JP2003112115A - 自動車車体の被覆仕上げ方法 - Google Patents

自動車車体の被覆仕上げ方法

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JP2003112115A
JP2003112115A JP2001305973A JP2001305973A JP2003112115A JP 2003112115 A JP2003112115 A JP 2003112115A JP 2001305973 A JP2001305973 A JP 2001305973A JP 2001305973 A JP2001305973 A JP 2001305973A JP 2003112115 A JP2003112115 A JP 2003112115A
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film
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coated
acid
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JP2001305973A
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Shigeru Nakamura
茂 中村
Takeshi Akagi
雄 赤木
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動車車体のシェルボデ−の一部又は全部に、
成型加工し電着塗料を塗装した金属製素材に上塗り仕上
り性を有するプラスチックフィルムを貼着するなどして
なる被覆金属製素材を使用してなる自動車車体の被覆仕
上げ方法に関する。 【構成】自動車車体の少なくとも一部に、成型加工した
金属製素材に電着塗料を塗装し、ついで少なくともその
外側相当部分に中塗り塗料を塗装し、その中塗り塗膜面
に上塗り仕上り性を有するプラスチックフィルムを貼着
してなる被覆金属製素材を使用してなることを特徴とす
る自動車車体の被覆仕上げ方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車車体のシェ
ルボデ−の一部又は全部に、成型加工し電着塗料を塗装
した金属製素材に上塗り仕上り性を有するプラスチック
フィルムを貼着するなどしてなる被覆金属製素材を使用
してなる自動車車体の被覆仕上げ方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】乗用車や軽自動車などの自動
車車体において、エンジンや足まわりなどのぎ装品が装
着されていない主として板状の金属製素材で形成されて
いる部分はシェルボデ−と称されている。通常、このシ
ェルボデ−は、アンダボデ−、サイドメンバ、ル−フ、
カウル、アッパバック、ロアバックなどから構成される
メインボデ−と、フ−ド、フロントバランス、フロント
フェンダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ(バックド
ア)などの外蓋物とから構成されている。
【0003】従来、シェルボデ−のメインボデ−及び外
蓋物を形成するために、板状の金属製素材をそれぞれの
構成部品の大きさや形状に裁断、成型し、これらを組み
立ててシェルボデ−とし、これをカチオン電着塗料浴に
浸漬して、金属製素材の表面、裏面、端面部などに電着
塗装して下塗塗膜を形成した後、これらのうち、主に車
体の外側に位置する部分に中塗り塗料及び上塗り塗料な
どが塗装される。
【0004】しかしながら、最近、自動車車体の塗装に
おいて、塗装ラインでの省工程、省エネルギ−、CO2
の削減、環境対応、VOC削減などが強く望まれ、しか
も、総合塗膜(複層塗膜)の耐チッピング性、防食性な
どのさらなる向上が要求されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、自動車車
体の被覆方法における上記の要望及び要求を満足せしめ
るすべく検討を重ねた結果、今回、成型加工した金属製
素材に電着塗料を塗装し、中塗り塗料及び上塗り塗料な
どの塗装を可能な限り省略し、これらの塗料の使用に代
えて、電着塗面に上塗り仕上り性を有するプラスチック
フィルムを貼着することによって、上記の要求が一挙に
満足できることを見出し、本発明を完成した。
【0006】かくして、本発明によれば、下記に列挙す
る自動車車体の被覆仕上げ方法が提供される。
【0007】本方法1:自動車車体の少なくとも一部
に、成型加工した金属製素材に電着塗料を塗装し、つい
で少なくともその外側相当部分に中塗り塗料を塗装し、
その中塗り塗膜面に上塗り仕上り性を有するプラスチッ
クフィルムを貼着してなる被覆金属製素材を使用してな
ることを特徴とする自動車車体の被覆仕上げ方法。
【0008】本方法2:自動車車体の少なくとも一部
に、成型加工した金属製素材に電着塗料を塗装し、つい
で少なくともその外側相当部分に上塗り仕上り性を有す
るプラスチック着色フィルムを貼着し、さらに高固形分
型クリヤ塗料を塗装してなる被覆金属製素材を使用して
なることを特徴とする自動車車体の被覆仕上げ方法。
【0009】本方法3:自動車車体の少なくとも一部
に、成型加工した金属製素材に電着塗料を塗装し、つい
で少なくともその外側相当部分に上塗り着色ベース塗料
を塗装し、その上塗り着色ベース塗膜面に上塗り仕上り
性を有するプラスチッククリヤフィルムを貼着してなる
被覆金属製素材を使用してなることを特徴とする自動車
車体の被覆仕上げ方法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は上記の本方法1、本方法
2及び本方法3を包含しており、これらを統合して「本
方法」と総称する。
【0011】本方法における自動車車体としては、主に
乗用車及び軽自動車の車体が好適にあげられるが、さら
にトラック、バス、オ−トバイ、特装車などの車体にも
同様に適用することができる。これらの車体を構成する
素材としては、これまで自動車車体に使用されているも
のが同様に適用でき、例えば、鉄、鋼、ステンレス鋼、
アルミニウム、銅及びこれらの金属を含有する合金、さ
らにこれらの表面を亜鉛、亜鉛/ニッケル、鉄などでメ
ッキした金属板などの金属素材があげられ、これらをコ
イル状又は切り板状としてを適用することができ、その
厚さは0.3〜2.0mm、特に0.5〜1.0mmの
範囲内が適している。そして、これらの金属素材の表面
は、電着塗膜の付着性や防食性などを向上させるため
に、研磨処理、脱脂処理、りん酸塩処理などの前処理を
あらかじめ行なっておくことが好ましい。
【0012】本方法は、この金属素材を成型加工し、電
着塗料を塗装してなる塗装金属素材を、上記の本方法1
〜3に適用することによって行われる。
【0013】金属製素材の成型加工は、コイル状又は切
り板状の金属板を、自動車車体のシェルボデーを構成す
る目的とする形状、大きさに裁断し、プレス加工機など
により加圧成型することにより行われる。
【0014】シェルボディ−は、自動車車体において、
エンジンや足まわりなどの「ぎ装品」が装着されていな
い主として板状金属素材を使用して形成され、通常、メ
インボデー及び外蓋物で構成されている。メインボデ−
は、主としてアンダボデ−、サイドメンバ、ル−フ、カ
ウル、アッパバック、ロアバックなどから構成されてい
る。外蓋物は、主としてフ−ド、フロントバランス、フ
ロントフェンダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ(バ
ックドア)などから成っており、これらを、「自動車用
部品」と称することもある。
【0015】ここで、アンダボデ−は、乗員室(キャビ
ン)及び荷物室などの床部を指し、フロントアンダボデ
−、フロントフロア、リアフロアなどを総称するもので
ある。サイドメンバ−は、フロントボデ−、ル−フパネ
ル、アンダボデ−などと結合し客室側面を形成し、車両
の曲げや捩じれを防ぐものである。カウルは左右前後の
ピラ−をつなぐパネルである。アッパバックは車体後部
の左右のクウォ−タパネル(リアフェンダ)をつなぎ、
車体外面を形成するパネルである。
【0016】まず、金属製素材を裁断、成型及び接合な
どして、メインボデ−のアンダボデ−、サイドメンバ、
ル−フ、カウル、アッパバック、ロアバックなど、さら
に外蓋物(自動車用部品)のフ−ド、フロントバラン
ス、フロントフェンダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−
ジなどの各パ−ツを製造する。これらの裁断、成型及び
接合はそれ自体既知の方法により行うことができる。す
なわち、これらの各パ−ツを組合わせ、接合してメイン
ボデ−を形成せしめ、ついでこのものにフ−ド、フロン
トバランス、フロントフェンダ、カウルル−バ、ドア、
ラッゲ−ジなどの外蓋物(自動車用部品)を取り付ける
ことによりシェルボデ−を製造することができる。こら
らのパーツの組合わせ、接合は、接着剤、溶接やボルト
締めなどにより、従来の方法に準じて行なうことができ
る。
【0017】本方法において、成型加工した金属素材へ
の電着塗料の塗装は、例えば、下記の時点で行なうこと
ができるが、これらのみに制限されることはない。
【0018】1)金属製素材を裁断、成型した後であっ
て、かつメインボデーに組み立てる以前のパーツ例え
ば、アンダボデ−、サイドメンバ、ル−フ、カウル、ア
ッパバック、ロアバックなどの部品の状態で電着塗装を
行なう。
【0019】2)金属製素材を裁断、成型した後であっ
て、メインボデーに取り付ける以前の外蓋物のパ−ツ、
例えば、フ−ド、フロントバランス、フロントフェン
ダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジなどに電着塗装を
行なう。
【0020】3)上記1)のパーツを組み立ててメイン
ボデーとした後で電着塗装を行なう。
【0021】4)メインボデーに上記2)の外蓋物を結
合してシェルボデーとした状態で電着塗装を行なう。
【0022】電着塗料としてはアニオン型及びカチオン
型のいずれでもよいが、一般的には、防食性のすぐれた
塗膜を形成するカチオン型を使用することが好ましい。
【0023】カチオン電着塗料として既知のものを使用
することができ、例えば、水酸基及びカチオン性基を有
する基体樹脂及びブロックポリイソシアネ−ト化合物を
含有する水性塗料があげられる。
【0024】基体樹脂として、例えば、エポキシ樹脂と
カチオン化剤との反応生成物、ポリカルボン酸とポリア
ミンとの重縮合物を酸でプロトン化したもの、ポリイソ
シアネ−ト化合物及びポリオ−ルとモノ又はポリアミン
との重付加物を酸でプロトン化したもの、水酸基及びア
ミノ基含有アクリル系またはビニル系モノマ−の共重合
体を酸でプロトン化したもの、ポリカルボン酸樹脂とア
ルキレンイミンとの付加物を酸でプロトン化したものな
どがあげられる。
【0025】このうち、ポリフェノ−ル化合物とエピク
ロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルエーテ
ル型エポキシ樹脂にカチオン化剤を反応せしめた基体樹
脂が、防食性のすぐれた塗膜を形成するので特に好まし
い。ポリフェノ−ル化合物としては、例えば、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、4,4´
−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1,1−エタン、ビス−(4−ヒドロキシ
フェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキ
シ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパ
ン、ビス(2−ヒドロキシブチル)メタン、1,5−ジ
ヒドロキシナフタレン、ビス(2,4−ジヒドロキシフ
ェニル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−
1,1,2,2−エタン、4,4´−ジヒドロキシジフ
ェニルエ−テル、4,4´−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、フェノ−ルノボラック、クレゾ−ルノボラック
などがあげられる。カチオン化剤は、エポキシ樹脂中の
エポキシ基の殆ど又はすべてと反応して、第2級アミノ
基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム塩基などのカ
チオン性基を導入するものであり、それ自体既知の塩基
性化合物が使用できる。
【0026】基体樹脂中の水酸基として、カチオン化剤
として使用されるアルカノ−ルアミンとの反応などによ
り導入される第1級水酸基が、ブロックポリイソシアネ
−ト化合物(架橋剤)との架橋反応性がすぐれているの
で好ましい。基体樹脂中の水酸基の量は、水酸基当量で
20〜5000、特に100〜1000mgKOH/
g、特に、第1級水酸基当量が200〜1000mgK
OH/gの範囲内にあることが好ましい。
【0027】架橋剤としてのブロックポリイソシアネ−
ト化合物は、ポリイソシアネ−ト化合物のイソシアネ−
ト基の実質的にすべてをブロック剤で封鎖したものであ
り、所定温度以上に加熱するとブロック剤が解離してイ
ソシアネ−ト基が再生して、基体樹脂との架橋反応に関
与する。
【0028】ポリイソシアネ−ト化合物としては、脂肪
族ジイソシアネ−ト、脂環族ジイソシアネ−ト、芳香族
ジイソシアネ−ト、これらのウレタン化付加物、ビユ−
レットタイプ付加物、イソシアヌル環タイプ付加物等が
あげられる。ブロック剤としては、フェノ−ル系、アル
コ−ル系、活性メチレン系、メルカプタン系、酸アミド
系、イミド系、アミン系、イミダゾ−ル系、尿素系、カ
ルバミン酸系、イミン系、オキシム系、亜硫酸系、ラク
タム系などが使用できる。
【0029】基体樹脂とブロックポリイソシアネ−ト化
合物との構成比率は、両成分の合計固形分重量に基づい
て、前者は40〜90%、特に50〜80%、後者は6
0〜10%、特に50〜20%の範囲内にあることが好
ましい。
【0030】カチオン電着塗料は、基体樹脂中のカチオ
ン性基を酢酸、ギ酸、乳酸、りん酸などの酸性化合物で
中和してから、ブロックポリイソシアネ−ト化合物と共
に水に混合することにより調製することができ、塗装時
のpHは一般に3〜9、特に5〜7、固形分濃度は5〜
30重量%の範囲内が適している。
【0031】カチオン電着塗料には、必要に応じて、硬
化触媒、体質顔料、着色顔料、防錆顔料、沈降防止剤な
どを適宜配合することができる。
【0032】本方法では、上記の1)〜4)から選ばれ
た成型加工後の金属製素材を、固形分含有率5〜40重
量%に調整されたカチオン電着塗料浴に浸漬し、このも
のをカソ−ドとし、浴温20〜35℃、電圧100〜4
00Vで、1〜10分関通電することによって電着塗装
を行ない、金属製素材の表裏両面、端面部などの金属露
出部分に電着塗膜を析出させることができる。電着塗膜
の膜厚は硬化塗膜を基準に、平坦部分で10〜40μm
程度が好ましい。塗装後、電着塗料浴から金属製素材を
引上げ、適宜水洗したのち、100〜200℃で10〜
40分間程度加熱することにより電着塗膜を硬化させる
ことができる。
【0033】上記のようにして、電着塗料を塗装してな
る成型加工した金属製素材を用いて、本方法1〜3を実
施することについて説明する。
【0034】本方法1は、自動車車体の少なくとも一部
に、成型加工した金属製素材に電着塗料を塗装し、つい
で少なくともその外側相当部分に中塗り塗料を塗装し、
その中塗り塗膜面に上塗り仕上り性を有するプラスチッ
クフィルムを貼着してなる被覆金属製素材(1)を使用
してなることを特徴とする自動車車体の被覆仕上げ方法
に関する。
【0035】本方法1では、上記のようにして調製され
る電着塗料を塗装してなる成型加工した金属製素材を用
いて、その電着塗膜を加熱硬化してから、又は未硬化の
状態で、少なくともその外側相当部分に中塗り塗料を塗
装する。
【0036】ここで「外側相当部分」とは、組み立てが
完了した自動車車体の外側に位置し、かつ外部から見え
る部分であり、例えば、ル−フ、フ−ド、フェンダ、ド
ア、ラッゲ−ジの外面部などがあげられる。
【0037】中塗り塗料は、電着塗料を塗装してなる成
型加工した金属製素材の少なくとも外側相当部分の電着
塗膜面に塗装する塗料であり、それ自体既知の塗料が使
用できる。具体的には、水酸基などの架橋性官能基を有
するポリエステル樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂な
どから選ばれた基体樹脂にメラミン樹脂、(ブロック)
ポリイソシアネート化合物などの架橋剤を併用してなる
樹脂成分に着色顔料又は体質顔料などを混合してなる有
機溶剤系又は水系の中塗り塗料があげられる。
【0038】中塗り塗料は、電着塗料を塗装してなる成
型加工した金属製素材の少なくとも外側相当部分の電着
塗膜面に塗装するが、必要に応じてそれ以外の部分、例
えば、車体内部に相当する部分に塗装することも可能で
ある。この塗装はエアスプレー、エアレススプレー、静
電塗装などにより行なうことができ、その膜厚は硬化塗
膜に基づいて10〜40μm、特に15〜30μmの範
囲内が適している。また、中塗り塗膜は100〜180
℃、特に120〜160℃で10〜40分程度加熱する
ことにより硬化することができる。
【0039】本方法1では、電着塗料及び中塗り塗料を
塗装してなる成型加工した金属製素材の少なくともその
外側相当部分の硬化した中塗り塗膜面に、上塗り仕上り
性を有するプラスチックフィルムを貼着してなる被覆金
属製素材(1)を、自動車車体の少なくとも一部に使用
してなることを特徴とする自動車車体の被覆仕上げ方法
に関する。
【0040】プラスチックフィルムは、少なくとも、外
側相当部分に貼着することが必要であるが、必要に応じ
てその反対面(内側面)に貼着することもさしつかえな
い。
【0041】ここで「上塗り仕上り性を有する」とは、
従来、自動車車体の外側に上塗り塗装されているソリッ
ドカラー塗料、メタリック塗料、クリヤ塗料などの上塗
り塗料が有している塗膜性能、例えば、耐候性、平滑
性、美粧性(意匠性)などと同程度又はそれ以上の性能
を有していることである。
【0042】かかる性能を有しているプラスチックフィ
ルムの素材として、例えば、延伸ポリプロピレン、ポリ
エステル、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、酢酸ビニ
ル樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリ
ビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレ
ン、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹
脂などのそれ自体既知のフィルムがあげられる。このう
ち、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂など
は耐候性などがすぐれており、又、ポリエステル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ
アミド樹脂などはフィルム状態での紫外線を透過しにく
いので、いずれも好適に使用できる。これらのフィルム
の厚さは、通常、10〜200μm、特に20〜100
μmの範囲内が適している。
【0043】プラスチックフィルムは、無色透明、着色
透明、着色不透明のいずれでも良い。また、色彩的な美
粧性を付与するためには、ソリッドカラ−調、メタリッ
ク調、光干渉調などに着色されていることが好ましい。
これらの着色方法として、フィルム中にこれらの色調を
有する顔料を既知の方法により含有せしめるか、又はフ
ィルムの表面及び(又は)裏面にこれらの色調を有する
着色塗料を塗装することにより行われる。着色塗料とし
ては、既知の主にプラスチック用のソリッドカラ−塗
料、メタリック塗料、光干渉塗料が使用でき、その塗装
膜厚は硬化塗膜で、1〜30μm、特に5〜15μmが
適している。
【0044】さらに、これらのプラスチックフィルム
に、文字、マ−ク、記号、イラストレ−ション、各種の
絵画、図柄、模様及びこれらの組み合わせたものなど
(これらを「文字等」と総称する)を付与することも包
含され、それによって、従来、車体に塗料を塗装して形
成される塗膜には得られることができなかった種々の意
匠性、美観性、独自性、識別性などを表現することがで
きる。文字等の色調はソリッドカラ−調、メタリック
調、光干渉調などであり、単色、多色、グラデ−ショ
ン、濃淡のいずれでも可能であり、フィルムの表面又は
裏面のいずれか、又は両面に形成せしめることができ
る。
【0045】プラスチックフィルムへの文字等の付与
は、印刷用インキを印刷するか、又は着色塗料を塗装す
るなどによって行なうことができる。印刷用インキ及び
塗料としては、例えば、色料(顔料、染料)、樹脂(又
は油脂)及び溶剤、さらに必要に応じて可塑剤、添加剤
(ろう、ドライヤ、分散剤、湿潤剤、乳化剤、皮張り防
止剤、安定剤)などから構成されている。色料として、
例えば、酸化チタン、カ−ボンブラック、アルミニウム
粉、酸化アルミニウム粉、蒸着アルミニウム粉、ブロン
ズ粉などの無機系顔料;ジスアゾイエロ−、ブリリアン
トカ−ミン、レ−キレッド、フタロシアニンブル−、メ
チルバイオレットレ−キなどの有機系顔料;蛍光顔料;
エオシン、ビクトリアブル−、ニグロシン、ディスパ−
スレッドなどの染料(酸性染料、塩基性染料、油溶性染
料、分散染料)などがあげられる。樹脂として、例え
ば、塩素化ポリプロピレン、アクリル樹脂、石油樹脂、
ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リウレタン樹脂、ゴム系樹脂などがあげられる。溶剤と
しては有機溶剤や水などが使用できる。
【0046】これらのインキ及び着色塗料として、蒸発
乾燥型、反応硬化型、酸化重合型、熱硬化型、1液硬化
型、多液硬化型、紫外線硬化型などから選ばれるものが
好適である。
【0047】プラスチックフィルムへの印刷は既知の方
法により行うことができる。印刷する版としては凸版、
平版、凹版、孔版などが使用でき、印刷方式として、平
版印刷、凸版印刷、凹版印刷、スクリ−ン印刷、フレキ
ソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、電子写真法、
熱転写法、インクジェット法、マグネトグラフィ−、電
子プリンタ−、じか刷り、ダイリソ、ディップス、デル
ファイ、両面印刷などがある。さらに、ハ−フト−ン印
刷、写真印刷、多重印刷などにより、立体感、高級感の
ある模様に印刷したものも適用できる。また、プラスチ
ックフィルムに塗料を塗布して模様を形成する方法は、
例えば、はけ塗り、スプレ−塗装、エアレス塗装、静電
塗装などによっても行なうことができる。
【0048】プラスチックフィルムへの印刷及び塗装
は、該フィルムの表面及び裏面のいずれか又は両方に行
なうことができ、特に、裏面(金属板側)に印刷又は塗
装するとフィルムを透して模様を見るので、無色透明又
は有色透明のプラスチックフィルムを使用することが好
ましい。
【0049】プラスチックフィルムとして、ソリッドカ
ラ−調、メタリック調、光干渉調などに着色又は文字等
を付与したプラスチックフィルム(a)を下層に、無色
透明又は着色透明のプラスチックフィルム(b)を上層
になるようにそれぞれ1枚又は2枚以上を重ね合わせた
積層フィルムを使用することも可能である。この場合、
フィルム(a)として比較的軟質で光線を殆ど又は全く
透過せず、フィルム(b)として光を透過し、耐候性、
耐酸性などのすぐれているものをそれぞれ選択し、積層
することが好ましい。特にフィルム(b)として、隠蔽
膜厚が100μm以上に着色した透明フィルムを使用す
ると、下層のフィルム(a)の色調と重なりあって色彩
的意匠性が向上するのでより好ましい。
【0050】フィルム(a)及び(又は)フィルム
(b)の被接着面にあらかじめ、ゴム系、アクリル樹脂
系、シリコーン樹脂系、ビニル樹脂系などの接着剤を塗
布しておくことが好ましい。フィルム(a)とフィルム
(b)とを重ねた積層フィルムでのそれぞれの厚さは、
前者が5〜40μm、特に10〜30μm、後者は10
〜200μm、特に20〜100μmの範囲内が適して
いる。そして、複層フィルムとしての厚さは15〜24
0μm、特に20〜130μmの範囲が適してしる。
【0051】中塗り塗装を行なった成型加工後の金属製
素材へのプラスチックフィルムの貼着は、それ自体既知
の方法によって行なうことができる。具体的には、フィ
ルム及び(又は)金属素材を加熱して活性化させるか又
は有機溶剤を塗布して湿潤させてから、真空圧着方式又
は加圧接着方式などに貼着する方法があげられる。
【0052】真空圧着方式は、プラスチックフィルム及
び(又は)金属素材に接着剤を塗布し、乾燥させてか
ら、フィルムをその軟化点以上に加熱して軟化させ、密
閉された雰囲気中で空気を排気させながら減圧すること
により金属素材に貼着させることによって行われる。フ
ィルムの貼着にあたり、操作を簡素化するために、フィ
ルムの片面に塗布した接着剤面に離型紙を貼っておき、
他方のフイルム面にアプリケーションフィルムを貼って
おくことが好ましい。具体的には、離型紙及びアプリケ
ーションフィルムを貼着したプラスチックフィルムを、
貼着する部分の大きさ、形状にに基いて所定の大きさに
裁断してから、離型紙を剥がし、目的とする部分に貼着
する。その際、空気が巻き込まれないように、シワが生
じないようにすることが好ましい。貼着後、アプリケー
ションフィルムを剥がすことにより貼着作業が完了す
る。
【0053】又、金属素材に形成した中塗り塗面に上記
のフィルム(a)及び(又は)フィルム(b)を積層せ
しめる方法として、最初に電着塗面に上記のフィルム
(a)を貼着してから、ついでフィルム(b)を貼着す
る、あらかじめフィルム(a)とフィルム(b)とを積
層しておき、それを中塗り塗面に貼着するなどがあり、
後者の方法が特に好ましい。
【0054】中塗り塗面にフィルム(a)を貼着させる
ための接着剤としては、例えば、ゴム系、アクリル樹脂
系、シリコーン樹脂系、ビニル樹脂系などが使用でき、
さらに、熱硬化性のアクリル樹脂、アミノプラスト樹
脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリシロキサン
樹脂などから選ばれた接着剤なども使用可能である。接
着剤は電着塗膜面及びプラスチックフィルムのいずれか
又は両面に塗装することができ、この塗装は、ロールコ
ータ塗装、カーテンフローコータ塗装、浸漬塗装、スプ
レー塗装、静電塗装などで行なうことができ、その膜厚
は、揮発性成分を揮散させた後の塗膜を基準にして、通
常1〜20μm、特に3〜15μmの範囲内が好まし
い。
【0055】本方法1は、自動車車体の少なくとも一部
に、被覆金属製素材(1)を使用してなることを特徴と
する自動車車体の被覆仕上げ方法に関するものであり、
この方法によって形成されたシェルボデ−の外側の少な
くとも一部は1層又は複数のプラスチックフィルムで被
覆されており、さらに、その裏面側は中塗り塗膜及び/
又はプラスチックフィルムで被覆されていることが好ま
しいが、電着塗膜が露出していることもある。
【0056】本方法1は、自動車車体の少なくとも一部
に、被覆金属製素材(1)を使用してなることを特徴と
する自動車車体の被覆仕上げ方法に関するものである。
【0057】例えば、乗用車や軽自動車などの自動車車
体のうち、特に、エンジンや足まわりなどのぎ装品が装
着されていない主として板状の金属製素材で形成されて
いるシェルボデ−において、このものは、アンダボデ
−、サイドメンバ、ル−フ、カウル、アッパバック、ロ
アバックなどから構成されるメインボデ−と、フ−ド、
フロントバランス、フロントフェンダ、カウルル−バ、
ドア、ラッゲ−ジ(バックドア)などの外蓋物とから構
成されている。これらのメインボデー及び外蓋物を構成
する部品のうち、「外側相当部分」の一部分又はすべて
に被覆金属製素材(1)が使用されている。さらに好ま
しくは、フ−ド、フロントバランス、フロントフェン
ダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ(バックドア)な
どの外蓋物の一部又は全部にこの被覆金属製素材(1)
が使用されていることである。さらに好ましくは、これ
らに加えて、アンダボデ−、サイドメンバ、ル−フ、カ
ウル、アッパバック、ロアバックなどから構成されるメ
インボデ−の一部又はすべてにこの被覆金属製素材
(1)が使用されていることである。又、所望により、
それ以外の部分、例えば裏面側にもプアスチックフィル
ムが貼付されていることができる。
【0058】本方法2は、自動車車体の少なくとも一部
に、成型加工した金属製素材に電着塗料を塗装し、必要
に応じて少なくともその外側相当部分に中塗り塗料を塗
装した後、ついで少なくともその外側相当部分に上塗り
仕上り性を有するプラスチック着色フィルムを貼着し、
さらに高固形分型クリヤ塗料を塗装してなる被覆金属製
素材(2)を使用してなることを特徴とする自動車車体
の被覆仕上げ方法である。
【0059】本方法2における、成型加工した金属製素
材に電着塗料を塗装し、必要に応じて少なくともその外
側相当部分に中塗り塗料を塗装する方法、ついで少なく
ともその外側相当部分に上塗り仕上り性を有するプラス
チック着色フィルムを貼着する方法などは、上記の本方
法1で説明したのと同様な方法で行なうことができる。
【0060】本方法2では、本方法1により形成される
プラスチック着色フィルムの表面に、高固形分型クリヤ
塗料を塗装することを特徴とする。この高固形分型上塗
り塗料を塗装することにより、複層皮膜の仕上り外観
(平滑性、鮮映性、ツヤ感など)を一層向上させること
ができる。この高固形分型クリヤ塗料による形成塗膜は
原則的に無色透明であるが、隠蔽膜厚が100μm以上
に着色すると、下層のプラスチック着色フィルムの色調
と重なりあって色彩的意匠性が向上するのでより好まし
い。
【0061】高固形分型上塗り塗料は、塗装時における
固形分含有率が80重量%以上、特に85〜98重量%
の液状塗料であり、具体的には、下記に例示する塗料が
好適に使用することができる。
【0062】(1):(a)重量平均分子量が1000
以下、水酸基価が200〜800の水酸基含有化合物及
び(b)ポリイソシアネート化合物を含有し、かつこの
両成分の比率がNCO/OHのモル比で0.5/1〜
2.0/1である高固形分塗料組成物であり、このもの
は、塗料粘度が低く、かつ仕上がり外観、塗膜硬度、耐
酸性雨及び耐スリキズ性のすぐれた塗膜を形成する。
【0063】(a)成分としては、カルボキシル基含有
化合物とエポキシ基含有化合物との開環エステル化反応
生成物を使用することが好ましく、水酸基はエポキシ基
の開環により生成する水酸基と、他の方法により導入さ
れる水酸基があげられる。(a)成分の重量平均分子量
が1000以下、特に300〜700、水酸基価が20
0〜800、特に300〜600が好ましく、1分子あ
たり2個以上の水酸基を有する。
【0064】カルボキシル基含有化合物は、1分子中に
1個又は2個以上のカルボキシル基を有する化合物であ
り、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、2−エチルヘ
キサン酸、オクタン酸、ドデカン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸、ピバル酸、バーサチック酸、
安息香酸などのモノカルボン酸;コハク酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラ
ヒドロフタル酸、フタル酸、ブタントリカルボン酸、ブ
タンテトラカルボン酸、無水トリメリット酸などのポリ
カルボン酸;グリコール酸、乳酸、りんご酸、クエン
酸、酒石酸、ヒドロキシピバル酸、ジメチロールプロピ
オン酸、ジメチロールブタン酸、グルコン酸などのオキ
シ酸などがあげられ、これらの無水物も適用できる。ま
た、あらかじめこれらの無水物とグリコール類を反応せ
しめたものを利用できる。この具体例としては、トリメ
チロールプロパンとヘキサヒドロ無水フタル酸との反応
物やトリメチロールプロパンと無水コハク酸との反応物
などがあげられる。これらのうち、水酸基及びカルボキ
シル基を併存するオキシ酸や無水物とグリコールとの反
応物を使用することにより、多数の水酸基を導入するこ
とができるので好ましい。エポキシ基含有化合物は、1
分子中に1個又は2個以上のエポキシ基を有する化合物で
あり、下記の化合物が例示できる。
【0065】イ)グリシドール。2,3−エポキシ−1
−プロパノールであり、アリルアルコールと安息香酸又
はタングステン酸と過酸化水素の反応により得られる。
【0066】ロ)水酸基含有化合物とエピハロヒドリン
とのエーテル化反応により得られるエポキシ基含有化合
物。
【0067】水酸基含有化合物として、例えば、フェノ
ール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノー
ルノボラック樹脂、オルソクレゾールノボラック樹脂、
これらの臭化物などの芳香族系水酸基含有化合物;水素
化ビスフェノールAなどの脂環族系水酸基含有化合物;
メタノール、エタノールなどの炭素数が1〜20の脂肪
族系モノアルコール;エチレングリコール、プロピレン
グリコール、へキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリット、ジペンタエリスリ
ットなどの炭素数が2〜20の脂肪族系ポリオールなど
があげられる。エピハロヒドリンとしてはエピクロルヒ
ドリンが好適に使用できる。水酸基含有化合物とエピハ
ロヒドリンとのエーテル化反応は既知の方法で行うこと
ができる。ロ)成分に相当する市販品として、長瀬産業
社製、「デナコールEX−313」、「デナコールEX
−321」、「デナコールEX−421」、「デナコー
ルEX−611」(いずれも商品名)などがあげられ
る。
【0068】ハ)カルボキシル基含有化合物とエピハロ
ヒドリンとのエステル化反応により得られるエポキシ基
含有化合物。カルボキシル基含有化合物及びエピハロヒ
ドリンとしては、例えば、上記に例示したカルボキシル
基含有化合物及びエピハロヒドリンが好適に使用でき
る。カルボキシル基含有化合物とエピハロヒドリンとの
エステル化反応は既知の方法で行うことができる。かか
るハ)成分に相当する市販品として、「カージュラE1
0」(油化シェルエポキシ社製、商品名)、「グリデッ
クスN10」(エクソン社製、商品名)、「アラルダイ
トPT910」(チバガイギー社製、商品名)などがあ
げられる。
【0069】ニ)不飽和基と過酸化物の反応により得ら
れるエポキシ基含有化合物。
【0070】該当する市販品としてダイセル化学社製、
「セロキサイド2021」、「セロキサイド3000」(いずれ
も商品名)などがあげられる。
【0071】(b)成分のポリイソシアネ−ト化合物
は、1分子中に2個以上の遊離のイソシアネ−ト基(非
ブロック)を有する化合物であり、数平均分子量は、2
000以下、特に200〜1000の範囲内が好まし
い。例えば、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ダイマ−酸ジイ
ソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−トなどの脂肪族ポ
リイソシアネ−ト類;水素添加キシリレンジイソシアネ
−ト、シクロヘキシレンジイソシアネ−ト、メチレンビ
ス(シクロヘキシルイソシアネ−ト)、イソホロンジイ
ソシアネ−トなどの脂環式ポリイソシアネ−ト類;トリ
レンジイソシアネ−ト、フェニレンジイソシアネ−ト、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、キシリ
レンジイソシアネ−ト、テトラメチルキシリレンジイソ
シアネ−ト、ナフタレンジイソシアネ−トなどの芳香族
ポリイソシアネ−ト類;2−イソシアナトエチル−2,
6−ジイソシアナトカプロエ−ト、3−イソシアナトメ
チル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、4−
イソシアナトメチル−1,8−オクタメチレンジイソシ
アネ−ト(通称、トリアミノノナントリイソシアネ−
ト)などの3価以上の有機ポリイソシアネ−ト化合物;
これらの1分子中に2個以上のイソシアネ−ト基を有す
るポリイソシアネ−ト化合物の2量体又は3量体;これ
らの1分子中に2個以上のイソシアネ−ト基を有するポ
リイソシアネ−ト化合物と多価アルコ−ル、低分子量ポ
リエステル樹脂又は水などとイソシアネ−ト基過剰の条
件でウレタン化反応させてなるプレポリマ−などがあげ
られる。(b)成分おいて、これらの非ブロックのポリ
イソシアネ−ト化合物と共に、イソシアネ−ト基がブロ
ックされたブロックポリイソシアネ−ト化合物を併用す
ることができる。ブロックポリイソシアネ−ト化合物
は、ポリイソシアネ−ト化合物のイソシアネ−ト基をブ
ロック剤で封鎖した化合物である。ブロック剤として、
例えば、フェノ−ル類、オキシム類、ラクタム類、アル
コ−ル類、メルカプタン類、マロン酸ジエチル等の活性
メチレン化合物などがあげられる。これらのブロックポ
リイソシアネ−ト化合物の比率は、非ブロックポリイソ
シアネ−ト化合物との合計量を基準に、50重量%以
下、特に30重量%以下の範囲が好ましい。
【0072】上記した(a)成分と(b)成分の比率
は、NCO/OHを基準に、モル比で、0.5/1〜
2.0/1、特に0.7/1〜1.5/1の範囲内が好
ましい。
【0073】高固形分型上塗り塗料(1)は、(a)成
分と(b)成分を上記した比率で有機溶剤に配合し、均
一に混合することにより調製することができる。
【0074】高固形分型上塗り塗料(1)には、これら
の(a)及び(b)成分に加えて、さらに(c)硬化触
媒、(d)レオロジーコントロール剤などから選ばれた
1種又は2種以上を含有せしめることも可能である。
【0075】(c)成分は、上記の(a)成分と(b)
成分による塗膜の架橋反応を促進するのに有用であり、
具体的には、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチル
ヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサ
ノエート)、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジ
ラウレート、ジブチル錫オキサイド、モノブチル錫トリ
オクテート、2−エチルヘキン酸鉛、オクチル酸亜鉛な
どの有機錫化合物をあげることができる。さらに、パラ
トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジ
ノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジス
ルホン酸、ブチルリン酸、オクチルリン酸などの酸、こ
れらの酸のアミン中和物などが好適である。(C)硬化
触媒の使用量は、使用目的により任意に選択できるが、
(a)成分及び(b)成分との合計100重量部あた
り、0.005〜5重量部、特に0.01〜3重量部の
範囲内が適している。
【0076】(d)成分を配合することによって高固形
分型上塗り塗料(1)にチキソトロピー性を付与するこ
とができ、これにより、スプレー塗装時などの高剪断応
力が加わるような場合には、十分に粘度が下がって容易
にスプレー塗装作業を行うことができるようになり、一
方、被塗面に塗着してからの低剪断応力が加わるような
場合には、見かけ上の粘度を高くすることが可能とな
る。その結果、垂直の被塗面に塗装する場合や、その部
分へ塗装後の焼き付け時においてタレ、ハジキ等の塗膜
欠陥の発生を防止することができ、仕上り外観の良好な
塗膜を形成できるという効果が得られる。このようなレ
オロジーコントロール剤として、架橋重合体微粒子やポ
リウレア化合物などがあげられる。
【0077】(d)成分は、上記の(a)及び(b)成
分や有機溶剤などに殆ど又は全く溶解せず、しかも高固
形分型上塗り塗料(1)中に安定に分散しうる内部架橋
された粒子状重合体である。
【0078】(d)成分の具体例としては、水性エマル
ジョンないしは水性サスペンジョン重合法又は非水分散
重合方法によって得られる公知の分子内架橋された微粒
子状重合体が使用可能である。このうち水性エマルジョ
ンないしは水性サスペンジョン重合法によって得られる
分子内架橋構造を有する微粒子状重合体は、水の蒸発も
しくは共沸又は重合体(粒子)の沈殿もしくは凝集等
の、物理的ないしは化学的手段によって、固形物の形で
分離せしめることもできるし、あるいは、物理的ないし
は化学的手段を施すに際して、目的とする架橋重合体微
粒子の媒体を、直接、水から他の樹脂や有機溶剤等に置
き換えることもできる。
【0079】(d)成分として、特開平3−66770
号公報に開示されているような分子内に少なくとも2個
のラジカル重合可能な不飽和基を有する重合性モノマー
及びその他のラジカル重合性不飽和モノマーを分子内に
アリル基を含有する反応性乳化剤の存在下で乳化重合せ
しめて得られる架橋重合体微粒子を好適に使用できる。
この場合には、分子内に少なくとも2個のラジカル重合
可能な不飽和基を有する重合性モノマーにより重合体微
粒子が内部架橋されている。
【0080】また、(d)成分として、ポリ(12−ヒ
ドロキシステアリン酸)の分子鎖を有し、かつ重合性不
飽和二重結合を1分子あたり平均約1個以上有するマク
ロモノマー(イ)と、エチレン性不飽和単量体の共重合
体であって、溶解性パラメータ(SP値)が7.5〜
9.2であり、かつ1分子あたり平均して約1.0〜約
1.5個の重合性不飽和二重結合を有するマクロモノマ
ー(ロ)との混合物の存在下に、相互に反応して結合す
ることができる相補的官能基をそれぞれ有する少なくと
も2種のビニル系単量体を少なくとも0.5重量%含有
するビニル系単量体混合物を、マクロモノマー(イ)、
マクロモノマー(ロ)及び該ビニル系単量体は溶解する
が、該ビニル単量体の重合体は実質的に溶解しない有機
溶媒中で共重合および架橋反応させてなるゲル重合体微
粒子の分散液を使用することができる。該架橋重合体微
粒子自体は既知のものであって、特公平6−70110
号公報に詳細に開示されている。マクロモノマー(イ)
は、ポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)の末端カル
ボキシル基にエポキシ基含有重合性不飽和不飽和化合物
を付加してなる重合性不飽和基含有反応生成物を、エポ
キシ基を有する重合性モノマーを含有する重合性不飽和
モノマー混合物とグラフト共重合又はブロック共重合さ
せて得られる懸垂エポキシ基含有共重合体に重合性不飽
和カルボン酸を付加させて得られる、1分子中に約1〜
約10個の重合性不飽和二重結合を有するマクロモノマ
ーが好適である。特に、マクロモノマー(イ)は、ポリ
(12−ヒドロキシステアリン酸)の末端カルボキシル
基にエポキシ基含有重合性不飽和不飽和化合物を付加し
てなる1分子中に1個の重合性不飽和二重結合を有する
マクロモノマーが好適である。マクロモノマー(ロ)が
数平均分子量3000〜20000、水酸基価45〜1
50であることが好ましい。相補的官能基の組み合わせ
が、例えば、エポキシ基/カルボキシル基、アルコキシ
シリル基/水酸基、エポキシ基/りん酸基、イソシアネ
ート基/水酸基などがあげられる。
【0081】これらの(d)成分は、架橋密度が高く、
トルエンや酢酸エチルなどのポリマー溶解力の大きい有
機溶剤中においても、実質的に、非膨潤性でかつ非融着
性であり、しかも有機溶剤を含む本組成物に添加する
と、本組成物の粘度を殆ど上昇させることなく、樹脂含
有率の高い、つまり高固形分の溶液(分散液)を得るこ
とができる。また、架橋重合体微粒子を配合した本組成
物は、微粒子とバインダー樹脂とが共に硬化塗膜を形成
する。架橋重合体微粒子の平均粒子径は0.01〜2μ
m程度、特に0.05〜0.5の範囲内が適しており、
粒径がこの範囲内にあると塗膜のタレ防止効果及び塗膜
の仕上り外観が優れている。
【0082】さらに、(d)成分として、3〜20個の
炭素原子を有するジイソシアネ−ト化合物から得られる
イソシアヌレ−ト3量体と1個以上の1級アミノ基を有す
るアミン化合物との反応生成物からなる固体粒子状のポ
リウレア化合物も使用することができる(特公平7−8
1099号公報)。イソシアヌレ−ト3量体は、3〜2
0個、好ましくは5〜14個、さらに好ましくは8〜1
2個の炭素原子を有するジイソシアネート、特に好適に
はヘキサメチレンジイソシアネートから作られることが
好ましい。好適なジイソシアネートの例としては、メチ
レンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネー
ト、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、ω,ω゜ジプロピルエーテルジイソ
シアネート、チオジプロピルジイソシアネート、シクロ
ヘキシル−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシ
ルメタン−4,4゜−ジイソシアネート、1,5−ジメ
チルー2,4−ビス(イソシアナトメチル)−ベンゼ
ン、1,5−ジメチルー2,4−ビス(ω−イソシアナ
トエチル)―ベンゼン、1,3,5−トリメチルー2,
4−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3,5
−トリエチルー2,4−ビス(イソシアナトメチル)ベ
ンゼン、バイエル社のデスモジュール(Desmodu
r)TTの商標で販売されている複素環ジイソシアネー
ト、ジシクロヘキシルジメチルメタン−4,4‘−ジイ
ソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、
2,6−トルエンジイソシアネート及びジフェニルメタ
ン−4,4‘−ジイソシアネートなどがあげられる。所
望により、2種又は3種類の異なったジイソシアネート
の複素環3量体を使用してもよい。また、上記複素環ト
リイソシアネートの混合物を使用することもできる。
【0083】ポリウレア化合物を作るのに使用する第2
成分である好適な第1級アミンの例としては、ベンジル
アミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、sec−
プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルア
ミン、tert−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、
α−メチルブチルアミン、α−エチルプロピルアミン、
β−エチルブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルア
ミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシ
ルアミン、アニリン及びヘキサメチレンジアミンなどが
あげられる。これらの第1級アミンは一般に55個以下
の炭素原子、好ましくは1〜24個、さらに好ましくは
1〜12個の炭素原子を含んでいる。1個以上の1級ア
ミノ基及び1個以上のエーテル及び/又はヒドロキシル
基を有するアミンも使用することができる。例えば、エ
タノールアミン、6−アミノヘキサノール、p−メトキ
シベンジルアミン、メトキシプロピルアミン、3,4−
ジメトキシフェニルエチルアミン、2,5−ジメトキシ
アニリン、フルフリルアミン、テトラヒドロフルフリル
アミン、ビス(3−アミノプロピル)ポリテトラヒドロ
フラン(約750の分子量を有するもの)があげられ
る。上記アミンの混合物も使用できる。
【0084】ポリウレア化合物を作るための複素環トリ
イソシアネートと第1級アミンとの反応においては一般
に複素環トリイソシアネート又は第1級アミンの一方を
化学量論量より過剰に使用することができる。例えば、
第1級アミンのアミノ基数対複素環トリイソシアネート
基数の比は0.7から1.5、好ましくは0.9〜1.
1とすることができる。
【0085】複素環トリイソシアネートと第1級アミン
との反応は、一般に、反応成分を混合し、必要により温
度を高めて任意の選ばれた方法で実施することができ
る。この反応は10℃〜150℃の温度、さらに好まし
くは20℃〜80℃の温度で行うことが好ましい。一般
に、反応成分は任意の選ばれた方法で混合することがで
きるが、第1級アミンに複素環トリイソシアネートを加
えることが望ましく、必要により数段階に分けてもよ
い。一般にこの反応は溶剤、例えば、アセトン、メチル
イソブチルケトン、1―メトキシープロパノールー2、
ベンゼン、トルエン、キシレン、又は石油エーテルのよ
うな脂肪族炭化水素の存在下で行われる。
【0086】(d)成分の配合量は、(a)及び(b)
成分の合計100重量部あたり、1〜20重量部、特に
2〜10重量部の範囲内が適している。
【0087】高固形分型上塗り塗料(1)は、上記の
(a)成分及び(b)成分を必須成分とし、さらに必要
に応じて(c)硬化触媒、(d)レオロジーコントロー
ル剤などから選ばれた1種又は2種以上を含有せしめる
ことができ、これに加えて、さらにソリッドカラー顔
料、メタリック顔料、光干渉顔料などを該塗膜の透明性
を阻害しない程度に配合することができ、さらに体質顔
料、紫外線吸収剤、光安定剤、沈降防止剤、塗面調整
剤、その他塗料用添加剤などを含有せしめることも可能
であり、これらの成分を有機溶剤に均一に混合すること
により本組成物が得られる。
【0088】高固形分型上塗り塗料(1)は、有機溶剤
型の高固形分塗料組成物として使用され、有機溶剤とし
ては、各種塗料用有機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族
炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、
ケトン系溶剤、エーテル系溶剤等が使用でき、固形分濃
度は、塗装時において、80重量%以上の高固形分であ
り、好ましくは85〜98重量%である。
【0089】高固形分型上塗り塗料(1)は、塗装時の
固形分濃度が80重量%以上であっても塗装可能な低粘
度であるため、エアレススプレー、エアスプレー、回転
霧化式塗装法などによって容易に塗装することができ
る。これらの塗装は静電を印加して行ってもよい。これ
らの塗装方法による微粒化に優れており、平滑性、鮮映
性、肉持感に優れた塗膜を形成することができる。
【0090】高固形分型上塗り塗料(2):(a)カル
ボキシル基含有化合物とエポキシ基含有化合物との反応
生成物であり、かつ重量平均分子量が1000以下で、
水酸基価が200〜800である水酸基含有化合物、
(b)ポリイソシアネート化合物及び(e)メラミン樹
脂を含有し、さらに必要に応じて上記高固形分型上塗り
塗料(1)で例示した(c)硬化触媒及び(又は)
(d)レオロジーコントロール剤を含有せしめてなる高
固形分塗料組成物。
【0091】高固形分型上塗り塗料(2)は、塗料の粘
度が低くかつ仕上がり外観、塗膜硬度、耐酸性雨及び耐
スリキズ性のすぐれた塗膜を形成する高固形分塗料組成
物である。このうち(a)及び(b)成分は、上記高固
形分型上塗り塗料(1)で例示した(a)成分及び
(b)成分が好適に使用できる。
【0092】(e)メラミン樹脂は、(b)成分と共に
架橋剤として使用するものであり、メラミン分子中のア
ミノ基(−NH)の一部又はすべてにアルデヒドを反
応させて得られるメチロール化メラミン樹脂(その分子
中にイミノ基>NHを含有するものも含む)があげられ
る。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホル
ムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒドな
どが使用できる。また、このメチロール化メラミン樹脂
のメチロール基の一部又はすべてにアルコ−ルをエ−テ
ル化反応したアルキルエーテル化メラミン樹脂(その分
子中にイミノ基>NHを含有するものも含む)もメラミ
ン樹脂として使用できる。エ−テル化に用いられるアル
コ−ルとしては、例えば、メチルアルコ−ル、エチルア
ルコ−ル、n−プロピルアルコ−ル、i−プロピルアル
コ−ル、n−ブチルアルコ−ル、i−ブチルアルコ−
ル、2−エチルブタノ−ル、2−エチルヘキサノ−ルな
どの炭素数が1〜10の1価アルコ−ルがあげられる。
(e)成分の数平均分子量は150〜3000の範囲内
であることが好ましい。このうち、イミノ基を含有する
メラミン樹脂を使用すると塗膜の耐候性、特に光沢保持
性を改良することができるのでより好ましい。
【0093】高固形分型上塗り塗料(2)は、上記した
(a)成分、(b)成分及び(e)成分を含有してお
り、これらの各成分の比率は、例えば、(a)成分、
(b)成分及び(e)成分の合計固形分量を基準に、
(a)成分:10〜60重量%、特に20〜45重量
%、(b)成分:30〜70重量%、特に35〜60重
量%、(e)成分:3〜40重量%、特に5〜30重量
%の範囲内が適しており、これらの各成分を有機溶剤に
配合し、均一に混合することにより調製することができ
る。
【0094】高固形分型上塗り塗料(2)は、これらの
(a)、(b)及び(e)成分に加えて、さらに(c)
硬化触媒及び(又は)(d)レオロジーコントロール剤
を含有せしめることも可能である。(c)成分の使用量
は、(a)、(b)及び(e)成分の合計100重量部
あたり、0.005〜5重量部、特に0.01〜3重量
部の範囲内が適している。(d)成分の配合量は、固形
分比で、(a)、(b)及び(e)成分の合計100重
量部あたり、1〜20重量部、特に2〜10重量部の範
囲内が適している。
【0095】高固形分型上塗り塗料(2)は、(a)、
(b)及び(e)成分に加えて、さらに必要に応じて
(c)成分及び(又は)(d)成分を含有せしめること
も可能であり、さらにソリッドカラー顔料、メタリック
顔料、光干渉顔料などを該塗膜の透明性を阻害しない程
度に配合することができ、また、体質顔料、紫外線吸収
剤、光安定剤、沈降防止剤、塗面調整剤、その他塗料用
添加剤などを含有せしめることも可能であり、これらの
成分を有機溶剤に均一に混合することにより高固形分型
上塗り塗料(2)が得られる。
【0096】高固形分型上塗り塗料(2)は、有機溶剤
型の高固形分塗料組成物として使用され、有機溶剤とし
ては、各種塗料用有機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族
炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、
ケトン系溶剤、エーテル系溶剤等が使用でき、固形分濃
度は、塗装時において、80重量%以上の高固形分であ
り、好ましくは85〜98重量%である。
【0097】高固形分型上塗り塗料(2)は、塗装時の
固形分濃度が80重量%以上であっても塗装可能な適正
粘度であるため、エアレススプレー、エアスプレー、回
転霧化式塗装法などによって容易に塗装することができ
る。これらの塗装は静電を印加して行ってもよく、塗装
方法による微粒化に優れており、平滑性、鮮映性、肉持
感に優れた塗膜を形成することができる。
【0098】高固形分型上塗り塗料(3):(a)カル
ボキシル基含有化合物とエポキシ基含有化合物との反応
生成物であり、かつ重量平均分子量が1000以下で、
水酸基価が200〜800である水酸基含有化合物、
(b)ポリイソシアネート化合物、(e)メラミン樹脂
及び(f)重量平均分子量が500〜6000、かつ水
酸基価が50〜600の水酸基含有樹脂を含有し、さら
に必要に応じて上記高固形分型上塗り塗料(1)で例示
した(c)硬化触媒及び(又は)(d)レオロジーコン
トロール剤を含有せしめてなる高固形分塗料組成物であ
り、塗料の粘度が低くかつ仕上がり外観、塗膜硬度、耐
酸性雨及び耐スリキズ性のすぐれた塗膜を形成すること
ができる。これらの成分のうち、(a)成分、(b)成
分及び(e)成分については、高固形分型上塗り塗料
(1)及び(2)で例示したものが好適に使用すること
ができる。
【0099】(f)成分:重量平均分子量が500〜6
000、水酸基価が50〜600の水酸基含有樹脂であ
って、特に、重量平均分子量及び水酸基価がこのような
範囲内に含まれるポリエステル樹脂、アクリル樹脂など
が特に好適であり、上記の(a)成分は含まれない。
【0100】水酸基含有ポリエステル樹脂は、多塩基酸
のカルボキシル基と多価アルコ−ルの水酸基とをエステ
ル化反応させることによって製造することができる。多
塩基酸は1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化
合物であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、
ヘット酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸及びこれらの無水物などがあ
げられる。多価アルコ−ルは1分子中に2個以上の水酸
基を有する化合物であり、例えば、エチレングリコ−
ル、1,2−プロピレングリコ−ル、1,2−ブチレン
グリコ−ル、2,3−ブチレングリコ−ル、1,2−ヘ
キサンジオール、1,2−ジヒドロキシシクロヘキサ
ン、3−エトキシプロパン−1,2−ジオール、3−フ
ェノキシプロパン−1,2−ジオ−ルなどのα−グリコ
−ル;ネオペンチルグリコ−ル、2−メチル−1,3−
プロパンジオ−ル、2−メチル−2,4−ペンタンジオ
−ル、3−メチル−1,3−ブタンジオ−ル、2−エチ
ル−1,3−ヘキサンジオ−ル、2,2−ジエチル−
1,3−プロパンジオ−ル、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオ−ル、2−ブチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオ−ル、2−フェノキシプロパン−
1,3−ジオ−ル、2−メチル−2−フェニルプロパン
−1,3−ジオ−ル、1,3−プロピレングリコ−ル、
1,3−ブチレングリコ−ル、2−エチル−1,3―オ
クタンジオ−ル、1,3−ジドロキシシクロヘキサン、
1,4−ブタンジオ−ル、1,4−ジヒドロキシシクロ
ヘキサン、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオ−ル、2,5−ヘキサンジオ−ル、3−メチル−
1,5−ペンタンジオ−ル、1,4−ジメチロ−ルシク
ロヘキサン、トリシクロデカンジメタノ−ル、2,2−
ジメチルー3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル
−3−ヒドロキシプロピオネ−ト(これは、ヒドロキシ
ピバリン酸とネオペンチルグリコールとのエステル化物
である)、ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルF、ビス
(4−ヒドロキシヘキシル)−2,2−プロパン、ビス
(4−ヒドロキシヘキシル)メタン、3,9−ビス
(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ン、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、
グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエ
リスリト−ル、ジペンタエリスリト−ル、ソルビト−
ル、マンニット、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−
ルプロパン、ジトリメチロ−ルプロパン、トリス(2−
ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−トなどがあげられ
る。
【0101】ポリエステル樹脂への水酸基の導入は、例
えば、1分子中に3個以上の水酸基を有する多価アルコ−
ルを併用することにより行なえる。
【0102】水酸基含有アクリル樹脂は、例えば、水酸
基含有重合性単量体及びアクリル系単量体を含有する重
合性単量体成分を通常の方法で共重合せしめることによ
って製造できる。
【0103】水酸基含有重合性単量体は1分子中に水酸
基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合
物であり、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
−ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレ−トなどの炭素数2〜2
0のグリコ−ルと(メタ)アクリル酸とのモノエステル
化物などがあげられる。また、アクリル系単量体は(メ
タ)アクリル酸と炭素数1〜22の1価アルコ−ルとの
モノエステル化物であり、例えばメチルアクリレ−ト、
メチルメタクリレ−ト、エチルアクリレ−ト、エチルメ
タクリレ−ト、プロピルアクリレ−ト、プロピルメタク
リレ−ト、ブチルアクリレ−ト、ブチルメタクリレ−
ト、ヘキシルアクリレ−ト、ヘキシルメタクリレ−ト、
オクチルアクリレ−ト、オクチルメタクリレ−ト、ラウ
リルアクリレ−ト、ラウリルメタクリレ−ト、2−エチ
ルヘキシルアクリレ−ト、2−エチルヘキシルメタクリ
レ−ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、イソボ
ルニル(メタ)アクリレ−トなどがあげられる。
【0104】水酸基含有アクリル樹脂の製造にあたり、
これらの水酸基含有重合性単量体及びアクリル系単量体
以外の、その他の重合性単量体を併用することができ
る。
【0105】その他の単量体として、例えば、メトキシ
ブチルアクリレ−ト、メトキシブチルメタクリレ−ト、
メトキシエチルアクリレ−ト、メトキシエチルメタクリ
レ−トなどの(メタ)アクリル酸と炭素数2〜18のア
ルコキシエステル;N,N−ジメチルアミノエチルアク
リレ−ト、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ−
ト、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレ−ト、N,
N−ジエチルアミノエチルメタクリレ−ト、N−t−ブ
チルアミノエチルアクリレ−ト、N−t−ブチルアミノ
エチルメタクリレ−ト、N,N−ジメチルアミノプロピ
ルアクリレ−ト、N,N−ジメチルアミノプロピルメタ
クリレ−トなどのアミノアクリル系単量体;アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、
N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミ
ド、N−エチルメタクリルアミド、N−ブチルアクリル
アミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ジメチルア
クリルアミド、N−ジメチルメタクリルアミドなどのア
クリルアミド系単量体;グリシジルアクリレ−ト、グリ
シジルメタクリレ−トなどのグリシジル基含有単量体;
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、
フマル酸、メサコン酸及びこれらの無水物やハ−フエス
テル化物などのカルボキシル基含有重合性単量体;スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロ
ニトリル、酢酸ビニル、「べオバ9」、「べオバ10」
(いずれも油化シェルエポキシ)、塩化ビニルなどがあ
げられる。
【0106】また、1分子中に2個以上の水酸基を有す
る多価アルコールとラクトン類とを開環エステル化反応
せしめてなる水酸基含有変性オリゴマーも水酸基含有樹
脂として適用できる。これらに該当する市販品として、
例えば、「TONE 0200 Polyol」、「T
ONE 0301 Polyol」、「TONE 03
05 Polyol」(これらは、いずれもユニオンカ
ーバイド社製、商品名)、「プラクセル205」、「プ
ラクセル303」、「プラクセル305」(これらは、
いずれもダイセル化学社製、商品名)などがあげられ
る。
【0107】(f)成分の重量平均分子量は500〜6
000、好ましくは1000〜5200、水酸基価は5
0〜600、好ましくは80〜200、そして酸価は1
5以下、特に4〜10の範囲内が適している。(f)成
分の重量平均分子量が500より小さくなると塗膜物性
が低下し、又6000より大きくなると高固形分化が困
難となり、又水酸基価が50より小さくなると塗膜の硬
化性が低下し、600より大きくなると他の成分との相
溶性が低下するので、いずれも好ましくない。
【0108】高固形分型上塗り塗料(3)は、上記した
(a)成分、(f)成分、(b)成分及び(e)成分を
含有しており、これらの各成分の比率は特に制限され
ず、目的に応じて任意に選択できるが、例えば、(a)
成分、(f)成分、(b)成分及び(e)成分の合計固
形分量を基準に、(a)成分:5〜50重量%、特に1
0〜40重量%、(f)成分:5〜50重量%、特に1
0〜40重量%、(b)成分:30〜70重量%、特に
40〜60重量%、(e)成分:3〜30重量%、特に
7〜25重量%の範囲内が適しており、これらの各成分
を有機溶剤に配合し、均一に混合することにより調製す
ることができる。
【0109】また、高固形分型上塗り塗料(3)には、
これらの(a)成分、(f)成分、(b)成分及び
(e)成分に加えて、さらに前記した(c)硬化触媒及
び(又は)(d)レオロジーコントロール剤を含有せし
めることも可能である。(c)成分量は(a)、
(f)、(b)及び(e)成分の合計100重量部あた
り、0.005〜5重量部、特に0.01〜3重量部の
範囲内が適している。(d)成分量は(a)、(f)、
(b)及び(e)成分の合計100重量部あたり、1〜
20重量部、特に2〜10重量部の範囲内が適してい
る。
【0110】高固形分型上塗り塗料(3)は、上記の
(a)、(f)、(b)及び(e)成分を必須成分と
し、さらに必要に応じて(c)及び(又は)(d)成分
を含有せしめることができ、これに加えて、さらにソリ
ッドカラー顔料、メタリック顔料、光干渉顔料などを該
塗膜の透明性を阻害しない程度に配合することができ、
また、体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、沈降防止
剤、塗面調整剤、その他塗料用添加剤などを含有せしめ
ることも可能であり、これらの成分を有機溶剤に均一に
混合することにより本組成物が得られる。
【0111】高固形分型上塗り塗料(3)は、有機溶剤
型の高固形分塗料組成物として使用され、有機溶剤とし
ては、各種塗料用有機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族
炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、
ケトン系溶剤、エーテル系溶剤等が使用でき、固形分濃
度は80重量%以上、好ましくは85〜98重量%であ
る。
【0112】高固形分型上塗り塗料(3)は、塗装時の
固形分濃度が80重量%以上であっても塗装可能な低粘
度であるため、エアレススプレー、エアスプレー、回転
霧化式塗装法などによって容易に塗装することができ
る。これらの塗装は静電を印加して行ってもよく、これ
らの塗装方法による微粒化に優れており、平滑性、鮮映
性、肉持感に優れた塗膜を形成することができる。
【0113】高固形分型上塗り塗料(4):(a)カル
ボキシル基含有化合物とエポキシ基含有化合物との反応
生成物であり、かつ重量平均分子量が1000以下で、
水酸基価が200〜800である化合物、(f)重量平
均分子量が500〜6000、かつ水酸基価が50〜6
00の水酸基含有樹脂、(b)ポリイソシアネート化合
物、(e)メラミン樹脂及び(g)アルコキシシリル基
含有化合物を含有することを特徴とする高固形分塗料組
成物であり、さらに必要に応じて前記の(c)硬化触媒
及び(又は)(d)レオロジーコントロール剤を含有せ
しめてなる高固形分塗料組成物であり、塗料の粘度が低
くかつ仕上がり外観、塗膜硬度、耐酸性雨及び耐スリキ
ズ性のすぐれた塗膜を形成する高固形分塗料組成物であ
る。
【0114】これらの成分のうち、(a)、(f)、
(b)及び(e)成分は上記の高固形分型上塗り塗料
(1)〜(3)で例示したものが好適に使用することが
できる。
【0115】(g)成分:1分子中に1個以上のアルコ
キシシリル基を有する化合物であり、以下に例示する化
合物が好適である。
【0116】1)ジメトキシジメチルシラン、ジメトキ
シジエチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエ
トキシジメチルシラン、トリメトキシメチルシラン、ト
リメトキシエチルシラン、トリメトキシプロピルシラ
ン、トリメトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジ
メトキシジエトシシランなどの非官能性アルコキシシラ
ン化合物、 2)γ―イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、
γ―イソシアナートプロピルメチルジメトキシシラン、
β―(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシランなどのシ
ランカップリング剤、 3)ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジ
エトキシシラン、γ―(メタ)アクリロイルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ―(メタ)アクリロイルオ
キシプロピルメチルジメトキシシラン、γ―(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ
―(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシ
ラン、β―(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメト
キシシラン、γ―(メタ)アクリロイルオキシブチルフ
ェニルジメトキシシランなどの重合性不飽和基含有アル
コキシシラン化合物、 4)上記1)の非官能性アルコキシシラン化合物、2)
のシランカップリング剤及び3)の重合性不飽和基含有
アルコキシシラン化合物から選ばれた1又は2種以上の
アルコキシシリル基含有化合物を部分縮合したシロキサ
ン結合含有アルコキシシラン化合物、 5)上記の1)〜4)のアルコキシシリル基含有化合物
から選ばれた1又は2種以上で変性されたアクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂な
ど、 6)上記3)の重合性不飽和基含有アルコキシシラン化
合物から選ばれた1又は2種以上、さらに必要に応じて
その他の重合性不飽和モノマーを併用してなる重合体な
ど。
【0117】これらの(g)成分の重量平均分子量は1
50〜50000、特に500〜10000の範囲内で
あることが好ましい。
【0118】高固形分型上塗り塗料(4)は、上記した
(a)カルボキシル基含有化合物とエポキシ基含有化合
物との反応生成物であり、かつ重量平均分子量が100
0以下で、水酸基価が200〜800である化合物、
(f)重量平均分子量が500〜6000、かつ水酸基
価が50〜600の水酸基含有樹脂、(b)ポリイソシ
アネート化合物、(e)メラミン樹脂及び(g)アルコ
キシシリル基含有化合物を含有しており、これらの各成
分の比率は特に制限されず、目的に応じて任意に選択で
きるが、例えば、(a)、(f)、(b)、(e)及び
(g)成分の合計固形分量を基準に、(a)成分:5〜
50重量%、特に10〜40重量%、(f)成分:5〜
50重量%、特に10〜40重量%、(b)成分:30
〜70重量%、特に40〜60重量%、(e)成分:3
〜30重量%、特に7〜25重量%、(g)成分1〜3
0重量%、特に3〜15重量%の範囲内が適しており、
これらの各成分を有機溶剤に配合し、均一に混合するこ
とにより本組成物を調製することができる。
【0119】また、高固形分型上塗り塗料(4)には、
これらの(a)、(f)、(b)、(e)及び(g)成
分に加えて、さらに前記した(c)硬化触媒及び(又
は)(d)レオロジーコントロール剤を含有せしめるこ
とも可能である。(c)成分の使用量は、(a)、
(f)、(b)、(e)及び(g)成分の合計100重
量部あたり、0.005〜5重量部、特に0.01〜3
重量部の範囲内が適している。(d)成分の配合量は、
(a)、(f)、(b)、(e)及び(g)成分の合計
100重量部あたり、1〜20重量部、特に2〜10重
量部の範囲内が適している。
【0120】高固形分型上塗り塗料(4)は、上記の
(a)、(f)、(b)、(e)及び(g)成分を必須
成分とし、さらに必要に応じて(c)成分及び(又は)
(d)成分を含有せしめることができ、これに加えて、
さらにソリッドカラー顔料、メタリック顔料及び光干渉
顔料を該塗膜の透明性を阻害しない程度に配合すること
ができ、また体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、沈降
防止剤、塗面調整剤、その他塗料用添加剤などを含有せ
しめることも可能であり、これらの成分を有機溶剤に均
一に混合することにより得られる。
【0121】高固形分型上塗り塗料(4)は、有機溶剤
型の高固形分塗料組成物として使用され、有機溶剤とし
ては、各種塗料用有機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族
炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、
ケトン系溶剤、エーテル系溶剤等が使用できる。高固形
分型上塗り塗料(4)の塗装時における固形分濃度は、
80重量%以上の高固形分であり、好ましくは85〜9
8重量%である。
【0122】高固形分型上塗り塗料(4)は、塗装時の
固形分濃度が80重量%以上であっても塗装可能な低粘
度であるため、エアレススプレー、エアスプレー、回転
霧化式塗装法などによって容易に塗装することができ
る。これらの塗装は静電を印加して行ってもよく、これ
らの塗装方法による微粒化に優れており、平滑性、鮮映
性、肉持感に優れた塗膜を形成することができる。
【0123】高固形分型上塗り塗料(5):(h)重量
平均分子量が1000以下、かつ水酸基価が200〜8
00の水酸基含有ラクトン変性オリゴマー:5〜30重
量%、(f)重量平均分子量が1000〜6000、か
つ水酸基価が50〜200の水酸基含有樹脂:5〜50
重量%、(b)ポリイソシアネート化合物:30〜70
重量%、(e)メラミン樹脂:3〜30重量%及び
(g)アルコキシシリル基含有化合物1〜30重量から
なる組成物を含有する高固形分塗料組成物であり、さら
に必要に応じて前記の(c)硬化触媒及び(又は)
(d)レオロジーコントロール剤を含有せしめることが
でき、このものは、塗料の粘度が低くかつ仕上がり外
観、塗膜硬度、耐酸性雨及び耐スリキズ性のすぐれた塗
膜を形成することができる。
【0124】これらの成分のうち、(f)、(b)、
(e)及び(g)成分などは上記の高固形分型上塗り塗
料(1)〜(4)で例示したものが好適に使用すること
ができる。
【0125】(h)成分:重量平均分子量が1000以
下、かつ水酸基価が200〜800の水酸基含有ラクト
ン変性オリゴマーであり、例えば、1分子中に2個以上の
水酸基を有する多価水酸基化合物とラクトン類とを開環
エステル化反応せしめることによって得ることができ
る。
【0126】多価水酸基化合物は、1分子中に2個以上の
水酸基を有する化合物であって、例えば、エチレングリ
コール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチ
レングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,2
−ヘキサンジオール、1,2−ジヒドロキシシクロヘキ
サン、ピナコール、長鎖アルキルモノエポキサイドの加
水分解物、脂肪族モノグリセリド[例えば、グリセリン
モノアセテ−ト(α体)、グリセリンモノステアレート
(α体)など]、3−エトキシプロパンー1,2−ジオ
ール、3−フェノキシプロパンー1,2−ジオ−ルなど
のα−グリコール;ネオペンチルグリコール、2−メチ
ル−1,3−プロパンジオ−ル、2−メチル−2,4−
ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオ−
ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−
ジエチル−1,3−プロパンジオ−ル、2,2,4−ト
リメチル−1,3−ペンタンジオール、2−ブチル−2
−エチル−1,3−プロパンジオール、2−フェノキシ
プロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−フェニ
ルプロパン−1,3−ジオ−ル、1,3−プロピレングリ
コ−ル、1,3−ブチレングリコ−ル、ジメチロ−ルプ
ロピン酸、ジメチロ−ルブタン酸、2−エチル−1,3
―オクタンジオール、1,3−ジドロキシシクロヘキサ
ン、脂肪族モノグリセリド(例えば、グリセリンモノア
セテ−ト(β体)及びグリセリンステアレ−ト(β体)
など)などのβ−グリコ−ルなどをあげることができ
る。
【0127】さらに、これらのα−グリコール及びβ−
グリコール以外に、1,4−ブタンジオ−ル、1,4−
ジヒドロキシシクロヘキサン、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオ
ール、3−メチルー1,5−ペンタンジオール、1,4
−ジメチロ−ルシクロヘキサン、トリシクロデカンジメ
タノ−ル、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル
ー2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネ−ト
(これは、ヒドロキシピバリン酸とネオペンチルグリコ
−ルとのエステル化物である)、ビスフェノ−ルA、ビ
スフェノ−ルF、ビス(4−ヒドロキシヘキシル)−
2,2−プロパン、ビス(4−ヒドロキシヘキシル)メ
タン、3,9−ビス(1,1−ジメチルー2−ヒドロキ
シエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン、ジエチレングリコ−ル、トリエ
チレングリコ−ル、テトラ以上のポリエチレングリコ−
ル、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを共
重合してなる両末端に水酸基を有する共重合体、両末端
基に水酸基を有する直鎖状ポリエステル、ポリカ−ボネ
−トジオ−ル、ジエポキシドのカルボン酸付加物なども
多価水酸基化合物として適用できる。
【0128】さらに、グリセリン、ジグリセリン、トリ
グリセリン、ペンタエリスリト−ル、ジペンタエリスリ
ト−ル、ソルビト−ル、マンニット、トリメチロ−ルエ
タン、トリメチロ−ルプロパン、ジトリメチロ−ルプロ
パン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−
ト、グルコン酸、3個以上の水酸基を含有するポリマ−
(3個以上の水酸基を有する例えばポリエステル樹脂、
ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ケトン樹脂、フェノ
−ル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル樹脂のケン化物であるポリビニルアルコ−ル、グルコ
−スなどの天然糖類など)なども多価水酸基化合物とし
て適用できる。
【0129】また、これらの多価水酸基化合物と多塩基
酸とを反応せしめてなる水酸基含有エステル化物又はポ
リエステル化物;エポキシ基含有化合物又は樹脂にカル
ボキシル基含有化合物をエステル反応させてなる生成
物;エポキシ基含有化合物又は樹脂に水酸基含有化合物
をエーテル反応させてなる生成物などのオリゴマ−も多
価水酸基化合物として適用できる。
【0130】これらの多価水酸基化合物と反応せしめる
ラクトン類は環内にエステル基(−CO−O−)を有す
る環状化合物であり、環の員数は3〜10、特に4〜7
の範囲内がこのましく、具体的には、例えば、β−プロ
ピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクト
ン、ε−カプロラクトン、エナントラクトン、3−メチ
ル−β−プロピオラクトン、3−メチル−γ−ブチロラ
クトン、3−メチル−δ−バレロラクトン、3−メチル
−ε−カプロラクトン、4−メチル−ε−カプロラクト
ン、3,3,5−トリメチル−ε−カプロラクトンなど
があげられ、特にε−カプロラクトン、3−メチル−ε
−カプロラクトン、4−メチル−ε−カプロラクトンな
どが好ましい。多価水酸基化合物とラクトン類との開環
エステル化反応は、それ自体既知の開環エステル化反応
により行なうことができる。例えば、反応温度は80〜
180℃の範囲内が適しており、この反応を促進するた
めに、テトラアルコキシチタン、有機スズ化合物等の有
機金属化合物、ルイス酸、プロトン酸などの触媒を使用
することができる、これらの触媒量は、多価水酸基化合
物とラクトン類との合計100重量部あたり、0.00
5〜3重量部が適している。
【0131】かかる(h)成分自体はすでに公知であ
り、市販品されており、例えば、「TONE 0200
Polyol」、「TONE 0301 Polyo
l」、「TONE 0305 Polyol」(これらは
いずれもユニオンカ−バイド社製、商品名)、「プラク
セル205」、「プラクセル303」、「プラクセル3
05」(これらはいずれもダイセル化学社製、商品名)
などがあげられる。
【0132】かかる(h)成分は、重量平均分子量は1
000以下、特に500〜1000、水酸基価は200
〜800、特に300〜600の範囲内に包含されてい
ることが好ましい。
【0133】高固形分型上塗り塗料(5)は、上記の
(h)成分、(f)成分、(b)成分、(e)成分及び
(g)成分を必須成分とし、さらに必要に応じて(c)
成分及び(又は)(d)成分を含有せしめることがで
き、これに加えて、さらにソリッドカラー顔料、メタリ
ック顔料、光干渉顔料、体質顔料、紫外線吸収剤、光安
定剤、沈降防止剤、塗面調整剤、その他塗料用添加剤な
どを含有せしめることも可能であり、これらの成分を有
機溶剤に均一に混合することにより得られる。
【0134】高固形分型上塗り塗料(5)における各成
分の構成比率は、固形分比で、(h)重量平均分子量が
1000以下、水酸基価が200〜800の水酸基含有
ラクトン変性オリゴマー:5〜30重量%、好ましくは
10〜25重量%、(f)重量平均分子量が1000〜
6000、水酸基価が50〜200の水酸基含有樹脂:
5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、(b)
ポリイソシアネート化合物:30〜70重量%、好まし
くは40〜60重量%、(e)メラミン樹脂:3〜30
重量%、好ましくは7〜25重量%及び(g)アルコキ
シシリル基含有化合物:1〜30重量%、好ましくは3
〜15重量%の範囲内が好ましい。でなる組成物を有機
溶剤に配合し、均一に混合することにより調製すること
ができる。また、(c)成分の使用量は、(h)成分、
(f)成分、(b)成分、(e)成分及び(g)成分の
合計固形分100重量部あたり、0.005〜5重量
部、特に0.01〜3重量部の範囲内が適している。
(d)成分の配合量は、(h)成分、(f)成分、
(b)成分、(e)成分及び(g)成分の合計固形分1
00重量部あたり、1〜20重量部、特に2〜10重量
部の範囲内が適している。
【0135】高固形分型上塗り塗料(5)は、有機溶剤
型の高固形分塗料組成物として使用され、有機溶剤とし
ては、各種塗料用有機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族
炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、
ケトン系溶剤、エーテル系溶剤等が使用でき、塗装時に
おける固形分濃度は80重量%以上、好ましくは85〜
98重量%である。高固形分型上塗り塗料(5)は、塗
装時の固形分濃度が80重量%以上であっても塗装可能
な低粘度であるため、エアレススプレー、エアスプレ
ー、回転霧化式塗装法などによって容易に塗装すること
ができる。これらの塗装は静電を印加して行ってもよ
く、これらの塗装方法による微粒化に優れており、平滑
性、鮮映性、肉持感に優れた塗膜を形成することができ
る。
【0136】高固形分型上塗り塗料(6):1分子中に
2個以上の重合性不飽和結合を有するアクリル樹脂、ポ
リエステル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素含有樹脂など
に、1分子中に1個以上の重合性不飽和単量体、例えば
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレ
ン、アクリロニトリルなどを主成分とする活性エネルギ
ー照射硬化型塗料。(H−6)は、有機溶剤は必須成分
ではないが、有機溶剤としては、例えば、芳香族又は脂
肪族炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶
剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤等が使用でき、塗装
時における固形分濃度は80重量%以上、好ましくは8
5〜100重量%である。
【0137】高固形分型上塗り塗料(7):上記高固形
分型上塗り塗料(6)の活性エネルギー照射硬化型塗料
に、水酸基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂、
ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂などの
基体樹脂とポリイソシアネート化合物、ブロックポリイ
ソシアネート化合物、メラミン樹脂などの架橋剤からな
る熱硬化性樹脂を混合してなる活性エネルギー及び加熱
により硬化することができる高固形分塗料組成物。
【0138】高固形分型上塗り塗料(7)は、有機溶剤
は必須成分ではないが、有機溶剤としては、例えば、芳
香族又は脂肪族炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エ
ステル系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤等が使用
でき、塗装時における固形分濃度は80重量%以上、好
ましくは85〜100重量%である。
【0139】本方法2において、プラスチック着色フィ
ルムの表面に、上記した高固形分型上塗り塗料を塗装す
ることにより、仕上り外観(平滑性、鮮映性、ツヤ感な
ど)を一層向上させることができる。
【0140】これらの高固形分型上塗り塗料は、プラス
チック着色フィルムを貼着してなる被覆自動車部品の外
側の表面に塗装することが好ましい。塗装はエアスプレ
ー、エアレススプレー、静電塗装などにより行なうこと
ができ、膜厚は5〜200μm、特に15〜150μm
の範囲が適しており、その塗膜は、紫外線照射、電子線
照射、又は100〜200℃で10〜40分程度加熱す
ることにより硬化させることができる。
【0141】本方法2は、自動車車体の少なくとも一部
に、被覆金属製素材(2)を使用してなることを特徴と
する自動車車体の被覆仕上げ方法に関するものであり、
この方法によって形成されたシェルボデ−の外側の少な
くとも一部は1層又は複数のプラスチックフィルム及び
高固形分型上塗り塗料塗膜で被覆されており、さらに、
その裏面側は中塗り塗膜及び/又はプラスチックフィル
ムで被覆されていることが好ましいが、電着塗膜が露出
していることもある。
【0142】本方法2は、自動車車体の少なくとも一部
に、被覆金属製素材(2)を使用してなることを特徴と
する自動車車体の被覆仕上げ方法に関するものである。
【0143】例えば、乗用車や軽自動車などの自動車車
体のうち、特に、エンジンや足まわりなどのぎ装品が装
着されていない主として板状の金属製素材で形成されて
いるシェルボデ−において、このものは、アンダボデ
−、サイドメンバ、ル−フ、カウル、アッパバック、ロ
アバックなどから構成されるメインボデ−と、フ−ド、
フロントバランス、フロントフェンダ、カウルル−バ、
ドア、ラッゲ−ジ(バックドア)などの外蓋物とから構
成されている。これらのメインボデー及び外蓋物を構成
する部品のうち、「外側相当部分」の一部分又はすべて
に被覆金属製素材(2)が使用されている。さらに好ま
しくは、フ−ド、フロントバランス、フロントフェン
ダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ(バックドア)な
どの外蓋物の一部又は全部にこの被覆金属製素材(2)
が使用されていることである。さらに好ましくは、これ
らに加えて、アンダボデ−、サイドメンバ、ル−フ、カ
ウル、アッパバック、ロアバックなどから構成されるメ
インボデ−の一部又はすべてにこの被覆金属製素材
(2)が使用されていることである。又、所望により、
それ以外の部分、例えば裏面側にもプアスチックフィル
ムが貼付されていることができる。
【0144】本方法3は、自動車車体の少なくとも一部
に、成型加工した金属製素材に電着塗料を塗装し、必要
に応じて少なくともその外側相当部分に中塗り塗料を塗
装し、ついで少なくともその外側相当部分に上塗り着色
ベース塗料を塗装し、その上塗り着色ベース塗膜面に上
塗り仕上り性を有するプラスチッククリヤフィルムを貼
着してなる被覆金属製素材(3)を使用してなることを
特徴とする自動車車体の被覆仕上げ方法に関する。
【0145】本方法3における、成型加工した金属製素
材に電着塗料を塗装し、必要に応じて少なくともその外
側相当部分に塗装する中塗り塗料とその塗装方法、少な
くともその外側相当部分に上塗り仕上り性を有するプラ
スチッククリヤフィルムとその貼着方法などは、上記の
本方法1で例示したものが好適に使用することができ
る。
【0146】本方法3では、本方法2におけるプラスチ
ック着色フィルムに代えて、上塗り着色ベース塗料をを
使用することを特徴とする。
【0147】本方法3で使用する上塗り着色ベース塗料
は、ソリッドカラー調、メタリック調又は光干渉調の塗
膜を形成する有機溶剤系又は水系の塗料である。
【0148】着色ベース塗料は、電着塗料を塗装してな
る成型加工した金属製素材の少なくとも外側相当部分の
電着塗膜面、又はその電着塗膜面に塗装した塗面に必要
に応じて塗装する中塗り塗膜面に塗装する塗料であり、
それ自体既知の塗料が使用できる。具体的には、水酸基
などの架橋性官能基を有するポリエステル樹脂、アルキ
ド樹脂、アクリル樹脂などから選ばれた基体樹脂にメラ
ミン樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート化合物など
の架橋剤を併用してなる樹脂成分にソリッドカラー顔
料、メタリック顔料、光干渉性顔料などから選ばれた着
色顔料などを混合してなる有機溶剤系又は水系の中塗り
塗料があげられる。ソリッドカラー調、メタリック調又
は光干渉調の塗膜を形成する。
【0149】着色ベース塗料は、電着塗料を塗装してな
る成型加工した金属製素材の少なくとも外側相当部分の
電着塗膜面又はその電着塗膜面に塗装した塗面に必要に
応じて塗装する中塗り塗膜面に塗装するが、必要に応じ
てそれ以外の部分、例えば、車体内部に相当する部分に
塗装することも可能である。この塗装はエアスプレー、
エアレススプレー、静電塗装などにより行なうことがで
き、その膜厚は硬化塗膜に基づいて10〜40μm、特
に15〜30μmの範囲内が適している。この着色ベー
ス塗料の塗膜は100〜180℃、特に120〜160
℃で10〜40分程度加熱することにより硬化すること
ができる。
【0150】本方法3は、自動車車体の少なくとも一部
に、被覆金属製素材(3)を使用してなることを特徴と
する自動車車体の被覆仕上げ方法に関するものであり、
この方法によって形成されたシェルボデ−の外側の少な
くとも一部は着色ベース塗料塗膜及び1層又は複数のプ
ラスチッククリヤフィルムで被覆されており、さらに、
その裏面側は中塗り塗膜及び/又はプラスチックフィル
ムで被覆されていることが好ましいが、電着塗膜が露出
していることもある。
【0151】本方法3は、自動車車体の少なくとも一部
に、被覆金属製素材(3)を使用してなることを特徴と
する自動車車体の被覆仕上げ方法に関するものである。
【0152】例えば、乗用車や軽自動車などの自動車車
体のうち、特に、エンジンや足まわりなどのぎ装品が装
着されていない主として板状の金属製素材で形成されて
いるシェルボデ−において、このものは、アンダボデ
−、サイドメンバ、ル−フ、カウル、アッパバック、ロ
アバックなどから構成されるメインボデ−と、フ−ド、
フロントバランス、フロントフェンダ、カウルル−バ、
ドア、ラッゲ−ジ(バックドア)などの外蓋物とから構
成されている。これらのメインボデー及び外蓋物を構成
する部品のうち、「外側相当部分」の一部分又はすべて
に被覆金属製素材(3)が使用されている。さらに好ま
しくは、フ−ド、フロントバランス、フロントフェン
ダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ−ジ(バックドア)な
どの外蓋物の一部又は全部にこの被覆金属製素材(3)
が使用されていることである。さらに好ましくは、これ
らに加えて、アンダボデ−、サイドメンバ、ル−フ、カ
ウル、アッパバック、ロアバックなどから構成されるメ
インボデ−の一部又はすべてにこの被覆金属製素材
(3)が使用されていることである。又、所望により、
それ以外の部分、例えば裏面側にもプアスチックフィル
ムが貼付されていることができる。
【0153】
【本発明の効果】以上に述べた本発明の方法によれば、
以下に述べるような効果が得られる。
【0154】本発明により形成された乗用車や軽自動車
などの自動車車体、特に、エンジンや足まわりなどのぎ
装品が装着されていない主として板状の金属製素材で形
成されているシェルボデ−において、このものは、アン
ダボデ−、サイドメンバ、ル−フ、カウル、アッパバッ
ク、ロアバックなどから構成されるメインボデ−と、フ
−ド、フロントバランス、フロントフェンダ、カウルル
−バ、ドア、ラッゲ−ジ(バックドア)などの外蓋物と
から構成されており、このうち、車体の外面に位置する
金属素材面の少なくとも一部分に、被覆金属製素材
(1)、(2)及び(3)から選ばれた1種以上が使用
されている。さらに好ましくは、フ−ド、フロントバラ
ンス、フロントフェンダ、カウルル−バ、ドア、ラッゲ
−ジ(バックドア)などの外蓋物の一部又は全部にこの
被覆金属製素材(1)、(2)及び(3)から選ばれた
1種以上が使用されていることである。さらに好ましく
は、これらに加えて、アンダボデ−、サイドメンバ、ル
−フ、カウル、アッパバック、ロアバックなどから構成
されるメインボデ−の一部又はすべてにこの被覆金属製
素材(1)、(2)及び(3)から選ばれた1種以上が
使用されていることである。又、所望により、それ以外
の部分、例えば裏面側にもプアスチックフィルムが貼付
されていることができる。
【0155】また、被覆金属製素材(1)、(2)及び
(3)において、電着塗膜は防錆性などを付与する下塗
り塗膜として機能しており、その塗面に貼着したプラス
チックフィルムは上塗り塗膜としての性能を有してい
る。そして、電着塗膜とフィルムとの付着性を向上させ
るための接着剤として中塗り機能を有するものを適用す
ると耐チッピング性などを向上させることができる。
又、プラスチックフィルムとして、着色又は模様を形成
したプラスチックフィルムと無色透明又は着色透明のプ
ラスチックフィルムとを併用(積層)すると複層の上塗
り塗膜を形成することができ、耐酸性、耐スリキズ性、
耐候性などを一層向上させることが可能になった。
【0156】そして、自動車車体の組み立て現場では、
塗料として水性の電着塗料を使用するだけであって、有
機溶剤などの揮発性物質を多量含有する中塗り塗料及び
上塗り塗料などを使用することが少なくなったので省資
源、、塗装ラインでの省工程、省エネルギ−、CO2の
削減、環境対応などに大きく貢献することができる。本
発明において使用される被覆金属製素材(1)、(2)
及び(3)は、防食性及び密着性などにすぐれ、長期間
経過してもプラスチック層の剥離、浮き、ブリスターに
よる膨れ現象などが殆ど発生せず、しかも小石などが強
く当たってもプラスチック層は剥離しないので、これら
の性能が要求される自動車車体の形成に適用することが
好ましい。
【0157】
【実施例】以下、本発明に関する実施例について説明を
する。部及び%はいずれも重量を基準にしたものであ
り、また、塗膜の厚さは硬化塗膜についてのものであ
る。
【0158】1.試料の調製 1)金属製素材:自動車車体用合金化溶融亜鉛メッキ鋼
板を「PBL3020」(日本パーカライジング社製、
商品名、りん酸亜鉛系表面処理剤)で処理したもの。
【0159】2)カチオン電着塗料:ポリアミド変性エ
ポキシ樹脂/ブロックポリイソシアネート化合物をビヒ
クル成分とし、酢酸で中和してなる固形分含有率20重
量%、PH6.5のカチオン電着塗料。
【0160】3)中塗り塗料:大豆油変性アルキド樹脂
(油長15%、水酸基価80、酸価15)75部、ブチ
ルエーテ化メチルメラミン樹脂25部(固形分比)とか
らなるビヒクル成分100重量部あたり、チタン白顔料
100部を配合してなる有機溶剤型中塗り塗料。
【0161】4)高固形分型クリヤ塗料:反応容器にイ
ソホロンジイソシアネート444部、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート232部を仕込み、空気を吹き込みな
がら80℃で5時間反応させ、未反応の2−ヒドロキシ
エチルアクリレートが残っていないことを確認してか
ら、ポリエステル樹脂(無水フタル酸296部、アジピ
ン酸292部、エチレングリコール124部、ネオペン
チルグリコール312部を反応させてなり、数平均分子
量880、水酸基価127)888部を加え、80℃で
7時間反応させた。イソシアネート基がほぼ反応により
消費された確認してから、酢酸イソブチルを加え冷却
し、固形分含有率85%の不飽和樹脂溶液を得た。
【0162】この不飽和樹脂溶液70部あたり、ブチル
アクリレート50部、トリメチロールプロパントリアク
リレート10部、イルガキュア819(チバスペシャル
ティケミカルズ社製、商品名、光重合開始剤)4部、ス
ミジュールN75(住友バイエルウレタン社製、商品
名、ポリイソシアネート化合物)10部を加えて紫外線
照射硬化型高固形分型クリヤ塗料を得た。
【0163】5)上塗り着色ベース塗料:アクリル樹脂
(数平均分子量30000、水酸基価100)75部、
ブチルエーテル化メラミン樹脂25部(固形分比)とか
らなるビヒクル成分100重量部あたり、アルミニウム
フレーク顔料30部を配合してなる有機溶液型メタリッ
ク上塗り塗料。
【0164】6)複層プラスチックフィルム:両面をコ
ロナ放電処理した青色透明のポリエステル樹脂フィルム
(厚さ16μm)の片面に有色インキ4色と白色インキ
の計5色で斑点模様にグラビア印刷し(膜厚3μm)、
室温で5分間乾燥してから、その印刷面に熱硬化性ポリ
エステル樹脂系接着剤(注1)を膜厚7μmに塗装し、
ついで120℃で30秒間加熱乾燥して模様付きプラス
チックフィルムを得た。次いで、このフィルムの一方の
面に、アクリル樹脂系透明フィルム(「アクリプレンH
BS006」、三菱レーヨン社製、商品名、厚さ20μ
m)を熱圧着してなる複層プラスチックフィルム。
【0165】(注1)熱硬化性ポリエステル樹脂系接着
剤:「エリーテルUE3200」(ユニチカ社製ポリエ
ステル樹脂90部及び「デュラネートTPA100」
(旭化成社製、商品名、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト系ポリイソシアネート化合物)10部を混合溶剤(メ
チルエチルケトン/トルエン=50/50重リ量比)に
混合・分散してなる固形分含有率30%溶液。
【0166】7)上塗り塗料 a)ソリッドカラー塗料:オイルフリーアルキド樹脂
(水酸基価80、酸価10)70部、ブチルエーテル化
メチルメラミン樹脂30部(固形分比)とからなるビヒ
クル成分100重量部あたり、チタン白顔料100部を
配合してなる有機溶液型ソリッドカラー上塗り塗料。
【0167】b)メタリック塗料:アクリル樹脂(数平
均分子量30000、水酸基価100)75部、ブチル
エーテル化メラミン樹脂25部(固形分比)とからなる
ビヒクル成分100重量部あたり、アルミニウムフレー
ク顔料30部を配合してなる有機溶液型メタリック上塗
り塗料。
【0168】c)クリヤ塗料:アクリル樹脂(数平均分
子量15000、水酸基価100)70部、ブチルエー
テル化メラミン樹脂30部(固形分比)とを主成分とす
る有機溶液型クリヤ上塗り塗料。
【0169】2.実施例及び比較例 実施例 1 金属製素材にカチオン電着塗料を常法により塗装し、1
70℃で30分間加熱して塗膜を硬化せしめた(膜厚2
0μm)。この電着塗面に中塗り塗料を膜厚25μmに
なるように塗装し、140℃で30分間加熱して硬化し
た。ついで、複層プラスチックフィルムの接着剤(注
1)の塗装面を中塗り塗面と接するようにして、金属製
素材の外側に位置する表面に張り付け、120℃で30
分間加熱して、中塗り塗面に複層プラスチックフィルム
を貼着して、本発明の目的とする自動車用プラスチック
被覆金属板を得た。
【0170】実施例 2 金属製素材にカチオン電着塗料を常法により塗装し、1
70℃で30分間加熱して塗膜を硬化せしめた(膜厚2
0μm)。この電着塗面に中塗り塗料を膜厚25μmに
なるように塗装し、140℃で30分間加熱して硬化し
た。ついで、両面をコロナ放電処理した青色透明のポリ
エステル樹脂フィルム(厚さ16μm)の片面に有色イ
ンキ4色と白色インキの計5色で斑点模様にグラビア印
刷し(膜厚3μm)、室温で5分間乾燥してから、その
印刷面に熱硬化性ポリエステル樹脂系接着剤(注1)を
膜厚7μmに塗装し、ついで120℃で30秒間加熱乾
燥して模様付きプラスチックフィルムの接着剤(注1)
の塗装面を中塗り塗面と接するようにして、金属製素材
の外側に位置する表面に張り付け、120℃で30分間
加熱して、中塗り塗面に複層プラスチックフィルムを貼
着し、さらにその模様付きプラスチックフィルムの表面
に高固形分型クリヤ塗料を膜厚30μmに塗装し、紫外
線を照射してクリヤ塗膜を硬化して、本発明の目的とす
る自動車用プラスチック被覆金属板を得た。
【0171】実施例 3 金属製素材にカチオン電着塗料を常法により塗装し、1
70℃で30分間加熱して塗膜を硬化せしめた(膜厚2
0μm)。この電着塗面に中塗り塗料を膜厚25μmに
なるように塗装し、室温で3分間放置してから、この中
塗り塗膜面に上塗り着色ベース塗料を膜厚を膜厚20μ
mになるように塗装し、140℃で30分間加熱して両
塗膜を同時に硬化し、ついで、この上塗り着色ベース塗
膜面にアクリル樹脂系透明フィルム(「アクリプレンH
BS006」、三菱レーヨン社製、商品名、厚さ20μ
m)を熱圧着してなる複層プラスチックフィルムを熱硬
化性ポリエステル樹脂系接着剤(注1)を介して張り付
け、120℃で30分間加熱し貼着して、本発明の目的
とする自動車用プラスチック被覆金属板を得た。
【0172】比較例 1 金属製素材にカチオン電着塗料を常法により塗装し、1
70℃で30分間加熱して塗膜を硬化せしめた(膜厚2
0μm)。次いで、中塗り塗料を、電着塗装した金属製
素材の外側に位置する表面に膜厚25μmになるように
塗装し、140℃で30分間加熱して塗膜を硬化せしめ
てから、その塗面に着色ベース塗料を膜厚25〜30μ
mになるように塗装し室温で3分間放置してから、14
0℃で30分間加熱して塗膜を硬化せしめた。
【0173】比較例 2 金属製素材にカチオン電着塗料を常法により塗装し、1
70℃で30分間加熱して塗膜を硬化せしめた(膜厚2
0μm)。次いで、中塗り塗料を、電着塗装した金属製
素材の外側に位置する表面に膜厚25〜30μmになる
ように塗装し、140℃で30分間加熱して塗膜を硬化
せしめてから、その塗面にメタリック塗料を膜厚15μ
mになるように塗装し室温で3分間放置後、さらにクリ
ヤ塗料を膜厚25〜30μmになるように塗装してか
ら、140℃で30分間加熱して両塗膜を同時に硬化せ
しめた。
【0174】3.性能試験結果 実施例及び比較例で得た塗装された金属素材により各種
の塗膜性能試験を行なった。その結果を表1に示した。
【0175】試験方法 耐食性:塗装した金属素材の一部を切り取り、素地に達
するようにカッターで塗膜をクロスカットしてからソル
トスプレーで480時間試験を行なった後、カット部か
らのサビ、フクレなどの発生巾を観察した。○はカット
部からのサビ、フクレなどの発生巾が1mm以下、△は
1〜5mm、×は5mm以上であることを示す。
【0176】耐チッピング性:QCRグラベロメータ
(Qパネル社製、商品名)を使用し、直径15〜20m
mの砕石500mlをエアー圧力4kg/cmで、−
20℃において、プラスチックフィルム面又は塗膜面に
吹き付けた後のそれらの表面を目視観察した。○は表層
フィルム又は塗膜の剥離が殆ど認められない、△は表層
フィルム又は塗膜の剥離が少し認められ、その下層のフ
ィルム又は塗膜の剥離も少し認められる、×は表層フィ
ルム又は塗膜の剥離が多く認められ、最下層の電着塗膜
の剥離も認められる、ことを示す。
【0177】仕上り性:最上層のフィルム又は塗膜を目
視で観察した。◎は平滑性、ツヤ感などが非常に良好で
ある、○は平滑性、ツヤ感などが良好である、△は平滑
性、ツヤ感などが少し劣る、×は平滑性、ツヤ感などが
非常に劣ることを示す。
【0178】VOC:下記の式に当てはめて算出した。 塗料使用量=(塗装膜厚×塗膜比重×塗装面積)/
[(希釈塗料固形分含有率/100)×塗着効率] 台あたりのVOC=塗料使用量×塗料中のVOC/10
0 VOC(g/m)=台あたりのVOC/塗装面積(全
面)
【0179】
【表1】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車車体の少なくとも一部に、成型加工
    した金属製素材に電着塗料を塗装し、ついで少なくとも
    その外側相当部分に中塗り塗料を塗装し、その中塗り塗
    膜面に上塗り仕上り性を有するプラスチックフィルムを
    貼着してなる被覆金属製素材を使用してなることを特徴
    とする自動車車体の被覆仕上げ方法。
  2. 【請求項2】自動車車体の少なくとも一部に、成型加工
    した金属製素材に電着塗料を塗装し、ついで少なくとも
    その外側相当部分に上塗り仕上り性を有するプラスチッ
    ク着色フィルムを貼着し、さらに高固形分型クリヤ塗料
    を塗装してなる被覆金属製素材を使用してなることを特
    徴とする自動車車体の被覆仕上げ方法。
  3. 【請求項3】自動車車体の少なくとも一部に、成型加工
    した金属製素材に電着塗料を塗装し、ついで少なくとも
    その外側相当部分に上塗り着色ベース塗料を塗装し、そ
    の上塗り着色ベース塗膜面に上塗り仕上り性を有するプ
    ラスチッククリヤフィルムを貼着してなる被覆金属製素
    材を使用してなることを特徴とする自動車車体の被覆仕
    上げ方法。
  4. 【請求項4】貼着するプラスチックフィルムにあらかじ
    め接着剤を塗布してなる請求項1、2又は3記載の自動
    車車体の被覆仕上げ方法。
  5. 【請求項5】プラスチックフィルムが、意匠性を付与し
    たプラスチックフィルムである請求項1、2又は3記載
    の自動車車体の被覆仕上げ方法。
  6. 【請求項6】プラスチックフィルムが、意匠性を付与し
    た1枚以上プラスチックフィルムと透明性の1枚以上プラ
    スチックフィルムとからなる複層プラスチックフィルム
    である請求項1、2又は3記載の自動車車体の被覆仕上
    げ方法。
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