JP2003115689A - 電磁波シールド膜 - Google Patents

電磁波シールド膜

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JP2003115689A
JP2003115689A JP2001309962A JP2001309962A JP2003115689A JP 2003115689 A JP2003115689 A JP 2003115689A JP 2001309962 A JP2001309962 A JP 2001309962A JP 2001309962 A JP2001309962 A JP 2001309962A JP 2003115689 A JP2003115689 A JP 2003115689A
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electromagnetic wave
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mass
abs
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JP2001309962A
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English (en)
Inventor
Naoaki Kitagawa
直明 北川
Isao Ando
勲雄 安東
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空メッキ法を用いて、電磁波シールド特
性、密着性、耐食性、経済性および生産性に優れた電磁
波シールド膜を提供する。 【解決手段】 ABS樹脂、ABS/PC系ポリマーア
ロイ、およびABS樹脂およびABS/PC系ポリマー
アロイの混合基材のいずれかで成形された成形品に施
し、Cuの第1層、および、Sn−Cu−Ag被膜の第
2層からなる。第2層のSn−Cu−Ag被膜におい
て、Sn−Cuに対するAgの含有量が、3質量%以
上、30質量%未満であることが望ましい。第2層のS
n−Cu−Ag被膜において、Snに対するCuの含有
量が、3質量%以上、20質量%未満であることが望ま
しい。第1層の膜厚が0.3μm以上、3μm未満であ
ることが望ましい。第2層の膜厚が0.1μm以上、2
μm未満であることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック成形
品用電磁波シールド膜に関する。
【0002】
【従来の技術】電気機器、電子機器や、携帯電話などの
電波を発信および受信する機器には、機器の誤動作を避
けるために、成形品の中に導電性金属を混入したり、筐
体内の内側に、電磁波シールド膜が導電性塗装や、湿式
メッキ法、真空メッキ法などで成膜される。
【0003】従来、湿式メッキ法による成膜では、無電
解メッキ法が用いられ、クロム酸エッチング、パラジウ
ム触媒付加などを行うため、成形品と薄膜との密着は強
固である。
【0004】しかし、廃液の処理の問題や、処理時間が
長いという問題、成形品の両面にメッキされるという問
題があった。
【0005】真空メッキ法による成膜では、アルミニウ
ムを2〜3μm形成する方法や、銅を第1層として、保
護膜としてニッケルなどを成膜するのが一般的である。
しかし、ニッケルは、融点が高く、蒸発時間が長く必要
で、生産性が悪いという問題がある。
【0006】そこで、ニッケルに替わる電磁波シールド
膜として、特開平6−157797号公報、特開平7−
35497号公報に記載されている。
【0007】特開平6−157797号公報には、高周
波プラズマにより銅を成膜した後に、0.05〜2.0
μmの錫膜を配設する電磁波シールド膜が記載されてい
る。
【0008】しかし、この技術では、錫膜が柱状化また
は針状化しやすいため、耐食性が劣る。さらに、真空蒸
着法により成膜すると、銅と錫との密着が悪くなる問題
がある。
【0009】特開平7−35497号公報には、高周波
プラズマにより銅を成膜した後に、0.1μm以上の錫
・銀合金膜を配設する電磁波シールド膜が記載されてい
る。
【0010】しかし、この技術では、ニッケルを使用す
る際の問題は解決されているが、錫膜に銀を含むので、
コストが上昇する問題と、JISで規定された配合の材
料を用いるので、成膜条件に応じた合金比率にできない
問題から、コストダウンができない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、真空メッキ
法を用いて、電磁波シールド特性、密着性、耐食性、経
済性および生産性に優れた電磁波シールド膜を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁波シールド
膜は、ABS樹脂、ABS/PC系ポリマーアロイ、お
よびABS樹脂およびABS/PC系ポリマーアロイの
混合基材のいずれかで成形された成形品に施し、Cuの
第1層、および、Sn−Cu−Ag被膜の第2層からな
る。
【0013】第2層のSn−Cu−Ag被膜において、
Sn−Cuに対するAgの含有量が、3質量%以上、3
0質量%未満であることが望ましい。
【0014】第2層のSn−Cu−Ag被膜において、
Snに対するCuの含有量が、3質量%以上、20質量
%未満であることが望ましい。
【0015】第1層の膜厚が0.3μm以上、3μm未
満であることが望ましい。
【0016】第2層の膜厚が0.1μm以上、2μm未
満であることが望ましい。
【0017】本発明の電磁波シールド膜は、光沢金属の
外観で、密着性、耐食性、およびシールド特性に優れ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の電磁波シールド膜は、A
BS樹脂(以下、ABSという)、PCおよびABS/
PC系ポリマーアロイ(以下、ABS/PCという)の
うちのいずれかで成形した成形品に施される。ここに、
PCはポリカーボネートを意味する。
【0019】成形品と電磁波シールド膜との密着力に応
じて、アンダーコートを塗布してもよい。前処理を施し
た成形品を真空チャンバーに入れ、真空メッキ法によ
り、第1層には比抵抗が小さく、安価な銅を0.3μm
以上、3.0μm未満で形成する。銅の膜厚が0.3μ
m未満では、十分なシールド特性が出ないし、膜本来の
構造が粗になり、耐食性が著しく低下する。また、膜厚
が3.0μm以上では、シールド特性は金属の銅と同等
になるが、膜応力が強くなり、成膜後に自然剥離した
り、テープ剥離試験で剥離する可能性が高くなる。ま
た、必要以上に厚くすることは、成膜に時間がかかり、
生産性が低下する。その上に、Sn−Cu−Ag合金の
第2層を、0.1μm以上、2.0μm未満の厚さで形
成する。
【0020】第2層において、Cuの含有量は、Snに
対して3質量%以上、20質量%未満であることが望ま
しい。Cuを含有させることで錫のウイスカー発生が抑
えられ、Sn単体より大気中で安定になる。さらに、C
uの含有が増えるに従い、抵抗値が下がる。Cu含有量
が3質量%以下では、前記の効果が現れない。Cu含有
量が20質量%を超えると、Sn−Cu合金の共晶点組
成であるSn99.3質量%からおおきく離れるために
融点が高くなって、電子銃蒸発源のハース内で溶解し蒸
発させるのに、出力と時間がかかるようになる。
【0021】さらに、Sn−Cu合金に第3元素とし
て、Agを微量添加するのが好ましい。Sn−Cu合金
のみでは、外観がSn特有の青白い色になる。これを、
湿式メッキのように光沢のある金属外観とし、さらに、
耐食性を向上させるために、AgをSnおよびCuに対
して3質量%以上、30質量%未満添加させることが望
ましい。これを蒸発源として0.1μm以上、2μm未
満の膜厚で成膜する。
【0022】Ag添加量がSn−Cuの3質量%未満で
は、Agの含有量が少なすぎ、外観はSn−Cu色が一
部に表れ、その部分の耐食性は従来のニッケルと同等に
なる。また、Agの含有量が30質量%を超えると、S
n−Cuを蒸発させる電子ビーム出力では、融点が高い
Agが蒸発しきらずに残ってしまう。また、必要以上の
添加は、価格を押し上げる原因になる。
【0023】膜厚が0.1μm未満では、膜抵抗があま
り下がらず、電磁波シールド特性が十分に出ないし、ピ
ンホールが生成したり、付きまわりが悪い部分や成形品
の隅の部分が覆われない可能性がある。膜厚が2μmを
超えると、膜応力が強くなりすぎ、密着性が低下する。
さらに、必要以上の膜厚とする成膜は時間がかかり、生
産性が低下する。
【0024】真空蒸着法で形成しても、イオン化して成
膜するイオンプレーティング法でも、良好な性能を示
す。
【0025】(実施例1)成形品として、ABS製の携
帯電話筐体を用いた。洗浄しないで、電子ビーム方式の
イオンプレーティング装置に設置した。次に、真空度5
×10-3Paまで排気した。次に、Arガスを3.2×
10-2Pa導入した。この状態で、高周波出力1.0k
Wで励起放電を起こし、5分間放電させて成形品表面を
洗浄した。続けて、1ハース当たりCu100gを充填
し、5分間で1μm成膜した。1ハース当たりSn−1
0質量%Cu35gにAg7gを添加し、成形品を自転
および公転させて、1分間成膜した。
【0026】表1に性能試験結果を示す。
【0027】(実施例2)成形品として、ABS/PC
製の携帯電話筐体を用いた。この成形品は、銅との密着
が悪いので、アンダーコートを塗布した。電子ビーム方
式のイオンプレーティング装置に設置した。次に、真空
度5×10-3Paまで排気した。次に、Arガスを3.
2×10-2Pa導入した。この状態で、高周波出力1.
0kWで励起放電を起こし、5分間放電させて成形品表
面を洗浄した。続けて、1ハース当たりCu100gを
充填し、5分間で1μm成膜した。1ハース当たりSn
−5質量%Cu35gにAg10gを添加し、成形品を
自転および公転させて、2分間で0.3μm成膜した。
【0028】表1に性能試験結果を示す。
【0029】実施例1と同等の結果を得た。
【0030】(比較例1)成形品として、ABS製の携
帯電話筐体を用いた。洗浄しないで、電子ビーム方式の
イオンプレーティング装置に設置した。次に、真空度5
×10-3Paまで排気した。次に、Arガスを3.2×
10-2Pa導入した。この状態で、高周波出力1.0k
Wで励起放電を起こし、5分間放電させて成形品表面を
洗浄した。続けて、1ハース当たりCu100gを充填
し、5分間で1μm成膜した。1ハース当たりSn−5
質量%Cu35gにAg15gを添加し、成形品を自転
および公転させて、2分間で0.3μm成膜した。
【0031】表1に性能試験結果を示す。
【0032】蒸発後のハースを観察すると、蒸発しきら
なかったAgが残っていた。
【0033】(比較例2)成形品として、ABS製の携
帯電話筐体を用いた。洗浄しないで、電子ビーム方式の
イオンプレーティング装置に設置した。次に、真空度5
×10-3Paまで排気した。次に、Arガスを3.2×
10-2Pa導入した。この状態で、高周波出力1.0k
Wで励起放電を起こし、5分間放電させて成形品表面を
洗浄した。続けて、1ハース当たり145gのCuを2
ハース、合計290gのCuを充填し、15分間で3μ
m成膜した。1ハース当たりSn35gにAg7gを添
加し、成形品を自転および公転させて、2分間で0.3
μm成膜した。
【0034】完成品を観察すると、成形品端部で基材と
銅膜との間が剥離していた。
【0035】(従来例)成形品として、ABS製の携帯
電話筐体を用いた。洗浄しないで、電子ビーム方式のイ
オンプレーティング装置に設置した。次に、真空度5×
10-3Paまで排気し、その後、Arガスを3.2×1
-2Pa導入した。この状態で、高周波出力1.0kW
で励起放電を起こし、5分間放電させて成形品表面を洗
浄した。続けて、銅を1.0μm成膜し、さらに、ニッ
ケルを0.3μm成膜した。
【0036】表1に性能試験結果を示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1に示したように、従来より耐食性が向
上して、保護膜としての第2層の成膜時間が大きく短縮
された。
【0039】
【発明の効果】本発明により、導電性・シールド特性、
密着性、耐食性に優れた電磁波シールド膜を、高い生産
性で提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K029 AA11 BA08 BA21 BB02 BD00 CA03 EA01 5E321 AA01 BB23 BB25 BB53 BB60 GG05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ABS樹脂、PCおよびABS/PC系
    ポリマーアロイのうちのいずれかで成形された成形品に
    施す電磁波シールド膜であり、Cuの第1層、およびS
    n−Cu−Ag被膜の第2層からなることを特徴とする
    電磁波シールド膜。
  2. 【請求項2】 第2層のSn−Cu−Ag被膜のAgの
    含有量が、Sn−Cuに対し、3質量%以上、30質量
    %未満であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波
    シールド膜。
  3. 【請求項3】 第2層のSn−Cu−Ag被膜のSnに
    対するCuの含有量が、3質量%以上、20質量%未満
    であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波シール
    ド膜。
  4. 【請求項4】 第1層の膜厚が0.3μm以上、3μm
    未満であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波シ
    ールド膜。
  5. 【請求項5】 第2層の膜厚が0.1μm以上、2μm
    未満であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波シ
    ールド膜。
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