JP2003117730A - ねじ山バリ取り工具 - Google Patents

ねじ山バリ取り工具

Info

Publication number
JP2003117730A
JP2003117730A JP2001318480A JP2001318480A JP2003117730A JP 2003117730 A JP2003117730 A JP 2003117730A JP 2001318480 A JP2001318480 A JP 2001318480A JP 2001318480 A JP2001318480 A JP 2001318480A JP 2003117730 A JP2003117730 A JP 2003117730A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
holder
sleeve
thread
cutter
center
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001318480A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3978010B2 (ja
Inventor
Tetsuya Kinoshita
哲也 木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP2001318480A priority Critical patent/JP3978010B2/ja
Publication of JP2003117730A publication Critical patent/JP2003117730A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3978010B2 publication Critical patent/JP3978010B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Milling, Broaching, Filing, Reaming, And Others (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ワーク1の雄ねじ部3への追加工によりねじ山
4に発生したバリを、簡易な構成で確実に除去できるね
じ山バリ取り工具Kを得ること。 【解決手段】ねじ山バリ取り工具Kは、回転装置に回転
可能に保持される胴体10と、胴体10によりその軸方
向に移動可能に支持され、かつ胴体10に対して偏心及
び偏角状態で一体に回転可能に支持されるスリーブ20
と、スリーブ20によりその軸方向に移動可能に支持さ
れ、かつスリーブ20に対して偏心及び偏角した状態で
一体に回転可能に支持されるホルダ30と、ホルダ30
に同軸上に取り付けられ、ホルダ30と一体に回転され
て雄ねじ部3に噛み合わされることによってねじ山4の
バリを除去するカッタ40と、ホルダ30によりその軸
方向に移動可能に支持され、棒状ワーク1の芯出し穴7
に先端を挿入することによってホルダ30及びカッタ4
0を棒状ワークにセンタリングするセンタ50とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ねじ山バリ取り工
具に関し、特に雄ねじ部への追加工によってねじ山に発
生したバリを除去するねじ山バリ取り工具に関する。
【0002】
【従来技術】棒状ワークの雄ねじ部にねじ山を形成した
後に、その雄ねじ部に回り止め用のスリット部や、抜け
止め用のピン穴部を形成する追加工が行われる場合があ
る。雄ねじ部にこのような追加工を行うと、ねじ山にバ
リが発生するため、従来より、バリを除去するためのね
じ山バリ取り工具が種々提案されている。
【0003】例えば、特開昭64−5722号公報に
は、分割ダイスをワークに自動的に調芯させて、分割型
ダイスの刃部をワークの雄ねじ部に噛み合わせ、ワーク
の回転につれて分割ダイスを軸線方向に移動させて雄ね
じ部のバリ取りを行うねじのバリ取り装置が示されてい
る。
【0004】この装置の場合、分割ダイスを単にワーク
の雄ねじ部に押し当てながら芯出し位相合わせを行うだ
けであるので、位相ズレが生じ易く、また、正確に調芯
されていなかった場合には、分割ダイスによって雄ねじ
部に二度切りが施されてしまい、製品の規格値から外れ
たものが発生するおそれがあった。
【0005】そこで、本願出願人は、ワークに対してカ
ッタを自動的に調芯させかつ送り移動量を一致させて確
実に雄ねじ部のバリを除去できるバリ取り工具を特開平
11−254234号公報によって提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に開示された
発明によれば、何ら複雑な制御を行うことなく、確実に
に雄ねじ部のバリ取りを行うことができる。しかし、本
願出願人は、より一層の改良を重ね、更に部品点数が少
なく、より簡易な構成によって構成され、上記公報に記
載の装置と同様に雄ねじ部のバリ取りを確実に行うこと
ができるねじ山バリ取り工具を発明した。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よるねじ山バリ取り工具は、棒状ワークの雄ねじ部への
追加工によりねじ山に発生したバリを除去するねじ山バ
リ取り工具において、回転装置に回転可能に保持される
胴体と、胴体によりその軸方向に移動可能に支持され、
かつ胴体の軸心に対して軸心が偏心及び偏角した状態で
胴体と一体に回転可能に支持されるスリーブと、スリー
ブによりその軸方向に移動可能に支持され、かつスリー
ブの軸心に対して軸心が偏心及び偏角した状態で胴体及
びスリーブと一体に回転可能に支持されるホルダと、ホ
ルダによりその軸心と同軸に取り付けられ、ホルダと一
体に回転されて雄ねじ部に噛み合わされ、ねじ山に沿っ
て移動することによってねじ山のバリを除去するカッタ
と、ホルダによりその軸方向に移動可能に支持され、棒
状ワークの頭頂面に予め形成されている芯出し穴に先端
を挿入することによってホルダ及びカッタをその軸心が
棒状ワークの軸心の延長線上に一致する姿勢状態に配置
するセンタとを有することを特徴とする。
【0008】この発明によると、ねじ山バリ取り工具を
棒状ワークに対向配置して、棒状ワークの雄ねじ部にカ
ッタが噛み合う回転方向に回転させながら、ねじ山バリ
取り工具を棒状ワークに対して軸方向に相対的に接近さ
せる方向であるいわゆる送り方向に移動させる。これに
より、センタの先端を棒状ワークの芯出し穴に挿入し
て、ホルダ及びカッタを棒状ワークの軸心の延長線上に
一致する姿勢状態に配置し、カッタを雄ねじ部に噛み合
わせて送り方向に移動させる。
【0009】そして、雄ねじ部がカッタの最深部に到達
すると、今度は、雄ねじ部に噛み合わされているカッタ
を雄ねじ部から取り外す回転方向に回転させながら、ね
じ山バリ取り工具を棒状ワークに対して軸方向に相対的
に離反する方向であるいわゆる戻り方向に移動させる。
従って、カッタを雄ねじ部に噛み合わせた状態で往復移
動させることができ、カッタの刃部をねじ山に沿って移
動させることができる。
【0010】そして、その際、カッタ及びホルダは、胴
体及びスリーブに対して軸方向に移動自在に支持されて
いることから、送り方向の移動量或いは戻り方向の移動
量と雄ねじ部のピッチとの間に誤差が生じた場合に、そ
の誤差を吸収して、カッタを雄ねじ部のピッチに一致す
るように軸方向に移動させることができる。
【0011】また、ホルダを、スリーブ及び胴体の軸心
に対して軸心が偏心及び偏角した状態で回転させること
ができるので、胴体の軸心が雄ねじ部の軸心に対して偏
心及び偏角した状態にある場合でも、ホルダ及びカッタ
の軸心を雄ねじ部の軸心に一致させて回転させることが
できる。従って、雄ねじ部のねじ山に沿ってカッタの刃
部を滑らかに移動させることができ、雄ねじ部に二度切
りを行うことなく、バリのみを確実に除去することがで
きる。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のねじ山バリ取り工具において、スリーブとホルダとの
間に取り付けられ、ホルダをその軸方向先端側に向かっ
て付勢する第1付勢手段と、胴体とホルダとの間に取り
付けられ、ホルダをその軸方向基端側に向かって付勢す
る第2付勢手段とを有することを特徴とする。
【0013】この発明によると、ホルダは、第1付勢手
段と第2付勢手段によって、軸方向で互いに対向するよ
うに付勢されるので、胴体に安定した状態でフローティ
ング支持される。また、カッタを雄ねじ部に噛み合わせ
て送り方向に移動させる際に、送り方向に対向する側の
ねじ山面にカッタの刃部を一定の押圧力で押接すること
ができ、また、雄ねじ部に噛み合わされているカッタを
戻り方向に移動させる際に、戻り方向に対向する側のね
じ山面にカッタの刃部を一定の押圧力で押接することが
できる。従って、ワークごとに加工精度がばらつくのを
防ぎ、より高精度のバリ取り加工を行うことができる。
【0014】また、第1付勢手段の付勢力と第2付勢手
段の付勢力をそれぞれ別個に設定することができ、送り
方向に対向する側のねじ山面に対するカッタの刃部の押
圧力と、戻り方向に対向する側のねじ山面に対するカッ
タの刃部の押圧力をそれぞれ別個に独立して精密に調整
することができる。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載のねじ山バリ取り工具において、胴体は、胴体の
軸心を中心とした所定の内径を有して胴体の先端面から
軸心方向に向かって穿設された軸穴部と、胴体の先端面
に軸穴部から胴体の外周面に亘って径方向に延在しかつ
周方向に所定間隔をおいて連続するように凹設された回
転係止凹部とを有し、スリーブは、胴体の軸穴部に遊嵌
される円筒部と、円筒部の軸方向先端部分で拡径されて
胴体の先端面に対向する鍔部と、鍔部から胴体の先端面
に向かって突設されて胴体の回転係止凹部内に係入可能
な回転係止凸部とを有し、ホルダは、スリーブの円筒部
が有する中心穴に遊嵌されるシャフト部と、シャフト部
の先端部分で拡径されてスリーブの先端面に対向する円
盤部と、円盤部の先端面中央にカッタを保持するカッタ
保持部とを有し、ホルダの軸心から径方向に離間した位
置で周方向に所定間隔をおいて軸方向に延在するように
取り付けられた複数本のボルトによって、胴体及びスリ
ーブに対して軸方向に移動可能に支持されると共に、胴
体及びスリーブの軸心に対して軸心が偏心及び偏角した
状態で胴体及びスリーブと一体に回転可能に支持された
ことを特徴とする。
【0016】この発明によると、スリーブは、胴体の軸
穴部にスリーブの円筒部が遊嵌されていることから、胴
体に対して軸方向に移動することができる。また、回転
係止凸部が、胴体の先端面に凹設されている回転係止凹
部に係入されていることから、胴体と一体に回転するこ
とができる。そして、軸穴部と円筒部との間隙分だけ胴
体の軸心に対して偏心及び偏角した状態で回転すること
ができる。
【0017】また、ホルダは、スリーブの円筒部の中心
穴にホルダのシャフト部が遊嵌されていることから、ス
リーブに対して軸方向に移動することができる。また、
複数本のボルトによって胴体及びスリーブに一体に回転
可能に支持されており、中心穴とシャフト部との間隙分
だけスリーブの軸心に対して偏心及び偏角した状態で回
転することができる。
【0018】このように、胴体の軸穴部とスリーブの円
筒部、スリーブの中心穴とホルダのシャフト部との間隙
を利用してホルダを胴体の軸心に対して偏心及び偏角し
た状態で回転させることによって、ねじ山バリ取り工具
の構成を簡単なものにすることができる。従って、容易
に製造することができ、製造コストを低減することがで
きる。また、構造が簡単であることから、メンテナンス
も容易であり、ランニングコストを低減することができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図に基づいて説明する。図1は、ねじ山バリ取り工具
Kの正面図、図2は、図1のA方向矢視図、図3は、図
1のB方向矢視図、図4は、ねじ山バリ取り工具Kを回
転中心である軸心Lに沿った縦断面により示した断面図
である。ねじ山バリ取り工具Kは、図1に示すように、
胴体10、スリーブ20、ホルダ30、カッタ40、セ
ンタ50を有しており、これらの各パーツは、ほぼ同軸
上で軸方向に連続するように配置されている。
【0020】胴体10は、図示していないマシニングセ
ンタなどの回転可能でかつ一定の速度で軸方向に往復移
動可能な回転装置のチャックに保持されるテーパ状のシ
ャンク11を有しており、シャンク11の先端側には、
シャンク11から同軸上に延在し、途中で段差を介して
拡径された円柱部12が設けられている。この円柱部1
2には、先端面15の中央部分に一端が開口し、胴体1
0の軸心Lに沿って一定径で所定深さを有する軸穴部1
3を有している。また、先端面15の軸穴部13を中心
としたその周辺部分には、図6に示すように、平面視で
略扇状に凹設された回転係止凹部14が周方向に等間隔
をおいて3カ所凹設されている。尚、図5は、胴体10
の一部を縦断面で示した説明図、図6は、胴体10を先
端面15側から示した説明図であり、図6の符号17
は、後述する短ボルト34のボルトヘッドとの干渉を回
避するための逃げ穴である。
【0021】スリーブ20は、胴体10の軸穴部13内
に遊嵌される外径を有した円筒部21と、円筒部21の
先端で拡径され胴体10の先端面15に対向する鍔部2
2を有しており、鍔部22の対向面側には、胴体10の
回転係止凹部14内に係入可能な平面視で略扇状の回転
係止凸部23が突設されている。図7は、図1のX−X
線断面である。回転係止凸部23は、図7に示すよう
に、胴体10の回転係止凹部14内に係入されてスリー
ブ20が胴体10と組み合わされた際に、両側端面が胴
体の回転係止凹部14の両側端面14aに対向しかつ、
スリーブ20の胴体10に対する偏心方向への移動を許
容する形状を有している。従って、スリーブ20は、胴
体10に対して軸心Sの延在方向に移動することができ
ると共に、胴体10と一体に回転でき、更に、軸心Sが
胴体10の軸心Lに対して平行にずれた偏心状態及び胴
体10の軸心Lに対して交差した偏角状態でも胴体10
と一体に回転できるように胴体10に支持されている。
尚、図8は、スリーブ20を軸心Sで縦断面によって示
した説明図であり、図9はスリーブ20を円筒部21側
から示した説明図である。
【0022】ホルダ30は、スリーブ20の中心穴24
に遊嵌される外径を有したシャフト部31と、シャフト
部31の先端で拡径されスリーブ20の鍔部22の先端
面に対向する円盤部33を有しており、複数本のボルト
34によって、胴体10及びスリーブ20に対して軸心
方向に移動可能でかつ一体に回転可能に支持されてい
る。長ボルト34aは、図4に示すように、胴体10の
軸心Lと平行に延在して胴体10の拡径部分とスリーブ
20の鍔部22を貫通するボルト穴16、25に遊嵌さ
れ、先端がホルダ30の円盤部33の対向面33aに固
定されており、図2に示すように、ホルダ30の軸心H
を中心として互いに120度の角度間隔をおいて3カ所
に設けられている。これらの長ボルト34aによって、
ホルダ30は、胴体10に対して軸心の延在方向に移動
可能でかつ一体に回転可能に支持されている。また、こ
れらの各長ボルト34aには、それぞれ第1スプリング
(第1付勢手段)61が挿着されている。第1スプリン
グ61は、胴体10に対してホルダ30を常に戻り方向
に付勢するように取り付けられている。
【0023】一方、短ボルト34bは、スリーブ20の
各回転係止凸部23を胴体10の軸心Lと平行に延在し
て貫通する3個のボルト穴26にそれぞれ遊嵌され、先
端がホルダ30の円盤部33の対向面33aに固定され
ている。これらの短ボルト34bにより、ホルダ30
は、スリーブ20に対して軸心の延在方向に移動可能で
かつ一体に回転可能に支持されている。また、これらの
短ボルト34bには、それぞれ第2スプリング(第2付
勢手段)62が挿着されている。第2スプリング62
は、スリーブ20に対してホルダ30を常に送り方向に
付勢するように取り付けられている。
【0024】従って、ホルダ30は、スリーブ20に対
して軸心Hの延在方向に移動することができると共に、
スリーブ20と一体に回転でき、更に、シャフト部31
と中心穴24との間隙分だけ軸心Hがスリーブ20の軸
心Sに対して平行にずれた偏心状態及びスリーブ20の
軸心Sに対して交差した偏角状態でも回転できるように
スリーブ20に支持されている。尚、上述の第1スプリ
ング61及び第2スプリング62の代わりに、合成樹脂
などの高弾性体を付勢手段を用いてもよい。ホルダ30
の円盤部33には、先端面33aに一端が開口し、軸心
Hを中心として一定径で所定深さを有するカッタ保持部
37が設けられており、カッタ40が保持されている。
尚、図10は、ホルダ30を軸心Hで縦断面によって示
した説明図である。
【0025】カッタ40は、図3に示すように、中心を
貫通する貫通孔41の内周面に刃部42が設けられた、
いわゆる一般的な丸ダイスであり、カッタ保持部37内
でホルダ30の軸心と同一の軸心を有するように配置さ
れ、ホルダ30と一体に回転されるように固定ねじ(図
示せず)によって固定されて保持されている。カッタ4
0は、回転されて雄ねじ部3に噛み合わされ、刃部42
が雄ねじ部3のねじ山4に沿って移動することによっ
て、ねじ山4のバリを除去する構造を有している。
【0026】センタ50は、ホルダ30の軸心Hに沿っ
て同一径で延在する丸棒形状を有しており、図4に示す
ように、ホルダ30のシャフト部31に貫通形成された
支持穴38に軸方向に往復動自在に支持されており、先
端51がホルダ30よりも突出し、かつ基端52がスリ
ーブ20の円筒部21の基端側を閉塞する閉塞面27に
形成された開口穴28から突出する長さを有している。
センタの先端51は、後述するワーク1の芯出し穴7に
挿入可能な円錐形状を有しており、センタ50の基端5
2は、開口穴28に遊嵌され、端部には開口穴28の穴
径よりも拡径されて先端51側への抜け止めを構成する
フランジ部53が形成されている。また、センタ50の
長手方向中間位置には、シャフト部31から支持穴38
内に突設された回り止めピン39に案内される案内溝5
4がセンタ50の軸方向に延在するように凹設されてお
り、ホルダ30とセンタ50との相対的な回転が防止さ
れている。そして、センタ50と胴体10との間にはセ
ンタスプリング55が装着されており、センタ50を軸
方向先端側(送り方向)に向かって付勢している。この
センタスプリング55は、上述の第1スプリング61及
び第2スプリング62よりも弱い付勢力に設定されてい
る。センタ50は、上記構成により、ホルダ30に対し
て軸方向に往復動自在でかつ一体回転可能に支持され、
センタスプリング55によって先端51が常に突出する
ように付勢されており、雄ねじ部3に押圧されることに
よって、ホルダ30をワーク1の中心位置に配置させる
ことができる構造を有している。
【0027】次に、上記ねじ山バリ取り工具Kを用いた
バリ取り方法について図11及び図12を用いて説明す
る。図11で符号1は、ワークであり、ワーク1は、丸
棒状のロッド部2と、ロッド部2の先端にねじ山4が螺
刻された雄ねじ部3を有している。このワーク1の雄ね
じ部3には、ねじ山4の形成後の追加工によって、雄ね
じ部3を軸心を通過して二分するようにスリット5が形
成されている。スリット5は、雄ねじ部3の頭頂面6か
ら所定深さを有しかつ一定幅で径方向に亘って延在する
形状を有している。また、頭頂面6の中心には、芯出し
穴7が穿設されている。尚、本実施の形態では、スリッ
ト5を例に説明するが、これに限定されるものではな
く、例えば雄ねじ部3を径方向に貫通するロックピン用
の丸穴であってもよい。ワーク1は、図示していないマ
シニングセンタ(回転装置)に保持されたねじ山バリ取
り工具Kに対して、対向する位置に配置される。
【0028】ねじ山バリ取り工具Kは、マシニングセン
タに装着されると、雄ねじ部3にカッタ40が噛み合う
回転方向に回転されると共に、ワーク1に対して軸方向
に接近する方向である、いわゆる送り方向に向かって移
動される。この移動により、まず最初に、センタ50の
先端が雄ねじ部3の芯出し穴7に挿入され、漸次センタ
スプリング55の付勢力に抗して軸方向基端側に向かっ
て押し移動される。これにより、ホルダ30は、ホルダ
30の軸心Hをワーク1の軸心の延長線上に一致する姿
勢状態に配置移動される。従って、ホルダ30及びカッ
タ40をワーク1に対して自動的に調芯させることがで
きる。
【0029】そして、カッタ40は、回転しながらワー
ク1の頭頂面6に当接されると(図11参照)、雄ねじ
部3に噛み合って送り方向に移動され、雄ねじ部3の頭
頂面6がカッタ40の貫通孔41の最深部に到達するま
で雄ねじ部3に螺合される(図12参照)。これによ
り、カッタ40の刃部42は、雄ねじ部3のねじ山4に
沿って移動され、ねじ山4のバリを除去する。その際、
ホルダ30が雄ねじ部3のねじ山4のピッチに合わせて
軸方向に移動して、ねじ山バリ取り工具Kを送り方向に
移動させる移動量と雄ねじ部3のピッチとの間の誤差を
吸収することによって、カッタ40の刃部42を雄ねじ
部3のねじ山4に沿って滑らかに移動させることができ
る。
【0030】雄ねじ部3の頭頂面6がカッタ40の最深
部に到達すると、マシニングセンタは、ねじ山バリ取り
工具Kの回転方向及び移動方向を切り換える。これによ
り、ねじ山バリ取り工具Kは、カッタ40の雄ねじ部3
への噛み合いを解除する回転方向に回転されると共に、
戻り方向に向かって移動される。これにより、カッタ4
0の刃部42は、雄ねじ部3のねじ山4に沿って移動さ
れ、ねじ山4のバリを除去し、ホルダ30が雄ねじ部3
のねじ山4のピッチに合わせて軸方向に移動して、ねじ
山バリ取り工具Kを戻り方向に移動させる移動量と雄ね
じ部3のピッチとの間の誤差を吸収することによって、
カッタ40の刃部42を雄ねじ部3のねじ山4に沿って
滑らかに移動させることができる。従って、雄ねじ部3
に二度切りを行うことなく、ねじ山4のバリのみを確実
に除去することができる。
【0031】そして、雄ねじ部3に噛み合わされたカッ
タ40を回転させて送り方向に移動させる際に、第2ス
プリング62によってカッタ40の刃部42を雄ねじ部
3の送り方向に対向するねじ山面に一定の押圧力で押接
させることができる。また、戻り方向に移動させる際
に、第1スプリング61によってカッタ40の刃部42
を雄ねじ部3の戻り方向に対向するねじ山面に一定の押
圧力で押接させることができる。従って、ワーク1ごと
に加工精度がばらつくのを防ぎ、ワーク1に対して高精
度のバリ取り加工を施すことができる。
【0032】また、第1スプリング61と第2スプリン
グ62を交換することによって、これらの付勢力を容易
に変更することができる。従って、送り方向に対向する
側のねじ山面に対するカッタの刃部の押圧力と、戻り方
向に対向する側のねじ山面に対するカッタの刃部の押圧
力をそれぞれ別個に独立して精密に調整することができ
る。
【0033】本発明によるねじ山バリ取り工具Kによれ
ば、ホルダ30及びカッタ40が、その軸心がワーク1
の雄ねじ部3の軸心に一致するように移動すると共に、
雄ねじ部3のピッチに応じて軸方向に移動することがで
きるので、ねじ山バリ取り工具Kとワーク1との間に軸
心方向のズレが生じた場合や、ねじ山バリ取り工具Kの
送り移動量と雄ねじ部3のピッチとの間に誤差が生じた
場合であっても、雄ねじ部3のねじ山4に沿ってカッタ
40の刃部42を滑らかに移動させて、雄ねじ部3のね
じ山4に発生しているバリのみを確実に除去でき、カッ
タ40によって雄ねじ部3に二度切りが行われるのを防
止することができる。
【0034】従って、例えば転造ねじや鍛造ねじのよう
に比較的簡易な製造方法によって製造されるねじは、ね
じ全体の軸心と雄ねじ部3の軸心との一致精度が低い
が、このようなねじであっても、本工具Kによれば、ね
じ山4のバリのみを確実に除去することができ、その効
果は絶大なるものである。
【0035】また、本発明では、第1スプリング61と
第2スプリング62によって軸方向で互いに対向する方
向にホルダ30をそれぞれ付勢しているので、送り方向
に対向する側のねじ山面と戻り方向に対向する側のねじ
山面に対してそれぞれ一定の押圧力でカッタ40の刃部
42を押接することができ、ワーク1に対して高精度の
バリ取り加工を施すことができ、より高精度のバリ取り
加工を施すことができる。
【0036】本発明は、上述の実施の形態に限定される
ものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変
更が可能である。例えば、本実施の形態では、胴体10
の回転係止凹部14及びスリーブ20の回転係止凸部2
3が平面視で略扇形状に形成されているが、胴体10に
対してホルダ30を軸方向に往復動可能でかつ偏心状態
及び偏角状態で一体に回転することができる例えば台形
状であってもよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るねじ
山バリ取り工具によれば、胴体に対してスリーブが軸心
が偏心及び偏角した状態で一体に回転可能に支持され、
スリーブに対してホルダが軸心が偏心及び偏角した状態
で一体に回転可能に支持されていることから、ねじ山バ
リ取り工具を棒状ワークの頭頂面に向かって接近させ、
センタを棒状ワークの芯出し穴に挿入することによっ
て、ホルダ及びカッタをその軸心が棒状ワークの軸心の
延長線上に一致する姿勢状態に配置することができる。
【0038】また、胴体に対してスリーブが軸方向に移
動自在に支持され、スリーブに対してホルダが軸方向に
移動自在に支持されていることから、ねじ山バリ取り工
具を軸方向に移動させる送り移動量と雄ねじ部のピッチ
との間に僅かな誤差が生じた場合でも、スリーブ及びホ
ルダを軸方向に適宜移動させ、その誤差を吸収し、送り
移動量及び戻し移動量を雄ねじ部のピッチに一致させる
ことができる。従って、雄ねじ部に二度切りを行うこと
なく、バリのみを確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ねじ山バリ取り工具の正面図である。
【図2】図1のA方向矢視図である。
【図3】図1のB方向矢視図である。
【図4】軸心に沿った縦断面により示した断面図であ
る。
【図5】胴体の一部を縦断面で示した説明図である。
【図6】胴体を先端面側から示した説明図である。
【図7】図1のX−X線断面である。
【図8】スリーブをその軸心に沿って縦断面で示した説
明図である。
【図9】スリーブを円筒部側から示した説明図である。
【図10】ホルダをその軸心に沿って縦断面で示した説
明図である。
【図11】ねじ山バリ取り工具の要部を拡大して断面で
示した説明図である。
【図12】ねじ山バリ取り工具の要部を拡大して断面で
示した説明図である。
【符号の説明】
1 ワーク 3 雄ねじ部 4 ねじ山 10 胴体 11 チャック部 14 回転係止凹部 20 スリーブ 23 回転係止凸部 30 ホルダ 40 カッタ 42 刃部 50 センタ 61 第1スプリング(第1付勢手段) 62 第2スプリング(第2付勢手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棒状ワークの雄ねじ部への追加工により
    ねじ山に発生したバリを除去するねじ山バリ取り工具に
    おいて、 回転装置に回転可能に保持される胴体と、 該胴体によりその軸方向に移動可能に支持され、かつ前
    記胴体の軸心に対して軸心が偏心及び偏角した状態で前
    記胴体と一体に回転可能に支持されるスリーブと、 該スリーブによりその軸方向に移動可能に支持され、か
    つ前記スリーブの軸心に対して軸心が偏心及び偏角した
    状態で前記胴体及び前記スリーブと一体に回転可能に支
    持されるホルダと、 該ホルダによりその軸心と同軸に取り付けられ、前記ホ
    ルダと一体に回転されて前記雄ねじ部に噛み合わされ、
    前記ねじ山に沿って移動することによって前記ねじ山の
    バリを除去するカッタと、 前記ホルダによりその軸方向に移動可能に支持され、前
    記棒状ワークの頭頂面に予め形成されている芯出し穴に
    先端を挿入することによって前記ホルダ及びカッタをそ
    の軸心が前記棒状ワークの軸心の延長線上に一致する姿
    勢状態に配置するセンタと、 を有することを特徴とするねじ山バリ取り工具。
  2. 【請求項2】 前記スリーブと前記ホルダとの間に取り
    付けられ、前記ホルダを該ホルダの軸方向先端側に向か
    って付勢する第1付勢手段と、 前記胴体と前記ホルダとの間に取り付けられ、前記ホル
    ダを該ホルダの軸方向基端側に向かって付勢する第2付
    勢手段と、 を有することを特徴とする請求項1に記載のねじ山バリ
    取り工具。
  3. 【請求項3】 前記胴体は、前記胴体の軸心を中心とし
    た所定の内径を有して前記胴体の先端面から軸心方向に
    向かって穿設された軸穴部と、前記胴体の先端面に前記
    軸穴部から前記胴体の外周面に亘って径方向に延在しか
    つ周方向に所定間隔をおいて連続するように凹設された
    回転係止凹部とを有し、 前記スリーブは、前記胴体の軸穴部に遊嵌される円筒部
    と、該円筒部の軸方向先端部分で拡径されて前記胴体の
    先端面に対向する鍔部と、該鍔部から前記胴体の先端面
    に向かって突設されて前記胴体の回転係止凹部内に係入
    可能な回転係止凸部とを有し、 前記ホルダは、前記スリーブの前記円筒部が有する中心
    穴に遊嵌されるシャフト部と、該シャフト部の先端部分
    で拡径されて前記スリーブの先端面に対向する円盤部
    と、該円盤部の先端面中央に前記カッタを保持するカッ
    タ保持部とを有し、前記ホルダの軸心から径方向に離間
    した位置で周方向に所定間隔をおいて軸方向に延在する
    ように取り付けられた複数本のボルトによって、前記胴
    体及び前記スリーブに対して軸方向に移動可能に支持さ
    れると共に、前記胴体の軸心及び前記スリーブの軸心に
    対して軸心が偏心及び偏角した状態で前記胴体及び前記
    スリーブと一体に回転可能に支持されたことを特徴とす
    る請求項1又は2に記載のねじ山バリ取り工具。
JP2001318480A 2001-10-16 2001-10-16 ねじ山バリ取り工具 Expired - Lifetime JP3978010B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001318480A JP3978010B2 (ja) 2001-10-16 2001-10-16 ねじ山バリ取り工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001318480A JP3978010B2 (ja) 2001-10-16 2001-10-16 ねじ山バリ取り工具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003117730A true JP2003117730A (ja) 2003-04-23
JP3978010B2 JP3978010B2 (ja) 2007-09-19

Family

ID=19136176

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001318480A Expired - Lifetime JP3978010B2 (ja) 2001-10-16 2001-10-16 ねじ山バリ取り工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3978010B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103521857A (zh) * 2013-09-29 2014-01-22 上海三达汽车配件有限公司 螺纹回绞装置
CN112074365A (zh) * 2018-05-18 2020-12-11 Kato工机株式会社 去毛刺和倒角工具

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103521857A (zh) * 2013-09-29 2014-01-22 上海三达汽车配件有限公司 螺纹回绞装置
CN112074365A (zh) * 2018-05-18 2020-12-11 Kato工机株式会社 去毛刺和倒角工具

Also Published As

Publication number Publication date
JP3978010B2 (ja) 2007-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100371594B1 (ko) 정해진범위의직경을가진원형개구부를중실재료내부에가공하기위한밀링공구및방법
US3973861A (en) Deburring tool
US4278374A (en) Apparatus for screw-threading
CA2460163C (en) Screw head formation
JP2012501253A (ja) 誘導回転やすり並びにそのようなやすりを使用してバリ取りするための装置及びバリ取りする方法
JP4436829B2 (ja) 割出し可能な切削工具
US2703996A (en) Chatterless deburring tool
EP2654995B1 (en) Cutting tool having a shank-mounted adjustment ring
US4813828A (en) Bottle boring milling tool
JP2003117730A (ja) ねじ山バリ取り工具
JP2006263828A (ja) 切削工具
US3302495A (en) Countersink
JP3113605B2 (ja) 回転工具固定装置及びネジ山形成方法
JP5780188B2 (ja) 切削部材のクランプ機構及びこれを用いた刃部交換式切削工具
JP4426407B2 (ja) 切削加工装置
GB2379723A (en) Screw head recess formation
JP3415833B2 (ja) 端面加工機
JP6676599B2 (ja) 工具ホルダ
JP5375987B2 (ja) シート面加工方法
KR950007695B1 (ko) 일체화된 구멍 및 나사형성공구, 및 이를 이용한 구멍 및 나사형성방법
US3992740A (en) Screw blank receiving and orienting collet
RU200452U1 (ru) Режущий инструмент
SU931323A1 (ru) Инструмент дл обработки отверстий
JP5825168B2 (ja) 切削部材のクランプ機構及びこれを用いた刃部交換式切削工具
SU1576240A1 (ru) Способ отрезки полых деталей

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040722

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070619

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070622

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100629

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150