JP2003117482A - 自動車車体の製造方法 - Google Patents

自動車車体の製造方法

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JP2003117482A
JP2003117482A JP2001317641A JP2001317641A JP2003117482A JP 2003117482 A JP2003117482 A JP 2003117482A JP 2001317641 A JP2001317641 A JP 2001317641A JP 2001317641 A JP2001317641 A JP 2001317641A JP 2003117482 A JP2003117482 A JP 2003117482A
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Shigeru Nakamura
茂 中村
Takeshi Akagi
雄 赤木
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動車車体の組み立てラインにおける低VOC
化及び意匠性の向上を主たる目的とする自動車車体の製
造方法を提供する。本発明方法では、プラスチックフィ
ルムの特性により、総合塗膜の耐チッピング性、防食
性、意匠性、仕上り外観などもさらに向上させることが
可能になる。 【構成】裁断及び/又は成型してなる自動車車体用部品
(I)の少なくとも外側表面に、透明プラスチックフィ
ルム層(a)の片面に光輝性顔料含有塗膜層(b)及び
粘着剤層(c)を設けてなる意匠性フィルム(A)を透
明プラスチックフィルム層(a)を外側にし、粘着剤層
(c)を介して貼着してなる自動車車体用部品(II)を
用いて自動車車体を組み立てることを特徴とする自動車
車体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車車体の組み立て
ラインにおいて、裁断及び/又は成型してなる自動車車
体用部品の少なくとも外側表面に、透明プラスチックフ
ィルム層の片面に光輝性顔料含有塗膜層及び粘着剤層を
設けてなる意匠性フィルム、又は離型紙層の片面に光輝
性顔料含有塗膜層及び粘着剤層を設けてなる意匠性フィ
ルムを粘着剤層を介して貼着して自動車車体用部品と
し、それを組み立てて自動車車体とする自動車車体の製
造方法に関し、特に自動車車体の組み立てラインにおけ
る低VOC化及び意匠性の向上を主たる目的としてい
る。
【0002】
【従来の技術とその課題】乗用車や軽自動車などの自動
車車体において、エンジンや足まわりなどのぎ装品が装
着されていない主として板金で構成されている部分はシ
ェルボデ−と称されている。このシェルボデ−は、通
常、アンダボデ−、サイドメンバ、ル−フ、カウル、ア
ッパバック、ロアバックなどから構成されるメインボデ
−と、フ−ド、フロントバランス、フロントフェンダ、
カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ(バックドア)などの
外蓋物とから構成されている。
【0003】従来、これらのメインボデ−及び外蓋物を
形成するために、裸の無塗装の金属板をそれぞれの構成
部品の大きさや形状に適合するように裁断、成型し、こ
れらを組み立ててシェルボデ−とし、これをカチオン電
着塗料浴に浸漬して、金属板の表面、裏面、端面部など
に電着塗装して下塗塗膜を形成している。そして、これ
らの外側に位置する表面には中塗り塗料及び上塗り塗料
などが塗装されている。
【0004】しかしながら、最近、自動車車体の組み立
て製造ラインにおけるVOC(揮発性有機化合物)の使
用量の削減が、塗装ラインでの省工程、省エネルギ−、
CO2削減と共に強く望まれている。しかも、総合塗膜
の耐チッピング性、防食性、意匠性、仕上り外観などの
さらなる向上も要求されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、自動車車
体の組み立て製造ラインにおける上記の課題を解決すべ
く検討を重ねた。その結果、自動車車体の組み立てライ
ンにおいて、裁断及び/又は成型してなる自動車車体用
部品の少なくとも外側表面に、透明プラスチックフィル
ム層の片面に光輝性顔料含有塗膜層及び粘着剤層を設け
てなる意匠性フィルム、又は離型紙層の片面に光輝性顔
料含有塗膜層及び粘着剤層を設けてなる意匠性フィルム
を粘着剤層を介して貼着して自動車車体用部品とし、そ
れを組み立てて自動車車体とすることにより、自動車車
体の組み立てラインにおける低VOC化及び意匠性の向
上が可能となり、上記課題が解決できることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0006】かくして、本発明によれば、下記の自動車
車体の製造方法が提供される。
【0007】本方法1:裁断及び/又は成型してなる自
動車車体用部品(I)の少なくとも外側表面に、透明プ
ラスチックフィルム層(a)の片面に光輝性顔料含有塗
膜層(b)及び粘着剤層(c)を設けてなる意匠性フィ
ルム(A)を透明プラスチックフィルム層(a)を外側
にし、粘着剤層(c)を介して貼着してなる自動車車体
用部品(II)を用いて自動車車体を組み立てることを特
徴とする自動車車体の製造方法。
【0008】本方法2:裁断及び/又は成型してなる自
動車車体用部品(I)の少なくとも外側表面に、離型紙
層(e)の片面に光輝性顔料含有塗膜層(b)及び粘着
剤層(c)を設けてなる意匠性フィルム(B)を粘着剤
層(c)を介して貼着してなる自動車車体用部品(II
I)を用いて自動車車体を組み立てることを特徴とする
自動車車体の製造方法。
【0009】以下に、本方法1及び本方法2について詳
細に説明をする。
【0010】
【発明の実施の態様】本方法1は、裁断及び/又は成型
してなる自動車車体用部品(I)の少なくとも外側表面
に、透明プラスチックフィルム層(a)の片面に光輝性
顔料含有塗膜層(b)及び粘着剤層(c)を設けてなる
意匠性フィルム(A)を透明プラスチックフィルム層
(a)を外側にし、粘着剤層(c)を介して貼着してな
る自動車車体用部品(II)を用いて自動車車体を組み立
てることを特徴とする自動車車体の製造方法に関する。
【0011】意匠性フィルム(A)は透明プラスチック
フィルム層(a)、光輝性顔料含有塗膜層(b)及び粘
着剤層(c)からなる複層フィルムであって、透明プラ
スチックフィルム層(a)を透かして光輝性顔料含有塗
膜層(b)を見ることになる。具体的には、透明プラス
チックフィルム層(a)の片面に光輝性顔料含有塗料を
塗装して塗膜層(b)を形成せしめ、ついでこの塗膜層
(b)の塗面に粘着剤層(c)を設けることにより意匠
性フィルム(A)を得ることができる。
【0012】透明プラスチックフィルム層(a)は、そ
の下層に隣接する光輝性顔料含有塗膜層(b)の光輝感
が透明プラスチックフィルム層(a)を透かして見える
程度の透明感を有する無色透明又は有色透明のフィルム
である。素材としては、透明プラスチックフィルム層
(a)が自動車車体外側の最上層に位置することがある
ので、すぐれた平滑性、光沢、耐候性、耐スリキズ性、
耐酸性などの性能を有していることが好ましく、例え
ば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン樹脂、ポリエテレンテレフタレ−ト(PET)などの
ポリエステル樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、ポリフッ化
ビニリデン樹脂などのフッ素含有樹脂、ポリビニルアセ
タ−ル樹脂、ナイロン、ポリアミド樹脂、ポリスチレン
樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエ−テル
樹脂、セルロ−スアセテ−トなどから選ばれた熱可塑性
樹脂製のプラスチックフィルムが好適である。
【0013】透明プラスチックフィルム層(a)は、こ
れらの素材を、押出成型、射出成型、カレンダ−成型、
圧縮成型などにより、フィルム状に成型することによっ
て調製することができ、その厚さは、通常、1〜200
μm、特に20〜100μmの範囲内が適しており、そ
の片面もしくは両面、特に光輝性顔料含有塗膜層(b)
が形成される面は、コロナ放電処理、プラズマ処理、火
炎処理などの処理をしておくことが好ましい。透明プラ
スチックフィルム層(a)の有色透明における「有色」
は、ソリッドカラ−調、メタリック調、光干渉調などを
指している。
【0014】光輝性顔料含有塗膜層(b)は、光輝性顔
料を含有する塗料を透明プラスチックフィルム層(a)
の片面に塗装することにより形成することができる。
【0015】光輝性顔料を含有する塗料は、塗膜形成用
樹脂組成物及び光輝性顔料を水及び/または有機溶剤に
混合してなる液状塗料である。塗膜形成用樹脂組成物と
しては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ア
ルキド樹脂、ウレタン樹脂などを主成分とする非架橋型
又は架橋型のものが使用できる。光輝性顔料はキラキラ
とした光輝感又は光干渉感、真珠光沢感などの色調を示
す顔料があげられ、例えば、アルミニウムフレーク、着
色アルミニウムフレーク、蒸着アルミニウム、着色蒸着
アルミニウム、酸化アルミニウム、着色酸化アルミニウ
ム、酸化チタンなどの金属酸化物で表面被覆された雲母
フレーク、オキシ塩化ビスマス、蛍光顔料などがあげら
れる。これらの粒径は特に制限されず、例えば、長手方
向の直径は3〜200μm、特に10〜150μm、厚
さは0.0001〜2μm、特に0.0005〜1μm
の範囲内が好ましい。特に、本発明では、光輝性顔料を
含有する塗料を透明プラスチックフィルム層(a)の片
面に塗装し、その反対面からフィルム層(a)を透かし
て光輝感を見るので、光輝性顔料の粒径が大きくなって
も何ら問題はなく、むしろ大粒径のものを使用すること
によりフィルム層(a)面への配向性がよく、これまで
にはない新規なキラキラ感がすぐれ、しかもハイスパ−
クリング意匠を示し、仕上り外観、特に光輝感を顕著に
向上させることができる。光輝性顔料の配合量は、樹脂
組成物100重量部(固形分)あたり、1〜1000重
量部、特に30〜500重量部が適している。
【0016】光輝性顔料を含有する塗料は、上記の塗膜
形成用樹脂組成物及び光輝性顔料を水及び/または有機
溶剤に混合することにより得られるが、さらにソリッド
カラー顔料、体質顔料、塗料用各種添加剤などを必要に
応じて含有せしめることができる。
【0017】光輝性顔料を含有する塗料を、粘度5〜3
0秒/フォードカップ#4/20℃に調整し、エアスプ
レイ、エアレススプレイ、静電塗装、カーテンフローコ
ータなどにより透明プラスチックフィルム層(a)の片
面に均一にまんべんなく塗装することにより、透明プラ
スチックフィルム層(a)の片面に光輝性顔料含有塗膜
層(b)を形成することができる。
【0018】また、透明プラスチックフィルム(a)の
片面に、光輝性顔料を含有する塗料で模様塗装を行なっ
て形成した模様塗膜も光輝性顔料含有塗膜層(b)に包
含することができる。ここで模様塗膜とは、自動車車体
の外側部分に意匠性、美観性、独自性、識別性などを付
与するものであれば何等制限されず、例えば、有彩色及
び/又は無彩色で、文字、変形文字、マ−ク、記号、イ
ラストレ−ション、絵、図柄及びこれらを組合わたもの
などがあげられる。これらは単色、混色、複合色、グラ
デ−ション、濃淡のいずれでも可能である。
【0019】かくして塗装された光輝性顔料を含有する
塗料の塗膜を、室温乃至180℃の温度で乾燥又は硬化
させることにより、透明プラスチックフィルム層(a)
の片面に光輝性顔料含有塗膜層(b)を形成せしめるが
できる。その厚さは1〜100μm、特に5〜80μm
の範囲内が好ましい。
【0020】ついで、光輝性顔料含有塗膜層(b)の塗
面に粘着剤を塗装して粘着剤層(c)を設けることによ
り意匠性フィルム(A)が得られる。粘着剤としては、
例えば、既知のものが使用でき、例えば、ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂、レゾール型エポキシ樹脂、アクリル
樹脂、アミノプラスト樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリシロキサン樹脂、(イソ)ブチレン樹脂、
酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル・塩化ビ
ニル樹脂、合成ゴム、天然ゴムなどがあげられる。粘着
剤の膜厚は、通常、1〜100μm、特に5〜50μm
の範囲内が好ましい。粘着剤の塗装は、例えば、エアス
プレイ、エアレススプレイ、カーテンフローコータ、ロ
ールコータなどにより行なうことができる。
【0021】本方法1は、裁断及び/又は成型してなる
自動車車体用部品(I)の少なくとも外側表面に、上記
のようにして得られる意匠性フィルム(A)を、透明プ
ラスチックフィルム層(a)を外側にし、粘着剤層
(c)が自動車車体用部品(I)の表面に接するように
して、自動車車体用部品(I)に貼着してなる自動車車
体用部品(II)を用いて自動車車体を組み立てることを
特徴とする自動車車体の製造方法に関する。
【0022】乗用車や軽自動車などの自動車車体におい
て、エンジンや足まわりなどのぎ装品が装着されていな
い主として板金又は成型体で構成されている部分をシェ
ルボデ−と称されている。このシェルボデ−は、通常、
アンダボデ−、サイドメンバ、ル−フ、カウル、アッパ
バック、ロアバックなどから構成される「メインボデ
−」と、フ−ド、フロントバランス、フロントフェン
ダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ(バックドア)、
バンパー、スポイラー、ガーニッシュ、サイドプロテク
ター、タイヤハウスなどの「外蓋物」とから構成されて
いる。
【0023】アンダボデ−は乗員室(キャビン)及び荷
物室などの床部を指し、フロントアンダボデ−、フロン
トフロア、リアフロアなどを総称するものである。サイ
ドメンバ−は、フロントボデ−、ル−フパネル、アンダ
ボデ−などと結合し客室側面を形成し、車両の曲げや捩
じれを防ぐものである。カウルは左右前後のピラ−をつ
なぐパネルである。アッパバックは車体後部の左右のク
ウォ−タパネル(リアフェンダ)をつなぎ、車体外面を
形成するパネルである。
【0024】自動車車体用部品(I)は、上記シェルボ
デ−を構成するメインボディーのアンダボデ−、サイド
メンバ、ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックな
ど及び外蓋物のフ−ド、フロントバランス、フロントフ
ェンダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ(バックド
ア)、バンパー、スポイラー、ガーニッシュ、サイドプ
ロテクター、タイヤハウスなどから選ばれるパーツの1
種又は2種以上、あるいはすべてのパーツを指してい
る。又は、これらのパーツの一部を指すことも有る。
【0025】自動車車体用部品(I)として、下記に例
示するものがあげられる。
【0026】(I−1):アルミウム板又は熔融亜鉛メ
ッキ鋼板などの無塗装金属板を裁断、成型、結合、接合
してなる部品。
【0027】アルミウム板又は熔融亜鉛メッキ鋼板は、
エンジンや足まわりなどのぎ装品が装着されていない主
として板金で構成されている部分に使用されるものであ
り、アルミニウム及びアルミニウム含有合金、又は鉄、
鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、銅及びこれらの金属
を含有する合金から選ばれた金属からなる金属板の表面
を亜鉛、亜鉛/ニッケルなどでメッキした金属板などの
既知のものがあげられ、これらは防錆性などがすぐれて
いるので、電着塗料などの下塗りを塗装することは必須
要件ではない。これらの金属板は、コイル状又は切り板
状としたものを適用することができる。厚さは0.1〜
2mm、特に0.3〜1mmの範囲内が適している。
【0028】これらの金属板の表面は、さらに必要に応
じて塗装することがある電着塗料、中塗り塗料、さらに
意匠性フィルム(A)などとの付着性や防食性などを向
上させるために、研磨処理、脱脂処理、りん酸塩処理な
どを適宜行っておくことが好ましい。アルミニウム板又
は熔融亜鉛メッキ鋼板から選ばれた1種以上を目的とす
る形状、大きさに裁断し、プレス成型機などにより加圧
成型し、必要に応じてそれらを接着剤、溶接やボルト締
めなどにより接合して自動車車体用部品(I−1)を形
成する。これらの裁断、成型及び接合はそれ自体既知の
方法により行うことができる。
【0029】このようにして得られる自動車車体用部品
(I−1)の表裏両面及び裁断部の端面部は金属面が露
出しており、これらの金属露出部分から錆が発生するこ
とがあるので、必要に応じて、電着塗料を塗装してその
金属露出部分を電着塗膜により被覆しておくことが好ま
しい。
【0030】電着塗料としてはアニオン型及びカチオン
型のいずれでもよいが、一般的にには、防食性がすぐれ
ているカチオン型電着塗料を使用することが好ましい。
【0031】カチオン電着塗料としては既知のものを使
用することができ、例えば、水酸基及びカチオン性基を
有する基体樹脂及びブロックポリイソシアネ−ト化合物
を架橋剤として含有する水性塗料があげられる。
【0032】基体樹脂として、ポリフェノ−ル化合物と
エピクロルヒドリンとの反応により得られるポリグリシ
ジルエーテル型エポキシ樹脂にカチオン化剤を反応せし
めた樹脂が、防食性のすぐれた塗膜を形成するので特に
好ましい。このエポキシ樹脂としては、数平均分子量が
200以上、好ましくは800〜2000、エポキシ当
量が190〜2000、好ましくは400〜1000の
範囲内にあるものが特に適している。ポリフェノ−ル化
合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2,2−プロパン、4,4´−ジヒドロキシベン
ゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1
−エタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1
−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチ
ル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロ
キシブチル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレ
ン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、テ
トラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エ
タン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエ−テル、
4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノ−
ルノボラック、クレゾ−ルノボラックなどがあげられ
る。エポキシ樹脂中のエポキシ基の殆どもしくはすべて
に、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、ポリア
ミンなどのアミン化合物を反応し、さらにギ酸、酢酸、
グリコ−ル酸、乳酸などの水溶性有機カルボン酸を反応
して中和することにより、水酸基含有カチオン樹脂(基
体樹脂)を得ることができる。
【0033】基体樹脂の水酸基は、カチオン化剤中のア
ルカノ−ルアミンとの反応、エポキシ樹脂中に導入され
ることがあるカプロラクトンとの開環反応やポリオ−ル
との反応などにより導入される第1級水酸基、エポキシ
樹脂中の2級水酸基などがあげられ、水酸基量は、水酸
基当量で20〜5000、特に100〜1000mgK
OH/gの範囲内にあることが好ましく、カチオン性基
の量は、基体樹脂を水中に安定に分散するために、KO
H(mg/g固形分)(アミン価)換算で一般に3〜2
00、特に10〜80の範囲内にあることが好ましい。
基体樹脂は遊離のエポキシ基は有していないことが望ま
しい。
【0034】架橋剤としてのブロックポリイソシアネ−
ト化合物は、ポリイソシアネ−ト化合物のイソシアネ−
ト基の実質的にすべてを揮発性のブロック剤で封鎖され
ているものであり、所定温度以上に加熱するとこのブロ
ック剤が解離してイソシアネ−ト基が再生して、基体樹
脂との架橋反応に関与する。ポリイソシアネ−ト化合物
は1分子中に遊離のイソシアネ−ト基2個以上有する化
合物であり、既知の脂肪族ジイソシアネ−ト、脂環族ジ
イソシアネ−ト、芳香族ジイソシアネ−ト、これらのウ
レタン化付加物、ビユ−レットタイプ付加物、イソシア
ヌル環タイプ付加物等があげられる。ブロック剤として
は、フェノ−ル系、アルコ−ル系、活性メチレン系、メ
ルカプタン系、酸アミド系、イミド系、アミン系、イミ
ダゾ−ル系、尿素系、カルバミン酸系、イミン系、オキ
シム系、亜硫酸系、ラクタム系などの既知のブロック剤
が使用できる。
【0035】基体樹脂とブロックポリイソシアネ−ト化
合物との比率は、両成分の合計固形分重量に基づいて、
前者は40〜90%、後者は60〜10%の範囲内にあ
ることが好ましい。
【0036】カチオン電着塗料は、基体樹脂中のカチオ
ン性基を酢酸、ギ酸、乳酸、りん酸などの酸性化合物で
中和してから、ブロックポリイソシアネ−ト化合物と共
に水に混合することにより調製することができ、塗装時
のpHは一般に3〜9、特に5〜7、固形分濃度は5〜
30重量%の範囲内が適している。さらに必要に応じ
て、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、ストロンチウム、
鉛、ジルコニウム、モリブデン、錫、アンチモン、ラン
タン、タングステン、ビスマス等から選ばれた金属の水
酸化物、酸化物、有機酸塩、無機酸塩のような防錆性を
有する硬化触媒、各種顔料、沈降防止剤などを配合する
ことができる。
【0037】アルミウム板又は熔融亜鉛メッキ鋼板を目
的とする形状、大きさに裁断し、プレス加工機などによ
り加圧成型し、必要に応じてそれらを接着剤、溶接やボ
ルト締めなどにより接合して製造した自動車車体部品
(I−1)を、カチオン電着塗料の浴中に浸漬し、該部
品(I−1)をカソ−ドとし、浴温20〜35℃、電圧
100〜400V、通電時間1〜10分で電着塗装する
ことにより、該部品(I−1)の表面に電着塗膜を析出
せしめることができる。電着塗膜の膜厚は硬化塗膜を基
準に10〜40μm程度が好ましい。塗装後、電着塗料
浴から自動車車体部品(I−1)を引上げ、適宜水洗し
た後、100〜200℃に加熱して電着塗膜を硬化させ
ることにより、電着塗膜で被覆された自動車車体部品
(I−1)を得ることができる。
【0038】自動車車体部品(I−1)を、電着塗装
後、、又は未電着塗装の状態で、少なくとも外側に位置
する表面に中塗り塗料を塗装することができ、中塗り塗
料を塗装することにより、総合塗膜の平滑性を向上させ
ることができるのでより好ましい。中塗り塗料としては
既知のものが適用でき、特に水性中塗り塗料、粉体中塗
り塗料などを使用するすると低VOC、省資源、公害防
止などの観点から好ましい。
【0039】水性中塗り塗料としては、ポリエステル樹
脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などから選ばれた1種
又は2種以上の基体樹脂とメラミン樹脂、ブロックポリ
イソシアネート樹脂などから選ばれた架橋剤を主成分す
る熱硬化性塗料が好適に使用できる。また、粉体中塗り
塗料としては、グリシジル基を有するポリエステル樹脂
又はアクリル樹脂とカルボキシル基含有化合物とを含有
する熱硬化性塗料が好適である。中塗り塗料には着色顔
料、体質顔料などを適宜含有させることができる。
【0040】中塗り塗料は、自動車車体部品(I−1)
の外側に位置する表面に塗装することが好ましいが、内
面側に塗装しても差し支えない。塗装はエアスプレー、
エアレススプレー、静電塗装などにより行なうことがで
き、膜厚は硬化塗膜を基準に、5〜200μm、特に1
5〜150μmの範囲が適しており、その塗膜は100
〜200℃で10〜40分程度加熱することにより硬化
させることができる。
【0041】自動車車体部品(I−1)に、必要に応じ
て電着塗料、中塗り塗料などを塗装してから、その外面
に位置する表面に上塗り塗膜の相当する意匠性フィルム
(A)を貼着する。
【0042】(I−2):上記(I−1)以外の金属製
素材を裁断、成型、結合、接合し、ついで電着塗料を塗
装し、さらに必要に応じて中塗り塗料を塗装してなる自
動車車体部品。
【0043】金属製素材としては、上記(I−1)のア
ルミウム板又は熔融亜鉛メッキ鋼板以外のこれまで自動
車車体に使用されている金属製であり、例えば、鉄、
鋼、ステンレス鋼、銅及びこれらの金属を含有する合
金、さらにこれらの表面をニッケル、鉄などでメッキし
た金属板などがあげられ、これらをコイル状又は切り板
状としてを適用することができ、その厚さは0.3〜
2.0mm、特に0.5〜1.0mmの範囲内が適して
いる。そして、これらの金属素材の表面は、電着塗膜の
付着性や防食性などを向上させるために、研磨処理、脱
脂処理、りん酸塩処理などの前処理をあらかじめ行なっ
ておくことが好ましい。
【0044】これらの金属製素材の成型加工は、コイル
状又は切り板状の金属板を、自動車車体のシェルボデー
を構成するパーツの形状、大きさに裁断し、プレス加工
機などにより加圧成型することにより行われる。
【0045】金属製素材を裁断、成型及び接合などし
て、メインボデ−のアンダボデ−、サイドメンバ、ル−
フ、カウル、アッパバック、ロアバックなど、さらに外
蓋物(自動車用部品)のフ−ド、フロントバランス、フ
ロントフェンダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ、バ
ンパー、スポイラー、ガーニッシュ、サイドプロテクタ
ー、タイヤハウスなどの各パ−ツを製造する。これらの
裁断、成型及び接合はそれ自体既知の方法により行うこ
とができる。これらの各パ−ツを組合わせ、接合してメ
インボデ−を形成せしめ、ついでこのものにフ−ド、フ
ロントバランス、フロントフェンダ、カウルル−バ、ド
ア、ラッゲ−ジ、バンパー、スポイラー、ガーニッシ
ュ、サイドプロテクター、タイヤハウスなどの外蓋物を
取り付けることによりシェルボデ−を製造することがで
きる。こららのパーツの組合わせ、接合は、接着剤、溶
接やボルト締めなどにより、従来の方法に準じて行なう
ことができる。
【0046】成型加工した金属素材への電着塗料の塗装
は、例えば、下記の時点で行なうことができるが、これ
らのみに制限されることはない。
【0047】(1)金属製素材を裁断、成型した後であ
って、かつメインボデーに組み立てる以前のパーツ例え
ば、アンダボデ−、サイドメンバ、ル−フ、カウル、ア
ッパバック、ロアバックなどの部品の状態で電着塗装を
行なう。
【0048】(2)金属製素材を裁断、成型した後であ
って、メインボデーに取り付ける以前の外蓋物のパ−
ツ、例えば、フ−ド、フロントバランス、フロントフェ
ンダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ、バンパー、ス
ポイラー、ガーニッシュ、サイドプロテクター、タイヤ
ハウスなどに電着塗装を行なう。
【0049】(3)上記(1)のパーツを組み立ててメ
インボデーとした後で電着塗装を行なう。
【0050】(4)メインボデーに上記(2)の外蓋物
を結合してシェルボデーとした状態で電着塗装を行な
う。
【0051】電着塗料としては、自動車車体用部品(I
−1)の説明で例示した電着塗料が好適に使用すること
ができる。
【0052】上記の(1)〜(4)から選ばれた成型加
工後の金属製素材を、固形分含有率5〜40重量%に調
整されたカチオン電着塗料浴に浸漬し、このものをカソ
−ドとし、浴温20〜35℃、電圧100〜400V
で、1〜10分関通電することによって電着塗装を行な
い、金属製素材の表裏両面、端面部などの金属露出部分
に電着塗膜を析出させることができる。電着塗膜の膜厚
は硬化塗膜を基準に、平坦部分で10〜40μm程度が
好ましい。塗装後、電着塗料浴から金属製素材を引上
げ、適宜水洗したのち、100〜200℃で10〜40
分間程度加熱することにより電着塗膜を硬化させること
ができる。
【0053】自動車車体用部品(I−2)では、電着塗
料を塗装し、その電着塗膜を加熱硬化してから、又は未
硬化の状態で、必要に応じて、少なくともその外側相当
部分に中塗り塗料を塗装することができる。
【0054】「外側相当部分」とは、組立てが完了した
自動車車体の外側に位置し、かつ外部から見える部分で
あり、例えば、ル−フ、フ−ド、フェンダ、ドア、ラッ
ゲ−ジ、バンパー、スポイラー、ガーニッシュ、サイド
プロテクター、タイヤハウスの外面部などがあげられ
る。
【0055】中塗り塗料は、電着塗料を塗装してなる成
型加工した金属製素材の少なくとも外側相当部分の電着
塗膜面に必要に応じて塗装する塗料であり、それ自体既
知の塗料が使用できる。具体的には、水酸基などの架橋
性官能基を有するポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ア
クリル樹脂などから選ばれた基体樹脂にメラミン樹脂、
(ブロック)ポリイソシアネート化合物などの架橋剤を
併用してなる樹脂成分に着色顔料又は体質顔料などを混
合してなる有機溶剤系又は水系の中塗り塗料があげられ
る。
【0056】中塗り塗料は、電着塗料を塗装してなる成
型加工した金属製素材の少なくとも外側相当部分の電着
塗膜面に塗装するが、必要に応じてそれ以外の部分、例
えば、車体内部に相当する部分に塗装することも可能で
ある。この塗装はエアスプレー、エアレススプレー、静
電塗装などにより行なうことができ、その膜厚は硬化塗
膜に基づいて10〜40μm、特に15〜30μmの範
囲内が適している。また、中塗り塗膜は100〜180
℃、特に120〜160℃で10〜40分程度加熱する
ことにより硬化することができる。
【0057】このようにして得られる自動車車体部品
(I−2)の外面に位置する表面に上塗り塗膜の相当す
る意匠性フィルム(A)を貼着する。
【0058】(I−3):両面にプラスチックフィルム
を貼着してなるプラスチック被覆金属板(I−3−1)
及び/又は両面に塗料を予め塗装してなるプレコート金
属板(I−3−2)を裁断、成型してなる自動車車体部
品であり、必要に応じてこの部品における金属露出部分
を電着塗料の塗装により被覆してなるものも包含され
る。
【0059】プラスチック被覆金属板(I−3−1)及
びプレコート金属板(I−3−2)を調製するための金
属板としては、これまで自動車車体に使用されているも
のが好適に適用でき、例えば、鉄、鋼、ステンレス鋼、
アルミニウム、銅及びこれらの金属を含有する合金から
選ばれた金属からなる鋼板があげられる。さらにこれら
の表面を亜鉛、亜鉛/ニッケル、鉄などでメッキした金
属板は、防錆性などがすぐれているので特に好適であ
る。これらの金属板は、コイル状又は切り板状としたも
のを適用することができ、厚さは0.3〜2mm、特に
0.5〜1mmの範囲内が適している。金属板の表面
は、プラスチックフィルムや塗料塗膜との付着性や防食
性などを向上させるために、研磨処理、脱脂処理、りん
酸塩処理などを適宜行っておくことが好ましい。
【0060】プラスチック被覆金属板(I−3−1)に
おいて、金属板に貼着するプラスチックフィルムの素材
としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなど
のポリオレフィン樹脂、ポリエテレンテレフタレ−ト
(PET)などのポリエステル樹脂、ポリカ−ボネ−ト
樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹
脂、フッ素含有樹脂、ポリビニルアセタ−ル樹脂、ポリ
ビニルアルコ−ル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン
樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノ−ル樹
脂、ポリエ−テル樹脂、繊維素系樹脂などのそれ自体既
知の熱可塑性樹脂を使用することができ、これらは着色
顔料、体質顔料などを含有しても差支えない。
【0061】金属板へのプラスチックフィルムの貼着は
それ自体既知の方法によって行なうことができる。例え
ば、押出成型、射出成型、カレンダ−成型、圧縮成型な
どで成型したフィルム状のプラスチックを金属板に貼着
するか:熱溶融したプラスチックを押出してフィルム状
にして金属板に圧着するかなどにより金属板に付着さ
せ、さらに必要に応じて加熱溶融することにより行うこ
とができる。プラスチックフィルムの貼着は金属板の表
裏両面に行なう。プラスチックフィルムの膜厚は、通
常、1〜100μm、好ましくは3〜60μm、より好
ましくは8〜40μmの範囲内が適している。また、プ
ラスチックフィルムは、金属板への貼着前又は貼着後
に、その表面をコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処
理などの処理をしておくことも可能である。
【0062】金属板とプラスチックフィルムとの接着性
を向上させるために、接着剤を金属板及び/又はプラス
チックフィルムにあらかじめ塗布しておくことが好まし
い。かかる接着剤としては、例えば、ビスフェノ−ル型
エポキシ樹脂、レゾ−ル型エポキシ樹脂、アクリル樹
脂、アミノプラスト樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン
樹脂、ポリシロキサン樹脂などから選ばれた1又は2種
以上の樹脂を含む熱硬化性又は熱可塑性の接着剤などが
あげられる。さらに、2,4,6−トリメルカプト−S
−トリアジン、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメメル
カプト−S−トリアジン、2,4,6−トリメルカプト
−S−トリアジン−モノソヂウムソルト、2,4,6−
トリメルカプト−S−トリアジン−トリソヂウムソルト
などのトリアジンチオ−ル系化合物も接着剤として使用
することができる。
【0063】プレコート金属板(I−3−2)は、金属
板の表裏両面に塗料を塗装してなる塗装金属板である。
ここで使用される塗料としては、ポリエステル樹脂(脂
肪酸変性、ウレタン変性、エポキシ変性などの変性ポリ
エステル樹脂も含む)、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、
ウレタン樹脂などの基体樹脂と、レゾール型フェノール
樹脂、メラミン樹脂、ブロックイソシアネート化合物な
どの硬化剤を含有する熱硬化性樹脂組成物を主成分とす
るそれ自体既知のプレコート金属板用の塗料組成物が好
適に使用することができる。
【0064】金属板上にこれらの塗料組成物をロールコ
ーターなどにより塗装し、金属板の到達最高温度(PM
T)が160℃〜260℃となる条件で、15〜60秒
間程度焼付け塗膜を硬化させることにより、プレコート
金属板(I−3−2)を得ることができる。塗装膜厚
は、硬化塗膜を基準に通常1〜20μm、特に3〜13
μm程度が好ましい。
【0065】プラスチック被覆金属板(I−3−1)及
びプレコート金属板(I−3−2)におけるプラスチッ
クフィルム及び塗装塗膜は防錆性及び耐チッピング性が
すぐれていることが好ましい。そのために、これらのフ
ィルム及び塗膜には、クロム酸ストロンチウム、クロム
酸カルシウム、クロム酸亜鉛、クロム酸バリウム、燐酸
亜鉛などの防錆顔料を含有せしめ、さらにこれらの伸び
率を30〜1000%、特に50〜200%/20℃/
膜厚15μmに調整することが好ましい。
【0066】かくして製造されるプラスチック被覆金属
板(I−3−1)及びプレコート金属板(I−3−2)
から選ばれた1種以上を裁断、成型し、さらに必要に応
じて接合して自動車車体部品(I−3)を形成する。す
なわち、上記のようにして調製されるプラスチック被覆
金属板(I−3−1)及び/又はプレコート金属板(I
−3−2)を目的とする形状、大きさに裁断し、プレス
加工機などにより加圧成型し、必要に応じてそれらを接
着剤、溶接やボルト締めなどにより接合して自動車車体
部品(I−3)を形成する。これらの裁断、成型及び接
合はそれ自体既知の方法により行うことができる。
【0067】自動車車体部品(I−3)の表裏両面はプ
ラスチックフィルム又は塗料塗膜によって被覆されてい
るが、裁断部の端面部は金属面が露出しており、この端
面部から錆が発生することがあるので、電着塗料を塗装
してその端面部を被覆しておくことが好ましい。金属板
として亜鉛メッキ鋼板を使用すると、このものは耐食性
がすぐれているので端面部から錆が発生することは殆ど
なく、電着塗装を行なうことは必須要件ではない。
【0068】電着塗料としては、自動車車体用部品(I
−1)の説明で例示した電着塗料が好適に使用すること
ができる。電着塗装は、被覆金属板(I−3−1)及び
/又は金属板(I−3−2)を目的とする形状、大きさ
に裁断し、プレス加工機などにより加圧成型し、必要に
応じてそれらを接着剤、溶接やボルト締めなどにより接
合して製造した自動車車体部品(I−3)を、カチオン
電着塗料の浴中に浸漬し、部品(I−3)をカソ−ドと
し、浴温20〜35℃、電圧100〜400V、通電時
間1〜10分で電着塗装することにより、部品(I−
3)の裁断端面部に電着塗膜を析出せしめることができ
る。電着塗膜の膜厚は硬化塗膜を基準に10〜40μm
程度が好ましい。塗装後、電着塗料浴から自動車車体部
品を引上げ、適宜水洗した後、100〜200℃に加熱
して電着塗膜を硬化させることにより、主に端面部のみ
に電着塗膜が形成された自動車車体部品(I−3)を得
ることができる。
【0069】このようにして調製された自動車車体部品
(I−3)の外側に位置する表面に中塗り塗料を塗装す
ることは、総合塗膜の平滑性を向上させることができる
のでより好ましいが、必須要件ではない。中塗り塗料と
しては既知のものが適用できるが、このうち、水性中塗
り塗料、粉体中塗り塗料などを使用するすると低VO
C、省資源、公害防止などの観点から好ましい。
【0070】水性中塗り塗料としては、ポリエステル樹
脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などから選ばれた1種
又は2種以上の基体樹脂とメラミン樹脂、ブロックポリ
イソシアネート樹脂などから選ばれた架橋剤を主成分す
る熱硬化性塗料が好適に使用できる。また、粉体中塗り
塗料としては、グリシジル基を有するポリエステル樹脂
又はアクリル樹脂とカルボキシル基含有化合物とを含有
する熱硬化性塗料が好適である。中塗り塗料には着色顔
料、体質顔料などを適宜含有させることができる。
【0071】中塗り塗料は、自動車車体部品(I−3)
の外側に位置する表面に塗装することが好ましいが、内
面側に塗装しても差し支えない。塗装はエアスプレー、
エアレススプレー、静電塗装などにより行なうことがで
き、膜厚は硬化塗膜を基準に、5〜200μm、特に1
5〜150μmの範囲が適しており、その塗膜は100
〜200℃で10〜40分程度加熱することにより硬化
させることができる。
【0072】必要に応じて端面部に電着塗料、外側表面
に中塗り塗料を塗装してなる自動車車体部品(I−3)
の外面に位置する表面に上塗り塗膜の相当する意匠性フ
ィルム(A)を貼着する。
【0073】(I−4):プラスチックを裁断及び/又
は成型してなる自動車車体部品。
【0074】シェルボデ−は、通常、アンダボデ−、サ
イドメンバ、ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバッ
クなどから構成されるメインボデ−と、フ−ド、フロン
トバランス、フロントフェンダ、カウルル−バ、ドア、
ラッゲ−ジ(バックドア)、バンパー、スポイラー、ガ
ーニッシュ、サイドプロテクター、タイヤハウスなどの
外蓋物とから構成されていて、これらのシェルボデ−の
少なくとも一部、好ましくは殆ど又はすべてに、プラス
チックを裁断及び/又は成型してなる自動車車体部品
(I−4)を使用する。
【0075】プラスチックとしては、従来の自動車車体
用金属板と同程度以上の物理的強度を有する材質であれ
ば、特に制限されず適用することができる。その具体例
を以下に列挙する。
【0076】ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂(アクリルニトリ
ル、ブタジエン、スチレンの3元共重合体)、AS樹脂
(アクリルニトリルとスチレンとの共重合体)、メタク
リル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミ
ド樹脂(PA)、ナイロン、ポリアセタール(POM、
ポリオキシメチレン)、ポリカーボネート(PC)、変
性ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリブチレンテ
レフタレート(PBT)、ガラス繊維強化ポリエチレン
テレフタレート(GFRPET)、超高分子量ポリエチ
レン(UHPE)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエ
ーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンサルファ
イド(PPS)、ポリアリレート(PAR、U−ポリマ
ー)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミ
ド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEE
K)、ポリイミド(PI)、ポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)、ポリアミノビスマレイミド(PAB
M)、ポリビスアミドトリアゾール(BTレジン)、ポ
リウレタン、シロコーン樹脂などがあげられる。ポリプ
ロピレンとエチレン・プロピレン・ブタジエン共重合体
とのブレンド(アロイ)物、アクリロニトリルとスチレ
ンとアクリル酸エステルとの共重合体(ASA)、ポリ
メチルメタクリレートなども適用できる。
【0077】これらのプラスチックは、ソリッドカラー
顔料、メタリック顔料、光干渉性顔料などを混入して、
ソリッドカラー調、メタリック調、光干渉調に着色され
ていてもよい。また、体質顔料、ガラス繊維などにより
補強されていても差し支えない。
【0078】これらのプラスチック自体は粒状、塊状、
シート状のいずれでもよい。粒状、塊状などのプラスチ
ックは、押出し成型、射出成型などの既知の方法で、例
えば、フ−ド、フロントバランス、フロントフェンダ、
カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ(バックドア)、バン
パー、スポイラー、ガーニッシュ、サイドプロテクタ
ー、タイヤハウスなどの形状に成型して自動車車体部品
(I−4)とすることができる。
【0079】また、シート状のプラスチックは、厚さが
0.5〜20mm程度が好ましく、これを目的とする形
状に裁断、成型し、さらに必要に応じてこれらを接合し
て、自動車車体部品(I−4)を形成する。プラスチッ
クの表面をコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理な
どの処理をしておくことも可能である。
【0080】ここで、プラスチック部品が使用できる箇
所としては、例えば、エンジンや足まわりなどのぎ装品
が装着されていない主として板金で構成されている部
分、すなわちシェルボデ−の一部もしくはすべてがあげ
られる。シェルボデ−は、通常、アンダボデ−、サイド
メンバ、ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックな
どから構成されるメインボデ−と、フ−ド、フロントバ
ランス、フロントフェンダ、カウルル−バ、ドア、ラッ
ゲ−ジ(バックドア)、バンパー、スポイラー、ガーニ
ッシュ、サイドプロテクター、タイヤハウスなどの外蓋
物とから構成されている。
【0081】アンダボデ−は乗員室(キャビン)及び荷
物室などの床部を指し、フロントアンダボデ−、フロン
トフロア、リアフロアなどを総称するものである。サイ
ドメンバ−は、フロントボデ−、ル−フパネル、アンダ
ボデ−などと結合し客室側面を形成し、車両の曲げや捩
じれを防ぐものである。カウルは左右前後のピラ−をつ
なぐパネルである。アッパバックは車体後部の左右のク
ウォ−タパネル(リアフェンダ)をつなぎ、車体外面を
形成するパネルである。また、自動車車体部品(I−
4)とは、メインボデ−及び外蓋物を構成する上記のす
べてのパーツ又はこのパーツを構成する単位部品などの
ことである。
【0082】このようにして調製された自動車車体部品
(I−4)の外側に位置する表面に中塗り塗料を塗装す
ることは、総合被膜の平滑性を向上させることができる
のでより好ましいが、必須要件ではない。中塗り塗料と
しては既知のものが適用できるが、このうち、水性中塗
り塗料、粉体中塗り塗料などを使用するすると低VO
C、省資源、公害防止などの観点から好ましい。
【0083】水性中塗り塗料としては、ポリエステル樹
脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などから選ばれた1種
又は2種以上の基体樹脂とメラミン樹脂、ブロックポリ
イソシアネート樹脂などから選ばれた架橋剤を主成分す
る熱硬化性塗料が好適に使用できる。また、粉体中塗り
塗料としては、グリシジル基を有するポリエステル樹脂
又はアクリル樹脂とカルボキシル基含有化合物とを含有
する熱硬化性塗料が好適である。中塗り塗料には着色顔
料、体質顔料などを適宜含有させることができる。
【0084】中塗り塗料は、自動車車体部品(I−4)
の外側に位置する表面に塗装することが好ましいが、内
面側に塗装しても差し支えない。塗装はエアスプレー、
エアレススプレー、静電塗装などにより行なうことがで
き、膜厚は硬化塗膜を基準に、5〜200μm、特に1
5〜150μmの範囲が適しており、その塗膜は100
〜200℃で10〜40分程度加熱することにより硬化
させることができる。
【0085】自動車車体部品(I−4)に、必要に応じ
て外側表面に中塗り塗料を塗装してから、その外面に位
置する表面に上塗り塗膜の相当する意匠性フィルム
(A)を貼着する。
【0086】これらの自動車車体部品(I−1)〜自動
車車体部品(I−4)の外面に位置する表面に上塗り塗
膜の相当する意匠性フィルム(A)を貼着する。
【0087】自動車車体部品(I−1)〜自動車車体部
品(I−4)への意匠性フィルム(A)の貼着は、自動
車車体部品(I−1)〜自動車車体部品(I−4)の表
面と意匠性フィルム(A)の粘着剤層の面とが接するよ
うにして、それ自体既知の方法によって行なうことがで
き、例えば、加圧ロ−ルで、自動車車体部品に意匠性フ
ィルム(A)を圧着しながら行うことができる。この工
程で、自動車車体部品及び/又は意匠性フィルム(A)
を50℃以上、好ましくは80〜200℃に加熱してお
くことが好ましい。真空圧着法によって行なうことも可
能である。意匠性フィルム(A)の貼着は、少なくと
も、自動車車体部品の外側に位置する表面に行われる
が、自動車車体部品の両面を意匠性フィルム(A)で被
覆することも可能である。
【0088】自動車車体部品(I−1)〜自動車車体部
品(I−4)と意匠性フィルム(A)との接着性を向上
させるために、この両者又はいずれかの表面の所定部分
に接着剤を塗布しておくことが好ましい。かかる接着剤
としては、例えば、ビスフェノ−ル型エポキシ樹脂、レ
ゾ−ル型エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アミノプラスト
樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリシロキサ
ン樹脂などから選ばれた1又は2種以上の樹脂を含む熱
硬化性又は熱可塑性の接着剤などがあげられる。さら
に、2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジン、2
−ジブチルアミノ−4,6−ジメメルカプト−S−トリ
アジン、2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジン
−モノソヂウムソルト、2,4,6−トリメルカプト−
S−トリアジン−トリソヂウムソルトなどのトリアジン
チオ−ル系化合物も接着剤として使用することができ
る。
【0089】自動車車体部品に貼着した意匠性フィルム
(A)の透明プラスチックフィルム層(a)の外側表面
に、無色透明又は有色透明のクリヤプラスチックフィル
ム(d)をさらに貼着することも可能である。このこと
により、仕上り外観を一層向上させることができる。
【0090】クリヤプラスチックフィルム(d)として
は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリ
オレフィン樹脂、ポリエテレンテレフタレ−ト(PE
T)などのポリエステル樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、
ポリフッ化ビニリデン樹脂などのフッ素含有樹脂、ポリ
ビニルアセタ−ル樹脂、ナイロン、ポリアミド樹脂、ポ
リスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リエ−テル樹脂、セルロ−スアセテ−トなどから選ばれ
た耐候性などのすぐれた熱可塑性樹脂をあげることがで
きる。
【0091】クリヤプラスチックフィルム(d)は、こ
れらの素材を、押出成型、射出成型、カレンダ−成型、
圧縮成型などにより、フィルム状に成型することによっ
て調製することができ、その厚さは、通常、1〜200
μm、特に20〜100μmの範囲内が適している。ク
リヤプラスチックフィルム(d)は、その表面をコロナ
放電処理、プラズマ処理、火炎処理などの処理をしてお
くことが可能である。クリヤプラスチックフィルム
(d)は、透明感を消失しない程度に、ソリッドカラ−
調、メタリック調、光干渉調に着色されていても差し支
えない。
【0092】意匠性フィルム(A)の透明プラスチック
フィルム層(a)とクリヤプラスチックフィルム(d)
との接着性を向上させるために、両フィルムのいずれか
又は両者の所定部分に,前記した接着剤をあらかじめ塗
布しておくことが好ましい。
【0093】意匠性フィルム(A)とクリヤプラスチッ
クフィルム(d)とをあらかじめ貼着しておき、クリヤ
プラスチックフィルム(d)が外側になるようにして、
意匠性フィルム(A)を自動車車体部品(I−1)〜自
動車車体部品(I−4)の外側部分、さらに必要に応じ
て裏側部分に貼着する。
【0094】さらに、本方法1において、自動車車体部
品(I−1)〜自動車車体部品(I−4)に貼着した意
匠性フィルム(A)の表面、又はクリヤプラスチックフ
ィルム(d)の表面に、高固形分型上塗り塗料(C)を
塗装することにより、仕上り外観(平滑性、鮮映性、ツ
ヤ感など)を一層向上させることができる。
【0095】高固形分型上塗り塗料(C)は、塗装時に
おける固形分含有率が80重量%以上、特に85〜98
重量%の液状塗料であり、具体的には、下記に例示する
塗料が好適に使用することができる。
【0096】(C−1):(a)重量平均分子量が10
00以下、水酸基価が200〜800の水酸基含有化合
物及び(b)ポリイソシアネート化合物を含有し、かつ
この両成分の比率がNCO/OHのモル比で0.5/1
〜2.0/1である高固形分塗料組成物であり、このも
のは、塗料粘度が低く、かつ仕上がり外観、塗膜硬度、
耐酸性雨及び耐スリキズ性のすぐれた塗膜を形成する。
【0097】(a)成分としては、カルボキシル基含有
化合物とエポキシ基含有化合物との開環エステル化反応
生成物を使用することが好ましく、水酸基はエポキシ基
の開環により生成する水酸基と、他の方法により導入さ
れる水酸基があげられる。(a)成分の重量平均分子量
が1000以下、特に300〜700、水酸基価が20
0〜800、特に300〜600が好ましく、1分子あ
たり2個以上の水酸基を有する。
【0098】カルボキシル基含有化合物は、1分子中に
1個又は2個以上のカルボキシル基を有する化合物であ
り、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、2−エチルヘ
キサン酸、オクタン酸、ドデカン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸、ピバル酸、バーサチック酸、
安息香酸などのモノカルボン酸;コハク酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラ
ヒドロフタル酸、フタル酸、ブタントリカルボン酸、ブ
タンテトラカルボン酸、無水トリメリット酸などのポリ
カルボン酸;グリコール酸、乳酸、りんご酸、クエン
酸、酒石酸、ヒドロキシピバル酸、ジメチロールプロピ
オン酸、ジメチロールブタン酸、グルコン酸などのオキ
シ酸などがあげられ、これらの無水物も適用できる。ま
た、あらかじめこれらの無水物とグリコール類を反応せ
しめたものを利用できる。この具体例としては、トリメ
チロールプロパンとヘキサヒドロ無水フタル酸との反応
物やトリメチロールプロパンと無水コハク酸との反応物
などがあげられる。これらのうち、水酸基及びカルボキ
シル基を併存するオキシ酸や無水物とグリコールとの反
応物を使用することにより、多数の水酸基を導入するこ
とができるので好ましい。
【0099】エポキシ基含有化合物は、1分子中に1個又
は2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、下記の
化合物が例示できる。
【0100】イ)グリシドール。2,3−エポキシ−1
−プロパノールであり、アリルアルコールと安息香酸又
はタングステン酸と過酸化水素の反応により得られる。
【0101】ロ)水酸基含有化合物とエピハロヒドリン
とのエーテル化反応により得られるエポキシ基含有化合
物。水酸基含有化合物として、例えば、フェノール、ビ
スフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラ
ック樹脂、オルソクレゾールノボラック樹脂、これらの
臭化物などの芳香族系水酸基含有化合物;水素化ビスフ
ェノールAなどの脂環族系水酸基含有化合物;メタノー
ル、エタノールなどの炭素数が1〜20の脂肪族系モノ
アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、へキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリット、ジペンタエリスリットなどの
炭素数が2〜20の脂肪族系ポリオールなどがあげられ
る。エピハロヒドリンとしてはエピクロルヒドリンが好
適に使用できる。水酸基含有化合物とエピハロヒドリン
とのエーテル化反応は既知の方法で行うことができる。
ロ)成分に相当する市販品として、長瀬産業社製、「デ
ナコールEX−313」、「デナコールEX−32
1」、「デナコールEX−421」、「デナコールEX
−611」(いずれも商品名)などがあげられる。
【0102】ハ)カルボキシル基含有化合物とエピハロ
ヒドリンとのエステル化反応により得られるエポキシ基
含有化合物。カルボキシル基含有化合物及びエピハロヒ
ドリンとしては、例えば、上記に例示したカルボキシル
基含有化合物及びエピハロヒドリンが好適に使用でき
る。カルボキシル基含有化合物とエピハロヒドリンとの
エステル化反応は既知の方法で行うことができる。かか
るハ)成分に相当する市販品として、「カージュラE1
0」(油化シェルエポキシ社製、商品名)、「グリデッ
クスN10」(エクソン社製、商品名)、「アラルダイ
トPT910」(チバガイギー社製、商品名)などがあ
げられる。
【0103】ニ)不飽和基と過酸化物の反応により得ら
れるエポキシ基含有化合物。該当する市販品として、ダ
イセル化学社製、「セロキサイド2021」、「セロキサイ
ド3000」(いずれも商品名)などがあげられる。
【0104】(b)成分のポリイソシアネ−ト化合物
は、1分子中に2個以上の遊離のイソシアネ−ト基(非
ブロック)を有する化合物であり、数平均分子量は、2
000以下、特に200〜1000の範囲内が好まし
い。例えば、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ダイマ−酸ジイ
ソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−トなどの脂肪族ポ
リイソシアネ−ト類;水素添加キシリレンジイソシアネ
−ト、シクロヘキシレンジイソシアネ−ト、メチレンビ
ス(シクロヘキシルイソシアネ−ト)、イソホロンジイ
ソシアネ−トなどの脂環式ポリイソシアネ−ト類;トリ
レンジイソシアネ−ト、フェニレンジイソシアネ−ト、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、キシリ
レンジイソシアネ−ト、テトラメチルキシリレンジイソ
シアネ−ト、ナフタレンジイソシアネ−トなどの芳香族
ポリイソシアネ−ト類;2−イソシアナトエチル−2,
6−ジイソシアナトカプロエ−ト、3−イソシアナトメ
チル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、4−
イソシアナトメチル−1,8−オクタメチレンジイソシ
アネ−ト(通称、トリアミノノナントリイソシアネ−
ト)などの3価以上の有機ポリイソシアネ−ト化合物;
これらの1分子中に2個以上のイソシアネ−ト基を有す
るポリイソシアネ−ト化合物の2量体又は3量体;これ
らの1分子中に2個以上のイソシアネ−ト基を有するポ
リイソシアネ−ト化合物と多価アルコ−ル、低分子量ポ
リエステル樹脂又は水などとイソシアネ−ト基過剰の条
件でウレタン化反応させてなるプレポリマ−などがあげ
られる。(b)成分おいて、これらの非ブロックのポリ
イソシアネ−ト化合物と共に、イソシアネ−ト基がブロ
ックされたブロックポリイソシアネ−ト化合物を併用す
ることができる。
【0105】ブロックポリイソシアネ−ト化合物は、ポ
リイソシアネ−ト化合物のイソシアネ−ト基をブロック
剤で封鎖した化合物である。ブロック剤として、例え
ば、フェノ−ル類、オキシム類、ラクタム類、アルコ−
ル類、メルカプタン類、マロン酸ジエチル等の活性メチ
レン化合物などがあげられる。これらのブロックポリイ
ソシアネ−ト化合物の比率は、非ブロックポリイソシア
ネ−ト化合物との合計量を基準に、50重量%以下、特
に30重量%以下の範囲が好ましい。
【0106】上記した(a)成分と(b)成分の比率
は、NCO/OHを基準に、モル比で、0.5/1〜
2.0/1、特に0.7/1〜1.5/1の範囲内が好
ましい。
【0107】高固形分型上塗り塗料(C−1)は、
(a)成分と(b)成分を上記した比率で有機溶剤に配
合し、均一に混合することにより調製することができ
る。
【0108】(C−1)には、これらの(a)及び
(b)成分に加えて、さらに(c)硬化触媒、(d)レ
オロジーコントロール剤などから選ばれた1種又は2種
以上を含有せしめることも可能である。
【0109】(c)成分は、上記の(a)成分と(b)
成分による塗膜の架橋反応を促進するのに有用であり、
具体的には、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチル
ヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサ
ノエート)、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジ
ラウレート、ジブチル錫オキサイド、モノブチル錫トリ
オクテート、2−エチルヘキン酸鉛、オクチル酸亜鉛な
どの有機錫化合物をあげることができる。さらに、パラ
トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジ
ノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジス
ルホン酸、ブチルリン酸、オクチルリン酸などの酸、こ
れらの酸のアミン中和物などが好適である。(c)硬化
触媒の使用量は、使用目的により任意に選択できるが、
(a)成分及び(b)成分との合計100重量部あた
り、0.005〜5重量部、特に0.01〜3重量部の
範囲内が適している。
【0110】(d)成分を配合することによって(C−
1)にチキソトロピー性を付与することができ、これに
より、スプレー塗装時などの高剪断応力が加わるような
場合には、十分に粘度が下がって容易にスプレー塗装作
業を行うことができるようになり、一方、被塗面に塗着
してからの低剪断応力が加わるような場合には、見かけ
上の粘度を高くすることが可能となる。その結果、垂直
の被塗面に塗装する場合や、その部分へ塗装後の焼き付
け時においてタレ、ハジキ等の塗膜欠陥の発生を防止す
ることができ、仕上り外観の良好な塗膜を形成できると
いう効果が得られる。このようなレオロジーコントロー
ル剤として、架橋重合体微粒子やポリウレア化合物など
があげられる。
【0111】(d)成分は、上記の(a)及び(b)成
分や有機溶剤などに殆ど又は全く溶解せず、しかも(H
−1)中に安定に分散しうる内部架橋された粒子状重合
体である。
【0112】(d)成分の具体例としては、水性エマル
ジョンないしは水性サスペンジョン重合法又は非水分散
重合方法によって得られる公知の分子内架橋された微粒
子状重合体が使用可能である。このうち水性エマルジョ
ンないしは水性サスペンジョン重合法によって得られる
分子内架橋構造を有する微粒子状重合体は、水の蒸発も
しくは共沸又は重合体(粒子)の沈殿もしくは凝集等
の、物理的ないしは化学的手段によって、固形物の形で
分離せしめることもできるし、あるいは、物理的ないし
は化学的手段を施すに際して、目的とする架橋重合体微
粒子の媒体を、直接、水から他の樹脂や有機溶剤等に置
き換えることもできる。
【0113】(d)成分として、特開平3−66770
号公報に開示されているような分子内に少なくとも2個
のラジカル重合可能な不飽和基を有する重合性モノマー
及びその他のラジカル重合性不飽和モノマーを分子内に
アリル基を含有する反応性乳化剤の存在下で乳化重合せ
しめて得られる架橋重合体微粒子を好適に使用できる。
この場合には、分子内に少なくとも2個のラジカル重合
可能な不飽和基を有する重合性モノマーにより重合体微
粒子が内部架橋されている。
【0114】また、(d)成分として、ポリ(12−ヒ
ドロキシステアリン酸)の分子鎖を有し、かつ重合性不
飽和二重結合を1分子あたり平均約1個以上有するマク
ロモノマー(イ)と、エチレン性不飽和単量体の共重合
体であって、溶解性パラメータ(SP値)が7.5〜
9.2であり、かつ1分子あたり平均して約1.0〜約
1.5個の重合性不飽和二重結合を有するマクロモノマ
ー(ロ)との混合物の存在下に、相互に反応して結合す
ることができる相補的官能基をそれぞれ有する少なくと
も2種のビニル系単量体を少なくとも0.5重量%含有
するビニル系単量体混合物を、マクロモノマー(イ)、
マクロモノマー(ロ)及び該ビニル系単量体は溶解する
が、該ビニル単量体の重合体は実質的に溶解しない有機
溶媒中で共重合および架橋反応させてなるゲル重合体微
粒子の分散液を使用することができる。該架橋重合体微
粒子自体は既知のものであって、特公平6−70110
号公報に詳細に開示されている。マクロモノマー(イ)
は、ポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)の末端カル
ボキシル基にエポキシ基含有重合性不飽和不飽和化合物
を付加してなる重合性不飽和基含有反応生成物を、エポ
キシ基を有する重合性モノマーを含有する重合性不飽和
モノマー混合物とグラフト共重合又はブロック共重合さ
せて得られる懸垂エポキシ基含有共重合体に重合性不飽
和カルボン酸を付加させて得られる、1分子中に約1〜
約10個の重合性不飽和二重結合を有するマクロモノマ
ーが好適である。特に、マクロモノマー(イ)は、ポリ
(12−ヒドロキシステアリン酸)の末端カルボキシル
基にエポキシ基含有重合性不飽和不飽和化合物を付加し
てなる1分子中に1個の重合性不飽和二重結合を有する
マクロモノマーが好適である。マクロモノマー(ロ)が
数平均分子量3000〜20000、水酸基価45〜1
50であることが好ましい。相補的官能基の組み合わせ
が、例えば、エポキシ基/カルボキシル基、アルコキシ
シリル基/水酸基、エポキシ基/りん酸基、イソシアネ
ート基/水酸基などがあげられる。
【0115】これらの(d)成分は、架橋密度が高く、
トルエンや酢酸エチルなどのポリマー溶解力の大きい有
機溶剤中においても、実質的に、非膨潤性でかつ非融着
性であり、しかも有機溶剤を含む本組成物に添加する
と、本組成物の粘度を殆ど上昇させることなく、樹脂含
有率の高い、つまり高固形分の溶液(分散液)を得るこ
とができる。また、架橋重合体微粒子を配合した本組成
物は、微粒子とバインダー樹脂とが共に硬化塗膜を形成
する。架橋重合体微粒子の平均粒子径は0.01〜2μ
m程度、特に0.05〜0.5の範囲内が適しており、
粒径がこの範囲内にあると塗膜のタレ防止効果及び塗膜
の仕上り外観が優れている。
【0116】さらに、(d)成分として、3〜20個の
炭素原子を有するジイソシアネ−ト化合物から得られる
イソシアヌレ−ト3量体と1個以上の1級アミノ基を有す
るアミン化合物との反応生成物からなる固体粒子状のポ
リウレア化合物も使用することができる(特公平7−8
1099号公報)。イソシアヌレ−ト3量体は、3〜2
0個、好ましくは5〜14個、さらに好ましくは8〜1
2個の炭素原子を有するジイソシアネート、特に好適に
はヘキサメチレンジイソシアネートから作られることが
好ましい。好適なジイソシアネートの例としては、メチ
レンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネー
ト、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、ω,ω゜ジプロピルエーテルジイソ
シアネート、チオジプロピルジイソシアネート、シクロ
ヘキシル−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシ
ルメタン−4,4゜−ジイソシアネート、1,5−ジメ
チルー2,4−ビス(イソシアナトメチル)−ベンゼ
ン、1,5−ジメチルー2,4−ビス(ω−イソシアナ
トエチル)―ベンゼン、1,3,5−トリメチルー2,
4−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3,5
−トリエチルー2,4−ビス(イソシアナトメチル)ベ
ンゼン、バイエル社のデスモジュール(Desmodu
r)TTの商標で販売されている複素環ジイソシアネー
ト、ジシクロヘキシルジメチルメタン−4,4‘−ジイ
ソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、
2,6−トルエンジイソシアネート及びジフェニルメタ
ン−4,4‘−ジイソシアネートなどがあげられる。所
望により、2種又は3種類の異なったジイソシアネート
の複素環3量体を使用してもよい。また、上記複素環ト
リイソシアネートの混合物を使用することもできる。
【0117】ポリウレア化合物を作るのに使用する第2
成分である好適な第1級アミンの例としては、ベンジル
アミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、sec−
プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルア
ミン、tert−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、
α−メチルブチルアミン、α−エチルプロピルアミン、
β−エチルブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルア
ミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシ
ルアミン、アニリン及びヘキサメチレンジアミンなどが
あげられる。これらの第1級アミンは一般に55個以下
の炭素原子、好ましくは1〜24個、さらに好ましくは
1〜12個の炭素原子を含んでいる。1個以上の1級ア
ミノ基及び1個以上のエーテル及び/又はヒドロキシル
基を有するアミンも使用することができる。例えば、エ
タノールアミン、6−アミノヘキサノール、p−メトキ
シベンジルアミン、メトキシプロピルアミン、3,4−
ジメトキシフェニルエチルアミン、2,5−ジメトキシ
アニリン、フルフリルアミン、テトラヒドロフルフリル
アミン、ビス(3−アミノプロピル)ポリテトラヒドロ
フラン(約750の分子量を有するもの)があげられ
る。上記アミンの混合物も使用できる。
【0118】ポリウレア化合物を作るための複素環トリ
イソシアネートと第1級アミンとの反応においては一般
に複素環トリイソシアネート又は第1級アミンの一方を
化学量論量より過剰に使用することができる。例えば、
第1級アミンのアミノ基数対複素環トリイソシアネート
基数の比は0.7から1.5、好ましくは0.9〜1.
1とすることができる。
【0119】複素環トリイソシアネートと第1級アミン
との反応は、一般に、反応成分を混合し、必要により温
度を高めて任意の選ばれた方法で実施することができ
る。この反応は10℃〜150℃の温度、さらに好まし
くは20℃〜80℃の温度で行うことが好ましい。一般
に、反応成分は任意の選ばれた方法で混合することがで
きるが、第1級アミンに複素環トリイソシアネートを加
えることが望ましく、必要により数段階に分けてもよ
い。一般にこの反応は溶剤、例えば、アセトン、メチル
イソブチルケトン、1―メトキシープロパノールー2、
ベンゼン、トルエン、キシレン、又は石油エーテルのよ
うな脂肪族炭化水素の存在下で行われる。
【0120】(d)成分の配合量は、(a)及び(b)
成分の合計100重量部あたり、1〜20重量部、特に
2〜10重量部の範囲内が適している。
【0121】(C−1)は、上記の(a)成分及び
(b)成分を必須成分とし、さらに必要に応じて(c)
硬化触媒、(d)レオロジーコントロール剤などから選
ばれた1種又は2種以上を含有せしめることができ、こ
れに加えて、さらにソリッドカラー顔料、メタリック顔
料、光干渉顔料、体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、
沈降防止剤、塗面調整剤、その他塗料用添加剤などを含
有せしめることも可能であり、これらの成分を有機溶剤
に均一に混合することにより本組成物が得られる。
【0122】(C−1)は、有機溶剤型の高固形分塗料
組成物として使用され、有機溶剤としては、各種塗料用
有機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族炭化水素系溶剤、
アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、エ
ーテル系溶剤等が使用でき、固形分濃度は、塗装時にお
いて、80重量%以上の高固形分であり、好ましくは8
5〜98重量%である。
【0123】(C−1)は、塗装時の固形分濃度が80
重量%以上であっても塗装可能な低粘度であるため、エ
アレススプレー、エアスプレー、回転霧化式塗装法など
によって容易に塗装することができる。これらの塗装は
静電を印加して行ってもよい。これらの塗装方法による
微粒化に優れており、平滑性、鮮映性、肉持感に優れた
塗膜を形成することができる。
【0124】(C−2):(a)カルボキシル基含有化
合物とエポキシ基含有化合物との反応生成物であり、か
つ重量平均分子量が1000以下で、水酸基価が200
〜800である水酸基含有化合物、(b)ポリイソシア
ネート化合物及び(e)メラミン樹脂を含有し、さらに
必要に応じて上記(C−1)で例示した(c)硬化触媒
及び(又は)(d)レオロジーコントロール剤を含有せ
しめてなる高固形分塗料組成物。
【0125】(C−2)は、塗料の粘度が低くかつ仕上
がり外観、塗膜硬度、耐酸性雨及び耐スリキズ性のすぐ
れた塗膜を形成する高固形分塗料組成物である。このう
ち(a)及び(b)成分は、上記(C−1)で例示した
(a)成分及び(b)成分が好適に使用できる。
【0126】(e)メラミン樹脂は、(b)成分と共に
架橋剤として使用するものであり、メラミン分子中のア
ミノ基(−NH)の一部又はすべてにアルデヒドを反
応させて得られるメチロール化メラミン樹脂(その分子
中にイミノ基>NHを含有するものも含む)があげられ
る。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホル
ムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒドな
どが使用できる。また、このメチロール化メラミン樹脂
のメチロール基の一部又はすべてにアルコ−ルをエ−テ
ル化反応したアルキルエーテル化メラミン樹脂(その分
子中にイミノ基>NHを含有するものも含む)もメラミ
ン樹脂として使用できる。エ−テル化に用いられるアル
コ−ルとしては、例えば、メチルアルコ−ル、エチルア
ルコ−ル、n−プロピルアルコ−ル、i−プロピルアル
コ−ル、n−ブチルアルコ−ル、i−ブチルアルコ−
ル、2−エチルブタノ−ル、2−エチルヘキサノ−ルな
どの炭素数が1〜10の1価アルコ−ルがあげられる。
(e)成分の数平均分子量は150〜3000の範囲内
であることが好ましい。このうち、イミノ基を含有する
メラミン樹脂を使用すると塗膜の耐候性、特に光沢保持
性を改良することができるのでより好ましい。
【0127】(C−2)は、上記した(a)成分、
(b)成分及び(e)成分を含有しており、これらの各
成分の比率は、例えば、(a)成分、(b)成分及び
(e)成分の合計固形分量を基準に、(a)成分:10
〜60重量%、特に20〜45重量%、(b)成分:3
0〜70重量%、特に35〜60重量%、(e)成分:
3〜40重量%、特に5〜30重量%の範囲内が適して
おり、これらの各成分を有機溶剤に配合し、均一に混合
することにより本組成物を調製することができる。
【0128】(C−2)は、これらの(a)、(b)及
び(e)成分に加えて、さらに(c)硬化触媒及び(又
は)(d)レオロジーコントロール剤を含有せしめるこ
とも可能である。(c)成分の使用量は、(a)、
(b)及び(e)成分の合計100重量部あたり、0.
005〜5重量部、特に0.01〜3重量部の範囲内が
適している。(d)成分の配合量は、固形分比で、
(a)、(b)及び(e)成分の合計100重量部あた
り、1〜20重量部、特に2〜10重量部の範囲内が適
している。
【0129】(C−2)は、(a)、(b)及び(e)
成分に加えて、さらに必要に応じて(c)成分及び(又
は)(d)成分を含有せしめることも可能であり、さら
にソリッドカラー顔料、メタリック顔料、光干渉顔料、
体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、沈降防止剤、塗面
調整剤、その他塗料用添加剤などを含有せしめることも
可能であり、これらの成分を有機溶剤に均一に混合する
ことにより(C−2)が得られる。
【0130】(C−2)は、有機溶剤型の高固形分塗料
組成物として使用され、有機溶剤としては、各種塗料用
有機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族炭化水素系溶剤、
アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、エ
ーテル系溶剤等が使用でき、固形分濃度は、塗装時にお
いて、80重量%以上の高固形分であり、好ましくは8
5〜98重量%である。
【0131】(C−2)は、塗装時の固形分濃度が80
重量%以上であっても塗装可能な適正粘度であるため、
エアレススプレー、エアスプレー、回転霧化式塗装法な
どによって容易に塗装することができる。これらの塗装
は静電を印加して行ってもよく、塗装方法による微粒化
に優れており、平滑性、鮮映性、肉持感に優れた塗膜を
形成することができる。
【0132】(C−3):(a)カルボキシル基含有化
合物とエポキシ基含有化合物との反応生成物であり、か
つ重量平均分子量が1000以下で、水酸基価が200
〜800である水酸基含有化合物、(b)ポリイソシア
ネート化合物、(e)メラミン樹脂及び(f)重量平均
分子量が500〜6000、かつ水酸基価が50〜60
0の水酸基含有樹脂を含有し、さらに必要に応じて上記
(C−1)で例示した(c)硬化触媒及び(又は)
(d)レオロジーコントロール剤を含有せしめてなる高
固形分塗料組成物であり、塗料の粘度が低くかつ仕上が
り外観、塗膜硬度、耐酸性雨及び耐スリキズ性のすぐれ
た塗膜を形成することができる。これらの成分のうち、
(a)成分、(b)成分及び(e)成分については、
(C−1)及び(C−2)で例示したものが好適に使用
することができる。
【0133】(f)成分:重量平均分子量が500〜6
000、水酸基価が50〜600の水酸基含有樹脂であ
って、特に、重量平均分子量及び水酸基価がこのような
範囲内に含まれるポリエステル樹脂、アクリル樹脂など
が特に好適であり、上記の(a)成分は含まれない。
【0134】水酸基含有ポリエステル樹脂は、多塩基酸
のカルボキシル基と多価アルコ−ルの水酸基とをエステ
ル化反応させることによって製造することができる。多
塩基酸は1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化
合物であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、
ヘット酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸及びこれらの無水物などがあ
げられる。多価アルコ−ルは1分子中に2個以上の水酸
基を有する化合物であり、例えば、エチレングリコ−
ル、1,2−プロピレングリコ−ル、1,2−ブチレン
グリコ−ル、2,3−ブチレングリコ−ル、1,2−ヘ
キサンジオール、1,2−ジヒドロキシシクロヘキサ
ン、3−エトキシプロパン−1,2−ジオール、3−フ
ェノキシプロパン−1,2−ジオ−ルなどのα−グリコ
−ル;ネオペンチルグリコ−ル、2−メチル−1,3−
プロパンジオ−ル、2−メチル−2,4−ペンタンジオ
−ル、3−メチル−1,3−ブタンジオ−ル、2−エチ
ル−1,3−ヘキサンジオ−ル、2,2−ジエチル−
1,3−プロパンジオ−ル、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオ−ル、2−ブチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオ−ル、2−フェノキシプロパン−
1,3−ジオ−ル、2−メチル−2−フェニルプロパン
−1,3−ジオ−ル、1,3−プロピレングリコ−ル、
1,3−ブチレングリコ−ル、2−エチル−1,3―オ
クタンジオ−ル、1,3−ジドロキシシクロヘキサン、
1,4−ブタンジオ−ル、1,4−ジヒドロキシシクロ
ヘキサン、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオ−ル、2,5−ヘキサンジオ−ル、3−メチル−
1,5−ペンタンジオ−ル、1,4−ジメチロ−ルシク
ロヘキサン、トリシクロデカンジメタノ−ル、2,2−
ジメチルー3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル
−3−ヒドロキシプロピオネ−ト(これは、ヒドロキシ
ピバリン酸とネオペンチルグリコールとのエステル化物
である)、ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルF、ビス
(4−ヒドロキシヘキシル)−2,2−プロパン、ビス
(4−ヒドロキシヘキシル)メタン、3,9−ビス
(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ン、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、
グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエ
リスリト−ル、ジペンタエリスリト−ル、ソルビト−
ル、マンニット、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−
ルプロパン、ジトリメチロ−ルプロパン、トリス(2−
ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−トなどがあげられ
る。
【0135】ポリエステル樹脂への水酸基の導入は、例
えば、1分子中に3個以上の水酸基を有する多価アルコ−
ルを併用することにより行なえる。
【0136】水酸基含有アクリル樹脂は、例えば、水酸
基含有重合性単量体及びアクリル系単量体を含有する重
合性単量体成分を通常の方法で共重合せしめることによ
って製造できる。
【0137】水酸基含有重合性単量体は1分子中に水酸
基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合
物であり、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレ−トなどの炭素数2〜2
0のグリコ−ルと(メタ)アクリル酸とのモノエステル
化物などがあげられる。また、アクリル系単量体は(メ
タ)アクリル酸と炭素数1〜22の1価アルコ−ルとの
モノエステル化物であり、例えばメチルアクリレ−ト、
メチルメタクリレ−ト、エチルアクリレ−ト、エチルメ
タクリレ−ト、プロピルアクリレ−ト、プロピルメタク
リレ−ト、ブチルアクリレ−ト、ブチルメタクリレ−
ト、ヘキシルアクリレ−ト、ヘキシルメタクリレ−ト、
オクチルアクリレ−ト、オクチルメタクリレ−ト、ラウ
リルアクリレ−ト、ラウリルメタクリレ−ト、2−エチ
ルヘキシルアクリレ−ト、2−エチルヘキシルメタクリ
レ−ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、イソボ
ルニル(メタ)アクリレ−トなどがあげられる。
【0138】水酸基含有アクリル樹脂の製造にあたり、
これらの水酸基含有重合性単量体及びアクリル系単量体
以外の、その他の重合性単量体を併用することができ
る。
【0139】その他の単量体として、例えば、メトキシ
ブチルアクリレ−ト、メトキシブチルメタクリレ−ト、
メトキシエチルアクリレ−ト、メトキシエチルメタクリ
レ−トなどの(メタ)アクリル酸と炭素数2〜18のア
ルコキシエステル;N,N−ジメチルアミノエチルアク
リレ−ト、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ−
ト、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレ−ト、N,
N−ジエチルアミノエチルメタクリレ−ト、N−t−ブ
チルアミノエチルアクリレ−ト、N−t−ブチルアミノ
エチルメタクリレ−ト、N,N−ジメチルアミノプロピ
ルアクリレ−ト、N,N−ジメチルアミノプロピルメタ
クリレ−トなどのアミノアクリル系単量体;アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、
N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミ
ド、N−エチルメタクリルアミド、N−ブチルアクリル
アミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ジメチルア
クリルアミド、N−ジメチルメタクリルアミドなどのア
クリルアミド系単量体;グリシジルアクリレ−ト、グリ
シジルメタクリレ−トなどのグリシジル基含有単量体;
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、
フマル酸、メサコン酸及びこれらの無水物やハ−フエス
テル化物などのカルボキシル基含有重合性単量体;スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロ
ニトリル、酢酸ビニル、「べオバ9」、「べオバ10」
(いずれも油化シェルエポキシ)、塩化ビニルなどがあ
げられる。
【0140】また、1分子中に2個以上の水酸基を有す
る多価アルコールとラクトン類とを開環エステル化反応
せしめてなる水酸基含有変性オリゴマーも水酸基含有樹
脂として適用できる。これらに該当する市販品として、
例えば、「TONE 0200 Polyol」、「TO
NE 0301 Polyol」、「TONE 0305
Polyol」(これらは、いずれもユニオンカーバイ
ド社製、商品名)、「プラクセル205」、「プラクセ
ル303」、「プラクセル305」(これらは、いずれ
もダイセル化学社製、商品名)などがあげられる。
【0141】(f)成分の重量平均分子量は500〜6
000、好ましくは1000〜5200、水酸基価は5
0〜600、好ましくは80〜200、そして酸価は1
5以下、特に4〜10の範囲内が適している。(f)成
分の重量平均分子量が500より小さくなると塗膜物性
が低下し、又6000より大きくなると高固形分化が困
難となり、又水酸基価が50より小さくなると塗膜の硬
化性が低下し、600より大きくなると他の成分との相
溶性が低下するので、いずれも好ましくない。
【0142】(C−3)は、上記した(a)成分、
(f)成分、(b)成分及び(e)成分を含有してお
り、これらの各成分の比率は特に制限されず、目的に応
じて任意に選択できるが、例えば、(a)成分、(f)
成分、(b)成分及び(e)成分の合計固形分量を基準
に、(a)成分:5〜50重量%、特に10〜40重量
%、(f)成分:5〜50重量%、特に10〜40重量
%、(b)成分:30〜70重量%、特に40〜60重
量%、(e)成分:3〜30重量%、特に7〜25重量
%の範囲内が適しており、これらの各成分を有機溶剤に
配合し、均一に混合することにより本組成物を調製する
ことができる。
【0143】また、(C−3)には、これらの(a)成
分、(f)成分、(b)成分及び(e)成分に加えて、
さらに前記した(c)硬化触媒及び(又は)(d)レオ
ロジーコントロール剤を含有せしめることも可能であ
る。(c)成分量は(a)、(f)、(b)及び(e)
成分の合計100重量部あたり、0.005〜5重量
部、特に0.01〜3重量部の範囲内が適している。
(d)成分量は(a)、(f)、(b)及び(e)成分
の合計100重量部あたり、1〜20重量部、特に2〜
10重量部の範囲内が適している。
【0144】(C−3)は、上記の(a)、(f)、
(b)及び(e)成分を必須成分とし、さらに必要に応
じて(c)及び(又は)(d)成分を含有せしめること
ができ、これに加えて、さらにソリッドカラー顔料、メ
タリック顔料、光干渉顔料、体質顔料、紫外線吸収剤、
光安定剤、沈降防止剤、塗面調整剤、その他塗料用添加
剤などを含有せしめることも可能であり、これらの成分
を有機溶剤に均一に混合することにより本組成物が得ら
れる。
【0145】(C−3)は、有機溶剤型の高固形分塗料
組成物として使用され、有機溶剤としては、各種塗料用
有機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族炭化水素系溶剤、
アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、エ
ーテル系溶剤等が使用でき、固形分濃度は80重量%以
上、好ましくは85〜98重量%である。
【0146】(C−3)は、塗装時の固形分濃度が80
重量%以上であっても塗装可能な低粘度であるため、エ
アレススプレー、エアスプレー、回転霧化式塗装法など
によって容易に塗装することができる。これらの塗装は
静電を印加して行ってもよく、これらの塗装方法による
微粒化に優れており、平滑性、鮮映性、肉持感に優れた
塗膜を形成することができる。
【0147】(C−4):(a)カルボキシル基含有化
合物とエポキシ基含有化合物との反応生成物であり、か
つ重量平均分子量が1000以下で、水酸基価が200
〜800である化合物、(f)重量平均分子量が500
〜6000、かつ水酸基価が50〜600の水酸基含有
樹脂、(b)ポリイソシアネート化合物、(e)メラミ
ン樹脂及び(g)アルコキシシリル基含有化合物を含有
することを特徴とする高固形分塗料組成物であり、さら
に必要に応じて前記の(c)硬化触媒及び(又は)
(d)レオロジーコントロール剤を含有せしめてなる高
固形分塗料組成物であり、塗料の粘度が低くかつ仕上が
り外観、塗膜硬度、耐酸性雨及び耐スリキズ性のすぐれ
た塗膜を形成する高固形分塗料組成物である。
【0148】これらの成分のうち、(a)、(f)、
(b)及び(e)成分は上記の(C−1)〜(C−3)
で例示したものが好適に使用することができる。
【0149】(g)成分:1分子中に1個以上のアルコ
キシシリル基を有する化合物であり、以下に例示する化
合物が好適である。
【0150】1)ジメトキシジメチルシラン、ジメトキ
シジエチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエ
トキシジメチルシラン、トリメトキシメチルシラン、ト
リメトキシエチルシラン、トリメトキシプロピルシラ
ン、トリメトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジ
メトキシジエトシシランなどの非官能性アルコキシシラ
ン化合物、 2)γ―イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、
γ―イソシアナートプロピルメチルジメトキシシラン、
β―(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシランなどのシ
ランカップリング剤、 3)ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジ
エトキシシラン、γ―(メタ)アクリロイルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ―(メタ)アクリロイルオ
キシプロピルメチルジメトキシシラン、γ―(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ
―(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシ
ラン、β―(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメト
キシシラン、γ―(メタ)アクリロイルオキシブチルフ
ェニルジメトキシシランなどの重合性不飽和基含有アル
コキシシラン化合物、 4)上記1)の非官能性アルコキシシラン化合物、2)
のシランカップリング剤及び3)の重合性不飽和基含有
アルコキシシラン化合物から選ばれた1又は2種以上の
アルコキシシリル基含有化合物を部分縮合したシロキサ
ン結合含有アルコキシシラン化合物、 5)上記の1)〜4)のアルコキシシリル基含有化合物
から選ばれた1又は2種以上で変性されたアクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂な
ど、 6)上記3)の重合性不飽和基含有アルコキシシラン化
合物から選ばれた1又は2種以上、さらに必要に応じて
その他の重合性不飽和モノマーを併用してなる重合体な
ど。これらの(g)成分の重量平均分子量は150〜5
0000、特に500〜10000の範囲内であること
が好ましい。
【0151】(C−4)は、上記した(a)カルボキシ
ル基含有化合物とエポキシ基含有化合物との反応生成物
であり、かつ重量平均分子量が1000以下で、水酸基
価が200〜800である化合物、(f)重量平均分子
量が500〜6000、かつ水酸基価が50〜600の
水酸基含有樹脂、(b)ポリイソシアネート化合物、
(e)メラミン樹脂及び(g)アルコキシシリル基含有
化合物を含有しており、これらの各成分の比率は特に制
限されず、目的に応じて任意に選択できるが、例えば、
(a)、(f)、(b)、(e)及び(g)成分の合計
固形分量を基準に、(a)成分:5〜50重量%、特に
10〜40重量%、(f)成分:5〜50重量%、特に
10〜40重量%、(b)成分:30〜70重量%、特
に40〜60重量%、(e)成分:3〜30重量%、特
に7〜25重量%、(g)成分1〜30重量%、特に3
〜15重量%の範囲内が適しており、これらの各成分を
有機溶剤に配合し、均一に混合することにより本組成物
を調製することができる。
【0152】また、(C−4)には、これらの(a)、
(f)、(b)、(e)及び(g)成分に加えて、さら
に前記した(c)硬化触媒及び(又は)(d)レオロジ
ーコントロール剤を含有せしめることも可能である。
(c)成分の使用量は、(a)、(f)、(b)、
(e)及び(g)成分の合計100重量部あたり、0.
005〜5重量部、特に0.01〜3重量部の範囲内が
適している。(d)成分の配合量は、(a)、(f)、
(b)、(e)及び(g)成分の合計100重量部あた
り、1〜20重量部、特に2〜10重量部の範囲内が適
している。
【0153】(C−4)は、上記の(a)、(f)、
(b)、(e)及び(g)成分を必須成分とし、さらに
必要に応じて(c)成分及び(又は)(d)成分を含有
せしめることができ、これに加えて、さらにソリッドカ
ラー顔料、メタリック顔料、光干渉顔料、体質顔料、紫
外線吸収剤、光安定剤、沈降防止剤、塗面調整剤、その
他塗料用添加剤などを含有せしめることも可能であり、
これらの成分を有機溶剤に均一に混合することにより本
組成物が得られる。
【0154】(C−4)は、有機溶剤型の高固形分塗料
組成物として使用され、有機溶剤としては、各種塗料用
有機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族炭化水素系溶剤、
アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、エ
ーテル系溶剤等が使用できる。(C−4)の塗装時にお
ける固形分濃度は、80重量%以上の高固形分であり、
好ましくは85〜98重量%である。
【0155】(C−4)は、塗装時の固形分濃度が80
重量%以上であっても塗装可能な低粘度であるため、エ
アレススプレー、エアスプレー、回転霧化式塗装法など
によって容易に塗装することができる。これらの塗装は
静電を印加して行ってもよく、これらの塗装方法による
微粒化に優れており、平滑性、鮮映性、肉持感に優れた
塗膜を形成することができる。
【0156】(C−5):(h)重量平均分子量が10
00以下、かつ水酸基価が200〜800の水酸基含有
ラクトン変性オリゴマー:5〜30重量%、(f)重量
平均分子量が1000〜6000、かつ水酸基価が50
〜200の水酸基含有樹脂:5〜50重量%、(b)ポ
リイソシアネート化合物:30〜70重量%、(e)メ
ラミン樹脂:3〜30重量%及び(g)アルコキシシリ
ル基含有化合物1〜30重量からなる組成物を含有する
高固形分塗料組成物であり、さらに必要に応じて前記の
(c)硬化触媒及び(又は)(d)レオロジーコントロ
ール剤を含有せしめることができ、このものは、塗料の
粘度が低くかつ仕上がり外観、塗膜硬度、耐酸性雨及び
耐スリキズ性のすぐれた塗膜を形成することができる。
【0157】これらの成分のうち、(f)、(b)、
(e)及び(g)成分などは上記の(C−1)〜(C−
4)で例示したものが好適に使用することができる。
【0158】(h)成分:重量平均分子量が1000以
下、かつ水酸基価が200〜800の水酸基含有ラクト
ン変性オリゴマーであり、例えば、1分子中に2個以上の
水酸基を有する多価水酸基化合物とラクトン類とを開環
エステル化反応せしめることによって得ることができ
る。
【0159】多価水酸基化合物は、1分子中に2個以上の
水酸基を有する化合物であって、例えば、エチレングリ
コール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチ
レングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,2
−ヘキサンジオール、1,2−ジヒドロキシシクロヘキ
サン、ピナコール、長鎖アルキルモノエポキサイドの加
水分解物、脂肪族モノグリセリド[例えば、グリセリン
モノアセテ−ト(α体)、グリセリンモノステアレート
(α体)など]、3−エトキシプロパンー1,2−ジオ
ール、3−フェノキシプロパンー1,2−ジオ−ルなど
のα−グリコール;ネオペンチルグリコール、2−メチ
ル−1,3−プロパンジオ−ル、2−メチル−2,4−
ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオ−
ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−
ジエチル−1,3−プロパンジオ−ル、2,2,4−ト
リメチル−1,3−ペンタンジオール、2−ブチル−2
−エチル−1,3−プロパンジオール、2−フェノキシ
プロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−フェニ
ルプロパン−1,3−ジオ−ル、1,3−プロピレングリ
コ−ル、1,3−ブチレングリコ−ル、ジメチロ−ルプ
ロピン酸、ジメチロ−ルブタン酸、2−エチル−1,3
―オクタンジオール、1,3−ジドロキシシクロヘキサ
ン、脂肪族モノグリセリド(例えば、グリセリンモノア
セテ−ト(β体)及びグリセリンステアレ−ト(β体)
など)などのβ−グリコ−ルなどをあげることができ
る。
【0160】また、これらのα−グリコール及びβ−グ
リコール以外に、1,4−ブタンジオ−ル、1,4−ジ
ヒドロキシシクロヘキサン、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオ
ール、3−メチルー1,5−ペンタンジオール、1,4
−ジメチロ−ルシクロヘキサン、トリシクロデカンジメ
タノ−ル、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル
ー2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネ−ト
(これは、ヒドロキシピバリン酸とネオペンチルグリコ
−ルとのエステル化物である)、ビスフェノ−ルA、ビ
スフェノ−ルF、ビス(4−ヒドロキシヘキシル)−
2,2−プロパン、ビス(4−ヒドロキシヘキシル)メ
タン、3,9−ビス(1,1−ジメチルー2−ヒドロキ
シエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン、ジエチレングリコ−ル、トリエ
チレングリコ−ル、テトラ以上のポリエチレングリコ−
ル、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを共
重合してなる両末端に水酸基を有する共重合体、両末端
基に水酸基を有する直鎖状ポリエステル、ポリカ−ボネ
−トジオ−ル、ジエポキシドのカルボン酸付加物なども
多価水酸基化合物として適用できる。
【0161】さらに、グリセリン、ジグリセリン、トリ
グリセリン、ペンタエリスリト−ル、ジペンタエリスリ
ト−ル、ソルビト−ル、マンニット、トリメチロ−ルエ
タン、トリメチロ−ルプロパン、ジトリメチロ−ルプロ
パン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−
ト、グルコン酸、3個以上の水酸基を含有するポリマ−
(3個以上の水酸基を有する例えばポリエステル樹脂、
ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ケトン樹脂、フェノ
−ル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル樹脂のケン化物であるポリビニルアルコ−ル、グルコ
−スなどの天然糖類など)なども多価水酸基化合物とし
て適用できる。
【0162】また、これらの多価水酸基化合物と多塩基
酸とを反応せしめてなる水酸基含有エステル化物又はポ
リエステル化物;エポキシ基含有化合物又は樹脂にカル
ボキシル基含有化合物をエステル反応させてなる生成
物;エポキシ基含有化合物又は樹脂に水酸基含有化合物
をエーテル反応させてなる生成物などのオリゴマ−も多
価水酸基化合物として適用できる。
【0163】これらの多価水酸基化合物と反応せしめる
ラクトン類は環内にエステル基(−CO−O−)を有す
る環状化合物であり、環の員数は3〜10、特に4〜7
の範囲内がこのましく、具体的には、例えば、β−プロ
ピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクト
ン、ε−カプロラクトン、エナントラクトン、3−メチ
ル−β−プロピオラクトン、3−メチル−γ−ブチロラ
クトン、3−メチル−δ−バレロラクトン、3−メチル
−ε−カプロラクトン、4−メチル−ε−カプロラクト
ン、3,3,5−トリメチル−ε−カプロラクトンなど
があげられ、特にε−カプロラクトン、3−メチル−ε
−カプロラクトン、4−メチル−ε−カプロラクトンな
どが好ましい。
【0164】多価水酸基化合物とラクトン類との開環エ
ステル化反応は、それ自体既知の開環エステル化反応に
より行なうことができる。例えば、反応温度は80〜1
80℃の範囲内が適しており、この反応を促進するため
に、テトラアルコキシチタン、有機スズ化合物等の有機
金属化合物、ルイス酸、プロトン酸などの触媒を使用す
ることができる、これらの触媒量は、多価水酸基化合物
とラクトン類との合計100重量部あたり、0.005
〜3重量部が適している。
【0165】かかる(h)成分自体はすでに公知であ
り、市販品されており、例えば、「TONE 0200
Polyol」、「TONE 0301 Polyo
l」、「TONE 0305 Polyol」(これらは
いずれもユニオンカ−バイド社製、商品名)、「プラク
セル205」、「プラクセル303」、「プラクセル3
05」(これらはいずれもダイセル化学社製、商品名)
などがあげられる。
【0166】かかる(h)成分は、重量平均分子量は1
000以下、特に500〜1000、水酸基価は200
〜800、特に300〜600の範囲内に包含されてい
ることが好ましい。
【0167】(C−5)は、上記の(h)成分、(f)
成分、(b)成分、(e)成分及び(g)成分を必須成
分とし、さらに必要に応じて(c)成分及び(又は)
(d)成分を含有せしめることができ、これに加えて、
さらにソリッドカラー顔料、メタリック顔料、光干渉顔
料、体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、沈降防止剤、
塗面調整剤、その他塗料用添加剤などを含有せしめるこ
とも可能であり、これらの成分を有機溶剤に均一に混合
することにより本組成物が得られる。
【0168】(C−5)における各成分の構成比率は、
固形分比で、(h)重量平均分子量が1000以下、水
酸基価が200〜800の水酸基含有ラクトン変性オリ
ゴマー:5〜30重量%、好ましくは10〜25重量
%、(f)重量平均分子量が1000〜6000、水酸
基価が50〜200の水酸基含有樹脂:5〜50重量
%、好ましくは10〜40重量%、(b)ポリイソシア
ネート化合物:30〜70重量%、好ましくは40〜6
0重量%、(e)メラミン樹脂:3〜30重量%、好ま
しくは7〜25重量%及び(g)アルコキシシリル基含
有化合物:1〜30重量%、好ましくは3〜15重量%
の範囲内が好ましい。でなる組成物を有機溶剤に配合
し、均一に混合することにより調製することができる。
また、(c)成分の使用量は、(h)成分、(f)成
分、(b)成分、(e)成分及び(g)成分の合計固形
分100重量部あたり、0.005〜5重量部、特に
0.01〜3重量部の範囲内が適している。(d)成分
の配合量は、(h)成分、(f)成分、(b)成分、
(e)成分及び(g)成分の合計固形分100重量部あ
たり、1〜20重量部、特に2〜10重量部の範囲内が
適している。
【0169】(C−5)は、有機溶剤型の高固形分塗料
組成物として使用され、有機溶剤としては、各種塗料用
有機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族炭化水素系溶剤、
アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、エ
ーテル系溶剤等が使用でき、塗装時における固形分濃度
は80重量%以上、好ましくは85〜98重量%であ
る。
【0170】(C−5)は、塗装時の固形分濃度が80
重量%以上であっても塗装可能な低粘度であるため、エ
アレススプレー、エアスプレー、回転霧化式塗装法など
によって容易に塗装することができる。これらの塗装は
静電を印加して行ってもよく、これらの塗装方法による
微粒化に優れており、平滑性、鮮映性、肉持感に優れた
塗膜を形成することができる。
【0171】(C−6):1分子中に2個以上の重合性
不飽和結合を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、
ウレタン樹脂、フッ素含有樹脂などに、1分子中に1個
以上の重合性不飽和単量体、例えばアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリ
ルなどを主成分とする活性エネルギー照射硬化型塗料。
(C−6)は、有機溶剤は必須成分ではないが、有機溶
剤としては、例えば、芳香族又は脂肪族炭化水素系溶
剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶
剤、エーテル系溶剤等が使用でき、塗装時における固形
分濃度は80重量%以上、好ましくは85〜100重量
%である。
【0172】(C−7):上記(C−6)の活性エネル
ギー照射硬化型塗料に、水酸基などの架橋性官能基を有
するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、
シリコン樹脂などの基体樹脂とポリイソシアネート化合
物、ブロックポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂
などの架橋剤からなる熱硬化性樹脂を混合してなる活性
エネルギー及び加熱により硬化することができる高固形
分塗料組成物。(C−7)は、有機溶剤は必須成分では
ないが、有機溶剤としては、例えば、芳香族又は脂肪族
炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、
ケトン系溶剤、エーテル系溶剤等が使用でき、塗装時に
おける固形分濃度は80重量%以上、好ましくは85〜
100重量%である。
【0173】本方法1において、自動車車体部品(I−
1)〜自動車車体部品(I−4)に貼着した意匠性フィ
ルム(A)の表面、又はクリヤプラスチックフィルム
(d)の表面に、高固形分型上塗り塗料(C)を塗装す
ることにより、仕上り外観(平滑性、鮮映性、ツヤ感な
ど)を一層向上させることができる。
【0174】高固形分型上塗り塗料(C)は、自動車車
体部品(I−1)〜自動車車体部品(I−4)に貼着した
意匠性フィルム(A)の表面、又はクリヤプラスチック
フィルム(d)の表面に塗装することが好ましい。塗装
はエアスプレー、エアレススプレー、静電塗装などによ
り行なうことができ、膜厚は5〜200μm、特に15
〜150μmの範囲が適しており、その塗膜は、紫外線
照射、電子線照射、又は100〜200℃で10〜40
分程度加熱することにより硬化させることができる。
【0175】必要に応じて高固形分型上塗り塗料(C)
を塗装してなる自動車車体部品(I−1)〜自動車車体
部品(I−4)を用いて、アンダボデ−、サイドメン
バ、ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックなどか
ら構成されるメインボデ−、さらにフ−ド、フロントバ
ランス、フロントフェンダ、カウルル−バ、ドア、ラッ
ゲ−ジ(バックドア)、バンパー、スポイラー、ガーニ
ッシュ、サイドプロテクター、タイヤハウスなどの外蓋
物の一部又はすべてを製造する。
【0176】具体的には、アンダボデ−、サイドメン
バ、ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックなどの
各部材を形成し、結合することによりメインボデ−が製
造される。これらの裁断、成型加工、接合などは既知の
方法で行なえる。このようにして成型されるメインボデ
−の少なくともその外側は意匠性フィルム(A)で被覆
されている。同様にして、フ−ド、フロントバランス、
フロントフェンダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ、
バンパー、スポイラー、ガーニッシュ、サイドプロテク
ター、タイヤハウスなどの外蓋物も必要に応じて高固形
分型上塗り塗料(C)を塗装してなる自動車車体部品
(I−1)〜自動車車体部品(I−4)を用いて製造する
ことができる。これらの裁断、成型加工、接合などはそ
れ自体既知の方法で行なうことができる。
【0177】本方法2は、裁断及び/又は成型してなる
自動車車体用部品(I)の少なくとも外側表面に、離型
紙層(e)の片面に光輝性顔料含有塗膜層(b)及び粘
着剤層(c)を設けてなる意匠性フィルム(B)を粘着
剤層(c)を介して貼着してなる自動車車体用部品(II
I)を用いて自動車車体を組み立てることを特徴とする
自動車車体の製造方法。
【0178】意匠性フィルム(B)は、離型紙層(e)
の片面に光輝性顔料含有塗膜層(b)及び粘着剤層
(c)を設けてなる積層フィルムであって、離型紙層
(e)を剥離すると光輝性顔料含有塗膜層(b)が露出
し、その面が光輝性を示す塗膜として、自動車車体の最
外装表面に位置する。この光輝性顔料含有塗膜層(b)
面に、さらに必要に応じて、前記意匠性フィルム(A)
の説明で例示した、無色透明又は有色透明のクリヤプラ
スチックフィルム(d)をさらに貼着することも可能で
ある。このことにより、仕上り外観を一層向上させるこ
とができる。
【0179】離型紙層(e)は光輝性顔料含有塗膜層
(b)を形成するための基材であり、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート、アルミニウム、シリコン、紙、布
などのシート、又はこれらの表面にシリコン又はフッ素
樹脂などを塗布又は含浸させて離型処理を行なったもの
を使用することができる。このうち光輝性顔料含有塗膜
層(b)と接する面が平滑であることが好ましい。
【0180】光輝性顔料含有塗膜層(b)は、光輝性顔
料を含有する塗料を離型紙層(e)の片面に塗装するこ
とにより形成することができる。
【0181】光輝性顔料を含有する塗料は、塗膜形成用
樹脂組成物及び光輝性顔料を水及び/または有機溶剤に
混合してなる液状塗料である。塗膜形成用樹脂組成物と
しては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ア
ルキド樹脂、ウレタン樹脂などを主成分とする非架橋型
又は架橋型のものが使用できる。光輝性顔料はキラキラ
とした光輝感又は光干渉感、真珠光沢感などの色調を示
す顔料があげられ、例えば、アルミニウムフレーク、着
色アルミニウムフレーク、蒸着アルミニウム、着色蒸着
アルミニウム、酸化アルミニウム、着色酸化アルミニウ
ム、酸化チタンなどの金属酸化物で表面被覆された雲母
フレーク、オキシ塩化ビスマス、蛍光顔料などがあげら
れる。これらの粒径は特に制限されず、例えば、長手方
向の直径は3〜200μm、特に10〜150μm、厚
さは0.0001〜2μm、特に0.0005〜1μm
の範囲内が好ましい。特に、本方法2では、光輝性顔料
を含有する塗料を離型紙層(e)の片面に塗装し、その
離型紙(e)を剥がして、露出した光輝性顔料を含有す
る塗料の塗面の光輝感を見るので、光輝性顔料の粒径が
大きくなっても何ら問題はなく、むしろ大粒径のものを
使用することにより離型紙(e)面への配向性がよく、
これまでにはない新規なキラキラ感がすぐれ、しかもハ
イスパ−クリング意匠を示し、仕上り外観、特に光輝感
を顕著に向上させることができる。光輝性顔料の配合量
は、樹脂組成物100重量部(固形分)あたり、1〜1
000重量部、特に30〜500重量部が適している。
【0182】光輝性顔料を含有する塗料は、上記の塗膜
形成用樹脂組成物及び光輝性顔料を水及び/または有機
溶剤に混合することにより得られるが、さらにソリッド
カラー顔料、体質顔料、塗料用各種添加剤などを必要に
応じて含有せしめることができる。
【0183】光輝性顔料を含有する塗料を、粘度5〜3
0秒/フォードカップ#4/20℃に調整し、エアスプ
レイ、エアレススプレイ、静電塗装、カーテンフローコ
ータなどにより離型紙(e)の片面に均一にまんべんな
く塗装することにより、離型紙(e)の片面に光輝性顔
料含有塗膜層(b)を形成することができる。
【0184】また、離型紙(e)の片面に、光輝性顔料
を含有する塗料で模様塗装を行なって形成した模様塗膜
も光輝性顔料含有塗膜層(b)に包含することができ
る。ここで模様塗膜とは、自動車車体の外側部分に意匠
性、美観性、独自性、識別性などを付与するものであれ
ば何等制限されず、例えば、有彩色及び/又は無彩色
で、文字、変形文字、マ−ク、記号、イラストレ−ショ
ン、絵、図柄及びこれらを組合わたものなどがあげられ
る。これらは単色、混色、複合色、グラデ−ション、濃
淡のいずれでも可能である。
【0185】かくして塗装された光輝性顔料を含有する
塗料の塗膜を、室温乃至180℃の温度で乾燥又は硬化
させることにより、離型紙(e)の片面に光輝性顔料含
有塗膜層(b)を形成せしめるができる。その厚さは1
〜100μm、特に5〜80μmの範囲内が好ましい。
【0186】ついで、離型紙(e)の片面に形成した光
輝性顔料含有塗膜層(b)の塗面に粘着剤を塗装して粘
着剤層(c)を設けることにより意匠性フィルム(B)
が得られる。粘着剤としては、例えば、既知のものが使
用でき、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、レゾ
ール型エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アミノプラスト樹
脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリシロキサン
樹脂、(イソ)ブチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、酢酸ビニル・塩化ビニル樹脂、合成ゴム、天
然ゴムなどがあげられる。粘着剤の膜厚は、通常、1〜
100μm、特に5〜50μmの範囲内が好ましい。粘
着剤の塗装は、例えば、エアスプレイ、エアレススプレ
イ、カーテンフローコータ、ロールコータなどにより行
なうことができる。
【0187】本方法2は、裁断及び/又は成型してなる
自動車車体用部品(I)の少なくとも外側表面に、上記
のようにして得られる意匠性フィルム(B)を、離型紙
(e)を外側にし、粘着剤層(c)が自動車車体用部品
(I)の表面に接するようにして、自動車車体用部品
(I)に貼着してなる自動車車体用部品(III)を用い
て自動車車体を組み立てることを特徴とする自動車車体
の製造方法に関する。
【0188】乗用車や軽自動車などの自動車車体におい
て、エンジンや足まわりなどのぎ装品が装着されていな
い主として板金又は成型体で構成されている部分をシェ
ルボデ−と称されている。このシェルボデ−は、通常、
アンダボデ−、サイドメンバ、ル−フ、カウル、アッパ
バック、ロアバックなどから構成される「メインボデ
−」と、フ−ド、フロントバランス、フロントフェン
ダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ(バックドア)、
バンパー、スポイラー、ガーニッシュ、サイドプロテク
ター、タイヤハウスなどの「外蓋物」とから構成されて
いる。
【0189】自動車車体用部品(I)は、上記シェルボ
デ−を構成するメインボディーのアンダボデ−、サイド
メンバ、ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックな
ど及び外蓋物のフ−ド、フロントバランス、フロントフ
ェンダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ(バックド
ア)、バンパー、スポイラー、ガーニッシュ、サイドプ
ロテクター、タイヤハウスなどから選ばれるパーツの1
種又は2種以上、あるいはすべてのパーツを指してい
る。又は、これらのパーツの一部を指すことも有る。
【0190】自動車車体用部品(I)としては、前記し
た(I−1)〜(I−4)が好適に例示することができ
る。
【0191】これらの自動車車体部品(I−1)〜自動
車車体部品(I−4)の外面に位置する表面に上塗り塗
膜の相当する意匠性フィルム(B)を貼着する。
【0192】自動車車体部品(I−1)〜自動車車体部
品(I−4)への意匠性フィルム(B)の貼着は、自動
車車体部品(I−1)〜自動車車体部品(I−4)の表
面と意匠性フィルム(B)の粘着剤層の面とが接するよ
うにして、それ自体既知の方法によって行なうことがで
き、例えば、加圧ロ−ルで、自動車車体部品に意匠性フ
ィルム(B)を圧着しながら行うことができる。この工
程で、自動車車体部品及び/又は意匠性フィルム(B)
を50℃以上、好ましくは80〜200℃に加熱してお
くことが好ましい。真空圧着法によって行なうことも可
能である。意匠性フィルム(B)の貼着は、少なくと
も、自動車車体部品の外側に位置する表面に行われる
が、自動車車体部品の両面を意匠性フィルム(B)で被
覆することも可能である。
【0193】自動車車体部品(I−1)〜自動車車体部
品(I−4)と意匠性フィルム(B)との接着性を向上
させるために、この両者又はいずれかの表面の所定部分
に接着剤を塗布しておくことが好ましい。かかる接着剤
としては、例えば、ビスフェノ−ル型エポキシ樹脂、レ
ゾ−ル型エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アミノプラスト
樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリシロキサ
ン樹脂などから選ばれた1又は2種以上の樹脂を含む熱
硬化性又は熱可塑性の接着剤などがあげられる。さら
に、2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジン、2
−ジブチルアミノ−4,6−ジメメルカプト−S−トリ
アジン、2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジン
−モノソヂウムソルト、2,4,6−トリメルカプト−
S−トリアジン−トリソヂウムソルトなどのトリアジン
チオ−ル系化合物も接着剤として使用することができ
る。
【0194】自動車車体部品に貼着した意匠性フィルム
(B)の離型紙層(e)を剥離し、露出した光輝性顔料
含有塗膜層(b)の外側表面に、無色透明又は有色透明
のクリヤプラスチックフィルム(d)をさらに貼着する
ことも可能である。このことにより、仕上り外観を一層
向上させることができる。
【0195】クリヤプラスチックフィルム(d)として
は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリ
オレフィン樹脂、ポリエテレンテレフタレ−ト(PE
T)などのポリエステル樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、
ポリフッ化ビニリデン樹脂などのフッ素含有樹脂、ポリ
ビニルアセタ−ル樹脂、ナイロン、ポリアミド樹脂、ポ
リスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リエ−テル樹脂、セルロ−スアセテ−トなどから選ばれ
た耐候性などのすぐれた熱可塑性樹脂をあげることがで
きる。
【0196】クリヤプラスチックフィルム(d)は、こ
れらの素材を、押出成型、射出成型、カレンダ−成型、
圧縮成型などにより、フィルム状に成型することによっ
て調製することができ、その厚さは、通常、1〜200
μm、特に20〜100μmの範囲内が適している。ク
リヤプラスチックフィルム(d)は、その表面をコロナ
放電処理、プラズマ処理、火炎処理などの処理をしてお
くことが可能である。クリヤプラスチックフィルム
(d)は、透明感を消失しない程度に、ソリッドカラ−
調、メタリック調、光干渉調に着色されていても差し支
えない。
【0197】意匠性フィルム(B)の光輝性顔料含有塗
膜層(b)とクリヤプラスチックフィルム(d)との接
着性を向上させるために、両フィルムのいずれか又は両
者の所定部分に,前記した接着剤をあらかじめ塗布して
おくことが好ましい。
【0198】意匠性フィルム(B)とクリヤプラスチッ
クフィルム(d)とをあらかじめ貼着しておき、クリヤ
プラスチックフィルム(d)が外側になるようにして、
意匠性フィルム(B)を自動車車体部品(I−1)〜自
動車車体部品(I−4)の外側部分、さらに必要に応じ
て裏側部分に貼着する。
【0199】さらに、本方法2において、自動車車体部
品(I−1)〜自動車車体部品(I−4)に貼着した意
匠性フィルム(B)の光輝性顔料含有塗膜層(b)表
面、又はクリヤプラスチックフィルム(d)の表面に、
前記した高固形分型上塗り塗料(C)を塗装することに
より、仕上り外観(平滑性、鮮映性、ツヤ感など)を一
層向上させることができる。高固形分型上塗り塗料
(C)は、塗装時における固形分含有率が80重量%以
上、特に85〜98重量%の液状塗料であり、具体的に
は、前記した高固形分型上塗り塗料(C−1)〜(C−
7)が好適に使用することができる。
【0200】本方法2において、自動車車体部品(I−
1)〜自動車車体部品(I−4)に貼着した意匠性フィ
ルム(B)の光輝性顔料含有塗膜層(b)表面又はクリ
ヤプラスチックフィルム(d)の表面に、高固形分型上
塗り塗料(C)を塗装することにより、仕上り外観(平
滑性、鮮映性、ツヤ感など)を一層向上させることがで
きる。
【0201】高固形分型上塗り塗料(C)は、必要に応
じて、自動車車体部品(I−1)〜自動車車体部品(I
−4)に貼着した意匠性フィルム(B)の光輝性顔料含
有塗膜層(b)表面又はクリヤプラスチックフィルム
(d)の表面に塗装することができる。塗装はエアスプ
レー、エアレススプレー、静電塗装などにより行なうこ
とができ、膜厚は5〜200μm、特に15〜150μ
mの範囲が適しており、その塗膜は、紫外線照射、電子
線照射、又は100〜200℃で10〜40分程度加熱
することにより硬化させることができる。
【0202】本方法1において、必要に応じて高固形分
型上塗り塗料(C)を塗装してなる自動車車体部品(I
−1)〜自動車車体部品(I−4)を用いて、アンダボ
デ−、サイドメンバ、ル−フ、カウル、アッパバック、
ロアバックなどから構成されるメインボデ−、さらにフ
−ド、フロントバランス、フロントフェンダ、カウルル
−バ、ドア、ラッゲ−ジ(バックドア)、バンパー、ス
ポイラー、ガーニッシュ、サイドプロテクター、タイヤ
ハウスなどの外蓋物の一部又はすべてを製造する。
【0203】具体的には、アンダボデ−、サイドメン
バ、ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックなどの
各部材を形成し、結合することによりメインボデ−が製
造される。これらの裁断、成型加工、接合などは既知の
方法で行なえる。このようにして成型されるメインボデ
−の少なくともその外側は意匠性フィルム(B)で被覆
されている。同様にして、フ−ド、フロントバランス、
フロントフェンダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ、
バンパー、スポイラー、ガーニッシュ、サイドプロテク
ター、タイヤハウスなどの外蓋物も、必要に応じて高固
形分型上塗り塗料(C)を塗装してなる自動車車体部品
(I−1)〜自動車車体部品(I−4)を用いて製造す
ることができる。これらの裁断、成型加工、接合などは
それ自体既知の方法で行なうことができる。
【0204】本方法1及び本方法2に基づいて得られる
自動車車体用部品(II)及び自動車車体用部品(III)
を用いて、アンダボデ−、サイドメンバ、ル−フ、カウ
ル、アッパバック、ロアバックなどから構成されるメイ
ンボデ−、及びフ−ド、フロントバランス、フロントフ
ェンダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ(バックド
ア)、バンパー、スポイラー、ガーニッシュ、サイドプ
ロテクター、タイヤハウスなどの外蓋物の一部又はすべ
てを製造し、これらを使用して自動車車体を組み立てる
ことにより、本発明の目的が達成できる。
【0205】
【本発明の効果】以上に述べた本発明の方法によれば、
以下に述べるような効果が得られる。
【0206】自動車車体の組み立てラインでは、透明プ
ラスチックフィルム層(a)の片面に光輝性顔料含有塗
膜層(b)及び粘着剤層(c)を設けてなる意匠性フィ
ルム(A)を透明プラスチックフィルム層(a)を外側
にし、粘着剤層(c)を介して貼着してなる自動車車体
用部品(II)又は離型紙層(e)の片面に光輝性顔料含
有塗膜層(b)及び粘着剤層(c)を設けてなる意匠性
フィルム(B)を粘着剤層(c)を介して貼着してなる
自動車車体用部品(III)を用いてフ−ドパネル、フェ
ンダパネル、ドアパネル、ラゲ−ジドアパネル、バンパ
ー、スポイラー、ガーニッシュ、サイドプロテクター、
タイヤハウスなどの外蓋物及びアンダボデ−、サイドメ
ンバ、ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックなど
から構成されるメインボデ−を製造するするので、従来
に比べて塗料の使用量を著しく削減することができた。
その結果、自動車車体の製造ラインにおけるVOC(揮
発性有機化合物)の使用量を大幅に削減することがで
き、しかも塗装ラインでの省工程、省エネルギ−、CO
2削減が可能になった。
【0207】しかも、プラスチックフィルムの特性によ
り、総合塗膜の耐チッピング性、防食性、意匠性、仕上
り外観などもさらに向上させることが可能になる。
【0208】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によりさら
に具体的に説明する。部及び%はいずれも重量基準であ
り、塗膜の膜厚は硬化塗膜についてのものである。
【0209】1.試料の調製 1)意匠性フィルム(A) (A−1):片面をコロナ放電処理した青色透明のアク
リル樹脂系フィルム(厚さ30μm)の片面に光輝性顔
料含有塗料(注1)を膜厚25μmになるように塗装
し、室温で1時間乾燥させた後、イソブチレン樹脂粘着
剤を膜厚15μmになるように塗装して、意匠性フィル
ム(A−1)を得た。
【0210】(注1)光輝性顔料含有塗料:ポリエステ
ル樹脂100あたり、長手方向の粒径30〜50μm、
厚さ0.1〜0.5μmのアルミニウムフレーク30部
を有機溶剤中に混合し、固形分含有率40%に調整して
なる塗料。
【0211】(A−2):意匠性フィルム(A−1)の
青色透明のアクリル樹脂系フィルムの表面に、無色透明
のアクリル樹脂系フィルム(厚さ40μm)を貼着して
なる意匠性フィルム(A−2)。
【0212】2)意匠性フィルム(B) (B−1):フッ素で処理したポリエチレンテレフタレ
ートシート(離型紙)の片面に光輝性顔料含有塗料(注
1)を膜厚25μmになるように塗装し、室温で1時間
乾燥させた後、イソブチレン樹脂粘着剤を膜厚15μm
になるように塗装して、意匠性フィルム(B−1)を得
た。
【0213】(B−2):意匠性フィルム(B−1)の
離型紙を剥がし、光輝性顔料含有塗料の塗面に青色透明
のアクリル樹脂系フィルム(厚さ40μm)を貼着して
なる意匠性フィルム(B−2)。
【0214】2)自動車部品(I) (I−a):厚さ0.8mmの冷延鋼板の両面に、メッ
キ付着量が45g/m2となるように合金化溶融亜鉛メ
ッキを施し、ついで脱脂処理を行なった鋼板を用いて、
メインボデーを構成するアンダボデ−、サイドメンバ
−、ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックの各部
品の模型を(大きさは現物の約25分の1)をあらかじ
め製造した。さらに、同様にして、外蓋物を構成するフ
−ド、フェンダ、ドア、ラゲ−ジドア、バンパー、スポ
イラー、ガーニッシュ、サイドプロテクター、タイヤハ
ウスなどの各部品の模型(大きさは現物の約25分の
1)を製造した。
【0215】(I−b):膜厚16μmのポリエステル
フィルムの両面をコロナ放電処理し、ついで一方の面に
熱硬化性ポリステル樹脂系接着剤を膜厚7μmに塗布
し、120℃で30秒加熱して乾燥し、巻き取る。一
方、厚さ0.8mmの冷延鋼板を脱脂処理及びりん酸亜
鉛化成処理(日本パ−カライジング社製、「PB#30
80処理」、商品名)を行なった金属板の両面に、上記
のポリエステルフィルムを貼着し熱圧着して被覆した。
これを用いて、メインボデーを構成するアンダボデ−、
サイドメンバ−、ル−フ、カウル、アッパバック、ロア
バックの各部品の模型を(大きさは現物の約25分の
1)をあらかじめ製造した。さらに、同様にして、外蓋
物を構成するフ−ド、フェンダ、ドア、ラゲ−ジドア、
バンパー、スポイラー、ガーニッシュ、サイドプロテク
ター、タイヤハウスなどの各部品の模型(大きさは現物
の約25分の1)を製造した。
【0216】(I−c):ポリエーテルエーテルケトン
(PEEK)の粒状物を射出成型して、メインボデーを
構成するアンダボデ−、サイドメンバ−、ル−フ、カウ
ル、アッパバック、ロアバックの各部品の模型を(大き
さは現物の約25分の1)をあらかじめ製造した。さら
に、同様にして、外蓋物を構成するフ−ド、フェンダ、
ドア、ラゲ−ジドア、バンパー、スポイラー、ガーニッ
シュ、サイドプロテクター、タイヤハウスなどの各部品
の模型(大きさは現物の約25分の1)を製造した。
【0217】2.実施例及び比較例 実施例 1 自動車部品(I−a)の模型の各部品の外側の位置する
表面に、意匠性フィルム(A−1)のイソブチレン樹脂
粘着剤が接するようにして熱圧着により貼着して自動車
車体用部品(II−a)を得た。
【0218】かくして得られる自動車車体用部品(II−
a)を用いて形成したアンダボデ−、サイドメンバ−、
ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックの模型を組
み立ててメインボデーとし、さらにフ−ド、フェンダ、
ドア、ラゲ−ジドア、バンパー、スポイラー、ガーニッ
シュ、サイドプロテクター、タイヤハウスの模型を組み
立てて外蓋物を形成し、ついでこのメインボデーと外蓋
物を結合して自動車車体(シェルボデー)を形成せしめ
た。
【0219】実施例 2 自動車部品(I−b)の模型の各部品の外側の位置する
表面に、意匠性フィルム(A−1)のイソブチレン樹脂
粘着剤が接するようにして熱圧着により貼着して自動車
車体用部品(II−b)を得た。
【0220】かくして得られる自動車車体用部品(II−
b)を用いて形成したアンダボデ−、サイドメンバ−、
ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックの模型を組
み立ててメインボデーとし、さらにフ−ド、フェンダ、
ドア、ラゲ−ジドア、バンパー、スポイラー、ガーニッ
シュ、サイドプロテクター、タイヤハウスの模型を組み
立てて外蓋物を形成し、ついでこのメインボデーと外蓋
物を結合して自動車車体(シェルボデー)を形成せしめ
た。
【0221】実施例 3 自動車部品(I−c)の模型の各部品の外側の位置する
表面に、意匠性フィルム(A−1)のイソブチレン樹脂
粘着剤が接するようにして熱圧着により貼着して自動車
車体用部品(II−c)を得た。
【0222】かくして得られる自動車車体用部品(II−
c)を用いて形成したアンダボデ−、サイドメンバ−、
ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックの模型を組
み立ててメインボデーとし、さらにフ−ド、フェンダ、
ドア、ラゲ−ジドア、バンパー、スポイラー、ガーニッ
シュ、サイドプロテクター、タイヤハウスの模型を組み
立てて外蓋物を形成し、ついでこのメインボデーと外蓋
物を結合して自動車車体(シェルボデー)を形成せしめ
た。
【0223】実施例 4 自動車部品(I−a)の模型の各部品の外側の位置する
表面に、意匠性フィルム(A−2)のイソブチレン樹脂
粘着剤が接するようにして熱圧着により貼着して自動車
車体用部品(II−d)を得た。
【0224】かくして得られる自動車車体用部品(II−
d)を用いて形成したアンダボデ−、サイドメンバ−、
ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックの模型を組
み立ててメインボデーとし、さらにフ−ド、フェンダ、
ドア、ラゲ−ジドア、バンパー、スポイラー、ガーニッ
シュ、サイドプロテクター、タイヤハウスの模型を組み
立てて外蓋物を形成し、ついでこのメインボデーと外蓋
物を結合して自動車車体(シェルボデー)を形成せしめ
た。
【0225】実施例 5 自動車部品(I−b)の模型の各部品の外側の位置する
表面に、意匠性フィルム(A−2)のイソブチレン樹脂
粘着剤が接するようにして熱圧着により貼着して自動車
車体用部品(II−e)を得た。
【0226】かくして得られる自動車車体用部品(II−
e)を用いて形成したアンダボデ−、サイドメンバ−、
ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックの模型を組
み立ててメインボデーとし、さらにフ−ド、フェンダ、
ドア、ラゲ−ジドア、バンパー、スポイラー、ガーニッ
シュ、サイドプロテクター、タイヤハウスの模型を組み
立てて外蓋物を形成し、ついでこのメインボデーと外蓋
物を結合して自動車車体(シェルボデー)を形成せしめ
た。
【0227】実施例 6 自動車部品(I−c)の模型の各部品の外側の位置する
表面に、意匠性フィルム(A−2)のイソブチレン樹脂
粘着剤が接するようにして熱圧着により貼着して自動車
車体用部品(II−f)を得た。
【0228】かくして得られる自動車車体用部品(II−
f)を用いて形成したアンダボデ−、サイドメンバ−、
ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックの模型を組
み立ててメインボデーとし、さらにフ−ド、フェンダ、
ドア、ラゲ−ジドア、バンパー、スポイラー、ガーニッ
シュ、サイドプロテクター、タイヤハウスの模型を組み
立てて外蓋物を形成し、ついでこのメインボデーと外蓋
物を結合して自動車車体(シェルボデー)を形成せしめ
た。
【0229】実施例 7 自動車部品(I−a)の模型の各部品の外側の位置する
表面に、意匠性フィルム(B−1)のイソブチレン樹脂
粘着剤が接するようにして熱圧着により貼着し、フッ素
で処理したポリエチレンテレフタレートシート(離型
紙)を剥離して自動車車体用部品(II−g)を得た。
【0230】かくして得られる自動車車体用部品(II−
g)を用いて形成したアンダボデ−、サイドメンバ−、
ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックの模型を組
み立ててメインボデーとし、さらにフ−ド、フェンダ、
ドア、ラゲ−ジドア、バンパー、スポイラー、ガーニッ
シュ、サイドプロテクター、タイヤハウスの模型を組み
立てて外蓋物を形成し、ついでこのメインボデーと外蓋
物を結合して自動車車体(シェルボデー)を形成せしめ
た。
【0231】実施例 8 自動車部品(I−b)の模型の各部品の外側の位置する
表面に、意匠性フィルム(B−1)のイソブチレン樹脂
粘着剤が接するようにして熱圧着により貼着し、フッ素
で処理したポリエチレンテレフタレートシート(離型
紙)を剥離して自動車車体用部品(II−h)を得た。
【0232】かくして得られる自動車車体用部品(II−
h)を用いて形成したアンダボデ−、サイドメンバ−、
ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックの模型を組
み立ててメインボデーとし、さらにフ−ド、フェンダ、
ドア、ラゲ−ジドア、バンパー、スポイラー、ガーニッ
シュ、サイドプロテクター、タイヤハウスの模型を組み
立てて外蓋物を形成し、ついでこのメインボデーと外蓋
物を結合して自動車車体(シェルボデー)を形成せしめ
た。
【0233】実施例 9 自動車部品(I−c)の模型の各部品の外側の位置する
表面に、意匠性フィルム(B−1)のイソブチレン樹脂
粘着剤が接するようにして熱圧着により貼着し、フッ素
で処理したポリエチレンテレフタレートシート(離型
紙)を剥離して自動車車体用部品(II−i)を得た。
【0234】かくして得られる自動車車体用部品(II−
i)を用いて形成したアンダボデ−、サイドメンバ−、
ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックの模型を組
み立ててメインボデーとし、さらにフ−ド、フェンダ、
ドア、ラゲ−ジドア、バンパー、スポイラー、ガーニッ
シュ、サイドプロテクター、タイヤハウスの模型を組み
立てて外蓋物を形成し、ついでこのメインボデーと外蓋
物を結合して自動車車体(シェルボデー)を形成せしめ
た。
【0235】実施例 10 自動車部品(I−a)の模型の各部品の外側の位置する
表面に、意匠性フィルム(B−2)のイソブチレン樹脂
粘着剤が接するようにして熱圧着により貼着して自動車
車体用部品(II−j)を得た。
【0236】かくして得られる自動車車体用部品(II−
j)を用いて形成したアンダボデ−、サイドメンバ−、
ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックの模型を組
み立ててメインボデーとし、さらにフ−ド、フェンダ、
ドア、ラゲ−ジドア、バンパー、スポイラー、ガーニッ
シュ、サイドプロテクター、タイヤハウスの模型を組み
立てて外蓋物を形成し、ついでこのメインボデーと外蓋
物を結合して自動車車体(シェルボデー)を形成せしめ
た。
【0237】実施例 11 自動車部品(I−b)の模型の各部品の外側の位置する
表面に、意匠性フィルム(B−2)のイソブチレン樹脂
粘着剤が接するようにして熱圧着により貼着して自動車
車体用部品(II−k)を得た。
【0238】かくして得られる自動車車体用部品(II−
k)を用いて形成したアンダボデ−、サイドメンバ−、
ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックの模型を組
み立ててメインボデーとし、さらにフ−ド、フェンダ、
ドア、ラゲ−ジドア、バンパー、スポイラー、ガーニッ
シュ、サイドプロテクター、タイヤハウスの模型を組み
立てて外蓋物を形成し、ついでこのメインボデーと外蓋
物を結合して自動車車体(シェルボデー)を形成せしめ
た。
【0239】実施例 12 自動車部品(I−c)の模型の各部品の外側の位置する
表面に、意匠性フィルム(B−2)のイソブチレン樹脂
粘着剤が接するようにして熱圧着により貼着して自動車
車体用部品(II−l)を得た。
【0240】かくして得られる自動車車体用部品(II−
l)を用いて形成したアンダボデ−、サイドメンバ−、
ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックの模型を組
み立ててメインボデーとし、さらにフ−ド、フェンダ、
ドア、ラゲ−ジドア、バンパー、スポイラー、ガーニッ
シュ、サイドプロテクター、タイヤハウスの模型を組み
立てて外蓋物を形成し、ついでこのメインボデーと外蓋
物を結合して自動車車体(シェルボデー)を形成せしめ
た。
【0241】比較例 1 自動車組み立てラインにおいて、厚さ0.8mmの脱脂
処理及びりん酸亜鉛化成処理(日本パ−カライジング社
製、「PB#3080処理」、商品名)した無塗装の冷
延鋼板を裁断、成型、結合して、メインボデーを構成す
るアンダボデ−、サイドメンバ−、ル−フ、カウル、ア
ッパバック、ロアバックの各部品の模型を(大きさは現
物の約25分の1)をあらかじめ製造しておく。同様に
して、外蓋物を構成するフ−ド、フェンダ、ドア、ラゲ
−ジドアなどの各部品の模型(大きさは現物の約25分
の1)も製造した。
【0242】これらの各部品を結合してメインボデー及
び外蓋物を形成し、さらにこの両者を組み合わせて自動
車車体としたものを、上記のカチオン電着塗料の浴に浸
漬し、電着浴温28℃、電圧250V、全没通電時間2
分間の条件で両面に塗装し、水洗後、170℃で30分
間加熱して電着塗膜を硬化せしめた(電着塗膜の平面部
の膜厚20μm)。
【0243】ついで、車体外面部側に中塗り塗料(「E
Sプライマー」、関西ペイント社製、商品名、ポリエス
テル樹脂・メラミン樹脂系)を膜厚20μmになるよう
に塗装し、140℃で30分間加熱して硬化してから、
さらにメタリック塗料((「マジクロンシルバー」、関
西ペイント社製、商品名、アクリル樹脂・メラミン樹脂
系)を膜厚15μmになるように塗装し、硬化させるこ
となく、該塗面にクリヤ塗料(「マジクロンクリヤ」、
関西ペイント社製、商品名、アクリル樹脂・メラミン樹
脂系)を膜厚45μmになるように塗装し、140℃で
30分間加熱して硬化した。
【0244】3.性能試験結果 平板に実施例及び比較例と同じ工程で行なって得た被覆
鋼板について各種の性能試験を行った。その結果を表1
に示す。
【0245】表1にける試験方法は下記のとおりであ
る。
【0246】塗膜外観:目視評価は、上層塗面における
フクレ、ヘコミなどの発生の有無を目視観察した結果で
あり、○はフクレ、ヘコミなどの発生が全く認められな
い、フクレ、ヘコミなどの発生が少し認められる、△は
フクレ、ヘコミなどの発生がやや多く認められるフク
レ、×はヘコミなどの発生が多く認められることを示
す。「ウエブスキャン」はBYK社製の商品名であり、
これを使用してショートウエーブ値を測定した結果であ
り、数値が小さいほど平滑性がすぐれている。
【0247】耐酸性:試験板を、80℃の40%硫酸水
溶液に10分間浸漬した後の塗面状態を目視観察した結
果である。○はフクレ、ヘコミなどの発生が全く認めら
れない、△はフクレ、ヘコミなどの発生がやや多く認め
られるフクレ、×はヘコミなどの発生が多く認められる
ことを示す。
【0248】耐候性:試験板をサンシャインウエザーメ
ータ800時間試験後の塗面を目視観察した結果であ
る。○はフクレ、ヘコミなどの発生が全く認められな
い、△はフクレ、ヘコミなどの発生がやや多く認められ
るフクレ、×はヘコミなどの発生が多く認められること
を示す。
【0249】VOC量:鋼板の状態から自動車車体が組
み立てられるまでの工程で発生すると思われるVOC量
を比較例1を基準にして、推定した結果である。○は非
常に少なくなった、△はやや少なくなった、×は殆ど変
わらないことを示す。
【0250】
【表1】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】裁断及び/又は成型してなる自動車車体用
    部品(I)の少なくとも外側表面に、透明プラスチック
    フィルム層(a)の片面に光輝性顔料含有塗膜層(b)
    及び粘着剤層(c)を設けてなる意匠性フィルム(A)
    を透明プラスチックフィルム層(a)を外側にし、粘着
    剤層(c)を介して貼着してなる自動車車体用部品(I
    I)を用いて自動車車体を組み立てることを特徴とする
    自動車車体の製造方法。
  2. 【請求項2】意匠性フィルム(A)の透明プラスチック
    フィルム層(a)の他面にさらに透明被膜(d)が形成
    されている請求項1記載の自動車車体の製造方法。
  3. 【請求項3】裁断及び/又は成型してなる自動車車体用
    部品(I)の少なくとも外側表面に、離型紙層(e)の
    片面に光輝性顔料含有塗膜層(b)及び粘着剤層(c)
    を設けてなる意匠性フィルム(B)を粘着剤層(c)を
    介して貼着してなる自動車車体用部品(III)を用いて
    自動車車体を組み立てることを特徴とする自動車車体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】意匠性フィルム(B)の離型紙層(e)と
    光輝性顔料含有塗膜層(b)との層間に透明被膜(d)
    が形成されている請求項3記載の自動車車体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】自動車車体用部品(I)が金属製である請
    求項1〜4のいずれかに記載の自動車車体の製造方法。
  6. 【請求項6】自動車車体用部品(I)がプラスチック製
    である請求項1〜4のいずれかに記載の自動車車体の製
    造方法。
  7. 【請求項7】金属製の自動車車体用部品(I)が、無塗
    装金属製基材、塗料が塗装されている金属製基材及びプ
    ラスチックフィルムが貼着されている金属製基材から選
    ばれた1種以上である請求項1〜5のいずれかに記載の
    自動車車体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101453542B1 (ko) 2013-02-21 2014-10-23 주식회사효성씨오티 자동차 그릴의 폴리우레탄 도장방법

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