JP2003117355A - リサイクル性に優れた、液体分離・ろ過膜モジュール用流路材 - Google Patents

リサイクル性に優れた、液体分離・ろ過膜モジュール用流路材

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JP2003117355A
JP2003117355A JP2001313755A JP2001313755A JP2003117355A JP 2003117355 A JP2003117355 A JP 2003117355A JP 2001313755 A JP2001313755 A JP 2001313755A JP 2001313755 A JP2001313755 A JP 2001313755A JP 2003117355 A JP2003117355 A JP 2003117355A
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liquid separation
membrane module
filtration membrane
membrane
flow passage
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JP2001313755A
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Tetsuya Akamatsu
哲也 赤松
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エポキシ樹脂を含まず、環境に悪影響を与え
ないのみならず、繰り返して使用したり、原料リサイク
ルが可能な透過水流路材を提供すること。 【解決手段】 液体分離・ろ過膜モジュールの膜体を支
持するための流路材であって、該流路材が、40〜15
0μmの直径を有する単一成分の樹脂製モノフィラメン
トにより編成された経編物から構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体分離・ろ過膜
モジュールに使用される逆浸透膜、UF膜、MF膜等の
膜体を支持するための流路材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】対向する2枚の円形膜体の内部に、該膜
体を支持するための流路材を配置し、得られた膜体エレ
メントの外周側の開口部を接着剤などで封止し、一方内
周側の開口部を集水管に連通させたディスク型液体分離
・ろ過膜モジュールが知られている。
【0003】上記ディスク型液体分離・ろ過膜モジュー
ルは、原水供給チャンバー内に設置され、該チャンバー
内に原水が通水されたとき、チャンバーから膜体の内部
に浸透した透過水が透過水流路材を通って集水管内へ流
れ込むようになっている。
【0004】また、液体分離・ろ過膜モジュールは上記
ディスク型以外にも、集水管にスパイラル状に連通され
るスパイラル型、平膜型などが知られており、いずれの
モジュールにおいても、膜体を支持するための流路材が
使用されている。
【0005】つまり、上記流路材は、逆浸透膜、UF
膜、MF膜等の膜体を支持すると共に、流路材自身が膜
体との間に形成する流路によって透過水を集水管内に導
く役割を担っており、通常、樹脂製マルチフィラメント
を編成してなるシングルトリコット編物やダブルトリコ
ット編物にエポキシ樹脂やメラミン樹脂などを含浸固化
した材料が使用されている。
【0006】これらの流路材は、膜体の閉塞などにより
モジュールの分離効率が低加し、膜体が更新される際に
は、膜体と共に廃棄されることが多い。何故なら、該流
路材は、剛性を保つために膜体と接着されていることが
多く、そもそもモジュールから流路材のみを回収するこ
とが困難である上、仮に回収できたとしても、エポキシ
樹脂やメラミン樹脂などで含浸固化されているので巻き
癖がついており、これを液体分離・ろ過膜モジュール用
に再使用しようとしても、モジュールを作成する際の作
業性が極めて悪いという問題が起こるからである。
【0007】また、原料リサイクルを行なうに際して
も、流路材にエポキシ樹脂やメラミン樹脂などが含浸固
化されているのでこれら樹脂の分離が困難である。従っ
て、上記流路材は、実質的には粉砕して充填物にするな
どの限られた用途でしか再利用できず、廃棄後焼却処分
されることが多いのが実情であるが、焼却した場合、エ
ポキシ樹脂がビスフェノールAなどをその構成成分とし
て含むため、人体や環境へ悪影響を及ぼすことが懸念さ
れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の有する問題点を解消し、エポキシ樹脂を含ま
ず、環境に悪影響を与えないのみならず、繰り返して使
用したり、原料リサイクルが可能な透過水流路材を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記流路材
が膜体により不純物を取り除かれた非常に純粋な流体と
しか接触しないため、表面の汚染などは極めて少なく、
繰り返して使用することが可能である点に着目し鋭意検
討した結果、樹脂製モノフィラメントにより流路材を形
成させるとき、エポキシ樹脂を含浸固化させなくとも剛
性が保たれ、資源の再利用及び環境保護に好適な流路材
が得られることを究明した。
【0010】かくして本発明によれば、液体分離・ろ過
膜モジュールの膜体を支持するための流路材であって、
該流路材が、40〜150μmの直径を有する単一成分
の樹脂製モノフィラメントにより編成された経編物から
構成されていることを特徴とするリサイクル性に優れ
た、液体分離・ろ過膜モジュール用流路材が提供され
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の流路材は、単一成分の樹
脂製モノフィラメントにより編成された経編物から構成
される事が必要である。
【0012】該経編物がマルチフィラメントにより編成
された場合は、フィラメントの剛性が低い為に、ろ過の
圧力を受けてつぶれてしまうため、透過水の流路を確保
することができない。モノフィラメントを用い、経編物
の剛性を高めることにより、流路材のつぶれを防ぎ、受
圧下での流路が確保できる。
【0013】また、該フィラメントが単一成分の樹脂で
はなく、2成分、例えば融点の異なる2種のポリマーから
構成される場合は、材料リサイクルや原料リサイクルを
する際、2成分である為、リサイクル製品の物理特性の
悪化や、原料リサイクルをする上での不純物分離が困難
になる。
【0014】また、融点の異なるポリマーのうち、低融
点化されたポリマーは第3成分を共重合している場合が
多く、使用中に、透過水中にポリマーの成分や触媒など
が溶出したり、ろ過モジュールの洗浄の際、侵食を受け
やすいという問題が発生する。
【0015】上記モノフィラメントの直径は40〜15
0μmである。該モノフィラメントの直径が40μm以
上であれば、圧力がかかっても流路材がつぶれずに流路
の確保が可能である。ただ、該モノフィラメントの直径
が200μmを越えると、流路材の厚みが大きくなり過
ぎ、透過液の流路は十分に確保できるものの、モジュー
ルへの充填面積が小さくなり、透過液量が低下してしま
うという問題が発生する。モノフィラメントの直径の好
ましい範囲は45〜140μmである。
【0016】上記モノフィラメントを構成する樹脂とし
ては、流路材としての形状が保持でき、かつ透過液中に
樹脂成分の溶出が少ないものであればどのような物でも
よく、例えば、ナイロン等のポリアミド、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、2,6−ポリエチレンナフ
タレート(PEN)、ポリアクリロニトリル(PA
N)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(P
P)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリフルオロエチレン、ポリフェニレンサルフェー
ト(PPS)、ポリエーテル・エーテルケトン(PEE
K)などがあげられるが、高圧下に耐え得る強度や、編
物の加工のしやすさ、耐薬品性、コストなどを考慮する
とポリエチレンテレフタレート(PET)が最も好まし
い。また、高温条件下での使用や、塩基性条件下での使
用が予想される場合はPPSやPEEKなどが好まし
い。
【0017】上記経編物はどのような組織でも使用して
よく、特に限定するものではないが、トリコットが好ま
しく、中でもダブルテンビ、クインズコートなどが好ま
しく例示される。経編物の製編密度も特に規定されるも
のではないが、ウェールが20〜60本/インチ、コー
スが30〜70本/インチが好ましい。また、経編地の
両面を他のマルチフィラメントを用いてスムースに仕上
げ、高圧力条件での透過膜の変形を防止しても良い。
【0018】上記の方法により得られた経編物は、常法
に従い、対向する2枚の逆浸透膜、UF膜、MF膜等の
膜体の内部に配置されて該膜体を支持すると共に、透過
水を集水管内に導く流路を膜体との間に形成する。この
ようにして得られた膜体エレメントの一方の開口部を接
着剤などで封止し、他の開口部を集水管に連通させるこ
とにより、ディスク型やスパイラル型の液体分離・ろ過
膜モジュールが得られる。
【0019】そして、上記の方法により得られた本発明
の流路材は、表面の汚染などが極めて少なく、しかもエ
ポキシ樹脂やメラミン樹脂などが含浸固化されていない
ので巻き癖がついておらず、再使用する際の作業性が優
れている。
【0020】また、原料リサイクルを行なうに際して
も、流路材にエポキシ樹脂やメラミン樹脂などが含浸固
化されておらず、しかも単一成分の樹脂から構成されて
いるので、これら樹脂の分離が容易に行なえるという特
徴を有している。
【0021】
【実施例】以下、具体例をあげて本発明をさらに詳細に
説明する。尚、実施例中の透過水流量は下記の方法によ
り測定した。
【0022】(1)液体分離・ろ過膜モジュールの製造 透過膜として市販のUF膜を使用し、2枚の膜の内部に
経編物から構成されてなる流路材を配置して流路を形成
させた後、膜の外周を接着して袋状に閉じ、膜の内周を
直径98mmの集水管にフランジで締めこむことで固定
して、直径500mm、内直径100mmのディスク型
液体分離・ろ過膜モジュールを得た。
【0023】(2)透過水流量の測定 (1)で得られたディスク型液体分離・ろ過膜モジュー
ルを25℃の純水供給チャンバー内に設置し、操作圧力
を100、200、300、400、500kPaに変
化させて、1時間あたりの透過水流量を測定した。
【0024】[実施例1〜7、比較例1〜4]表1に示
す直径を有するポリエステルモノフィラメントを、トリ
コット製編機を用いて逆ハーフ組織に製編した後、テン
ターを用いてヒートセットを行ない、経編物を得た。次
いで、得られた経編物を用い、(1)の方法でディスク
型液体分離・ろ過膜モジュールを製造し、その透過水流
量を測定した。得られた経編物の厚さ、密度及び目付け
を透過水流量の値と共に表1に示す。
【0025】[比較例5]表1に示す直径と単糸数を有
するポリエステルマルチフィラメントを使用した以外は
実施例1と同様に実施した。得られた経編物の厚さ、密
度及び目付けを透過水流量の値と共に表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1に示す通り、モノフィラメントの直径
が40μm未満の場合は、透過水流量が低下している。
これは、モノフィラメントの直径が小さい為に、流路材
の厚みが小さくなり過ぎ、充分な流路面積が得られない
ことと、流路材の剛性が低く、特にフランジなどの圧力
を受ける部分で流路材がつぶれ、十分な流路が確保でき
ない為と考えられる。
【0028】一方、モノフィラメントの直径が150μ
mを越える場合は、透過水流量の低下は少ないが、流路
材の厚みが大きくなり過ぎ、モジュールの体積が大きく
なって透過の効率が低下する。
【0029】また、マルチフィラメントを用いて経編物
を編成した場合、単糸が極端に細いために剛性が低く、
僅かの圧力を受けても流路材がつぶれるので、透過水流
量は非常に少なくなっており、充分な透過水流量を得る
にはエポキシ樹脂等で硬化する必要がある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体分離・ろ過膜モジュールの膜体を支
    持するための流路材であって、該流路材が、40〜15
    0μmの直径を有する単一成分の樹脂製モノフィラメン
    トにより編成された経編物から構成されていることを特
    徴とするリサイクル性に優れた、液体分離・ろ過膜モジ
    ュール用流路材。
  2. 【請求項2】 経編物がトリコットである請求項1記載
    のリサイクル性に優れた、液体分離・ろ過膜モジュール
    用流路材。
JP2001313755A 2001-10-11 2001-10-11 リサイクル性に優れた、液体分離・ろ過膜モジュール用流路材 Pending JP2003117355A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4809345B2 (ja) * 2004-08-11 2011-11-09 ヴラームス インステリング ヴール テクノロギシュ オンデルゾーク (ヴイアイティーオー) 一体化された透過性流路膜
CN105113117A (zh) * 2015-09-18 2015-12-02 南京九思高科技有限公司 一种防静电导流网及其制备方法和应用

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