JP2003115440A - 温度調節装置および非干渉化温調制御装置並びにこれらの装置を備えた露光装置 - Google Patents

温度調節装置および非干渉化温調制御装置並びにこれらの装置を備えた露光装置

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JP2003115440A
JP2003115440A JP2001307730A JP2001307730A JP2003115440A JP 2003115440 A JP2003115440 A JP 2003115440A JP 2001307730 A JP2001307730 A JP 2001307730A JP 2001307730 A JP2001307730 A JP 2001307730A JP 2003115440 A JP2003115440 A JP 2003115440A
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Shinji Wakui
伸二 涌井
Yoshinori Makita
義範 牧田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温調空間そのものの温度制御の高精度化を図
る温度調節装置、および該温度調節装置を備えた露光装
置を提供する。 【解決手段】 温度調節対象に媒体を送り込む吹き出し
口と、吹き出し口の温度を計測する第1の温度計測手段
4aと、第1の温度計測手段4aの出力を受けて補償演
算を行う第1の温度調節計9と、吹き出し口から下流に
ある温調空間の温度を計測する第2の温度計測手段4b
と、第2の温度計測手段4bの出力を受けて補償演算を
行う第2の温度調節計20と、吹き出し口から一定温度
に制御された媒体を温調空間に送り込むために第1の温
度調節計9の出力に基づいて発熱量を増減する再加熱用
ヒータ2とを備え、第2の温度調節計20に温調空間の
温度の目標値である温度設定値SVを入力し、第2の温
度調節計20の出力を第1の温度調節計9の温度設定値
SV’として入力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体、液体、固体
等の媒体の温度を制御して所定の空間の温度を調節する
温度調節装置および非干渉化温調制御装置並びにこれら
の装置を備えた露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レチクル等の原版に描画された回路パタ
ーンを投影光学系で縮小したうえ、半導体ウエハ等の基
板に露光する装置を半導体露光装置と称する。通称、ス
テッパと呼ばれる。最近では、レチクルを載置するレチ
クルステージと半導体ウエハを載置するウエハステージ
を所定の速度比で互いに反対方向に同期させて駆動する
ことによって露光を行う半導体露光装置が登場してきて
おり、これはスキャナと呼ばれる。このような半導体露
光装置においては、装置全体が温度コントロールされた
チャンバ内に収納されている。
【0003】近年、半導体露光装置等の露光装置に対す
る高生産性への要求を満たすため、レチクルステージ等
の原版ステージやウエハステージ等の基板ステージをは
じめとする位置決め装置は、高速で駆動するようになっ
ている。勢いこれらのステージを駆動するアクチュエー
タの発熱も増大し、両ステージを位置決めするためのレ
ーザ干渉計の光路を揺らがせ、結果として位置計測およ
び位置決め精度の劣化を招来していた。また、発熱は各
種構造部材の寸法の伸縮をもたらすので、結果として計
測精度を狂わせてしまう、という問題があった。そのた
め、露光装置を収納するチャンバの温度制御の高精度化
が求められいる。
【0004】従来、チャンバ内を所定の温度にするため
に、一旦冷却した気体を温調器を用いて再加熱して所望
の温度に制御してから、この気体を一定の温度としたい
空間に送り込んでいた。ここで、気体とは、空気、窒素
ガス、ヘリウム等を指す。以下では、作動気体が空気の
場合について説明する。勿論、窒素ガスやヘリウムを作
動気体とした場合にも、以下の説明の趣旨は何らの変更
を受けるものではない。
【0005】まず、図14を用いて従来の温度制御につ
いて説明する。図14は、従来例における温度制御の構
成を示す図である。ここで、501は不図示の冷却ユニ
ットによって冷却された空気を送り出す送風機、502
は送風機1によって送り込まれた空気を再加熱する再加
熱ヒータ、503は再加熱した空気を導くためのダク
ト、504は空気突出口の温度を計測するための温度計
測手段、505は温度制御された空気、506は温度制
御したい概略の空間を示す温調空間である。また、温調
空間506には、半導体露光装置における位置決め装置
としてのステージ507と、ステージ507を位置決め
制御するための位置計測手段としてのレーザ干渉計50
8が備えられる。
【0006】温調空間506では、ステージ507が高
速に加減速運転されるので、不図示のアクチュエータか
らの発熱等が存在し、温調空間506の温度を所定の値
から変動させる。そこで、温度計測手段504によっ
て、吹き出し口の空気の温度を計測し、この出力を温度
調節計509に導いて適切な補償信号を生成する。この
補償信号は、再加熱ヒータ502への通電量を司るドラ
イバ510への入力となって、再加熱ヒータ502への
通電量が加減されて、送風機501から送り込まれる冷
風に対する加熱量をコントロールすることによって一定
の温度に制御された空気を吹き出し口から温調空間50
6に送り出すことができる。ここで、温度調節計509
は、プラント等の温度制御等に用いることができ、主に
PID補償を実現する機能を有する。周知のように、P
は比例、Iは積分、そしてDは微分動作をそれぞれ意味
する。
【0007】図14に示す従来の温度制御の構成では、
温度制御された空気505を作り出して、これを温調空
間506に充満させる、という思想であったと考えられ
る。勿論、温調空間506には、外乱としての発熱源が
あり、温調空間506の温度は所望の温度から変動す
る。しかし、温度計測手段504は、温調空間506に
存在するのではなくダクト503内に隠れているので、
温調空間506の温度変動を迅速に感知することはな
い。つまり、温度変動した温調空間506に、ひたすら
指定した温度に制御された空気505を送り込むことに
よって温調空間506の変動した温度を矯正しようとす
るのである。すなわち、指定の温度から変動した温調空
間506の空気を、温度制御されて指定の温度になって
いる空気で置換することによって、温調空間506を指
定した一定の温度にしようとするものである。図14で
は、直接に温調空間506を温度制御してはいないこと
に注意が必要である。つまり、温調空間506の外乱を
直接には検知することはないので、外乱に対する変動を
抑制する能力は低いと言わざるを得ない。従って、従来
においては、温調空間506に外乱が入り込まないよう
に、すなわち遮蔽物によって温調空間506を囲い込む
という機械構造を採用している。
【0008】上述の事情に対する理解を深めるために、
次にアナロジーを導入して説明する。図15には、モー
タ511を駆動することによって、ばね512を介した
慣性負荷513を回転駆動させるメカニカルシステムが
示されており、従来例におけるモータ・負荷系の制御構
成を示す図である。上述した温調の思想は、このメカニ
カルシステムと等価である。
【0009】図15において、モータ511を駆動する
コントロールは、モータ511の軸側から検出したセン
サ514の出力に基づく。このようなモータ駆動のコン
トロールにおいては、モータ511側の状態量を、例え
ば回転速度や回転変位を検出して、これをコントローラ
515にフィードバックしている。従って、モータ軸に
関しては正しく制御ができていても、ばね512を介し
た慣性負荷513側の状態は放置されたままとなる。従
って、慣性負荷513の側にトルク外乱516が入っ
て、慣性負荷513の回転速度あるいは回転変位がシフ
トしても、モータ511の側での回転速度あるいは回転
変位は所定通りということがあり得る。
【0010】図14に示した従来の温度制御の構成も、
まさに図15と同様と見做せる。すなわち、モータ51
1の側のセンサ514による状態検出は、温度計測手段
504による吹き出し口の温度検出に、慣性負荷513
に加わるトルク外乱は、温調空間506に入り込む外乱
にそれぞれ相当すると見做せる。従って、図15で、慣
性負荷513にトルク外乱516が入ったとき、慣性負
荷513の回転速度もしくは回転変位がモータ511の
軸に対してシフトしてしまうと同様に、温調空間506
に外乱が作用したとき、この空間の温度は温度計測手段
504の箇所で制御されている空気の温度に対して変動
することは明らかである。ダクト503の吹き出し口の
部位の空気は温度制御されているが、本来は吹き出し口
から先の温調空間を一定の温度にしたいのである。そし
て、吹き出し口から先の空間においては、設定温度を変
動させる各種の外乱が存在する。しかるに、従来の温度
制御の構成下では、真に温度制御したい温調空間6の温
度を計測してはおらず、当然に温調空間506の温度制
御は積極的に行ってはいなかった。
【0011】それでは、温調空間506の温度を計測し
て、これをフィードバックして再加熱ヒータ502を制
御すれば、温調空間506の温度制御は完全になろう、
と考えられる。しかし、事は単純ではなく、このような
フィードバックの安定化と、外乱抑圧性能を満たす温度
調節計509のチューニングは至難の技であった。何故
ならば、再加熱ヒータ502から温調空間506におけ
る温度計測手段までの距離と、再加熱ヒータ502から
吹き出し口の近傍に設けた温度計測手段504までの距
離とを比較すれば、前者の方が長いので、必然的に無駄
時間も長くなって温度の制御性が悪くなることは明らか
である。また、温調空間506の温度は外乱の影響で変
動しており、変動する計測値のフィードバックによる閉
ループ系の安定化は容易ではないことも明らかである。
従って、従来は外乱の影響が直接には入り込まない部
位、すなわちダクト503で覆われる吹き出し口で温度
計測を行い、これをフィードバックして温度制御を行っ
ていた。
【0012】しかるに、本来は外乱下の温調空間506
の温度を一定に制御したいのであり、半導体露光装置の
微細化や高生産性への要請に応えるためには、温調空間
506の温度を直接に制御する温度制御装置の出現が待
たれていた。
【0013】図16は、従来例における空調機器を示す
概略図である。同図において、21は恒温チャンバ、2
2は恒温チャンバ21内の露光装置、23は配設室であ
る。この配設室23に隣接して所定の設定温度の気体を
送風する空調路24が形成され、この空調路24からフ
ィルタ25を介して配設室23に気体が送風され、この
配設室23を清浄かつ恒温に維持するように機能する。
空調路24には熱交換器26と、送風機27と、再加熱
器28とを有する空調機器29を備える。また、外気を
導く外気導入口30、配設室23と連通する連通口3
1、配設室23の気体を外部へと排出する排気口32が
形成されている。
【0014】次に、配設室23内の主要構成要素を説明
する。以下の説明では、空調と温調という言葉を同義で
使用する。まず、不図示の光源から射出された光が半導
体素子の回路パターンであるレチクル33に照射され、
これを通過した光は投影光学系34を通って1/5もし
くは1/4に縮小のうえ半導体ウエハ35に照射され
る。半導体ウエハ35はウエハステージ (XYステー
ジ) 36の上に載置されている。そして、ウエハステー
ジ36は除振台37に搭載されている。38はアクティ
ブ除振装置を構成するアクティブマウントである。この
ユニットの機能は、ウエハステージ36の急激な加減速
を伴うステップアンドリピート運転、もしくは急激な加
減速を伴う高速スキャン運転による駆動反力で発生する
除振台37を含めた本体構造体の揺れを抑制すること、
および露光装置22を設置している床の振動が投影光学
系34を含めた本体構造体に侵入しないようにすること
である。
【0015】配設室23内の温度は、フィルタ25の出
口付近の温度を温度計測手段39aによって検出され
る。次いでこの出力は調節計40に導かれる。ここで
は、調節計40に設定した目標温度と、温度計測手段3
9aの計測結果とを比較した偏差信号に対して、ほとん
どの場合、PID補償が施される。そして、この補償出
力は、再加熱用ヒータ2とこれに電力を給電するドライ
バ(例えば、ソリッドステートリレー:SSR)41と
を有する再加熱器28(これらを温度変換手段と称す
る)に入力され、調節計40に設定した目標温度と一致
するように、再加熱用ヒータ2への給電量が加減され
る。ここで、周知のように、 Pは比例を、Iは積分を、
Dは微分動作をそれぞれ意味する。以上、図16に基づ
き、配設室23内を概ね温度一定となすための空気循環
経路、および温度制御の装置構成を説明した。
【0016】実際には、温度計測手段39aの出力に基
づく温度制御の他に独立した別の空調も施されている。
すなわち、投影光学系34、ウエハステージ36、レチ
クル33を位置決めする不図示のレチクルステージ等の
空間を集中的かつ部分的に空調する温度制御が施されて
おり、ほとんどの場合、制御された一定温度の気体を所
定の空間に送り出す、という思想のもと温調が施されて
いた。つまり、送風口に設けた温度計測手段の出力だけ
がフィードバックされていた。ここでは、以降、吹き出
し口制御と称する。
【0017】しかし、真に一定温度としたい空間は送風
口より先の方にあって、実際にはここに恒温性を乱す外
乱が存在している。つまり、真に温度制御したい空間の
温度計測に基づく所謂ユースポイント制御は掛けられて
いなかった。
【0018】ここで、吹き出し口制御とユースポイント
制御の性能比較を与える。図17は、従来例における吹
き出し口制御の実測結果を示す図である。ここで、図1
7(a)はユースポイントの温度(ここではモニタして
いるだけ)、図17(b)は吹き出し口の温度、そして
図17(c)は外乱源の温度を示す。図17(c)のよ
うな外乱印加によって、一瞬吹き出し口の温度は変化す
る。しかし、基本的には、吹き出し口に設けた温度計測
手段では、ユースポイントの温度変動を感知しない実装
となっているので、外乱印加の一瞬だけ変動を見せたの
ち、素早く指定された温度の空気を流し続ける。そし
て、ユースポイントの温度は、外乱印加によって図示の
時間内ではシフトしたままとなっている。
【0019】一方、図18は、従来例におけるユースポ
イント制御の実測結果を示す図である。図18(a)〜
(c)の各波形の並びは、図17(a)〜(c)と同様
である。この場合、図18(c)の外乱印加に対して、
図18(b)に示す吹き出し口からの気体温度が変化す
る。そして、変化した温度の気体を吹き出し口から流す
ことによって外乱の影響を相殺し、図18(a)に示す
ようにユースポイントの温度を素早く指定した温度に復
帰させていることが分かる。
【0020】つまり、従来の吹き出し口制御に対してユ
ースポイントの温度制御では、真に温度制御したい空間
の温度を高精度で制御できることが分かる。少なくと
も、露光装置が通常の稼働状態にあって、恒温チャンバ
も定常的に運転されている場合におけるユースポイント
制御の優位性は明らかである。
【0021】しかし、例えば露光装置における恒温チャ
ンバの気密が開閉扉の開放によって破られたとき、ユー
スポイント制御の継続的運転は動作不良を招き、最悪の
場合、恒温チャンバの運転停止を招いてしまうことがあ
った。なんとなれば、恒温チャンバという閉じた空間の
温調に対して、同チャンバ外からの温度変動は継続的か
つ圧倒的なものであり、恒温チャンバ内を温調する温度
変換手段の能力を越えてしまうからである。つまり、変
動温度の高低によるが、温度変換手段の出力が零もしく
は最大出力を出力し続けるという事態を招く。また、温
度変換手段の出力にリミッタを設定している場合には、
その上限あるいは下限に貼り付いてしまうのである。
【0022】一方、従来の吹き出し口制御の場合におい
ては、恒温チャンバの開閉扉が開けられた場合、ユース
ポイント周辺の温度は乱されるが、吹き出し口の温度は
乱されない。従って、ユースポイント周辺における温度
は、指定の温度から外れて実質的にエラーとなっても、
すなわち露光性能に悪影響を与える程となっても、吹き
出し口に関する温度制御はあたかも何らの外乱によって
も乱されていないかのごとき温調動作を継続できる。つ
まり、例えば温度変換手段の異常加熱等を招来すること
なく、恒温チャンバの停止をもたらすことなく、安定に
動作させることができる。そして、恒温チャンバの開閉
扉が閉じられたとき、吹き出し口からの気体の温度は所
定の温度なので、極めて長い時間の経過後にはユースポ
イントの温度も所定の温度ヘと復帰させて行くことがで
きる。
【0023】上記した図16においては、投影光学系3
4、ウエハステージ36、レチクル33を位置決めする
不図示のレチクルステージ等の空間を集中的かつ部分的
に空調する温度制御が施される。これらの部分空調を並
列に運転することによって、露光装置22が稼働してい
る。
【0024】従来の場合、このような部分空調の集合が
並列運転されているわけであるが、ここに大きな技術的
課題がある。理想的には、各部分空調が影響を及ぼすこ
となく、互いに独立な系として動作することである。し
かし、実際には、各部分空調は互いに干渉している。す
なわち、ある部分空調の性能を改良するために実施した
調整が、他の部分空調に対しては外乱として作用させて
しまい、恒温チャンバ全体の温度制御性を向上させるこ
とが困難であった。
【0025】そこで、このような温調制御システムにお
ける干渉性の排除のために、例えば、特開2000−1
87514号の提案がなされている。この技術内容を、
図19の2入力2出力の温調系を適用してなる非干渉化
温調制御システムとして説明する。
【0026】同図において、517は制御対象である温
調系であって、温度変換手段としての、例えば第1のヒ
ータ518Aと第2のヒータ518B、および各ヒータ
の動作による温度を計測する温度計測手段としての第1
の温度センサ519Aと第2の温度センサ519Bとを
備える。
【0027】その上で、第1の温度センサ519Aと第
2の温度センサ519Bの出力を平均温度傾斜温度算出
手段520(以降、モード温度算出手段と称する)に導
き、ここで、第1および第2の温度センサ519A,5
19Bの出力から平均温度と傾斜温度とを算出する。そ
うして、平均温度と傾斜温度は、それぞれの目標値入力
端子521A,521Bに加えられた値と比較されて偏
差信号err1とerr2となり、それぞれ第1のPID制御手
段522Aと第2のPID制御手段522Bに導かれて
操作量を算出せしめる。
【0028】第1と第2のPID制御手段522A,5
22Bの出力は、配分手段523に導かれ、空間的に離
れたところに装着されている第1と第2のヒータ518
A,518Bが発生すべき操作量が決定される。
【0029】図19の装置構成は、大局的な見地から、
モード制御に位置付けられる制御装置の構成と言える。
例えば、機械制御の分野では、並進と回転いった運動モ
ードに基づく制御ループの構造は、図19と同様とな
る。また、運動モードに限らず、制御対象たる機械系の
振動モードを個別に捉えるための振動モードに基づく制
御ループの構造も図19と全く同様である。温度制御の
分野に、機械系の位置あるいは振動制御で言うところ
の、運動モード別もしくは振動モード別という概念を持
ち込んだことは特筆すべきことである。
【0030】しかし、制御ループの構造が同じであるも
のの温度制御の分野において、特開2000−1875
14号は、モードの概念を導入することによって非干渉
化を実現し、かつその効果を検証したものと考えられ
る。しかしながら、特に露光装置における温調に、上記
公開公報を適用するに当たっては解決せねばならない課
題があった。
【0031】まず、特開2000−187514号にお
いては、思い通りに動作するための大きな前提条件は、
温度制御する制御対象の動特性がほぼ同じである、とい
う条件が暗黙の内に仮定されていることが挙げられる。
【0032】この事情を説明するために、制御対象の温
調系が図19のように2入力2出力系であるとする。こ
のときの伝達関数行列は、図20のように表現できる。
そして、伝達関数行列の要素の具体的な形式は、何を温
度制御する温調系であるかによって様相を異にする。例
えば、均一な厚みを有する物体を2箇所に設けたヒータ
と、この近傍に設けた2つの温度計測手段の出力に基づ
いて温度制御する場合、例えば、ほぼ次式のように表現
できる。
【0033】
【数1】
【0034】すなわち、対角要素の伝達関数については
ほぼ同じなのである。勿論、非対角項は比例である。特
開2000−187514号では、このような制御対象
に対する適用を前提にしている。なお、数式1で用いて
いる記号は、本発明に係る技術分野に従事する者であれ
ば容易に分かる程度のものであり、従って詳細には述べ
ない。
【0035】しかし、2入力2出力系において、G
11(s)とG22(s)のパラメータが大きく異なると
き、すなわち、次のように数式2と数式3で表現される
場合もある。
【0036】
【数2】
【0037】
【数3】
【0038】勿論、Kp1≠Kp2、Tp1≠Tp2、Lp1≠L
p2、である。すなわち、伝達関数の形そのものは同じで
あるが、各パラメータの値が大きく異なり、応答性に差
異がある場合である。あるいは、以下の数式4と数式5
のように表現できるプラントも存在する。
【0039】
【数4】
【0040】
【数5】
【0041】この場合、G11(s)とG22(s)の間に
本質的なダイナミクスの差異があり、従って応答性に大
きな違いがあるということを表現している。勿論、数式
2から数式5の場合、12、21要素は干渉項となり、
何れも伝達関数が存在するという干渉系を扱うものとし
ている。
【0042】露光装置における空調系は、まさに数式1
以外で、すなわち数式2,3あるいは数式4,5で表現
される系である。例えば、恒温チャンバ内の空間全体を
一定温度に制御する系の時定数は大きなものである。一
方、恒温チャンバという大空間の温調と並列運転されて
おり、特に、ステージの空間だけを部分的に空調する系
は、恒温チャンバ空間の温調に比較すれば、無駄時間も
時定数も小さい。すなわち、速い応答を示す系である。
勿論、これらのパラメータが小さくなければ、露光性能
にとって重要なステージ空間の部分空調を設ける意義は
ない。恒温チャンバ空間の温調系に比較すれば、素早い
応答性を有するように、再加熱器の高応答化、送風手段
の高速化、温度計測手段の高速化を実現している。そし
て、勿論のこと、恒温チャンバ空間の温度制御の乱れ
は、ステージ空間の温度の変動となり、逆も少なからず
存在する。つまり、相互に干渉する系なのである。
【0043】このようなダイナミクスが大きく異なる系
に対して、図19に示すモード温度算出手段520と配
分手段523の各行列要素とを定係数として構成して
も、元々のダイナミクスの違いが大きいため、非干渉化
はうまく動作しないという課題がある。
【0044】特開2000−187514号では、行列
の各要素が定係数である以外の手段にも言及している。
すなわち、「この実施の形態では、配分比(非干渉化係
数)を、伝達係数を用いて算出したけれども、本発明の
他の実施の形態として、伝達係数に代えて、周波数特性
も表す伝達関数を用いて算出するようにしてもよい」と
記載されている。すなわち、この記述は、配分手段52
3という行列演算の要素が定係数に限ることはないと明
記している。すなわち、制御対象のダイナミクスを考慮
して、配分手段523の内容を決定できるとしている。
【0045】この演算は、例えば逆システムを求めるこ
とにも相当する。しかし、温調系のように無駄時間を含
む制御対象には適用できない。なんとなれば、例えば、
数式1の逆システムは次式で表現できる。
【0046】
【数6】
【0047】ここで、プロパーではないこと(次数の問
題)は、分母の次数を上げるフィルタの挿入によって解
消できるが、G11(s)での無駄時間Lp が、逆シス
テムG11 -1(s)では、予測時間Lp として機能させ
ねばならないのであり、実現不可能である。無駄時間系
をパディー近似した伝達関数の分子には不安定零点が出
現するので、逆システムの伝達関数では、この零点が不
安定極となってしまうことからも容易に分かる。
【0048】さらには、物理的に実現可能な伝達関数を
配分手段523の要素として実装することも考えられ
る。しかし、このような伝達関数を算出するアルゴリズ
ムないし探索の方法は知られていない。要するに、実質
的には、配分手段523の各要素に周波数特性を有する
要素を実装することはできないと言わざるを得ない。
【0049】
【発明が解決しようとする課題】本発明を創作するに至
った課題を整理すると以下の通りである。精密温調の分
野では、循環する空気を一旦冷やした後に、温度コント
ロール下で再加熱した空気を、温度制御したい空間(温
調空間)に送り込むことが行われていた。空気の再加熱
の程度は、温度計測手段の出力を使ったフィードバック
制御に基づく。しかしながら、温度計測手段は、真に温
度制御したい空間には装着されてはいなかった。所望の
温度の空気を再加熱ヒータで作りだし、これを温調空間
に送り込むという考え方のもとで半導体露光装置等の露
光装置におけるチャンバの温度制御がなされていた。
【0050】しかるに、露光装置における温調空間は露
光性能に関与する環境であって、外乱の影響を直ちに抑
制せねばならない空間である。それにも拘わらず、温調
空間の検出温度に基づくフィードバック制御は行われて
いなかった。何故ならば、再加熱ヒータから温度計測手
段までの距離等に依存する無駄時間が長くなるので、制
御ループの安定化が難しくなるからである。また、温調
空間の外乱を高感度で検出するので、やはり制御ループ
の整定性を損なうことになるからである。
【0051】また従来、露光装置における恒温チャンバ
の温調では、一定温度に制御された気体を吹き出し口か
ら突出させていた。温度計測手段は、吹き出し口近傍に
設けられ、この出力をフィードバックするという制御が
掛けられていた。
【0052】しかしながら、吹き出し口の温調では、真
に一定とさせたい空間の温度を、外乱下ににおいて素早
く復帰させることはできなかった。そこで、吹き出し口
とともに、真に一定温度としたい空間の温度も検出し、
それぞれをフィードバックするというユースポイント制
御の開示がなされていた。従来の吹き出し口制御に比較
して、真に一定温度としたい空間への外乱印加に対し
て、指定した温度に素早く復帰させる能力を有すること
が示されている。
【0053】露光装置における恒温チャンバの運用に際
しては、開閉扉の開放といった恒温性を乱す大きな外乱
を入れざるを得ない状況がある。従来の吹き出し口制御
では、外乱による温度変化を検知することがなく、ひた
すら吹き出し口から一定温度の気体を流し続けるので、
温度制御系は通常稼働と何ら変わることなく運転を継続
していくことができる。しかし、ユースポイント制御に
おいては、開閉扉の開放という過大な外乱の印加によっ
て、例えば温度変換手段が最大値を持続的に出力する事
態を招くことがあった。このとき、フィードバック系は
動作エラーとなり、最悪の場合、恒温チャンバの停止を
招いてしまった。同チャンバの停止は、露光装置におけ
る継続的な稼働の大いなる妨げになるため、回避するこ
とが望まれていた。単に、恒温チャンバの稼働停止を回
避するのみならず、例えば開閉扉が閉じられたとき、速
やかに真に制御したい空間の温度を指定した値に復帰さ
せることが問題として残されていた。
【0054】さらに露光装置における恒温チャンバで
は、一定温度の媒体(多くの場合、気体)による空調が
行われている。その際、複数の部分空調を並列に運転す
ることによって、露光装置の露光性能に直結する空間、
およびこれとつながる周辺空間の温度を一定にする温度
制御が施されていた。しかるに、部分空調は相互に影響
を及ぼしあう干渉系であるため、温調システム全体の性
能を向上させるための調整が、干渉性の存在のため困難
であった。
【0055】このような干渉性を排除するために、特開
2000−187514号が提案されていた。この提案
は、温調制御の分野に物理的な見通しがきく非干渉化の
考え方を取り込んでいる。そして、実験的に、優れた制
御性能を示している。
【0056】しかしながら、特開2000−18751
4号の温度制御を露光装置へ適用するに際しては、解決
せねばならない課題があった。すなわち、上記公開公報
で扱う制御対象は、相互に干渉するシステムではあるも
のの、互いのダイナミクスがほぼ同じという制約条件が
あった。従って、定係数の行列演算をフィードバックル
ープの中に挿入することによって、干渉性を解くことが
できた。また、上記公開公報では、温調系の応答性改善
のための制御戦略は盛り込まれていなかった。
【0057】しかるに、露光装置の中で稼働している複
数の温調系は元々のダイナミクスが緩慢であり、かつ互
いに異なっていることが一般的であった。従って、上記
公開公報の露光装置内で稼働する温調系への単純な適用
は、外乱復帰能力の向上が期待できないのみならず、元
々のダイナミクスが異なるので非干渉化がうまく機能し
ない、という問題があった。
【0058】本発明は、上記従来技術の有する問題に鑑
みてなされたものであり、温調空間そのものの温度制御
の高精度化を図る温度調節装置、および露光装置の高精
度化と高生産性への要求に応えるため、該温度調節装置
を備えた露光装置を提供することを目的とする。また、
露光装置内で稼働しており、恒温チャンバの気密性等に
応じて制御ループ構造の切り替えを備えた温度調節装
置、および該温度調節装置を備えた露光装置を提供する
ことを目的とする。さらに、露光装置内で稼働してお
り、複数の部分空調系が並列的に稼働している温調系に
あって、高速応答を実現しつつ、同時に非干渉化を行っ
た非干渉化温調制御装置、および該非干渉化温調制御装
置を備えた露光装置を提供することをさらなる目的とす
る。
【0059】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために、本発明の温度調節装置は、温度調節対象
に媒体を送り込む吹き出し口と、前記吹き出し口の温度
を計測する第1の温度計測手段と、前記第1の温度計測
手段の出力を入力して補償演算を行う第1の温度調節計
と、前記吹き出し口から下流にある温調空間の温度を計
測する第2の温度計測手段と、前記第2の温度計測手段
の出力を入力して補償演算を行う第2の温度調節計と、
前記吹き出し口から一定温度に制御された媒体を前記温
調空間に送り込むために前記第1の温度調節計の出力に
基づいて発熱量を加減または増減する温度変換手段とを
備え、前記第2の温度調節計に前記温調空間の温度の目
標値である所定の温度設定値を入力し、前記第2の温度
調節計の出力を前記第1の温度調節計の温度設定値とし
て前記第1の温度調節計に入力することを特徴とする。
前記温度調節装置は、一旦冷却した媒体(例えば気体)
を再加熱することによって所定の空間に一定温度に制御
された媒体を送り込む温度調節システムとして適用する
ことが可能である。
【0060】前記温度調節装置において、前記温度調節
装置は、温度調節対象に媒体を送り込む吹き出し口と、
前記吹き出し口近傍の温度を計測(検知)する第1の温
度計測手段と、前記第1の温度計測手段の出力を負帰環
する第1の温度調節計と、前記吹き出し口から下流にあ
る温調空間の温度を計測する第2の温度計測手段と、前
記第2の温度計測手段の出力を負帰環する第2の温度調
節計と、前記吹き出し口から一定温度に制御された媒体
を前記温調空間に送り込むために前記第1の温度調節計
の出力に基づいて発熱量を加減する温度変換手段(例え
ば再加熱器)とを備え、前記第2の温度調節計に前記温
調空間の温度の目標値である所定の温度設定値を入力
し、前記第2の温度調節計の出力を前記第1の温度調節
計の温度設定値として入力することが好ましい。前記第
2の温度計測手段は、前記温度調節対象に対して分布的
に複数個配置され、前記複数個の第2の温度計測手段の
出力から温度計測値の単純平均または重み付き平均を演
算する演算手段を有し、前記演算手段の出力を負帰還信
号として前記第2の温度調節計へ入力するとよい。ま
た、前記温度調節対象は、露光装置におけるステージ空
間、投影光学系、および前記露光装置をその内部に配置
する配設室のいずれか1つ以上の部位とするとよい。さ
らに、前記温度調節装置は、前記第1の温度調節計には
微分先行型PID制御方式を、前記第2の温度調節計に
は偏差微分型PID制御方式を、それぞれ実装するとよ
い。
【0061】前記温度調節装置は、温度制御されている
恒温チャンバ内の状態を監視し、監視結果から該恒温チ
ャンバ内の状態の判定を行う判定手段と、前記判定手段
の出力に基づき、前記第1の温度調節計の入力を前記第
2の温度調節計の出力、または、前記第1の温度調節計
への前記所定の目標値に切り替える切替手段とをさらに
有するとよい。さらに、前記温度調節装置において、前
記前記第1の温度調節計はPID演算を行い、前記第2
の温度調節計はPI演算を行うことが可能である。
【0062】上記目的を達成するために、本発明の非干
渉化温調制御装置は、制御対象の温度を計測する複数の
第1の温度計測手段と、前記制御対象に送り込む媒体の
温度を可変させる温度変換手段と、前記温度変換手段に
よる前記媒体の温度を計測する複数の第2の温度計測手
段と、前記第2の温度計測手段の出力に基づき前記温度
変換手段を駆動するフィードバックによって構成される
マイナループ系と、前記第1の温度計測手段の出力から
前記制御対象の平均温度と傾斜温度を算出するモード温
度算出手段と、前記モード温度算出手段の出力に補償を
施した信号を入力として前記マイナループ系への入力を
生成する配分手段とを有することを特徴とする。
【0063】前記非干渉化温度制御装置において、前記
マイナループ系は、前記モード温度算出手段の出力に補
償を施した信号、および、前記第2の温度計測手段の出
力を入力とし、前記温度変換手段に対する操作量を決定
するPID制御手段をさらに有し、前記PID制御手段
は前記マイナループ系における前記第2の温度計測手段
までの応答を調節する手段を有することが好ましい。本
発明の露光装置においては、前記温度調節装置または前
記非干渉化温調制御装置を備えることが可能である。
【0064】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を用いて
詳細に説明する。 [第1の実施例]図1は、本発明の一実施例に係る半導
体露光装置における温度調節装置を示す図である。ここ
で、2は不図示の冷却ユニットによって冷却された空気
を再加熱するために備える空調機械室16内の再加熱用
ヒータ、3は再加熱した空気を温調空間へと導くダク
ト、17は温調空間に空気を突出させる吹き出し口とし
てのフィルタボックスをそれぞれ示す。また、4aは空
気吹き出し口の温度を計測する第1の温度計測手段(図
14の温度計測手段504と同じとすることが可能)、
9は第1の温度計測手段4aの出力をフィードバック信
号として受けて補償演算を施す第1の温度調節計、10
は第1の温度調節計9の出力に応動して再加熱用ヒータ
2に通電するドライバ、4bは温調空間の温度を計測す
る第2の温度計測手段、20は第2の温度計測手段4b
の出力をフィードバック信号として受けて補償演算を施
す第2の温度調節計をそれぞれ示す。さらに、7は温調
空間内に存在しておりかつ半導体ウエハを載置するステ
ージ、18はステージ7を載置する本体構造体、19は
本体構造体18を支持する除振装置をそれぞれ示す。
【0065】まず、第1の温度計測手段4aの出力は、
第1の温度調節計9に導かれる。ここで、後述する第2
の温度調節計20が出力する温度設定値SV 'と第1の
温度計測手段4aの出力と比較した信号に対して補償が
施されて、この補償出力は再加熱用ヒータ2に通電する
ドライバ(例えばSSR)10への入力となる。一方、
真に温度制御したい空間の温度を計測する第2の温度計
測手段4bの出力は、第2の温度調節計20に導かれ、
さらに温度設定値SVと比較した信号に対して補償が施
され、第1の温度調節計9に入力する温度設定値SV '
の信号を生成する。
【0066】ここで、第1の温度調節計9および第2の
温度調節計20の補償演算には、PID補償器が用いら
れている。そして、第1の温度調節計9を使ったフィー
ドバックループの応答は、温度設定値SV 'の入力に速
く追従するように応答性を上げておく。具体的に、目標
値応答重視の調整が好適となる。そして、第2の温度調
節計20を使ったフィードバックループの役割は、一定
の温度設定値SVを、外乱の存在下において維持するこ
とにあるので、外乱応答重視の調整を行うことが好適で
ある。
【0067】目標値応答重視の調整則と外乱応答重視の
調整則とを、それぞれ第1の温度調節計9と第2の温度
調節計20に施した方がよい理由は、目標値応答と外乱
応答とがトレードオフの関係にあるからである。すなわ
ち、目標値応答を良好となすようにPID補償のパラメ
ータを調整すると外乱応答が劣化し、反対に、外乱応答
を良好となすようにPID補償のパラメータを調整する
と目標値応答が劣化する、という周知の関係があるから
である。このような、目標値応答と外乱応答との間のト
レードオフの関係を踏まえて、第1の温度調節計9と第
2の温度調節計20の役割を鑑みるとき、第1の温度調
節計9では目標値応答重視のPIDパラメータ調整を行
い、第2の温度調節計20では外乱応答重視のPIDパ
ラメータ調整を行うことが好ましい。具体的に、目標値
応答重視の調整則や外乱応答重視の調整則としては、チ
ーグラー−ニコルス(Ziegler-Nichols )法、高橋法、
チエン−フロネス−レスウィック(Chien-Hrones-Reswi
ck)法等から適切に選択することができる。
【0068】本実施例では、PIDの調整則を適宜選択
することに加えて、第1の温度調節計9と第2の温度調
節計20の各PID演算の形式を指定することによっ
て、目標値応答重視と外乱応答重視の効果を得ることが
できる。まず、第2の温度調節計20であるが、これは
外乱下において温度設定値SVを維持する定値制御性を
重視するので、例えば数式7で表現される偏差微分型P
ID制御方式を採用することが好適となる。
【0069】
【数7】 ここで、OUT:補償器の出力、e:偏差(e=PV−
SV)、PV:温度計測値、SV:温度設定値、P:比
例帯、Ti :積分時間、Td :微分時間、である。
【0070】上記した第1の温度調節計9であるが、こ
れはSV 'に対する追従性が求められるので、例えば数
式8で表現される微分先行型PID制御方式を採用する
ことが好適である。数式7との差異は、微分動作が温度
計測値PVのみに働くPID制御方式であるということ
である。
【0071】
【数8】 ここで、ΔPV:PVn −PVn-1 (n−1は1制御周
期前の値)である。
【0072】本実施例では、目標値応答重視や外乱応答
重視を重視することが主旨であり、第1の温度調節計9
と第2の温度調節計20に実装する調整則をチーグラー
−ニコルス法や高橋法等に限定する必要はない。温調空
間の性状に適合するように、試行錯誤によって第1温度
調節計9と第2の温度調節計20の各PIDのパラメー
タを調整することは、勿論妨げられない。
【0073】図1においては、第2の温度計測手段4b
は、ステージ7の上方に在って半導体ウエハ近接の空間
温度を検出するように示されている。しかし、第2の温
度検出手段4bの計測構成については、以下のように幾
つか考えられる。
【0074】(1)ステージ7の物体温度を計測するべ
く温度計測手段を装着し、これを第2の温度計測手段4
bとする。この第2の温度計測手段4bの個数は1個に
限らず、複数個でも構わない。 (2)特に、ステージ7における位置計測手段としての
レーザ干渉計の光路に温度計測手段を設けて、これを第
2の温度計測手段4bとする。この第2の温度計測手段
4bの個数は1個に限らず、複数個でも構わない。 (3)図1には、1個の第2の温度計測手段4bを配置
しているが、複数個の第2の温度計測手段4bを空間的
に配置することによって温度分布を計測し、この結果に
基づいて第2の温度調節計20へのフィードバック信号
となすことができる。
【0075】[第2の実施例]上記した第1の実施例で
は、温調空間が半導体ウエハ等の基板を載置するステー
ジ7を含む空間とし、この空間を所定の温度にするため
の温度調節装置を示した。この考え方の適用は、半導体
露光装置におけるステージ7を主に含む空間に限定され
るものではない。例えば投影露光装置を納めるチャンバ
内の配設室の空調に対しても適用可能である。
【0076】先に説明した図16においては、ウエハ3
5に焼き付けられるICパターンの線幅がサブミクロン
(サブμm)となっている。従って、投影露光装置22
に対しては、露光精度に影響する温度変化や、空気中の
塵等による環境変化を極力与えないようにする必要があ
る。そのために、投影露光装置22は、空気を清浄かつ
恒温に保持する空調装置を備えた配設室23内に置かれ
る。恒温性の維持は、熱交換器26を介して一旦冷却さ
れた空気を送風機27によって再加熱器28へと送り込
み、ここの再加熱量を制御することによっていた。再加
熱量は、フィルタ25からダウンフローとなる空気の温
度を第1の温度計測手段39aで検出し、この検出出力
を温度調節計40に導き、ここで配設室23を所定の温
度の目標値と比較して、補償演算が施される。ほとんど
の場合、PID補償であり、この補償出力を再加熱器2
8のドライバ41への入力と成している。このような構
成によれば、フィルタ25からのダウンフロー近傍であ
って、ただ1箇所の温度検出に基づいて配設室23全体
の温度を制御していたことになる。しかし、配設室23
は大空間であって、かつ、この中の発熱源が空間的に分
布していることから、ただ1箇所の温度検出に基づく再
加熱器28の制御では、精密温度制御はほとんど成しえ
ていなかった。
【0077】図2は、本実施例における温度調節装置を
示す図であり、図16と同一の符号は図16と同様の構
成要素を示す。すなわち、図16の従来の温度調節装置
に対して、図1の思想を展開して図2を得る。
【0078】具体的に、図2においては、フィルタ25
近傍に設けた第1の温度計測手段39aの他に、ダウン
フローの下流にも第2の温度計測手段39b(図2では
3箇所)を配置している。そして、複数の(図2では3
個)出力を演算手段42に導いている。ここでは、空間
に分布的に配置した第2の温度計測手段39bの出力か
ら、一つの温度計測値を算出して温度調節計40にフィ
ードバックする機能を有する。演算手段42における具
体的な演算としては、複数箇所の温度計測値の単純平
均、重み付き平均等が採用される。ここで、重み付き平
均とは、第2の温度計測手段39bによる複数箇所の温
度計測値の中で、露光性能との相関が強い箇所の温度計
測値を温度調節計40へのフィードバック信号として強
く、反対に露光性能との相関が小さい箇所の温度計測値
を温度調節計40へのフィードバック信号として弱く反
映させることである。
【0079】このようにして、演算手段42の出力は、
温度調節計40にフィードバックされる。このとき、温
度調節計40は、演算手段42の出力が、温度調節計4
0に設定した温度設定値に追従するように機能する。具
体的に、第1の温度計測手段39aで検知されるフィル
タ25近傍の温度を、再加熱器28をコントロールする
ことによって素早く変化させて、その空気をダウンフロ
ーさせた結果として第2の温度計測手段39bが設置さ
れている箇所の温度を温度調節計40に設定した目標温
度に素早く一致させるのである。
【0080】図1の説明では、温度調節計を第1の温度
調節計9と第2の温度調節計20とに分けた。しかし、
図2おいては一台の温度調節計40を使っているように
示されている。勿論、温度調節計40は2チャンネル以
上の補償演算を備える。図1と同様、図2の一台の温度
調節計40の中に第1の温度調節計9と第2の温度調節
計20の両者が組み込まれて構成できる。
【0081】上記した第1の実施例では、半導体ウエハ
を載置するステージ周辺の空調に係る温度調節装置を、
第2の実施例では半導体露光装置を収納する配設室に係
る温度調節装置の構成をそれぞれ示した。勿論、半導体
露光装置においては、投影光学系や発熱が顕著な電磁ア
クチュエータを駆動するユニット等に対して、個別に温
度調節が行われている。すなわち、部分空調を行う温度
調節装置の集合が半導体露光装置における温度調節装置
と呼べるものである。これらの部分空調を行う温度調節
装置に対しても本発明の思想が適用できることは勿論で
ある。
【0082】[第3の実施例]図3は、本発明の一実施
例における温度調節装置を示す図である。同図におい
て、53は開閉扉、54は開閉扉53が取り付けられて
いる恒温チャンバの隔壁の一部、55は開閉扉53のイ
ンターロックスイッチ、である。そして、隔壁54で被
われた空間内に、図16に示した露光装置22が収納さ
れている。図1では、ウエハステージ36の一部とその
周辺が示されている。ウエハステージ36の上面には、
半導体ウエハ35や、位置決め計測用のレーザ干渉計の
反射ミラー56X,56Yが取り付けられている。
【0083】次に、ウエハステージ36の空間に対する
温調の一部構成を説明する。60は温度変換手段として
の再加熱ヒータ、61は再加熱ヒータ60で加熱された
気体を導くダクト、62は塵埃等を除去するフィルタ、
である。そして、フィルタ62から吹き出す気体(図中
の矢印参照)の温度を計測するために第1の温度計測手
段63が、ウエハステージ36近傍の温度を計測するた
めに第2の温度計測手段66がそれぞれ実装されてい
る。
【0084】まず、第1の温度計測手段63の出力は、
第1の温度調節計67にフィードバックされており、第
1の温度調節計67の出力によって温度変換手段として
の再加熱ヒータ60が駆動されている。本実施例におい
ては、この閉ループ系をマイナループと称する。続い
て、ウエハステージ36の空間の温度を計測する第2の
温度計測手段66の出力は第2の温度調節計58にフィ
ードバックされている。ここで、第2の温度調節計58
では目標値入力端子57に印加する目標値SPMと第2
の温度計測手段66の計測値を比較した偏差信号に対し
て、第1の温度調節計67では第2の温度調節計58の
出力と第1の温度計測手段63の計測値を比較した偏差
信号に対してそれぞれPID演算が施される。なお、第
2の温度調節計58は、D動作を無くしたPI演算であ
ることが望ましい。
【0085】露光装置が通常の稼働状態にあるとき、切
り替えスイッチ59はB側に接続されており、第2の温
度調節計58の出力は、先に説明したマイナループヘの
入力となる。すなわち、第2の温度調節計58の出力
と、第1の温度計測手段63の出力とを比較した偏差信
号に対して第1の温度調節計67が備える制御演算が施
される。先に説明したマイナループに対して、第2の温
度計測手段66のフィードバックで構成する閉ループを
メインループと称する。そして、マイナループとメイン
ループとをあわせた制御系がユースポイント制御と呼ば
れる。
【0086】露光装置が通常の稼働状態にあるとき、第
2の温度計測手段66で計測される空間の温度が、目標
値SPM と一致するように、第2の温度調節計58の出
力がマイナループに対して指令を出す。つまり、第2の
温度計測手段66が計測する空間の温度が目標値SPM
で指定する値に収束するように、フィルタ62からの吹
き出す気体の温度が第1の温度計測手段63の出力をフ
ィードバックしてなるマイナループによって調整される
のである。
【0087】上述したユースポイント制御は、露光装置
が通常の稼働状態にあるときは、問題なく動作させるこ
とができる。すなわち、図3の温調に関して言えば、ウ
エハステージ36が位置決め駆動される結果として、不
図示のアクチュエータからの発熱がこの空間の温度変動
をもたらすとき、吹き出し日であるフィルタ62から温
度変動を打ち消すに足る温度の気体を吹き出して外乱の
影響を相殺し、結果として真に温度制御したい空間の恒
温性を維持できる。
【0088】次に、開閉扉53が開放された場合の動作
説明をする。開閉の状態は、インターロックスイッチ5
5によりON/OFF信号として検出されて判定手段6
5に導かれ、この出力によって切り替えスイッチ59の
接続をA側にする切り替えが行われる。
【0089】このときの空調は、第1の温度計測手段6
3の出力を第1の温度調節計67にフィードバックし、
目標値入力端子64に印加する目標値SPL の値に一致
するように、再加熱ヒータ60の発熱量が制御される。
第2の温度計測手段66の出力を第2の温度調節計58
にフィードバックしているループ、すなわちメインルー
プは切断されることになる。第2の温度計測手段66に
よって計測できる空間の温度変動は放置され、目標値S
L に制御された温度の気体を、ひたすらフィル夕62
から吹き出す動作となる。ウエハステージ36の空間の
温度は、開閉扉53の開放によって、目標値SPM から
変動したまま放置されるが、フィルタ62からは一定温
度の気体が定常的に吹き出し続けられる。
【0090】開閉扉53が閉じられたとき、インターロ
ックスイッチ55の状態信号を感知した判定手段65
は、切り替え切り替えスイッチ59を再びB側に接続す
るよう切り替える。メインループが接続されるので、第
2の温度計測手段66で検知される温度が目標値SPM
に一致するように、フィルタ62から吹き出す気体の温
度が制御される。
【0091】ただし、切り替えスイッチ59のAからB
への切り替えに際しては注意が必要である。すなわち、
切り替えスイッチ59がA側に接続されているとき、第
2の温度調節計58の出力はオープンであり、目標値S
M と第2の温度計測手段66の出力との比較信号であ
る偏差信号が第2の温度調節計58に入力し続ける。こ
れには積分器が含まれるので、非零の偏差信号を積分し
続ける結果として過大な出力となるか、もしくは飽和し
た出力となる。
【0092】この状態にあって切り替えスイッチ59が
B側に接続されると、第2の温度調節計58の出力が一
気に第1の温度調節計67への入力になる結果として、
不必要な温度の揺動を発生させてしまう。
【0093】このような現象を回避するために、第2の
温度調節計58の出力に基づく閉ル一プ制御が掛かって
いない場合、第2の温度調節計58の出力を望ましくは
零となす処理を施しておく。そのためのコントロール線
が信号線68である。この信号線68によつて、第2の
温度調節計58が閉ループの中で用いられていないと
き、例えば直流ゲインを零となして、有限の偏差信号の
入力があってもそれに対する出力応答を零にする処理が
施されている。
【0094】上記した本実施例では、開閉扉53の開閉
に呼応した切り替えスイッチ59の切り替えについて説
明した。しかしながら、判定手段65への入力として、
インターロックスイッチ55の状態以外の信号線も接続
することができる。
【0095】図3に、再加熱ヒータ60からの信号線6
9がある。これは、例えば、第2の温度計測手段66に
よって計測する空間の温度変動が大となる結果として、
再加熱ヒータ60の最大加熱状態もしくは非加熱状態を
検出し、これを切り替えスイッチ59を切り替えるため
のイベントとして判定手段65に導いているものであ
る。その他の入力としては、55以外のインターロック
スイッチがある。
【0096】図3に示す装置は、ハードで構成すること
もできるし、勿論ソフトで実現してもよい。近年、調節
計58,67として、主要なPID演算機能のほかに、
制御ループの切り替え、ゲインデーブルの切り替え、イ
ベントに基づく制御状態の切り替え等を容易に実現でき
る製品が市場に投入されている。従って、図3に示す装
置構成の実装と機能の発現に何らの障害もない。
【0097】図4は、本実施例の効果を表す数値実験の
一例を示す波形図である。ここで、図4(a)は入力さ
れたステップ状の外乱の時間特性であり、図4(b)は
吹き出し口温度の時間特性、図4(c)はユースポイン
ト温度の時間特性である。図4(a)において、開閉扉
23の開放によってユースポイントの空間にステップ状
の外乱が入った瞬間、図4(c)に示す通り、ユースポ
イントの温度は外乱によってステップ状に低下してい
る。しかし、図4(b)に示す通り、吹き出し口からの
温度が徐々に上げられて、ユースポイント空間の温度を
指定した温度に復帰させるように働いている。
【0098】しかし、図4(b)においては、吹き出し
口からの気体温度の上限値Tmax を越えて出力を出し続
けている。予め定められた時間tだけTmax 以上の出力
が持続すると、本実施例ではユースポイント制御から吹
き出し口制御への切り替えが発生する。図4(b)で
は、上向き太矢印の時点で切り替わっている。このと
き、吹き出し口は指定されている設定温度へと収束して
いく。一方で、図4(c)のユースポイン卜温度は、切
り替え前まで外乱印加で変動したユースポイント温度を
設定温度と復帰させる動作をしてきたのであるが、この
空間の温度を指定した値に復帰させるための制御が外れ
たので、外乱の影響をそのまま受けて再びシフトしてい
る。
【0099】以上、図4の数値実験の説明によって、本
実施例の意図する機能が実現できていることが分かる。
なお、図4の数値実験結果では、ユースポイント制御か
ら吹き出し口制御への切り替え条件が、「Tmax に到達
し、それが時間tだけ継続した」 という条件であった。
しかし、吹き出し口制御とユースポイント制御の相互の
切り替えは、このような条件に限定されない。例えば、
以下に述べる条件を満たした相互の切り替えを実行する
ことができる。
【0100】(1)恒温チャンバの気密を破る開閉扉も
しくは隔壁に設けたインターロックスイッチの状態信号
を受けて、即座にユースポイント制御と吹き出し口制御
の相互の切り替えを行うことができる。 (2)また、上述の状態信号をトリガとし、これら状態
の継続時間をカウントしてユースポイント制御と吹き出
し口制御の相互の切り替えを行うこともできる。 (3)さらに、ユースポイント制御におけるメインルー
プの故障を検知し、恒久的に吹き出し口制御へと切り替
えたまま、露光装置を稼働させておくことができる。
【0101】[第4の実施例]図5は、本発明の一実施
例に係る非干渉化温調制御装置を示す図である。同図に
おいて、80A,80Bは再加熱ヒータ、81A,81
Bは再加熱した空気を導くダクト、82A,82Bは塵
埃等を除去するためのフィルタ、83A,83Bは温度
計測手段である。図5の場合、フィルタ82A(B)か
らの空気は、半導体ウエハ35を載置したステージ36
の空間、およびステージを位置決めするレーザ干渉計に
おける計測用のレーザビームが走る空間の温度を一定に
するために、一定温度の空気が空間を満たすように流さ
れる。
【0102】図16に対応付けると、投影光学系34の
直下にある半導体ウエハ35とウエハステージ36が図
5に示されている。そして、投影光学系34の直下であ
って、半導体ウエハ35近傍の温度を計測するための第
1の温度計測手段が、図1における温度計測手段86
A、86Bとなる。さらに本実施例では、フィルタ82
A、82Bの吹き出し口の温度のみならず、実際に真に
一定温度としたい部位の温度を計測するための第1の温
度計測手段86A、86Bを備えている。
【0103】図5において、まずフィルタ82A、82
Bから突出させる気体の温度を計測する第2の温度計測
手段83A、83Bの出力は、第3と第4のPID制御
手段87A、87Bにそれぞれフィードバックされ、第
3と第4のPID制御手段87A、87BからA’と
B’がそれぞれ再加熱ヒータ80A、80Bへ出力され
る。つまり、第2の温度計測手段83A、83Bと、第
3および第4のPID制御手段87A、87Bと、再加
熱ヒータ80A、80Bとでそれぞれマイナループ系が
構成されている。
【0104】このマイナループ系によって、再加熱ヒー
タ80A、80Bから第2の温度計測手段83A、83
Bまでの伝達特性を改善する。すなわち、応答性、非線
形性等の特性を改善する。制御工学の用語を使って、制
御対象の特性を「成形」 することができるのである。
【0105】すなわち、マイナループ系を構成したとき
であって入力A、Bから第2の温度計測手段83A、8
3Bまでの応答と、マイナループを構成しないときであ
って入力A、Bから第2の温度計測手段83A、83B
までの応答とを比較したとき、前者の方が入力に対する
応答を高速となすことができる。正確に言うと、第3と
第4のPID制御手段87A、87Bを適切に調整する
ことによって、入力A、Bに対する温度計測手段83
A、83Bまでの応答を高速化することができる。そし
て、第3と第4のPID制御手段87A、87Bを調整
して両者の応答性を、すなわちダイナミクスを揃えるよ
うにすることもできる。
【0106】その上で、つまりダイナミクスを改善し、
かつダイナミクスを揃えたマイナループ系を構成したう
えで、まず第1の温度計測手段86A、86Bの出力を
モード温度算出手段76に導き、平均温度と傾斜温度と
が算出される。
【0107】次に、平均温度と傾斜温度は、それぞれ平
均温度に関する目標値入力端子77Aと傾斜温度に関す
る目標値入力端子77Bに印加される値と比較されて、
それぞれ平均温度に関する偏差信号と傾斜温度に関する
偏差信号を得る。
【0108】平均温度に関する偏差信号は、第1のPI
D制御手段78Aへ、傾斜温度に関する偏差信号は第2
のPID制御手段78Bへそれぞれ導かれて補償演算が
施される。そして、第1のPID制御手段78Aと第2
のPID制御手段78Bの出力は、両信号を分配するた
めの配分手段79に導かれている。なお、第1と第2の
PID制御手段78A、78Bや、第3と第4のPID
制御手段87A、87Bは、PID演算に限定されるも
のではない。広く補償手段といえるものであれば適宜に
使用することができる。
【0109】配分手段79の出力信号は、マイナループ
系への入力であるAとBの信号となっている。上述した
ように、再加熱ヒータ80A、80Bから第2の温度計
測手段83A、83Bまでの応答性は、第3と第4のP
ID制御手段87A、87Bを含めたマイナループ系に
よってダイナミクスの改善は図られると同時に、ダイナ
ミクスの均一化がなされている。そのため、配分手段7
9のなかみを定係数の行列となすことによって、非干渉
化された温調制御が実現できる。
【0110】[第5の実施例]上記した第4の実施例で
は、図5より、再加熱ヒータ80A、80Bからダクト
81A、81Bを通って、フィルタ82A、82Bから
吹き出すところまでの空調系のダイナミクスを改善する
ために、フィルタ82A、82Bの箇所に設けた第2の
温度計測手段83A、83Bの出力を第3と第4のPI
D制御手段87A、87Bに導くことによってマイナル
ープ系を構成した。先にも述べように、再加熱ヒータ8
0A、80Bから第2の温度計測手段83A、83Bま
での応答性が改善させるので、改善された応答特性を有
する空調系を新たな制御対象として、温度に関する非干
渉化を施すことができた。すなわち、制御対象の本来の
特性を成形したうえで非干渉化を施すことによって、外
乱入力に対する抑圧性を向上させ、かつ収束性を速める
とともに、温調系の調整が物理的な見通しをもって容易
に実施できるようになった。
【0111】既に、元々のダイナミクスが大きく異なる
複数の温調系に特開2000−187514号を適用す
るときの課題として、干渉性を解くために設ける配分手
段79のなかみが定係数であるため、応答性が大きくこ
となる干渉系への特開2000−187514号の適用
は困難であるばかりか、却って温調性能に支障を招くこ
とを指摘しておいた。
【0112】この課題を解決するためには、図5のよう
に二つの温調系に対してマイナループ系を構成するので
はなく、応答が遅い温調系のみを応答の速い温調系へ近
づけるためにマイナループ系を構成してもよい。具体的
に、図1に示した2入力2出力の温調系に上述の考え方
を具現化した装置構成を図6に示す。図6において、図
5と同一の符号は図5と同様の構成要素を示す。
【0113】図6において、再加熱ヒータ80A、80
Bから、ダクト81A、81Bを介してフィルタ82
A、82Bに至る経路長等の違いから、ダクト81Aで
導かれる空気の方がダクト81Bに比較してダイナミク
スは遅い。すなわち、Aへの入力から温度計測手段83
Aまでの伝達特性と、Bへの入力から温度計測手段83
Bまでの伝達特性とを比較したとき、前者の方が緩慢な
応答特性である。
【0114】そこで、Aへの入力から温度計測手段83
Aまでの伝達特性を改善し、かつBへの入力から温度計
測手段83Bまでの伝達特性と近くなるように、温度計
測手段83Aの出力を第3のPID制御手段87Aにフ
ィードバックし、そして第3のPID制御手段87Aの
出力A’で再加熱ヒータ80Aを駆動している。
【0115】このとき、Aへの入力から温度計測手段8
3Aまでの伝達特性は、Aへの入力から温度計測手段8
3Aまでの応答に比して向上させ、望ましくはBへの入
力から温度計測手段83Bまでの伝達特性と同じものに
することができる。
【0116】このようにすると、Aへの入力から温度計
測手段83Aまでと、Bへの入力から温度計測手段83
Bまでの各伝達特性がほぼ等しくなる。つまり、ダイナ
ミクスが揃うのである。従って、特性の揃ったダイナミ
クスに対して、モード温度算出手段76と配分手段79
とを備えた非干渉化温調制御装置を構成することができ
る。
【0117】上記した実施例の効果を示す数値実験結果
を図7および図8に示す。図7は特開2000−187
514号による平均温度(a)と傾斜温度(b)の偏差
の時間特性を示す図であり、図8は上記した実施例を適
用した場合の平均温度(a)と傾斜温度(b)の偏差の
時間特性を示す図である。ここでは、図19のような2
入力2出力系を扱っている。
【0118】まず、伝達関数行列で表現したとき、非零
の非対角要素を有し、かつ対角要素の伝達関数が互いに
ほぼ等しいダイナミクスを有し、例えば傾斜温度に対し
てステップ状の目標値を与えた場合、図7(a),
(b)の波形Aのような応答を示す。平均温度に関する
偏差信号err1には、応答が生じていない。従って、非干
渉化されていることが分かる。
【0119】次に、図7(a),(b)の波形Bの応答
は、制御対象を伝達関数行列で表現したとき、対角要素
のダイナミクスが大きく異なる場合の応答である。波形
Aの応答では平均温度に関する偏差信号err1には応答が
なかったが、波形Bの場合には、ダイナミクスに大きな
差異があるため平均温度に関する偏差信号err1にも応答
が出現し、かつ傾斜温度に関する偏差信号err2は緩慢な
応答となっている。
【0120】このような現象から、特開2000−18
7514号が扱う制御対象は、伝達関数行列で表したと
き、対角成分のダイナミクスがほぼ等しいという制約条
件がつくとし、ダイナミクスが大きく異なる場合には、
非干渉化は不完全となって、所望の動作をしないのであ
る。
【0121】そこで、波形Bを得た制御対象に対して本
実施例を適用すると図8(a),(b)の波形Cを得
る。波形Cは、波形Bにおけるダイナミクスの遅れをマ
イナループによって改善した上で非干渉化ループを構成
したときのものである。傾斜温度に関するステップ入力
に対して、平均温度に関する偏差信号も出現しており、
完全な非干渉化は達成されていないが、波形Bに比較す
れば応答の改善が図れている。そして、傾斜温度に関す
る偏差信号err2の収束性も改善していることは明らかで
ある。
【0122】図5および図6は、何れも半導体ウエハ3
5近傍の空間を温度制御するための装置構成を示してい
る。勿論、本実施例の適用は、図16を参照して、半導
体ウエハ35近傍の空間に対する温調に限定されるもの
でない。例えば、半導体ウエハ35近傍の空間に対する
温調系と、レチクル33近傍の空間に対する温調系とを
図5または図6のような装置構成とすることができる。
【0123】そして、図5または図6のような2入力2
出力に限定されるものでもない。例えば、図16に示す
ように、半導体ウエハ35近傍の空間に対する温調系
と、レチクル33近傍の空間に対する温調系と、配設室
23に対する温調系の3箇所に対して、すなわち3入力
3出力に対して、本実施例の技術思想を展開することも
できる。つまり、この場合、モード温度算出手段76と
配分手段79はともに3入力3出力の行列演算となる。
そして、所与の温調系の特性を改善するために、少なく
とも1系統に対してPID制御手段を介してのマイナル
ープ系を構成することができる。
【0124】図5および図6の場合、ダイナミクスの遅
れを補償するために、フィルタ82A、82Bの箇所に
温度計測手段83A,83Bを設け、この出力をフィー
ドバックして構成されるマイナループ系を設けた。しか
し、温度計測手段83A,83Bの装着部位は、所謂吹
き出し口である必要はない。再加熱ヒータ80A,80
Bの直後でも良いし、ダクト81A,81Bの経路中に
温度計測手段83A,83Bを備えてもよい。要は、こ
れらの箇所に備えた温度計測手段83A,83Bの出力
に基づくフィードバックによって再加熱ヒータ80A,
80Bの加熱動作を高速化することができればよいので
ある。
【0125】[半導体生産システムの実施例]次に、上
記説明した露光装置を利用した半導体等のデバイス(I
CやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄
膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の生産システムの例
を説明する。これは、半導体製造工場に設置された製造
装置のトラブル対応や定期メンテナンス、若しくはソフ
トウェア提供等の保守サービスを、製造工場外のコンピ
ュータネットワーク等を利用して行うものである。
【0126】図9は、全体システムをある角度から切り
出して表現したものである。図中、101は半導体デバ
イスの製造装置を提供するベンダ(装置供給メーカ)の
事業所である。製造装置の実例として、半導体製造工場
で使用する各種プロセス用の半導体製造装置、例えば、
前工程用機器(露光装置、レジスト処理装置、エッチン
グ装置等のリソグラフィ装置、熱処理装置、成膜装置、
平坦化装置等)や後工程用機器(組立て装置、検査装置
等)を想定している。事業所101内には、製造装置の
保守データベースを提供するホスト管理システム10
8、複数の操作端末コンピュータ110、これらを結ん
でイントラネット等を構築するローカルエリアネットワ
ーク(LAN)109を備える。ホスト管理システム1
08は、LAN109を事業所の外部ネットワークであ
るインターネット105に接続するためのゲートウェイ
と、外部からのアクセスを制限するセキュリティ機能を
備える。
【0127】一方、102〜104は、製造装置のユー
ザとしての半導体製造メーカ(半導体デバイスメーカ)
の製造工場である。製造工場102〜104は、互いに
異なるメーカに属する工場であってもよいし、同一のメ
ーカに属する工場(例えば、前工程用の工場、後工程用
の工場等)であってもよい。各工場102〜104内に
は、夫々、複数の製造装置106と、それらを結んでイ
ントラネット等を構築するローカルエリアネットワーク
(LAN)111と、各製造装置106の稼動状況を監
視する監視装置としてホスト管理システム107とが設
けられている。各工場102〜104に設けられたホス
ト管理システム107は、各工場内のLAN111を工
場の外部ネットワークであるインターネット105に接
続するためのゲートウェイを備える。これにより各工場
のLAN111からインターネット105を介してベン
ダ101側のホスト管理システム108にアクセスが可
能となり、ホスト管理システム108のセキュリティ機
能によって限られたユーザだけがアクセスが許可となっ
ている。具体的には、インターネット105を介して、
各製造装置106の稼動状況を示すステータス情報(例
えば、トラブルが発生した製造装置の症状)を工場側か
らベンダ側に通知する他、その通知に対応する応答情報
(例えば、トラブルに対する対処方法を指示する情報、
対処用のソフトウェアやデータ)や、最新のソフトウェ
ア、ヘルプ情報等の保守情報をベンダ側から受け取るこ
とができる。各工場102〜104とベンダ101との
間のデータ通信および各工場内のLAN111でのデー
タ通信には、インターネットで一般的に使用されている
通信プロトコル(TCP/IP)が使用される。なお、
工場外の外部ネットワークとしてインターネットを利用
する代わりに、第三者からのアクセスができずにセキュ
リティの高い専用線ネットワーク(ISDN等)を利用
することもできる。また、ホスト管理システムはベンダ
が提供するものに限らずユーザがデータベースを構築し
て外部ネットワーク上に置き、ユーザの複数の工場から
該データベースへのアクセスを許可するようにしてもよ
い。
【0128】さて、図10は、本実施形態の全体システ
ムを図9とは別の角度から切り出して表現した概念図で
ある。先の例では、それぞれが製造装置を備えた複数の
ユーザ工場と、該製造装置のベンダの管理システムとを
外部ネットワークで接続して、該外部ネットワークを介
して各工場の生産管理や少なくとも1台の製造装置の情
報をデータ通信するものであった。これに対し本例は、
複数のベンダの製造装置を備えた工場と、該複数の製造
装置のそれぞれのベンダの管理システムとを工場外の外
部ネットワークで接続して、各製造装置の保守情報をデ
ータ通信するものである。図中、201は製造装置ユー
ザ(半導体デバイス製造メーカ)の製造工場であり、工
場の製造ラインには各種プロセスを行う製造装置、ここ
では例として露光装置202、レジスト処理装置20
3、成膜処理装置204が導入されている。なお、図1
0では、製造工場201は1つだけ描いているが、実際
は複数の工場が同様にネットワーク化されている。工場
内の各装置はLAN206で接続されてイントラネット
等を構成し、ホスト管理システム205で製造ラインの
稼動管理がされている。一方、露光装置メーカ210、
レジスト処理装置メーカ220、成膜装置メーカ230
等、ベンダ(装置供給メーカ)の各事業所には、それぞ
れ供給した機器の遠隔保守を行うためのホスト管理シス
テム211,221,231を備え、これらは上述した
ように保守データベースと外部ネットワークのゲートウ
ェイを備える。ユーザの製造工場内の各装置を管理する
ホスト管理システム205と、各装置のベンダの管理シ
ステム211,221,231とは、外部ネットワーク
200であるインターネット若しくは専用線ネットワー
クによって接続されている。このシステムにおいて、製
造ラインの一連の製造機器の中のどれかにトラブルが起
きると、製造ラインの稼動が休止してしまうが、トラブ
ルが起きた機器のベンダからインターネット200を介
した遠隔保守を受けることで迅速な対応が可能で、製造
ラインの休止を最小限に抑えることができる。
【0129】半導体製造工場に設置された各製造装置は
それぞれ、ディスプレイと、ネットワークインタフェー
スと、記憶装置にストアされたネットワークアクセス用
ソフトウェア並びに装置動作用のソフトウェアを実行す
るコンピュータを備える。記憶装置としては内蔵メモリ
やハードディスク、若しくはネットワークファイルサー
バ等である。上記ネットワークアクセス用ソフトウェア
は、専用または汎用のウェブブラウザを含み、例えば図
11に一例を示す様な画面のユーザインタフェースをデ
ィスプレイ上に提供する。各工場で製造装置を管理する
オペレータは、画面を参照しながら、製造装置の機種
(401)、シリアルナンバー(402)、トラブルの
件名(403)、発生日(404)、緊急度(40
5)、症状(406)、対処法(407)、経過(40
8)等の情報を画面上の入力項目に入力する。入力され
た情報はインターネットを介して保守データベースに送
信され、その結果の適切な保守情報が保守データベース
から返信されディスプレイ上に提示される。また、ウェ
ブブラウザが提供するユーザインタフェースは、さらに
図示のごとくハイパーリンク機能(410,411,4
12)を実現し、オペレータは各項目のさらに詳細な情
報にアクセスしたり、ベンダが提供するソフトウェアラ
イブラリから製造装置に使用する最新バージョンのソフ
トウェアを引出したり、工場のオペレータの参考に供す
る操作ガイド(ヘルプ情報)を引出したりすることがで
きる。ここで、保守データベースが提供する保守情報に
は、上記説明した本発明に関する情報も含まれ、また前
記ソフトウェアライブラリは本発明を実現するための最
新のソフトウェアも提供する。
【0130】次に、上記説明した生産システムを利用し
た半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図12
は、半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを
示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回
路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では設計した
回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステ
ップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウ
エハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工
程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リ
ソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成す
る。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ス
テップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チッ
プ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、
ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等
の組立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ
5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久
性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デ
バイスが完成し、これを出荷(ステップ7)する。前工
程と後工程はそれぞれ専用の別の工場で行い、これらの
工場毎に上記説明した遠隔保守システムによって保守が
なされる。また、前工程工場と後工程工場との間でも、
インターネットまたは専用線ネットワークを介して生産
管理や装置保守のための情報等がデータ通信される。
【0131】図13は、上記ウエハプロセスの詳細なフ
ローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を
酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に
絶縁膜を成膜する。ステップ13(電極形成)ではウエ
ハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イ
オン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ
15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。
ステップ16(露光)では上記説明した露光装置によっ
てマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステ
ップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステ
ップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の
部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエ
ッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。こ
れらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上
に多重に回路パターンを形成する。各工程で使用する製
造機器は上記説明した遠隔保守システムによって保守が
なされているので、トラブルを未然に防ぐと共に、もし
トラブルが発生しても迅速な復旧が可能で、従来に比べ
て半導体デバイスの生産性を向上させることができる。
【0132】
【発明の効果】本発明の効果は、以下の通りである。 (1)本発明の温度調節装置によれば、吹き出し口で安
定に温度制御された媒体(例えば空気)を吹き出し口か
ら噴出する(温度調節対象に媒体を送り込む)ととも
に、真に制御したい温調空間の温度をも第2の温度計測
手段により計測し、外乱等によってこの温調空間の温度
が変動した場合でもそのことを捉えて、即座に吹き出し
口から噴出させる媒体の温度を変化させて温調空間を所
定の温度へと高精度に調節する。従って、例えば外乱下
において、温調空間の温度を精密に制御する温度調節装
置を提供することができる、という効果がある。
【0133】(2)また従来、吹き出し口から噴出した
空気には、温度変動を招く外乱を入れないようにする構
造的な対策を施してきた。すなわち、温調空間の平衡温
度を揺動させる外乱が入り込まないように、遮蔽物を設
ける等の対策を施してきた。このような対策には、コス
トが掛かっていた。しかるに、本発明の温度調節装置に
よれば、第2の温度計測手段を温度調節対象に対して分
布的に複数個配置して温度調節を行うため、遮蔽物等が
不要となる。その結果として、コスト上昇を招くことは
ない。
【0134】(3)さらには、所謂ユースポイント制御
を施した恒温チャンバにあって、例えば過大な外乱に対
処することを止めたので、温度変換手段の出力をリミッ
トに掛けて運転することが回避される。また、その際、
吹き出し口からは一定温度の気体を流す制御は掛けられ
ているので、恒温チャンバを運転停止に至らしめること
なく安定に稼働させておくことができる。さらに、気密
等が確保されたときは、ユースポイント制御の状態に復
帰するので、速やかに真に一定温度にしたい空間を、露
光可能な状態にすることができる。
【0135】(4)本発明の非干渉化温度制御装置によ
れば、マイナループ系によって並列運転される複数の制
御対象の動特性を成形し、成形後の空調系を新たな制御
対象として、非干渉化温調制御を実装することができ
る。従って、温調性能が向上する、という効果がある。
【0136】(5)さらには、動特性の異なる温調系を
並列運転している場合、従来の非干渉化温調制御を施す
と、ダイナミクスを含めての非干渉化は不可能であっ
た。しかるに、本発明では、ダイナミクスの違いを、マ
イナループによって矯正するので、容易に非干渉化温調
制御を実装することができる。もって、温調性能の向上
が期待できるし、かつ見通しのよい調整が可能となる。
また、干渉性が排除され、高速応答させることができる
ので、並列運転の空調系が達成する温度の分布にムラが
なくなり、外乱入力に対する復帰能力の向上が見込め
る。
【0137】(6)本発明の温度調節装置を露光装置に
備えた場合、該温度調節装置による温度精度の向上は、
前記温度調節装置を備えた露光装置における露光精度お
よび生産性の向上に資する、という効果がある。また、
遮蔽物等が機械振動の発生原因となって、露光装置内の
位置決め精度を劣化させていたことも排除される、とい
う効果がある。
【0138】(7)本発明の非干渉化温調制御装置を露
光装置に備えた場合、例えば並列運転されている空調系
の干渉性を排除または緩和することができる。もって、
露光装置によって製造される半導体等のデバイスの品質
向上に寄与するのみならず、露光装置の生産性向上に寄
与するところ大である、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係わる半導体露光装置に
おける温度調節装置を示す図である。
【図2】 本発明の一実施例に係わる温度調節装置を示
す図である。
【図3】 本発明の一実施例に係わる温度調節装置を示
す図である。
【図4】 第3の実施例の効果を表す数値実験の一例を
示す波形図であり、(a)は入力されたステップ状の外
乱の時間特性、(b)は吹き出し口温度の時間特性、
(c)はユースポイント温度の時間特性をそれぞれ示
す。
【図5】 本発明の一実施例に係わる非干渉化温度制御
装置を示す図である。
【図6】 本発明の一実施例に係わる非干渉化温度制御
装置を示す図である。
【図7】 特開2000−187514号による平均温
度(a)と傾斜温度(b)の偏差の時間特性を示す図で
ある。
【図8】 本発明の一実施例を適用した場合の平均温度
(a)と傾斜温度(b)の偏差の時間特性を示す図であ
る。
【図9】 本発明の一実施例に係わる露光装置を含む半
導体デバイスの生産システムをある角度から見た観念図
である。
【図10】 本発明の一実施例に係わる露光装置を含む
半導体デバイスの生産システムを別の角度から見た観念
図である。
【図11】 本発明の一実施例に係わる露光装置を含む
半導体デバイスの生産システムにおけるユーザインタフ
ェースの具体例を示す図である。
【図12】 本発明の一実施例に係わる露光装置による
デバイスの製造プロセスのフローを説明する図である。
【図13】 本発明の一実施例に係わる露光装置による
ウエハプロセスを説明する図である。
【図14】 従来例における温度制御の構成を示す図で
ある。
【図15】 従来例におけるモータ・負荷系の制御構成
を示す図である。
【図16】 従来例における空調機器を示す概略図であ
る。
【図17】 従来例における吹き出し口制御の実測結果
を示す図であり、(a)はユースポイントの温度、
(b)は吹き出し口の温度、(c)は外乱源の温度をそ
れぞれ示す。
【図18】 従来例におけるユースポイント制御の実測
結果を示す図であり、(a)はユースポイントの温度、
(b)は吹き出し口の温度、(c)は外乱源の温度をそ
れぞれ示す。
【図19】 従来例における2入力2出力の温調系を適
用してなる非干渉化温度制御システムを説明する図であ
る。
【図20】 図19における伝達関数行列を示す図であ
る。
【符号の説明】
2:再加熱用ヒータ、3,61,81A,81B,50
3:ダクト、4a,39a,63,86A,86B:第
1の温度計測手段、4b,39b,66,83A,83
B:第2の温度計測手段、7,507:ステージ、9,
67:第1の温度調節計、10,41,510:ドライ
バ、16:空調機械室、17:フィルタボックス、1
8:本体構造体、19:除振装置、20,58:第2の
温度調節計、21:チャンバ、22:投影露光装置、2
3:配設室、24:空調路、25,62,82A,82
B:フィルタ、26:熱交換器、27:送風機、28:
再加熱器、29:空調機器、30:外気導入口、31:
連通口、32:排気口、33:レチクル、34:投影光
学系、35:ウエハ、36:ウエハステージ、37:ス
テージ定盤(除振台)、38:アクティブマウント、4
0,509:温度調節計、42:演算手段、53:開閉
扉、54:恒温チャンバの隔壁、55:インターロック
スイッチ、56X,56Y:反射ミラー、57,64,
77A,77B,521A,521B:目標値入力端
子、59:切り替えスイッチ、60,80A,80B,
502:再加熱ヒータ、65:判定手段、68,69:
信号線、76,520:モード温度算出手段、78A:
第1のPID制御手段、78B:第2のPID制御手
段、79,523:配分手段、87A:第3のPID制
御手段、87B:第4のPID制御手段、501:送風
機、504:温度計測手段、505:温度制御された空
気、506:温調空間、508:位置計測手段、51
1:モータ、512:ばね、513:慣性負荷、51
4:センサ、515:コントローラ、516:外乱、5
17:制御対象である温調系、518A:第1のヒー
タ、518B:第2のヒータ、519A:第1の温度セ
ンサ、519B:第2の温度センサ、522A:第1の
PID制御手段、522B:第2のPID制御手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H109 CA05 CA08 CA14 5F046 AA22 AA28 BA04 BA05 CC01 DA04 DA07 DA26 DB02 DB10 DC10 DC14 DD06 5H323 AA05 BB01 CA01 CB02 FF10 KK06 NN03 NN14

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度調節対象に媒体を送り込む吹き出し
    口と、前記吹き出し口の温度を計測する第1の温度計測
    手段と、前記第1の温度計測手段の出力を入力して補償
    演算を行う第1の温度調節計と、前記吹き出し口から下
    流にある温調空間の温度を計測する第2の温度計測手段
    と、前記第2の温度計測手段の出力を入力して補償演算
    を行う第2の温度調節計と、前記吹き出し口から一定温
    度に制御された媒体を前記温調空間に送り込むために前
    記第1の温度調節計の出力に基づいて発熱量を加減する
    温度変換手段とを備え、 前記第2の温度調節計に前記温調空間の温度の目標値で
    ある所定の温度設定値を入力し、前記第2の温度調節計
    の出力を前記第1の温度調節計の温度設定値として前記
    第1の温度調節計に入力することを特徴とする温度調節
    装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の温度計測手段は、前記温度調
    節対象に対して分布的に複数個配置され、前記複数個の
    第2の温度計測手段の出力から温度計測値の単純平均ま
    たは重み付き平均を演算する演算手段を有し、前記演算
    手段の出力を負帰還信号として前記第2の温度調節計へ
    入力することを特徴とする請求項1に記載の温度調節装
    置。
  3. 【請求項3】 前記温度調節対象は、露光装置における
    ステージ空間、投影光学系、および前記露光装置をその
    内部に配置する配設室のいずれか1つ以上の部位である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の温度調節装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1の温度調節計には微分先行型P
    ID制御方式を、前記第2の温度調節計には偏差微分型
    PID制御方式を、それぞれ実装してなることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の温度調節装
    置。
  5. 【請求項5】 温度制御されている恒温チャンバ内の状
    態を監視し、監視結果から該恒温チャンバ内の状態の判
    定を行う判定手段と、 前記判定手段の出力に基づき、前記第1の温度調節計の
    入力を前記第2の温度調節計の出力、または、前記第1
    の温度調節計への前記所定の目標値に切り替える切替手
    段とをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の
    温度調節装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の温度調節計はPID演算を行
    い、前記第2の温度調節計はPI演算を行うものである
    ことを特徴とする請求項5に記載の温度調節装置。
  7. 【請求項7】 制御対象の温度を計測する複数の第1の
    温度計測手段と、前記制御対象に送り込む媒体の温度を
    可変させる温度変換手段と、前記温度変換手段による前
    記媒体の温度を計測する複数の第2の温度計測手段と、
    前記第2の温度計測手段の出力に基づき前記温度変換手
    段を駆動するフィードバックによって構成されるマイナ
    ループ系と、前記第1の温度計測手段の出力から前記制
    御対象の平均温度と傾斜温度を算出するモード温度算出
    手段と、前記モード温度算出手段の出力に補償を施した
    信号を入力として前記マイナループ系への入力を生成す
    る配分手段とを有することを特徴とする非干渉化温調制
    御装置。
  8. 【請求項8】 前記マイナループ系は、前記モード温度
    算出手段の出力に補償を施した信号、および、前記第2
    の温度計測手段の出力を入力とし、前記温度変換手段に
    対する操作量を決定するPID制御手段をさらに有し、
    前記PID制御手段は前記マイナループ系における前記
    第2の温度計測手段までの応答を調節する手段を有する
    ことを特徴とする請求項8に記載の非干渉化温調制御装
    置。
  9. 【請求項9】 原版のパターンを基板に露光する露光装
    置において、 請求項1〜6のいずれか1項に記載の温度調節装置を備
    えることを特徴とする露光装置。
  10. 【請求項10】 原版のパターンを基板に露光する露光
    装置において、 請求項7または8に記載の非干渉化温調制御装置を備え
    ることを特徴とする露光装置。
  11. 【請求項11】 請求項9または10に記載の露光装置
    において、ディスプレイと、ネットワークインタフェー
    スと、ネットワーク用ソフトウェアを実行するコンピュ
    ータとをさらに有し、露光装置の保守情報をコンピュー
    タネットワークを介してデータ通信することを可能にし
    た露光装置。
  12. 【請求項12】 前記ネットワーク用ソフトウェアは、
    前記露光装置が設置された工場の外部ネットワークに接
    続され前記露光装置のベンダ若しくはユーザが提供する
    保守データベースにアクセスするためのユーザインタフ
    ェースを前記ディスプレイ上に提供し、前記外部ネット
    ワークを介して該データベースから情報を得ることを可
    能にする請求項11に記載の露光装置。
  13. 【請求項13】 請求項9〜12のいずれか1項に記載
    の露光装置を含む各種プロセス用の製造装置群を半導体
    製造工場に設置する工程と、該製造装置群を用いて複数
    のプロセスによって半導体デバイスを製造する工程とを
    有することを特徴とする半導体デバイス製造方法。
  14. 【請求項14】 前記製造装置群をローカルエリアネッ
    トワークで接続する工程と、前記ローカルエリアネット
    ワークと前記半導体製造工場外の外部ネットワークとの
    間で、前記製造装置群の少なくとも1台に関する情報を
    データ通信する工程とをさらに有する請求項13に記載
    の半導体デバイス製造方法。
  15. 【請求項15】 前記露光装置のベンダ若しくはユーザ
    が提供するデータベースに前記外部ネットワークを介し
    てアクセスしてデータ通信によって前記製造装置の保守
    情報を得る、若しくは前記半導体製造工場とは別の半導
    体製造工場との間で前記外部ネットワークを介してデー
    タ通信して生産管理を行う請求項14に記載の半導体デ
    バイス製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項9〜12のいずれか1項に記載
    の露光装置を含む各種プロセス用の製造装置群と、該製
    造装置群を接続するローカルエリアネットワークと、該
    ローカルエリアネットワークから工場外の外部ネットワ
    ークにアクセス可能にするゲートウェイを有し、前記製
    造装置群の少なくとも1台に関する情報をデータ通信す
    ることを可能にしたことを特徴とする半導体製造工場。
  17. 【請求項17】 半導体製造工場に設置された請求項9
    〜12のいずれか1項に記載の露光装置の保守方法であ
    って、前記露光装置のベンダ若しくはユーザが、半導体
    製造工場の外部ネットワークに接続された保守データベ
    ースを提供する工程と、前記半導体製造工場内から前記
    外部ネットワークを介して前記保守データベースへのア
    クセスを許可する工程と、前記保守データベースに蓄積
    される保守情報を前記外部ネットワークを介して半導体
    製造工場側に送信する工程とを有することを特徴とする
    露光装置の保守方法。
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