JP2003114724A - 非干渉化温調制御装置、協調空調装置、およびこれらを用いる露光装置 - Google Patents

非干渉化温調制御装置、協調空調装置、およびこれらを用いる露光装置

Info

Publication number
JP2003114724A
JP2003114724A JP2001308769A JP2001308769A JP2003114724A JP 2003114724 A JP2003114724 A JP 2003114724A JP 2001308769 A JP2001308769 A JP 2001308769A JP 2001308769 A JP2001308769 A JP 2001308769A JP 2003114724 A JP2003114724 A JP 2003114724A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
air conditioning
exposure apparatus
measuring means
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001308769A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Wakui
伸二 涌井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001308769A priority Critical patent/JP2003114724A/ja
Publication of JP2003114724A publication Critical patent/JP2003114724A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/708Construction of apparatus, e.g. environment aspects, hygiene aspects or materials
    • G03F7/70858Environment aspects, e.g. pressure of beam-path gas, temperature

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Atmospheric Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
  • Control Of Temperature (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 並列運転される温調系の制御装置構成とし
て、平均・傾斜温度に着目した非干渉化温調制御装置で
あり、適用に当たっては、複数の温調系ダイナミクスが
等しいという制約条件がある。しかし、露光装置で稼働
する複数の温調系のダイナミクスは互いに大きく異な
る。この温調系を非干渉化した上で、高速な外乱復帰能
力を付与し、かつ調整容易となす。 【解決手段】 制御対象の温度を計測する複数の第1の
温度計測手段36A,36B、媒体の温度を可変となす
再加熱ヒータ30A,30B、これによる温度変化を検
出する複数の第2の温度計測手段33A,33Bの出力
に基づくマイナーループ系を構成してダイナミクスを矯
正した上で、第1の温度計測手段36A,36Bの出力
をモード温度算出手段26に導いて、夫々に補償をした
後、補償信号を配分手段29に入力し、その出力をマイ
ナーループ系への入力とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体、液体、固体
等の媒体を用いて恒温チャンバ内等の空間の温度を制御
する温調システムとしての非干渉化温調制御装置および
協調空調装置、並びにこれらの装置を温調システムとし
て用い、デバイスを製造する露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レチクル等の原版に描画された回路パタ
ーンを投影光学系で縮小したうえ、半導体ウエハ等の基
板に露光する装置は、露光装置と称される。特に、半導
体ウエハをステップ・アンド・リピート方式で露光する
装置は、通称ステッパと呼ばれる。最近では、レチクル
を載置するレチクルステージと半導体ウエハを載置する
ウエハステージを所定の速度比で互いに反対方向に同期
させて駆動することによって露光を行う露光装置が登場
している。このようなステップ・アンド・スキャン方式
で露光する装置は、通称スキャナと呼ばれる。これらの
露光装置は、通常、装置全体が温度コントロールされた
恒温チャンバ内に収納されている。
【0003】近年、半導体素子等のデバイスの製造装置
である露光装置に対する高生産性への要求を満たすた
め、レチクルステージやウエハステージをはじめとする
位置決め装置は、高速で駆動するようになっている。勢
い、これらステージに備えられたアクチュエータの発熱
も増大し、例えば両ステージを位置決めするためのレー
ザ干渉計の光路を揺らがせ、結果として位置計測および
位置決め精度の劣化を招いている。また、この発熱は、
構造部材の寸法の伸縮をもたらすので、結果として計測
精度を狂わせてしまう、という問題があった。そのた
め、従来に比べて、露光装置を収納する恒温チャンバの
より一層の温度制御の高精度化が求められている。
【0004】従来は、恒温チャンバ内を所定の温度にす
るために、一旦冷却した気体を再加熱して所望の温度に
制御してから、この気体を一定の温度としたい空間に送
り込んでいた。ここで、気体とは、空気、窒素ガス、ヘ
リウム等を指す。以下では、作動気体が空気の場合につ
いて説明する。勿論、窒素ガスやヘリウムを作動気体と
した場合も以下の説明の趣旨には何らの変更を受けるも
のではない。液体を媒体とする温度制御の場合も同様で
ある。
【0005】図13は、露光装置を収納する従来の恒温
チャンバを示す概略図である。同図において、501は
恒温チャンバ、502は恒温チャンバ501内の露光装
置、503は配設室である。この配設室503に隣接し
て所定の設定温度の空気を送風する空調路504が形成
され、この空調路504からフィルタ505を介して配
設室503に空気が送風され、この配設室503を清浄
かつ恒温に維持するように機能する。空調路504に
は、熱交換器506と、送風機507と、再加熱器50
8とを有する空調機器509が備えられる。また、恒温
チャンバ501には、外気を導く外気導入口510、配
設室503と連通する連通口511、および配設室50
3の空気を外部へと排出する排気口512が形成されて
いる。なお、以下では、空調と温調という言葉を同義と
して使用する。
【0006】次に、配設室503内の主要構成要素を説
明する。不図示の光源から射出された光が半導体素子の
回路パターンであるレチクル513に照射され、これを
通過した光は投影光学系514を通って1/5もしくは
1/4に縮小のうえ半導体ウエハ515に照射される。
半導体ウエハ515は、ウエハステージ(XYステー
ジ)516の上に載置されている。ウエハステージ51
6は、除振台517に搭載されている。518はアクテ
ィブ除振装置を構成するアクティブマウントである。こ
のユニットの機能は、ウエハステージ516の急激な加
減速を伴うステップアンドリピート運転、もしくは急激
な加減速を伴う高速スキャン運転による駆動反力で発生
する除振台517を含めた本体構造体の揺れを抑制する
こと、および露光装置502を設置している床の振動が
投影光学系514を含めた本体構造体に侵入しないよう
にすることである。
【0007】配設室503内の温度は、フィルタ505
の出口付近の温度を温度計測手段519によって検出
し、この出力は調節計520に導かれている。ここで
は、調節計520に設定した目標温度と、温度計測手段
519の計測結果とを比較した偏差信号に対して、ほと
んどの場合、PID補償が施される。この補償出力は、
再加熱ヒータ521とこれに電力を給電するドライバ
(例えば、ソリッドステートリレー:SSR)522等
からなる再加熱器508(これらを温度変換手段と称す
る)に入力され、調節計520に設定した目標温度と一
致するように、再加熱ヒータ521への給電量が加減さ
れる。ここで、周知のように、Pは比例を、Iは積分
を、Dは微分動作を意味する。以上、図13を用いて、
配設室503内を概ね温度一定とするための空気循環経
路、および温度制御の装置構成を説明した。
【0008】実際には、温度計測手段519の出力に基
づく温度制御の他に独立した別の空調も施されている。
即ち、投影光学系514、ウエハステージ516、レチ
クル513を位置決めする不図示のレチクルステージ等
の空間を集中的かつ部分的に空調する温度制御が施され
る。これらの部分空調を並列に運転することによって、
露光装置502が稼働している。
【0009】上記のような部分空調の集合が並列運転さ
れているわけであるが、ここに大きな技術的課題があ
る。理想的には、各部分空調が影響を及ぼすことなく、
互いに独立な系として動作することである。しかし、実
際には、各部分空調は互いに干渉している。即ち、ある
部分空調の性能を改良するために実施した調整が、他の
部分空調に対しては外乱として作用させてしまい、恒温
チャンバ全体の温度制御性を向上させることが困難であ
った。
【0010】そこで、このような温調制御システムにお
ける干渉性の排除のために、例えば特開2000−18
7514号の提案がなされている。この技術内容を、図
14の2入力2出力の温調系の適用してなる非干渉化温
調制御システムとして説明する。
【0011】同図においては、523は制御対象である
温調系であって、温度変換手段としての、例えば第1の
ヒータ524Aと第2のヒータ524B、および各ヒー
タの動作による温度を計測する温度計測手段としての第
1の温度センサ525Aと第2の温度センサ525B
と、を備える。
【0012】その上で、第1の温度センサ525Aと第
2の温度センサ525Bの出力を平均温度傾斜温度算出
手段526(以降、モード温度算出手段と称する)に導
き、モード温度算出手段526で第1および第2の温度
センサ525A,525Bの出力から平均温度と傾斜温
度とを算出する。平均温度と傾斜温度は、それぞれの目
標値入力端子527A,527Bに加えられた値と比較
されて偏差信号err1とerr2となり、それぞれ第1のPI
D制御手段528Aと第2のPID制御手段528Bに
導かれて操作量を算出せしめる。
【0013】第1と第2のPID制御手段528A,5
28Bの出力は、配分手段529に導かれ、空間的に離
れたところに装着されている第1および第2のヒータ5
24A,524Bが発生すべき操作量が決定される。
【0014】大局的な見地から、図14の構成は、モー
ド制御に位置付けられる制御装置の構成と言える。例え
ば、機械制御の分野における並進と回転といった運動モ
ードに基づく制御ループの構造は、図14と同様とな
る。また、運動モードに限らず、制御対象たる機械系の
振動モードを個別に捉えるための振動モードに基づく制
御ループの構造も図14と全く同様である。温度制御の
分野に、機械系の位置あるいは振動制御で言うところ
の、運動モード別もしくは振動モード別という概念を持
ち込んだことは特筆すべきことである。
【0015】しかし、制御ループの構造が同じであると
しても、特開2000−187514号に開示された技
術は、温度制御の分野において、モードの概念を導入す
ることによって非干渉化を実現し、かつその効果を検証
した功績は大きい考えられる。しかしながら、特に露光
装置における温調に、上記技術を適用するに当たっては
解決せねばならない課題があった。
【0016】特開2000−187514号の非干渉化
温調制御システムにおいて、思い通りに動作させるため
の大きな前提条件は、温度制御する制御対象の動特性が
ほぼ同じである、という条件が暗黙の内に仮定されてい
ることを挙げねばならない。
【0017】この事情を説明するために、制御対象の温
調系が図14に示すように2入力2出力系であるとす
る。このときの伝達関数行列は、図15のように表現で
きる。そして、伝達関数行列の要素の具体的な形式は、
何を温度制御する温調系であるかによって様相を異にす
る。例えば、均一な厚みを有する物体を2箇所に設けた
ヒータと、この近傍に設けた2つの温度計測手段の出力
に基づいて温度制御する場合は、例えば、ほぼ次式のよ
うに表現できる。
【0018】
【数1】
【0019】即ち、対角要素の伝達関数については、ほ
ぼ同じなのである。勿論、非対角項は非零である。特開
2000−187514号では、このような制御対象に
対する適用を前提にしている。なお、数式1にて用いて
いる記号は、本発明の技術分野に従事する者であれば容
易に分る程度のものであり、従って詳細は省略する。
【0020】2入力2出力系において、G11(s)とG
22(s)のパラメータが大きく異なるとき、即ち、以下
のような数式2と数式3で表現される場合もある。
【0021】
【数2】
【0022】
【数3】
【0023】勿論、KP1≠KP2、TP1≠TP2、LP1≠L
P2、である。即ち、伝達関数の形そのものは同じである
が、各パラメータの値が大きく異なり、応答性に差異が
ある場合である。あるいは、以下の数式4と数式5のよ
うに表現できるプラントもある。
【0024】
【数4】
【0025】
【数5】
【0026】この場合、G11(s)とG22(s)の間に
本質的なダイナミクスの差異があり、従って応答性に大
きな違いがあるということを表現している。勿論、数式
2から数式5の場合、12、21要素は干渉項となり、
何れも伝達関数が存在するという干渉系を扱うものとし
ている。
【0027】露光装置における空調系は、まさに数式1
以外で、即ち数式2,3あるいは数式4,5で表現され
る系である。例えば、恒温チャンバ内の空間全体を一定
温度に制御する系の時定数は大きなものである。一方、
恒温チャンバという大空間の温調と並列運転されてお
り、特にステージの空間だけを部分的に空調する系は、
恒温チャンバ空間の温調に比較すれば、無駄時間も時定
数も小さい。即ち、部分的に空調する系は、速い応答を
示す系である。勿論、これらのパラメータが小さくなけ
れば、露光性能にとって重要なステージ空間の部分空調
を設ける意義はない。恒温チャンバ空間の温調系に比較
すれば、素早い応答性を有するように、再加熱器の高応
答化、送風手段の高速化、温度計測手段の高速化を実現
している。そして、勿論のこと、恒温チャンバ空間の温
度制御の乱れは、ステージ空間の温度の変動となり、逆
も少なからず存在する。つまり、恒温チャンバ内の空間
全体を一定温度に制御する系とステージの空間だけを部
分的に空調する系は、相互に干渉する系なのである。
【0028】従来の場合、このようなダイナミクスが大
きく異なる系に対して、図14に示すモード温度算出手
段526と配分手段529の各行列要素とを定係数とし
て構成しても、元々のダイナミクスの違いが大きいた
め、非干渉化はうまく動作しない、という課題がある。
【0029】なお、特開2000−187514号で
は、行列の各要素が定係数である以外の手段にも言及し
ている。即ち、「この実施の形態では、配分比(非干渉
化係数)を、伝達係数を用いて算出したけれども、本発
明の他の実施の形態として、伝達係数に代えて、周波数
特性も表す伝達関数を用いて算出するようにしてもよ
い」 と上記公開公報の第0088段落に記載している。
即ち、この記述は、配分手段529という行列演算の要
素が定係数に限ることはないと明記したものであり、制
御対象のダイナミクスを考慮して、配分手段529の内
容を決定できる、としている。
【0030】この演算は、例えば逆システムを求めるこ
とにも相当する。しかし、温調系のように無駄時間を含
む制御対象には適用できない。なんとなれば、例えば数
式1の逆システムは次式で表現される。
【0031】
【数6】
【0032】ここで、プロパーではないこと(次数の問
題)は、分母の次数を上げるフィルタの挿入によって解
消できるが、G11(s)での無駄時間LP が、逆システ
ムG 11 -1(s)では、予測時間LP として機能させねば
ならないのであり、実現不可能である。無駄時間系をパ
ディー近似した伝達関数の分子には不安定零点が出現す
るので、逆システムの伝達関数では、この零点が不安定
極となってしまうことからも容易に分かる。
【0033】本従来例においては、物理的に実現可能な
伝達関数を配分手段529の要素として実装することも
考えられる。しかし、このような伝達関数を算出するア
ルゴリズム乃至探索の方法は知られていない。要する
に、実質的には、配分手段529の各要素に周波数特性
を有する要素を実装することはできないと言わざるを得
ない。
【0034】上述したように、図13に示した露光装置
を収納する従来の恒温チャンバ501の場合、ただ一つ
の温度制御された気体を配設室503へ吹き出し、これ
を循環させただけでは、空間的に広がりを有する恒温チ
ャンバ501内の各所を指定した温度にすることはでき
ない。そこで、温度制御された気体の突出(吹き出し)
を幾つかの部分に分割することが行われていた。例え
ば、ウエハステージ516の空間、レチクルステージ
(不図示)の空間、投影光学系514の空間というよう
に、露光装置502の主要なユニットの空間を特に重点
的に空調する部分空調を幾つか備えていた。
【0035】そして、図13においては、露光装置50
2にとって好ましい温度を目標値として設定し、全ての
部分空調の箇所に関して同一の目標温度を設定してい
た。もしくは、温度分布や温度揺らぎを考慮して、各部
分空調ごとに幾分異なる温度を目標温度として設定する
こともあった。
【0036】近年の露光装置に対する生産性向上という
要求に応えるため、ウエハステージをはじめとする可動
機構は高速運転されており、必然的に発熱量の増大を招
くようになったことは上述の通りである。そのため、発
熱量の大きい箇所を所定の温度へ偏差なく、かつ素早く
収束させるために、空調機器のパワー増強によって対処
していた。
【0037】しかし、空調機器のパワー増強は、露光装
置のサイズおよび重量を増大せしめ、コストの引き上げ
を招いた。また、露光装置を設置するクリーンルームの
設備にも過大な負担をかけた。さらに、特定部分の空調
の制御状態が他の部分空調の制御に干渉して、空調の制
御性に悪影響を与えるという問題を露呈することになっ
た。
【0038】露光装置にとっては、製造する半導体素子
等のデバイスの歩留まりに影響する空間の温度特性が重
要なのであって、この空間以外の温度特性は従とすべき
である。本来、従とすべき温度特性に拘る余りに、この
部位の過渡現象によって真に一定であるべき空間の温度
に変動を与えてしまっていたと考えられるのである。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】本発明を創作するに至
った課題を整理すると以下の通りである。露光装置にお
ける恒温チャンバでは、一定温度の媒体(多くの場合、
気体)を空調が行われている。その際、複数の部分空調
を並列に運転することによって、露光装置の露光性能に
直結する空間、およびこれとつながる周辺空間の温度を
一定にする温度制御が施されていた。しかるに、部分空
調は相互に影響を及ぼしあう干渉系であるため、温調シ
ステム全体の性能を向上させるための調整が、干渉性の
存在のため困難であった。このような干渉性を排除する
ために、特開2000−187514号が提案されてい
た。この提案は、温調制御の分野に、物理的な見通しが
きく非干渉化の考え方を取り込んでいる。そして、実験
的に、優れた制御性能を示して得ている。
【0040】しかし、上記公開公報で扱う制御対象は、
相互に干渉するシステムではあるものの、互いのダイナ
ミクスがほぼ同じという制約条件があった。従って、定
係数の行列演算をフィードバックループの中に挿入する
ことによって、干渉性を解くことができた。また、上記
公開公報では、温調系の応答性改善のための制御戦略は
盛り込まれていなかった。
【0041】しかるに、露光装置の中で稼働している複
数の温調系は元々のダイナミクスが緩慢であり、かつ互
いに異なっていることが一般的であった。従って、上記
公開公報の露光装置内で稼働する温調系への単純な適用
は、外乱復帰能力の向上が期待できないのみならず、元
々のダイナミクスが異なるので非干渉化がうまく機能し
ない、という問題もあった。
【0042】また従来、露光装置における恒温チャンバ
では、幾つかの部分空調が並列に運転されていた。即
ち、ウエハステージの空間、レチクルステージの空間等
に対して各独立の空調が施されていた。そして、これら
の部分空間の目標温度は、場所によらずほとんどの場合
同一に設定されていた。
【0043】従って、ある部分空間で施している温度制
御による設定温度への収束性が、他の部分空間の設定へ
の迅速かつ偏差零での収束を阻害する事態を招来するこ
とがあった。特に、露光装置に対する生産性向上の要求
に応えるべく、可動機構を高加減速させて運転したた
め、発熱量が増大している露光装置においては、この傾
向が顕著となってきた。
【0044】しかし、露光装置の性能に最も影響する空
間を、他の空間の温度に先駆けて設定温度へと収束させ
ることが肝要であって、本来、必ずしも全ての部分空間
の温度を同一の温度に設定する必要はない。
【0045】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
であり、多入力多出力系の温調システムであって、温調
性能を従来より向上させる温調装置を提供することを課
題とする。特に、伝達関数行列の対角要素で表現される
ダイナミクスが互いに大きく異なる系に対する非干渉化
温調制御装置を提供することを課題とする。さらには、
露光装置の露光性能にとって重要な空間の所望の温度へ
の収束を迅速化するように機能する協調空調装置を提供
することをさらなる課題とする。
【0046】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するために、本発明の非干渉化温調制御装置は、前記
制御対象の温度を計測する複数の第1の温度計測手段
と、制御対象に送り込む媒体の温度を可変とする温度変
換手段と、前記温度変換手段による前記媒体の温度変化
を検出する複数の第2の温度計測手段と、前記第2の温
度計測手段の出力に基づき前記温度変換手段を駆動する
フィードバックによって構成されるマイナループ系と、
前記第1の温度計測手段の出力から平均温度と傾斜温度
を算出するモード温度算出手段と、前記モード温度算出
手段の出力に補償を施した信号を入力として前記マイナ
ループ系への入力を生成する配分手段とを備えることを
特徴とする。前記非干渉化温調制御装置により、所与の
温調系のダイナミクスを改善するとともに、温調系のダ
イナミクスが異なる温調系を並列運転する際の干渉性を
排除することができる。
【0047】前記非干渉化温調制御装置は、前記マイナ
ーループ系の入力から前記第2の温度計測手段までの応
答を高速化する補償手段をさらに有するとよく、前記温
度変換手段から前記第2の温度計測手段の伝達特性を成
形するものであることが好ましい。
【0048】上記課題を解決するために、本発明の協調
空調装置は、制御対象の温度を計測する温度計測手段を
少なくとも有する空調系を備え、前記空調系は、第1お
よび第2の空調系から構成され、該第1および第2の空
調系には、それぞれの目標温度の値が設定されており、
前記温度計測手段により得られた制御対象の温度と前記
第1の空調系の前記目標温度を比較して得られた偏差信
号に補償を掛けた信号を、前記第2の空調系の目標温度
の値に加えることを特徴とする。
【0049】前記空調系は、目標温度が設定された第3
の空調系をさらに有し、前記協調空調装置は、前記第1
の空調系の偏差信号に補償を掛けた信号を、前記第2お
よび第3の空調系の目標温度の値にそれぞれ加えること
が好ましい。また、前記空調系は、前記温度計測手段の
出力に基づき補償演算を行う調節計と、該調節計の出力
により制御対象へ送り込む媒体の温度を制御する温度変
更手段とを有することが好ましい。さらに、前記第1、
第2、および第3の空調系に対してそれぞれ同一の目標
温度、または、異なる目標温度を設定することもでき
る。
【0050】本発明の露光装置においては、前記非干渉
化温調制御装置または前記協調空調装置を一組または複
数組用いて温度調節、制御等を行うことが可能であり、
半導体素子等のデバイスを高速・高精度に製造すること
ができる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を用いて詳細に説明する。 [第1の実施形態]図1は、本発明の非干渉化温調制御
装置の一実施形態を示す図である。同図において、30
A,30Bは再加熱ヒータ、31A,31Bは再加熱し
た空気を導くダクト、32A,32Bは塵埃等を除去す
るためのフィルタ、33A,33Bは第2の温度計測手
段である。図示の場合、フィルタ32A、32Bからの
空気は、半導体ウエハ34を載置したステージ35の空
間、およびステージ35を位置決めするレーザ干渉計
(不図示)における計測用のレーザビームが走る空間の
温度を一定にするために、一定温度の空気が空間を満た
すように流される(図1中の矢印参照)。
【0052】上記した従来例で説明した図13に対応付
けると、投影光学系514の直下にある半導体ウエハ5
15とウエハステージ516が図1に描かれている。そ
して、投影光学系514の直下であって、半導体ウエハ
515近傍の温度を計測するための温度計測手段が、図
1における第1の温度計測手段36A,36Bとなる。
さらに言うと、本実施形態では、フィルタ32A、32
Bの吹き出し口の温度のみならず、実際に、真に一定温
度としたい部位の温度を計測するための第1の温度計測
手段36A、36Bを備えている。
【0053】図1において、フィルタ32A、32Bか
ら突出(吹出)させる気体の温度を計測する第2の温度
計測手段33A、33Bの出力は、第3のPID制御手
段37Aと第4のPID制御手段37Bにそれぞれフィ
ードバックされる。つまり、第2の温度計測手段33
A、33Bと、第3および第4のPID制御手段37
A、37Bと、再加熱ヒータ30A、30Bとでマイナ
ループ系が構成される。
【0054】このマイナループ系によって、再加熱ヒー
タ30A、30Bから第2の温度計測手段33A、33
Bまでの伝達特性が改善される。即ち、応答性、非線形
性等の特性を改善する。制御工学の用語を使って、制御
対象の特性を「成形」 することができる。
【0055】即ち、マイナループ系を構成したときであ
って、入力A、Bから第2の温度計測手段33A、33
Bまでの応答と、マイナループを構成しないときであっ
て入力A、Bから第2の温度計測手段33A、33Bま
での応答とを比較したとき、前者の方が入力に対する応
答を高速となすことができる。正確に言うと、第3、第
4のPID制御手段37A,37Bを適切に調整して出
力A’、B’を再加熱ヒータ30A、30Bへ入力する
ことによって、入力A、Bに対する第2の温度計測手段
33A、33Bまでの応答を高速化することができる。
そして、第3および第4のPID制御手段37A、37
Bを調整して両者の応答性を、即ちダイナミクスを揃え
るようにすることもできる。
【0056】その上で、つまりダイナミクスを改善し、
かつダイナミクスを揃えたマイナループ系を構成したう
えで、まず第1の温度計測手段36A、36Bの出力を
モード温度算出手段26に導き、平均温度と傾斜温度と
が算出される。
【0057】次に、平均温度と傾斜温度は、それぞれ平
均温度に関する目標値入力端子27Aと傾斜温度に関す
る目標値入力端子27Bに印加される値と比較されて、
それぞれ平均温度に関する偏差信号と傾斜温度に関する
偏差信号を得る。
【0058】さらに、平均温度に関する偏差信号は第1
のPID制御手段28Aへ、傾斜温度に関する偏差信号
は第2のPID制御手段28Bへそれぞれ導かれて補償
演算が施される。そして、第1のPID制御手段28A
と第2のPID制御手段28Bの出力は、両信号を分配
するための配分手段29に導かれている。なお、第1、
第2のPID制御手段28A、28Bや、第3、第4の
PID制御手段37A、37Bは、PID演算に限定さ
れるものではなく、広く補償手段といえるものであれば
適宜に使用することができる。
【0059】配分手段29の出力信号は、マイナループ
系への入力であるAとBの信号となっている。先にも述
べたように、再加熱ヒータ30A、30Bから第2の温
度計測手段33A、33Bまでの応答性は、第3および
第4のPID制御手段37A、37Bを含めたマイナル
ープ系によって、ダイナミクスの改善は図られていると
同時に、ダイナミクスの均一化がなされている。そのた
め、配分手段29のなかみを定係数の行列となすことに
よって、非干渉化された温調制御が実現できる。
【0060】[第2の実施形態]上記した第1の実施形
態では、再加熱ヒータ30A、30Bからダクト31
A、31Bを通って、フィルタ32A、32Bから吹き
出すところまでの空調系のダイナミクスを改善するため
に、フィルタ32A、32Bの箇所に設けた第2の温度
計測手段33A、33Bの出力を第3、第4のPID制
御手段37A、37Bにそれぞれ導くことによってマイ
ナループ系を構成した。先にも述べように、再加熱ヒー
タ30A、30Bから第2の温度計測手段33A、33
Bまでの応答性が改善させるので、改善された応答特性
を有する空調系を新たな制御対象として、温度に関する
非干渉化を施すことができた。即ち、制御対象の本来の
特性を成形したうえで非干渉化を施すことによって、外
乱入力に対する抑圧性を向上させ、かつ収束性を速める
とともに、温調系の調整が物理的な見通しをもって容易
に実施できるようになった。
【0061】既に、元々のダイナミクスが大きく異なる
複数の温調系に特開2000−187514号を適用す
るときの課題として、干渉性を解くために設ける配分手
段529のなかみが定係数であるため、応答性が大きく
異なる干渉系への特開2000−187514号の適用
は困難であるばかりか、却って温調性能に支障を招くこ
とを指摘しておいた。
【0062】この課題を解決するためには、図1のよう
に二つの温調系に対してマイナループ系を構成するので
はなく、応答が遅い温調系のみを応答の速い温調系へ近
づけるためにマイナループ系を構成してもよい。具体的
に、図1に示した2入力2出力の温調系に上述の考え方
を具現化した装置構成を図2に示す。図2において、図
1と同一の符号は、図1と同様の構成要素を示す。ま
た、第1の温度計測手段36Aは、図2中において1個
備えられている旨が示されているが、複数の部分空調系
に対して複数個備えることを妨げない。
【0063】図2において、再加熱ヒータ30A、30
Bから、ダクト31A、31Bを介してフィルタ32
A、32Bに至る経路長等の違いから、ダクト31Aで
導かれる空気の方が31Bに比較してダイナミクスは遅
い。即ち、Aへの入力から第2の温度計測手段33Aま
での伝達特性と、Bへの入力から第2の温度計測手段3
3Bまでの伝達特性とを比較したとき、前者の方が緩慢
な応答特性である。
【0064】そこで、Aへの入力から温度計測手段33
Aまでの伝達特性を改善し、かつBへの入力から温度計
測手段33Bまでの伝達特性と近くなるように、温度計
測手段33Aの出力を第3のPID制御手段37Aにフ
ィードバックし、そして第3のPID制御手段37Aの
出力で再加熱ヒータ30Aを駆動している。
【0065】このとき、Aへの入力から温度計測手段3
3Aまでの伝達特性は、Aへの入力から第2の温度計測
手段33Aまでの応答に比して向上させ、望ましくはB
への入力から第2の温度計測手段33Bまでの伝達特性
と同じものにすることができる。
【0066】このようにすると、Aへの入力から温度計
測手段33Aまでと、Bへの入力から温度計測手段33
Bまでの各伝達特性がほぼ等しくなる。つまり、ダイナ
ミクスが揃うのである。従って、特性の揃ったダイナミ
クスに対して、モード温度算出手段526と配分手段5
29とを備えた非干渉化温調制御装置を構成することが
できる。
【0067】本実施形態の効果を示す数値実験結果を図
3および図4に与える。図3は、従来における制御対象
を伝達関数行列で表現したときの対角要素のダイナミク
スが大きく異なる場合の応答であり、平均温度(a)と
傾斜温度(b)の偏差の時間特性を示す図である。図4
は、本発明の一実施形態を適用いた場合の平均温度
(a)と傾斜温度(b)の偏差の時間特性を示す図であ
る。ここでは、図14のような2入力2出力系を扱って
いる。
【0068】まず、伝達関数行列で表現したとき、非零
の非対角要素を有し、かつ対角要素の伝達関数が互いに
ほぼ等しいダイナミクスを持ち、例えば、傾斜温度に対
してステップ状の目標値を与えた場合、図3(a),
(b)の波形Aのような応答を示す。平均温度に関する
偏差信号err1には、応答が生じていない。従って、非干
渉化されていることが分かる。
【0069】次に、図3(a),(b)の波形Bの応答
は、制御対象を伝達関数行列で表現したとき、対角要素
のダイナミクスが大きく異なる場合の応答である。波形
Aの応答では平均温度に関する偏差信号err1には応答が
なかったが、波形Bの場合には、ダイナミクスに大きな
差異があるため平均温度に関する偏差信号err1にも応答
が出現し、かつ傾斜温度に関する偏差信号err2は緩慢な
応答となっている。
【0070】このような現象から、特開2000−18
7514号が扱う制御対象は、伝達関数行列で表したと
き、対角成分のダイナミクスがほぼ等しいという制約条
件がつくとし、ダイナミクスが大きく異なる場合には、
非干渉化は不完全となって、所望の動作をしないのであ
る。
【0071】そこで、波形Bを得た制御対象に対して本
実施形態を適用すると図4(a),(b)の波形Cを得
る。波形Cは、波形Bにおけるダイナミクスの遅れをマ
イナループによって改善した上で非干渉化ループを構成
したときのものである。傾斜温度に関するステップ入力
に対して、平均温度に関する偏差信号も出現しており、
完全な非干渉化は達成されていないが、波形Bに比較す
れば応答の改善が図れている。そして、傾斜温度に関す
る偏差信号err2の収束性も改善していることは明らかで
ある。
【0072】上記した実施形態に係わる図1と図2は、
何れも半導体ウエハ34近傍の空間を温度制御するため
の装置構成を示している。勿論、本実施形態の適用は、
図13を参照して、半導体ウエハ515近傍の空間に対
する温調に限定されるものでない。例えば、半導体ウエ
ハ515近傍の空間に対する温調系と、レチクル513
近傍の空間に対する温調系とを図1もしくは図2のよう
な装置構成とすることができる。
【0073】第1および第2の実施形態においては、図
1もしくは図2のような2入力2出力に限定されるもの
でもない。例えば、図13における半導体ウエハ515
近傍の空間に対する温調系と、レチクル513近傍の空
間に対する温調系と、配設室503に対する温調系の3
箇所に対して、即ち3入力3出力に対して、本実施形態
の技術思想を展開することもできる。つまり、この場
合、図1もしくは図2におけるモード温度算出手段26
と配分手段29は共に3入力3出力の行列演算となる。
そして、所与の温調系の特性を改善するために、少なく
とも1系統に対してPID制御手段を介してのマイナル
ープ系を構成することができる。
【0074】さらに、図1および図2の場合は、ダイナ
ミクスの遅れを補償するために、フィルタ32A、32
Bの箇所に第2の温度計測手段33A、33Bを設け、
この出力をフィードバックして構成されるマイナループ
系を設けた。しかし、第2の温度計測手段33A、33
Bの装着部位は、所謂吹き出し口である必要はない。再
加熱ヒータ30A、30Bの直後でもよいし、ダクト3
1A、31Bの経路中に第2の温度計測手段33A、3
3Bを備えてもよい。要は、これらの箇所に備えた第2
の温度計測手段33A、33Bの出力に基づくフィード
バックによって再加熱ヒータ30A、30Bの加熱動作
を高速化することができればよいのである。
【0075】[第3の実施形態]第3の実施形態では、
露光性能にとって重要な空間の温度に対して従となる空
間の温度を予め定めた固定の目標温度の周りで可変とな
すことによって、重要な空間の所望の温度への収束を迅
速化するように機能する協調空調装置について、以下に
説明する。
【0076】半導体等のデバイスを製造する露光装置中
は、発熱を伴う機器が稼働しており、これが一定温度に
コントロールしたい環境にとっては外乱となる。外乱に
対しては、この影響を素早く抑制して目標温度へと収束
させることが温度制御にとっての役割となる。温度制御
に用いられているPID補償器のパラメータを調整した
ときは、外乱による変動を素早く、かつ可能な限り小さ
く抑制したうえで所定の温度精度を満たすように調整で
きる。
【0077】しかし、各温調は、主に担当する部分空間
の温度だけをひたすら一定にコントロールするようにな
っているため、着目する部分空間の温調の外乱抑制性能
が、他の部分空間の温度制御にとっては、頑固な外乱と
して作用してしまい、露光装置の性能にとっては重要な
空間の温度均一性の達成を阻害することがあった。
【0078】即ち、PID補償器を調整することによっ
て、着目する部分空間の外乱に対する温度制御の能力は
確実に向上させ得るが、この向上は他の部位の部分空調
系に対しては、かえって頑固な外乱となることがあっ
た。
【0079】半導体露光装置においては、全ての部分空
間の温度を常に一定にしておかねばならない理由は、本
来は希薄であった。勿論、露光性能にとって重要な空間
の外乱による目標温度からの乱れは、素早く収束させね
ばならない。しかし、露光性能への寄与が小さい空間の
温度については、一定の温度にコントロールする思想を
捨て、むしろ目標温度を変えることによって空間の実温
度も変化させ、もって露光性能に影響する空間を素早く
所定の温度へと収束させるように支援した方が好ましい
のである。
【0080】図5は、本発明の一実施形態に係わる協調
空調装置を示す図である。図5を参照して、より具体的
に本実施形態の内容を説明する。図5の協調空調装置
は、配設室53の温度を一定にするため、フィルタ55
aの直下に温度計測手段69aを備える。この温度計測
手段69aの出力は、調節計70に導かれた後、設定し
た目標温度と比較して得られる偏差信号に対して、ほと
んどの場合、PID補償が施される。そして、PID補
償の出力信号で温度変更手段58aを駆動すること、お
よび冷却器73aや送風機57a等により、フィルタ5
5aからは常に一定の空気を突出(吹出)させている。
【0081】この空調とは別に、投影光学系64の空調
も並列に運転されている。図5の場合、投影光学系64
はカバー77で覆われている。フィルタ55bから吹き
出した空気は、供給ダクト74を通って、投影光学系6
4の外周を一定の温度の空気を流すように導かれる。そ
して、投影光学系64の下端から空気を集め、これをリ
ターンダクト75に導いている。
【0082】回収された空気は、再び冷却器73bを通
って冷却され、加熱手段58bによって熱量を与えられ
ることによって暖められた空気が送風機57bによって
供給ダクト74へと送られている。ここで、投影光学系
64の温度(代表的には、温度計測手段69bによって
計測される)と、フィルタ55a直下であって温度計測
手段69aによって計測される温度の重要性を比較した
とき、前者の方がより露光性能にとって重大な影響をお
よぼすことは明らかである。なんとなれば、投影光学系
64の性能は、これが製作された環境温度でしか保証で
きない、という理由による。即ち、投影光学系64を取
り巻く環境温度の変化は、収差等の光学性能の変化をも
たらしてしまうのである。
【0083】カバー77で覆われる投影光学系64に
は、温度制御された空気が循環しているが、カバー77
の外の温度を変化させると、この変化がカバー77を介
して循環する空気の温度にも少なからず影響する。つま
り、投影光学系64の温度変動を素早く修正するよう
に、カバー77の外の温度を積極的に変化させればよい
のである。
【0084】例えば、投影光学系64内が温度上昇した
とき、温度計測手段69bの出力はフィードバックされ
ており、再加熱器の出力が絞られることによって次第に
温度を下げる。このとき、カバー27外の空気の温度
も、予めの設定温度から下げる。すると、カバー77の
外周を介して投影光学系64の温度を下げるように働く
結果として、投影光学系64の平衡温度への素早い収束
を手助けすることになる。
【0085】図5における上記説明した以外の構成要素
について説明すると、51は恒温チャンバ、52は投影
露光装置、63はレチクル、65はウエハ、66はウエ
ハステージ、67はステージ定盤、68はアクティブマ
ウント、そして76は照明光学系をそれぞれ示す。
【0086】図6は、本発明の第3の実施形態に係わる
2温調系の制御ブロック図であり、上述の考え方を実現
する装置構成を制御ブロック図として表したものであ
る。ここでは、2つの部分空調系のブロックを表示して
おり、図5と対応させて、プラントA78は投影光学系
64を、プラントB82は配設室53を示すものとす
る。
【0087】まず、図6においては、プラントA78の
温度を検出し、これをフィードバックして、目標温度設
定端子79に加える目標温度と比較して偏差信号を得
る。次いで、この偏差信号はPID補償器80に導か
れ、この出力信号でプラントA78に対する再加熱ヒー
タへの通電量を司る、例えばSSR81の入力となして
いる。
【0088】同図においては、プラントB82も同様の
フィードバックが施されている。即ち、プラントB82
の出力である温度はフィードバックされ、目標温度設定
端子79に加える目標温度と比較されて偏差信号とな
る。次いで、この偏差信号はPID補償器83を通って
補償信号となり、この補償信号でSSR84を駆動して
いる。
【0089】プラントA78とプラントB82に施され
たフィードバックループに対して、それぞれ同一の目標
温度が設定されている。しかし、プラントA78とプラ
ントB82に対して、互いに異なる目標温度を設定して
も構わない。
【0090】本実施形態では、プラントA78の温度を
目標温度に定常偏差なく、かつ素早く収束させることに
主眼をおく。プラントB82の温度変動が露光性能にお
よぼす影響が僅少であるという知見に基づき、これらの
温度の過渡的な変動は許容する。そのため、プラントA
78の偏差信号を検出し、これを適切な補償器85に通
し、この出力信号をプラントB82のフィードバックル
ープの目標入力端子に入力する。補償器85は、例えば
ゲイン補償を用いることができる。
【0091】図6の場合は、プラントA78の温度偏差
が有限なとき、これに適切な補償を介して得られる信号
がプラントB82の目標値として加えられている。勿
論、プラントB82の平衡温度を定める目標温度は予め
設定されており、これに加えて、プラントA78の偏差
信号の大きさに応じて、先の平衡温度からシフトすべき
目標値が加えられることになる。
【0092】例えば、プラントA78の実際の温度が、
目標温度に対して高いときの偏差信号は有限の値を持
つ。これに適切な補償を掛けてプラントB82の目標値
に加算しているので、プラントB82の平衡温度を下げ
るように機能させることができる。最終的には、プラン
トA78の実際の温度を下げるように作用して偏差信号
は零ヘと収束し、適切な補償器85の出力も零に収束す
る。従って、プラントB82の目標値は、予め設定した
目標温度の設定値に固定されるのである。
【0093】以上の説明では、プラントA78、プラン
トB82の2系統の温調系に対して本発明を適用した実
施形態を述べた。しかし、本実施形態は、温調系が2系
統である場合に限定されない。系統が増えて3系統とな
った場合を図7に示す。
【0094】プラントA78とプラントB82のフィー
ドバック系と同様に、プラントC86に対しても、PI
D補償器87とSSR88によるループが構成されてい
る。その上で、プラントA78のフィードバック系の偏
差信号を適切な補償器89を介して得られる信号をプラ
ントC86に対する目標温度として入力している。温調
系の系統が3以上に増えた場合も同様にループを構成す
ればよいことは言うまでもない。
【0095】本発明の好ましい実施形態の協調空調装置
を具体化した基本の装置構成は図6あるいは図7に示さ
れるが、これら何れかの協調空調装置を一組のみなら
ず、複数組で稼働させた場合も本実施形態に属すること
は言うまでもない。即ち、プラントA78に相当する部
分空調の箇所を投影光学系64とし、プラントB82に
相当する部分空調の箇所を配設室53としたが、加えて
ウエハステージ66の空間を新たなプラントAとして、
これに新たなプラントBを選定して、プラントA、B
と、新たなプラントA、Bの組を並列して運転しても構
わない。
【0096】[半導体生産システムの実施形態]次に、
上記説明した露光装置を利用した半導体等のデバイス
(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CC
D、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の生産システ
ムの例を説明する。これは、半導体製造工場に設置され
た製造装置のトラブル対応や定期メンテナンス、若しく
はソフトウェア提供等の保守サービスを、製造工場外の
コンピュータネットワーク等を利用して行うものであ
る。
【0097】図8は、全体システムをある角度から切り
出して表現したものである。図中、101は半導体デバ
イスの製造装置を提供するベンダ(装置供給メーカ)の
事業所である。製造装置の実例として、半導体製造工場
で使用する各種プロセス用の半導体製造装置、例えば、
前工程用機器(露光装置、レジスト処理装置、エッチン
グ装置等のリソグラフィ装置、熱処理装置、成膜装置、
平坦化装置等)や後工程用機器(組立て装置、検査装置
等)を想定している。事業所101内には、製造装置の
保守データベースを提供するホスト管理システム10
8、複数の操作端末コンピュータ110、これらを結ん
でイントラネット等を構築するローカルエリアネットワ
ーク(LAN)109を備える。ホスト管理システム1
08は、LAN109を事業所の外部ネットワークであ
るインターネット105に接続するためのゲートウェイ
と、外部からのアクセスを制限するセキュリティ機能を
備える。
【0098】一方、102〜104は、製造装置のユー
ザとしての半導体製造メーカ(半導体デバイスメーカ)
の製造工場である。製造工場102〜104は、互いに
異なるメーカに属する工場であってもよいし、同一のメ
ーカに属する工場(例えば、前工程用の工場、後工程用
の工場等)であってもよい。各工場102〜104内に
は、夫々、複数の製造装置106と、それらを結んでイ
ントラネット等を構築するローカルエリアネットワーク
(LAN)111と、各製造装置106の稼動状況を監
視する監視装置としてホスト管理システム107とが設
けられている。各工場102〜104に設けられたホス
ト管理システム107は、各工場内のLAN111を工
場の外部ネットワークであるインターネット105に接
続するためのゲートウェイを備える。これにより各工場
のLAN111からインターネット105を介してベン
ダ101側のホスト管理システム108にアクセスが可
能となり、ホスト管理システム108のセキュリティ機
能によって限られたユーザだけがアクセスが許可となっ
ている。具体的には、インターネット105を介して、
各製造装置106の稼動状況を示すステータス情報(例
えば、トラブルが発生した製造装置の症状)を工場側か
らベンダ側に通知する他、その通知に対応する応答情報
(例えば、トラブルに対する対処方法を指示する情報、
対処用のソフトウェアやデータ)や、最新のソフトウェ
ア、ヘルプ情報等の保守情報をベンダ側から受け取るこ
とができる。各工場102〜104とベンダ101との
間のデータ通信および各工場内のLAN111でのデー
タ通信には、インターネットで一般的に使用されている
通信プロトコル(TCP/IP)が使用される。なお、
工場外の外部ネットワークとしてインターネットを利用
する代わりに、第三者からのアクセスができずにセキュ
リティの高い専用線ネットワーク(ISDN等)を利用
することもできる。また、ホスト管理システムはベンダ
が提供するものに限らずユーザがデータベースを構築し
て外部ネットワーク上に置き、ユーザの複数の工場から
該データベースへのアクセスを許可するようにしてもよ
い。
【0099】さて、図9は、本実施形態の全体システム
を図8とは別の角度から切り出して表現した概念図であ
る。先の例では、それぞれが製造装置を備えた複数のユ
ーザ工場と、該製造装置のベンダの管理システムとを外
部ネットワークで接続して、該外部ネットワークを介し
て各工場の生産管理や少なくとも1台の製造装置の情報
をデータ通信するものであった。これに対し本例は、複
数のベンダの製造装置を備えた工場と、該複数の製造装
置のそれぞれのベンダの管理システムとを工場外の外部
ネットワークで接続して、各製造装置の保守情報をデー
タ通信するものである。図中、201は製造装置ユーザ
(半導体デバイス製造メーカ)の製造工場であり、工場
の製造ラインには各種プロセスを行う製造装置、ここで
は例として露光装置202、レジスト処理装置203、
成膜処理装置204が導入されている。なお、図9で
は、製造工場201は1つだけ描いているが、実際は複
数の工場が同様にネットワーク化されている。工場内の
各装置はLAN206で接続されてイントラネット等を
構成し、ホスト管理システム205で製造ラインの稼動
管理がされている。一方、露光装置メーカ210、レジ
スト処理装置メーカ220、成膜装置メーカ230等、
ベンダ(装置供給メーカ)の各事業所には、それぞれ供
給した機器の遠隔保守を行うためのホスト管理システム
211,221,231を備え、これらは上述したよう
に保守データベースと外部ネットワークのゲートウェイ
を備える。ユーザの製造工場内の各装置を管理するホス
ト管理システム205と、各装置のベンダの管理システ
ム211,221,231とは、外部ネットワーク20
0であるインターネット若しくは専用線ネットワークに
よって接続されている。このシステムにおいて、製造ラ
インの一連の製造機器の中のどれかにトラブルが起きる
と、製造ラインの稼動が休止してしまうが、トラブルが
起きた機器のベンダからインターネット200を介した
遠隔保守を受けることで迅速な対応が可能で、製造ライ
ンの休止を最小限に抑えることができる。
【0100】半導体製造工場に設置された各製造装置は
それぞれ、ディスプレイと、ネットワークインタフェー
スと、記憶装置にストアされたネットワークアクセス用
ソフトウェア並びに装置動作用のソフトウェアを実行す
るコンピュータを備える。記憶装置としては内蔵メモリ
やハードディスク、若しくはネットワークファイルサー
バ等である。上記ネットワークアクセス用ソフトウェア
は、専用または汎用のウェブブラウザを含み、例えば図
10に一例を示す様な画面のユーザインタフェースをデ
ィスプレイ上に提供する。各工場で製造装置を管理する
オペレータは、画面を参照しながら、製造装置の機種
(401)、シリアルナンバー(402)、トラブルの
件名(403)、発生日(404)、緊急度(40
5)、症状(406)、対処法(407)、経過(40
8)等の情報を画面上の入力項目に入力する。入力され
た情報はインターネットを介して保守データベースに送
信され、その結果の適切な保守情報が保守データベース
から返信されディスプレイ上に提示される。また、ウェ
ブブラウザが提供するユーザインタフェースは、さらに
図示のごとくハイパーリンク機能(410,411,4
12)を実現し、オペレータは各項目のさらに詳細な情
報にアクセスしたり、ベンダが提供するソフトウェアラ
イブラリから製造装置に使用する最新バージョンのソフ
トウェアを引出したり、工場のオペレータの参考に供す
る操作ガイド(ヘルプ情報)を引出したりすることがで
きる。ここで、保守データベースが提供する保守情報に
は、上記説明した本発明に関する情報も含まれ、また前
記ソフトウェアライブラリは本発明を実現するための最
新のソフトウェアも提供する。
【0101】次に、上記説明した生産システムを利用し
た半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図11
は、半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを
示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回
路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では設計した
回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステ
ップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウ
エハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工
程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リ
ソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成す
る。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ス
テップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チッ
プ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、
ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等
の組立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ
5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久
性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デ
バイスが完成し、これを出荷(ステップ7)する。前工
程と後工程はそれぞれ専用の別の工場で行い、これらの
工場毎に上記説明した遠隔保守システムによって保守が
なされる。また、前工程工場と後工程工場との間でも、
インターネットまたは専用線ネットワークを介して生産
管理や装置保守のための情報等がデータ通信される。
【0102】図12は、上記ウエハプロセスの詳細なフ
ローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を
酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に
絶縁膜を成膜する。ステップ13(電極形成)ではウエ
ハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イ
オン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ
15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。
ステップ16(露光)では上記説明した露光装置によっ
てマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステ
ップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステ
ップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の
部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエ
ッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。こ
れらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上
に多重に回路パターンを形成する。各工程で使用する製
造機器は上記説明した遠隔保守システムによって保守が
なされているので、トラブルを未然に防ぐと共に、もし
トラブルが発生しても迅速な復旧が可能で、従来に比べ
て半導体デバイスの生産性を向上させることができる。
【0103】
【発明の効果】本発明の効果は、以下の通りである。 (1)本発明の非干渉化温調制御装置によれば、並列運
転される複数の制御対象の動特性をマイナループ系によ
って成形し、成形後の空調系を新たな制御対象として、
非干渉化温調制御を実装することができる。従って、温
調性能を従来より向上させることができる、という効果
がある。
【0104】(2)また従来、動特性の異なる温調系を
並列運転している場合に従来の非干渉化温調制御を施す
と、ダイナミクスを含めての非干渉化は不可能であっ
た。しかるに、本発明では、ダイナミクスの違いを、マ
イナループ系によって矯正するので、容易に非干渉化温
調制御を実装することができる。もって、温調性能の向
上が期待できるし、かつ見通しのよい調整が可能とな
る。
【0105】(3)さらに本発明では、干渉性が排除さ
れ、なお、高速応答させることができるので、並列運転
の空調系が達成する温度の分布にムラがなくなり、外乱
入力に対する復帰能力の向上が見込める。
【0106】(4)本発明の協調空調装置によれば、露
光性能にとって重要な空間の温度をいち早く目標温度へ
と収束させる、つまり温調性能を従来より向上させるこ
とができる、という効果がある。
【0107】(5)さらに本発明では、露光性能への寄
与が僅少な空間の温度を積極的に変動させることによっ
て、重要な空間の温度は目標値へと迅速に収束させる効
果を有するので、空調系の設備を増強しないで対処でき
る。
【0108】(6)本発明の非干渉化温調制御装置を露
光装置に備えたとき、並列運転されている空調系の干渉
性を排除または緩和することができる。よって、露光装
置によって製造される半導体の品質向上に寄与するのみ
ならず、露光装置の生産性向上に寄与するところ大とす
ることができる。
【0109】(7)本発明の協調空調装置を露光装置に
備えたとき、露光装置の露光性能および生産性に寄与す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係わる非干渉化温
調制御装置を示す図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態に係わる非干渉化温
調制御装置を示す図である。
【図3】 制御対象を伝達関数行列で表現したときの対
角要素のダイナミクスが大きく異なる場合の応答であ
り、平均温度(a)と傾斜温度(b)の偏差の時間特性
を示す図(数値実験結果)である。
【図4】 本発明の一実施形態を適用いた場合の平均温
度(a)と傾斜温度(b)の偏差の時間特性を示す図
(数値実験結果)である。
【図5】 本発明の第3の実施形態に係わる協調空調装
置を示す図である。
【図6】 本発明の第3の実施形態に係わる2温調系の
制御ブロック図である。
【図7】 本発明の第3の実施形態に係わる3温調系の
制御ブロック図である。
【図8】 本発明の一実施形態に係わる露光装置を含む
半導体デバイスの生産システムをある角度から見た概念
図である。
【図9】 本発明の一実施形態に係わる露光装置を含む
半導体デバイスの生産システムを別の角度から見た概念
図である。
【図10】 本発明の一実施形態に係わる露光装置を含
む半導体デバイスの生産システムにおけるユーザインタ
フェースの具体例を示す図である。
【図11】 本発明の一実施形態に係わる露光装置によ
るデバイスの製造プロセスのフローを説明する図であ
る。
【図12】 本発明の一実施形態に係わる露光装置によ
るウエハプロセスを説明する図である。
【図13】 従来例に係わる空調機器を示す概略図であ
る。
【図14】 従来例に係わる2入力2出力の温調系を適
用してなる非干渉化温調制御システムを説明する図であ
る。
【図15】 図14における伝達関数行列を示す図であ
る。
【符号の説明】
30A(B):再加熱ヒータ、31A(B):ダクト、
32A(B):フィルタ、33A(B):第2の温度計
測手段、34:半導体ウエハ、35:ステージ、36A
(B):第1の温度計測手段、51:恒温チャンバ、5
2:投影露光装置、53,503:配設室、55a,5
5b:フィルタ、57a,57b:送風機、58a:温
度変更手段、58b:加熱手段、63:レチクル、6
4:投影光学系、65:ウエハ、66:ウエハステー
ジ、67:ステージ定盤、68:アクティブマウント、
69a,69b:温度計測手段、70:調節計、73
a,73b:冷却器、74:供給ダクト、75:リター
ンダクト、76:照明光学系、77:カバー、78:プ
ラントA、79:目標温度設定端子、80,83,8
7:PID補償器、81,84,88:SSR、82:
プラントB、85,89:補償器、86:プラントC、
501:恒温チャンバ、502:露光装置、504:空
調路、505:フィルタ、506:熱交換器、507:
送風機、508:再加熱器、509:空調機器、51
0:外気導入口、511:連通口、512:排気口、5
13:レチクル、514:投影光学系、515:半導体
ウエハ、516:ウエハステージ、517:除振台、5
18:アクティブマウント、519:温度計測手段、5
20:調節計、521:再加熱ヒータ、522:ドライ
バ、523:制御対象である温調系、524A:第1の
ヒータ、524B:第2のヒータ、525A:第1の温
度センサ、525B:第2の温度センサ、526:モー
ド温度算出手段、527A,527B:目標値入力端
子、528A:第1のPID制御手段、528B:第2
のPID制御手段、529:配分手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/027 H01L 21/30 502H Fターム(参考) 3L060 AA06 CC02 CC19 EE23 5F046 AA22 BA05 DA04 DA26 DB02 5H004 GB15 GB20 HA01 HB01 JA22 JB08 JB20 JB30 KA71 KB02 KB04 KB06 KB39 LA01 LA02 LA03 LA15 LA18 5H323 AA29 AA40 BB06 CA01 CA02 CB02 CB25 CB33 CB35 CB42 CB43 CB44 DA01 DB03 HH02 HH03 KK07 LL01 LL02 MM06

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前記制御対象の温度を計測する複数の第
    1の温度計測手段と、制御対象に送り込む媒体の温度を
    可変とする温度変換手段と、前記温度変換手段による前
    記媒体の温度変化を検出する複数の第2の温度計測手段
    と、前記第2の温度計測手段の出力に基づき前記温度変
    換手段を駆動するフィードバックによって構成されるマ
    イナループ系と、前記第1の温度計測手段の出力から平
    均温度と傾斜温度を算出するモード温度算出手段と、前
    記モード温度算出手段の出力に補償を施した信号を入力
    として前記マイナループ系への入力を生成する配分手段
    とを備えることを特徴とする非干渉化温調制御装置。
  2. 【請求項2】 前記マイナーループ系の入力から前記第
    2の温度計測手段までの応答を高速化する補償手段をさ
    らに有することを特徴とする請求項1に記載の非干渉化
    温調制御装置。
  3. 【請求項3】 制御対象の温度を計測する温度計測手段
    を少なくとも有する空調系を備え、 前記空調系は、第1および第2の空調系から構成され、
    該第1および第2の空調系には、それぞれの目標温度の
    値が設定されており、 前記温度計測手段により得られた制御対象の温度と前記
    第1の空調系の前記目標温度を比較して得られた偏差信
    号に補償を掛けた信号を、前記第2の空調系の目標温度
    の値に加えることを特徴とする協調空調装置。
  4. 【請求項4】 前記空調系は、目標温度の値が設定され
    た第3の空調系をさらに有し、前記協調空調装置は、前
    記第1の空調系の偏差信号に補償を掛けた信号を、前記
    第2および第3の空調系の目標温度の値にそれぞれ加え
    ることを特徴とする請求項3に記載の協調空調装置。
  5. 【請求項5】 前記空調系は、前記温度計測手段の出力
    に基づき補償演算を行う調節計と、該調節計の出力によ
    り制御対象へ送り込む媒体の温度を制御する温度変更手
    段とを有することを特徴とする請求項3または4に記載
    の協調空調装置。
  6. 【請求項6】 原版のパターンを基板に露光する露光装
    置において、 請求項1または2に記載の非干渉化温調制御装置を用い
    ることを特徴とする露光装置。
  7. 【請求項7】 原版のパターンを基板に露光する露光装
    置において、 請求項3〜5のいずれか1項に記載の協調空調装置を用
    いることを特徴とする露光装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載の露光装置にお
    いて、ディスプレイと、ネットワークインタフェース
    と、ネットワーク用ソフトウェアを実行するコンピュー
    タとをさらに有し、露光装置の保守情報をコンピュータ
    ネットワークを介してデータ通信することを可能にした
    露光装置。
  9. 【請求項9】 前記ネットワーク用ソフトウェアは、前
    記露光装置が設置された工場の外部ネットワークに接続
    され前記露光装置のベンダ若しくはユーザが提供する保
    守データベースにアクセスするためのユーザインタフェ
    ースを前記ディスプレイ上に提供し、前記外部ネットワ
    ークを介して該データベースから情報を得ることを可能
    にする請求項8に記載の露光装置。
  10. 【請求項10】 請求項6〜9のいずれか1項に記載の
    露光装置を含む各種プロセス用の製造装置群を半導体製
    造工場に設置する工程と、該製造装置群を用いて複数の
    プロセスによって半導体デバイスを製造する工程とを有
    することを特徴とする半導体デバイス製造方法。
  11. 【請求項11】 前記製造装置群をローカルエリアネッ
    トワークで接続する工程と、前記ローカルエリアネット
    ワークと前記半導体製造工場外の外部ネットワークとの
    間で、前記製造装置群の少なくとも1台に関する情報を
    データ通信する工程とをさらに有する請求項10に記載
    の半導体デバイス製造方法。
  12. 【請求項12】 前記露光装置のベンダ若しくはユーザ
    が提供するデータベースに前記外部ネットワークを介し
    てアクセスしてデータ通信によって前記製造装置の保守
    情報を得る、若しくは前記半導体製造工場とは別の半導
    体製造工場との間で前記外部ネットワークを介してデー
    タ通信して生産管理を行う請求項11に記載の半導体デ
    バイス製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項6〜9のいずれか1項に記載の
    露光装置を含む各種プロセス用の製造装置群と、該製造
    装置群を接続するローカルエリアネットワークと、該ロ
    ーカルエリアネットワークから工場外の外部ネットワー
    クにアクセス可能にするゲートウェイを有し、前記製造
    装置群の少なくとも1台に関する情報をデータ通信する
    ことを可能にしたことを特徴とする半導体製造工場。
  14. 【請求項14】 半導体製造工場に設置された請求項6
    〜9のいずれか1項に記載の露光装置の保守方法であっ
    て、前記露光装置のベンダ若しくはユーザが、半導体製
    造工場の外部ネットワークに接続された保守データベー
    スを提供する工程と、前記半導体製造工場内から前記外
    部ネットワークを介して前記保守データベースへのアク
    セスを許可する工程と、前記保守データベースに蓄積さ
    れる保守情報を前記外部ネットワークを介して半導体製
    造工場側に送信する工程とを有することを特徴とする露
    光装置の保守方法。
JP2001308769A 2001-10-04 2001-10-04 非干渉化温調制御装置、協調空調装置、およびこれらを用いる露光装置 Withdrawn JP2003114724A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001308769A JP2003114724A (ja) 2001-10-04 2001-10-04 非干渉化温調制御装置、協調空調装置、およびこれらを用いる露光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001308769A JP2003114724A (ja) 2001-10-04 2001-10-04 非干渉化温調制御装置、協調空調装置、およびこれらを用いる露光装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003114724A true JP2003114724A (ja) 2003-04-18

Family

ID=19128024

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001308769A Withdrawn JP2003114724A (ja) 2001-10-04 2001-10-04 非干渉化温調制御装置、協調空調装置、およびこれらを用いる露光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003114724A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005084697A (ja) * 2003-09-04 2005-03-31 Yamatake Corp 制御装置および制御方法
US6951998B2 (en) * 2000-04-14 2005-10-04 Omron Corporation Controller, temperature regulator and heat treatment apparatus
JP2006323723A (ja) * 2005-05-20 2006-11-30 Omron Corp 目標温度加工装置およびその階層構造
JP2007067099A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Canon Inc 露光装置
WO2016084369A1 (ja) * 2014-11-26 2016-06-02 三菱重工プラスチックテクノロジー株式会社 温度制御方法、及び、温度制御装置
CN113939720A (zh) * 2019-05-31 2022-01-14 应用材料股份有限公司 利用高温计校正衬底温度的方法以及装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09119696A (ja) * 1995-08-23 1997-05-06 Toshiba Corp 空気調和機の制御装置及び制御方法
JPH11202932A (ja) * 1998-01-19 1999-07-30 Toshiba Corp プラント情報収集表示装置
JPH11234335A (ja) * 1998-02-13 1999-08-27 Omron Corp Faネットワークシステム
JP2000187514A (ja) * 1998-10-14 2000-07-04 Omron Corp 制御装置、温度調節器および熱処理装置
JP2001208391A (ja) * 2000-01-26 2001-08-03 Yamatake Building Systems Co Ltd 大空間空調制御システム
JP2001236115A (ja) * 2000-02-24 2001-08-31 Fanuc Ltd リモート診断システム及び方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09119696A (ja) * 1995-08-23 1997-05-06 Toshiba Corp 空気調和機の制御装置及び制御方法
JPH11202932A (ja) * 1998-01-19 1999-07-30 Toshiba Corp プラント情報収集表示装置
JPH11234335A (ja) * 1998-02-13 1999-08-27 Omron Corp Faネットワークシステム
JP2000187514A (ja) * 1998-10-14 2000-07-04 Omron Corp 制御装置、温度調節器および熱処理装置
JP2001208391A (ja) * 2000-01-26 2001-08-03 Yamatake Building Systems Co Ltd 大空間空調制御システム
JP2001236115A (ja) * 2000-02-24 2001-08-31 Fanuc Ltd リモート診断システム及び方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6951998B2 (en) * 2000-04-14 2005-10-04 Omron Corporation Controller, temperature regulator and heat treatment apparatus
JP2005084697A (ja) * 2003-09-04 2005-03-31 Yamatake Corp 制御装置および制御方法
JP2006323723A (ja) * 2005-05-20 2006-11-30 Omron Corp 目標温度加工装置およびその階層構造
JP4735044B2 (ja) * 2005-05-20 2011-07-27 オムロン株式会社 目標温度加工装置
JP2007067099A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Canon Inc 露光装置
US8184261B2 (en) 2005-08-30 2012-05-22 Canon Kabushiki Kaisha Exposure apparatus
WO2016084369A1 (ja) * 2014-11-26 2016-06-02 三菱重工プラスチックテクノロジー株式会社 温度制御方法、及び、温度制御装置
JPWO2016084369A1 (ja) * 2014-11-26 2017-04-27 U−Mhiプラテック株式会社 温度制御方法、及び、温度制御装置
US10493680B2 (en) 2014-11-26 2019-12-03 U-Mhi Platech Co., Ltd. Temperature control method and temperature control device
CN113939720A (zh) * 2019-05-31 2022-01-14 应用材料股份有限公司 利用高温计校正衬底温度的方法以及装置
CN113939720B (zh) * 2019-05-31 2023-10-31 应用材料股份有限公司 高温计校正衬底温度方法及非暂时性计算机可读存储介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3870002B2 (ja) 露光装置
JP4745556B2 (ja) 位置決め装置、露光装置、及びデバイス製造方法
US6762516B2 (en) Electromagnetic actuator and exposure apparatus having the same
US6903468B2 (en) Moving stage device in exposure apparatus
US6859257B2 (en) Stage system
JP2003115440A (ja) 温度調節装置および非干渉化温調制御装置並びにこれらの装置を備えた露光装置
US20030090645A1 (en) Vibration damping apparatus, control method therefor, exposure apparatus having the vibration damping apparatus, maintenance method therefor, semiconductor device fabrication method, and semiconductor fabrication factory
JP2003068600A (ja) 露光装置、および基板チャックの冷却方法
JP2001304332A (ja) 能動制振装置
JP3833148B2 (ja) 位置決め装置及びその制御方法、露光装置、デバイスの製造方法、半導体製造工場、露光装置の保守方法
WO2002057858A2 (en) Method and device for motion control
JP2001007015A (ja) ステージ装置
JP2003114724A (ja) 非干渉化温調制御装置、協調空調装置、およびこれらを用いる露光装置
US8451431B2 (en) Control systems and methods applying iterative feedback tuning for feed-forward and synchronization control of microlithography stages and the like
JP2003202051A (ja) 除振装置
US20010053196A1 (en) Weight compensation apparatus, stage apparatus using the same, and exposure apparatus
JP2002118050A (ja) ステージ装置、露光装置、半導体デバイス製造方法、半導体製造工場、および露光装置の保守方法
JP2003068626A (ja) 露光装置内ユニットの輻射冷却方法及び輻射冷却装置
JP2003232398A (ja) 除振装置の調整方法および除振装置
JP2003133211A (ja) デバイス製造装置およびその温調制御方法
KR20080055680A (ko) 스테이지 장치, 제어시스템, 노광 장치 및 디바이스 제조방법
JP2002351502A (ja) 温度調節計、およびこれを用いた露光装置
JP2002364702A (ja) 除振装置およびそれを有する半導体製造装置
JP4434518B2 (ja) 露光装置
JP2002222758A (ja) ステージ装置およびそれを用いた露光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060412

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20060529