JP2003119032A - チオアニリン誘導体から成る貴金属抽出剤およびそれを用いる貴金属の分離方法 - Google Patents
チオアニリン誘導体から成る貴金属抽出剤およびそれを用いる貴金属の分離方法Info
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Abstract
製品や金属材料から特定の貴金属を選択的に且つ容易に
分離することのできる溶媒抽出技術を提供する。 【解決手段】 下記の構造式(I)〔式(I)中、Rは
C1〜C18のアルキル基またはアルケニル基であり、n
は0または1である。〕で表されるチオアニリン誘導体
から成る貴金属抽出剤とそれを用いる貴金属の分離方法
による。少なくともパラジウムおよび/または金を含有
する金属の塩酸水溶液または硝酸水溶液と、式(I)の
チオアニリン誘導体から成る貴金属抽出剤を含有する抽
出溶媒とを液−液接触させ、パラジウムおよび/または
金を該抽出溶媒中に抽出することによりパラジウムおよ
び/または金を分離することができる。 【化1】
Description
り精製するために分離する技術分野に属し、特に、パラ
ジウムおよび金を選択的に抽出することのできる新規な
貴金属抽出剤とそれを用いる貴金属の分離方法に関す
る。
ガス用の触媒や電子材料として利用され、このほか装飾
品等として我々の身の回りには多くの貴金属が用いられ
ている。これらの需要がありながら、貴金属は天然資源
として採掘される量が少ないため、貴重な天然資源とな
っている。したがって、使用済みの金属製品から特定の
貴金属を回収して再利用できるようにしたり、多種類の
金属を含有する金属材料から特定の貴金属を取得するた
めの貴金属の分離技術が不可欠である。例えば、自動車
触媒からの金、白金、パラジウム、ロジウムの再生には
これら性質の似た貴金属間での分離が不可欠であり、ま
た鉱石中に多量に含まれる鉄、銅、ニッケル等のベース
メタルから貴金属を分離することも重要な課題である。
れまでに各種の方法が提案されているが、近年は、処理
工程が比較的短くて簡単であることや回収率が高いこと
等が期待されて適当な抽出剤を用いる溶媒抽出法が注目
されている。
の分離、回収に用いられている代表的な工業的抽出剤
は、ジヘキシルスルフィド(SFI−6)やLIX系の
オキシム類(例えば、ヒドロキシオキシム)である。こ
れらは、ベースメタル(卑金属)から貴金属のみを抽出
する選択性は優れているが、複数種の貴金属(金、銀お
よび白金族金属)または白金族金属から特定の貴金属、
例えばパラジウムと金を選択的に抽出して分離すること
は困難である。現在では、例えば、白金(IV)とパラジ
ウム(II)の分離においては、白金の抽出速度が遅いこ
とを利用した抽出速度の違いにより分離が行われている
が、パラジウムの抽出速度も遅く、回収に時間がかかり
過ぎ選択性も悪くなるので工業的な分離法としては未だ
充分でない。
したような従来の欠点を克服し、ベースメタルや貴金属
を含有する各種の金属製品や金属材料から特定の貴金属
を選択的に且つ容易に分離することのできる新しい溶媒
抽出技術を提供することにある。
一級アミンであるアニリンのNH2とチオエーテルとを
金属に対するドナー原子とする新規な抽出剤を分子設計
し、この抽出剤が、ベースメタルや貴金属などの幾つか
の金属を含有する塩酸水溶液または硝酸水溶液から高選
択的にパラジウムおよび金を抽出することができること
を発見し、本発明を導き出した。
で表されるチオアニリン誘導体から成る貴金属抽出剤を
提供するものである。
またはアルケニル基であり、nは0または1である。さ
らに、本発明に従えば、上記の抽出剤を使用する方法の
発明であって、少なくともパラジウムおよび/または金
を含有する金属の塩酸水溶液または硝酸水溶液と、上記
の構造式(I)で表されるチオアニリン誘導体から成る
貴金属抽出剤を含有する抽出溶媒とを液−液接触させる
ことにより、パラジウムおよび/または金を該抽出溶媒
中に抽出する工程を包含するパラジウムおよび/または
金の分離方法が提供される。
ニリン誘導体は、クロロホルム、トルエンなどの一般の
有機溶媒に易溶であるので、これらの有機溶媒に式
(I)のチオアニリン誘導体を溶解させた抽出溶媒を用
いて溶媒抽出法を実施することにより、ベースメタルや
貴金属を含む各種の金属を含有する塩酸水溶液または硝
酸水溶液からパラジウムと金をきわめて高い選択性で抽
出することができる。
ン誘導体を含有する抽出溶媒が、特にパラジウムと金を
選択的に抽出する理由は完全には解明されていないが、
該チオアニリン誘導体が、平面構造を呈し易いベンゼン
環に結合した2つの部位を有していること、具体的に
は、NH2(アニリンとして)とイオウ原子(チオエー
テルとして)とが金属に対する結合に寄与するような特
殊な化学構造を有していることに由来するものと考えら
れる。すなわち、貴金属の中でもd電子を有し特に高い
反応活性を有するパラジウムと金は、アニリンのアミノ
基(第一級アミンであり、極めて弱い塩基性を示す)と
d電子を介して結合するとともに、イオウ原子(貴金属
に対して高い選択性を示す)を配位原子として結合して
安定な平面環構造の錯体を形成するためと推測される。
パラジウムおよび金以外の貴金属または白金族金属は、
パラジウムや金に比べて反応活性が低いのでアニリンの
選択性により抽出されないのであろう。また、銅やニッ
ケルなどのベースメタルは、パラジウムや金と同様に平
面構造(平面錯体)を形成し得るものではあるが、イオ
ウ原子が専ら貴金属に対して選択性を有するので抽出さ
れないと考えられる。
好ましいのは、n=0でオルト体のもの、すなわちイオ
ウ原子(チオエーテル)がアミノ基に対してオルト位で
ベンゼン環に直接結合したチオアニリン誘導体である。
このようなチオアニリン誘導体を用いるとパラジウムお
よび金の選択的抽出が特に高くなるが、これは、パラジ
ウムや金が、イオウ原子、アミノ基およびベンゼン骨格
と安定な5員環構造の錯体を形成するためと理解され
る。
オエーテルを構成するRは、C1〜C18のアルキル基ま
たはアルケニル基であれば基本的には適用可能である
が、その中でもアルケニル基または分枝鎖アルキル基が
好ましい。これは、二重結合や枝分かれのあるアルキル
鎖を導入すると、チオアニリン誘導体および該チオアニ
リン誘導体と金属イオン(パラジウム、金)で形成され
る錯体が有機溶媒に溶け易くなり、操作上好ましく、ま
た、その結果、抽出率も高くなるからである。例えば、
Rとして直鎖のドデシル基を導入したオルトドデシルチ
オアニリンを抽出剤として用いた抽出においては、有機
溶媒と水層の間に沈殿が生成し、抽出率も悪くなること
が見出されている。
金を選択的に抽出する本発明の貴金属抽出剤として特に
好ましいチオアニリン誘導体は、例えば、オルト(2−
エチルヘキシルチオ)アニリンおよびオルトオレイルチ
オアニリンであり、それぞれ、式(I)において下記で
表されるRがオルト位にイオウ原子を介して結合してい
るものである。
は、例えば、下記の反応式(II)で表されるように、チ
オアニリンとアルキルブロマイドまたはアルケニルブロ
マイドとを反応させることによって合成することができ
る。反応は、一般に、氷浴下(−4℃から4℃位ま
で)、窒素雰囲気下、相間触媒として例えばトリメチル
アンモニウムクロリド、触媒として例えば水酸化ナトリ
ウム、また、溶媒として例えばジメチルホルムアミドと
水の混合溶媒(1:1)を用いて行う。
料や金属製品(例えば、廃棄された電子部品)に由来
し、少なくともパラジウムおよび/または金を含有し、
さらに、その他の各種金属、特に、ベースメタル、また
はパラジウムおよび金以外の貴金属、あるいはそれらの
いずれもを含有することがある金属の塩酸水溶液または
硝酸水溶液と、上述したようなチオアニリン誘導体を適
当な有機溶媒に溶かした抽出溶媒とを液−液接触させる
ことにより、パラジウムおよび/または金が該抽出溶媒
中に高選択的に抽出される。
に当たっては、必要に応じて、原料となる金属材料や金
属製品を予め処理して、金属を含有する塩酸水溶液また
は硝酸水溶液とする。そのような前処理として最も一般
的な方法は、金属材料や金属製品を王水に溶解してそれ
らの中に含まれる金属類を溶液中に溶解させた後、脱硝
酸して塩酸水溶液とすることである。金属材料や金属製
品の種類によっては、塩酸のみや硝酸のみで処理されて
いる場合もあり、これらの場合には、処理後の溶液をそ
のまま本発明に従う抽出工程に供することができる。
った白金族金属間の効率的な分離、精製を行うこともで
きる。すなわち、パラジウム、およびパラジウム以外の
白金族金属の1種(例えば、Pt)またはそれ以上を含
有する塩酸水溶液または硝酸水溶液から、式(I)のチ
オアニリン誘導体から成る貴金属抽出剤を含有する抽出
溶媒中にパラジウムを選択的に抽出した後、このパラジ
ウムを逆抽出溶媒により抽出してパラジウムを含有する
水溶液を得ることにより、パラジウムを分離することが
できる。逆抽出溶媒としては、パラジウムと錯体を形成
し得るものとして知られた各種の化合物を含有する溶媒
が適用可能であり、好ましい例としては、チオ尿素を含
有する水溶液が挙げられる。
するため実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によ
って制限されるものではない。実施例1:チオアニリン誘導体の合成 本発明の貴金属抽出剤として、次の反応式(III)に従
い、オルト(2−エチルエヘキシルチオ)アニリン(以
下、ETAと記す)およびオルトオレイルチオアニリン
(以下、OTAと記す)を合成した。
窒素導入管、撹拌棒のついた500ml三つ口フラスコ内で
ジメチルホルムアミドと水100mlずつに水酸化ナトリウ
ムを0.1mol(10g)溶解した溶液に窒素雰囲気下、アミ
ノチオフェノール0.1mol(12.5g)、相間移動触媒であ
るセチルトリメチルアンモニウムクロリド7.5mmol(0.2
4g)を加えて溶解した。その溶液に2-エチルへキシルブ
ロマイド0.06 mol(11.6g)を滴下ロートにてゆっくり
と滴下し、激しく撹拌した。その後さらに氷浴下で3時
間、室温(20℃前後)で24時間撹拌した。反応停止時間
はTLCによって決定した。(展開溶媒はヘキサン:酢
酸エチル=5:1)。撹拌停止後、得られた溶液に水、ク
ロロホルムを加え、DMFを除去したのち1規定塩酸、1
規定水酸化ナトリウム、蒸留水の順で分液した。クロロ
ホルム相を硫酸ナトリウムで脱水したのち、クロロホル
ムを減圧蒸留により留去した。収率は75.5%であった。
得られた生成物は茶色の液体であった。 同定データ:1H-NMR(250MHz, CDCl3, TMS)δ(ppm) 0.84(3H, t, 7.5Hz :1) 0.87(3H, t, 7.5Hz :8) 1.22-1.49(11H, m : 2~5) 2.74(2H, d, 7.5Hz : 6) 4.17(2H, brs, NH2) 6.67(1H, ddd, 2.5Hz, 7.5Hz, 7,5Hz : 11) 6.70(1H, dd, 1.5Hz, 7.5Hz : 10) 7.08(1H, ddd, 1.5Hz, 7.5Hz, 7.5Hz : 12) 7.35(1H, dd, 2.5Hz, 7.5Hz : 13)
は茶色の液体であった。 同定データ:1H-NMR(250MHz, CDCl3, TMS)δ(ppm) 0.88(3H, t :1) 1.26(24H, m, 2-7 and 12-16) 1.57(2H, m : 17) 2.00(4H, m : 8 and 11) 2.72(2H, t, 7.5Hz : 18) 4.25(2H, brs, NH2) 5.34(2H, m, 9 and 10) 6.68(1H, ddd, 7.5Hz, 7.5Hz, 2.5Hz : 21) 6.70(1H, dd, 1.3Hz, 7.5Hz, 7.5Hz : 20) 7.09(1H, ddd, 1.3Hz, 7.5Hz, 7.5Hz : 22) 7.35(1H, dd, 7.7Hz, 2.5Hz :24)
よびOTAを抽出剤として抽出実験を行った。抽出実験
はすべてバッチ法で行った。ベースメタルとして銅(I
I)、ニッケル(II)、コバルト(II)、カドミウム(I
I)、亜鉛(II)、水銀(II)を用い、貴金属イオンと
して金(III)、パラジウム(II)、ロジウム(III)お
よび白金(IV)を用い、各金属イオンの初濃度が1.0mmo
l/dm3の水相を調製し、塩酸濃度(または硝酸濃度)を
変化させた。有機相は希釈剤としてトルエンを用い、抽
出剤濃度を0.01mol/dm3に調製した。各相を15mlずつ三
角フラスコに取り、30℃恒温槽中で24時間振盪した。振
盪後、水相を分取し、各金属イオン濃度は原子吸光光度
計により求めた。
パラジウムを、以下に示す逆抽出剤と振盪することによ
って行った。逆抽出剤は1.0mol/dm3、2.0mol/dm3アン
モニア水溶液、1.0mol/dm3チオ尿素水溶液、1.0mol/d
m3チオ尿素と1.0mol/dm3塩酸の混合水溶液、1.0mol/d
m3チオ尿素と1.0mol/dm3チオシアン酸アンモニウム混
合水溶液および1.0mol/dm3のEDTA水溶液の6種類
を用いた。
3を参照しながら以下の実施例2〜実施例5に示す。図
に示す各金属の抽出結果は、横軸に塩酸(または硝酸)
の対数濃度、縦軸に各金属の抽出百分率をブロットした
ものであり、ここで抽出百分率は次式により求めた。 E=(C0−Ce)×100/C0 〔%〕 C0は金属イオンの初濃度、Ceは平衡後の濃度を示
す。
と、金属濃度0.1mmol/dm3の各塩酸溶液(0.01〜3.0mmo
l/dm3)を含む溶液を15mlずつとり、30℃の恒温槽中で
24時間振盪させ、実験を行った。各金属の抽出結果を図
1に示す。図1に示すように、塩酸濃度に依存すること
なくパラジウムおよび金が100%の抽出率を示し、上述
したような各種のベースメタルからの金とパラジウムの
選択的抽出分離ができる。さらに現在使用されている工
業用抽出剤では分離が困難であるといわれているパラジ
ウム(II)と白金(IV)の分離が全塩酸濃度領域におい
て可能であることもわかる。
と、金属濃度0.1mmol/dm3の各塩酸溶液(0.01〜3.0mmo
l/dm3)を含む溶液を15mlずつとり、30℃の恒温槽中で
24時間振盪させ、実験を行った。各金属の抽出結果を図
2に示す。塩酸濃度に依存することなくパラジウムおよ
び金が100%の抽出率を示し、上述した各種のベースメ
タルからの金とパラジウムの選択的抽出分離ができるこ
とを示している。さらに現在使用されている工業用抽出
剤では分離が困難であるといわれているパラジウムと白
金の分離が全塩酸濃度領域において可能であることもわ
かる。
0.01〜3.0mol/dm3硝酸水溶液を用い、有機相として抽
出剤ETAを0.01mol/dm3含むクロロホルム溶液を用い
た。30℃の恒温槽中で24時間振盪させ実験を行った。図
3に硝酸溶液からの各種金属の抽出実験の結果を示す。
パラジウムおよび金が硝酸濃度に依存せず、全硝酸濃度
領域で抽出されている。また、水銀が硝酸濃度1mol/dm
3付近から急激に抽出されている。これらのことから、
ベースメタルからのパラジウムおよび金が全硝酸濃度領
域において分離ができ、1.0mmol/dm3以上の領域におい
ては有害物質である水銀の分離も可能である。
出 ETAおよびOTAを用いてパラジウムの逆抽出実験を
行った。用いた逆抽出剤は既述の6種類である。水相は
パラジウム1.0mmol/dm3の1mol/dm3塩酸水溶液を、有
機相はETA(またはOTA)の0.01mol/dm3トルエン
溶液を用い、それぞれ15mlずつ共栓付三角フラスコにと
り、30℃恒温槽中で24時間振盪させた後に水相と有機相
を分取し、水相中の金属濃度を原子吸光光度計により測
定した。次に上記逆抽出溶媒10mlと分取した有機相10ml
を再び共栓付三角フラスコ中で混合、30℃恒温槽中で24
時間振盪させた後に水相と有機相を分取し、水相中の金
属濃度を原子吸光光度計により測定し、逆抽出率を算出
した。その結果を表1(ETA)および表2(OTA)
に示す。
含む逆抽出剤を用いることにより、100%またはこれに
近い逆抽出率が得られる。このことから、ベースメタル
または各種の白金族金属が混在する溶液から抽出された
パラジウムを更に逆抽出し、高濃度に濃縮、回収するこ
ともできることがわかる。
テップで高収率に合成することができるチオアニリン誘
導体から成る抽出剤を用いる溶媒抽出法により、各種の
ベースメタルや貴金属を含有する広範囲の濃度の塩酸水
溶液または硝酸水溶液から、パラジウムおよび金を短時
間で効果的に分離することができる。かくして、本発明
は、各種の金属製品や金属材料からパラジウムと金を回
収したり精製する新しい技術を発展に資するものであ
る。例えば、本発明によれば、従来は分離が困難である
といわれているパラジウムと他の白金族金属(特に白
金)との分離が実現され、逆抽出操作を付加することに
より、パラジウムを高濃度に濃縮することもできる。
出剤としてオルト(2−エチルヘキシルチオ)アニリン
を用いて行った抽出実験の結果を示す。
出剤としてオルトオレイルチオアニリンを用いて行った
抽出実験の結果を示す。
出剤としてオルト(2−エチルヘキシルチオ)アニリン
を用いて行った抽出実験の結果を示す。
Claims (10)
- 【請求項1】 下記の構造式(I)で表されるチオアニ
リン誘導体から成ることを特徴とする貴金属抽出剤。 【化1】 〔式(I)中、RはC1〜C18のアルキル基またはアル
ケニル基であり、nは0または1である。〕 - 【請求項2】 nが0であり、オルト体のチオアニリン
誘導体から成ることを特徴とする請求項1の貴金属抽出
剤。 - 【請求項3】 RがC1〜C18のアルケニル基または分
枝鎖アルキル基であることを特徴とする請求項2の貴金
属抽出剤。 - 【請求項4】 オルト(2−エチルヘキシルチオ)アニ
リンまたはオルトオレイルアニリンから成ることを特徴
とする請求項3の貴金属抽出剤。 - 【請求項5】 少なくともパラジウムおよび/または金
を含有する金属の塩酸水溶液または硝酸水溶液と、請求
項1〜4のいずれかの貴金属抽出剤を含有する抽出溶媒
とを液−液接触させることにより、パラジウムおよび/
または金を該抽出溶媒中に抽出する工程を包含すること
を特徴とするパラジウムおよび/または金の分離方法。 - 【請求項6】 金属の塩酸水溶液または硝酸水溶液がベ
ースメタルを含有することを特徴とする請求項5の方
法。 - 【請求項7】 金属の塩酸水溶液または硝酸水溶液が、
パラジウムおよび金以外の貴金属を含有することを特徴
とする請求項5または請求項6の方法。 - 【請求項8】 金属の塩酸水溶液または硝酸水溶液がパ
ラジウム、およびパラジウム以外の白金族金属を含有
し、請求項1〜4のいずれかの貴金属抽出剤を含有する
抽出溶媒中に抽出したパラジウムを逆抽出溶媒により逆
抽出して、パラジウムを含む水溶液を得る工程を追有す
ることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかの方
法。 - 【請求項9】 逆抽出溶媒がチオ尿素を含有する水溶液
であることを特徴とする請求項8の方法。 - 【請求項10】 請求項4の貴金属抽出剤を用いること
を特徴とする請求項5〜請求項9のいずれかの方法。
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