましい。3
0重量%未満であれば、耐熱性、剛性が低く、また線膨
張係数の低下による低応力性が期待できず、また70重
量%を超えると、成形時の流動性が悪くなり、実用に供
せなくなる。
【0052】本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組
成物には、必要に応じて、本発明の目的を損なわない限
り、他の合成樹脂、エラストマー、酸化防止剤、結晶核
剤、結晶化促進剤、カップリング剤、離型剤、滑剤、着
色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤等を配合する
ことができる。
【0053】上記合成樹脂、エラストマーとしては、例
えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオ
キシメチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリ塩化
ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリアミ
ド樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、
芳香族ナイロン、ナイロン46、共重合ナイロン)、ポ
リカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルフ
ォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリフェニレ
ンエーテル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポ
リアセタール樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミ
ドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、結
晶性ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、フェノ
キシ樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリテトラフル
オロエチレン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコ
ーン樹脂、ウレタン樹脂、テルペン樹脂、水素添加テル
ペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノー
ル樹脂等の合成樹脂やポリオレフィンゴム、オレフィン
系共重合体、水素添加ゴム等のエラストマーを挙げるこ
とができる。また、これらは、単独で使用しても良いし
2種類以上を混合して使用することもできる。
【0054】酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤、
フェノール系酸化防止剤等があげられる。これらは、単
独で使用しても良いし、2種類以上を混合して使用する
こともできる。
【0055】結晶核剤としては、有機物、無機物のいず
れも使用することができる。無機物として、カーボンブ
ラックなどの単体や、タルク、カオリンなどの粘土類を
使用することができる。また、有機物としては、ジベン
ジリデンソルビトール系化合物、t−ブチル安息香酸の
アルミニウム塩、リン酸エステルのナトリウム塩等が挙
げられる。これらは、単独で使用しても良いし、2種類
以上を混合して使用することもできる。尚、上記結晶核
剤中には、上記充填材と重複するものがあるが、これら
の物質は、両機能を果たすことができるものである。ま
た、結晶核剤には低分子量化合物であるものもあり、可
塑剤として作用することがある。その場合には溶融状態
における本発明の樹脂組成物の流動性や成形加工性を改
良することができる。
【0056】カップリング剤としては、シラン系化合
物、チタネート系化合物、アルミニウム系化合物等があ
げられ、特にシラン系化合物が好ましい。シラン系とし
ては、γーアミノプロピルトリエトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のア
ミノシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン等のエポキシシラン、3−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン,3−メルカプトプロピルメチル
ジメトキシシラン等のメルカプトシラン、p−スチリル
トリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニル
トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラ
ン、更に、エポキシ系、アミノ系、ビニル系の高分子タ
イプのシラン等があり、特に、アミノシラン、エポキシ
シラン、メルカプトシランが好適である。また、これら
は、単独で使用しても良いし、2種類以上を混合して使
用することもできる。
【0057】滑剤としては、内部滑剤、外部滑剤の両方
が使用でき、炭化水素系、脂肪酸系、脂肪酸アミド、脂
肪酸エステル等が挙げられる。また、これらは、単独で
使用しても良いし、2種類以上を混合して使用すること
もできる。
【0058】着色剤としては、公知の各種顔料又は染料
を使用することができ、例えば、カーボンブラック等の
黒色顔料、赤口黄鉛等の橙色顔料、弁柄等の赤色染顔
料、コバルトバイオレット等の紫色染顔料、コバルトブ
ルー等の青色染顔料、フタロシアニングリーン等の緑色
染顔料等を、使用することができる。更に、詳しくは、
最新顔料便覧(日本顔料技術協会編、昭和52年発行)を
参考にして、この便覧に記載されているものを使用する
ことができる。
【0059】難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、リン
系難燃剤、金属酸化物や無機系難燃剤などが挙げられ
る。以上の難燃剤は単独、または、2種以上を併用する
ことができる。
【0060】本発明に係るポリアリーレンスルフィド樹
脂組成物を製造する方法は、一般的には各成分をヘンシ
ェルミキサー等の混合機で混合するか、必要に応じて予
め必要成分の一部をマスターバッチ化して混合した後、
エクストルーダ等の混練機で溶融混練して、ペレタイズ
する方法が用いられるが、これに限定されない。
【0061】本発明に係るポリアリーレンスルフィド樹
脂組成物を用いた成形品の成形方法は、特に制限はな
く、金型のキャビティ中に金属インサート物を固定して
おき、射出成形、トランスファー成形、ポッティング成
形で成形する方法などが挙げられる。そして、種々の公
知の成形加工手段を適用して成形品とすることができ
る。金属インサート物の材質としては、特に限定するも
のではないが、鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、錫、
亜鉛、コバルト、ジルコニウム等の各種の金属を単独で
あるいは組み合わせた任意のものを用いることができ
る。
【0062】本発明の成形品は、自動車部品として、例
えば、シリンダーヘッドカバー、アンダーフード部品、
クリーンファン、ラジエータータンク、リレーキャッ
プ、ウインドウスクリーンなどに、電子部品として、例
えば、トランジスタ、集積回路、ダイオード、コイル、
コンデンサー、抵抗器、バリスター、コネクターなどに
使用することができる。
【0063】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に
述べる。
【0064】(実施例1〜19、および、比較例1〜
6)実施例1〜19に関しては、下記表2〜表4に示す
配合(配合量は重量部)で、比較例1〜6に関しては、
下記表5に示す配合(配合量は重量部)で、各成分をヘ
ンシェルミキサーを用いて均一に混合した後、スクリュ
ー径40mmの2軸混練押し出し機を用いて、シリンダ
ー温度300℃の条件で押し出して、ペレット化し、実
施例1〜19、および、比較例1〜6のポリアリーレン
スルフィド樹脂組成物を作製した。
【0065】ここで、表2〜表5に使用の各成分は、次
のものである。
【0066】・直鎖型ポリアリーレンスルフィド樹脂 樹脂A:直鎖型PPS樹脂(呉羽化学工業社製、品番
「W-202A」、溶融粘度23Pa・s/パラレルプレート
法、300℃、100rad/secで測定) 樹脂B:直鎖型PPS樹脂(呉羽化学工業社製、品番:
「W-203A」、溶融粘度29Pa・s/パラレルプレート
法、300℃、100rad/secで測定) 樹脂C:直鎖型PPS樹脂(トープレン社製、品番:
「LR01」、溶融粘度6Pa・s/パラレルプレート法、
300℃、100rad/secで測定) 樹脂D:直鎖型PPS樹脂(トープレン社製、品番:
「LR03」、溶融粘度19Pa・s/パラレルプレート
法、300℃、100rad/secで測定) ・グラフト共重合体 (グラフト共重合体Aの製造:製造例1)内容積5リッ
トルのステンレス製オートクレーブに、純水2500g
を入れ、更に懸濁剤として、ポリビニルアルコール2.
5gを溶解させた。この中にエチレン−メタクリル酸グ
リシジルエステル共重合体(メタクリル酸グリシジルエ
ステル含有量15重量%、ペレット状:日本石油化学
(株)製)700gを入れ、攪拌して分散させた。別に
ラジカル重合開始剤としてベンゾイルペルオキシド(商
品名「ナイパーB」日本油脂(株)、10時間半減期7
4℃)1.5g、ラジカル(共)重合性有機過酸化物と
して、t−ブチルペルオキシメタアクリロエトキシエチ
ルカーボネート6gを、アクリロニトリル60g、スチ
レン150g、インデン(アドケムコ(株)製)90g
に溶解させ、この溶液を前記オートクレーブ中に投入攪
拌した。次いで、オートクレーブを60〜65℃に昇温
し、2時間撹拌しながら、ラジカル重合開始剤、ラジカ
ル(共)重合性有機過酸化物、不飽和単量体を、エチレ
ン−メタクリル酸グリシジルエステル共重合体に含浸さ
せた。そして、温度を80〜85℃に上げ、その温度で
7時間維持して重合を完結させ、水洗及び乾燥してグラ
フト共重合体の前駆体を得た。これを280℃の溶融化
で混練することにより、グラフト共重合体A〔エチレン
/メタクリル酸グリシジルエステル共重合体(重量比8
5/15)70重量部に対しアクリロニトリル/スチレ
ン/インデン共重合体(重量比20/50/30)30
重量部をグラフト共重合したグラフト共重合体:ポリ
(E/GMA=85/15)70−グラフト−コポリ(AN/ST/INDN=20
/50/30)30〕を得た。
【0067】(グラフト共重合体B〜Dの製造:製造例
2〜4)上記製造例1におけるエチレン−メタクリル酸
グリシジルエステル共重合体700g、アクリロニトリ
ル60g、スチレン150g、インデン90gの部分を
表1(表1中の数値はg数)に示すように変更して、製
造例1と同様に行いグラフト共重合体B〜Dを得た。
【0068】
【表1】 ここで、製造例2からは、グラフト共重合体B〔エチレ
ン/メタクリル酸グリシジルエステル共重合体)(重量
比85/15)50重量部に対しアクリロニトリル/ス
チレン/インデン共重合体(重量比20/50/30)
50重量部をグラフト共重合したグラフト共重合体:ポ
リ(E/GMA=85/15)50−グラフト−コポリ(AN/ST/INDN=
20/50/30)50〕を得た。
【0069】製造例3からは、グラフト共重合体C〔エ
チレン/メタクリル酸グリシジルエステル共重合体)
(重量比85/15)70重量部に対しスチレン/イン
デン共重合体(重量比70/30)30重量部をグラフ
ト共重合したグラフト共重合体:ポリ(E/GMA=85/15)7
0−グラフト−コポリ(ST/INDN=70/30)30〕を得た。
【0070】製造例4からは、グラフト共重合体D〔エ
チレン/メタクリル酸グリシジルエステル共重合体)
(重量比85/15)50重量部に対しスチレン/イン
デン共重合体(重量比70/30)50重量部をグラフ
ト共重合したグラフト共重合体:ポリ(E/GMA=85/15)5
0−グラフト−コポリ(ST/INDN=70/30)50〕を得た。
【0071】グラフト共重合体E:エチレン/メタクリ
ル酸グリシジルエステル共重合体)(重量比85/1
5)70重量部に対してアクリロニトリルスチレン共重
合体(重量比30/70)30重量部をグラフト共重合
したグラフト共重合体(日本油脂社製、品番「A440
0」):ポリ(E/GMA=85/15)70−グラフト−コポリ(AN
/ST=30/70)30 グラフト共重合体F:エチレン/メタクリル酸グリシジ
ルエステル共重合体)(重量比85/15)50重量部
に対してアクリロニトリルスチレン共重合体(重量比3
0/70)50重量部をグラフト共重合したグラフト共
重合体(日本油脂社製、品番「A4401」):ポリ(E/GMA
=85/15)50−グラフト−コポリ(AN/ST=30/70)50 グラフト共重合体G:エチレン/メタクリル酸グリシジ
ルエステル共重合体)(重量比85/15)70重量部
に対してスチレン重合体30重量部をグラフト共重合し
たグラフト共重合体(日本油脂社製、品番「A410
0」):ポリ(E/GMA=85/15)70−グラフト−コポリ(ST
=100)30 グラフト共重合体H:エチレン/メタクリル酸グリシジ
ルエステル共重合体)(重量比85/15)50重量部
に対してスチレン重合体50重量部をグラフト共重合し
たグラフト共重合体(日本油脂社製、品番「A410
1」):ポリ(E/GMA=85/15)50−グラフト−コポリ(ST
=100)50 ・無機充填材 無機充填材A:ミルドファイバー(日本板硝子社製、品
番「REV8」、アミノシラン処理、繊維径13μm、平均
繊維長70μm、アスペクト比5.6) 無機充填材B:ミルドファイバー(日本板硝子社製、品
番「REV12」、アミノシラン処理、繊維径6μm、平均
繊維長50μm、アスペクト比8.3) 無機充填材C:ミルドファイバー(日本板硝子社製、品
番「REV4」、無処理、繊維径13μm、平均繊維長70
μm、アスペクト比5.6) 無機充填材D:球状シリカ(電気化学工業社製、品番
「FB60」、平均粒径20μm) 無機充填材E:球状シリカ(アドマテックス社製、品番
「SO25R」、平均粒径0.6μm) ・カップリング剤 カップリング剤A:アミノシラン系カップリング剤(γ
ーアミノプロピルトリエトキシシラン、日本ユニカー社
製、品番「A1100」) カップリング剤B:エポキシシラン系カップリング剤
(γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越
シリコーン社製、品番「KBM403」) カップリング剤C:メルカプトシラン系カップリング剤
(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、東芝シ
リコーン社製、品番「TSL8380E」) カップリング剤D:ビニルシラン系カップリング剤(ビ
ニルトリメトキシシラン、東レシリコーン社製、品番
「SZ6300」)
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】
【表5】 上記の実施例1〜19及び比較例1〜6で得られた成形
品の物性を次の方法で評価した。
【0076】(1)密着性A JIS C 6481に準拠し、常態で引き剥がし強さ
を測定した。なお、試験片は150mm×150mm×
5mmの金型の底に金属として、厚さ0.5mmの銅、
又は鉄、又は42アロイを敷き、その上にペレット状の
試料を載せて300℃でプレス成形した板から、JIS
C 6481に従って切り出して作製した。結果を、
「」:容易に剥がれない、「×」:簡単に剥がれる、で
評価し上記表2〜5に示した. (2)密着性B 上記密着性Aで作製した試験片を用いて、超音波画像解
析装置(キャノン(株)製「M−830」)を使用して
樹脂組成物と金属との密着性を評価した。剥離の認めら
れたものを不良とした。得られた結果を(不良個数/試
験したサンプル数)として上記表2〜5に示した。
【0077】(3)曲げ強度 ASTM D790に従って、曲げ試験片成形用金型を
用いて、シリンダー温度300℃、金型温度130℃の
条件で各実施例及び比較例の樹脂組成物を射出成形し、
評価用サンプルを得た。このサンプルを23℃で測定
し、その結果を上記表2〜5に示した。
【0078】上記表2〜5に見られるように、各実施例
のものは、密着性が極めて優れるものであった。
【0079】
【発明の効果】上記のように本発明は、(A)直鎖型ポ
リアリーレンスルフィド樹脂、(B)α−オレフィン単
位とα,β−不飽和酸のグリシジルエステル単位からな
るオレフィン系共重合体セグメント(a)に対して、イ
ンデン単位からなる重合体セグメント(b)が、分岐、
または架橋構造的に化学結合したグラフト共重合体、
(C)無機充填材からなるものであり、(B)のグラフ
ト共重合体によって各種素材との密着性や接着性に優れ
たポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を提供すること
ができるものである。
【0080】また、このポリアリーレンスルフィド樹脂
組成物を用いて金属インサート物を成形することによっ
て、金属インサート物との密着性に優れたポリアリーレ
ンスルフィド樹脂組成物成形品を得ることができるもの
である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 51/06 C08L 51/06 (72)発明者 大津 正明 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA14 AA15 AA22 AA31 AA63 AA77 AB01 AB26 AC12 AD02 AE17 AF19 AF45 AF58 AH07 AH12 BA01 BB05 BC07 4F204 AA03 AA12 AA20 AA34 AB11 AB16 AH17 AH33 EB01 EB12 4J002 BN032 CD192 CD202 CN011 DA016 DE136 DE146 DE236 DF016 DJ006 DJ016 DJ036 DJ056 DL006 DM006 FA046 FB136 FB146 FB156 FD016 GN00 GQ00 4J026 AA12 AA13 AA14 AA38 AA45 AA48 AC24 AC36 BA05 BA27 BA30 BA31 BA44 BB01 BB02 CA10 DB03 DB05 DB08 DB15 DB21 DB34 GA08 GA09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)直鎖型ポリアリーレンスルフィド
    樹脂、(B)α−オレフィン単位とα,β−不飽和酸の
    グリシジルエステル単位からなるオレフィン系共重合体
    セグメント(a)に対して、インデン単位からなる重合
    体セグメント(b)が、分岐、または架橋構造的に化学
    結合したグラフト共重合体、(C)無機充填材からなる
    ことを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 上記(A)直鎖型ポリアリーレンスルフ
    ィド樹脂が、パラフェニレンスルフィド単位を70重量
    %以上有するポリパラフェニレンスルフィドであること
    を特徴とする請求項1記載のポリアリーレンスルフィド
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記(B)グラフト共重合体において、
    インデン単位からなる重合体セグメント(b)が、下記
    一般式「化1」で示される繰り返し単位を包含する共重
    合体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記
    載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。 【化1】 (ただし、R1は水素、またはC数1〜3の低級アルキ
    ル基、X1は、−COOCH3、−COOC2H5、−COOC4H9、−COO
    CH2CH(C2H5)C4H9、−C6H5、−CNから選ばれた1種ま
    たは2種以上の基を表す。)
  4. 【請求項4】 上記(B)グラフト共重合体において、
    α−オレフィン単位がエチレンであることを特徴とする
    請求項1ないし請求項3何れか記載のポリアリーレンス
    ルフィド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 上記(C)無機充填材が、アミノ基、又
    はエポキシ基、又はメルカプト基を有するカップリング
    剤で処理されていることを特徴とする請求項1ないし請
    求項4何れか記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 上記(C)無機充填材が、上記(A)〜
    (C)の合計中、30〜70重量%であることを特徴と
    する請求項1ないし請求項5何れか記載のポリアリーレ
    ンスルフィド樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (A)直鎖型ポリアリーレンスルフィド
    樹脂と、(B)α−オレフィン単位とα,β−不飽和酸
    のグリシジルエステル単位からなるオレフィン系共重合
    体セグメント(a)に対して、インデン単位からなる重
    合体セグメント(b)が、分岐、または架橋構造的に化
    学結合したグラフト共重合体が、(A)100重量部に
    対して、(B)0.5〜50重量部であることを特徴と
    する請求項1ないし請求項6何れか記載のポリアリーレ
    ンスルフィド樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7の何れか記載の
    (A)〜(C)の成分を混練することを特徴とするポリ
    アリーレンスルフィド樹脂組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項7何れか記載のポ
    リアリーレンスルフィド樹脂組成物を用いて金属インサ
    ート物を成形してなることを特徴とするポリアリーレン
    スルフィド樹脂組成物成形品。
JP17304498A 1998-06-19 1998-06-19 ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびその製造方法、ならびにポリアリーレンスルフィド樹脂組成物成形品 Withdrawn JP2000007915A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17304498A JP2000007915A (ja) 1998-06-19 1998-06-19 ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびその製造方法、ならびにポリアリーレンスルフィド樹脂組成物成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17304498A JP2000007915A (ja) 1998-06-19 1998-06-19 ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびその製造方法、ならびにポリアリーレンスルフィド樹脂組成物成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000007915A true JP2000007915A (ja) 2000-01-11

Family

ID=15953175

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17304498A Withdrawn JP2000007915A (ja) 1998-06-19 1998-06-19 ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびその製造方法、ならびにポリアリーレンスルフィド樹脂組成物成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000007915A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002053752A (ja) * 2000-08-08 2002-02-19 Idemitsu Petrochem Co Ltd ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物および電気・電子機器部品

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002053752A (ja) * 2000-08-08 2002-02-19 Idemitsu Petrochem Co Ltd ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物および電気・電子機器部品
JP4502476B2 (ja) * 2000-08-08 2010-07-14 出光興産株式会社 ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物および電気・電子機器部品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0557088B1 (en) Polyarylene sulphide resin composition
US5578659A (en) Polyarylene sulfide resin composition
JP4269198B2 (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
KR101025965B1 (ko) 폴리아릴렌설파이드 수지 조성물 및 도장 성형품
KR100364062B1 (ko) 폴리아릴렌설파이드수지조성물
WO1998051489A1 (fr) Objets moules composites en resine de polyester
JP2801788B2 (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物とエポキシ樹脂との複合成形品
EP0362828B1 (en) Polypropylene resin composition having high dielectric strength
JP3941222B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物成形品
JPH1149952A (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JP2000007915A (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびその製造方法、ならびにポリアリーレンスルフィド樹脂組成物成形品
JP2000263586A (ja) インサート成形品
JP3952589B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびその製造方法、ならびにこのポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を用いた成形品
JPH0940865A (ja) ポリアリ−レンスルフィド樹脂組成物
JP3500747B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2806456B2 (ja) 自動車の外装用新規ポリアミド樹脂組成物
JPH11335557A (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物およびその製造方法、ならびにポリアリーレンスルフィド樹脂組成物成形品
JPH06179791A (ja) 樹脂組成物
JPH1121456A (ja) ポリカーボネートフィルムとの密着が良好なポリアリーレンサルファイド樹脂成形品、及びポリアリーレンサルファイド樹脂成形品とポリカーボネートフィルムとの複合成形品
JPH03202477A (ja) メッキ物品
JP4655435B2 (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JPH0881631A (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
JP2004091504A (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JP2000080274A (ja) 電子部品封止用樹脂組成物およびその製造方法、ならびにこの電子部品封止用樹脂組成物を用いた封止電子部品
JP3043618B2 (ja) 強化ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物並びに成形品

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050906