JP2003116131A - 画像符号化装置および画像符号化方法、並びに画像復号化装置および画像復号化方法 - Google Patents

画像符号化装置および画像符号化方法、並びに画像復号化装置および画像復号化方法

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JP2003116131A
JP2003116131A JP2001307963A JP2001307963A JP2003116131A JP 2003116131 A JP2003116131 A JP 2003116131A JP 2001307963 A JP2001307963 A JP 2001307963A JP 2001307963 A JP2001307963 A JP 2001307963A JP 2003116131 A JP2003116131 A JP 2003116131A
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JP2001307963A
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English (en)
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Seiichi Takado
清一 高堂
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Sony Group Corp
Original Assignee
Aiwa Co Ltd
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Publication date
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  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】モスキートノイズを低減する。 【解決手段】ブロック化された入力画像データi(n1,
n2)を、ブロック毎に、DCT回路131で離散コサイ
ン変換をして係数データX(m1,m2)を得ると共に、量子
化回路132で量子化演算をして係数データXq(m1,m2)
を得る。また、相関判定回路134で、入力画像データ
の各ブロックに対して、パターンメモリ133に記憶さ
れている参照パターンとの相関を判定する。量子化され
た各ブロックの係数データXq(m1,m2)に、相関があると
判定されたブロックに対応して、当該係数データの高域
周波数成分を補正するための補正データCDを、補正デ
ータ付加部138で付加し、補正後のデータを符号化回
路139でハフマン符号化して符号化データとする。補
正データCDを、DCT回路131からの係数データX
(m1,m2)と逆量子化されて得られた係数データXdq(m1,m
2)との差のデータXsub(m1,m2)から作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばデジタル
VTR(Video Tape Recorder)等に適用して好適な画像
符号化装置および画像符号化方法、並びに画像復号化装
置および画像復号化方法に関する。
【0002】詳しくは、この発明は、ブロック化された
画像データをブロック毎に直交変換して得られた各ブロ
ックの係数データを量子化すると共に、この量子化され
た各ブロックの係数データに、所定のブロックに対応し
て、係数データの高域周波数成分を補正するための補正
データを付加して出力データを得ることによって、復号
化側で補正データを使用して各ブロックの係数データの
高域周波数成分を補正でき、モスキートノイズを低減で
きるようにした画像符号化装置および画像符号化方法に
係るものである。
【0003】また、この発明は、量子化された各ブロッ
クの係数データを逆量子化し、この逆量子化されて得ら
れた各ブロックの係数データのうち、係数データの高域
周波数成分を補正するための補正データが付加されてい
る所定のブロックに対応した係数データを、補正データ
に基づいて補正し、この補正された各ブロックの係数デ
ータをブロック毎に逆直交変換して画像データを算出す
ることによって、補正データを使用して各ブロックの係
数データの高域周波数成分を補正でき、モスキートノイ
ズを低減できるようにした画像復号化装置および画像復
号化方法に係るものである。
【0004】
【従来の技術】デジタルビデオ信号を磁気テープ等の記
録媒体へ記録するときには、記録する情報量が多いの
で、高能率符号化によって、デジタルビデオ信号を圧縮
し、記録/再生できる程度の伝送レートを達成するのが
普通である。デジタルビデオ信号を圧縮する高能率符号
化としては、デジタルビデオ信号を多数の小ブロックに
分割し、ブロック毎に処理を行うDCT(Discrete Cosi
ne Transform)等が知られている。
【0005】DCTは、ブロック内の画素に対して離散
コサイン変換を施し、その離散コサイン変換により得ら
れた係数データを再量子化し、さらにこの再量子化され
た係数データに対して可変長符号化するものである。こ
の可変長符号化には、ハフマン符号等のエントロピー符
号化が用いられることが多い。画像データは直交変換さ
れることにより、低周波から高周波までの多数の周波数
データに分割される。
【0006】この分割された周波数データに再量子化を
施す場合、人間の視覚特性を考慮した上で重要である低
周波データに関しては、細かく量子化を施し、人間の視
覚特性を考慮した上で重要度の低い高周波のデータに関
しては、粗く量子化を施すことで、高画質を保持し、し
かも効率が良い圧縮が実現できるという特長を有してい
る。
【0007】従来のDCTを用いた復号は、各周波数成
分毎の、量子化データをそのコードの代表値に変換し、
それらの成分に対して逆DCT(IDCT:Inverse DC
T )を施すことにより、再生データを得る。この代表値
へ変換する時には、符号化時の量子化ステップ幅が使用
される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、DCT
等の直交変換を用いた圧縮において、人間の視覚特性を
考慮した符号化を行うことにより、高画質を保持し、高
効率の圧縮が実現できるという特長がある。
【0009】入力信号にエッジ等の急激な輝度変化があ
ると、直交変換によって高域周波数成分が多く発生す
る。このとき、量子化が粗いために高域の係数データが
0と見なされてしまうと、復号画像において係数データ
(DCT係数)のうち高域係数の成分が不足する。これ
は波上の符号化雑音、所謂モスキートノイズとなって現
れる。
【0010】この発明の目的は、復号化側で各ブロック
の係数データの高域周波数成分を補正できるようにして
モスキートノイズを低減することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係る画像符号
化装置は、ブロック化された入力画像データをブロック
毎に直交変換して係数データを算出する直交変換手段
と、この直交変換手段からの各ブロックの係数データを
量子化する量子化手段と、直交変換により高域周波数成
分が多く発生する画像データのブロックパターンを記憶
しておくパターンメモリと、入力画像データの各ブロッ
クに対して、パターンメモリに記憶されているブロック
パターンとの相関があるか否かを判定する相関判定手段
と、量子化手段で量子化された各ブロックの係数データ
に、相関判定手段で相関があると判定されたブロックに
対応して、当該係数データの高域周波数成分を補正する
ための補正データを付加して出力データを得る補正デー
タ付加手段とを備えるものである。
【0012】例えば、この画像符号化装置は、量子化手
段で量子化された各ブロックの係数データを逆量子化す
る逆量子化手段と、直交変換手段からの各ブロックの係
数データと逆量子化されて得られた各ブロックの係数デ
ータとの差をブロック毎に求める減算手段と、相関判定
手段で相関があると判定されたブロックに対応して、減
算手段からの当該ブロックの減算データに基づいて、上
記補正データを作成する補正データ作成手段とをさらに
備えるものである。
【0013】また、この発明に係る画像符号化方法は、
ブロック化された入力画像データをブロック毎に直交変
換して係数データを算出するステップと、この算出され
た各ブロックの係数データを量子化するステップと、入
力画像データの各ブロックに対して、直交変換により高
域周波数成分が多く発生する画像データのブロックパタ
ーンとの相関を判定するステップと、量子化された各ブ
ロックの係数データに、相関があると判定されたブロッ
クに対応して、当該係数データの高域周波数成分を補正
するための補正データを付加して出力データを得るステ
ップとを備えるものである。
【0014】この発明において、ブロック化された入力
画像データがブロック毎に直交変換されて係数データが
算出される。例えば、直交変換は離散コサイン変換であ
る。そして、算出された各ブロックの係数データが量子
化される。
【0015】また、入力画像データの各ブロックに対し
て、直交変換により高域周波数成分が多く発生する画像
データのブロックパターンとの相関が判定される。この
ブロックパターンは、予めパターンメモリに記憶されて
いる。例えば、入力画像データの各ブロックとパターン
メモリに記憶されているブロックパターンとの相関値が
求められ、この相関値が所定値を越えるときはブロック
パターンとの相関があると判定される。
【0016】そして、量子化された各ブロックの係数デ
ータに、相関があると判定されたブロックに対応して、
当該係数データの高域周波数成分を補正するための補正
データが付加されて出力データが得られる。この補正デ
ータは、例えば以下のようにして作成される。すなわ
ち、量子化された各ブロックの係数データが逆量子化さ
れる。そして、上述したように直交変換されて算出され
た各ブロックの係数データと逆量子化されて得られた各
ブロックの係数データとの差のデータが求められる。そ
して、求められた差のデータに基づいて補正データが作
成される。この場合、補正データは、例えばブロック内
の差のデータのうち、差の大きい上位所定個数のデータ
を用いて作成される。
【0017】このように、ブロック化された画像データ
をブロック毎に直交変換して得られた各ブロックの係数
データを量子化すると共に、この量子化された各ブロッ
クの係数データに、所定のブロックに対応して、この係
数データの高域周波数成分を補正するための補正データ
を付加して出力データを得るものであり、復号化側で補
正データを使用して各ブロックの係数データの高域周波
数成分を補正でき、モスキートノイズを低減できる。
【0018】また、この発明に係る画像復号化装置は、
ブロック化された画像データをブロック毎に直交変換し
て得られた各ブロックの係数データが量子化され、この
量子化された各ブロックの係数データに所定のブロック
に対応してこの係数データの高域周波数成分を補正する
ための補正データが付加されてなる入力データを入力す
る入力手段と、入力データのうち量子化された各ブロッ
クの係数データを逆量子化する逆量子化手段と、この逆
量子化手段で逆量子化されて得られた各ブロックの係数
データのうち、補正データが付加されている所定のブロ
ックに対応した係数データをこの補正データに基づいて
補正する補正手段と、この補正手段からの各ブロックの
係数データをブロック毎に逆直交変換をして画像データ
を算出する逆直交変換手段とを備えるものである。
【0019】また、この発明に係る画像符号化方法は、
ブロック化された画像データをブロック毎に直交変換し
て得られた各ブロックの係数データが量子化され、この
量子化された各ブロックの係数データにさらに所定のブ
ロックに対応して係数データの高域周波数成分を補正す
るための補正データが付加されてなる入力データの量子
化された各ブロックの係数データを逆量子化するステッ
プと、この逆量子化されて得られた各ブロックの係数デ
ータのうち補正データが付加されている所定のブロック
に対応した係数データをこの補正データに基づいて補正
するステップと、この補正されて得られた各ブロックの
係数データをブロック毎に逆直交変換をして画像データ
を算出するステップとを備えるものである。
【0020】この発明において、ブロック化された画像
データをブロック毎に直交変換して得られた各ブロック
の係数データが量子化され、この量子化された各ブロッ
クの係数データに、さらに所定のブロックに対応して、
係数データの高域周波数成分を補正するための補正デー
タが付加されてなる入力データが入力される。この入力
データの量子化された各ブロックの係数データが逆量子
化される。
【0021】逆量子化されて得られた各ブロックの係数
データのうち、補正データが付加されている所定のブロ
ックに対応した係数データが補正データに基づいて補正
される。そして、この補正されて得られた各ブロックの
係数データがブロック毎に逆直交変換されて画像データ
が算出される。
【0022】このように、量子化された各ブロックの係
数データを逆量子化し、逆量子化されて得られた各ブロ
ックの係数データのうち、係数データの高域周波数成分
を補正するための補正データが付加されている所定のブ
ロックに対応した係数データをこの補正データに基づい
て補正し、この補正された各ブロックの係数データをブ
ロック毎に逆直交変換をして画像データを算出するもの
であり、補正データを使用して各ブロックの係数データ
の高域周波数成分を補正でき、モスキートノイズを低減
できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、この
発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形
態としてのデジタルVTR100の構成を示している。
まず、記録系を説明する。入力端子101に供給される
入力ビデオ信号Viは、A/D変換器102によって、
1サンプルが例えば8ビットのデジタル信号に変換され
る。このA/D変換器102の出力データはブロック化
回路103に供給される。このブロック化回路103で
は、1フレームの有効領域が(4×4)画素、(8×
8)画素等の大きさのブロックに分割される。
【0024】ブロック化回路103からの、ブロックの
順序に走査変換されたデジタルビデオ信号はシャフリン
グ回路104に供給される。このシャフリング回路10
4では、例えばブロック単位でシャフリングするもので
ある。シャフリング回路104の出力がブロック符号化
回路105に供給され、ブロック毎に画像データの符号
化処理が行われる。ここで、シャフリング回路104が
ブロック符号化回路105の後に設けられることもあ
る。
【0025】ブロック符号化回路105の出力データは
フレーミング回路106へ供給される。フレーミング回
路106から記録データを発生する。フレーミング回路
106は、エラー訂正符号のパリティを発生すると共
に、シンクブロックが連続する構造の記録データを発生
する。エラー訂正符号としては、例えばデータのマトリ
クス状配列の水平方向および垂直方向のそれぞれに対し
てエラー訂正符号化を行う積符号が採用される。シンク
ブロックは、符号化データおよびパリティに対して、シ
ンクブロック同期信号およびID信号が付加されて構成
される。
【0026】シンクブロックが連続する記録データがチ
ャネルエンコーダ107に供給され、チャネルエンコー
ダ107では、供給された記録データの直流成分を低減
させるためのチャネル符号化の処理を受ける。このチャ
ンネルエンコーダ107の出力データがビットストリー
ムに変換され、さらに記録アンプ108を介して記録用
の回転ヘッド109に供給され、記録データが磁気テー
プ110上の斜めのトラックに記録される。通常、複数
の回転ヘッドが使用されるが、簡単のために、一つの回
転ヘッドのみを図示している。
【0027】次に、再生系を説明する。磁気テープ11
0から再生用の回転ヘッド111により取り出された再
生データは、再生アンプ112を介してチャネルデコー
ダ113に供給され、チャネル符号化の復号が施され
る。チャネルデコーダ113の出力データがフレーム分
解回路114に供給され、記録データからの各種のデー
タの分離とエラー訂正の処理がそれぞれ施される。フレ
ーム分解回路114から発生する出力データには、再生
データの他にエラー訂正した後、エラーの有無を示すエ
ラーフラグが含まれる。このエラーフラグは後述するエ
ラー補間回路118で使用される。
【0028】フレーム分解回路114の出力データがブ
ロック復号化回路115に供給され、ブロック毎に画像
データの復号化処理が行われる。このブロック復号化回
路115の復号データ、すなわち、各画素と対応する復
元データがデシャフリング回路116に供給される。こ
のデシャフリング回路116は、記録系のシャフリング
回路104と相補的なもので、ブロックの空間的な位置
を元の位置へ戻す処理を行う。デシャフリング回路11
6の出力データがブロック分解回路117に供給され
る。ブロック分解回路117では、データの順序がラス
ター走査の順序に戻される。ブロック分解回路117の
出力データがエラー補間回路118に供給される。エラ
ー補間回路118は、上述のフレーム分解回路114か
らのエラーフラグに基づいて、エラー訂正できなかった
画素データを周辺の画素データで補間する。
【0029】補間処理としては、例えば空間的、すなわ
ち2次元方向の補間回路と時間方向の補間回路が順次接
続されたものを使用できる。エラー補間回路118の出
力データはD/A変換器119でアナログ信号に変換さ
れ、出力端子120に出力ビデオ信号Voが出力され
る。
【0030】次に、ブロック符号化回路105の詳細を
説明する。図2は、ブロック符号化回路105の構成を
示している。
【0031】このブロック符号化回路105は、シャフ
リング回路104からのブロック化された画像データに
対し、ブロック毎に、直交変換としての離散コサイン変
換(DCT:Discrete Cosine Transform)を行って、係数
データX(m1,m2)を算出するDCT回路131を有して
いる。このDCT回路131では、例えば1ブロックが
8×8画素の大きさであるとき、当該ブロックの実際の
画素値i (n1,n2)から128を減算してレベルシフトし
た値を画素値x(n1,n2)として、各ブロックの係数デー
タX(m1,m2)が(1)式により求められる。このレベル
シフトの処理は必ずしも必要でないが、この処理をする
ことで画素値を−128〜127の範囲にすることがで
き、各係数値が正負対称になる。
【0032】ここで、m1=0,1,・・・,7
(行)、m2=0,1,・・・,7(列)であると共
に、N1,N2=8である。また、係数データX(0,0)は
直流成分の係数データとなり、残りの63個の係数デー
タは交流成分の係数データとなる。交流成分の係数デー
タは、m1,m2が大きくなるほど、それぞれ水平、垂直
の周波数の高い成分に対応したものとなる。
【0033】
【数1】
【0034】また、ブロック符号化回路105は、DC
T回路131からの各ブロックの係数データX(m1,m2)
を、量子化テーブルを用いて量子化する量子化回路13
2を有している。この量子化回路132では、(2)式
により、量子化演算が行われる。すなわち、各ブロック
の係数データX(m1,m2)がテーブル値Q(m1,m2)で割算さ
れて小数点以下が四捨五入され、量子化された係数デー
タXq(m1,m2)が求められる。
【0035】
【数2】
【0036】また、ブロック符号化回路105は、離散
コサイン変換した場合に高域周波数成分が多く発生する
画像データのブロックパターン(以下、「参照パター
ン」という)を記憶しておくパターンメモリ133を有
している。パターンメモリ133には、例えば図3およ
び図4に示す(1)〜(18)のパターンが参照パター
ンとして記憶される。図において、xは水平方向、yは
垂直方向を示し、またハッチングが付されていない画素
の画素値は255であり、ハッチングが付されている画
素の画素値は0である。なお、パターンメモリ133に
は、i(i=1〜18)番目の参照パターンの画素値P
ref_i(m1,m2)としてそれぞれ実際の画素値から128を
減算してレベルシフトした値が記憶されている。
【0037】また、ブロック符号化回路105は、シャ
フリング回路104からのブロック化された画像データ
の各ブロックに対して、パターンメモリ133に記憶さ
れている参照パターンとの相関があるか否かを判定する
相関判定回路134を有している。相関判定回路134
は、ブロック毎にパターンメモリ133に記憶されてい
る(1)〜(18)の参照パターンとの間の相関値を求
め、あるブロックにおいていずれかの参照パターンとの
間の相関値が予め設定されたしきい値Vthを越えると
き、当該ブロックは参照パターンと相関があると判定す
る。
【0038】ここで、あるブロックのi番目の参照パタ
ーンとの間の相関値Vciは、当該ブロックの画素値x(n
1,n2)と、パターンメモリ133に記憶されているi番
目の参照パターンの画素値Pref_i(m1,m2)とを用いて、
(3)式により求められる。
【0039】
【数3】
【0040】また、ブロック符号化回路105は、量子
化回路132で量子化されて得られた各ブロックの係数
データXq(m1,m2)を逆量子化する逆量子化回路135を
有している。この逆量子化回路135では、(4)式に
より、逆量子化演算が行われる。すなわち、各ブロック
の係数データXq(m1,m2)にテーブル値Q(m1,m2)が掛算
され、各ブロックの逆量子化された係数データXdq(m1,
m2)が求められる。
【0041】
【数4】
【0042】また、ブロック符号化回路105は、DC
T回路131からの各ブロックの係数データX(m1,m2)
と逆量子化回路135で逆量子化されて得られた各ブロ
ックの係数データXdq(m1,m2)との差のデータXsub(m1,
m2)を、ブロック毎に求める減算回路136を有してい
る。この減算回路136では、ブロック毎に、係数デー
タX(m1,m2),Xdq(m1,m2)を用いて、(5)式により減
算が行われて、差のデータXsub(m1,m2)が求められる。 Xsub(m1,m2)=X(m1,m2)−Xdq(m1,m2) ・・・(5)
【0043】また、ブロック符号化回路105は、相関
判定回路134で相関があると判定されたブロックに対
応して、減算回路136からの当該ブロックの差のデー
タX sub(m1,m2)に基づいて補正データCDを作成する補
正データ作成部137を有している。この補正データ作
成部137は、減算回路136からの当該ブロックの差
のデータXsub(m1,m2)のうち差の大きい上位所定個数、
本実施の形態では上位4個のデータを選択し(このと
き、それ以外のデータを0とする)、ブロックデータの
右下、つまり水平、垂直の周波数が高い側から、後述す
る量子化回路132で量子化された各ブロックの係数デ
ータXq(m1,m2)からメインデータMDを得る場合とは逆
の順にジグザグスキャンし、以下0のみとなったところ
に、EOB(End of Block)マークとして、上述のメイン
データMDの最後に付加されるEOBマークとは区別し
得るマーク(EOB2)を付加して補正データCDを作
成する。
【0044】また、ブロック符号化回路105は、量子
化回路132で量子化された各ブロックの係数データX
q(m1,m2)に対応して、それぞれブロックデータの左上、
つまり水平、垂直の周波数が低い側からジグザグスキャ
ンし、以下0のみとなったところに、EOBマークを付
加してメインデータMDを順次作成すると共に、相関判
定回路134で相関があると判定されたブロックのメイ
ンデータMDの後に補正データ作成部137で作成され
た補正データCDを挿入する補正データ付加部138を
有している。このように所定のブロックのメインデータ
MDの後に補正データCDを挿入した場合であっても、
EOBマークによってメインデータMDであるか補正デ
ータCDであるかを識別でき、復号化側ではこれらを分
離できる。
【0045】また、ブロック符号化回路105は、補正
データ付加部138からのデータに対して可変長符号化
としてのハフマン符号化を行って、フレーミング回路1
06に供給すべき符号化データを得る符号化回路139
を有している。この場合、補正データCDが付加されて
いないブロックに関してはメインデータMDの符号化デ
ータのみが出力されるが、補正データCDが付加されて
いるブロックに関してはメインデータMDのハフマン符
号化データに続いてさらに補正データCDの符号化デー
タが出力される。
【0046】図2に示すブロック符号化回路105の動
作を説明する。シャフリング回路104から、例えば8
×8画素の大きさにブロック化された画像データがDC
T回路131に供給される。DCT回路131では、ブ
ロック化された画像データに対し、上述の(1)式によ
ってブロック毎に離散コサイン変換が行われて係数デー
タX(m1,m2)が算出される。この場合、ブロックの実際
の画素値i (n1,n2)から128を減算してレベルシフト
した値が画素値x(n1,n2)として使用される。
【0047】例えば、図5に示すようなブロックパター
ンのブロックを考えてみる。図において、xは水平方
向、yは垂直方向を示し、またハッチングが付されてい
ない画素の画素値は255であり、ハッチングが付され
ている画素の画素値は0である。このブロックの画素値
i(n1,n2)は、(6)式の行列で表される。この場合、行
方向が垂直方向yに対応し、列方向が水平方向xに対応
している。
【0048】
【数5】
【0049】そして、レベルシフト後の画素値x(n1,
n2)は、(7)式の行列で表される。この場合も、行方
向が垂直方向yに対応し、列方向が水平方向xに対応し
ている。
【0050】
【数6】
【0051】そして、離散コサイン変換後の係数データ
X(m1,m2)は、(8)式の行列で表される。この場合、
行方向は垂直周波数の増加方向に対応し、列方向は水平
周波数の増加方向に対応している。
【0052】
【数7】
【0053】また、DCT回路131からの各ブロック
の係数データX(m1,m2)は、量子化回路132に供給さ
れる。量子化回路132では、各ブロックの係数データ
X(m 1,m2)が、量子化テーブルを用いて、(2)式によ
り量子化演算され、各ブロックの量子化された係数デー
タXq(m1,m2)が順次得られる。
【0054】例えば、(9)式の行列は、量子化テーブ
ルのテーブル値Q(m1,m2)の一例を示している。
【0055】
【数8】
【0056】上述の(8)式の行列で表される係数デー
タX(m1,m2)を、このテーブル値Q(m1,m2)を使用して量
子化した場合、量子化された係数データXq(m1,m2)は
(10)式で表される。この場合、行方向は垂直周波数
の増加方向に対応し、列方向は水平周波数の増加方向に
対応している。
【0057】
【数9】
【0058】また、量子化回路132で順次量子化され
て得られた各ブロックの係数データXq(m1,m2)は補正デ
ータ付加部138に供給される。この補正データ付加部
138では、各ブロックの係数データXq(m1,m2)が、そ
れぞれブロックデータの左上、つまり水平、垂直の周波
数が低い側からジグザグスキャンされ((10)式の矢
印参照)、以下0のみとなったところに、EOBマーク
が付加されてメインデータMDが順次作成される。
【0059】例えば、上述の(10)式の行列で示され
るブロックの係数データXq(m1,m2)に対しては、以下の
メインデータMDが作成される。 「18,-3,-3,1,0,1,0,3,3,0,-1,1,3,1,0(5個),-1,0(3
個),-1,-2,-1,0(5個),-1,-1,0(18個),1,EOB」
【0060】また、シャフリング回路104からのブロ
ック化された画像データが相関判定回路134に供給さ
れる。相関判定回路134では、ブロック毎にパターン
メモリ133に記憶されている(1)〜(18)の参照
パターンとの間の相関値Vciが、(3)式によって求め
られ、あるブロックにおいていずれかの参照パターンと
の間の相関値Vciが予め設定されたしきい値Vthを越え
るとき、当該ブロックは参照パターンと相関があると判
定される。
【0061】例えば、ブロックの画素値x(n1,n2)が上
述の(7)式の行列で表されるとき、(1)〜(18)
の参照パターンとの間の相関値Vc1〜Vc18は、それぞ
れ以下のように求められる。 「Vc1=740791,Vc2=1033531,Vc3=676021,Vc4
=643636,Vc5=611251,Vc6=643636,Vc7=67602
1,Vc8=708406,Vc9=740791,Vc10=773686,Vc1
1=741301,Vc12=741301,Vc13=676276,Vc14=61
1251,Vc15=611251,Vc16=611251,Vc17=61125
1,Vc18=611251」
【0062】これらの相関値Vc1〜Vc18から、当該ブ
ロックは(2)の参照パターンと最も相関があることが
分かる。本実施の形態において、しきい値Vthは例えば
「900000」に設定されており、従って当該ブロックは参
照パターンと相関があると判定される。
【0063】また、量子化回路132で順次量子化され
て得られた各ブロックの係数データXq(m1,m2)は逆量子
化回路135に供給される。この逆量子化回路135で
は、各ブロックの係数データXq(m1,m2)が、(4)式に
より逆量子化され、各ブロックの逆量子化された係数デ
ータXdq(m1,m2)が順次得られる。
【0064】例えば、あるブロックの係数データX
q(m1,m2)が上述の(10)式の行列で表される場合、逆
量子化された係数データXdq(m1,m2)は(11)式で表
される。この場合、行方向は垂直周波数の増加方向に対
応し、列方向は水平周波数の増加方向に対応している。
【0065】
【数10】
【0066】また、逆量子化回路135で順次逆量子化
されて得られた各ブロックの係数データXdq(m1,m2)は
減算回路136に供給される。また、この減算回路13
6には、DCT回路131からの各ブロックの係数デー
タX(m1,m2)も供給される。この減算回路136では、
ブロック毎に、上述の(5)式により、係数データX(m
1,m2)から係数データXdq(m1,m2)が減算され、差のデー
タXsub(m1,m2)が求められる。
【0067】例えば、係数データX(m1,m2)が上述の
(8)式の行列で表され、係数データXdq(m1,m2)が上
述の(11)式の行列で表される場合、差のデータX
sub(m1,m2)は(12)式の行列で表される。この場合、
行方向は垂直周波数の増加方向に対応し、列方向は水平
周波数の増加方向に対応している。
【0068】
【数11】
【0069】また、減算回路136からの各ブロックの
差のデータXsub(m1,m2)は補正データ作成部137に供
給される。また、この補正データ作成部137には、相
関判定回路134から各ブロックの相関判定結果が供給
される。補正データ作成部137では、相関判定回路1
34で相関があると判定されたブロックに対応して、当
該ブロックの差のデータXsub(m1,m2)に基づいて補正デ
ータCDが作成される。
【0070】この場合、まず、当該ブロックの差のデー
タXsub(m1,m2)のうち、差の大きい上位所定個数、本実
施の形態では上位4個のデータが選択され、従ってそれ
以外のデータが0とされたブロックデータが生成され、
このブロックデータの右下、つまり水平、垂直の周波数
が高い側から、上述したメインデータを得る場合とは逆
の順にジグザグスキャンされ、以下0のみとなったとこ
ろに、EOBマークとしてのマーク(EOB2)が付加
されて補正データCDが作成される。
【0071】例えば、相関判定回路134で相関がある
と判定されたブロックの差のデータが上述の(12)式
の行列で表されるとき、上位4個のデータとして、−1
52(5,5),−139(6,7),−138(7,6),−137
(7,7)が選択される。ここで、かっこ内は行列座標を示
している。そして、これら4個以外のデータが0とされ
て、(13)式の行列で表される補正データブロックX
c(m1,m2)が生成される。
【0072】
【数12】
【0073】そして、この補正データブロックXc(m1,m
2)の右下、つまり水平、垂直の周波数が高い側からジグ
ザグスキャンされ((13)式の矢印参照)、以下0の
みとなったところに、EOBマークとしてのマーク(E
OB2)が付加されて補正データCDが作成される。こ
の場合、以下の補正データCDが作成される。
【0074】「-137,-138,-139,0(9個),-152,EOB2」 また、補正データ作成部137で作成される、相関判定
回路134で相関があると判定されたブロックに対応し
た補正データCDは、補正データ付加部138に供給さ
れる。この補正データ付加部138には、相関判定回路
134から各ブロックの相関判定結果が供給される。補
正データ付加部138では、上述したように作成された
各ブロックのメインデータMDのうち、相関判定回路1
34で相関があると判定されたブロックのメインデータ
の後に、当該ブロックに対応した補正データCDが挿入
される。
【0075】また、この補正データ付加部138からの
データは符号化回路139に供給される。この符号化回
路139では、補正データ付加部138からのデータに
対して可変長符号化、例えばハフマン符号化が行われ
て、フレーミング回路106に供給すべき符号化データ
が得られる。この場合、補正データCDが付加されてい
ないブロックに関してはメインデータMDのハフマン符
号化のみが行われるが、補正データCDが付加されてい
るブロックに関してはメインデータMDのハフマン符号
化が行われ、それに続いて補正データCDのハフマン符
号化が行われる。
【0076】なお、図2に示すブロック符号化回路10
5はハードウェアで実現するための構成であるが、この
ブロック符号化回路105の各部の機能をマイクロコン
ピュータなどを用いてソフトウェアで実現することもで
きる。
【0077】図6のフローチャートは、その場合におけ
る、あるブロックのブロック符号化処理の手順を示して
いる。まず、ステップST1で、ブロックパターンと参
照パターンとの相関値Vciを求める((3)式参照)。
そして、ステップST2で、相関値Vciがしきい値Vth
を越えたか否かを判定する。相関値Vciがしきい値Vth
を越えていないときは、ステップST3で、当該ブロッ
クの画素値x(n1,n2)を用いて、離散コサイン変換およ
び量子化の演算を行って((1)式、(2)式参照)、
当該ブロックの量子化された係数データXq(m1,m2)を求
める。そして、ステップST4で、ジグザグスキャンを
してメインデータMDを作成し、このメインデータMD
をハフマン符号化して、当該ブロックに対応した符号化
データを得る。
【0078】一方、ステップST2で相関値Vciがしき
い値Vthを越え、当該ブロックが参照パターンと相関が
あると判定するときは、ステップST5で、当該ブロッ
クの画素値x(n1,n2)を用いて、離散コサイン変換およ
び量子化の演算を行って((1)式、(2)式参照)、
当該ブロックの量子化された係数データXq(m1,m2)を求
める。
【0079】次に、ステップST6で、この係数データ
q(m1,m2)に対して逆量子化演算をし((4)式参
照)、逆量子化されて得られた係数データXdq(m1,m2)
とDCT演算の結果である係数データX(m1,m2)との差
のデータXsub(m1,m2)を求める((5)式参照)。そし
て、ステップST7で、当該ブロックの差のデータXsu
b(m1,m2)のうち、差の大きい上位所定個数(n個)のデ
ータを選択し、従ってそれ以外のデータが0とされた補
正データブロック((13)式参照)を生成する。
【0080】次に、ステップST8で、当該ブロックの
量子化された係数データXq(m1,m2)に対してジグザグス
キャンをしてメインデータMDを作成し、このメインデ
ータMDをハフマン符号化し、その後にステップST9
で、補正データブロックに対して逆方向にジグザグスキ
ャンをして補正データCDを作成し、この補正データC
Dをハフマン符号化し、当該ブロックに対応した符号化
データを得る。
【0081】次に、ブロック復号化回路115の詳細を
説明する。図7は、ブロック復号化回路115の構成を
示している。このブロック復号化回路115は、フレー
ム分解回路114からの出力データ、つまりハフマン符
号化データを復号化する復号化回路141を有してい
る。この場合、復号化回路141には各ブロックの符号
化データが順次供給される。復号化回路141は、メイ
ンデータMDのハフマン符号化データからなるブロック
に関しては、このハフマン符号化データを復号化してメ
インデータMDを得、このメインデータMDを出力す
る。また、この復号化回路141は、メインデータMD
および補正データCDのハフマン符号化データが連続し
てなるブロックに関しては、メインデータMDのハフマ
ン符号化データを復号化してメインデータMDを得、こ
のメインデータMDを出力すると共に、補正データCD
のハフマン符号化データを復号化して補正データCDを
得、この補正データCDを出力する。
【0082】また、ブロック復号化回路115は、復号
化回路141からの各ブロックのメインデータMDに基
づいて、ブロック毎に、量子化された係数データX
q(m1,m2)を再構成すると共に、この係数データXq(m1,m
2)に対して逆量子化を行って係数データXdq(m1,m2)を
得る逆量子化回路142を有している。この逆量子化回
路141では、上述したブロック符号化回路105の逆
量子化回路135と同様に、(4)式により、逆量子化
が行われる。すなわち、各ブロックの量子化された係数
データXq(m1,m2)にテーブル値Q(m1,m2)が掛算され、
逆量子化された係数データXdq(m1,m2)が求められる。
【0083】また、ブロック復号化回路115は、逆量
子化回路142で逆量子化されて得られた各ブロックの
係数データXdq(m1,m2)のうち、復号化回路141から
出力される補正データCDに対応したブロックに関して
は当該ブロックの係数データXdq(m1,m2)をこの補正デ
ータCDに基づいて補正した補正係数データXcq(m1,
m 2)を係数データXdq(m1,m2)として出力し、それ以外の
ブロックに関しては当該ブロックの係数データXdq(m1,
m2)をそのまま出力する補正回路143を有している。
この補正回路143では、補正データCDに基づいて再
構成された補正データブロックXc(m1,m2)を用い、(1
4)式によって、補正係数データXcq(m1,m2)が求めら
れる。 Xcq(m1,m2)=Xdq(m1,m2)+Xc(m1,m2) ・・・(14)
【0084】また、ブロック復号化回路115は、補正
回路143からの各ブロックの係数データXdq(m1,m2)
に対し、ブロック毎に逆直交変換としての逆離散コサイ
ン変換をして、デシャフリング回路116に供給すべき
復号化データとしての画像データir(n1,n2)を得る逆D
CT回路144を有している。この逆DCT回路144
では、各ブロックの画像データir(n1,n2)は、当該ブロ
ックの係数Xdq(m1,m2)を用いて、(15)式により求
められる。ここで、n1=0,1,・・・,7(行)、
2=0,1,・・・,7(列)であると共に、N1,N
2=8である。
【0085】
【数13】
【0086】次に、図7に示すブロック復号化回路11
5の動作を説明する。フレーム分解回路114からの出
力データ、つまり各ブロックのハフマン符号化データが
復号化回路141に順次供給される。この復号化回路1
41では、メインデータMDのハフマン符号化データか
らなるブロックに関しては、このハフマン符号化データ
が復号化されてメインデータMDのみが出力される。ま
た、この復号化回路141では、メインデータMDおよ
び補正データCDのハフマン符号化データが連続してな
るブロックに関しては、メインデータMDのハフマン符
号化データが復号化されてメインデータMDが出力され
ると共に、それに続く補正データCDのハフマン符号化
データが復号化されて補正データCDが出力される。
【0087】また、復号化回路141からの各ブロック
のメインデータMDは逆量子化回路142に供給され
る。この逆量子化回路142では、各ブロックのメイン
データMDに基づいて、ブロック毎に、量子化された係
数データXq(m1,m2)が再構成され、再構築された係数デ
ータXq(m1,m2)が、(4)式により逆量子化され、各ブ
ロックの逆量子化された係数データXdq(m1,m2)が順次
得られる。
【0088】例えば、あるブロックのメインデータMD
が以下の場合を考える。 「18,-3,-3,1,0,1,0,3,3,0,-1,1,3,1,0(5個),-1,0(3
個),-1,-2,-1,0(5個),-1,-1,0(18個),1,EOB」
【0089】この場合、当該ブロックの再構築された係
数データXq(m1,m2)は、上述の(10)式の行列で表さ
れる。そして、この係数データXq(m1,m2)が逆量子化さ
れて得られた係数データXdq(m1,m2)は上述の(11)
式の行列で表される。
【0090】また、逆量子化回路142からの各ブロッ
クの係数データXdq(m1,m2)は、補正回路143に供給
される。また、この補正回路143には復号化回路14
1より出力される補正データCDが供給される。この補
正回路143では、各ブロックの係数データXdq(m1,
m2)のうち、補正データCDに対応したブロックに関し
ては当該ブロックの係数データXdq(m1,m2)をこの補正
データCDに基づいて補正した補正係数データXcq(m1,
m2)が係数データXdq(m1,m2)として出力され、それ以外
のブロックに関しては当該ブロックの係数データXdq(m
1,m2)がそのまま出力される。この場合、補正係数デー
タXcq(m1,m2)は、補正データCDに基づいて再構成さ
れた補正データブロックXc(m1,m2)を用い、上述の(1
4)式により求められる。
【0091】例えば、上述の(11)式の行列で表され
るブロックの係数データXdq(m1,m2)に対応して、補正
回路143には以下の補正データCDが供給される
((12)式、(13)式、および対応するブロック符
号化回路105の説明部分参照)。 「-137,-138,-139,0(9個),-152,EOB2」
【0092】この場合、補正回路143では、この補正
データCDに基づいて、上述の(13)式の行列で表さ
れる補正データブロックXc(m1,m2)が再構築される。そ
のため、当該ブロックでは、(16)式の行列で表され
る補正係数データXcq(m1,m2)が求められ、補正回路1
43からはこの補正係数データXcq(m1,m2)が係数デー
タXdq(m1,m2)として出力される。
【0093】
【数14】
【0094】また、補正回路143からの各ブロックの
係数データXdq(m1,m2)は逆DCT回路144に供給さ
れる。この逆DCT回路144では、各ブロックの係数
データXdq(m1,m2)が、ブロック毎に、上述の(15)
式により逆離散コサイン変換され、デシャフリング回路
116に供給すべき復号化データとしての画像データi
r(n1,n2)が得られる。
【0095】例えば、あるブロックの係数データXdq(m
1,m2)が上述の(16)式の行列で表される場合、当該
ブロックの画像データir(n1,n2)は、(17)式の行列
で表される。この(17)式の行列では、行方向が垂直
方向yに対応し、列方向が水平方向xに対応している。
【0096】
【数15】
【0097】なお、図7に示すブロック復号化回路11
5はハードウェアで実現するための構成であるが、この
ブロック復号化回路115の各部の機能をマイクロコン
ピュータなどを用いてソフトウェアで実現することもで
きる。
【0098】図8のフローチャートは、その場合におけ
る、あるブロックのブロック復号化処理の手順を示して
いる。まず、ステップST11で、当該ブロックのハフ
マン符号化データに補正データCDのハフマン符号化デ
ータがあるか否かを判定する。補正データCDのハフマ
ン符号化データがないときは、ステップST12で、メ
インデータMDのハフマン復号化を行って、ステップS
T13で、メインデータMDで再構築された係数データ
q(m1,m2)に対して逆量子化演算を行い((4)式参
照)、さらにステップST14で、逆量子化されて得ら
れた係数データXdq(m1,m2)に対して逆DCT演算を行
って((15)式参照)、当該ブロックの画像データi
r(n1,n2)を求める。
【0099】一方、ステップST11で、補正データC
Dのハフマン符号化データがあるときは、ステップST
15で、メインデータMDのハフマン復号化を行い、さ
らにステップST16で、補正データCDのハフマン復
号を行う。そして、ステップST17で、メインデータ
MDで再構築された係数データXq(m1,m2)に対して逆量
子化演算を行って((4)式参照)、当該ブロックの係
数データXdq(m1,m2)を求める。
【0100】次に、ステップST18で、補正データC
Dに基づいて再構成された補正データブロックXc(m1,m
2)を、ステップST17で求めた係数データXdq(m1,
m2)に加算し((14)式参照)、補正係数データX
cq(m1,m2)を求め、ステップST14で、補正係数デー
タXcq(m1,m2)を係数データXdq(m1,m2)として逆DCT
演算を行って((15)式参照)、当該ブロックの画像
データir(n1,n2)を求める。
【0101】このように本実施の形態において、記録系
のブロック符号化回路105では、ブロック化された画
像データに対してブロック毎に離散コサイン変換して得
られた各ブロックの係数データを量子化すると共に、こ
の量子化された各ブロックの係数データをジグザグスキ
ャンして得たメインデータMDに、当該ブロックパター
ンがパターンメモリ133に記憶されている参照パター
ン(高域周波数成分が多く発生する画像データのブロッ
クパターン)との相関があるとき、当該ブロックの係数
データの高域周波数成分を補正するための補正データC
Dを付加して、これらをハフマン符号化して符号化デー
タを得るものである。
【0102】そして、本実施の形態において、再生系の
ブロック復号化回路115では、量子化された各ブロッ
クの係数データを逆量子化し、この逆量子化されて得ら
れた各ブロックの係数データのうち、補正データCDが
付加されている所定のブロックに対応した係数データを
この補正データCDに基づいて補正し、補正された各ブ
ロックの係数データをブロック毎に逆離散コサイン変換
をして画像データを算出するものである。
【0103】したがって、本実施の形態によれば、離散
コサイン変換により高域成分が多く発生する画像データ
ブロックに関しては、メインデータMDに補正データC
Dを付加して記録し、再生系では、補正データCDに基
づいて、高域の係数データの不足分を補うように補正さ
れるので、モスキートノイズを低減できる。
【0104】なお、上述の(17)式の行列は、上述の
(16)式の行列で表される補正係数データXcq(m1,
m2)に対して逆離散コサイン変換をして得られた画像デ
ータir(n1,n2)を示しているが、仮に(11)式の行列
で表される補正前の係数データXdq(m1,m2)に対して逆
離散コサイン変換をした場合の画像データic-no(n1,
n2)は、(18)式の行列で表される。
【0105】
【数16】
【0106】この補正係数データXcq(m1,m2)に係る画
像データir(n1,n2)と、未補正係数データXdq(m1,m2)
に係る画像データir-no(n1,n2)とを、それぞれ上述の
(6)式の行列で表される元の画像データi(n1,n2)と
比べてみると、画像データi(n1,n2)の画素値「25
5」の画素と画素値「0」の画素との境界部分では、画
像データir(n1,n2)は、画像データir-no(n1,n2)に比
べて、画素値の差が元の画像データi(n1,n2)に近くな
っていることがわかる。これは、補正係数データXcq(m
1,m2)では補正データCDに基づく補正によって高域の
係数データの不足分が補われているからである。
【0107】なお、上述実施の形態において、図2に示
すブロック符号化回路105の相関判定回路134で
は、(3)式によって相関値Vciを求め、これとしきい
値Vthとを比較して相関判定を行っているが、従来周知
のフーリエ位相相関法などを用いて相関を検出するよう
にしてもよい。
【0108】また、上述実施の形態において、図2に示
すブロック符号化回路105では、DCT回路131か
らの各ブロックの係数データX(m1,m2)と逆量子化回路
135で逆量子化されて得られた各ブロックの係数デー
タXdq(m1,m2)との差のデータXsub(m1,m2)に基づいて
補正データCDを作成し、これをメインデータMDに付
加するものであるが、例えばパターンメモリ133に記
憶されている参照パターンにそれぞれ対応した補正デー
タパターンを予め設定しておき、相関があるとされた参
照パターンに対応した補正データパターンを補正データ
CDとするか、あるいはその補正データパターンを示す
インデックスを補正データCDとして、メインデータM
Dに付加するようにしてもよい。
【0109】また、上述実施の形態においては、この発
明をデジタルVTR100の記録系および再生系に適用
したものであるが、この発明はその他の伝送装置におけ
る送信系および受信系にも同様に適用できることは勿論
である。
【0110】
【発明の効果】この発明に係る画像符号化装置および画
像符号化方法によれば、ブロック化された画像データを
ブロック毎に直交変換して得られた各ブロックの係数デ
ータを量子化すると共に、この量子化された各ブロック
の係数データに、所定のブロックに対応して、係数デー
タの高域周波数成分を補正するための補正データを付加
して出力データを得るものであり、復号化側で補正デー
タを使用して各ブロックの係数データの高域周波数成分
を補正でき、モスキートノイズを低減できる。
【0111】また、この発明に係る画像復号化装置およ
び画像復号化方法によれば、量子化された各ブロックの
係数データを逆量子化し、この逆量子化されて得られた
各ブロックの係数データのうち、係数データの高域周波
数成分を補正するための補正データが付加されている所
定のブロックに対応した係数データを、補正データに基
づいて補正し、この補正された各ブロックの係数データ
をブロック毎に逆直交変換をして画像データを算出する
ものであり、補正データを使用して各ブロックの係数デ
ータの高域周波数成分を補正でき、モスキートノイズを
低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態としてのデジタルVTRの構成を示
すブロック図である。
【図2】ブロック符号化回路の構成を示すブロック図で
ある。
【図3】参照パターン例を示す図である。
【図4】参照パターン例を示す図である。
【図5】ブロックパターン例を示す図である。
【図6】ブロック符号化処理を示すフローチャートであ
る。
【図7】ブロック復号化回路の構成を示すブロック図で
ある。
【図8】ブロック復号化処理を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
100・・・デジタルVTR、101・・・入力端子、
103・・・ブロック化回路、104・・・シャフリン
グ回路、105・・・ブロック符号化回路、106・・
・フレーミング回路、107・・・チャネルエンコー
ダ、109・・・記録用の回転ヘッド、110・・・磁
気テープ、111・・・再生用の回転ヘッド、113・
・・チャネルデコーダ、114・・・フレーム分解回
路、115・・・ブロック復号化回路、116・・・デ
シャフリング回路、117・・・ブロック分解回路、1
18・・・エラー補間回路、120・・・出力端子、1
31・・・DCT回路、132・・・量子化回路、13
3・・・パターンメモリ、134・・・相関判定回路、
135・・・逆量子化回路、136・・・減算回路、1
37・・・補正データ作成部、138・・・補正データ
付加部、139・・・符号化回路、141・・・復号化
回路、142・・・逆量子化回路、143・・・補正回
路、144・・・逆DCT回路
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Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブロック化された入力画像データをブロ
    ック毎に直交変換して係数データを算出する直交変換手
    段と、 上記直交変換手段からの各ブロックの係数データを量子
    化する量子化手段と、 上記直交変換により高域周波数成分が多く発生する画像
    データのブロックパターンを記憶しておくパターンメモ
    リと、 上記入力画像データの各ブロックに対して、上記パター
    ンメモリに記憶されているブロックパターンとの相関が
    あるか否かを判定する相関判定手段と、 上記量子化手段で量子化された各ブロックの係数データ
    に、上記相関判定手段で相関があると判定されたブロッ
    クに対応して、当該係数データの高域周波数成分を補正
    するための補正データを付加して出力データを得る補正
    データ付加手段とを備えることを特徴とする画像符号化
    装置。
  2. 【請求項2】 上記相関判定手段は、 上記入力画像データの各ブロックと上記パターンメモリ
    に記憶されているブロックパターンとの相関値を求め、
    該相関値が所定値を越えるときは上記ブロックパターン
    との相関があると判定することを特徴とする請求項1に
    記載の画像符号化装置。
  3. 【請求項3】 上記直交変換は、離散コサイン変換であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。
  4. 【請求項4】 上記量子化手段で量子化された各ブロッ
    クの係数データを逆量子化する逆量子化手段と、 上記直交変換手段からの各ブロックの係数データと上記
    逆量子化されて得られた各ブロックの係数データとの差
    のデータをブロック毎に求める減算手段と、 上記減算手段からの当該ブロックの差のデータに基づい
    て、上記補正データを作成する補正データ作成手段とを
    さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像符
    号化装置。
  5. 【請求項5】 上記補正データ作成手段は、 上記減算手段からの当該ブロックの差のデータのうち差
    の大きい上位所定個数のデータを用いて上記補正データ
    を作成することを特徴とする請求項4に記載の画像符号
    化装置。
  6. 【請求項6】 ブロック化された入力画像データをブロ
    ック毎に直交変換して係数データを算出するステップ
    と、 上記算出された各ブロックの係数データを量子化するス
    テップと、 上記入力画像データの各ブロックに対して、上記直交変
    換により高域周波数成分が多く発生する画像データのブ
    ロックパターンとの相関を判定するステップと、 上記量子化された各ブロックの係数データに、上記相関
    があると判定されたブロックに対応して、当該係数デー
    タの高域周波数成分を補正するための補正データを付加
    して出力データを得るステップとを備えることを特徴と
    する画像符号化方法。
  7. 【請求項7】 上記量子化された各ブロックの係数デー
    タを逆量子化するステップと、 上記算出された各ブロックの係数データと上記逆量子化
    されて得られた各ブロックの係数データとの差のデータ
    を求めるステップと、 上記求められた差のデータに基づいて上記補正データを
    作成するステップとをさらに備えることを特徴とする請
    求項6に記載の画像符号化方法。
  8. 【請求項8】 ブロック化された画像データをブロック
    毎に直交変換して得られた各ブロックの係数データが量
    子化され、該量子化された各ブロックの係数データに所
    定のブロックに対応して上記係数データの高域周波数成
    分を補正するための補正データが付加されてなる入力デ
    ータを入力する入力手段と、 上記入力データのうち上記量子化された各ブロックの係
    数データを逆量子化する逆量子化手段と、 上記逆量子化手段で逆量子化されて得られた各ブロック
    の係数データのうち、上記補正データが付加されている
    所定のブロックに対応した係数データを該補正データに
    基づいて補正する補正手段と、 上記補正手段からの各ブロックの係数データをブロック
    毎に逆直交変換をして画像データを算出する逆直交変換
    手段とを備えることを特徴とする画像復号化装置。
  9. 【請求項9】 上記逆直交変換は、逆離散コサイン変換
    であることを特徴とする請求項8に記載の画像復号化装
    置。
  10. 【請求項10】 ブロック化された画像データをブロッ
    ク毎に直交変換して得られた各ブロックの係数データが
    量子化され、該量子化された各ブロックの係数データに
    さらに所定のブロックに対応して該係数データの高域周
    波数成分を補正するための補正データが付加されてなる
    入力データの上記量子化された各ブロックの係数データ
    を逆量子化するステップと、 上記逆量子化されて得られた各ブロックの係数データの
    うち上記補正データが付加されている所定のブロックに
    対応した係数データを該補正データに基づいて補正する
    ステップと、 上記補正されて得られた各ブロックの係数データをブロ
    ック毎に逆直交変換をして画像データを算出するステッ
    プとを備えることを特徴とする画像復号化方法。
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