JP2003116884A - 義歯の固定構造とその製作方法 - Google Patents
義歯の固定構造とその製作方法Info
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Abstract
えが悪く、金属アレルギーを引き起こす金属を用いず
に、目立たない透明のプラスチック材を使用してより確
実かつ安定よく固定でき、しかも軽量かつ嵩張らず、歯
肉に与える刺激も軽減可能な義歯の固定構造とその製作
方法を実現する。 【解決手段】上顎または下顎の全部床の基礎床が、透明
で弾性に富んだ熱可塑性プラスチックで形成されてい
る。この熱可塑性プラスチック製の基礎床は、顎堤と接
する側にソフト材の層91を積層して、基礎床を2層構
造にすることもできる。
Description
定構造とその製作方法に関する。
61−185263号公報に記載されているように、金
属線(クラスプ線)又は鋳造クラスプにより製作されて
いる。その為、歯冠部分にのみ使用されている。
構造は、金属製の挟持角(つの)を用いるため、強度は
あるが、金具が外から見えるので、見栄えが悪く、天然
歯に装着するには抵抗感がある。
内側から挟む構造なため、歯肉部を挟むと痛くて適用で
きなかった。さらに、部分義歯を着脱するために口腔内
に出し入れする際に、誤って口腔肉や歯肉を刺したりす
る危険があった。
方の部分義歯同士を金属製のバー、杆あるいは連結子な
どと呼ばれる連結手段で連結したり、部分義歯を連結手
段で反対側の天然歯に連結固定しているが、挟持角より
もはるかに大きいため、違和感が有ったり、金属アレル
ギーを起こす患者がいる。しかも、CoやNiなどの場
合は、嫌な味を感じる患者もいる。その結果、使用を断
念し、部分義歯を装着できずに不自由を来している患者
もいる。金属は、その研磨に時間がかかり、製品のコス
ト高を招くといった問題もある。
の顎堤の歯肉と接する部分が硬いと痛みや違和感のため
装着を嫌われるので、歯肉に刺激を与えないようなソフ
トな材質が望まれる。
合したりして製作されているが、厚みを薄く作ると強度
に無理があり、取り扱いが悪ければ変形・破折する欠点
があった。
一挙に解消できる義歯を実現することにある。すなわ
ち、見栄えが悪く、金属アレルギーを引き起こす金属を
用いずに、目立たない透明のプラスチック材を使用して
より確実かつ安定よく固定でき、しかも軽量かつ嵩張ら
ず、歯肉に与える刺激も軽減可能な義歯の固定構造とそ
の製作方法を実現する。
のような手段によって解決される。請求項1は、上顎ま
たは下顎の全部床の基礎床が、透明で弾性に富んだ熱可
塑性プラスチックで形成されている義歯である。このよ
うに、全部床の基礎床が、透明の熱可塑性プラスチック
で形成されているので、基礎床の部分が目立たず、抵抗
感なく使用できる。また、弾性に富んだ材質を採用して
いるため、顎堤の歯肉を刺激することが少ない。しか
も、顎堤の歯肉との密着度がよく、唾液だけで基礎床が
顎堤に吸着固定されるので、総義歯の義歯床がプラスチ
ック製で軽いことと相まって、安定良く装着できる。
ラスチック製の基礎床の顎堤と接する側にソフト材の層
が積層され、基礎床が2層構造となっている義歯であ
る。このように、基礎床が2層構造となっていて、基礎
床の顎堤と接する側がソフト材でできているので、顎堤
の歯肉に与える刺激がより減少し、かつ顎堤との密着度
もより向上する。したがって、総義歯であっても、違和
感なく、安定よく装着できる。
プラスチックは、従来使用してきたアクリル系樹脂より
弾性に富み、強度も強く、破折しにくいため、義歯床の
基礎床の部分に使用した場合、肉厚を薄くできる。ま
た、総義歯の場合の口蓋部を削除して床部を小さくでき
るので、嚥下障害や発音障害も軽減できる。また、プラ
スチック製で軽いので、唾液による吸着力だけで安定よ
く顎堤に固定できる。
め、入れ歯が目立たず、審美的に優れているし、金属の
嫌な味もせず、抵抗無く義歯を使用できる。
とその製作方法が実際上どのように具体化されるか実施
形態を説明する。図1は本発明による部分義歯の固定構
造の第一実施形態であり、外側から見た側面図(頬側面
図)である。図2は、図1におけるA−A平面図(咬合
面図)である。
る。f1、f2は人工歯であり、dはその義歯床であ
る。つまり、人工歯f1、f2と義歯床dとで部分義歯
を構成している。
の挟持角、2は内側(舌側)の挟持角である。外側の挟
持角1も、内側の挟持角2も、義歯床dと一体化されて
おり、義歯床dに保持されている。
長部1aと内側の挟持角2から延長した延長部2aが共
に義歯床dと一体化されている。
歯肉3と同様に鮮やかな赤紫色を呈している。これに対
し、挟持角1、2や延長部1a、2aは、透明な合成樹
脂レジン系加工材からなっている。
様に、天然歯n1の根元の内外両側から挟むような形状
に形成されている。しかも、部分義歯を口腔内に装着
し、挟持角1、2で天然歯n1を挟んだ状態において、
挟持角1、2が天然歯n1の根元に圧接する程度の弾力
を有するような形状が適している。
状態では、図示のように内外の挟持角1、2で天然歯n
1の根元の細い部分を内外両側から多少の弾力でもって
挟持することによって、部分義歯が天然歯n1に保持固
定される。すなわち、天然歯n1の根元の部分は細いの
で、その上側の膨らんだ部分に阻止されて、上側には離
脱できない。下側には歯茎があるので、下側にも移動で
きない。また、天然歯n1は、中央が膨らんだ形状にな
っているので、内外の挟持角1、2もこの膨らみを包む
ような形状にすることで、義歯床dは水平方向に対して
も固定される。
力に富んでいる。そのため、部分義歯の挟持角1、2を
天然歯n1に対し着脱する際に、挟持角1、2が開いた
りしても、確実に元の状態に復元する。その結果、長年
繰り返し口腔に着脱しても天然歯n1に対する固定力が
低下するのを防止できる。
きを希望する患者に対応できるように、種々の色付きや
半透明体なども可能である。また、外部から見えにく
い、内側の挟持角2は、従来のような金属製クラスプに
することも可能である。
あり、(1)図は内外両側の挟持角1、2が共に透明体
の例であり、(2)は外側の挟持角1が透明体で、内側
の挟持角2mが金属製クラスプの例である。
め、歯肉に圧接しても痛みを感じないソフトタッチも可
能である。図3は、天然歯ではなく、歯肉を利用して部
分義歯を保持固定する例であり、外側から見た側面図
(頬側面図)である。図4は、そのB−B平面図(咬合
面図)である。
る歯肉カバー4、5は、弾性に富んだ材質のプラスチッ
クでできており、義歯床d側に延長した部分4a、5a
の部分が義歯床dと一体化されている。
した状態では、義歯床dと一体の歯肉カバー4、5が広
い面でもって、人工歯f2と隣接する天然歯n1の歯肉
に圧接する。このように、歯肉カバー4、5の広い面で
ソフトタッチで歯肉に圧接するので、歯肉に痛みを感じ
ることなしに、部分義歯を歯肉に保持固定できる。
カバー4、5のソフトな弾力を生かすことが肝要なた
め、挟持角の場合と違って、内側の歯肉カバー5もプラ
スチック製が適している。この場合も、歯肉カバー4、
5を色付きや半透明にできる。
め、歯肉カバー4、5も義歯床dと同じ色、すなわち歯
肉3と同じ色も好適である。
歯肉カバー4、5からの延長部1a、2a、4a、5a
を義歯床dと一体化するには、義歯床dを成型する際
に、延長部1a、2a、4a、5aを義歯床dの内部に
インサートモールドする方法と接着する方法とがある。
人工歯f1、f2の歯茎の部分をインサートモールドす
る際に、前記延長部1a、2a、4a、5aも同時にイ
ンサートモールドする。
接着面を削っておく。すなわち、延長部1a、2a、4
a、5aの部分が突出して、違和感を感じないように、
延長部1a、2a、4a、5aの厚み分と接着代分だけ
削って凹部を形成する。可能であれば、義歯床dの成型
時に形成しておいてもよい。
a、4a、5aをはめ込んで接着すると、義歯床dと一
体化され、しかも延長部1a、2a、4a、5aの外面
と義歯床dの外面とを同一面に揃えることができる。
場合は、義歯床dの色との調和を考慮することは当然で
ある。したがって、義歯床dと同じ色の歯肉カバー4、
5を用いる場合は、接着した部分が目立ちにくい。
内側は、歯肉カバー5に代えて、挟持角2を用いること
もできる。すなわち、天然歯n1の内側の根元に、図
1、図2における挟持角2を用いる。
図5(3)のように、外側の歯肉カバー4も、内側の挟
持角2や歯肉カバー5も共に、透明プラスチック製にで
きる。また、図5(4)のように、外側の歯肉カバー4
のみ透明プラスチック製とし、内側の挟持角2mは、従
来と同様な金属クラスプにしてもよい。
にまたがってカバーする実施形態である。(1)図のよ
うに、内外両側の歯肉カバー4、5が共に、歯肉3と天
然歯n1にまたがってカバーしている構造でもよいが、
(2)のように、外側の歯肉カバー4のみ、あるいは
(3)のように、内側の歯肉カバー5のみが歯肉3と天
然歯n1にまたがってカバーする構造でもよい。この場
合も、内側の挟持角2や歯肉カバー5は、金属でもよ
い。
材質の場合は、図4のように、延長部4aと5aとが予
め一体になっていてもよい。
4、5を形成した実施形態である。図3、図4では、義
歯床dに別体の歯肉カバー4、5を一体化しているのに
対し、図7では、義歯床dを天然歯n1の歯肉の上まで
延長させてある。そして、前記歯肉カバー4、5の場合
と同様に、延長した歯肉カバー4d、5dの弾力でもっ
て天然歯n1の歯肉3の上に圧接させる。
り、義歯床dとして適しており、しかも歯肉カバー4、
5と同様に歯肉の上にソフトタッチで圧接できる材質を
選定する。例えば、ポリカーボネート系樹脂やビニール
樹脂系加工材などが適している。
形態を示す図である。(1)図に示すように、殆どの天
然歯nの外側面は凸状すなわち太鼓状の曲面6になって
いる。前歯の場合は、内側が窪んでいる場合もあるが、
前歯以外は内側も膨らんでいる。
の形状として、凸曲面6にぴったり被さるような凹曲面
8を有する形状にすると、挟持手段7が天然歯nに対
し、上方向にも下方向にも移動しにくくなる。凸曲面6
が挟持手段7の凹曲面に嵌まり込んでいるため、引っ掛
かりとして作用するからである。
窪んでいる場合は、窪み6iに内側の挟持手段7iの挟
持面が嵌まり込むように、凸面8iにするとよい。
(3)に示す。この図からも明らかなように、天然歯n
の水平断面の形状も、中央部が膨らんでいるので、凹曲
面8は、水平方向に対しても凹曲面とすることで、水平
方向に対しても確実に固定できる。
る1個の天然歯n1だけに固定する構造になっている
が、(3)図の場合は、隣接する2個の天然歯n1、n
2を利用して固定してある。すなわち、内外の挟持手段
7・7を、2個目の天然歯n2まで延長してあり、連続
形状の挟持手段となっている。
するので、部分義歯を安定よく、より強固に固定でき
る。また、(2)のように、天然歯nに対し部分義歯が
上下方向に移動するのを阻止する働きもあるので、部分
義歯の沈降防止のためのレストの役目も兼ねることがで
きる。なお、この場合も、少なくとも外側の挟持手段7
は、目立たないように、透明のプラスチックで形成す
る。
理で、(4)のように、内外の凹曲面状の挟持手段7、
7を下側に延長して、延長部7a、7aで歯茎の歯肉も
挟持するようにしてもよい。
形状の挟持手段7も、図1〜図4の挟持角や歯肉カバー
と同様に、延長部を義歯床に埋め込んだり接着したりす
ることもできる。
工程順に示す平面図である。(1)は上顎側の歯列の模
型であり、患者から採取した型を基にして成型する。そ
して、n1、n2、n3…は、患者に残っている天然歯
であると仮定すると、いま2本の天然歯n1、n2を挟
持する凹曲面の挟持手段を形成する場合を説明する。こ
の場合、2本の天然歯n1、n2と欠損部顎堤(F1、
F2)の上に渡って、1枚の透明の熱可塑性プラスチッ
クのシート9を載せる。このシート9の厚さは任意であ
る。なお、F1、F2は、欠損部顎堤における天然歯を
抜いた歯の跡である。
−A位置、欠損部顎堤(F1)のB−B位置における断
面図を併記してある。
セットし、例えば100〜150℃程度の熱を加えた状
態で、シート9の上から圧風を当てたり、模型の下側か
ら真空吸引すると、シート9が熱軟化して、(2)の9
aのように、天然歯n1、n2の上面や側面などの全面
に被着すると共に、模型の欠損部顎堤(F1、F2)の
上面や側面にも被着する。
分の部分をカットして除去すると、(3)のようにな
る。すなわち、内側と外側の凹曲面状の挟持手段7・7
とレスト部10が残ると共に、欠損部顎堤(F1、F
2)の上に基礎床11となる部分が残る。次に、(3)
のように、従来公知の手法で、欠損部顎堤(F1、F
2)上の基礎床11の上に、義歯床すなわち歯茎に相当
する部分dを重ねて形成する。この義歯床は、アクリル
系またはポリカーボネート系などの樹脂を用いて形成す
る。当然、自然の歯茎と同じ色となるようにピンク系に
着色した樹脂を用いる。
上に、人工歯f1、f2を固定すると、部分義歯が完成
する。内外の挟持手段7・7と基礎床11とレスト10
の部分は透明である。こうして完成した部分義歯を模型
から取り外して、患者の天然歯n1、n2を内外の挟持
手段7・7で挟み、レスト10を患者の天然歯n1の咬
合面に引っ掛けるように装着する。
るが、2層構造にすることもできる。すなわち、前記の
基礎床11よりも材質的にソフトで、患者の抜歯後の顎
堤歯肉に刺激を与えないような透明シートを用いて、
(1)(2)の手法で挟持手段や基礎床を成型する。こ
うして、ソフトなシートで形成した後、その上に前記の
ような熱可塑性プラスチック製のシート9を被せて、
(1)(2)の手法で挟持手段や基礎床を成型する。
要部を除去すると共に、義歯床dを形成し、その上に人
工歯f1、f2を固定する。このように、部分義歯の基
礎床の部分は、患者の顎堤歯肉と接する部分がソフトな
材質になっているので、患者にとって刺激が少なく、抵
抗無く装着できる。なお、透明で弾性に富んだ熱可塑性
プラスチックと透明でソフトな樹脂が初めから2層構造
になったシートがある場合は、2層構造のシートで成型
すると、(1)(2)の工程が簡素化される。
色にしたい場合は、半分だけ透明で他の半分は歯茎色に
着色されているシートを用いるとよい。なお、図1〜図
4の挟持角や歯肉カバーも図9の方法で製作することも
できる。
義歯にも適用できる。図10は、バー構造の部分義歯で
あり、天然歯n1…n6の両側に部分義歯が配置されて
いる。このようなバー構造の場合、従来は、バー12の
部分は金属でできていたが、本発明の場合は、透明の薄
板でできている。
のバー12の両端12a、12bを、左右の部分義歯の
義歯床d1、d2中に図1〜図4の場合と同様に埋め込
んでもよいし、両端12a、12bの上に義歯床d1、
d2を重ねて接着してもよい。
熱可塑性プラスチック製のシートで左右の部分義歯の基
礎床を形成する際に、バー部分12も一緒に形成してお
く。すなわち、左右の部分義歯の基礎床とバー部分12
をカバーするような大きなシートを用い、前記のような
加圧または真空吸引して、成型してから、余分の領域を
除去すると、バー部分12や内外の挟持手段7・7、左
右の基礎床11の領域が残る。
床11、11の上に義歯床d1、d2を形成し、その上
に人工歯f1・f2…を固定すると完成である。基礎床
11を形成する際のバー部分12が、完成した左右の部
分義歯床d1、d2を連結するバーの働きをする。しか
しながら、バー部分12は、患者の要望に応じて実施す
るのであって、図9の製法で左右の義歯床d1、d2を
別々に製作し、別々に装着すれば充分である。なぜなら
ば、それぞれの部分義歯の内外の挟持手段7・7だけで
充分に固定できるからである。
義歯床dを形成してあるので、基礎床11は殆ど見えな
いが、図8、図9や次の図11では、基礎床11より小
さめに義歯床dを形成したために、基礎床11の外周が
義歯床dの外周から一部露出している。どちらを採用す
るかは自由である。
る。すなわち、図11(1)の模型において、全ての天
然歯が欠損した後の全顎堤(F1・2…)の上に、図9
の場合と同様にして、透明で弾性に富んだ熱可塑性プラ
スチック製の大きめのシート9を重ねて、加熱しなが
ら、加圧または真空吸引して、(2)のように基礎床1
1を形成し、不要部を除去した後、基礎床11上に歯茎
と同じ色の義歯床dを形成し、最後に人歯f1、f2…
を基礎床d上に固定すれば、図11(2)のような総義
歯が完成する。この総義歯の基礎床11を、患者の抜歯
後の顎堤に嵌めて装着する。
91の上に透明で弾性に富んだ熱可塑性プラスチック層
92が積層されている2層構造のシート9を用いている
が、この場合も、図9(1)(2)で説明したように、
ソフト質の樹脂層91で成型してから、その上に熱可塑
性プラスチック層92を積層して成型してもよい。
91を天然歯が欠損した後の全顎堤(F1、F2…)の
上に重ねて成型し、その上に透明で弾性に富んだ熱可塑
性プラスチックのシート92を重ねて成型することによ
って2層構造の基礎床11を形成すると、患者の顎堤歯
肉とソフトタッチするため、抵抗無く装着できる。
材質の義歯床あるいは熱可塑性プラスチック製の義歯床
が顎堤歯肉と接するため、総義歯の基礎床を患者の顎堤
に嵌めたとき、顎堤歯肉との密着性がよく、唾液で顎堤
に強固に吸着固定される。したがって、図11(2)の
ように、口蓋部13を大きく削除できる。
分であり、ソフトな樹脂層あるいは弾性に富んだ熱可塑
性プラスチックであり、この部分も唾液で口蓋に粘着す
るので、面積は小さくてもよい。その結果、口蓋粘膜の
露出面積が拡大されるので、装着時の違和感が無く、患
者の負担が軽減される。結果的に、総義歯の装着を嫌う
患者にも容易に受け入れられる。
補強用の芯材を重ねてから熱可塑性プラスチックの透明
層を重ねると、挟持手段などが折れたりするのを防止で
きる。また、ソフト層を利用して患者の氏名を刻印した
り記入し、その上から透明の熱可塑性プラスチック層を
積層成型すると、義歯の管理も容易になる。
シートでも、中に芯材入りの市販品が有れば、それを使
用してもよい。
ックとしては、ポリカーボネートやポリスチレン、ポリ
エチレン、ポリウレタン、塩化ビニールなどが挙げられ
る。
透明の熱可塑性プラスチックで形成されているので、基
礎床の部分が目立たず、抵抗感なく使用できる。また、
弾性に富んだ材質を採用しているため、顎堤の歯肉を刺
激することが少ない。しかも、顎堤の歯肉との密着度が
よく、唾液だけで基礎床が顎堤に吸着固定されるので、
総義歯の義歯床がプラスチック製で軽いことと相まっ
て、安定良く装着できる。
っていて、基礎床の顎堤と接する側がソフト材でできて
いるので、顎堤の歯肉に与える刺激がより減少し、かつ
顎堤との密着度もより向上する。したがって、総義歯で
あっても、違和感なく、安定よく装着できる。
プラスチックは、従来使用してきたアクリル系樹脂より
弾性に富み、強度も強く、破折しにくいため、義歯床の
基礎床の部分に使用した場合、肉厚を薄くできる。ま
た、総義歯の場合の口蓋部を削除して床部を小さくでき
るので、嚥下障害や発音障害も軽減できる。また、プラ
スチック製で軽いので、唾液による吸着力だけで安定よ
く顎堤に固定できる。
ため、入れ歯が目立たず、審美的に優れているし、金属
の嫌な味もせず、抵抗無く義歯を使用できる。
形態であり、外側から見た側面図である。
あり、外側から見た側面図である。
施形態の断面図である。
実施形態であり、(1)は平面図、(2)は外側から見
た側面図である。
図である。
す図である。
面図である。
態を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 上顎または下顎の全部床の基礎床が、透
明で弾性に富んだ熱可塑性プラスチックで形成されてい
ることを特徴とする義歯。 - 【請求項2】 前記の熱可塑性プラスチック製の基礎床
の顎堤と接する側にソフト材の層が積層され、基礎床が
2層構造となっていることを特徴とする請求項1に記載
の義歯。
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